JP3259065B2 - 金属光沢調熱変色性布帛及びそれを用いた衣料 - Google Patents

金属光沢調熱変色性布帛及びそれを用いた衣料

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JP3259065B2
JP3259065B2 JP08821893A JP8821893A JP3259065B2 JP 3259065 B2 JP3259065 B2 JP 3259065B2 JP 08821893 A JP08821893 A JP 08821893A JP 8821893 A JP8821893 A JP 8821893A JP 3259065 B2 JP3259065 B2 JP 3259065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属光沢調熱変色性布帛
及びそれを用いた衣料に関する。更に、詳細には、温度
変化により金色、銀色、メタリック色等の色変化を呈す
ると共に、前記熱変色特性を持続させる耐光性を備えた
布帛及びそれを用いた衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度変化により有色←→無
色、有色〔1〕←→有色〔2〕の可逆的色変化を呈する
熱変色性材料は特公昭51−35414号公報、特公昭
51−44706号公報等に開示されており、この種の
熱変色性材料を含むコーティング組成物のコーティング
により熱変色層を設けた熱変色性布帛は特開昭61−1
79371号公報等に開示されている。色変化を多様化
させる試みは、実公平3−14400号公報に開示され
ている。前記公報に記載されている示温体は感熱液晶を
真珠光沢層で覆い、真珠光沢感のある色変化を発現させ
ようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記熱変色
性材料により彩色された素材は、鮮明な色変化を呈する
ことができるが、耐光性を満足させていないのでスポー
ツ用等の衣料には不向きであった。又、後者の示温体に
あっては、液晶は本来無色であり、可視光線の選択的散
乱である特定の波長を反射するため、裏面に黒っぽい不
透明層が必要であり、従って、その色変化は黒−赤−黄
−緑−青−紫−黒に見えるため、その上に真珠光沢顔料
層を設けたとしても、色変化は鮮明にならない。例え
ば、真珠光沢顔料を使用した場合、その色変化は、金色
−金色かかった赤−金色かかった黄−金色かかった緑−
金色かかった青−金色かかった紫−金色となり、明瞭な
金色を帯びない色への変化を示さない。又、真珠光沢色
から無色の色変化を発現させることができず、下地を隠
蔽したり、顕現させることができない。金色、銀色、そ
の他金属光沢のメタリック色は豪華な色であり、金色、
銀色、メタリック色の金属光沢から他の色への変化は最
も看者の注目を集めるので各分野からの要望も大きかっ
たが未だ実用性を満足させるものは開示されていない。
本発明者らは、熱変色性材料による変色効果を有効に奏
させ金色等の金属光沢色から鮮明で多彩に熱変色させる
ための研究を行い、本発明を完成させたのである。本発
明に用いる熱変色性材料は、液晶と異なり、熱変色性材
料自体に明瞭な色変化があるため、下層に黒っぽい不透
明層を設ける必要がなく、しかも有色−無色の変色がで
きる特徴がある。
【0004】従って、前記熱変色性材料による有色−無
色の熱変色層上に金色、銀色、その他メタリック色の特
定の金属光沢顔料層を積層することにより、前記金属光
沢調の色から無色の色変化を効果的に発現させることを
見出した。このことは白色支持体上に有色−無色の熱変
色層を設け、前記熱変色層上に金属光沢顔料層を積層す
ることにより金属光沢色から白色への色変化を視覚させ
ることを可能にする。又、非熱変色性着色剤を混合させ
ることによる金色、銀色、その他メタリック色の金属光
沢色から有色への明瞭な色変化を看者に視覚させること
もできる。さらに金属光沢色で下層の着色層を隠顕させ
る構成となすこともできる。この種の色変化や隠蔽は前
記液晶の系では発現出来ない。更には、熱変色性材料と
してヒステリシス幅が極めて大きい熱変色性材料いわゆ
る色彩記憶性感温色素を含む色材を使用することによ
り、熱変色に要した熱又は冷熱を取り去った後も変化し
た状態を保持させることができ、常温域でその状態を視
覚させることができる効果をも奏する。こうして多様な
金属光沢色の熱による色変化を鮮明に発現させる熱変色
積層構成を布帛上に形成し、金属光沢調の色変化効果と
共に従来の熱変色性布帛の弱点である耐光性を顕著に向
上させた熱変色性布帛及びそれを用いた衣料を提供しよ
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、布帛表面に、
電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と両者
の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
なる熱変色性材料がバインダー中に分散状態に固着され
、発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
色の明度値が8以上となる熱変色層が設けられていると
共に前記熱変色層上に天然雲母の表面を酸化チタンで被
覆した粒度が5〜100μmの金属光沢顔料がバインダ
ー中に分散状態に固着された、反射光の波長を調整する
金属光沢顔料層が積層されてなる金属光沢調熱変色性布
帛を要件とする。更には、布帛表面に、電子供与性呈色
性有機化合物と電子受容性化合物と両者の呈色反応を可
逆的に生起させる有機化合物媒体と非熱変色性の有色の
染料または顔料とからなる熱変色性材料がバインダー中
に分散状態に固着された、発色時の混合系の色濃度の明
度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の明度値
V2)が4以上であって、(V2)−(V1)>1と
なる熱変色層が設けられていると共に前記熱変色層上に
天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した粒度が5〜10
0μmの金属光沢顔料がバインダー中に分散状態に固着
された、反射光の波長を調整する金属光沢顔料層が積層
