JP3264576B2 - シリアルサーマルプリント方法 - Google Patents

シリアルサーマルプリント方法

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JP3264576B2
JP3264576B2 JP3024594A JP3024594A JP3264576B2 JP 3264576 B2 JP3264576 B2 JP 3264576B2 JP 3024594 A JP3024594 A JP 3024594A JP 3024594 A JP3024594 A JP 3024594A JP 3264576 B2 JP3264576 B2 JP 3264576B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドが副走
査方向に移動し、記録紙が主走査方向に移動するシリア
ルサーマルプリンタに用いられるプリント方法に関し、
更に詳しくは行のつなぎ目が目立たないように改善した
シリアルサーマルプリント方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱記録方法には、感熱記録紙に画像を直
接に記録する感熱記録と、インクフイルムのインクを記
録紙に転写する熱転写記録とがある。この熱転写記録に
は、溶融したインクを記録紙に転写する溶融型と、記録
紙に転写されるインク量が熱エネルギーに応じて変化す
る昇華型とがある。例えば熱転写記録には、装置の小型
・軽量化を図るために、主走査方向に複数の発熱素子を
配列したサーマルヘッドを用い、これを副走査方向に移
動させながら1行を記録した後、主走査方向に紙送りし
て次の1行を記録する方式のシリアルサーマルプリンタ
が多く用いられている。
【0003】1個の発熱素子は、主走査方向の長さが例
えば70μm程度であるため、シリアルサーマルプリン
タでは紙送りを高精度に行うことが必要であるが、実際
に記録した場合には、隣合う行同士の縁が互いに重なっ
たり、あるいは離れたりすることが多い。行同士が重な
った場合に、濃度が高い画像部分での重なりであれば比
較的目立たないが、濃度が中程度以下の画像部分であれ
ば副走査方向に伸びたスジが現れる。行同士が離れる
と、低濃度の画像部分では目立たないが、中高濃度の画
像部分は、記録紙の地がスジとなって現れる。普通は地
が白い記録紙が用いられるため、極めて目立つ白スジと
なる。
【0004】行端の重なりによるスジよりも、行の離れ
による白スジの方が画質を大きく劣化させるから、隣接
する2つの行において複数の画素列がオーバーラップす
るように紙送りするプリント方法が知られている。しか
し、単純にオーバーラップさせた場合には、例えば、n
行に含まれた複数の画素列の階調レべルが低く、(n+
1)行の複数の画素列の階調レべルが低い場合には、オ
ーバーラップした複数の画素列の濃度は、(n+1)行
の複数の画素列の濃度となる。この結果、行の境界は、
濃度が高くなって目立つことになる。そこで、オーバー
ラップする部分に濃度勾配(フェードイン,フェードア
ウト)を与える方法も知られている。
【0005】しかし、濃度勾配を与える方法では、オー
バーラップ部分を記録する複数の発熱素子の画像データ
に重み付けすることが必要であるため、画像処理が極め
て複雑になるという欠点がある。このため、本出願人
は、特願平5−302066号において、極めて簡便に
行のつなぎ目を目立たなくすることができるシリアルサ
ーマルプリント方法を提案している。
【0006】この方法では、マトリクスに配置した複数
のセルで1個の画素を構成し、階調レベルに応じたイン
クドットパターンとなるように、隣接した複数例えば4
個の発熱素子によって各セルにインクドットが記録され
る。このインクドットパターンは、階調レベルが高くな
るにつれて画素内に記録されるインクドットの形状が、
点→横線→十字→矩形のように変化する。また、行の端
にオーバーラップを予定している1本の副走査方向サブ
ライン(以下、単に副サブラインという)が追加されて
いる。この追加副サブラインは、その上にある副サブラ
インであって、行端の画素列の最終副サブラインと同じ
状態でインクドットが記録される。この追加副サブライ
ンには、画素の階調レベルが中濃度よりも少し高いとき
にインクドットが記録され、次行の第1番の画素の一番
上の副サブラインとオーバーラップされる。したがっ
て、中濃度よりも少し高い階調レベルになると、十字形
の突起部分での重なりが起こるから、紙送りにムラが発
生してもスジ状の隙間が生じることなく、行のつなぎ目
を目立たなくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなシリアルサーマルプリント方法では、行端の画素
が低濃度からやや中濃度(以下、単に中低濃度という)
の画像部分を記録する場合に、オーバーラップして記録
されるインクドットが存在しないために、行のつなぎ目
の改善を期待することができない。中低濃度部分のつな
ぎ目を良くするには、点→縦線→十字→矩形と変化する
インクドットパターンを用いる方法が考えられる。しか
し、このようなインクドットパターンを用いると、中低
濃度の画像部分にザラツキ感が生じ、記録画像の画質が
悪化するとともに、オーバーラップしたつなぎ目の部分
は、何らのつなぎ目対策を施さないときよりも目立って
しまう。
【0008】また、このような主走査方向に突出した細
い縦線のインクドットパターンを記録するには、発熱素
子を急激に加熱する必要がある。このため、発熱素子が
インクの転写温度に達する前にサーマルヘッドが移動し
てしまい、各セルのインクドットが所定のサイズで転写
されず、インクドットが欠けるという不都合が生じる。
これは、低濃度の画像部分において、階調性,解像度の
悪化を招くことになる。
【0009】本発明は、低濃度から高濃度の画像部分ま
で行のつなぎ目が目立たないように記録することができ
るシリアルサーマルプリント方法を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、隣接するN(2以上の整数)本の副サ
ブラインで、主走査方向がN個,副走査方向がM(2以
上の整数)個のセルからなる1個の画素を配列した画素
