JP3260915B2 - 短パルスレーザ光源 - Google Patents

短パルスレーザ光源

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JP3260915B2 JP15735693A JP15735693A JP3260915B2 JP 3260915 B2 JP3260915 B2 JP 3260915B2 JP 15735693 A JP15735693 A JP 15735693A JP 15735693 A JP15735693 A JP 15735693A JP 3260915 B2 JP3260915 B2 JP 3260915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短パルスレーザ光源に関
するもので、特にモードロッキング短パルスレーザ光源
に関する。
【0002】
【従来の技術】短パルスレーザ光源として、受動モード
ロックあるいは能動モードロックの手法を用いた短パル
スレーザ光源が知られている。
【0003】受動モードロック方式のレーザ光源は、レ
ーザ共振器内に可飽和吸収体として色素溶液を配置し、
光パルスがこの色素溶液を通過する際、パルス波形に応
じて損失或いは位相変調が自動的に生じることにより短
パルス光が得られるものが実用化されている。一方、能
動モードロック方式のレーザ光源は、光変調素子を用
い、光の走行周期に合わせた信号を加えて位相を強制的
に同期する方法により、短パルス光が得られるものが実
用化されている。
【0004】また、他の短パルスレーザ光源として、特
開平1−147881号公報に開示の、2種の波長の短
パルス光を得ることのできるものがある。これは、図8
のように構成されており、ミラーM1 ,M2 からなるレ
ーザ共振器中に、レーザ媒質1と非線形光学媒質Xとミ
ラーM3 が配設されている。
【0005】この構成によれば、レーザ媒質1がポンピ
ングされることにより、レーザ媒質によって決まる周波
数(基本周波数)を持つレーザ共振光が生成され、この
レーザ共振光が非線形光学媒質Xに入射すると、非線形
光学媒質Xでは基本周波数の2倍の周波数の放射光(第
2高調波;SHG)が得られる。ここで、ミラーM
基本周波数の光を全反射し、ミラーMはSHGの1
00%、基本周波数の25%を反射し、ミラーM3 はS
HGを選択反射する。ミラーM2 が基本周波数の25%
を反射することにより、パルス波形に応じて損失が生
じ、短パルス光が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した受動モードロ
ック方式では色素溶液が用いられるが、色素の種類が限
られることや、寿命が短く長時間安定した出力が得られ
ないという問題点があった。一方、能動モードロック方
式では構造が複雑になり、パルス発振のモードロックも
困難であるという問題点があった。また、いずれも所望
の波長の短パルス光を、広い範囲にわたって選択的に生
成し取り出すことはできない。
【0007】また、特開平1−147881号公報のも
のは、構造は単純であるものの、上記のように、あらゆ
る強度の光を均一に反射する反射率固定のミラーにより
短パルス化を行っているのでパルス時間幅の十分狭い短
パルス光を得ることができないという問題点があった。
さらに、レーザ共振器内にSHG結晶と呼ばれる非線形
光学媒質Xをセットすることにより、基本周波数の短パ
ルス光に加え、基本周波数の2倍の周波数の短パルス光
を得ることができるが、その周波数は基本周波数の2倍
に固定されていた。すなわち、短パルス光の波長を選択
することができないという問題点があった。
【0008】本発明は、上記の問題点を克服するために
なされたもので、光パラメトリック過程を利用すること
によりモードロッキングを行い、パルス時間幅の十分狭
い短パルス光を出力できる短パルスレーザ光源を提供す
るとともに、多波長を同時に出力し広い範囲にわたり所
望の波長の短パルス光を選択的に生成し取り出すことの
可能な短パルスレーザ光源を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の短パ
ルスレーザ光源は、レーザ媒質と、このレーザ媒質を内
部に有するレーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に
設けられた非線形光学媒質と、レーザ媒質からの生成光
が非線形光学媒質に入射されたときに生起する光パラメ
トリック過程での生成光を選択的に抽出して該非線形光
学媒質に再入射する抽出手段とを備え、抽出手段による
再入射によって非線形光学媒質で生起する光パラメトリ
ック逆過程での生成光をレーザ媒質にフィードバックす
るようにしたことを特徴とする。ここで、この短パルス
レーザ光源は、非線形光学媒質と抽出手段の間の光路上
に光パラメトリック過程での生成光の群速度分散を補正
する光学手段を配設することを特徴としてもよい。
【0010】また、本発明に係る第2の短パルスレーザ
光源は、レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に有する
レーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設けられた
非線形光学媒質と、レーザ媒質からの生成光が非線形光
学媒質に入射されたときに生起する光パラメトリック過
程での生成光を選択的に抽出して該非線形光学媒質に再
入射する抽出手段と、光パラメトリック過程での生成光
