JP3258982B2 - 近方視機能検査視標板 - Google Patents

近方視機能検査視標板

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JP3258982B2
JP3258982B2 JP17668899A JP17668899A JP3258982B2 JP 3258982 B2 JP3258982 B2 JP 3258982B2 JP 17668899 A JP17668899 A JP 17668899A JP 17668899 A JP17668899 A JP 17668899A JP 3258982 B2 JP3258982 B2 JP 3258982B2
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勲 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近方視の機能を検
査する視標板に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡店においては、眼鏡を購入する人に
対し、検眼機を用いて裸眼視力又は使用中の眼鏡による
矯正視力を測定し、測定結果に基いて眼鏡のレンズを選
定し、そのレンズを装用して、通常、次の近方視機能検
査の複数を行う。
【0003】1)近方視した時に両眼の視線が同一点に
来ずにずれる量を測定する近方斜位検査は、プリズム分
離法であり、プリズム量を増減可能なロータリープリズ
ムを被検者の眼前に配置し、その前側の近方に視標を配
置する。
【0004】被検者は、ロータリープリズムのプリズム
作用で1つの視標が2つに分離して見える。ロータリー
プリズムのプリズム量を増減し、2つに分離して見える
視標を重ねて1つの視標にする。その時のロータリープ
リズムのプリズム量から近方斜位量を得る。
【0005】2)近方視した時に左眼と右眼で見た同寸
の像が同等の大きさにならず大きさがずれる量を測定す
る近方不等像視検査は、赤色レンズと緑色レンズを左右
に嵌め込んだ赤緑眼鏡を被検者が装用し、その前側の近
方に、半月形状の赤色視標と緑色視標を対置して配置す
る。
【0006】被検者は、赤色視標と緑色視標の大きさが
少しずつ異なる視標を順次見る。大きさの異なる赤色視
標と緑色視標が同等の大きさに見えれば、その赤色視標
と緑色視標の大きさの差から近方不等像視量を得る。
【0007】3)近方視した時に固視を行う網膜上の位
置が視力の高い中心窩にならず中心窩からずれる量を測
定する近方固視ずれ検査は、偏光軸が直交する偏光レン
ズを左右に嵌め込んだ偏光眼鏡を被検者が装用し、その
前側の近方に、偏光軸が直交する左右又は上下の偏光膜
の裏面に印刷した左右又は上下の視標を対置して配置す
る。
【0008】両視標がずれて見えれば、そのずれ量から
近方固視ずれ量を得る。
【0009】4)子供が両眼を使って近方を見ているか
否かを検査する子供用近方両眼視検査は、左右の偏光レ
ンズの偏光軸が直交する偏光眼鏡を被検者が装用し、そ
の前側の近方に、偏光軸が直交する左右の偏光膜の裏面
に印刷した左右の視標を対置して配置する。
【0010】両視標が見えれば、両眼を使っている。片
方の視標しか見えなければ、片眼を抑制して使用してお
らず、他の片眼しか使っていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の近方
視機能検査の複数は、眼鏡店では、同一の被検者に順次
連続して行う場合が多いのに、各検査器具は、個別の器
具である。個別の検査器具は、順次設定して使用する
多くの手間が掛かる。また買い揃えるのに多くの費
用が掛かり、保管するのに広い場所を要する。
【0012】更に、各検査器具ないし検査には、不都合
な点がある。
【0013】1)近方斜位検査のプリズム分離法は、視
力測定用の検眼機のロータリープリズム機構と視標を用
いる。プリズム分離法は、多くの手間が掛かり、眼の筋
肉に負担が掛かって被検者が疲れ易い。
【0014】2)近方不等像視検査は、赤緑眼鏡と、赤
色視標と緑色視標を対置した視標を用いる。視標は、赤
色視標と緑色視標の大きさが少しずつ異なる多数対を要
