JP3260337B2 - 地盤改良装置及び地盤改良方法 - Google Patents

地盤改良装置及び地盤改良方法

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JP3260337B2
JP3260337B2 JP14302599A JP14302599A JP3260337B2 JP 3260337 B2 JP3260337 B2 JP 3260337B2 JP 14302599 A JP14302599 A JP 14302599A JP 14302599 A JP14302599 A JP 14302599A JP 3260337 B2 JP3260337 B2 JP 3260337B2
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混合攪拌機を地盤
中に掘進降下させながら改良材と軟弱土とを混合攪拌す
るようにした地盤改良装置及び地盤改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の混合攪拌機を備えた
地盤改良装置が幾つか知られている。例えば、図15に
示すように、従来の地盤改良装置201は、建設作業機
械の一つであるバックホウ202と、そのアーム203
に取り付けられた混合攪拌機204とを備える。混合攪
拌機204は、連結部207を介してアーム203に連
結される。混合攪拌機204は、連結部207から下方
へ延びる支持枠212と、支持枠212の先端に取り付
けられた複数の誘導輪213とを含む。支持枠212の
内側には駆動モータ214が設けられ、駆動モータ21
4の上方には駆動輪216が設けられる。駆動モータ2
14の回転軸に取り付けられたスプロケット215及び
駆動輪216の回転軸に取り付けられたスプロケット2
17には、駆動チェーン218が巻回される。駆動モー
タ214の駆動力は、この駆動チェーン218により駆
動輪216に伝えられる。駆動輪216及び誘導輪21
3等には、攪拌チェーン219が巻回される。攪拌チェ
ーン219には、複数の攪拌翼220が設けられる。駆
動輪216が駆動されることにより、攪拌チェーン21
9が両輪216,213の間を周回し攪拌翼220が作
動する。混合攪拌機204の下部位置には、改良材供給
装置(図示せず)から供給管(図示せず)を通じて供給
される改良材を攪拌翼220の近傍に吐出するための吐
出ノズル222が設けられる。
【0003】従って、この地盤改良装置201によれ
ば、混合攪拌機204を地表面230に垂直に突き立て
て攪拌翼220を作動させることにより、混合攪拌機2
04が地盤中231に掘進降下する。このとき、地盤中
231に埋没した吐出ノズル222から改良材を攪拌翼
220の近傍に吐出させることにより、その改良材と地
盤中の軟弱土とが攪拌翼220により混合攪拌される。
その後、混合攪拌機204の下端部が地盤改良面の最深
部に達してから、混合攪拌機204を地表面230に引
き上げることにより、固化した柱状の混合処理土が形成
され、軟弱地盤の改良が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
前記地盤改良装置201では、図16に示すように、地
盤改良装置201を使用することにより、地表面近くの
第1領域Aよりも深い第2領域Bのみを地盤改良するこ
とがある。この場合、第1領域Aと第2領域Bとの境界
面Zに混合攪拌機204の下端部が達した段階で、吐出
ノズル222から改良材を吐出させることになる。しか
し、この場合には、地盤改良を行う必要のない第1領域
Aにも、攪拌チェーン219等を介して改良材が混入し
てしまい、第1領域Aの土砂が不必要にも固化してしま
うという問題点がある。
【0005】上記の問題を防ぐために、混合攪拌機20
4の上端部が第2領域Bに完全に入った段階で、吐出ノ
ズル222から改良材を吐出させる方法が考えられる。
しかし、この場合には、境界面Zの近くには改良材が完
全に行き渡らず、境界面Zの近くの地盤改良が不十分に
なるおそれがあった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、地表面に近い第1領域よ
りも深い第2領域のみについて地盤改良する場合に、混
合攪拌機の上端部が第2領域に完全に入った段階で各吐
出口から改良材を吐出させることにより、第1及び第2
の領域の境界面付近に改良材を行き渡らせて第2領域の
みを地盤改良し、第1領域に改良材が混入することを防
止することを可能にした地盤改良装置及び地盤改良方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項1に記載の地盤改良装置は、改良材を吐出す
るための吐出手段と、吐出された改良材を地盤の軟弱土
と混合攪拌するための攪拌チェーンと共に駆動輪及び誘
導輪に沿って周回、走行させる攪拌翼とを含む混合攪拌
機を備えた地盤改良装置において、吐出手段が、混合攪
拌機の下部位置に設けられた下部吐出口部と、下部吐出
口部より上側に設けられた少なくとも一つの上部吐出口
部とを備え、下部吐出口部及び上部吐出口部のそれぞれ
を複数の吐出孔より構成し、改良材供給装置から改良材
の供給を受ける供給管と、供給管に設けられた分配手段
とを備え、供給管に供給された改良材を分配手段を介し
て上部吐出口部及び下部吐出口部へ分配供給するもので
あることを趣旨とする。
【0008】上記構成の地盤改良装置によれば、地表面
直下から地盤改良を行う場合に、混合攪拌機を地盤中に
完全に埋没させた後、その下部位置に設けられた下部吐