されてなる金属光沢調熱変色性布帛を要件とする。更に
は、前記金属光沢調熱変色性布帛により少なくとも一部
が構成されてなる衣料を要件とする。尚、前記構成にお
いて布帛は、編物、織布、不織布、レース状の生地等の
繊維質の生地、人工皮革等が全て有効である。又、衣料
は手袋、帽子、ソックス、マフラー等を含む、スポーツ
用、レジャー用等の衣料は勿論、一般向け衣料等、世
上、衣料と称されるもの全て有効である。尚、衣料にあ
っては、前記金属光沢調熱変色層性布帛により衣料の全
体が構成されたもの、衣料のー部が構成されたもの、衣
料のー部に前記構成の熱変色層に金属光沢顔料層が積層
された部位をもつもの等であってもよい。更には衣料の
ー部に前記熱変色性布帛の小片を貼付、縫いつけ等適宜
の手段で取付けたもの等も有効である。更には、転写印
刷により、適所に所望の転写像を形成させたものであっ
てもよい。
【0006】本発明の被覆層の光学的厚さとは屈折率×
幾何学的厚さのことであって、この厚さは或る一定の波
長の光を反射させることに関連しており、換言すれば、
特定の光学厚みが特定の波長の光を反射させる。例え
ば、天然雲母の表面に形成した被覆層の光学的厚さ18
0〜240nmの酸化チタン層は550〜600nmの
黄色の光を反射するのである。熱変色層は電子供与性呈
色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的
に生起させ有機化合物媒体の三成分を含む熱変色性材
料が用いられる。又、熱変色層として非熱変色性染顔料
着色剤を配合した層を用いると、前記金属光沢顔料を用
いた場合、金色の金属光沢色から着色料の有色への可逆
的変化が視覚される。金属光沢顔料層は透明性であるか
ら、下層に非変色性着色層を配置するとこの着色層の色
を熱変色層の熱変色と同時に視覚させることができる。
又、最下層に非熱変色性着色層を配置すると熱変色層の
着色状態で下層の非変色性着色層、例えば文字、図柄等
も隠蔽されるが、この際、金属光沢顔料層の光反射効果
により熱変色のみの隠蔽効果に較べて隠蔽効果を高め、
更には熱変色層の耐光性の向上に寄与する。熱変色性材
料はマイクロカプセルに内包して使用するのが最も好ま
しい。それは種々の使用条件において熱変色材料は同一
の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができる
からである。
【0007】本発明の布帛は熱変色性材料及び金属光沢
顔料がそれぞれ透明状の樹脂バインダーにより固着され
た積層体である。前記透明なバインダーは従来より公知
の繊維加工用樹脂、紫外線硬化樹脂等、その他の樹脂が
挙げられる。前記金色金属光沢顔料を用いる系について
説明する。当該顔料が前記の数限定範囲内にあることに
より、選択的に紫色の波長の光を透過し、その補色関係
にある黄色の波長の光を反射する特性を与え金色とな
る。前記範囲外になると波長選択性がなくなるか或いは
波長選択性があっても金色にならない。又、天然雲母粒
子の表面に酸化チタンを被覆し、その上層に酸化鉄を被
覆させた金色金属光沢顔料においては、前記波長選択的
な反射、透過作用に加え、酸化鉄自身のもつ紫色光を吸
収し、黄色光を反射する特性が加味されることにより、
より鮮やかな金色から淡黄色の可逆的色変化を視覚させ
る。酸化鉄自身の色により淡黄色に着色するため、下地
が白色でも被覆層は淡黄色に見えるのである。酸化チタ
ン被覆率が30重量%未満では充分な金色が出にくいた
め、金色にするためには酸化鉄で10重量%を超えて被
覆する必要があり、その結果、金色にはなるが熱変色材
が変色しても金属光沢層は常に金色を呈することになり
明瞭な色変化が得られない。又、酸化チタンの被覆率が
48重量%を超えると選択的に反射する光の色が黄色で
はなくなるため、その後で酸化鉄で被覆しても綺麗な金
色にはならない。酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場
合、上に示した酸化鉄の効果が充分現れず、10重量%
を超える場合には、金色にはなるが熱変色材が変色して
も金属光沢層は常に金色になり明瞭な色変化が得られな
い。
【0008】酸化鉄を併用する場合、酸化チタン被覆の
上に酸化鉄膜を形成するのが金色の金属光沢色の発現に
最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チタンを被覆する
と酸化チタンの反射効果が大きいので酸化鉄の効果が小
さい。酸化チタンと酸化鉄が混在すると酸化鉄が上層に
あるのに較べ、酸化チタンが酸化鉄の反射光を遮る場合
もあるので酸化鉄の反射効率が悪くなる。酸化チタン膜
の上に酸化鉄膜を設けると、酸化鉄層が紫色の光を吸収
し、他の光を反射する性質があり、この光が黄色にみえ
るので酸化チタン層による金属光沢を有する金色に深み
を与える効果がある。上層に酸化鉄膜層があることによ
りこの酸化鉄層からの反射光は他の層により遮られて反
射させることがないからである。又、天然雲母粒子の表
面に酸化チタンを被覆し、その上層に非熱変色性有色染
顔料を被覆させた金色の金属光沢顔料においては、被覆
させる非熱変色性染顔料の色により、更に多種多様な色
変化を発現させることができ、例えば、黒色←→白色の
熱変色層と組み合わせて、金色←→ピンク色、等の金色
←→有色の可逆的色変化を視覚させることができる。酸
化チタンの被覆率が48重量%を超えると、選択的に反
射する光の色が黄色ではなくなるので金色にならない。
又、非熱変色性有色染顔料の被覆率が0.5重量%未満
の場合、有色の充分な濃度が得られない。10重量%を
超える場合には、有色の色濃度が高過ぎて、金色を発現
できない。各顔料は前記範囲内にあることにより、選択
的に金色の波長を透過し、その補色関係にある波長の光
を反射する特性を与えることができる。
【0009】銀色の金属光沢顔料の系について説明す
る。銀色金属光沢色顔料は天然雲母粒子の表面を16〜
39重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚
さ110〜170nm、粒度5〜100μmのものであ
り、前記の数限定範囲にあることにより、反射光の波長
の選択性を防止することが出来る。前記の範囲外になる
と、反射光の波長の選択性が生じ着色して銀色にならな
い。前記光学的特性の酸化チタン層が380〜700n