し、製作に正確な印刷を要するので、高価になる。検査
は、赤色視標と緑色視標の大きさが少しずつ異なる視標
を順次見るので、多くの手間が掛かる。検査精度は高い
が、眼鏡店では、眼鏡による矯正を要するか否かを判断
できれば済む。
【0015】3)近方固視ずれ検査は、偏光眼鏡と、照
明器具を内蔵した箱の正面に取り付けた視標を用いる。
視標は、検眼機に取り付けられず、また、手で持って所
望の位置に配置し難い。箱正面の視標を所望の位置に配
置するのには、多くの手間が掛かる
【0016】4)子供用近方両眼視検査は、偏光眼鏡
と、枠に取り付けた視標を用いる。視標は、検眼機に取
り付けられない
【0017】
【課題を解決するための着眼】上記の各近方視機能検査
には、眼鏡店に設備されている視力測定用の検眼機に取
付可能で、かつ、手で持って所望の位置に配置可能な1
枚の視標板を用いることを考え付いた。特殊な赤緑眼鏡
は用いずに、検眼機に付属している偏光眼鏡ないし偏光
板、又は、眼鏡店に用意されている手持ちの偏光板ない
し偏光眼鏡を用いることを考え付いた。
【0018】視標板は、1枚の板に各検査用の視標や目
盛などを設け、視標を偏光膜で被覆することとした。
【0019】1)近方斜位検査は、プリズム分離法に代
えて、簡便で眼の筋肉に負担が掛からないマドックス法
を用いることとした。マドックス法は、検眼機を使用し
て遠方斜位検査に用いられている。これを近方斜位検査
に転用することとした。
【0020】2)近方不等像視検査は、赤緑眼鏡に代え
て偏光眼鏡を、赤緑視標に代えて偏光膜被覆視標を用い
ることとした。また、視標は、多数を用いず、眼鏡によ
る矯正の要否の境になる寸法差の視標のみにした。
【0021】3)近方固視ずれ検査は、箱に取り付けた
視標に代えて視標板を用いることとした。
【0022】4)子供用近方両眼視検査は、枠に取り付
けた視標に代えて視標板を用いることとした。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の視標板は、視力
測定用の検眼機に取付可能で、かつ、手で持って所望の
位置に配置可能な長方形状の板であり、板に近方斜位検
査のマドックス法の視標、近方不等像視検査の視標と近
方固視ずれ検査の視標を設けており、近方斜位検査のマ
ドックス法の視標は、板に光源孔を貫通し、板の片面に
光源孔を基準点として近方斜位量の目盛を設けており、
近方不等像視検査の視標は、板の他の片面における半分
に対称形状で不等寸法の一対の視標を設け、両視標を眼
鏡による矯正の要否の境になる寸法差にし、各視標をそ
れぞれ偏光膜で被覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する方
向に配置しており、近方固視ずれ検査の視標は、板の他
の片面における他の半分に一対の視標を設け、各視標を
それぞれ偏光膜で被覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する
方向に配置し、両視標の間を基準点として近方固視ずれ
量の目盛を設け
【0024】また、本発明の上記の視標板において、
に子供用近方両眼視検査の視標を設けており、 子供用近
方両眼視検査の視標は、板の他の片面に子供に理解され
易い形状の2つの視標を設け、各視標をそれぞれ偏光膜
で被覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する方向に配置し
【0025】
【発明の実施の形態】[構 成] 近方視機能検査の視標板は、角を丸くした長方形状の合
成樹脂板であり、寸法が110×190×1mmで、重
量が30g位である。視力測定用の検眼機に取付可能
で、かつ、手で持って所望の位置に配置可能である。
【0026】1)近方斜位検査のマドックス法の視標
は、図1に示すように、横長長方形状の合成樹脂板1の
片面に設けている。
【0027】合成樹脂板1の中心部には、小径の光源孔
2を貫通している。合成樹脂板1の白色面には、光源孔
2の左右の両側と上下の両側に、それぞれ、光源孔2を
基準点として、近方水平斜位量と近方上下斜位量を表す
目盛3、4を黒色に印刷している。
【0028】2)近方不等像視検査の視標は、図2に示