であって抽出手段による再入射によって非線形光学媒質
で生起する光パラメトリック逆過程に関与しないものを
選択して共振器から出射させる選択出射手段とを備え、
再入射によって非線形光学媒質で生起する光パラメトリ
ック逆過程での生成光をレーザ媒質にフィードバックす
るようにしたことを特徴とする。ここで、この短パルス
レーザ光源は、非線形光学媒質を回転する回転手段、或
いは非線形光学媒質の温度を調節する温度調節手段を有
することを特徴としてもよい。さらに、光パラメトリッ
ク過程での生成光の群速度分散を補正する一つ以上の光
学手段を有することを特徴としてもよい。
【0011】また、本発明に係る第3の短パルスレーザ
光源は、レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に有する
レーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設けられ
た、レーザ媒質からの生成光の入射により光パラメトリ
ック過程を生起する第1の非線形光学媒質と、光パラメ
トリック過程での生成光を選択的に抽出する抽出手段
と、抽出手段によって抽出された光パラメトリック過程
での生成光の入射により光パラメトリック逆過程を生起
する第2の非線形光学媒質とを備え、光パラメトリック
逆過程での生成光をレーザ媒質にフィードバックするよ
うにしたことを特徴とする。ここで、この短パルスレー
ザ光源は、第1の非線形光学媒質と第2の非線形光学媒
質の間の光路上に前記光パラメトリック過程での生成光
の群速度分散を補正する光学手段を配設することを特徴
としてもよい。さらに、共振器内の光路長を調節する光
路長調節手段を有し、該光路を互いに逆向きに進むレー
ザ媒質からの生成光が非線形光学媒質内で衝突するよう
にしたことを特徴としてもよい。
【0012】また、本発明に係る第4の短パルスレーザ
光源は、レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に有する
レーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設けられ
た、レーザ媒質からの生成光の入射により光パラメトリ
ック過程を生起する第1の非線形光学媒質と、光パラメ
トリック過程での生成光を選択的に抽出する抽出手段
と、抽出手段によって抽出された光パラメトリック過程
での生成光の入射により光パラメトリック逆過程を生起
する第2の非線形光学媒質と、第1の非線形光学媒質で
生起する光パラメトリック過程での生成光であって第2
の非線形光学媒質で生起する光パラメトリック逆過程に
関与しないものを選択して共振器から出射させる選択出
射手段とを備え、光パラメトリック逆過程での生成光を
レーザ媒質にフィードバックするようにしたことを特徴
とする。ここで、この短パルスレーザ光源は、第1の非
線形光学媒質を回転する回転手段と、第2の非線形光学
媒質を回転する回転手段とを有し、双方を連動操作する
ことを特徴としてもよい。また、第1および第2の非線
形光学媒質の温度を調節する温度調節手段を有すること
を特徴としてもよい。さらに、共振器内の光路長を調節
する光路長調節手段を有し、該光路を互いに逆向きに進
むレーザ媒質からの生成光が非線形光学媒質内で衝突す
るようにしたことを特徴としてもよい。またさらに、光
パラメトリック過程での生成光の群速度分散を補正する
一つ以上の光学手段を有することを特徴としてもよい。
【0013】
【作用】本発明に係る第1の短パルスレーザ光源では、
レーザ媒質からの生成光が非線形光学媒質に入射して光
パラメトリック過程が生起すると、この光パラメトリッ
ク過程で生成する光の強度と入射光強度の比が非線形と
なり、この光パラメトリック過程によって強度比が強調
された生成光が、抽出手段により抽出されて再び非線形
光学媒質に入射される。そして、光パラメトリック逆過
程により、再び強度比が強調されるので、抽出手段(例
えばミラー)と非線形光学媒質の組み合わせは、光強度
が高いほど反射率が高率となるミラーとして働く。この
ため、短パルス光の生成が可能となり、抽出手段から、
レーザ媒質からの生成光であって光パラメトリック過程
に関与しないものが短パルス光として出射する。また、
再入射の後に非線形光学媒質から出射した光は、レーザ
媒質に帰還して誘導放出を引き起こす。
【0014】各光学素子の屈折率の波長分散は、光パラ
メトリック過程での生成光の群速度分散を引き起こす。
非線形光学媒質と抽出手段の間の光路上に配設された群
速度分散補正用の光学手段は、この群速度分散を補正し
てから、光パラメトリック過程での生成光を非線形光学
媒質に再入射させる。
【0015】本発明に係る第2の短パルスレーザ光源で
は、上記の第1の短パルスレーザ光源と同様の作用に加
え、選択出射手段が、光パラメトリック過程での生成光
であって光パラメトリック逆過程に関与しないものを選
択し、これを短パルス光として出射させる。逆過程での
生成光は、レーザ媒質に帰還して誘導放出を引き起こ
す。
【0016】本発明に係る第3の短パルスレーザ光源
は、上記の第1の短パルスレーザ光源において、光パラ
メトリック過程を生起する非線形光学媒質と逆過程を生
起する非線形光学媒質を別にしたものである。レーザ媒
質からの生成光が一方の非線形光学媒質に入射して光パ
ラメトリック過程が生起すると、該光パラメトリック過
程で生成する光の強度と入射光強度の比が非線形とな
り、この光パラメトリック過程によって強度比が強調さ