出口部と、それよりも上側に設けられた少なくとも一つ
の上部吐出口部のそれぞれから改良材を吐出させ、これ
と同時に攪拌翼を作動させる。このとき、下部吐出口部
から吐出される改良材は、混合攪拌機の下部位置に対応
する地盤中に行き渡りながら軟弱土と混合攪拌される。
一方、上部吐出口部は地表面近くに位置することから、
同吐出口部から吐出される改良材は、地表面近くに行き
渡りながら軟弱土と混合攪拌されることになる。また、
地表面近くの第1領域よりも深い第2領域の地盤を改良
する場合には、混合攪拌機を第2領域の地盤中に位置さ
せると共に、その上端部を第1領域と第2領域との境界
面近くに位置させた後、下部及び上部の吐出口部から改
良材を吐出させ、これと同時に攪拌翼を作動させる。こ
のとき、下部吐出口部から吐出される改良材は、混合攪
拌機の下部位置に対応する地盤中に行き渡りながら軟弱
土と混合攪拌される。一方、上部吐出口部から吐出され
る改良材は、第1及び第2の領域の境界面近くに行き渡
りながら混合攪拌されることになる。また、第2領域の
地盤中に入った状態で混合攪拌機が作動することから、
第1領域の地盤中に改良材が混入することがない。
に、複数の吐出口部へ改良材を供給するにも、改良材供
給装置から分配手段までの間は一本の供給管を共用する
ことが可能となる。
【0009】上記問題点を解決するために請求項に記
載の地盤改良装置は、請求項に記載された地盤改良装
置において、下部吐出口部に連される下部吐出管と、
上部吐出口部に連される上部吐出管と、下部及び上部
の吐出管の内部に圧縮空気を常時供給するための圧縮空
気供給手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】上記構成の地盤改良装置によれば、請求項
に記載の地盤改良装置の作用に加え、圧縮空気供給手
段により各吐出管の内部に圧縮空気が常時供給されるこ
とにより、前記分配手段により供給管との連通が遮断さ
れる方の吐出管の内部が真空状態になることがない。従
って、各吐出管の供給管との連通が遮断されている間に
対応する吐出口部に土砂等が逆流することがない。
【0011】上記問題点を解決するために請求項に記
載の地盤改良方法は、請求項1又は請求項2に記載され
た地盤改良装置により行う地盤改良方法であって、攪拌
翼を作動させることにより、混合攪拌機の上端部を所定
の深さの改良地盤面まで掘進させる第1の掘進工程と、
混合攪拌機の上端部が改良地盤面に達した後、下部及び
上部の吐出口部から改良材を吐出させながら攪拌翼を作
動させることにより、改良材と軟弱土を混合攪拌すると
共に混合攪拌機の下端部を所定の深さまで掘進させる第
2の掘進工程と、混合攪拌機の下端部が所定の深さに達
した後、混合攪拌機の上端部を改良地盤面まで上昇させ
る上昇工程とを備え、その後に第2の掘進工程と上昇工
程を繰り返すと共に、その繰り返し毎に混合攪拌機を水
平方向へ変位させることにより、未処理層を残してその
下に地盤改良層を形成することを特徴とする。
【0012】上記構成の地盤改良方法によれば、請求項
又は請求項2に記載された地盤改良装置の作用に加
え、第1の掘進工程において混合攪拌機の上端部が所定
の深さの地盤改良面に達した後、第2の掘進工程におい
て各吐出口部から吐出される改良材を攪拌翼により軟弱
土と混合攪拌することにより、地表面下所定の深さの改
良地盤面より下の軟弱土が、混合攪拌機の下端部が所定
の深さに達するまで柱状に改良処理される。そして、上
昇工程において混合攪拌機を上昇させることにより、混
合攪拌機の上端部が改良地盤面に復帰配置される。その
後、第2の掘進工程と上昇工程を繰り返すと共に、その
繰り返し毎に混合攪拌機を水平方向へ変位させることに
より、柱状に改良処理された土が水平方向に連続するこ
とになり、地表面直下の未処理層を残してその下に一群
の地盤改良層が形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態] 以下、本発明を具体化した第1の実施の形態に係る地盤
改良装置及び地盤改良方法を図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】図1及び図2に本実施の形態の地盤改良装
置の概略構成を示す。この地盤改良装置1は、建設作業
機械の一つであるバックホウ2と、そのアーム3の先端
に取り付けられた増長アーム4と、その増長アーム4の
下端に取り付けられた混合攪拌機5とを備える。
【0015】バックホウ2は旋回可能に設けられた旋回
フレーム6と、旋回フレーム6に設けられたブーム7
と、地盤改良装置1を運転操作するための操縦室8とを
備える。アーム3はブーム7に設けられたアームシリン
ダ9に連結される。ブーム7は旋回フレーム6に設けら
れたブームシリンダ10により上下動される。アームシ
リンダ9が駆動されることにより、ブーム7に対するア
ーム3の傾きが変えられる。アーム3に設けられたバケ
ットシリンダ11は、リンク機構12を介して増長アー
ム4に連結される。そして、バケットシリンダ11が駆
動されることにより、アーム3に対する増長アーム4の
傾きが変えられる。アーム3と増長アーム4との間に設
けられた回転機構13は、地表面に対して垂直な軸線を
中心に、増長アーム4と共に混合攪拌機5を回転させる
ためのものである。ここで、各シリンダ9〜11及び回
転機構13が適宜に駆動されることにより、ブーム7、
アーム3、増長アーム4及び混合攪拌機5がそれぞれ動
かされる。
【0016】増長アーム4には傾斜計14が取り付けら
れる。この傾斜計14は、混合攪拌機5の鉛直性を計測
するためのものであり、その計測結果は電気信号として