すように、合成樹脂板1の他の片面における光源孔2の
左側半分に設けている。
【0029】合成樹脂板1の白色面には、正方形の部分
5を黒色に印刷し、黒色部分5の中心部に十字の視標6
を白抜き印刷し、十字視標6の左側と右側に、それぞ
れ、半八角形状の視標7、8を白抜き印刷している。
【0030】十字視標6を挟んで左右に対置した一対の
半八角形状視標7、8は、十字視標6の縦線に対して対
称形状であって、それらの弦が垂直で平行し、左側の半
八角形状視標7が右側の半八角形状視標8より3%小さ
くて不等寸法である。近方不等像視の量が3%以内であ
れば、眼鏡による矯正を要しない。
【0031】左右の半八角形状視標7、8の上には、そ
れぞれ、長方形状の偏光板9、10を透明接着剤で接着
している。偏光板9、10は、偏光膜の両面にそれぞれ
透明合成樹脂板を積層している。左右の半八角形視標
7、8は、それぞれ、偏光板9、10の偏光膜で被覆さ
れている。
【0032】左側の偏光板9の偏光膜は、偏光軸11が
水平線から反時計回りに135度の方向である。右側の
偏光板10の偏光膜は、偏光軸12が同様に45度の方
向である。左右の偏光板9、10の偏光膜は、偏光軸1
1、12の方向が直交する。
【0033】正方形黒色部分5の下側位置には、3%の
不等像視検査を意味する「3% ANISEIKONIA TEST」の文
字を印刷している。
【0034】3)近方固視ずれ検査の視標は、図2に示
すように、合成樹脂板1の近方不等像視検査視標を設け
た面における光源孔2の右側半分に設けている。
【0035】合成樹脂板1の白色面には、正方形の部分
13を黒色に印刷し、黒色部分13の中心部に縦長長方
形の部分14を白抜き印刷し、白色の縦長長方形部分1
4の中心部に十字の視標15を黒色に印刷し、十字視標
15の上下の両側に、それぞれ、十字視標15を基準点
として近方固視ずれ量を表す目盛16を黒色に印刷して
いる。
【0036】十字視標15の左側と右側の位置の黒色部
分13には、それぞれ、二等辺三角形状の視標17、1
8を白抜き印刷している。十字視標15を挟んで左右に
対置した一対の二等辺三角形状視標17、18は、同一
の寸法であり、十字視標15の縦線に対して対称形状で
あって、それらの頂角の先端を向かい合わせている。
【0037】左右の二等辺三角形状視標17、18の上
には、それぞれ、正方形状の偏光板19、20を透明接
着剤で接着している。偏光板19、20は、偏光膜の両
面にそれぞれ透明合成樹脂板を積層している。左右の二
等辺三角形状視標17、18は、それぞれ、偏光板1
9、20の偏光膜で被覆されている。
【0038】左側の偏光板19の偏光膜は、偏光軸が水
平線から反時計回りに135度の方向である。右側の偏
光板20の偏光膜は、偏光軸が同様に45度の方向であ
る。左右の偏光板19、20の偏光膜は、偏光軸の方向
が直交する。
【0039】近方固視ずれ量の目盛16の上側位置と左
側位置には、「VERTICAL」の文字と「HORIZONTAL」の文
字を白抜き印刷している。右側位置には、固視ずれを意
味する「FIXATION DISPARITY」の文字を白抜き印刷して
いる。
【0040】4)子供用近方両眼視検査の視標は、図2
に示すように、近方固視ずれ検査視標の下側に設けてい
る。
【0041】黒色部分13の下部の左側と右側には、そ
れぞれ、星形状の視標21と丸形状の視標22を白抜き
印刷している。星形状と丸形状は、子供に理解され易
い。
【0042】左右の星形状視標21と丸形状視標22の
上には、それぞれ、正方形状の偏光板23、24を透明
接着剤で接着している。偏光板23、24は、偏光膜の
両面にそれぞれ透明合成樹脂板を積層している。左右の
星形状視標21と丸形状視標22は、それぞれ、偏光板
23、24の偏光膜で被覆されている。
【0043】左側の偏光板23の偏光膜は、偏光軸が水
平線から反時計回りに135度の方向である。右側の偏
光板24の偏光膜は、偏光軸が同様に45度の方向であ
る。左右の偏光板23、24の偏光膜は、偏光軸の方向
が直交する。
【0044】左右の偏光板23、24の間には、抑制を
意味する「SUPPRESSION」の文字を白抜き印刷してい
る。