mの全波長の光を雲母の層状配列により乱反射せずに反
射するので銀色に見えるのである。また熱変色層として
非熱変色性染顔料着色剤を配合した層を用いると、銀色
の金属光沢色から着色料の有色への可逆的変化が視覚さ
れる。銀色の金属光沢顔料層は透明性であるから、最下
層に非変色性着色層を配置するとこの着色層の色を熱変
色層の熱変色と同時に視覚させることが出来る。熱変色
層の着色状態で下層の非変色性着色層例えば文字、図柄
等も隠蔽されるが、この際、銀色の金属光沢顔料層の光
反射効果により熱変色のみの隠蔽効果に比べて隠蔽効果
を高めると共に熱変色層の光劣化を抑制する。
【0010】本発明で使用するメタリック色の金属光沢
顔料の系について説明する。前記顔料は、天然雲母粒子
の表面を酸化チタンで被覆した、メタリック色を呈する
顔料である。また酸化チタン層の上を酸化鉄で被覆した
顔料も使用される。さらに酸化チタン被覆の上を非熱変
色性有色染顔料で被覆した二色性金属光沢顔料も使用さ
れる。メタリック色の金属光沢顔料を更に具体的に説明
すれば、メタリック色金属光沢顔料は天然雲母の表面を
45〜58重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光
学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60nmのも
の、天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化チタンで
被覆し、その上を4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被
覆層の光学的厚さが245〜415nmで粒度5〜60
nmのものも使用される。天然雲母粒子の表面を45〜
58重量%の酸化チタンで被覆し、その上層を0.5〜
10重量%の非熱変色性有色染顔料で被覆した。被覆層
の光学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60nmの
二色性メタリック色金属光沢顔料も使用出来る。酸化チ
タンを被覆した雲母は酸化チタンの被覆重量と被覆の光
学的厚さによって赤色〜紫色の可視光線を夫々の色の波
長の光線に分光して特定の波長の光のみを反射し、他の
光を透過させる作用を有する。一方雲母は光を乱反射せ
ず平行線で反射するので光は金属光沢を帯びる。第一層
を透過した光は第二層の熱変色層で吸収されてしまう。
こうして特定の波長の金属光沢の光が反射されるので特
定の色のメタリック色なるのである。更に、天然雲母
粒子の表面に酸化チタンを被覆し、その上層に酸化鉄を
被覆させたメタリック色金属光沢顔料においては、上記
波長選択的な反射、透過作用に加え、酸化鉄自身のもつ
紫色光を吸収し、黄色光を反射する特性が加味されるこ
とにより、メタリック色から淡黄色の可逆的色変化を視
覚させる。
【0011】酸化チタンの被覆率が58重量%を超えて
も波長選択性が悪くなるのでメタリック色にならない。
酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場合、上に示した酸化
鉄の効果が充分現れず、10重量%を超える場合には、
メタリック色にはなるが酸化鉄の着色が強すぎて綺麗な
メタリック色からの色変化が得られない。酸化鉄を併用
する場合は、酸化チタン被覆の上に酸化鉄膜を形成する
のがメタリック色の金属光沢色から淡黄色への色変化の
発現に最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チタンを被
覆すると酸化チタンの反射効率が大きいので酸化鉄の効
果が小さい。酸化チタンと酸化鉄が混在すると、酸化鉄
が上層にあるのに較べ、酸化鉄が反射光を遮る場合もあ
るので酸化鉄の反射効率が悪くなる。酸化チタン膜の上
に酸化鉄膜を設けると、酸化鉄層が紫色の光を吸収し、
他の光を反射する性質があり、この光が黄色に見えるの
で酸化チタン層による金属光沢を有するメタリック色を
与える効果がある。上層に酸化鉄膜があることによりこ
の酸化鉄層からの反射光は他の層により遮られたり反射
されることがないからである。又、天然雲母粒子の表面
に酸化チタンを被覆し、その上層に非熱変色性有色染顔
料を被覆させたメタリック色の金属光沢顔料において
は、被覆させる非熱変色性有色染顔料の色により、更に
多種多様な色変化を表現することができ、例えば、黒色
←→白色の熱変色層と組み合わせて、メタリック色←→
ピンク色、メタリック色←→青色、等のメタリック色←
→有色の可逆的色変化を視覚させることができる。酸化
チタンの被覆率が45重量%未満の場合には、充分なメ
タリック色かでにくい為、非熱変色性有色染顔料を被覆
するとメタリック色には見えない。又、酸化鉄の被覆率
が58重量%を超えると波長選択性が悪くなるので充分
なメタリック色に見えない。
【0012】非熱変色性有色染顔料の被覆率が0.5重
量%未満の場合、有色の充分な色濃度が得られない。1
0重量%を超える場合には有色の色濃度が高過ぎてメタ
リック色と有色のコントラストが小さくなる。各顔料は
前記範囲内にあることにより、選択的にメタリック色の
波長の光を透過し、その補色関係にある波長の光を反射
する特性を与えることができる。前記の範囲外になると
波長選択性がなくなるか或いは波長選択性はあってもメ
タリック色にはならない。又、熱変色層として非変色性
染顔料着色剤を配合した層を用いると、メタリック色の
金属光沢色から着色料の有色への可逆的色変化が視覚さ
れる。メタリック色の金属光沢顔料層は透明性であるか
ら、下層に非変色性着色層を配置するとこの着色層の色
を熱変色層の着色状態で下層の非変色性着色層、例えば
文字、図柄等も隠蔽されるが、この際、メタリック色の
金属光沢顔料層の光反射効果により熱変色のみの隠蔽効
果に較べて隠蔽効果を高め、更には熱変色層の光劣化を
抑制する。
【0013】熱変色層は電子供与性呈色性有機化合物と
電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機
化合物媒体の三成分を含む熱変色材料が用いられる。具
体的には例えば前述の特公昭51−35414号公報、
特公昭51−44706号公報、特公平1−17154