操縦室8に設けられた表示装置8aに送られ、同装置8
aに表示されるようになっている。
【0017】混合攪拌機5は、支持枠21にそれぞれ設
けられた駆動輪22、誘導輪23,24及び補助輪2
5,26を備える。駆動輪22は、同一の駆動軸27上
に一対が並列に設けられる。誘導輪23,24及び補助
輪25,26は、各列の駆動輪22に対応してそれぞれ
一対が並列に設けられる。各列の駆動輪22、誘導輪2
3,24及び補助輪25,26には、それぞれ攪拌チェ
ーン28が巻回される。各攪拌チェーン28の外周上に
は、複数の攪拌翼29が所定間隔だけ隔てて取り付けら
れる。この実施の形態では、混合攪拌機5の下端部に二
組の誘導輪23,24を並べて設け、複数の攪拌翼29
を含む各攪拌チェーン28を走行させるようにした。こ
れにより、混合攪拌機5の下端部、即ち地盤に対する着
底部の形状が四角面形状になるように構成している。
【0018】支持枠21の上部には、攪拌チェーン28
及び攪拌翼29の周回経路上であって駆動輪22の近傍
に複数のヘラ31が取り付けられる。これらヘラ31
は、攪拌翼29に付着した泥を除去するための泥除去手
段を構成するものである。
【0019】支持枠21には、回転速度計30が設けら
れる。この回転速度計30は、駆動輪22の単位時間当
たりの回転速度を計測することにより、攪拌チェーン2
8の単位時間当たりの周回速度、ひいては攪拌翼29に
よる軟弱土の攪拌速度を計測するためのものである。こ
の回転速度計30の計測結果は電気信号として操縦室8
の表示装置8aに送られ、同装置8aに表示されるよう
になっている。
【0020】支持枠21には、駆動手段を構成する油圧
式の駆動モータ32が設けられる。この駆動モータ32
には、油圧配管(図示せず)を通じて作動油が供給され
る。駆動モータ32の出力軸上に固定されたスプロケッ
ト33は、駆動軸27上に固定されたスプロケット34
に対して駆動チェーン35により連結される。
【0021】駆動モータ31の油圧配管途中には、圧力
計36が設けられる。この圧力計36は、駆動モータ3
2に供給される作動油の圧力を計測するためのものであ
る。この圧力計36は、作動油の油圧を、攪拌翼29が
地盤から受ける攪拌抵抗として計測することにより、混
合攪拌機5の着底部の地盤反力を計測するものである。
この圧力計36の計測結果は電気信号として操縦室8の
表示装置8aに送られ、同装置8aに表示されるように
なっている。
【0022】混合攪拌機5の下部位置、即ち両誘導輪2
3,24の近傍には、地盤改良用セメント、水及びエア
ー等を改良材として吐出するための本発明の下部吐出口
部を構成する下部吐出ノズル37Aが設けられる。一
方、混合攪拌機5の上部位置、即ち駆動輪22の近傍に
は、同様に改良材を吐出するための本発明の上部吐出口
部を構成する上部吐出ノズル37Bが設けられる。これ
ら各吐出ノズル37A,37Bには、図4に示すよう
に、供給管38、下部吐出管39A及び上部吐出管39
Bを通じて改良材が供給される。
【0023】ここで、混合攪拌機5において改良材を吐
出するために設けられた各吐出ノズル37A,37Bを
含む吐出装置について説明する。図4にその吐出装置5
0の概念構成を示す。この吐出装置50は、供給管38
と、その供給管38から分岐された下部吐出管39A及
び上部吐出管39Bと、供給管38と下部及び上部の吐
出管39A,39Bとの連結部に設けられた本発明の分
配手段としての分配機40とを備える。供給管38に
は、改良材供給装置(図示せず)から改良材が供給され
る。下部吐出管39Aは、下部吐出ノズル37Aへ改良
材を供給するためのものである。上部吐出管39Bは、
上部吐出ノズル37Bへ改良材を供給するためのもので
ある。開閉弁機構より構成された分配機40は、下部吐
出管39A又は上部吐出管39Bを選択的に供給管38
に連通させるものである。この分配機40は、供給管3
8と下部吐出管39Aとが連通されるときに上部吐出管
39Bと供給管38との連通を遮断し、供給管38と上
部吐出管39Bとが連通されるときに下部吐出管39A
と供給管38との連通を遮断するものである。下部吐出
管39Aには、圧縮空気を供給するための下部供給管5
3Aが接続され、上部吐出管39Bには、同じく圧縮空
気を供給するための上部供給管53Bが接続される。こ
れら各供給管53A,53Bは、主供給管52を介して
圧縮空気供給装置に接続される。これら供給管52,5
3A,53Bにより、本発明の圧縮空気供給手段が構成
される。
【0024】上記構成の吐出装置50によれば、下部及
び上部の吐出ノズル37A,37Bへ改良材を供給する
にも、改良材供給装置からそれらノズル37A,37B
までの間は一本の供給管38を共用することが可能とな
る。このため、改良材供給装置から各吐出ノズル37
A,37Bまでの配管の取り回しを簡素化することがで
きるようになる。
【0025】更に、この吐出装置50によれば、供給管
38に供給された改良材は、分配機40を介して下部吐
出管39A又は上部吐出管39Bに選択的に供給され
る。即ち、分配機40により下部吐出管39Aが供給管
38に連通しているときには、上部吐出管39Bと供給
管38との連通が遮断され、供給管38に供給される改
良材が選択的に下部吐出管39Aのみに供給されて下部
吐出ノズル37Aのみから吐出されることになる。その
逆に、分配機40により上部吐出管39Bが供給管38
に連通しているときには、下部吐出管39Aと供給管3
8との連通が遮断され、供給管38に供給される改良材
が選択的に上部吐出管39Bのみに供給されて上部吐出
ノズル37Bのみから吐出されることになる。この実施