れた生成光が、抽出手段により抽出され、もう一方の非
線形光学媒質に入射される。そして、光パラメトリック
逆過程により、再び強度比が強調されるので、光パラメ
トリック過程を生起する非線形光学媒質から抽出手段
(例えばミラー)さらに逆過程を生起する非線形光学媒
質へ至る組み合わせは、光強度が高いほど反射率が高率
となるミラーとして働く。このため、短パルス光の生成
が可能となり、抽出手段から、レーザ媒質からの生成光
であって光パラメトリック過程に関与しないものが短パ
ルス光として出射する。また、逆過程での生成光は、レ
ーザ媒質に帰還して誘導放出を引き起こす。
【0017】さらに、双方の非線形光学媒質の間の光路
上に群速度分散補正用の光学手段を配設すれば、光パラ
メトリック過程での生成光は、その群速度分散が補正さ
れた上で、逆過程を生起する非線形光学媒質に入射す
る。
【0018】本発明に係る第4の短パルスレーザ光源で
は、上記第3の短パルスレーザ光源と同様の作用に加
え、選択出射手段が、光パラメトリック過程での生成光
であって逆過程に関与しないものを選択し、短パルス光
として出射する。逆過程での生成光は出射せずに、レー
ザ媒質に帰還して誘導放出を引き起こす。
【0019】また、上記第2及び第4の短パルスレーザ
光源において、回転手段は、媒質を回転して媒質の向き
を調節し、温度調節手段は、媒質の温度を調節する。
【0020】さらに、上記第2及び第4の短パルスレー
ザ光源において、群速度分散補正用の光学手段は、光パ
ラメトリック過程での生成光の群速度分散を補正する。
【0021】また、上記第3及び第4の短パルスレーザ
光源において、光路長調節手段は、互いに逆向きに進む
レーザ媒質からの生成光が非線形光学媒質内で衝突する
ように共振器内の光路長を調節する。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
に係る短パルスレーザ光源を説明する。尚、図面の説明
において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説
明は省略することがある。
【0023】第1実施例は、本発明の第1及び第2の短
パルスレーザ光源の実施例である。図1は本実施例に係
る短パルスレーザ光源の構成を示している。図示の通
り、一対のミラーM1 ,M2 によりレーザ共振器が構成
され、この内部にレーザ媒質1,非線形光学結晶Xおよ
び偏光素子2が設置される。レーザ媒質1は例えばN
d:YAGレーザロッドで構成され、その場合の発光波
長はλOSC =1064nmとすることができる。なお、
このレーザ媒質1は、図示しない光源によりポンピング
される。
【0024】偏光素子2はレーザ発振光を紙面に平行な
偏波面を有する光にするためのもので、これによって非
線形光学結晶X内で光パラメトリック過程が起こりやす
くなる。非線形光学結晶Xは正、逆の光パラメトリック
過程を生じさせるもので、生成される光の波長は可変で
あるが、詳細は後述する。コリメートレンズL1 ,L2
はレーザ光のビームを細く絞り、光パワー密度を上げて
非線形光学結晶Xに入射するためのものである。
【0025】ミラーM1 は全反射ミラーであるのに対
し、ミラーM2 は特定波長の光を選択的に反射するミラ
ーである。すなわち、光パラメトリック過程によって生
じる波長λS1,λS2(可変波長)の光に対する反射率を
S1,RS2とし、波長λOSC (固定波長)の光に対する
反射率をROSC とすると、ミラーM2 は、RS1,RS2
高く(λS1,λS2の光を高率で反射する。)、ROSC
低い(λOSC の光を高率で透過する。)。具体的には、
レーザ媒質1からの光の波長λOSC が1064nmのと
きには、ミラーM2 の反射率は、図2に示すようにな
る。
【0026】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0027】まず、非線形光学効果を有する図1の結晶
X内では、光パラメトリック過程により、 1/λOSC =1/λS1+1/λS2…………(1) の関係で波長λS1,λS2の二つの波が発生する。そし
て、この結晶Xの結晶軸cとλOSC の励起光とのなす角
度θを変化させることによって、λS1,λS2はチューニ
ングすることができる。ここで、それぞれの波の強度を
OSC ,IS1,IS2とすると、パラメトリック過程によ
るλOSC 光からλS1,λS2光への変換効率ηは、 η=(IS1+IS2)/IOSC ………………(2) で表されるが、光パラメトリック過程では変換効率ηは
光強度IOSC に比例する。すなわち、次式 η=κ・IOSC κは比例定数……(3) のようになる。したがってパラメトリック出力は、 IS1+IS2=κ・IOSC 2 …………………(4) となる。
【0028】このとき、ミラーM2 は図2に示すよう
に、波長λOSC に対しては低い反射率(ROSC )を持
ち、かつ波長λS1,λS2に対して高い反射率(RS1,R
S2,ここではRS と簡略化する)をもっているものとす
ると、ミラーM2 から反射する光の強度は RS1S1+RS2S2=RS ・κ・IOSC 2 …(5) となる。
【0029】このようなミラーM2 からの反射光、すな
わち波長λS1,λS2の光が再び非線形光学効果を有する
図1の結晶Xに入射すると、先に述べたのとは逆のパラ
メトリック過程が生じ、波長λOSC の光が発生する。こ
のときの変換効率をξとすれば、結晶Xから出てくる波