列が形成される。1個の画素には、階調レベルに応じた
インクドットパターンが記録される。各画素内にあるN
本の副サブラインの部分は、それそれ副サブライン部分
を構成しており、その中で1本以上の第1優先副サブラ
イン部分及び第2優先副サブライン部分が決められてい
る。第1優先副サブライン部分の全てのセルにインクド
ットが記録される階調レベルは、第2優先副サブライン
部分の全てのセルにインクドットが記録される階調レベ
ルよりも低く、したがって第1優先副サブライン部分は
早めに記録される。第n行と第(n+1)行は、1本以
上の第1優先副サブライン部分でオーバーラップされる
ように、記録紙の送り量が決定されている。第n行の下
方の副サブラインと次に記録される第(n+1)行の上
方の副サブラインとで、行の境界上に位置する1本の画
素列が形成されるから、この画素列は2回に分けて記録
されることになる。
【0011】第1優先副サブライン部分は、1個あれば
実用上問題がないが、紙送りの精度が極めて悪く、基準
送り量からのずれが副サブライン1本分の幅よりも大き
くなることがあるサーマルプリンタでは、例えば2個又
は3個の副サブライン部分を第1優先副サブライン部分
とするのがよい。こうすると、行端では2本以上の副サ
ブラインがオーバーラップされるから、紙送りのズレが
大きい場合でも行間に隙間が生じるのを防止することが
できる。
【0012】1画素を構成する副サブライン部分は2個
以上であればよい。階調表現性が高く、低階調からなめ
らかにつなぎ目を補正するには、4本以上がよい。4本
以上の場合には、第1優先副サブライン部分の位置は、
画素列の中央側に位置させるのがよい。そして、これに
隣接して第2優先副サブライン部分を配置し、これらの
第1及び第2優先副サブライン部分を挟むように、第3
及び第4優先副サブライン部分を配置するのがよい。
【0013】第1優先副サブライン部分の各セルの記録
順と、第2優先副サブライン部分の各セルの記録順とを
同じにするのがよい。また、第3及び第4優先副サブラ
イン部分は、階調レベルが高くなるにつれて、交互にイ
ンクドットが記録される。
【0014】各画素のドットパターンとしては、第1優
先副サブライン部分のセルの1つからインクドットの記
録が開始され、階調レベルが高くなるにつれてインクド
ットが記録されるセルの個数が増えてゆき、この第1優
先副サブライン部分の全てのセルにインクドットが記録
された後は、第2優先副サブライン部分のセルの記録が
開始されるようなパターンが用いられる。この際に、第
1及び第2優先副サブライン部分では、端から順番に記
録する他に、画素の中央付近にあるセルから記録を開始
し、階調レベルが1ステップ上がる毎に、その両側のセ
ルに交互にインクドットを記録してゆくのがよい。
【0015】行の境界上の画素列を構成する少なくとも
1本の第1優先副サブライン部分は、第n行と次の第
(n+1)行の記録の一方では、画素の階調レベルによ
って決まるインクドットパターンの一部が記録され、他
方の記録ではその上又は下にある第2優先副サブライン
部分に記録されるインクドットパターンと同じ状態で記
録するのがよい。
【0016】また、行の境界上の画素列を構成する少な
くとも1本の第1優先副サブライン部分は、第n行と次
の第(n+1)行の記録の一方では、画素の階調レベル
によって決まるインクドットパターンの一部が記録さ
れ、他方の記録では階調レベルに応じて決まる行のつな
ぎ目用インクドットパターンで記録する。この場合に、
つなぎ目用インクドットパターンと、画素の階調レベル
によって決まるインクドットパターンは、第1優先副サ
ブライン部分の各セル間での記録順番を同じにするのが
よい。
【0017】
【作用】各画素にインクドットを記録する場合には、第
1副サブライン部分の記録が優先される。規定の紙送り
は、少なくとも1本の第1副サブライン部分がオーバー
ラップするように行われるので、階調レベルがやや小さ
く、第2副サブライン部分の記録が開始されるやや低濃
度からインクドットの重なりが発生する。したがって、
紙送りムラのうち、特に問題となる行同士が離れる方向
での紙送りムラが発生しても、行間の隙間が発生するこ
とがない。この効果はやや低濃度から高濃度の全範囲に
わたって得られる。
【0018】また、行の境界上の画素が、やや低濃度よ
りも小さい場合に、紙送り量が規定通りあれば、つなぎ
目対策を施さないものと同じインクドットパターンとな
る。紙送り量にずれが生じると、インクドットの記録位
置にずれが生じるため、行の境界上の画素のサイズが主
走査方向で小さくなる。これは、インクドットが記録さ
れていない各セルの一部又は全部がなくなったのと同じ
であるから、つなぎ目が目立つことはない。
【0019】また、行の境界上の画素が、やや低濃度以
上の場合に、前述したように第1副サブライン上のいく
つかのセルにおいてインクドットの重なりが発生する。
紙送りが大きい場合には前述した通りであるが、規定通
り以下の場合にもつなぎ目が目立つことはない。すなわ
ち、黒のモノクロの場合には、黒のインクドットの重な
りであり、またカラーの場合にも第1優先副サブライン
部分には3種類のインクドットによって黒のインクドッ
トとなる確率が高いから、このインクドットでの重なり
が目立つことはない。紙送りにズレが発生すると、2回
目に記録した黒のインクドットの一部が、1回目に記録
した黒のインクドットからはみ出て、白スジの発生を防
止することができるが、その反面この黒のインクドット
の面積が主走査方向で大きくなる。しかし、このインク
ドットのサイズ変化も比較的目立つことはない。
【0020】つなぎ目専用のインクドットパターンを用
いた場合には、行の境界上の画素の階調をなめらかに表
現することができる。また、紙送り量が規定値からずれ
た場合に、第1優先副サブライン部分が第2優先サブラ
イン部分をコピーして作成したものと比較すると、2回
目の記録で現れるインクドットを、低階調から高階調の
全ての範囲で、目立たなくすることができる。
【0021】
【実施例】本発明のプリント方法を適用したシリアルサ
ーマルプリンタを示す図2において、サーマルヘッド1
0はヘッド移動機構11によって水平方向(副走査方
向)に往復動され、記録紙12はプラテンローラ13及
び搬送ローラ14によって記録位置に対して縦方向(主
