JP3261730B2 - アリルエステル類の製法 - Google Patents

アリルエステル類の製法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族カルボン酸、特に
フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸又は安息香酸の
アルキルエステルとアリルアルコール又はメタリルアル
コール(以下アリル及びメタリルの語を(メタ)アリル
と略記する)とのエステル交換反応により、対応するア
リルエステル類を合成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記反応によって得られる目的化合物は
芳香族エステル基を介してラジカル重合性の(メタ)ア
リル基を有することから、例えば過酸化物等を触媒とし
て重合すると、耐熱性、電気的特性あるいは光学特性の
面で優れた性質を有する重合体が得られる。
【0003】従来この型のエステルの合成法としては、 (1)対応するカルボン酸と(メタ)アリルアルコール
との直接エステル化反応。 (2)対応するカルボン酸のアルカリ金属塩と(メタ)
アリルクロリドとの反応。 (3)対応するカルボン酸のクロリドと(メタ)アリル
アルコールとの反応。 (4)対応するカルボン酸のアルキルエステルと(メ
タ)アリルアルコールとのエステル交換反応。 等の方法が挙げられる。
【0004】(1)の方法は工業的に行おうとすると通
常高温加圧を要するでけでなく、製品も着色しやすい欠
点がある。 (2)の方法はカルボン酸のアルカリ金属塩を合成する
ために1段階余分な工程が必要となり、製品も着色しや
すい。また水−アルカリ金属水酸化物−芳香族カルボン
酸−(メタ)アリルクロリド系で反応を行おうとすると
多量の(メタ)アリルアルコールが副生する。 (3)の方法はカルボン酸クロリドが高価であるだけで
なく、生成する塩酸を捕捉するための薬品を余分に必要
とする欠点がある。 (4)の方法については特開昭48−28444号,特
開昭48−97833号,特開昭48−99136号,
特開昭48−103536号,特開昭56−71045
号各公報には有機錫をベースとする触媒が、また特開昭
49−1531号には亜鉛又はマンガン錯体とアルカリ
金属アルコキシドの混合触媒が開示されているが、いず
れも高価な触媒であるだけでなく使用済の触媒を廃棄す
る際の処理時にも公害上の問題が残る。
【0005】また特開昭62−12747号公報にはア
ルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩の触媒が開示されて
いるが、この触媒で反応を行うとすると副生するカルボ
ン酸のアルカリ金属塩のために反応液がゲル状になり反
応混合物から目的物を分離するのが容易でない。
【0006】また特開平1−165549号公報にはア
ルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物を触媒とする方法
が開示されているが、この方法では反応速度がきわめて
遅く、滿足な転化率を得るためには長時間を要する。こ
の種の反応では目的生成物の他に混在するのは未反応物
又は芳香族多塩基酸エステルの複数のエステル官能基の
一部のみが(メタ)アリルエステルに交換されたもので
あり、通常この様な化合物は目的生成物と沸点が接近し
ており、蒸留等で滿足する程度に分離精製するのは容易
ではない。それ故、純度の高い目的物を得るためには反
応の段階で、できるだけ転化率を上げておく必要があ
る。
【0007】さらにアルカリ土類金属の水酸化物又は酸
化物触媒では反応系の水分が上昇し、それが原因でエス
テルの加水分解生成物、すなわちカルボン酸塩が副生
し、収率の低下のみならず反応後の固液分離を妨げるこ
とがしばしば起る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族カルボン酸のアルキルエステルと(メタ)アリルアル
コールとのエステル交換反応によって芳香族カルボン酸
の(メタ)アリルエステルを得るにあたり、安価かつ高
活性な触媒で、しかも反応後の固液分離の点で有利なプ
ロセスを与える触媒を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは芳香族カル
ボン酸のアルキルエステルと(メタ)アリルアルコール
とのエステル交換反応に対する触媒について鋭意検討し
た結果、特定の触媒を用いることにより上記の課題を解
決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】本発明はすなわち、芳香族カルボン酸アル