長λOSC の光の強度は ξ・(RS ・κ・IOSC 2 2 …………………………(6) と記述できる。
【0030】このことから、非線形光学結晶Xとミラー
2 の組み合せは、波長λOSC に対する反射率が α・IOSC 3 …………………………(7) で非線形的に変化するミラー(強い光ほど高率で反射す
るミラー)と考えることができる。
【0031】これは、先行技術と同様の可飽和吸収色素
を用いるモードロッキングと同等の効果をもっているの
で、短パルス光の発生が可能になる。しかも(7)に示
されるように、非線形光学結晶XとミラーM2 の組み合
せは、優れた可飽和吸収特性を持った可飽和吸収体であ
る。このため、パルス時間幅の非常に狭い短パルスレー
ザ光を得ることができる。この短パルス光(波長
λOSC )は、ミラーM2 から出射する。
【0032】図2の場合、λOSC をNd:YAGレーザ
の発振波長1064nmとすると、パラメトリックモー
ドロッキングにより発生する光の波長λS1,λS2は、例
えば1800nmと2602nmとなる。この光が光学
結晶Xやその他の光学素子に入射すると、屈折率の波長
分散により群速度分散が起こる。そのため、λS1,λS2
光が非線形光学結晶Xに再入射するタイミングがずれ、
結晶Xで生起する光パラメトリック逆過程の効率が落ち
てしまう。そこで、非線形光学結晶XとミラーM2 の間
の光路上に群速度分散を補正する光学手段(具体的な形
態は後述する。)を設置すれば、光パラメトリック逆過
程の効率が上がり、その結果得られる短パルス光の出力
強度を高めることができる。
【0033】また、RS1,RS2は低く(λS1,λS2の光
を高率で透過する。)、ROSC は高い(λOSC の光を高
率で反射する。)ミラーM3 を設置すれば、λS1,λS2
光をも取り出すことができる。すなわち、λS1,λS2
びλOSC の3波長の同時発振が可能となっている。ま
た、結晶Xの結晶軸の方向を変えるなり温度を変えるな
りして位相整合条件を調節すれば、波長λS1,λS2は広
い範囲にわたって選択することができ、λOSC 光も加え
た多波長の短パルス光を得ることが可能である。本実施
例では、回転手段7(図示せず)を操作して結晶軸の向
きを変えることにより波長可変としている。
【0034】次に、第1実施例の、第1の変形例につい
て説明する。これは、図1に示す第1実施例の短パルス
レーザ光源の共振器内に、λOSC 光の高調波を発生させ
る非線形光学結晶を設置した装置である。図3は、この
変形例の装置の構成を示した図である。この装置には、
高調波発生用の結晶としてSHG結晶X3 が用いられて
いる。この装置では、λSHG (=λOSC /2)の波長の
光で光パラメトリック過程を生じさせる。ここで、第2
高調波に対する反射率をRSHG とすると、ミラーM
2 は、RSHG 、RS1,RS2は高く、ROSC は低い。これ
に対し、ミラーM3は、RSHG 、ROSC は高く、RS1
S2は低い。
【0035】SHG結晶X3 は、波長λOSC の光が入射
すると、その半波長λSHG の第2高調波を生成する。こ
の波長λSHG の光は、非線形光学結晶Xに入射して、光
パラメトリック過程を生起する。この過程により発生す
る光の波長λS1,λS2は、 1/λSHG =1/λS1+1/λS2…………(8) の関係を満たす。そして、非線形光学結晶XとミラーM
2 の組み合わせは、波長λSHG に対する反射率が、 α・ISHG 3 ………………………(9) で非線形に変化するミラーと考えることができ、これは
強い光ほど高率で反射する可飽和吸収体として働く。こ
の可飽和吸収体によって反射されたλSHG 光は、SHG
結晶X3 に入射し、λOSC 光を発生させ、レーザ共振を
起こす。この様にして、短パルス光の出力が可能にな
る。そして、λSHG 光はλOSC 光より波長が短いので、
(8)式から明らかなように、λOSC より短い波長の短
パルス光をミラーM3 から得ることができる。
【0036】なお、高調波発生用の結晶は、SHG結晶
に限定されるものではなく、例えば第3、第4高調波を
発生させる非線形光学結晶、またはこれらの組み合わせ
を用いても、同様の効果が得られる。
【0037】図4は、第1実施例の、第2の変形例の装
置の構成を示した図である。この装置は、レーザ媒質1
にチタン・サファイア(Ti:Al2 3 )のような広
い発振波長範囲を持つ結晶を用いた短パルスレーザ光源
である。この装置は、共振器内に波長選択素子11(複
屈折フィルターや回折格子など)が設置される。
【0038】レーザ媒質からの生成光は、波長選択素子
11を通過すると、発振波長範囲内のλOSC を中心とし
て数nm程度のスペクトル幅をもった光となる。ここ
で、λOSC は発振波長範囲内で任意に選択できる。そし
て、このスペクトル幅をもった光によって、光パラメト
リック過程が生起される。
【0039】この装置では、上記のスペクトル幅が存在
するために、より多くのモードがロッキングされる。し
たがって、よりパルス時間幅を狭くすることが可能であ
る。図5は第2実施例に係る短パルスレーザ光源の構成
図である。この場合には、第1実施例の構成に加え、レ
ーザ共振器内にミラーM4 および群速度分散補正用の光
学手段として三角柱状のプリズム3、4が設置されてい
る。
【0040】ミラーM4 は全反射ミラーであって、共振
器内の光路設定のために設置されている。
【0041】プリズム3、4は図示の通り、互いに向き
を逆にして、しかも向かい合った面が平行になるように
設置される。このプリズム対は、以下説明するようにλ