の形態では、分配機40において、下部吐出ノズル37
Aと上部吐出ノズル37Bとへ供給される改良材の分配
比率を任意(例えば、5:5,7:3,10:0等)に
変更可能になっている。従って、各吐出ノズル37A,
37Bの両方から改良材が吐出されると共に、各吐出ノ
ズル37A,37Bから改良材が吐出されるときには、
供給管38に加わる改良材の供給圧力の総てが各吐出3
7A,37Bに集中的に加わることになる。このため、
各吐出ノズル37A,37Bに土砂等が詰まりかけた場
合でも、各吐出ノズル37A,37Bに改良材の供給力
の総てが集中的に強力に加わることから、詰まりかけた
土砂等を各吐出ノズル37A,37Bから強制的に排除
することができる。この結果、各吐出ノズル37A,3
7Bに土砂等が詰まるのを防止することができ、各吐出
ノズル37A,37Bから改良材を円滑に吐出させるこ
とができる。例えば、下部吐出ノズル37Aが土砂等で
詰まりかけた場合には、下部吐出管39Aと供給管38
とが連通するときに、上部吐出管39Bと供給管38と
の連通が遮断される。これにより、供給管38に供給さ
れた改良材は上部吐出管39Bには全く供給されず、下
部吐出管39Aのみに集中的に供給されることになる。
このため、下部吐出ノズル37Aに詰まりかけた土砂等
は、改良材の供給圧力により改良材と共に同ノズル37
Aから吐出され、強制的に排除される。この結果、下部
吐出ノズル37Aの詰まりを防止することができ、同ノ
ズル37Aからの改良材の円滑な吐出を確保することが
できる。
【0026】ここで、各吐出管39A,39Bにおいて
供給管38との連通が遮断されるときには、対応する各
吐出ノズル37A,37Bが外部に開口することから、
同ノズル37A,37Bの中に土砂等が逆流し易くな
る。しかしながら、この実施の形態では、供給管38と
の連通が遮断された各吐出管39A,39Bに対し、主
供給管52及び各供給管53A,53Bを通じて圧縮空
気が供給されることから、各吐出ノズル37A,37B
に土砂等が逆流することを防止することができる。この
意味でも、各吐出ノズル37A,37Bに土砂等が詰ま
ることを防止することができ、同ノズル37A,37B
からの改良材の円滑な吐出を確保することができる。
【0027】ここで、混合攪拌機5に設けられた前記ヘ
ラ31について詳しく説明する。図5にそのヘラ31の
取り付け状態を示す。支持枠21は、混合攪拌機5の上
端部43に隣接する支持部21Aと、その支持部21A
の両側から下方へ延びる側面部21B,21Cとを含
む。支持部21A下面には、複数のヘラ31が下方へ突
出されるように並列に取り付けられる。各ヘラ31は、
その下方に位置する一対の駆動輪22に対応して配置さ
れる。各駆動輪22に連結された攪拌チェーン28に
は、前記したように複数の攪拌翼29が取り付けられ
る。各攪拌翼29は、駆動輪22の径方向へ突出する三
つのカッター刃29Aを含む。これらカッター刃29A
は、駆動輪22の軸線方向に配置されており、各カッタ
ー刃29Aの間が攪拌部29Bとなっている。各ヘラ3
1は、これら攪拌部29Bを通過するように、かつ、各
カッター刃29Aに干渉しないように支持部21Aに固
定される。従って、攪拌チェーン28と共に各攪拌翼2
9が作動することにより、各攪拌翼29のカッター刃2
9Aが各ヘラ31の間を通過するときには、各攪拌部2
9Bがヘラ31に沿って移動することになる。このと
き、攪拌部29Bに付着していた泥等は、各ヘラ31に
よって剥ぎ取られて除去される。即ち、攪拌翼29に付
着した泥は、各ヘラ31によって常に除去されることに
なり、攪拌翼29の攪拌機能の低下が抑えられる。この
結果、軟弱土と改良材を攪拌するための攪拌翼29によ
る攪拌効率を常に高い値に維持することができる。
【0028】次に、前述した回転機構13について詳し
く説明する。図6に回転機構13の平面図を示す。回転
機構13は、アーム3と増長アーム4との連結部13B
と、その連結部13Bの下に設けられた固定部13A
と、その固定部13Aの下に回転可能に設けられた回転
部13Cとを備える。固定部13Aには、外方へ突出さ
れた固定アーム13Dが取り付けられる。回転部13C
には、固定アーム13Dに対応して外方へ突出された回
転アーム13Eが取り付けられる。固定アーム13Dの
先端には、油圧シリンダ13Fの基端が回動可能に取り
付けられる。油圧シリンダ13Fには、油圧により伸縮
可能なシリンダロッド13Gが設けられる。シリンダロ
ッド13Gの先端は、回転アーム13Eの先端に回動可
能に取り付けられる。
【0029】上記構成の回転機構13によれば、油圧シ
リンダ13Fのシリンダロッド13Gが矢印Cの方向に
伸びることにより、回転アーム13Eを介して回転部1
3Cが矢印Eの方向へ回転する。この回転により、増長
アーム4が回転して混合攪拌機5が同方向へ所定角度だ
け回転する。一方、油圧シリンダ13Fのシリンダロッ
ド13Gが矢印Dの方向に縮むことにより、回転アーム
13Eを介して回転部13Cが矢印Fの方向に回転す
る。この回転により、増長アーム4が回転して混合攪拌
機5が同方向へ所定角度だけ回転する。従って、増長ア
ーム4を地表面に対して垂直に配置した状態で回転機構
13を作動させることにより、混合攪拌機5がその定位
置で地表面40に対して垂直な軸線を中心に回転される
ことになる。これにより、混合攪拌機5の向きを、定位
置において所定角度の範囲内で自在に変えることができ
るようになる。また、同じ掘進位置で混合攪拌機5の向
きだけを変えたい場合に、バックホウ2を移動させるこ
となく混合攪拌機5の向きを変えることができる。
【0030】次に、上記構成の地盤改良装置1の動作に