キルエステルと(メタ)アリルアルコールとを反応させ
て、芳香族カルボン酸の(メタ)アリルエステルを合成
する際に、下記(I)式で示されるアルカリ土類金属の
アルコラートを触媒として使用することを特徴とするア
リルエステル類の製法である。 0<x+y≦1のとき MO1-x-y (OR1 x (OR2 y (OH)x+y 又は M(OR1 x (OR2 y (OH)2-x-y 1≦x+y≦2 M(OR1 x (OR2 y (OH)2-x-y
以上(I)式 (式中Mはカルシウム又はバリウムを、R1 ,R2 は同
一又は異なってもよく、炭素数1〜8のアルキル基又は
炭素数3〜5のアルケニル基を、x及びyは0≦x≦2
及び0≦y≦2の有理数を示す)。
【0011】芳香族カルボン酸アリルエステルを構成す
るカルボン酸としては、安息香酸,ナフタレンカルボン
酸,ビフェニルカルボン酸の様な単環又は複環の芳香族
一塩基酸、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,ナ
フタレンジカルボン酸,ビフェニルジカルボン酸,,ジ
フェニルエーテルジカルボン酸の様な単環又は複環の芳
香族二塩基酸、トリメリット酸,ピロメリット酸の様な
芳香族多塩基酸等が挙げられる。
【0012】また芳香族カルボン酸アルキルエステルを
構成するアルコール成分としては、メタノール,エタノ
ール,n−プロパノール,イソプロパノール,オクチル
アルコール,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,テトラメチレングリコール,テトラエチレングリコ
ール,ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
【0013】上記(I)式で示される触媒構造中のR1
基又はR2 基としては、メチル基,エチル基,イソプロ
ピル基,n−プロピル基,イソブチル基,n−ブチル
基,t−ブチル基,イソアミル基,n−アミル基,n−
ヘキシル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基,アリ
ル基,メタリル基,ブテニル基,ペンテニル基等が挙げ
られる。
【0014】(I)式で示される触媒は市販品として入
手できるものであるが、以下のいずれかの方法で合成し
てもよい。 (A)アルカリ土類金属とアルコールとの反応 (B)アルカリ土類金属カーバイドとアルコールとの反
応 (C)アルカリ土類金属水素化物とアルコールとの反応 (D)アルカリ土類金属水酸化物とアルコールとの反応 (E)アルカリ土類金属酸化物とアルコールとの反応 (F)アルカリ土類金属のハライドと金属(アルカリ土
類金属を除く)アルコラートとの反応 (G)アルカリ土類金属アルコラートの部分加水分解
【0015】上記(A)〜(E)の反応は通常アルカリ
土類金属化合物に対し0.1〜10000モル倍のアル
コールを用い、0〜200℃で0.5時間から2週間反
応することによって行うことができる。上記反応ではア
ルカリ土類金属アルコラートに対し不活性な溶媒を併せ
て用いることができる。また上記反応に用いるアルコー
ルは単一種類でもよく複数の種類のアルコールを混合も
しくは一定の順序で加えてもよい。反応後、未反応のア
ルコール又は溶媒を留去によって除去してもよいが、そ
のままアルコール又は溶媒の共存した状態で触媒を用い
ることもできる。
【0016】上記(F)の反応はアルカリ土類金属ハラ
イドに対し、0.1〜3モル倍の金属(アルカリ土類金
属を除く)アルコラートを用い、対応するアルコールの
存在下、又は原料に対し不活性な溶媒の共存下もしくは
非共存下で−20℃〜200℃で10分〜2日間反応す
ることによって行うことができる。溶媒又は過剩のアル
コールを用いた場合、反応後溶媒又はアルコールを濾過
又は留去によって除去してもよいが、そのままアルコー
ル又は溶媒の共存した状態でも用いることができる。ま
た生成する金属(アルカリ土類金属を除く)ハライドは
適当な方法で除去してもよいが、そのまま共存した状態
で用いることができる。
【0017】上記(G)の反応は(I)式において、あ
るxとyの値を有するアルカリ土類金属アルコラートに
対し適当な量の水を加えて反応させ、原料とは異なるx
+yの値を有するアルカリ土類金属アルコラートを生成
させる反応である。用いる最適の水の量は簡単な実験に
よって容易に決定することができる。反応はアルカリ土
類金属アルコラートに対し不活性な溶媒の存在下又は非
存在下、0℃〜200℃で10分から2日間で行うこと