S1,λS2光の群速度分散補正用の光学手段である。群速
度分散から生ずるλS1,λS2光の時間遅れは、前述した
ような逆過程の効率の低下に加え、ミラーM3 から出射
する短パルス光のパルス時間幅の拡大をも引き起こす。
そこで、上述のようにプリズムを対にして設置すること
により、この群速度分散を補正するようにしたものが本
実施例である。したがって、本実施例の装置によれば、
プリズム対による群速度分散の補正作用により、補正を
しない場合に比べて、よりパルス時間幅の狭い短パルス
光をミラーM3 から出射させることができる。この場
合、設置するのは図5の位置に限らず、光路上であれば
どの位置にあっても補正することはできるし、共振器外
であっても、λS1,λS2光が入射する位置に設置すれば
同様の効果が得られる。また、上述したような位置に複
数設置してもよい。さらに、非線形光学結晶Xとミラー
2 の間の光路上に群速度分散を補正する光学手段とし
てプリズム対を設置することにより、逆過程の効率を上
げ、λS1、λS2光及びλOSC 光の出力強度を高めること
ができる。
【0042】また、第2実施例においても、第1実施例
と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
【0043】第3実施例は、本発明の第3及び第4の短
パルスレーザ光源の実施例である。図6は本実施例に係
る短パルスレーザ光源を示している。この短パルスレー
ザ光源は、第1実施例の短パルスレーザ光源におけるレ
ーザ共振器をリング型に構成したものである。図示の通
り、ミラーM1 ,M2 ,M3 でレーザ共振器が形成さ
れ、この内部にレーザ媒質1が設けられる。なお、ミラ
ーM2 は抽出手段であって、レーザ媒質1からの発光波
長λOSC を選択して外部に出力する。また、レンズ
1 ,L2 は、光パワー密度を高めた光を非線形光学結
晶X1 ,X2 に入射するものである。そして、結晶X1
は光パラメトリック過程を、結晶X2 はその逆過程を生
じさせる。さらに、レンズL3 ,L4 は、結晶X2 から
出射する光をもとのビーム径に戻し、ミラーM3 は選択
出射手段であって、この光のうち波長λOSC の光をレー
ザ媒質1に向け反射し、波長λS1,λS2の光を外部に出
力するものである。
【0044】また、光路中に設けられた単向器5は光を
一方向のみに透過する素子で、光アイソレーターあるい
はオプティカル・ダイオードとも呼ばれ、一般にはファ
ラディー素子が使われる。ここで、単向器5は必ずしも
必要ではないが、設けてあれば反対回りの光をなくすこ
とができるので、各モード間の不要な擾乱を少なくする
ことができる。
【0045】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0046】レーザ媒質1から発するビーム(波長λ
OSC )は単向器5を通過し、ミラーM1 で反射され、レ
ンズL1 ,L2 でパワー密度を上げて非線形光学結晶X
1 に入射する。これにより、結晶X1 内でパラメトリッ
ク過程により波長λS1,λS2の2つのビームが発生す
る。
【0047】さて、このときの各々の波長λS1,λS2
光の強度IS1,IS2は、 IS1+IS2=κ・IOSC 2 ………………(10) と表せる。そして、ミラーM2 は、 ROSC :〜0(小) RS1,RS2:RS (大) という特性を持っており、したがって反射後の光強度
は、 RS1・IS1+RS2・IS2 =RS ・(IS1+IS2) =RS ・κ・IOSC 2 …………………………(11) となる。
【0048】2番目の非線形光学結晶X2 では、1番目
の結晶X1 の逆の光パラメトリック過程により λS1,λS2→λOSC となり、もとの波長λOSC にもどる。その時の光強度は IOSC (after X2 )=ξ・(RS ・κ・IOSC 2 2 =α・IOSC 4 ……(12) で表される。
【0049】このようにして、結晶X2 から出射する波
長λOSC の光はレンズL3 ,L4 を通りもとのビーム径
になり、ミラーM3 で反射されてレーザー媒質1へもど
る。したがって、結晶X1 →ミラーM2 →結晶X2 へ至
る組み合せは、透過率が α・IOSC 3 ……………………………(13) で表わされ、入射強度が大きい程よく光を反射するミラ
ー、つまりは可飽和吸収体と考えて良いことになるの
で、短パルス光の生成が可能となる。しかも、これは
(13)に示されるように優れた可飽和吸収特性を持っ
ているので、パルス時間幅の非常に狭い短パルス光を得
ることができる。また、λS1,λS2及びλOSCの3波長
の同時発振が可能である。ここで、結晶X1 及び結晶X
2 について結晶軸の向きを変えるなり温度を変えるなり
して位相整合条件を調節すれば、波長λS1,λS2は広い
範囲にわたって選択することができ、λOSC 光も加えた
多波長の短パルス光を得ることが可能である。本実施例
では、回転手段8,9(図示せず)を連動操作して結晶
1 及び結晶X2 の結晶軸の向きを変えることにより波
長可変としている。このとき、一方の結晶が正過程を生
起すれば、他方は逆過程を生起しなければならないとい
う関係上、一方の結晶軸方向が決まれば他方の結晶軸方
向も決まることを考慮して調節する必要がある。
【0050】上記実施例では、ミラーM3 は選択出射手
段(λS1,λS2光を高率で透過し、λOSC 光を高率で反
射する。)としたが、例えばこれを完全反射ミラーとし
ても短パルス光を得ることは可能である。この場合は、