号公報等に記載されている熱変色性材料、即ち、 (1)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成分
とした可逆性熱変色材料。または、 (2)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さな
い脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さな
いエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とした
可逆性熱変色材料。または、 (3)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を有
さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分を
必須成分とし、これを微小カプセルに内包した可逆性熱
変色材料。 あるいは、 (4)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置換基を
有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分
とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる熱変色
性材料。等である。
【0014】この他、本出願人が提案した特公平4−1
7154号公報に記載されている、大きなヒステリシス
特性を示して変色する色彩記憶性感温変色性色素を含む
熱変色性材料即ち、温度変化による着色濃度の変化プロ
ットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側か
ら温度を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側
から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って
変色するタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側
変色点の間の常温域において、前記低温側変色点以下又
は高温側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持
出来る特徴を有する熱変色材料も使用される。又、本出
願人が提案した特公平1−29398号公報に記載され
た如き、温度変化による色濃度−温度曲線に関し、3℃
以下のヒステリシス幅をもつ、高感度の熱変色性材料も
有効である。前記した熱変色性材料は、通常、微小カプ
セルに内包させて適用できるが、微小カプセルに内包さ
せず、そのままの適用でも有効である。前記熱変色性材
料は、膜形成材料であるバインダーを含む媒体中に分散
されて、インキ、塗料などの色材として適用され、コー
ティング層、塗膜形態として熱変色層を形成できる。
【0015】前記における熱変色性材料は、膜形成樹脂
中或いは熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂中に0.5〜
40重量%、好ましくは1〜30重量%含有させること
ができる。0.5重量%未満の配合量では鮮明な熱変色
効果を視覚させ難いし、40重量%を越えると、過剰で
あり、消色状態にあって残色がみられる。金属光沢顔料
層は、バインダーを含む媒体中に分散されて、塗料形態
となして、コーティング層を形成することができる。
又、熱変色層或いは金属光沢顔料層、熱変色層と金属光
沢顔料層の積層体は、従来より公知の転写印刷による手
段で形成することもできる。
【0016】次にバインダーを以下に例示する。アイオ
ノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合
樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合
樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、
エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラ
フト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプ
ロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹
脂、中密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレ
ン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリス
チレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル
酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェ
ノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキ
ド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アル
キド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル
系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジ
ョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水
溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹
脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶
性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルロー
ズ、エチルセルローズ等を挙げることができる。
【0017】前記したバインダーのうち、コーティング
層を形成させる、バインダーは、前記したアルキルフェ
ノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ア
ルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性
アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹
脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリ
ル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、セルローズ誘導体等の樹脂であり、水や有機溶
剤等に溶解または分散させて適用できる。
【0018】熱変色層及び金属光沢顔料層は、従来より
公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印
刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印
刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗
装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等の手段によ
り行うことが出来る。前記した金属光沢顔料層の上層或
いは金属光沢顔料層と熱変色層の間には光安定剤層を適
宜設けることができる。具体的には、前記光安定剤層は
紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消
光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色
剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定
剤を分散状態に固着した層であり、前記した熱変色層或
いは金属光沢顔料層の調製に準じて形成できる。前記し
た熱変色層には、非熱変色性有色染顔料の適宜量を混在
させて熱変色層の色変化を多彩に構成することができ
る。又、熱変色層の下層には、文字、図柄等の像を配
し、これらの像を隠顕させる構成となしてもよい。
【0019】
【作用】本発明の布帛は、布帛表面に形成した熱変色層
に金色、銀色、メタリック色の金属光沢顔料層を積層し
た構成であって、熱変色層の色変化を金属光沢顔料層を
透して看者に視覚させるものである。ここで、金属光沢
顔料の性状、即ち、天然雲母粒子の表面の酸化チタンの
被覆重量%、光学的厚み等による可視光線の波長の選択
的干渉作用により生じる虹彩効果、透過効果と熱変色層
の明度値の可視光線の反射吸収効果の相乗作用により金
属光沢調の多彩色変化を視覚させる。具体的には、雲母
は被覆した酸化チタンの被覆量、即ち被覆層の厚みを調
整することにより、干渉時の反射光の波長が変化する効
果を奏する。例えば、選択的に黄色の光を反射し、紫色
の光を透過するように被覆層の光学的厚み180〜24
0nmに調整した酸化チタン雲母は、下地が黒色の場合
には透過する紫色光は下地の黒色に吸収され、550〜
600nmの黄色光のみが反射するため、金色を呈す
る。一方、下地が白色の場合は、透過した紫色光も下地
の白色に反射し、黄色光のみならず紫色光まで反射し、
可視光線の全波長を反射することになるため、白色に視
覚される。従って、下層の熱変色層を黒色←→白色に可
逆的に変化させることにより、金色←→白色の可逆的色
変化を視覚させる。光学的厚みが前記範囲外であれば、
反射光が550〜600nmの波長の光でなくなり金色
にならないのである。
【0020】熱変色層に銀色の金属光沢顔料層を積層し
た系にあっては、熱変色層の色変化を銀色の金属光沢顔
料層を透して看者に視覚させるものである。前記のとお
り全可視光線が反射されると白色に見える。この場合、
入射光の全波長の光の一部が吸収され残りが反射される
と暗くなりグレーになる。雲母は層状に並ぶので反射光
は乱反射せずに同一方向に反射される。このような反射
光は金属光沢を呈する。従って、金属光沢を帯びたグレ
ーは銀色になる。こうして金属光沢の銀色面が視覚され
るのである。ここで、酸化チタンは光学的厚み110〜
170nmの要件を満たさなければならない。光学的厚
みが前記範囲外であれば、反射光の波長選択性か生じて
着色し銀色にならない。
【0021】熱変色層にメタリック色の金属光沢顔料層
を積層した系にあっても前記同様、熱変色層の色変化を
メタリック色の金属光沢顔料層を透して視覚させる。前
述のように酸化チタンを被覆した雲母は酸化チタンの被
覆重量と被覆の光学的厚みにによって赤色〜紫色の可視
光線をそれぞれの色の波長の光線に分光して特定の波長
の光のみを反射し、他の光を透過させる作用を有する。
一方、雲母は光を乱反射せず平行光線で反射するので光
は金属光沢を帯びる。例えば、酸化チタンの被覆重量%
が55〜58%で光学的厚みが375〜415nmの顔
料は630〜700nmの赤色の光を透過し、500〜
540nmの緑色の光を反射し、緑色系のメタリック色
となる。同様に酸化チタンの被覆重量%が51〜54%
で光学的厚みが315〜350nmの顔料は580〜6
30nmの橙色の光を透過し、430〜500nmの青
色系のメタリック色となる。このように、本発明は特定
の酸化チタンの被覆量と、光学的厚みにより、特定の波
長の光を反射し、雲母の干渉作用と熱変色材の有色−無
色の変色作用により、金色、銀色、その他メタリック色
を視覚させるのである。
【0022】次に、熱変色層の耐光性向上のための金属
光沢顔料層の作用を説明する。前記した如く本発明にお
ける金属光沢顔料層は、光吸収(或いは光反射)機能と
光透過機能の両面を兼ね備えており、熱変色層の機能低
下に悪影響を及ぼす紫外線や可視光線の少なくともー部
を吸収或いは反射することになり、熱変色層の耐光性を
飛躍的に向上させるために機能し、更には前記した可視
光線も視覚を妨げない程度の適量を透過させることがで
き、熱変色層の色変化も効果的に視覚させることができ
るのである。この点を更に説明する。例えば、熱変色性
顔料中の青色に発色する電子供与性呈色性有機化合物の
光分解に大きく影響していると思われる近紫外線及び青
色可視光線(可視光線の中でも最も波長が短く、エネル
ギーが高い)をカットする。前記金属光沢顔料自体に、
ある程度、紫外線をカットする特性があり、更には青色
光を選択的に反射し、黄色光を透過する特性を有する。
又、熱変色特性をみると、熱変色性顔料が青色を呈して
いるときは,電子供与性呈色性有機化合物は黄色光を吸