ができる。溶媒を用いた場合は反応後濾過又は留去によ
って溶媒を除去してもよいが溶媒の共存した状態でその
まま用いてもよい。
【0018】上記触媒中アルカリ土類金属アルコラート
として好ましいのはカルシウムアルコラートであり、ア
ルコールとして好ましいのはメタノールもしくはエタノ
ールである。エステル交換反応において生成される化合
物が芳香族カルボン酸のアリルエステルである関係上、
アルコールとしてアリルアルコールの使用も考えられる
がカルシウムアルコラートの生成反応においてはメタノ
ール又はエタノールの方が活性が大きくて適当である。
特にエステル交換反応の原料として芳香族カルボン酸の
メチルエステルもしくはエチルエステルを使用する場合
は、カルシウムメチラート,カルシウムエチラートを触
媒とすることにより不純イオンの混入が避けられ有利で
ある。このような触媒の製法としてカルシウム源として
水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを用いれば工業的
に有利である。特に活性の点から酸化カルシウムの使用
が好ましい。
【0019】本発明のエステル交換反応は芳香族カルボ
ン酸のアルキルエステルと(メタ)アリルアルコールと
を(I)式で示される触媒の存在下で加熱することによ
り行われる。反応温度は20〜170℃、好ましくは2
0〜125℃、さらに好ましくは90〜110℃の範囲
が適当である。反応圧は常圧又は高圧、必要に応じて減
圧で行うことができる。またエステル交換反応で生成し
たアルキルアルコールは必要に応じて系外に除去しても
よい。反応開始時点で使用する(メタ)アリルアルコー
ルの量は芳香族カルボン酸アルキルエステルのエステル
基の当量数に対し、多ければ多い方がよいが、反応器あ
たりの生産効率の点からみて1.1〜10モル倍、好ま
しくは1.2〜8モル倍の範囲が適当である。(メタ)
アリルアルコールの一部が反応系外に留去される場合に
は適宜(メタ)アリルアルコールを追加してもよい。反
応系の水分はできるだけ少ない方が好ましい。
【0020】触媒の使用量としては、原料エステルに対
し外数で0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3
重量%が適当である。触媒の使用量がこの範囲未満の場
合は高転化率が得られず、この範囲を超える場合は副反
応等の影響が大きくなり経済性も低下する。触媒は必要
に応じて反応の始めに全量を加えてもよく、反応の進行
に伴い逐次加えていってもよい。
【0021】本発明により生成した芳香族カルボン酸
(メタ)アリルエステルの単離法としては、残存する
(メタ)アリルアルコールを留去した後、蒸留等の適当
な方法で精製を行うことができる。必要に応じ(メタ)
アリルアルコールを留去前又は留去後に少量の水等を加
え触媒を失活させておいてもよい。さらに必要に応じ予
め濾過,水洗,酸洗又はアルカリ洗等による予備的な精
製を行ってもよい。
【0022】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明する。実施
例,比較例中で用いたガスクロマトグラフィーはOV−
170 125mキャピラリーカラムを用いて行い、ジ
ブチルフタレートを内部標準とする定量分析により収率
を求めた。
【0023】実施例1 酸化カルシウム1gをメタノール10mlに加えてスラ
リーとし、5時間加熱還流を行った。これを濾過,乾燥
することにより白色粉末が1.5g得られ、このものは
分析の結果、全体としてCa(OCH3 1.1 (OH)
0.9 の組成を有するカルシウムメチラートであることが
確認された。次に撹拌機,蒸気留出口,温度計を備えた
300ml四ツ口フラスコに、ジメチルテレフタレート
100g,アリルアルコール150g,触媒として上記
カルシウムメチラート0.5gを加え、120℃の油浴
に浸した。反応の進行とともにメタノールを含んだアリ
ルアルコールが蒸気留出口より留出し始めた。留出液中
のメタノール含量を分析し、留出量に相当するアリルア
ルコールを反応器に追加しながら8時間反応を行った。
反応液の温度は92〜105℃であった。反応終了後の
反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ
ジメチルテレフタレートに対し97.5%の収率でジア
リルテレフタレートが生成していた。残存するアリルア
ルコールを留去した後減圧蒸留にかけると、140〜1
43℃/0.9mmHgの無色の留分が121g(単離
収率95%)で得られた。ガスクロマトグラフィーによ
りこのものの純度は99.5重量%であり、残部の0.