走査方向)に搬送される。溶融転写用のインクリボン1
5は周知のリボンカセット16で供給される。リボンカ
セット16はサーマルヘッド10の後方に装着され、イ
ンクリボン15はリボンカセット16から僅かに引き出
されてサーマルヘッド10と記録紙12との間に通され
る。なお、符号17はプラテンローラ13及び搬送ロー
ラ14を駆動するパルスモータ,符号18はドライバで
ある。
【0022】記録時には、インクリボン15がサーマル
ヘッド10によって背後から記録紙12に密着されると
ともに、リボンカセット16がサーマルヘッド10と一
緒にヘッド移動機構11によって副走査方向に移動され
る。サーマルヘッド10は、インクリボン15の背後を
加熱し、溶融又は軟化したインクを記録紙12に転写す
る。このインクは、図3において、仮想的に表したセル
22内に付着し、インクドットを形成する。1行の記録
が終了すると、サーマルヘッド10及びリボンカセット
16は、初期位置に戻されるとともに、記録紙12が主
走査方向に1行の幅より僅かに少なく搬送される。
【0023】図3において、サーマルヘッド10には、
例えば144個の発熱素子10a1,10b1 ,10c
1 ,10d1 ,10a2 ,10b2 ,・・・,10
36,10d36が主走査方向に沿って配列されている。
各発熱素子は、主走査方向の長さがL1(例えば、70
μm),副走査方向の長さがL2(例えば、100μ
m)の矩形状をしている。例えば、4個の発熱素子10
1 ,10b1 ,10c1 ,10d1 は、1本の主走査
方向サブライン(以下、主サブラインという)24だけ
送られる毎に駆動され、4本の副サブライン(副走査方
向サブライン)21A〜21Dを記録する。主サブライ
ン24の幅は、発熱素子の副走査方向の長さL2と同じ
である。
【0024】隣合う2行の端で副走査方向に伸びた1画
素列を形成するために、本実施例では、1行が141個
の発熱素子で記録され、そして規定の紙送り量は140
個の発熱素子の主走査方向の長さ(L1×140)とな
っている。最上端の画素P1は2個の発熱素子10
1 ,10d1 で記録し、次の画素P2 は4個の発熱素
子10a2 〜10d2 で記録し、そして最下端の画素P
36は3個の発熱素子10a 36,10b36,10c36で記
録する。そして、発熱素子10c36は次行と重複記録を
予定している副サブライン21Aを記録する。発熱素子
10c36は、上の発熱素子10b36と同じ駆動データに
より駆動され、副サブライン21Aは直ぐ上の副サブラ
イン21Bと同じ状態で記録される。なお、画素P2
セル22内に記した番号1〜32は、インクドットが記
録される階調レベルを表しており、例えば階調レベル
「5」では、数字「1」〜「5」を付したセルにインク
ドットが記録される。また、画素P1 ,P36のセル内に
記した「0」は、発熱素子を発熱させない駆動データを
示している。また、第1行目の上端及び最終行の下端の
画素は隣の行が存在しないので、4個の発熱素子を用い
て、画素の階調レベルに応じたインクドットを記録して
もよい。
【0025】1画素は、主走査方向に4個,副走査方向
に8個のセル22で構成され、32階調を表現する。各
画素は、副サブラインの一部によって構成されているか
ら、図4に示すように、副サブラインのうち1画素内に
ある部分を副サブライン部分と称する。図4に示すよう
に、インクドットの記録は、3列目の副サブライン21
Aの一部を構成する第1優先副サブライン部分21aの
セルから開始される。階調レベルが高くなるに従って、
中央のセルから左右のセルが交互に記録される。第1優
先副サブライン部分21aの全てのセルが記録されてか
ら、2列目の第2優先副サブライン部分21bのセルの
記録に移行する。第2優先副サブライン部分21bの全
てのセルの記録が終わると、画素の中央部が上下に突出
するように第3優先副サブライン部分21c,第4優先
副サブライン部分21d上にインクドットが記録され
る。すなわち、1画素に記録されるインクドットパター
ンの形状は、階調レベルが高くなるに従って、点→横線
→逆T字→十字→矩形と変化する。
【0026】図5は、ヘッド駆動部の一例である。ビデ
オテープレコーダやスキャナーから入力された画像デー
タは、フレームメモリ25に書き込まれる。記録時に、
コントローラ26は、階調レベルを表す画像データをフ
レームメモリ25から、1行目の1列分,すなわち主走
査方向に並んだ36個の画素の画像データを画素毎に順
番に読み出す。ラインメモリ27に書き込まれた複数列
の画像データのうち、1列分の画像データが画素毎に読
み出されて、駆動データ発生部28へ送られる。
【0027】駆動データ発生部28は、画像データに応
じて図4に示すインクドットパターンを記録するための
駆動データをROM29から読み出す。このROM29
には、図6に示すようなDOT−LUT33が書き込ま
れている。このDOT−LUT33には、画像データの
階調レベル毎に区分され、各区分には1個の画素の各セ
ルにインクドットを記録するかどうかを表す駆動データ
が書き込まれている。ここで、「1」は、発熱素子を駆
動してインクドットを記録することを表している。
【0028】1個の画素は主走査方向に並んだ4個の発
熱素子で記録されるから、DOT−LUT33の1個の
アドレスには、4ビットの駆動データが書き込まれてい
る。この4ビット駆動データのうちA列にある1ビット
は、例えば発熱素子10a2に供給され、B列にある1
ビットは発熱素子10b2 ,C列にある1ビットは発熱
素子10c2 ,D列にある1ビットは発熱素子10d2
にそれぞれ供給される。
【0029】また、1個の画素は、副走査方向で8個の
セルから構成されているため、各階調レベルの区分は、
4ビットの駆動データが8個並んでいる。階調レベルは
「1」〜「32」の32ステップであるため、DOT−
LUT33のアドレスは「0」〜「255」となる。な
お、1画素の全てのセルにインクドットを記録しない階
調レベル「0」を用いてもよく、この場合にはアドレス
が「1」〜「263」となる。
【0030】駆動データ発生部28は、画素の階調レベ
ルと主サブライン位置情報(ピクセル位置情報)とから
DOT−LUT33のアドレスを求め、このアドレスに