λOSC 光のみがミラーM2 から出射する。
【0051】第1実施例では、1つの非線形光学結晶の
みを用いるので、光パラメトリック正過程によるλOSC
光からλS1,λS2光への変換効率(これは、κに依存す
る。)及び光パラメトリック逆過程によるλS1,λS2
からλOSC 光への変換効率(これは、ξに依存する。)
の値の組み合わせは、非線形光学結晶の種類により決ま
る。これに対して、本実施例では、正過程のための結晶
と逆過程のための結晶を別にしているので、κとξの組
み合わせを選択することができ、それにより所望の短パ
ルス光の出力強度をより高めることができる。
【0052】第3実施例で発生したλS1,λS2光は、第
1実施例の場合と同様に、各光学素子を通過する過程で
各々の群速度が異なる。そこで第4実施例では、図7に
示すように、結晶X1 と結晶X2 の間の光路上に群速度
分散補正用の光学手段(例えば、上述のプリズム対)を
設置してある。これによって、第1実施例で述べた理由
により、光パラメトリック逆過程の効率が上がり、その
結果得られる短パルス光の出力強度を高めることができ
る。
【0053】また、第3、第4実施例の装置では、ミラ
ーM3 を選択出射手段としてλS1,λS2光を出力する場
合には、λS1,λS2光の群速度分散は、出射の際の
λS1,λS2光の時間遅れとなって現れ、その結果パルス
時間幅の拡大が起こる。これは、第2実施例でも説明し
た通りである。そこで、第2実施例と同じく、群速度分
散補正用のプリズム対を共振器内の光路上、或いは共振
器外であっても出射したλS1,λS2光が入射するような
位置に設置してλS1,λS2光の時間遅れを補正すれば、
よりパルス時間幅の狭い短パルス光をミラーM3 から出
射させることができる。
【0054】図8は、第5実施例を示したものである。
この装置では、第3実施例の構成から単向器5を取り除
き、代わりに光路長調節手段10が設置されている。そ
して、λOSC 光が光路上を両方向へ進行し、各々が光パ
ラメトリック過程によりモードロックがかかって短パル
ス化する構成が示されている。
【0055】この装置で、光路長調節手段10は全反射
ミラーM5 、M6 と直角プリズム6からなる。全反射ミ
ラーM5 、M6 は、光路方向と各鏡面の法線方向がそれ
ぞれ互いに45度の角度を持って交わるようなハの字状
に設置されている。直角プリズム6は、直角二等辺三角
形の底面を持つ三角柱形状をしたプリズムであり、三角
柱を構成する面のうち底面の二等辺を含み底面に垂直な
2つの面は全反射を生じる。また、光路長を任意に調節
できるように、直角プリズム6は図の上下方向に可変と
してある。これによると、一方のミラーに入射した光は
入射方向に対し垂直に反射され、プリズムに入射する。
光はプリズム中で方向を変え、もう一方のミラーに、前
記入射方向に対し垂直に入射し、ミラーで反射され再び
前記入射方向に進行する。このようにして、光がプリズ
ムを経由することによりこの光の光路長は長くなる。ま
た、直角プリズム6の位置を変えることにより光路長は
任意に長くすることができる。
【0056】これを用いて、図示の右回りと左回りのパ
ルス光が、例えば非線形光学結晶X1 で衝突するように
光路長を調節すると、衝突の瞬間に光の強度が増して両
パルス光が衝突する際の非線形効果がより増大し、結晶
1 での生成光の強度が高まる。その結果、短パルス光
の強度も高まる。単向器5を取り除いたので、前述した
両方向に進行する各モード間の擾乱が心配されるが、一
般的にモード間の擾乱を抑えるよりも非線形効果を大き
くする方が短パルス化の効果は大きい。したがって、本
実施例ではパルス時間幅をより狭くすることが可能であ
る。なお、光路長調節手段10の位置は、図8の位置に
限らず、光路上であればよい。また、光路長調節手段と
しては、上述したものは一例にすぎず、他の光路長調節
手段を用いても構わない。
【0057】また、図8ではミラーM3 を選択出射手段
としているが、短パルスレーザ光源としてはミラーM3
は例えば全反射ミラーでもよく、この場合にはλOSC
のみが短パルス光としてミラーM2 から出射することに
なる。
【0058】図9は第6実施例を示したもので、これは
第5実施例の短パルスレーザ光源において、結晶X1
結晶X2 の間の光路上に群速度分散補正用のプリズム対
を設置したものである。これも前述した実施例と同様
に、光パラメトリック逆過程の効率を上げて、得られる
短パルス光の出力強度を高めることができる。
【0059】さらに、第5、第6実施例共に、ミラーM
3 を選択出射手段としてλS1,λS2光を出力する場合に
は、群速度分散補正用のプリズム対を共振器内の光路
上、或いは共振器外であっても出射したλS1,λS2光が
入射するような位置に設置してλS1,λS2光の時間遅れ
を補正すれば、よりパルス時間幅の狭い短パルス光をミ
ラーM3 から出射させることができる。
【0060】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば第2実施例と同様に、第4、第6実
施例の短パルスレーザ光源においても、プリズム対をさ
らに各光学素子の間に設置することにより、全体として
プリズム対が複数個となってもよい。また、上記実施例
では群速度分散補正用の光学手段として三角柱状プリズ
ム対を用いたが、群速度分散補正用の光学手段はこれに
限るものではない。また、第3、第4、第5および第6
実施例においても、第1実施例と同様の変形が可能であ
る。ただし、第1の変形を行う場合は、レーザ媒質1と