【0045】[使用方法ないし検査方法] 1)近方斜位検査のマドックス法 この検査を行う場合、図3に示すように、視力測定用の
検眼機において、本体の眼鏡部31の上部から前方に突
出した視標配置棒32に移動可能に取り付けた視標取付
具33に視標板1を挟んで吊り下げ、視標板1を眼鏡部
31と平行に横長位置に配置する。
【0046】視標板1の近方斜位検査視標は、眼鏡部3
1と同心に対面し、眼鏡部31の後側に位置する被検者
の眼Eからの距離が40cmになる近方位置に配置する。
【0047】検査室の照明器具又はペンライトで、視標
板1の眼鏡部31側よりその反対側を明るくする。被検
者は、視標板1の光源孔2から照射される点光源が眼鏡
部31を通して見える。
【0048】1.1)水平斜位を検査する場合、眼鏡部
31には、右眼にマドックス桿を横位置に設定する。被
検者は、横位置のマドックス桿によって視標板1の近方
斜位検査視標に現れる赤い縦線、マドックス桿によるス
トリーク光が眼鏡部31の右眼を通して右眼で見える。
【0049】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見た時、その視標上の赤い縦
線、ストリーク光が視標の点光源と重なって見えれば、
近方水平斜位がない。
【0050】図4に示すように、赤い縦線Rが点光源2
の左側位置(Exo Range)に見えれば、(近方水平)外斜
位である。その外斜位の量は、赤い縦線Rが重なった目
盛3の数字から得られる。逆に、赤い縦線Rが点光源2
の右側位置(Eso Range)に見えれば、内斜位である。
【0051】1.2)上下斜位を検査する場合、眼鏡部
31の右眼のマドックス桿は、縦位置に設定する。被検
者は、縦位置のマドックス桿によって視標板1の近方斜
位検査視標に現れる赤い横線、ストリーク光が眼鏡部3
1の右眼を通して右眼で見える。
【0052】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見た時、赤い横線が点光源と重
なって見えれば、近方上下斜位がない。
【0053】図5に示すように、赤い横線Rが点光源2
の下側位置(Right Hyper Range)に見えれば、(近方)
右上斜位である。その斜位の量は、赤い縦線Rが重なっ
た目盛4の数字から得られる。逆に、赤い縦線Rが点光
源2の上側位置(Right HypoRange)に見えれば、右下斜
位(左上斜位)である。
【0054】2)近方不等像視検査 この検査を行う場合、視標板1の近方不等像視検査視標
は、検眼機の眼鏡部31と平行に同心に対面し、眼鏡部
31の後側に位置する被検者の眼Eからの距離が30〜
40cmになる近方位置に配置する。
【0055】2−1)垂直方向の不等像視を検査する場
合、視標板1は、図6に示すように、横長位置に配置す
る。
【0056】眼鏡部31の左眼と右眼には、それぞれ、
偏光板を設定する。左眼の偏光板41は、図7に示すよ
うに、偏光軸42が水平線から反時計回りに135度の
方向である。視標板1の近方不等像視検査視標の左側偏
光板9における偏光軸11と同方向である。右眼の偏光
板43は、偏光軸44が水平線から反時計回りに45度
の方向である。近方不等像視検査視標の右側偏光板10
における偏光軸12と同方向である。
【0057】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見ると、左眼では、近方斜位検
査視標の左側の小さい半八角形状視標7が見え、右側の
大きい半八角形状視標8が見えない。右眼では、右側の
大きい半八角形状視標8が見え、左側の小さい半八角形
状視標7が見えない。
【0058】右側の大きい半八角形状視標8が左側の小
さい半八角形状視標7より大きく又はほぼ等しく見えれ
ば、3%以内の垂直方向の近方不等像視である。眼鏡に
よる矯正を要しない。
【0059】左側の小さい半八角形状視標7が右側の大
きい半八角形状視標8より大きく見えれば、左眼では右
眼より大きく見え、3%を越える垂直方向の近方不等像
視がある。
【0060】次に、眼鏡部31の左眼と右眼の偏光板4
1、43を入れ替え、図8に示すように、左眼の偏光板
43の偏光軸44を45度の方向にし、右眼の偏光板4