ついて説明する。地盤改良装置1を操縦するには、図1
に示すように、増長アーム4と共に混合攪拌機5を地表
面40に対して垂直に突き立てる。この状態から、操縦
室8のオペレータが傾斜計14から送られる計測結果を
表示装置8aで視認して混合攪拌機5の鉛直性を確認し
ながら、攪拌チェーン28を駆動させて地表面40を各
攪拌翼29で攪拌する。これにより、図2に示すよう
に、混合攪拌機5の上端部43が地表面40に達するま
で混合攪拌機5を掘進させる。このように、混合攪拌機
4を地盤中に完全に埋没させた後、その下部位置に設け
られた下部吐出ノズル37Aと上部位置に設けられた上
部吐出ノズル37Bのそれぞれから改良材を吐出させ、
これと同時に各攪拌翼29を作動させる。このとき、下
部吐出ノズル37Aから吐出される改良材は、混合攪拌
機5の下部位置に対応する地盤中に行き渡りながら軟弱
土と混合攪拌される。一方、上部吐出ノズル37Bは地
表面40の近くであって、駆動輪22の近傍に位置する
ことから、この吐出ノズル37Bから吐出される改良材
は、地表面40の近くに行き渡りながら軟弱土と混合攪
拌されることになる。
【0031】更に、操縦室8のオペレータが傾斜計14
から送られる計測結果を表示装置8aで視認して混合攪
拌機5の鉛直性を確認し、圧力計36から送られる計測
結果を表示装置8aで視認して地盤の硬さを確認し、回
転速度計30から送られる計測結果を表示装置8aで視
認して攪拌翼29による攪拌速度を確認し制御しなが
ら、地盤中41に対して混合攪拌機5を掘進させる。こ
れにより、混合攪拌機5による垂直な掘進跡に沿って軟
弱土が改良材と混合攪拌され、柱状の改良処理土が形成
される。この場合、地盤の硬さを確認して攪拌翼29に
よる攪拌速度を制御しながら地盤を垂直に改良処理する
ことができる。
【0032】上記構成の地盤改良装置1によれば、図3
に示すように、地表面40に近い第1領域Aよりも深い
第2領域Bの地盤を改良する場合には、混合攪拌機5の
上端部43が第2領域Bに達するまで、各吐出ノズル3
7A,37Bから改良材を吐出させることなく混合攪拌
機5を掘進させる。そして、混合攪拌機5の上端部43
を第1領域Aと第2領域Bとの境界面Zの近くに位置さ
せた後、各吐出ノズル37A,37Bから改良材を吐出
させ、これと同時に各攪拌翼29を作動させる。このと
き、下側の下部吐出ノズル37Aから吐出される改良材
は、混合攪拌機5の下端部に対応する地盤中に行き渡り
ながら軟弱土と混合攪拌される。一方、上側の上部吐出
ノズル37Bは境界面Zに近いところに位置することか
ら、その吐出ノズル37Bから吐出される改良材は、境
界面Zの近くに行き渡りながら混合攪拌されることにな
る。このとき、混合攪拌機5は第1領域Aの地盤にはか
からず、第2領域Bの地盤中に入った状態で作動するこ
とから、上部吐出ノズル37Aから吐出される改良材が
第1領域Aの地盤中に混入することがない。この結果、
第1領域Aの地盤を固化させることなく第2領域Bの地
盤のみを選択的に固化させることができる。
【0033】上記構成の地盤改良装置1によれば、混合
攪拌機5とバックホウ2のアーム3との間に増長アーム
4が設けられる。このため、増長アーム4を地表面40
に対して垂直に立てて混合攪拌機5を作動させることに
より、混合攪拌機5を地盤中に垂直に下降させることが
可能となり、増長アーム4の長さ分だけより深い位置ま
で混合攪拌機5を降下させることが可能となる。このた
め、混合攪拌機5を鉛直性をもって地盤に作用させるこ
とができ、より深い位置まで地盤改良することができ
る。
【0034】上記構成の地盤改良装置1によれば、増長
アーム4に混合攪拌機5の鉛直性を計測するための傾斜
計14が取り付けられるので、操縦室8のオペレータが
傾斜計14の計測結果を表示装置8aにより読み取るこ
とにより、混合攪拌機5の鉛直性を知ることが可能にな
る。従って、混合攪拌機5の鉛直性を測るために別途人
員を配置する必要がない。この意味で、地盤改良の作業
性を向上させることができるようになる。
【0035】上記構成の地盤改良装置1によれば、攪拌
翼29による攪拌速度を計測するための回転速度計30
を設けているので、操縦室8のオペレータが回転速度計
30の計測結果を読み取ることにより、攪拌翼29によ
る攪拌速度を知ることが可能になる。このため、攪拌翼
29による攪拌速度が設定通りの値になっているか容易
に確認することがきるようになる。
【0036】上記構成の地盤改良装置1によれば、駆動
モータ32へ供給される作動油の圧力を計測するための
圧力計36を設けているので、操縦室8のオペレータが
回転速度計30の計測結果を読み取ることにより、混合
攪拌機5の着底部における地盤反力を容易に知ることが
可能になる。このため、対象地盤の地盤反力を別途の作
業で計測することなく地盤改良作業と並行して計測する
ことができ、対象地盤の状態をオペレータが確認しなが
ら地盤改良作業を進めることができ、その作業効率を向
上させることができる。
【0037】次に、上記構成の地盤改良装置1を使用し
た二つの地盤改良方法について説明する。
【0038】[地盤改良方法1] 図7に地盤改良方法1の概念構成を示す。ここでは、地
表面40に近い第1領域Aよりも深い第2領域Bの部分
を地盤改良する場合について説明する。先ず、図7に示
すステップ1の状態からステップ2の状態へと混合攪拌
機5により地盤の掘進を進める。即ち、第1の掘進工程
において、各攪拌翼29を作動させることにより、混合
攪拌機5の上端部43を所定の深さに位置する第2領域
Bの改良地盤面Zまで掘進させる。次に、混合攪拌機5