非線形光学結晶X1 の間の光路上およびレーザ媒質1と
非線形光学結晶X2 の間の光路上それぞれに、高調波発
生用の結晶を設置する。このとき、高調波発生用の結晶
はそれぞれ、レーザ媒質からの生成光が入射したときは
その高調波を発生し、他方の高調波発生用の結晶で発生
した高調波が入射したときは高調波発生の逆過程を生起
するような向きに配置される。また、第5、第6実施例
に第2の変形を行う場合には、レーザ媒質1と非線形光
学結晶X1 の間の光路上およびレーザ媒質1と非線形光
学結晶X2 の間の光路上それぞれに、波長選択素子を設
置する。
【0061】以上の実施例の方法は、半導体レーザー励
起の固体レーザー、エキシマレーザー、気体レーザーで
も応用でき、得たい波長域によってレーザーの種類は選
択される。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る第1の短パルスレーザ光源によれば、可飽和吸収体を
光パラメトリック作用を有する非線形光学媒質と抽出手
段を用いて構成したので、レーザ媒質から出射した光
を、光強度が高いほど高率に反射する上、この反射率が
光強度に応じて高率となる比率(可飽和吸収特性)が優
れ、パルス時間幅の非常に狭い短パルス光を生成する短
パルスレーザ光源を実現できる。さらに、群速度分散補
正用の光学手段を非線形光学媒質と抽出手段の間の光路
上に配設すれば、光パラメトリック過程での生成光を、
その群速度分散を補正後、タイミングのずれを修正して
非線形光学媒質へ再入射できるので、出力の高い短パル
スレーザ光源を実現できる。
【0063】また、本発明に係る第2の短パルスレーザ
光源によれば、第1の短パルスレーザ光源に加えて選択
出射手段を配設したので、光パラメトリック過程での生
成光の波長の光も短パルス光として出射できる。さら
に、非線形光学媒質の向きを回転手段などにより変えた
り、温度調節手段により温度条件を変えて、位相整合条
件を調節すれば、出射する短パルス光の波長を選択する
ことが可能となり、波長可変な短パルスレーザ光源を実
現できる。
【0064】また、本発明に係る第3の短パルスレーザ
光源によれば、光パラメトリック過程を生起する非線形
光学媒質とは別に、逆過程を生起する非線形光学媒質を
配設することにしたので、各媒質の選択により正過程及
び逆過程における変換効率を独立に選択可能となり、出
力の高い短パルスレーザ光源を実現できる。さらに、群
速度分散補正用の光学手段を光パラメトリック正過程用
の非線形光学媒質と逆過程用の非線形光学媒質の間の光
路上に配設すれば、光パラメトリック過程での生成光
を、その群速度分散を補正後、タイミングのずれを修正
して逆過程用の非線形光学媒質へ入射できるので、出力
の高い短パルスレーザ光源を実現できる。
【0065】また、本発明に係る第4の短パルスレーザ
光源によれば、第3の短パルスレーザ光源に加え、選択
手段を配設したので、第1に対する第2の短パルスレー
ザ光源と同じ効果が得られる。
【0066】また、第2及び第4の短パルスレーザ光源
において、群速度分散補正用の光学手段を適宜配設すれ
ば、光パラメトリック過程での生成光の群速度分散を補
正し、該生成光の時間遅れを修正するので、よりパルス
時間幅の狭い短パルス光を得ることができる。
【0067】また、第3及び第4の短パルスレーザ光源
において、光路長調節手段を配設すれば、互いに逆向き
に進むレーザ共振光同士を非線形光学媒質内で衝突する
ようにして非線形効果を大きくできるので、よりパルス
時間幅の狭い短パルス光を得ることができる。
【0068】以上のような単パルスレーザ光源によれ
ば、数10ps(ピコ秒)から数ps、さらにはfs
(フェムト秒)オーダーの波長可変短パルスレーザ光が
得られる。従って、高速或いは精密な光計測の分野で広
く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図2】ミラーM2 の特性図である。
【図3】第1実施例の第1の変形例の短パルスレーザ光
源の構成図である。
【図4】第1実施例の第2の変形例の短パルスレーザ光
源の構成図である。
【図5】第2実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図6】第3実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図7】第4実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図8】第5実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図9】第6実施例の短パルスレーザ光源の構成図であ
る。
【図10】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1…レーザ媒質、2…偏光素子、3,4…プリズム、5
…単向器、6…直角プリズム、7,8,9…回転手段、
10…光路長調節手段、11…波長選択素子、X…非線
形光学媒質、M2 ,M3 …波長選択型のミラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 G02F 1/35 JICSTファイル(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に
    有するレーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設け