1の偏光軸42を135度の方向にする。
【0061】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見ると、先程とは逆に、左眼で
は、右側の大きい半八角形状視標8が見え、左側の小さ
い半八角形状視標7が見えない。右眼では、左側の小さ
い半八角形状視標7が見え、右側の大きい半八角形状視
標8が見えない。
【0062】小さい半八角形状視標7が大きい半八角形
状視標8より大きく見えれば、右眼では左眼より大きく
見え、3%を越える垂直方向の近方不等像視がある。
【0063】2−2)水平方向の不等像視を検査する場
合、視標板1は、図9に示すように、縦長位置に配置
し、近方斜位検査視標の小さい半八角形状視標7と大き
い半八角形状視標8を上下に配置する。
【0064】眼鏡部31の左眼と右眼には、図7に示す
ように、それぞれ、偏光軸42が135度方向の偏光板
41と、偏光軸44が45度方向の偏光板43を設定す
る。
【0065】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見ると、左眼では、下側の大き
い半八角形状視標8が見え、上側の小さい半八角形状視
標7が見えない。右眼では、上側の小さい半八角形状視
標7が見え、下側の大きい半八角形状視標8が見えな
い。
【0066】下側の大きい半八角形状視標8が上側の小
さい半八角形状視標7より大きく又はほぼ等しく見えれ
ば、3%以内の水平方向の近方不等像視である。眼鏡に
よる矯正を要しない。
【0067】上側の小さい半八角形状視標7が下側の大
きい半八角形状視標8より大きく見えれば、右眼では左
眼より大きく見え、3%を越える水平方向の近方不等像
視がある。
【0068】次に、眼鏡部31の左眼と右眼の偏光板4
1、43を入れ替え、図8に示すように、左眼の偏光板
43の偏光軸44を45度の方向、右眼の偏光板41の
偏光軸42を135度の方向にする。
【0069】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方斜位検査視標を見ると、先程とは逆に、左眼で
は、上側の小さい半八角形状視標7が見え、下側の大き
い半八角形状視標8が見えない。右眼では、下側の大き
い半八角形状視標8が見え、上側の小さい半八角形状視
標7が見えない。
【0070】上側の小さい半八角形状視標7が下側の大
きい半八角形状視標8より大きく見えれば、左眼では右
眼より大きく見え、3%を越える水平方向の近方不等像
視がある。
【0071】2−3)上記の各近方不等像視検査は、正
面視における検査である。下方視又は上方視における検
査を行う場合は、視標板1を手で持って前方上側又は前
方下側の所望の位置に配置する。
【0072】2−4)検眼機の眼鏡部31に偏光板を上
記のように設定する機構が付設されていない場合は、手
持ちの偏光板又は偏光眼鏡を使用する。
【0073】2−5)垂直方向の近方不等像視検査を行
う際、左右の半八角形状視標7、8の垂直な弦が、図1
0に示すように、傾斜して非平行に見えれば、近方回旋
斜位がある。近方回旋斜位の検査も行うことができる。
【0074】また、図11に示すように、右側の半八角
形状視標8の垂直な弦と、その弦の右上と右下の角を結
ぶ垂直な直線とが傾斜して非平行に見えれば、その半八
角形状視標8を見た眼に乱視作用による形の歪みがあ
る。左側の半八角形状視標7についても同様である。乱
視作用による形の歪みの検査も行うことができる。
【0075】3)近方固視ずれ検査 この検査を行う場合、視標板1の近方固視ずれ検査視標
は、検眼機の眼鏡部31と平行に同心に対面し、眼鏡部
31の後側に位置する被検者の眼Eからの距離が40cm
になる近方位置に配置する。
【0076】3−1)垂直方向の固視ずれを検査する場
合、図12に示すように、視標板1は、横長位置に配置
する。
【0077】眼鏡部31の左眼と右眼には、それぞれ、
偏光板を設定する。左眼の偏光板41は、図7に示すよ
うに、偏光軸42が135度の方向である。視標板1の
近方固視ずれ検査視標の左側偏光板19における偏光軸
と同方向である。右眼の偏光板43は、偏光軸44が4
5度の方向である。近方固視ずれ検査視標の右側偏光板