収し、青色光を反射するため、金属光沢顔料から青色光
の反射と相まってメタリックブルーに見える。次に、熱
変色性顔料が無色に変化すると、電子供与性呈色性有機
化合物は全ての可視光線を反射するため、金属光沢顔料
層を透過した黄色光も熱変色性顔料層で反射する。その
結果として全波長が反射され、無色に見える。従って、
青色←→無色の変化が保持される。 前記現象は、従来
の着色フィルターを使う系ではあり得ない現象であり、
可視光線のー部をもカットして、しかも消色状態が無色
にでき、耐光性を向上させるために機能する。
【0023】次に本発明の金属光沢調熱変色性布帛を具
体的に説明する。本発明布帛は、布帛に形成した熱変色
層に金属光沢顔料層を積層(A)、前記熱変色層が熱変
色性材料に非変色性染顔料を混合してなる熱変色層であ
り、該熱変色層に金属光沢顔料層を積層(B)、布帛に
非変色性着色層を形成し、該非変色性着色層上に可逆熱
変色層と金属光沢顔料層を積層(C)の各態様を含む。
ここで、金属光沢顔料層の上側に透明保護層が積層され
てもよく、又、熱変色層と金属光沢顔料層との間にクリ
ヤーコート層やラミネート層を介在させてもよい。次に
前記(A)〜(C)に基づき本発明の布帛を説明する。 前記態様(A)において、金属光沢顔料層は粒度約5〜
100μmの金属光沢顔料が透明樹脂に分散状態に固着
された層であり、熱変色層が電子供与性呈色性有機化合
物、電子受容性化合物、前記両者の呈色反応を可逆的に
生起させる有機化合物媒体の三成分の均質相溶体からな
る熱変色性材料(以下、熱変色性材料という)とからな
り、分散状態で透明な膜形成材料で固着された発色状態
の色濃度の明度値が6以下、消色状態の無色の明度値が
8以上である層であって、金属光沢色から無色、無色か
ら金属光沢色の可逆的色変化を呈する。発色状態の色濃
度の明度値が6以下にあると、上層にある金属光沢顔料
を透過した光を充分吸収する能力があり、例えば、金色
の金属光沢顔料の場合、明瞭に金色の金属光沢顔料に見
える。しかし、発色状態の明度値が6を越える場合、金
色の金属光沢顔料を透過した光を充分吸収できなくな
り、一部は反射してしまうため、明瞭な金色の金属光沢
色に見えなくなる。一方、消色状態の無色の明度値が8
以上にあると金色の金属光沢顔料を透過した光を充分反
射することになるので、金色金属光沢顔料層で反射した
黄色光と熱変色層で反射した光の両方を一緒に視覚する
ことになるため、金色には見えなくなる。 (B)の態様において、前記金属光沢顔料層が約5〜1
00μmの金属光沢顔料が透明樹脂で固着された層であ
り、熱変色層が前記熱変色性材料と非変色性の着色剤で
ある染料や顔料が混合された、発色状態の色濃度の明度
値(V1)が6以下、消色状態の有色の明度値(V2)
が4以上であり、且つ(V2)−(V1)>1の関係を
満たす層であって、金属光沢色から有色、有色から金属
光沢色の可逆的色変化を呈する布帛を与える。
【0024】発色状態の混合系の色濃度の明度値(V
2)が4以上で、且つ前記V2−V1>1を満足する必
要がある理由は、この系では非変色着色剤、即ち非熱変
色性の染料、顔料が混合され有色となるため明度値は小
さくなり、染顔料の色によって変動する。例えば、黄
色、橙色等では比較的明度値は大きく、逆に赤色、紫色
等では明度値は小さくなる。しかし、満足する色変化を
得るためには消色状態の明度値は発色状態の明度値より
小なくとも1より大であることが必要であり、1以下の
場合にはコントラストが小さすぎて鮮明な色変化を視覚
させない。このような条件下で4以上の明度値があれ
ば、例えば金色から有色、有色から金色の可逆的色変化
を呈することができる。しかし、4未満になると下地の
混色層の色濃度が濃くなりすぎ、透過光を吸収するので
金色が消色状態でも見えてしまう。 (C)の態様において、熱変色層の下層に色濃度の明度
値(V3)が4以上であり、且つ熱変色層の発色状態の
明度値(V4)との間に、V3−V4>1の関係を満た
す非変色性着色層が形成されており、金属光沢色と非変
色性着色層の色との可逆的色変化を呈する金属光沢調熱
変色性布帛が構成される。前記した熱変色性材料の発、
消色時の明度値とは無彩色の配列において、完全な黒を
0、完全な白を10として、その間を明るさの感覚の差
が等間隔になるように分割したマンセル色票計の明度値
を示し、有彩色の明度は有彩色の明るさの感覚がこれと
等しい無彩色の明度値を示す。即ち、明度値が小さい
程、黒色に近く、明度値が大きい程、白色に近いため、
可視光線をどの程度吸収し、どの程度反射するかの指標
に使うことができ、この指標は金属光沢顔料層を透過し
た光線がその下層にある熱変色層でどのように反射、吸
収するかを示すことになる。従って、熱変色層が6以下
の明度値であれば、金属光沢顔料を透過した可視光線を
充分吸収できる能力をもち、その結果として金属光沢顔
料を透過した可視光線を充分吸収できるため、金色に見
える。又、逆に8以上の明度値になると金色金属光沢顔
料層を透過した可視光線を反射することになるので、金
属光沢顔料層で反射した黄色光と熱変色層で反射した光
の両方を一緒に視覚することになるため、金属光沢色に
は見えなくなる。即ち、熱変色性材料の変色温度以下で
金属光沢色に見え、変色温度以上で金属光沢色にが消え
る特性を有するか否かの指標である。本発明の明度値
は、下記の如く調製した試料について、東京電色株式会
社製TC−3600色差計を用いて測定して求めた値で
ある。
【0025】1.熱変色層(一般色染顔料を混合させた
系も含む)の明度値の測定 以下の配合例中の部は重量部である。 (1)熱変色層(有色←→無色) 熱変色性材料10部、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を攪拌混合し、明度値9.1の白色の
塩化ビニルシートにスプレーガンにてスプレー塗装し、
乾燥後の厚み40μmの熱変色層を調製する。得られた
熱変色層の発色状態及び消色状態の明度値を測定する。 (2)熱変色層(有色1←→有色2)の明度値の測定 熱変色性材料10部、一般染顔料を所望量、50%アク
リル酸エステル樹脂/キシレン溶液45部、キシレン2
0部及びメチルイソブチルケトン20部を攪拌混合し、
明度値9.1の白色の塩化ビニルシートにスプレーガン
にてスプレー塗装し、乾燥後の厚み40μmの熱変色層