    られた非線形光学媒質と、前記レーザ媒質からの生成光
    が前記非線形光学媒質に入射されたときに生起する光パ
    ラメトリック過程での生成光を選択的に抽出して当該非
    線形光学媒質に再入射する抽出手段とを備え、 前記抽出手段による再入射によって前記非線形光学媒質
    で生起する光パラメトリック逆過程での生成光を前記レ
    ーザ媒質にフィードバックするようにしたことを特徴と
    する短パルスレーザ光源。
  2. 【請求項2】 前記非線形光学媒質と前記抽出手段の間
    の光路上に前記光パラメトリック過程での生成光の群速
    度分散を補正する光学手段を配設することを特徴とする
    請求項1記載の短パルスレーザ光源。
  3. 【請求項3】 レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に
    有するレーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設け
    られた非線形光学媒質と、前記レーザ媒質からの生成光
    が前記非線形光学媒質に入射されたときに生起する光パ
    ラメトリック過程での生成光を選択的に抽出して当該非
    線形光学媒質に再入射する抽出手段と、前記光パラメト
    リック過程での生成光であって前記抽出手段による再入
    射によって前記非線形光学媒質で生起する光パラメトリ
    ック逆過程に関与しないものを選択して前記共振器から
    出射させる選択出射手段とを備え、 前記光パラメトリック逆過程での生成光を前記レーザ媒
    質にフィードバックするようにしたことを特徴とする短
    パルスレーザ光源。
  4. 【請求項4】 前記非線形光学媒質を回転する回転手段
    を有することを特徴とする請求項3記載の短パルスレー
    ザ光源。
  5. 【請求項5】 前記非線形光学媒質の温度を調節する温
    度調節手段を有することを特徴とする請求項3記載の短
    パルスレーザ光源。
  6. 【請求項6】 レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に
    有するレーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設け
    られた、前記レーザ媒質からの生成光の入射により光パ
    ラメトリック過程を生起する第1の非線形光学媒質と、
    前記光パラメトリック過程での生成光を選択的に抽出す
    る抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記光
    パラメトリック過程での生成光の入射により光パラメト
    リック逆過程を生起する第2の非線形光学媒質とを備
    え、 前記光パラメトリック逆過程での生成光を前記レーザ媒
    質にフィードバックするようにしたことを特徴とする短
    パルスレーザ光源。
  7. 【請求項7】 前記第1の非線形光学媒質と前記第2の
    非線形光学媒質の間の光路上に前記光パラメトリック過
    程での生成光の群速度分散を補正する光学手段を配設す
    ることを特徴とする請求項6記載の短パルスレーザ光
    源。
  8. 【請求項8】 レーザ媒質と、このレーザ媒質を内部に
    有するレーザ共振器と、このレーザ共振器の内部に設け
    られた、前記レーザ媒質からの生成光の入射により光パ
    ラメトリック過程を生起する第1の非線形光学媒質と、
    前記光パラメトリック過程での生成光を選択的に抽出す
    る抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記光
    パラメトリック過程での生成光の入射により光パラメト
    リック逆過程を生起する第2の非線形光学媒質と、前記
    第1の非線形光学媒質で生起する光パラメトリック過程
    での生成光であって前記第2の非線形光学媒質で生起す
    る光パラメトリック逆過程に関与しないものを選択して
    前記共振器から出射させる選択出射手段とを備え、 前記光パラメトリック逆過程での生成光を前記レーザ媒
    質にフィードバックするようにしたことを特徴とする短
    パルスレーザ光源。
  9. 【請求項9】 前記第1の非線形光学媒質を回転する回
    転手段と、前記第2の非線形光学媒質を回転する回転手
    段とを有し、双方を連動操作することを特徴とする請求
    項8記載の短パルスレーザ光源。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の非線形光学媒質
    の温度を調節する温度調節手段を有する請求項8記載の
    短パルスレーザ光源。
  11. 【請求項11】 前記共振器内の光路長を調節する光路
    長調節手段を有し、該光路を互いに逆向きに進む前記レ
    ーザ媒質からの生成光が非線形光学媒質内で衝突するよ
    うにしたことを特徴とする請求項6、7、8、9又は1
    0記載の短パルスレーザ光源。
  12. 【請求項12】 前記光パラメトリック過程での生成光
    の群速度分散を補正する一つ以上の光学手段を有するこ
    とを特徴とする請求項3、4、5、8、9、10又は1
    1記載の短パルスレーザ光源。
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