20における偏光軸と同方向である。
【0078】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方固視ずれ検査視標を見ると、左眼では、近方固
視ずれ検査視標の左側の三角形状視標17が見え、右側
の三角形状視標18が見えない。右眼では、右側の三角
形視標18が見え、左側の三角形状視標17が見えな
い。
【0079】図12に示すように、左右の三角形状視標
17、18が基準点の十字視標15の左右位置に見えれ
ば、垂直方向の近方固視ずれがない。
【0080】図13に示すように、左側の三角形状視標
17が十字視標15の位置から上側又は下側にずれて見
えれば、左眼に垂直方向の近方固視ずれがある。その固
視ずれの量は、左側の三角形視標17が指し示す目盛1
6の数字から得られる。逆に、右側の三角形状視標18
が十字視標15の位置からずれて見えれば、右眼に垂直
方向の近方固視ずれがある。
【0081】3−2)水平方向の固視ずれを検査する場
合、視標板1は、図14に示すように、縦長位置に配置
し、近方固視ずれ検査視標の三角形状視標18、17を
上下に配置する。
【0082】眼鏡部31の左眼と右眼には、垂直方向の
固視ずれ検査時と同様に、図7に示すように、それぞ
れ、偏光軸42が135度方向の偏光板41と、偏光軸
44が45度方向の偏光板43を設定する。
【0083】被検者が眼鏡部31を通して両眼で視標板
1の近方固視ずれ検査視標を見ると、左眼では、近方固
視ずれ検査視標の上側の三角形状視標18が見え、下側
の三角形状視標17が見えない。右眼では、下側の三角
形状視標17が見え、上側の三角形状視標18が見えな
い。
【0084】図14に示すように、上下の三角形状視標
18、17が十字視標15の上下位置に見えれば、水平
方向の近方固視ずれがない。
【0085】図15に示すように、上側の三角形状視標
18が十字視標15の位置から右側又は左側にずれて見
えれば、左眼に水平方向の近方固視ずれがある。逆に、
下側の三角形状視標17が十字視標15の位置からずれ
て見えれば、右眼に水平方向の近方固視ずれがある。
【0086】3−3)上記の各近方固視ずれ検査は、正
面視における検査である。下方視又は上方視における検
査を行う場合は、視標板1を手で持って前方上側又は前
方下側の所望の位置に配置する。
【0087】3−4)検眼機の眼鏡部31に偏光板を上
記のように設定する機構が付設されていない場合は、手
持ちの偏光板又は偏光眼鏡を使用する。
【0088】4)子供用近方両眼視検査 この検査を行う場合、視標板1の子供用近方両眼視検査
視標は、検眼機の眼鏡部31と平行に同心に対面し、眼
鏡部31の後側に位置する被検者の眼Eからの距離が4
0cmになる近方位置に配置する。
【0089】視標板1は、図12に示すように、横長位
置に配置し、子供用近方両眼視検査視標の星形状視標2
1と丸形状視標22を左右に配置する。
【0090】眼鏡部31の左眼と右眼には、図7に示す
ように、それぞれ、偏光軸42が135度方向の偏光板
41と、偏光軸44が45度方向の偏光板43を設定す
る。
【0091】両眼を使う健常者が眼鏡部31を通して両
眼で視標板1の子供用近方両眼視検査視標を見ると、左
眼では、子供用近方両眼視検査視標の左側の星形状視標
21が見え、右側の丸形状視標22が見えない。右眼で
は、右側の丸形状視標22が見え、左側の星形状視標2
1が見えない。
【0092】被検者の子供が星形状視標21と丸形状視
標22が見えると言えば、両眼を使っている。片方の視
標しか見えないと言えば、片眼を抑制して使用しておら
ず、他の片眼しか使っていない。
【0093】上記の子供用近方両眼視検査は、正面視に
おける検査である。下方視又は上方視における検査を行
う場合は、視標板1を手で持って前方上側又は前方下側
の所望の位置に配置する。
【0094】検眼機の眼鏡部31に偏光板を上記のよう
に設定する機構が付設されていない場合は、手持ちの偏
光板又は偏光眼鏡を使用する。
【0095】
【発明の効果】本発明の視標板を使用すると、視力測定
用の検眼機又は検眼機と手持ちの偏光板ないし偏光眼鏡
で、近方視機能検査の複数を簡便に行うことができる。