の上端部43が改良地盤面Zに達した後、第2の掘進工
程において、下部及び上部の吐出ノズル37A,37B
から改良材を吐出させながら攪拌翼29を作動させるこ
とにより、改良材と軟弱土を混合攪拌すると共に、図7
のステップ3に示すように、混合攪拌機5の下端部44
を所定深さに位置する第2領域Bの最深面Yまで掘進さ
せる。次に、混合攪拌機5の下端部44が最深面Yに達
した後、上昇行程において、図7のステップ2に示すよ
うに、混合攪拌機5の上端部43を改良地盤面Zまで上
昇させる。その後に、上記第2の掘進工程と上記上昇工
程を繰り返すと共に、その繰り返し毎に混合攪拌機5を
水平方向へ変位させることにより、未処理層である第1
領域Aを残してその下の第2領域Bに地盤改良層を形成
する。即ち、図7に矢印Sで示すように、混合攪拌機5
の上端部43が改良地盤面Zに達するまで混合攪拌機5
を上昇させると共に、混合攪拌機5を横に移動させて変
位させる。その後、混合攪拌機5の上端部43が改良地
盤面Zに達したら、混合攪拌機5の下端部44が最深面
Yに達するまで混合攪拌機5を再び下降させると共に、
混合攪拌機5を横に移動させて変位させる。この作業を
繰り返すことにより、第2領域Bのみを地盤改良する。
【0039】上記の地盤改良方法1によれば、第1の掘
進工程で、混合攪拌機5の上端部43が地盤改良面Zに
達した後、第2の掘進工程で、各吐出ノズル37A,3
7Bから吐出される改良材を各攪拌翼29により軟弱土
と混合攪拌することにより、地表面下の改良地盤面Zよ
り下の第2領域Bの軟弱土が、混合攪拌機5の下端部4
4が最深面Yに達するまで柱状に固化処理される。そし
て、上昇工程で混合攪拌機5を上昇させることにより、
混合攪拌機5の上端部43が改良地盤面Zに復帰配置さ
れる。その後、第2の掘進工程と上昇工程を繰り返すと
共に、その繰り返し毎に混合攪拌機5を水平方向へ変位
させることにより、柱状に固化処理された土が水平方向
に連続することになる。以上により、地表面直下の第1
領域Aの未処理層を残して、その下の第2領域Bに一群
の地盤改良層が形成される。ここでは、図7に矢印Sで
示すように混合攪拌機5を移動させた場合に、混合攪拌
機5の上端部43が改良地盤面Zに達したとき、上部吐
出ノズル37Bにより同地盤面Zの近くに改良材を行き
渡らせることが可能となる。このため、改良地盤面Zの
近くを含む第2領域Bの全域を改良材により固化させて
地盤改良することができるようになる。つまり、地表面
40に近い第1領域Aよりも深い第2領域Bのみについ
て地盤改良する場合に、混合攪拌機5の上端部43が第
2領域Bに完全に入った段階で各吐出ノズル37A,3
7Bから改良材を吐出させることにより、第1及び第2
の領域A,Bの境界面Zの付近に改良材を充分に行き渡
らせて第2領域Bのみを選択的に地盤改良することがで
き、併せて、第1領域Aに改良材を混入させることを防
止することができる。
【0040】ここでは、第2の掘進工程と上昇行程の繰
り返しにおいて、図8に示すように、バックホウ2の旋
回フレーム6を定位置で旋回させてアーム3を旋回させ
たり、アーム3を屈伸させたりすることにより、混合攪
拌機5を第1平面領域Gから第2平面領域Hへ移動させ
て水平方向へ変位させる。このとき、回転機構13によ
り混合攪拌機5を回転させること、第1平面領域Gの側
面gと第2平面領域Hの側面hとを互いに整合させなが
ら柱状に固化処理された土を連続させることができる。
同様に、第2平面領域Hと第3平面領域I、第3平面領
域Iと第4平面領域J、並びに、第4平面領域Jと第5
平面領域Kとをそれぞれ連続させることができる。即
ち、この実施の形態では、一地点で混合攪拌機5を作動
させて各単位平面領域G〜Hを地盤改良すると共に、ア
ーム3の旋回及び屈伸と回転機構13による混合攪拌機
5の水平回転とを組み合わせ、所定の屈曲した水平軌跡
(図8は直角に屈曲した水平軌跡に相当する。)に沿っ
て混合攪拌機5を断続的に変位させると共に、各変位地
点で混合攪拌機5を作動させることにより、複数の単位
平面領域G〜Hを水平方向へ連続させながら地盤改良す
るようにしている。従って、アーム3及び回転機構13
と共に混合攪拌機5を作動させることにより、バックホ
ウ2を定位置で停止させたまま、屈曲した水平軌跡に沿
って、複数の単位平面領域G〜Hが水平方向へ連続しな
がら地盤改良されることになる。これにより、各単位平
面領域G〜Hを占める柱状に改良処理された土が水平方
向に連続して配列されることになり、一群の地盤改良層
が形成される。この結果、バックホウ2を頻繁に移動さ
せる必要がない分だけ、この種の屈曲した水平軌跡に沿
った地盤改良を効率良く行うことができるようになる。
【0041】[第2の実施の形態] 次に、本発明を具体化した第2の実施の形態に係る地盤
改良装置を図9に従って説明する。
【0042】図9に本実施の形態の地盤改良装置の概略
構成を示す。この地盤改良装置は、混合攪拌機111
が、誘導輪23を省略して誘導輪24のみを有する点
で、前記実施の形態の混合攪拌機5と構成が異なる。こ
の混合攪拌機111にも、攪拌チェーン28及び攪拌翼
29を駆動するための駆動手段としての駆動モータ32
が設けられる。同じく、混合攪拌機111には、攪拌翼
29による軟弱土の攪拌速度を計測するための回転速度
計30が設けられる。一方、吐出手段としての各と出ノ
ズル37A,37Bへ改良材を供給するための改良材供
給手段としての改良材供給装置112には、同装置11
2から各吐出ノズル37A,37Bへ供給される改良材
の流量を計測するための改良材流量計113が設けられ
る。改良材供給装置112は、サイロ114に収容され