を調製する。得られた熱変色層の発色状態及び消色状態
の明度値を測定する。 2.非変色性着色層(一般染顔料による彩色)の明度値
の測定 一般染顔料を所望量、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を攪拌混合し、明度値9.1の白色の
塩化ビニルシートにスプレーガンにてスプレー塗装し、
乾燥後の厚み10μmの非変色性着色層を調製する。得
られた非変色性着色層の明度値を測定する。以下に本発
明の実施例を記載すると共に耐光性試験のための比較例
試料について記載する。
【0026】
【実施例】実施例1 熱変色性顔料〔黒色←→無色,変色温度15℃〕30
部,蛍光ピンク顔料5部、アクリル酸エステル樹脂エマ
ルジョン70部,架橋剤1部を分散し、ロータリースク
リーン印刷により、白色ナイロン生地にスクリーン印刷
し、混合系の発色時の明度値が2.3,消色時の明度値
が5.5である熱変色層を設けた。次に、天然雲母の表
面を43重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが2
10nmで、粒度が10〜60μmの金属光沢顔料10
部、アクリル酸エステル樹脂40部、シリコン系消泡剤
0.5部,酢酸ブチル20部、芳香族系中沸点溶剤15
部を均一に分散したインキを、同様にロータリースクリ
ーン印刷を行い、金属光沢調熱変色性布帛を得た。前記
布帛は、15℃以下では、金色を呈しており、15℃以
上になると、金色からピンク色に変化した。次に、再度
15℃以下にすると、再び金色となり、可逆的に何度で
も繰り返し金色←→ピンク色の変化を示す。
【0027】応用例1 実施例1で得られた金属光沢調熱変色性布帛を、スキー
ウェアーに縫製し、金属光沢調熱変色性スキーウェアー
を作製した。前記スキーウェアーは、レストハウス等の
室内では、ピンク色をしているが、ゲレンデに出ると、
全体が金色に変化した。次に、再び、レストハウスに戻
ると、ピンク色になり、室内ではピンク色、ゲレンデで
は金色になる特徴を有するスキーウェアーを提供する事
が出来た。
【0028】実施例2 明度値が6.3となる蛍光オレンジと明度値が8.2と
なる蛍光グリーンを水玉模様で印刷した白色ポリエステ
ルニット生地に、熱変色性色彩記憶性顔料〔黒色←→無
色、消色温度45℃、着色温度15℃〕30部,ウレタ
ン樹脂エマルジョン70部を分散し、上記水玉模様が隠
蔽出来るような稲妻のデザインでスクリーン印刷し、発
色時の明度値が2.2、消色時の明度値が9.0である
熱変色層を設けた。次に、天然雲母の表面を52重量%
の酸化チタンで被覆した光学的厚みが330nmで、粒
度が10〜60μmの金属光沢顔料10部、アクリル酸
エステル樹脂35部、シリコン系消泡剤0.5部、酢酸
ブチル20部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に分散
したインキを、同様に稲妻のデザインで、スクリーン印
刷を行い、金属光沢調熱変色性布帛を得た。前記布帛
は、15℃以下では、白地にメタリックブルー色の稲妻
が表れているが、45℃以上になると、メタリックブル
ー色が消え、蛍光オレンジと蛍光グリーンの水玉模様に
変化し、室温で、この状態を維持した。次に、再び15
℃以下にすると、白地にメタリックブルー色の稲妻が表
れ、室温でこの状態を維持した。
【0029】応用例2 実施例2で得られた金属光沢調熱変色性布帛を,スポー
ツ用トレーニングウェアーに縫製し,金属光沢調熱変色
性色彩記憶性スポーツ用トレーニングウェアーを作製し
た。前記スポーツ用トレーニングウェアーは,体温で,
或いは20〜40℃の環境温度で白地にメタリックブル
ー色の稲妻或いは白地に蛍光オレンジと蛍光グリーンの
水玉模様の2種類の柄を維持出来る特徴を有する。即
ち、15℃以下で、メタリックブルー色の稲妻を発色さ
せると、20〜40℃の環境では、白地にメタリックブ
ルー色の稲妻のデザインで着る事が出来、45℃以上
で、メタリックブルー色の稲妻を消色させると、白地に
蛍光オレンジと蛍光グリーンの水玉模様に変化し、20
〜40℃の環境では、このデザインで着る事が出来る。
【0030】実施例3 熱変色性顔料〔ピンク←→無色,変色温度20℃〕30
部,蛍光黄色顔料5部,アクリル酸エステル樹脂エマル
ジョン70部、架橋剤1部を分散し、ドクターコーティ
ングにより、白色ポリエステル−ウレタン生地にコーテ
ィングし、混合系の発色時の明度値が4.5、消色時の
明度値が8.9である熱変色層を設けた。次に,天然雲
母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚
みが295nmで、粒度が10〜60μmの金属光沢顔
料10部、アクリル酸エステル樹脂40部、シリコン系
消泡剤0.5部,酢酸ブチル20部、芳香族系中沸点溶
剤15部を均一に分散したインキを、同様にドクターコ
ーティングを行い、金属光沢調熱変色性布帛を得た。前
記布帛は,20℃以下では、メタリックピンク色を呈し
ており、20℃以上になると、メタリックピンク色から
黄色に変化した。次に、再度20℃以下にすると、再び
メタリックピンク色となり、可逆的に何度でも繰り返し
メタリックピンク色←→黄色の変化を示す。
【0031】応用例3 実施例3で得られた金属光沢調熱変色性布帛を、水着に
縫製し、金属光沢調熱変色性水着を作製した。前記水着
は、着ているだけでは、黄色をしているがプールに入り
出てくると、水の蒸発潜熱で水着の表面温度が下がり全
体がメタリックピンク色に変化した。その後、体温の影
響で再びメタリックピンクから黄色に戻り、何回でもプ
ールに入る事により、メタリックピンク色←→黄色の変
化を示す事が出来た。勿論プールの水温が20℃以下の
場合には、プールに入ることにより、黄色からメタリッ
クピンクに変わる事は言うまでもない事である。
【0032】実施例4 明度値6.3となる蛍光オレンジと明度が8.2となる
グリーンを水玉模様で印刷した白色ポリエステル生地
に、熱変色性色彩記憶性顔料〔黒色←→無色、消色温度
45℃、着色温度15℃〕30部、ウレタン樹脂エマル
ジョン70部を分散し、前記水玉模様が隠蔽できるよう
な稲妻のデザインでスクリーン印刷し、発色時の明度値
が2.2、消色時の明度値が9.0である熱変色層を設
けた。次に、天然雲母の表面を52重量%の酸化チタン