対応する駆動データをDOT−LUT33から読み出
す。例えば、画素の階調レベルが「1」であり、記録し
ようとする主サブラインが4番目である場合には、DO
T−LUT33のアドレスが「3」であるから、駆動デ
ータ発生部28はDOT−LUT33のアドレス「3」
に格納されている駆動データ「0010」を読み出して
駆動データ補正部30に送る。この4ビットの駆動デー
タの取出しは、1列中の第1番目の画素から順番に行わ
れる。したがって、1行中の1本の主サブラインを記録
するために、4ビットの駆動データが36回取り出され
て、駆動データ補正部30にそれぞれ送られる。なお、
4ビットラッチ回路を2個用い、8ビットに変換してか
ら、駆動データ補正部30に送ってもよい。
【0031】駆動データ補正部30には、1行内の1本
の主サブラインを記録するために、4ビットの駆動デー
タが36回入力される。この36個の4ビット駆動デー
タは、シフトレジスタによって144ビットの駆動デー
タに変換される。この144ビットの駆動データのう
ち、第1及び第2番目のビットを「0」に置き換え、第
143番目のビットを第142番目の駆動データで置き
換え、第144番目のビットを「0」に置き換えてか
ら、サーマルヘッド10に供給する。なお、第3〜第1
42番目のビットは、そのまま用いられる。特定のビッ
トを「0」に置き換えるのは、使用しないためである。
勿論、行の上端用と下端用の2種類のDOT−LUTを
用いれば、このような置換は不要である。
【0032】主サブラインを1本ずつ記録することによ
り、1行目の記録が終了すると、記録紙12が1行の幅
(L1×144)よりも1画素の主走査方向の幅(L1
×4)だけ少なく搬送される。したがって、サーマルヘ
ッド10に着目すれば、1行目と2行目とが副走査方向
に伸びた幅L1×4の1画素列でオーバーラップされ
る。この部分の画像データは、1行目と2行目とで同じ
ものが使用される。なお、後で詳しく説明するように、
インクドットの重なりは、発熱素子10c36と発熱素子
1 とで記録される1本の副サブライン21Cで生じ
る。
【0033】図1に示す記録例は、全画素を階調レベル
「10」の画像データで記録したもので、規定の紙送り
量が1行の幅(L1×144)より1本の画素列の幅
(L1×4)だけ少ないため、n行目の最下端の画素列
SL36と(n+1)行目の最上端の画素列SL1 ’とが
合成されて、1本の画素列SL0 が形成される。この画
素列SL0 は、画素列SL36と画素列SL1 とがオーバ
ーラップ部OLでオーバーラップしている。このオーバ
ーラップ部OLは、画素列SL0 の上から3番目の副サ
ブライン21Aである。画素列SL0 の各画素に着目す
れば、図4に示す第1優先サブライン部21aでオーバ
ーラップが発生する。
【0034】画素列SL0 の各画素に記録されるインク
ドットパターンは、紙送りにバラツキがない場合には、
図1に示すように、画素列SL36の各画素に記録される
縦方向に細いインクドットD1の下半分と、画素列SL
1 ’の各画素に記録される横方向に細いインクドットD
2の中央部とが重なっており、全体として逆T字形をし
ている。このインクドットパターンは、画素列SL2
SL35の各画素のインクドットパターンと同じように、
オーバーラップ部OLでインクドットの重なりを保った
上て、本来の階調レベルに応じたインクドットパターン
となっている。オーバーラップ部OLは、黒インクを用
いたモノクロの場合には、インクドットが重なっても黒
であるから、画素列SL0 の各画素の濃度は、画素列S
2 〜SL35上の各画素の濃度とほとんど変わらない。
また、3色インクフイルムを使用したカラー記録の場合
には、オーバーラップ部OLは黒になる確率が高いの
で、やはり濃度は殆ど変わらない。したがって、n行目
と(n+1)行目との間は目立たつことがない。
【0035】また、紙送り量が多い場合には、その変動
量が第1優先副サブライン部分21aの主走査方向の幅
以下であれば、図7に示すように、n行目と(n+1)
行目との間に隙間が生じない。また、紙送り量が少ない
場合には、図8に示すように、オーバーラップ部OLの
面積が紙送り量が規定値である場合と同じであるから、
いずれの場合も行のつなぎ目は目立たない。
【0036】階調レベルが「8」以下の低濃度の画像を
記録する場合には、図4に示すインクドットパターンか
ら明らかなように、点又は横線状になる。すなわち、画
素列SL0 では、(n+1)行目の画素列SL1 ’を構
成する1本の副サブライン上だけにインクドットが記録
され、n行目の画素列SL36にはインクドットが記録さ
れないから、紙送りが適正であれば、階調レベルによっ
て決まる本来のインクドットパターンとなる。なお、紙
送り量にバラツキがあると、横線が画素内で上下にシフ
トする。この場合に、原理的にはつなぎ目が分るはずで
あるが、極低濃度ではつなき目が目立ちにくい。
【0037】図4のインクドットパターンから分るよう
に、階調レベル「18」以上では、各画素のドット形状
は十字形になり、これらが繋がって格子を形成する。n
行目の画素列SL36の各画素に逆T字形,n行目の画素
列SL1 ’の各画素がT字形のインクドットが形成され
るから、これらを合成した画素列SL0 の各画素は、紙
送りにバラツキがない場合には、第1優先副サブライン
部分21aでオーバーラップし、画素列SL0 に記録さ
れるインクドットパターンは、画素列SL2 〜SL35
それと全く変わらない。また、各画素は、1本の第1優
先副サブライン部分21aでオーバーラップされるが、
黒に黒を重ねても目立つことはない。また、紙送りにバ
ラツキがあっても、その変動量が第1優先副サブライン
部分21aの幅以下であれば、(n−1)行目とn行目
との間に隙間が生じない。
【0038】次に、上記実施例の作用について説明す
る。記録時には、プラテンローラ13,搬送ローラ14
が矢印方向に回転して、記録紙12の記録エリアの先端
がサーマルヘッド10の位置まで給送される。サーマル
ヘッド10及びリボンカセット16は左端の初期位置に
移動される。
【0039】フレームメモリ25に書き込まれた1フレ
ーム分の画素の画像データは、行及び列によって指定さ
れ、1列を構成する36個の画素の画像データが主走査