5重量%はアリルメチルテレフタレートであることが確
認された。またこの製品のAPHA数は5以下であっ
た。
【0024】実施例2 原料としてジメチルテレフタレート100g,アリルア
ルコール150g,触媒としてカルシウムジエチラート
Ca(OC2 5 2 0.5gを使用し、実施例1と同
様にして反応を行うと、反応時間8時間でジメチルテレ
フタレートに対し98.5%の収率でジアリルテレフタ
レートが生成していた。実施例1と同様にして精製を行
い無色の留分122g(単離収率96%)が得られた。
ガスクロマトグラフィーによる純度は99.8重量%で
あり残部の0.2重量%はアリルメチルテレフタレート
であった。またこの製品のAPHA数は5以下であっ
た。
【0025】実施例3 酸化カルシウム1gをメタノール5ml,アリルアルコ
ール5mlの混合液に加えてスラリーとし、7時間加熱
還流を行った。これを濾過,乾燥することによりカルシ
ウムメチルアリルアルコラート白色粉末1.6gが得ら
れた。原料としてジメチルテレフタレート100g,ア
リルアルコール150g,触媒として上記カルシウムメ
チルアリルアルコキシド0.5gを使用し実施例1と同
様にして反応を行うと、反応時間12時間でジメチルテ
レフタレートに対し98.2%の収率でジアリルテレフ
タレートが生成していた。実施例1と同様にして精製を
行い無色の留分122g(単離収率96%)が得られ
た。ガスクロマトグラフィーによる純度は99.6重量
%であり残部の0.4重量%はアリルメチルテレフタレ
ートであった。またこの製品のAPHA数は5以下であ
った。
【0026】実施例4 原料としてジメチルイソフタレート100g,アリルア
ルコール150g,触媒としてバリウムイソプロピルア
ルコラート0.2gを使用して実施例1と同様に反応を
行うと、反応時間10時間でジメチルイソフタレートに
対し95.0%の収率でジアリルイソフタレートが生成
していた。実施例1と同様にして精製を行い無色の留分
117g(単離収率92%)が得られた。ガスクロマト
グラフィーによる純度は99.3重量%であり、残部の
0.7重量%はアリルメチルイソフタレートであった。
またこの製品のAPHA数は5以下であった。
【0027】実施例5 原料として安息香酸メチル100g,アリルアルコール
107g,触媒として実施例1で得られたカルシウムメ
チラート0.5gを使用し、実施例1と同様の方法によ
って反応を行ったところ反応時間7時間で安息香酸アリ
ルが97.8%の収率で得られた。
【0028】比較例1〜3 原料としてジメチルイソフタレート100g,アリルア
ルコール150g,及び表1に示した各触媒を使用した
以外は実施例1と同様にしてエステル交換反応を行っ
た。その結果を表1に併記する。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示すように、触媒として水酸化カル
シウム又は酸化カルシウムのみを使用すると初期の反応
速度が遅く全体として反応に長時間を要する。またナト
リウムメチラートを使用すると初期の反応速度は早いが
滿足な転化率を得るためには長時間を要しまた液が着色
しやすい。また反応液の沈澱量が多く分離が困難であ
る。
【0031】
【作用及び発明の効果】本発明法で使用される触媒の作
用機構は必ずしも明らかでないが、この反応における触
媒活性種はアルカリ土類金属アルコラートと(メタ)ア
リルアルコールとの反応で生成するアルカリ土類金属
(メタ)アリルアルコラートと推測される。公知の触媒
であるアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物において