で被覆した光学的厚みが330nmで、粒度10〜60
μmの金属光沢顔料10部、アクリル酸エステル樹脂3
5部、シリコーン系消泡剤0.5部、酢酸ブチル20
部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に分散したインキ
を、同様に稲妻のデザインでスクリーン印刷を行い、金
属光沢顔料層を設けた。更にベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤2部、50%アクリル樹脂/キシレン溶液45
部、シリコン系消泡剤0.5部、メチルイソブチルケト
ン15部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に混合し、
金属光沢顔料層を設けた。更に、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤2部、50%アクリル樹脂/キシレン溶液
45部、シリコン系消泡剤0.5部、メチルイソブチル
ケトン15部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に混合
し、金属光沢顔料層の上にスクリーン印刷を行い、金属
光沢調熱変色性布帛を得た。
【0033】比較例 明度値が6.3となる蛍光オレンジと明度値が8.2と
なる蛍光グリーンを水玉模様で印刷した白色ポリエステ
ルニットニット生地に、熱変色性色彩記憶性顔料〔黒色
←→無色、消色温度40℃、着色温度10℃〕30部、
ウレタン樹脂エマルジョン70部を分散し、前記水玉模
様が隠蔽できるような稲妻のデザインでスクリーン印刷
し、発色時の明度値が2.2、消色時の明度値が9.0
である熱変色層を設け、金属光沢顔料層のない熱変色性
布帛を得た。
【0034】耐光性試験及びその結果 実施例2、実施例4で得られた金属光沢調熱変色性布帛
及び比較例で得られた熱変色性布帛をカーボンアークフ
ェードメーターで光照射を行い、その光劣化を目視で観
察した結果、目視による視覚濃度が試験前の着色濃度に
較べて半減する状態になるまでの照射時間が、実施例2
の試料は100時間、実施例4の試料は140時間、比
較例の試料は10時間であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の金属光沢調熱変色性布帛は、布
帛表面に熱変色層を設け、該層上に金属光沢顔料層を積
層させた構成であり、前記構成により可視光線の選択的
干渉作用により生じる虹彩効果、透過効果と熱変色層の
明度との相関により、金色、銀色、その他多彩なメタリ
ック色等からの鮮明な色変化を看者に視覚させることが
できることは勿論、金属光沢顔料層により熱変色層の機
能低下に悪影響を及ぼす紫外線や可視光線の少なくとも
一部が吸収または反射されることにより耐光性が従来の
熱変色性布に較べ顕著に向上する。斯くしてスポーツ衣
料やレジャー用衣料等の繊維製品に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢調熱変色性布帛の一実施例の
縦断面図である。
【図2】本発明の金属光沢調熱変色性布帛により構成さ
れた水着の外観図である。
【図3】図2の水着の変色状態を示す外観図である。
【符号の説明】
1 金属光沢調熱変色性布帛 2 布帛 3 熱変色層 4 金属光沢顔料層 5 水着
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06P 3/00 D06Q 1/02 D06Q 1/02 D06M 11/12 (56)参考文献 特開 昭61−179371(JP,A) 特開 平4−41234(JP,A) 特開 平5−111975(JP,A) 特開 平5−137849(JP,A) 特開 平6−134915(JP,A) 実開 平3−58493(JP,U) 特公 平4−18544(JP,B2) 実公 平3−14400(JP,Y2) 特許3172808(JP,B2) 特許3172809(JP,B2) 特許3172810(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06Q 1/00 - 1/12 A63H 3/22 B41M 5/26 B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛表面に、電子供与性呈色性有機化合
    物と電子受容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起
    させる有機化合物媒体とからなる熱変色性材料がバイン
    ダー中に分散状態に固着された、発色状態の色濃度の明
    度値が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上となる
    熱変色層が設けられていると共に前記熱変色層上に天然
    雲母の表面を酸化チタンで被覆した粒度が5〜100μ
    mの金属光沢顔料がバインダー中に分散状態に固着され
    た、反射光の波長を調整する金属光沢顔料層が積層され
    てなる金属光沢調熱変色性布帛。
  2. 【請求項2】 布帛表面に、電子供与性呈色性有機化合
    物と電子受容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起
    させる有機化合物媒体と非熱変色性の有色の染料または
    顔料とからなる熱変色性材料がバインダー中に分散状態
    に固着された、発色時の混合系の色濃度の明度値(V
    1)が6以下で消色時の混合系の有色の明度値(V2)
    が4以上であって、(V2)−(V1)>1となる熱変
    色層が設けられていると共に前記熱変色層上に天然雲母
    の表面を酸化チタンで被覆した粒度が5〜100μmの
    金属光沢顔料がバインダー中に分散状態に固着された、
    反射光の波長を調整する金属光沢顔料層が積層されてな
    る金属光沢調熱変色性布帛。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の金属光沢調熱変色
    性布帛により少なくとも一部が構成されてなる衣料。
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