方向の順番で読み出され、いったんラインメモリ27に
書き込まれる。このラインメモリ27に書き込まれた複
数列の1つが画素毎に読み出され、駆動データ発生部2
8に送られる。駆動データ発生部28は、階調レベルを
表す画像データと主サブラインの位置情報とでROM2
9のアドレスを作成し、ROM29内のDOTーLUT
33から4ビットの駆動データを読み出し、これを駆動
データ補正部30に送る。
【0040】この駆動データ補正部30は、36個の4
ビット駆動データをシリアルデータに変換するととも
に、特定のビットを特定のデータに変換する。すなわ
ち、先頭の2個と最後の1個の各駆動データを「0」に
変換するとともに、最後から2番目の駆動データを最後
から3番目の駆動データに置換する。そして、これらの
駆動データがサーマルヘッド10に供給される。
【0041】サーマルヘッド10及びリボンカセット1
6を副走査方向で右方へ移動しながら、サーマルヘッド
10がインクリボン15を背後から加熱・加圧して、溶
融したインクを記録紙12に転写する。
【0042】サーマルヘッド10が記録紙12の右端ま
で移動して1行が記録紙12に記録されると、インクリ
ボン15への加熱・加圧が中止され、サーマルヘッド1
0及びリボンカセット16が副走査方向で左方へ移動し
て戻る。この戻り中に、プラテンローラ13及び搬送ロ
ーラ14が回転して記録紙12が搬送され、次の行がサ
ーマルヘッド10の位置まで搬送される。この搬送量
は、L1 ×140であり、これにより最下端の画素列S
36と、次行の最上端の画素列SL1 ’とによって1本
の画素列SL0 が記録される。以下、この動作を繰り返
して画像を1行ずつ記録し、全ての行の記録が終了する
と、プラテンローラ13及び搬送ローラ14が矢印方向
に連続回転され、記録紙12が排出される。
【0043】以上のように、行の境界上にある1本の画
素列SL0 は、前行の画素P36と次行の画素P1 を合成
したものであるから、2度に別けて記録される。そし
て、この2つの画素P36とP1 は、第1優先副サブライ
ン部分21aでオーバーラップする。画素P36とP1
記録では、一部の発熱素子を駆動していないので、実質
的には、前行では第1優先副サブライン部分21aで記
録し、次行は第1優先副サブライン部分21aから記録
が開始されることになる。
【0044】画素列SL0 上の画素の階調レベルが
「1」〜「8」の低濃度である場合には、インクドット
の重なりを生じることがないので、原理的にはつなぎ目
が見えるが、低濃度のために目立つことはない。やや低
濃度である階調レベル「9」からはインクドットの重な
りが発生するから、紙送りムラがあっても行間の隙間が
発生することがなく、つなぎ目が目立つことがない。
【0045】以上説明した実施例では、前行の画素P36
の記録に際しては、第1優先副サブライン部分21aを
第2優先副サブライン部分21bと同じインクドットパ
ターンで記録しているが、画素P36の階調レベルに応じ
て決めた行のつなぎ目用インクドットパターンを用いて
もよい。図9に示す実施例では、つなぎ目用インクドッ
トパターンの記録順番として、例えば「22,16,1
1,9,10,13,19,25」が用いられている。
このつなぎ目用インクドットパターンは、元々のインク
ドットパターンの記録順序が「7,5,3,1,2,
4,6,8」であるから、両者を比較すれば、第1優先
副サブライン部分21a内での各セルの記録順番が同じ
であることが分る。例えば、第2番目のセルに着目すれ
ば、つなぎ目用インクドットパターンでは数字が「1
6」であるから、第1優先副サブライン部分21a内で
は5番目に記録される。他方、本来のインクドットパタ
ーンでは、数字が「5」であるから、やはり5番目に記
録される。また、つなぎ目用インクドットパターンの数
字は、本来のものよりも大きいので、やや低濃度から高
濃度の画像部分において全セルにインクドットが記録さ
れることになる。
【0046】図10は、つなぎ目用インクドットパター
ンを用いるシリアルサーマルプリンタを示すものであ
り、図5と同じ部分には同じ符号を付してある。駆動デ
ータ補正部30にはROM35が接続されている。この
ROM35には、図11に示すようなDOT−LUT3
6が書き込まれている。このDOT−LUT36は、図
9に示した行のつなぎ目用インクドットパターンの記録
順序「22,16,11,9,10,13,19,2
5」に基づいて作成される。
【0047】駆動データ補正部30は、4ビットの駆動
データをシリアル変換して、主サブライン1本分,すな
わち144ビット駆動データにする。そして、第1,第
2番目のビットを「0」に置き換え、第33〜第142
番目のビットはそのままに、第143番目のビットを画
素P36の階調レベルに応じてDOT−LUT36から読
み出した1ビットのデータと置き換え、第144番目の
ビットを「0」に置き換える。なお、行の上端用と下端
用のDOT−LUTを用いて、「0」の置き換えを行っ
てもよい。
【0048】全画素を階調レベル「10」の画像データ
で記録する場合には、n行の最終画素ライン上の各画素
は、その第1優先副サブライン部分がDOT−LUT3
6から読み出したデータによって記録され、その上にあ
る第2及び第4優先副サブライン部分が階調レベルに応
じたデータで記録される。第3優先副サブライン部分
は、強制的にデータが「0」にされるから、実質的にイ
ンクドットを記録しない。これにより、階調レベル「1
0」では、最終画素ラインの各画素には、短い縦線が記
録される。
【0049】他方、(n+1)行の第1番目の画素ライ
ン上の各画素は、第1及び第3優先副サブライン部分
が、階調レベルに応じたインクドットパターンで記録さ
れ、そして第2及び第3優先副サブライン部分は、強制
的にデータが「0」にされるから、実質的にインクドッ
トを記録しない。これにより、階調レベル「10」で
は、第1番目の画素ライン上の各画素には、横線が記録
される。
【0050】これらの2種類の画素がそれぞれ合成さ
れ、行の境界上の画素列を形成する。この画素列の各画
素は、図12(B)に示すように、第1優先副サブライ
ン部分のインクドットが重なっている。このインクドッ
トパターンは、図1に示すインクドットパターンと同じ
であるから、前述したように、つなぎ目をうまく改善す