も、エステル交換反応系内でアルカリ土類金属(メタ)
アリルアルコラートの生成が考えられるが、その際、活
性種が生成するまでにかなり長時間を要するだけでな
く、水の生成が観測され、生成した水はエステルの加水
分解反応に作用し、固液分離等精製プロセスに好ましく
ない影響を与える。本発明法によればこの様な問題点は
無く短かい反応時間で無色の製品を良好な収率で得るこ
とができる。また触媒となるアルカリ土類金属アルコラ
ートが入手し難い場合は入手容易なアルカリ土類金属の
水酸化物,酸化物をアルコールと反応させて触媒を作る
こともでき、特にメタノール,エタノールを使用する場
合は簡便に相当するアルコラートが得られるので工業的
に極めて有利である。また触媒自体は重金属イオンを含
まぬので廃棄物処理上の問題もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 徹 愛媛県松山市松前町1丁目4−2 (56)参考文献 特開 平1−165549(JP,A) 特開 昭49−1531(JP,A) 特開 平5−25093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/83 C07C 67/03

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族カルボン酸アルキルエステルとア
    リルアルコールもしくはメタリルアルコールとを反応さ
    せて、芳香族カルボン酸のアリルエステルもしくはメタ
    リルエステルを合成する際に、下記(I)式で示される
    アルカリ土類金属のアルコラートを触媒として使用する
    ことを特徴とするアリルエステル類の製法。 0<x+y≦1のとき MO1−x−y(OR(OR(OH)x+y 又は M(OR(OR(OH)2−x−y 1≦x+y≦2のとき M(OR(OR(OH)2−x−y 以上(I) 式 ((I)式中Mはカルシウム又はバリウムを、R,R
    は同一又は異なってもよく、炭素数1〜8のアルキル
    基又は炭素数3〜5のアルケニル基を、x,yは0≦x
    ≦2及び0≦y≦2の有理数を示す)。
  2. 【請求項2】 芳香族カルボン酸アルキルエステルがフ
    タル酸,イソフタル酸もしくはテレフタル酸のジメチル
    エステル又は安息香酸のメチルエステルである請求項1
    記載の製法。
  3. 【請求項3】 上記(I)式で示されるアルカリ土類金
    属のアルコラートにおいて、y=0でありR1 がメチル
    基,エチル基,イソプロピル基,アリル基もしくはメタ
    リル基である請求項1もしくは2に記載の製法。
  4. 【請求項4】 上記(I)式で示されるアルカリ土類金
    属のアルコラートにおいて、Mがカルシウム、y=0で
    あり、かつR1 がメチル基もしくはエチル基である請求
    項3に記載の製法。
  5. 【請求項5】 カルシウムメチラ−トもしくはカルシウ
    ムエチラ−トを製造するにあたり、酸化カルシウムにメ
    タノ−ルもしくはエタノ−ルを反応させることを特徴と
    する請求項4に記載の製法
  6. 【請求項6】 上記(I)式で示されるアルカリ土類金
    属のアルコラートにおいて、R1 がメチル基もしくはエ
    チル基であり、R2 がアリル基もしくはメタリル基であ
    る請求項1もしくは2に記載の製法。
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