た改良材を、供給管38及び各吐出管39A,39Bを
通じて各吐出ノズル37A,37Bへ供給するものであ
る。改良材流量計113は、改良材供給装置112にお
いて供給管38の接続部分に設けられる。この流量計1
13は、計測した単位時間当たりの改良材流量を表示す
るための表示器113aを含む。表示器113aに表示
された流量は、作業者によって読み取り可能である。回
転速度計30の計測結果は電気信号として操縦室8の表
示装置8aに送られ、同装置8aに表示されるようにな
っている。この地盤改良装置は、改良材供給装置112
を制御するためのコントローラ115を更に備え、その
コントローラ115へは、回転速度計30及び改良材流
量計112の計測結果が電気信号として送られる。そし
て、コントローラ115は、攪拌翼29による攪拌速度
の違いに応じた一定の改良材流量が得られるように、改
良材流量計113で計測される改良材流量の値と、回転
速度計30で計測される攪拌速度の値とに基づいて、改
良材供給装置112を制御するようになっている。
【0043】従って、本実施の形態の地盤改良装置によ
れば、対象地盤の状況によって、攪拌翼29による所定
の攪拌速度が得られないことが回転速度計30の計測結
果に基づきコントローラ115によって判断された場合
には、そのときの攪拌速度に応じた所定の改良材流量と
なるようにコントローラ115が改良材供給装置112
を制御する。これにより、対象地盤の状況に応じた一定
量の改良材を各吐出ノズル37A,37Bから吐出させ
るようにしている。即ち、回転速度計30の計測結果
と、改良材流量計113の計測結果とを関連付けること
により、所定の攪拌速度で所定の改良材吐出量を確保す
るようにしている。このため、所定の攪拌速度を確保で
きないときには、改良材供給装置112を制御して各吐
出ノズル37A,37Bからの改良材の吐出量を増減す
ることにより、攪拌速度の違いに応じた改良材吐出量を
確保することができ、対象地盤の状況に応じた最適な効
率で地盤改良を行うことができるようになる。
【0044】尚、本発明は前記各実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々
の変形、改良を行うことができ、例えば、以下のように
具体化することもできる。
【0045】(1)前記各実施の形態では、図4に示す
ように、それぞれ一つの大きめの口よりなる下部吐出ノ
ズル37A及び上部吐出ノズル37Bにより下部吐出口
部及び上部吐出口部を構成した。これに対し、図10に
示すように、小さめの複数の吐出孔60Aよりなる下部
吐出ノズル37A及び上部吐出ノズル37Bにより下部
吐出口部及び上部吐出口部を構成してもよい。
【0046】(2)前記第1の実施の形態では、混合攪
拌機5の下端部に二組の誘導輪23,24を並べて設
け、複数の攪拌翼29を含む各攪拌チェーン28を走行
させるようにした。これにより、混合攪拌機5の下端
部、即ち地盤に対する着底部の形状が四角面形状になる
ように構成した。これに対し、混合攪拌機の下端部に一
組の誘導輪を設け、複数の攪拌翼29を含む攪拌チェー
ンを走行させるようにし、混合攪拌機の地盤に対する着
底部の形状を楔形状になるように構成してもよい。
【0047】()前記第1の実施の形態では、第1領
域A及び第2領域Bが共に地盤である場合の地盤改良に
ついて説明したが、第1領域Aが水である場合の地盤改
良にも適用することができる。この場合、水中に改良材
を吐出することなく第2領域Bのみを地盤改良すること
ができる。
【0048】()前記第1の実施の形態の地盤改良装
置に対し、図14に示すように、バックホウ2等の建設
作業機械に昇降柱70を含む昇降装置71を装着し、そ
の昇降柱70の下端に混合攪拌機5を取り付ける。そし
て、昇降装置71の昇降柱70を垂直方向へ昇降させる
ことにより、混合攪拌機5を地盤に対して垂直方向へ昇
降可能に構成してもよい。この場合、昇降柱70の長さ
の分だけ、混合攪拌機5をより深い位置まで垂直性を保
ちながら降下させることが可能になる。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載された地盤改良装置によ
れば、地表面直下から地盤改良する場合に、混合攪拌機
を地盤中に完全に埋没させてから各吐出口部から改良材
を吐出させることにより、地表面付近に改良材を行き渡
らせることができる。併せて、地表面直下の第1領域よ
りも深い第2領域のみを地盤改良する場合に、混合攪拌
機の上端部が第2領域に完全に入った段階で各吐出口部
から改良材を吐出させることにより、第1及び第2の領
域の境界面付近に改良材を行き渡らせて第2領域のみを
地盤改良することができ、第1領域に改良材を混入させ
ることを防止することができる。又、改良材供給装置か
ら各吐出口部までの配管の取り回しを簡素化することが
できる。
【0050】請求項に記載の地盤改良装置によれば、
請求項に記載の地盤改良装置の効果に加え、各吐出管
に対して圧縮空気が供給されることから、各吐出口部に
土砂等が逆流することを防止することができる。この意
味でも、各吐出口部に土砂等が詰まることを防止するこ
とができ、同吐出口部からの改良材の円滑な吐出を確保
することができる。
【0051】請求項に記載の地盤改良方法によれば、
地表面直下の第1領域よりも深い第2領域のみを地盤改
良する場合に、混合攪拌機の上端部が第2領域に完全に
入った段階で各吐出口部から改良材を吐出させることに
より、第1及び第2の領域の境界面付近に改良材を行き
渡らせて第2領域のみを地盤改良することができ、第1