ることができる。
【0051】図12には、階調レベルが「9」の他に、
「5」,「16」,「26」について、行の境界上に記
録される合成画素のインクドットパターンを示してあ
る。これから分るように、第1優先副サブライン部分上
のインクドットが重なっているが、インクドットパター
ンは、階調レベルによって決まるものと同じである。
【0052】図13は、画素内でのインクドットの記録
順が異なった別の実施例を示す。画素38は、3列目の
第1優先副サブライン部分39aの左端にあるセルから
記録が開始される。階調レベルが高くなるに従って、第
1優先副サブライン部分39aの左端から右端に向かっ
てインクドットの面積が増える。第1優先副サブライン
部分39aのセルの全てが記録されてから、2列目の第
2優先副サブライン部分39bのセルの記録に移行す
る。第2優先副サブライン部分39bのセルの記録が終
わると、中央部が上下に突出するようにインクドットの
面積が増える。
【0053】1行の記録が終了すると、最後の画素列上
の第1優先副サブライン部分39aで、2つの画素が合
成されように、2つの行がオーバーラップされ、前述し
たつなぎ目処理が行われる。なお、第1優先副サブライ
ン部分のインクドットパターンは、図3に示すように、
第2優先副サブライン部分と同じする場合と、図9に示
すようにつなぎ目専用のインクドットパターンを用いる
場合のいずれも適用することができる。
【0054】図14及び図15は、第1優先副サブライ
ン部分を2本にした実施例を示すものである。1個の画
素41は、8本の副サブライン部分と、8本の主サブラ
イン部分とで構成され、仮想的に区画された64個のセ
ル41aを持っている。各セル41a内の数字は、イン
クドットが記録される階調レベルを表している。
【0055】図14(A)において、上から4番目の副
サブライン部分が第2優先副サブライン部分であり、5
番目及び6番目が第1優先副サブライン部分である。こ
の2本の第1優先副サブライン部分で、第1優先副サブ
ライン群を形成している。図14(B)は、第1優先副
サブライン群に用いられるつなぎ目専用のインクドット
パターン42を示している。
【0056】図15は、行の境界上にある画素の記録状
態を示すものである。n行の記録では、画素43aが記
録される。この画素43aでは、第1優先副サブライン
群が、つなぎ目専用のインクドットパターン42に置き
換えられている。(n+1)行の記録では、画素43b
が記録される。この2つの画素43aと43bは、第1
優先副サブライン部分がオーバーラップされた状態で重
ねられ、合成された画素44となる。この2つの画素4
3a,43b,すなわち最初に記録されるインクドット
と、次に記録されるインクドットとを識別するために、
画素44には向きが異なったハッチングを施してある。
【0057】この実施例では、第1優先副サブライン部
分が2本であるから、紙送りのズレ量が副サブラインの
2本分以内であれば、前述したつなぎ目の改善を図るこ
とができる。勿論、第1優先副サブライン部分は、3本
以上であってもよく、また画素の階調レベルによって、
第1優先副サブライン部分の数を変えてもよい。例え
ば、階調レベルが低い画素では、第1優先副サブライン
部分を1つとし、中程度では2つとし、高い場合に3つ
としてもよい。
【0058】これまで説明した実施例では、発熱素子の
副走査方向の長さが1個のセル幅と同じサーマルヘッド
を用いたが、これより副走査方向の長さが長い発熱素子
を備えたサーマルヘッドを用いてもよい。図16に示す
ように、サーマルヘッド45の各発熱素子は、主走査方
向の長さがA,副走査方向の長さがBの矩形状をしてお
り、この長さBは副走査方向の長さがCのセル46の4
個分となっている。1個の画素47は、4本の副サブラ
イン部分48a〜48dと、8本の主サブライン部分4
9a,49bとで構成され、仮想的に区画された32個
のセル46を持っている。第1番目の主サブライン部分
49aの幅は、発熱素子の副走査方向の長さBと同じで
あり、サーマルヘッド45の送りの4ステップ分に相当
している。第2番目〜第8番目の主サブライン部分49
bの幅は、サーマルヘッド45の1ステップ送り量Cで
ある。
【0059】1個の画素を記録する際に、第1主サブラ
イン部分49aの記録後に、サーマルヘッド45を距離
Cずつ間欠送りしながら、各発熱素子45a1 〜45d
1 を駆動する。1個の画素の記録後は、発熱素子を次の
画素の第1主サブライン部分49aに対面させるため
に、サーマルヘッド45が4ステップ送られる。この4
ステップの空送りはブランク区間となり、各発熱素子4
5a1 〜45d1 には、インクドットを記録しないよう
な仮想駆動データが供給される。この仮想駆動データ
は、符号50で表されており、この実施例の場合には全
て「0」である。したがって、この間、発熱素子45a
1 〜45d1 は駆動されず、サーマルヘッド45は冷却
される。
【0060】前記ブランク区間では、1個の発熱素子に
3個の仮想駆動データを与えるのが理想的であるが、発
熱素子には蓄熱による尾引きがあるため、本実施例では
4個の駆動データを与え、各画素間に幅Lの1本の主サ
ブライン部分を入れている。こうすると、画素の階調レ
ベルに応じてインクドットが副走査方向へ成長するイン
クドットパターンでは、前の画素の最後の主サブライン
部分の記録で発生した熱の影響によって、駆動データが
「0」ではあるが、ブランク区間の最初の主サブライン
にもインクドットが形成され、高濃度部分では画素の連
続性が保たれ、中低濃度では、濃度が高くなるのが防止
される。
【0061】サーマルヘッドの種類によっては、発熱素
子の過冷却を防止するために、ブランク区間中にも発熱
させてもよい。例えば、発熱素子45c1 は、発熱回数
が多いので、4個の仮想データは「0」で良いが、発熱
素子45a1 は発熱回数が少ないことが多いので、4個
の仮想駆動データのうちのいくつかを「1」にしてもよ
い。また、各発熱素子を直前に記録した画素の記録状態
に応じて発熱させてもよい。
【0062】この実施例では、上から2番目の副サブラ
イン部分48bが第2優先副サブライン部分であり、3
番目の副サブライン部分48aが第1優先副サブライン
部分であり、前述した実施例と同様に、最後の第1優先