個別の検査器具は、要しない。多くの手間と費用が掛か
らず、広い保管場所を要しない。
【0096】1)近方斜位検査には、マドックス法を用
いるので、多くの手間が掛からず、被検者が疲れ難い。
【0097】2)近方不等像視検査には、眼鏡による矯
正の要否の境になる寸法差の一対の視標のみを用いるの
で、多くの手間が掛からず、視標の製作が簡単である。
また、特殊な赤緑眼鏡を要しない。
【0098】3)近方固視ずれ検査には、検眼機を用い
ることができ、多くの手間が掛からない。
【0099】4)子供用近方両眼視検査には、検眼機を
用いることができ、多くの手間が掛からない
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における近方視機能検査視標
板の正面図。
【図2】同視標板の背面図。
【図3】同視標板を検眼機に取り付けた状態の側面図。
【図4】同視標板の近方斜位検査視標で近方水平斜位を
検査する際の図。
【図5】同視標板の近方斜位検査視標で近方垂直斜位を
検査する際の図。
【図6】同視標板の近方不等像視検査視標で垂直方向の
近方不等像視を検査する際の図。
【図7】検眼機の眼鏡部に設定する偏光板の図。
【図8】検眼機の眼鏡部に設定する他の偏光板の図。
【図9】同視標板の近方不等像視検査視標で水平方向の
近方不等像視を検査する際の図。
【図10】同視標板の近方不等像視検査視標で近方回旋
斜位を検査する際の図。
【図11】同視標板の近方不等像視検査視標で乱視を検
査する際の図。
【図12】同視標板の近方固視ずれ検査視標で垂直方向
の近方固視を検査する際、また、子供用近方両眼視検査
視標で近方両眼視を検査する際の図。
【図13】同視標板の近方固視ずれ検査視標で垂直方向
の近方固視を検査する際の図。
【図14】同視標板の近方固視ずれ検査視標で水平方向
の近方固視を検査する際の図。
【図15】同視標板の近方固視ずれ検査視標で水平方向
の近方固視を検査する際の図。
【符号の説明】
1 合成樹脂板、視標板 2 光源孔、点光源 3 近方水平斜位量の目盛 4 近方垂直斜位量の目盛 7、8 近方不等像視検査視標の半八角形状視標 9、10 偏光板 11、12 偏光軸 16 近方固視ずれ量の目盛 17、18 近方固視ずれ検査視標の三角形状視標 19、20 偏光板 21 子供用近方両眼視検査視標の星形状視標 22 子供用近方両眼視検査視標の丸形状視標 23、24 偏光板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視力測定用の検眼機に取付可能で、か
    つ、手で持って所望の位置に配置可能な長方形状の板で
    あり、 板に近方斜位検査のマドックス法の視標、近方不等像視
    検査の視標と近方固視ずれ検査の視標を設けており、 近方斜位検査のマドックス法の視標は、板に光源孔を貫
    通し、板の片面に光源孔を基準点として近方斜位量の目
    盛を設けており、 近方不等像視検査の視標は、板の他の片面における半分
    に対称形状で不等寸法の一対の視標を設け、両視標を眼
    鏡による矯正の要否の境になる寸法差にし、各視標をそ
    れぞれ偏光膜で被覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する方
    向に配置しており、 近方固視ずれ検査の視標は、板の他の片面における他の
    半分に一対の視標を設け、各視標をそれぞれ偏光膜で被
    覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する方向に配置し、両視
    標の間を基準点として近方固視ずれ量の目盛を設けたこ
    とを特徴とする近方視機能検査視標板。
  2. 【請求項2】 板に子供用近方両眼視検査の視標を設け
    ており、 子供用近方両眼視検査の視標は、板の他の片面に子供に
    理解され易い形状の2つの視標を設け、各視標をそれぞ
    れ偏光膜で被覆し、両偏光膜の偏光軸を直交する方向に
    配置した ことを特徴とする請求項1に記載の近方視機能
    検査視標板。
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