領域に改良材を混入させることを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図2】同じく、地盤改良装置の動作を示す概略構成図
である。
【図3】同じく、地盤改良装置の動作を示す概略構成図
である。
【図4】同じく、混合攪拌機に設けられた吐出装置の概
略構成図である。
【図5】同じく、混合攪拌機に設けられたヘラの構成を
示す図である。
【図6】同じく、増長アーム等に設けられた回転機構を
示す概略構成図である。
【図7】同じく、地盤改良方法1を示す概略図である。
【図8】同じく、地盤改良方法1を示す概略図である。
【図9】第2の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図10】別の実施の形態に係り、吐出装置の変形例を
示す図である。
【図11】別の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図12】別の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図13】別の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図14】別の実施の形態に係り、地盤改良装置を示す
概略構成図である。
【図15】従来の地盤改良装置を示す概略構成図であ
る。
【図16】同じく従来の地盤改良装置を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1 地盤改良装置 2 バックホウ(建設作業機械) 3 アーム 4 増長アーム 5 混合攪拌機 8 操縦室 13 回転機構 14 傾斜計 22 駆動輪 23 誘導輪 24 誘導輪 28 攪拌チェーン 29 攪拌翼 30 回転速度計 31 ヘラ(泥除去手段) 35 駆動チェーン 36 圧力計 37A 下部吐出ノズル(下部吐出口部) 37B 上部吐出ノズル(上部吐出口部) 38 供給管 39A 下部吐出管 39B 上部吐出管 40 分配機(分配手段) 52 主供給管 53A 下部供給管 53B 上部供給管(52,53A,53B:圧縮空
気供給手段) 113 改良材流量計 122 攪拌翼 122A 攪拌翼 122B 攪拌翼 123 混合攪拌機 124 混合攪拌機
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−280043(JP,A) 特開 平10−68124(JP,A) 特開 平11−124844(JP,A) 特開 平10−88568(JP,A) 特開 平10−102478(JP,A) 特開 平11−324010(JP,A) 特開 平9−296441(JP,A) 特開 平9−67818(JP,A) 特開 平4−247114(JP,A) 特開 昭54−51217(JP,A) 実開 昭60−87234(JP,U) 実開 昭53−65202(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/12 103 E02F 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改良材を吐出するための吐出手段と、前
    記吐出された改良材を地盤の軟弱土と混合攪拌するため
    攪拌チェーンと共に駆動輪及び誘導輪に沿って周回、
    走行させる攪拌翼とを含む混合攪拌機を備えた地盤改良
    装置において、 前記吐出手段が、前記混合攪拌機の下部位置に設けられ
    た下部吐出口部と、前記下部吐出口部より上側に設けら
    れた少なくとも一つの上部吐出口部とを備え、前記下部
    吐出口部及び前記上部吐出口部のそれぞれを複数の吐出
    孔より構成し、 改良材供給装置から前記改良材の供給を受ける供給管
    と、前記供給管に設けられた分配手段とを備え、前記供
    給管に供給された改良材を前記分配手段を介して前記上
    部吐出口部及び前記下部吐出口部へ分配供給するもので
    ある ことを特徴とする地盤改良装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載された地盤改良装置にお
    いて、 前記下部吐出口部に連される下部吐出管と、 前記上部吐出口部に連される上部吐出管と、 前記下部及び上部の吐出管の内部に圧縮空気を常時供給
    するための圧縮空気供給手段とを備えたことを特徴とす
    る地盤改良装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された地盤
    改良装置により行う地盤改良方法であって、 前記攪拌翼を作動させることにより、前記混合攪拌機の
    上端部を所定の深さの改良地盤面まで掘進させる第1の
    掘進工程と、 前記混合攪拌機の上端部が前記改良地盤面に達した後、
    前記下部及び上部の吐出口部から前記改良材を吐出させ
    ながら前記攪拌翼を作動させることにより、前記改良材
    と前記軟弱土を混合攪拌すると共に前記混合攪拌機の下
    端部を所定の深さまで掘進させる第2の掘進工程と、 前記混合攪拌機の下端部が所定の深さに達した後、前記
    混合攪拌機の上端部を前記改良地盤面まで上昇させる上
    昇工程とを備え、その後に前記第2の掘進工程と前記上
    昇工程を繰り返すと共に、その繰り返し毎に前記混合攪
    拌機を水平方向へ変位させることにより、未処理層を残
    してその下に地盤改良層を形成することを特徴とする地
    盤改良方法。
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