副サブライン部分がオーバーラップされる。なお、第1
優先副サブライン部分のインクドットパターンは、図3
に示すように、第2優先副サブライン部分と同じする場
合と、図9に示すようにつなぎ目専用のインクドットパ
ターンを用いる場合のいずれも適用することができる。
【0063】前記各実施例では、第1及び第2優先副サ
ブライン部分は、なめらかな階調を表現するために、画
素の中央側に位置しているが、画素の上端又は下端であ
ってもよい。1画素を4本又は8本の副サブライン部分
で構成した例について説明したが、第1優先副サブライ
ン部分と第2優先副サブライン部分の2つだけで1画素
を構成してもよい。また、第2優先副サブライン部分の
下に、第1優先副サブライン部分が配置されているが、
これは逆であってもよい。更にまた、第1優先サブライ
ン部分は、n行ではデータを変更し、(n+1)行で
は、階調レベルで決まる本来のデータを用いているが、
これは逆であってもよい。すなわち、図3において、画
素P1 と画素P36とを交換してもよい。更に、第2優先
副サブライン部分を2本以上としてもよい。
【0064】前記実施例では、第1優先副サブライン部
分の記録が終了してから、第2優先副サブライン部分の
記録が開始されるが、この代わりに、先ず第1優先副サ
ブライン部分にある1つのセルにインクドットを記録
し、次に第2優先副サブライン部分の1個のセルにイン
クドットを記録し、これを交互に繰り返すことで、最後
に第2優先副サブライン部分上で残った1個のセルにイ
ンクドットを記録してもよい。また、第1優先副サブラ
イン部分のセルを複数個、例えば2個記録する毎に、第
2優先副サブライン部分の1個のセルを記録してもよ
い。
【0065】また、図9又は図14に示すつなぎ目用イ
ンクドットパターンは、これに限定されず、低濃度の画
像部分から行のつなぎ目にインクドットの重なりが発生
するものであれば、他のインクドットパターンであって
もよい。
【0066】モノクロ記録の場合を説明したが、本発明
はカラー記録にも勿論適用できる。この場合には、イン
クリボンに、周知のように、シアン,マゼンタ,イエロ
ーのインクエリアが一定ピッチで形成されているものを
使用し、各色について線順次又は面順次で記録すればよ
い。この場合に、行間の副サブラインが各色毎に重複記
録され、それぞれの色がやや濃く記録されるが、三色を
重ねた場合に、自然画ではこの部分が黒となる確率が高
いため目立つことがない。また、R,G,B,Y,M,
Cに近い色の場合には、黒でなく色が濃くなるが、実用
上問題はない。更に、本発明は、イエロー感熱発色層,
マゼンタ感熱発色層,シアン感熱発色層を順次設けたカ
ラー感熱記録紙を用いるカラー感熱プリントにも適用す
ることができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のシ
リアルサーマルプリント方法では、行の境界上の画素
は、少なくとも1本の第1優先副サブライン部分上での
インクドットの重なりを保った上で、階調レベルに応じ
たインクドットパターンで記録される。そして、紙送り
にずれが生じると、このずれ量に応じて重なっているイ
ンクドットが現れるから、行のつなぎ目が白スジとなる
のを防止することができる。また、インクドットが重な
る部分は、モノクロでは黒であり、カラーでは黒となる
確率が高いから、インクドットの重なりによる濃度変化
は殆どなく、したがって行のつなぎ目が目立つことはな
い。
【0068】また、次の行とオーバーラップされる第1
優先副サブライン部分を、第2優先副サブライン部分に
記録されるインクドットパターンと同じ状態で記録する
ことにより、第1優先副サブライン部分だけが記録され
る低濃度では、行の境界でのインクドットの重なりが発
生することなく、極低濃度ではもともと目立ちにくいの
で実用上問題がない。また、第2優先副サブライン部分
の記録が開始されるやや低濃度から、第1優先副サブラ
イン部分上においてインクドットの重なりが発生するか
ら、紙送りにムラが発生しても、つなぎ目が目立つこと
がない。したがって、やや低濃度から高濃度の範囲で、
つなぎ目の改善を行うことができる。より低濃度からこ
の効果を得るには、第2優先副サブライン部分のセルの
記録を早めればよい。
【0069】また、第1優先副サブライン部分を、階調
レベルに応じて決めたつなぎ目専用インクドットバター
ンで記録することにより、より自然なつなぎ目の補正が
でき、紙送りのバラツキがあってもうまく対処すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント方法によるn行と(n+1)
行の記録状態を示す説明図である。
【図2】溶融型シリアルサーマルプリンタの概略を示す
斜視図である。
【図3】サーマルヘッドと1行分の画素との関係を示す
説明図である。
【図4】階調レベルとインクドットパターンの関係を示
す説明図である。
【図5】溶融型シリアルサーマルプリンタの電気的構成
を示すブロック図である。
【図6】DOT−LUTの一例を示す説明図である。
【図7】紙送り量が規定値より大きい場合のn行と(n
+1)行の記録状態を示す説明図である。
【図8】紙送り量が規定値より小さい場合のn行と(n
+1)行の記録状態を示す説明図である。
【図9】つなぎ目専用のインクドットパターンを用いた
実施例における1行分の画素を示す説明図である。
【図10】図9の実施例に用いられる溶融型シリアルサ
ーマルプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図11】つなぎ目専用のDOT−LUTの一例を示す
説明図である。
【図12】行の境界上の画素について、階調レベルを変
えた場合のインクドットパターンを示す説明図である。
【図13】各副サブライン部分を端から順番に記録する
実施例における画素とサーマルヘッドとの関係を示す説
明図である。
【図14】第1優先副サブライン部分を2本とした実施
例における画素とつなぎ目専用のインクドットパターン
を示す説明図である。
【図15】行の境界上の画素の記録状態を示す説明図で
ある。
【図16】副走査方向に長い発熱素子を有するサーマル
ヘッドを用いた実施例の記録状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10,45 サーマルヘッド 10a1 ,10b1 ,10d36,45a1 ,45b1
発熱素子 12 記録紙 15 インクリボン 16 リボンカセット 21A,21B,21C,21D 副サブライン 21a,39a,48a 第1優先副サブライン部分 21b,39b,48b 第2優先副サブライン部分 22,41a セル 36,42 つなぎ目用インクドットパターン P1 ,P2 ,P36,38,41,43a,43b,4
4,47 画素 SL0 境界上の画素列 OL オーバーラップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/355 B41J 2/36

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱素子を主走査方向に配列した
    サーマルヘッドを用い、このサーマルヘッドが記録紙上
    で副走査方向に移動する間に、各発熱素子を選択的に駆
    動して副走査方向に伸びた副サブライン上のセルにイン
    クドットを記録し、各行の端がオーバーラップするよう
    に、1行の記録後に記録紙を主走査方向に移動するシリ
    アルサーマルプリント方法において、 隣接するN(2以上の整数)本の副サブラインで、主走
    査方向がN個,副走査方向がM(2以上の整数)個のセ
    ルからなる1個の画素を配列した画素列を形成するこ
    と,1個の画素内の各セルに、画素の階調レベルに応じ
    たインクドットパターンとなるようにインクドットを記
    録すること,N本の副サブラインのうち1個の画素内に
    存在するN個の副サブライン部分の中から、少なくとも
    1本の第1優先副サブライン部分と、これに隣接する少
    なくとも1本の第2優先副サブライン部分とを決め、こ
    の第1優先副サブライン部分は、第2優先副サブライン
    部分の全てのセルにインクドットが記録される階調レベ
    ルよりも低い階調レベルで、第1優先副サブライン部分
    の全てのセルにインクドットが記録されるようにするこ
    と,隣接する2つの行によるオーバーラッブが、少なく
    とも1本の第1優先副サブライン部分で行われるよう
    に、記録紙の送り量を決定するとともに、第n行の下方
    の副サブラインと次に記録される第(n+1)行の上方
    の副サブラインとで、行の境界上に位置する1本の画素
    列を形成するように、この画素列を2回に分けて記録す
    ることを特徴とするシリアルサーマルプリント方法。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2優先副サブライン部分
    は、画素列の中央側に位置することを特徴とする請求項
    1記載のシリアルサーマルプリント方法。
  3. 【請求項3】 前記第1優先副サブライン部分に存在す
    るM個のセルの間での記録順番と、第2優先副サブライ
    ン部分に存在するM個のセルの間での記録順番とを同じ
    にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のシリアル
    サーマルプリント方法。
  4. 【請求項4】 前記1画素のインクドットパターンは、
    第1優先副サブライン部分のセルの1つからインクドッ
    トの記録が開始され、階調レベルが高くなるにつれて、
    1画素内でインクドットが記録されるセルの個数が増え
    てゆき、この第1優先副サブライン部分の全てのセルに
    インクドットが記録された後は、第2優先副サブライン
    部分のセルの記録が開始されるようなパターンをしてい
    ることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のシ
    リアルサーマルプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2優先副サブライン部分
    では、それぞれ中央付近にあるセルから記録を開始し、
    階調レベルが1ステップ上がる毎に、その両側のセルに
    交互にインクドットを記録してゆくことを特徴とする請
    求項4記載のシリアルサーマルプリント方法。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2優先副サブライン部分
    の両側に、第3及び第4優先副サブライン部分が位置
    し、階調レベルが高くなるにつれて2つの副サブライン
    部分にインクドットを交互に記録することを特徴とする
    請求項1ないし5いずれか記載のシリアルサーマルプリ
    ント方法。
  7. 【請求項7】 前記行の境界上の画素列を構成する少な
    くとも1本の第1優先副サブライン部分には、第n行と
    次の第(n+1)行の記録の一方では、画素の階調レベ
    ルによって決まるインクドットパターンの一部が記録さ
    れ、他方の記録ではその上又は下にある第2優先副サブ
    ライン部分に記録されるインクドットパターンと同じ状
    態で記録されることを特徴とする請求項1ないし6いず
    れか記載のシリアルサーマルプリント方法。
  8. 【請求項8】 前記行の境界上の画素列を構成する少な
    くとも1本の第1優先副サブライン部分には、第n行と
    次の第(n+1)行の記録の一方では、画素の階調レベ
    ルによって決まるインクドットパターンの一部が記録さ
    れ、他方の記録では階調レベルに応じて決まる行のつな
    ぎ目用インクドットパターンが記録されることを特徴と
    する請求項1ないし6いずれか記載のシリアルサーマル
    プリント方法。
  9. 【請求項9】 前記つなぎ目用インクドットパターン
    と、画素の階調レベルによって決まるインクドットパタ
    ーンは、第1優先副サブライン部分の各セル間では、記
    録順番が同じであることを特徴とする請求項8記載のシ
    リアルサーマルプリント方法。
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