JP3257767B2 - 射出成形機の射出速度制御装置 - Google Patents

射出成形機の射出速度制御装置

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JP3257767B2 JP16273597A JP16273597A JP3257767B2 JP 3257767 B2 JP3257767 B2 JP 3257767B2 JP 16273597 A JP16273597 A JP 16273597A JP 16273597 A JP16273597 A JP 16273597A JP 3257767 B2 JP3257767 B2 JP 3257767B2
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淳広 鈴木
弘文 舘山
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の実施の形態】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶融材料をスク
リューを移動させて射出成形型内に射出する射出成形機
において使用され、充填工程中における溶融材料の射出
速度を制御する射出速度制御装置に関係している。
【従来の技術】従来、新たな射出成形型を使用して射出
成形機により射出成形加工を行う場合には、新たな射出
成形型から充分な品質を備えた製品を生み出す為にまず
最初に何回か試し打ちをして新たな射出成形型に適した
充填工程中の射出速度(即ち溶融材料射出圧)の制御条
件を設定しなければならない。充填工程中の射出速度の
制御条件を設定する時にはまず最初に、射出成形機から
射出成形型内の型凹所に射出される溶融材料(通常は溶
融樹脂)の一定射出速度を手動で射出成形機の射出速度
制御装置に仮りに設定する。また、充填工程中の基準と
なる基準樹脂圧力もまた射出速度制御装置に設定する。
そしてこの仮りの一定射出速度や基準樹脂圧力は、射出
成形機の製造業者や販売業者や使用者により溶融樹脂の
種類や射出成形型内の型凹所の大きさや形状等を基礎に
して作成されているデータから選択することが出来る。
次に射出成形加工を開始し、射出成形加工の開始ととも
に射出成形型内の型凹所に射出され充填される溶融樹脂
の圧力の検出も開始する。充填工程中に溶融樹脂の検出
圧力が基準樹脂圧力よりも大きくなると、予め定められ
ていた所定の減速率を溶融樹脂の検出圧力が基準樹脂圧
力よりも大きくなった時点の射出速度に乗じて修正され
た射出速度を設定し、この修正された射出速度に従って
充填工程が継続される。なおこの所定の減速率も、射出
成形機の製造業者や販売業者や使用者により溶融樹脂の
種類や射出成形型内の型凹所の大きさや形状等を基礎に
して作成されているデータから選択することが出来る。
そして、このような射出速度の修正は充填工程中に溶融
樹脂の検出圧力が基準樹脂圧力よりも大きくなっている
間は所定の周期で繰り返し行われる。溶融樹脂の検出圧
力が基準樹脂圧力よりも小さくなると、溶融樹脂の検出
圧力が基準樹脂圧力よりも小さくなった時点で採用され
ていた修正された射出速度がそのまま維持される。
【発明が解決しようとする課題】上述した如き従来の射
出成形機の射出速度制御装置においては、充填工程中に
基準樹脂圧力よりも大きくなった時点での溶融樹脂の検
出圧力の圧力上昇速度(即ち圧力上昇率)とは無関係に
上述した減速率が一定であることが下に記す幾つかの問
題を生じさせている。例えば、充填工程中における上記
圧力上昇率が比較的小さく上述した一定の減速率が上記
圧力上昇率に比べて大きな場合には、充填工程中に上述
した如く溶融材料の検出圧力が上記基準圧力を越えてい
る範囲において検出圧力と基準圧力との差異を無くす射
出速度の修正値を射出速度制御装置を使用して演算して
求める場合には、射出速度の修正により実際に溶融材料
に圧力低下が生じるまでに時間が掛り実際の検出圧力が
上記基準圧力に到達するまでの間に射出速度の修正がど
んどん行われる為に、ついには射出速度が極めて零に接
近し、溶融材料の流速を極めて零にさせてしまうことが
ある。これもまた、射出成形加工により成形される成形
品にひけや流線などの成形不良を生じさせてしまう。ま
た上記圧力上昇率が比較的大きく上述した一定の減速率
が上記圧力上昇率に比べて小さな場合には、より低い射
出速度に修正されたにもかかわらず溶融材料に圧力低下
が生ぜず、実際の検出圧力が上記基準圧力を大幅に越え
て、ついには射出成形型の破損に至ることもある。この
ために、上述した如き従来の射出成形機の射出速度制御
装置においては、新たな射出成形型に適した充填工程中
の射出速度(即ち溶融樹脂射出圧)の制御条件を設定出
来るまでに必要な試し打ちの回数を熟練した作業員では
ないとなかなか減少させることが出来なった。この発明
は上記事情の下でなされ、この発明の目的は、充填工程
中に基準圧力よりも大きくなった溶融材料の検出圧力を
容易に早く基準圧力に収束させることが出来て、新たな
射出成形型に最適な充填工程中の射出速度の制御を熟練
した作業員ではなくとも容易に短時間で得ることが出来
る、射出成形機の射出速度制御装置を提供することであ
る。
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を解決する為に、この発明に従った射出成形機の射出速
度制御装置は:溶融材料をスクリューを移動させて射出
成形型内に射出し充填する射出成形機において使用さ
れ;充填工程中に溶融材料の圧力を検出し、溶融材料の
検出圧力を予め設定されている基準圧力と比較し、上記
検出圧力が上記基準圧力を越えている範囲において上記
検出圧力と上記基準圧力との差異を無くす射出速度の修
正値を演算して求め;上記演算は上記検出圧力が上記基
準圧力よりも低下するまで繰り返し行われ、この間の初
めての演算による射出速度の低下量を2回目以降の演算
による射出速度の低下量よりも大きく設定した、ことを
特徴としている。溶融材料は粘度が比較的高くて射出成
形機や射出成形型内の溶融材料流路中を流動する際に発
生させる摩擦抵抗が比較的大きく、また幾分か弾性も有
しているので、射出速度の低下から溶融材料の射出圧力
の検出値(検出圧力)の低下が生じるまでに時間差が生
じるが、この時間差は前記圧力上昇率が大きい程大き
い。従って、本願の発明の如く、充填工程中の溶融材料
の検出圧力と基準圧力との差異を無くす為の射出速度の
修正値を求める際に射出速度の修正値を求める為の初め
ての演算による射出速度の低下量を2回目以降の演算に
よる射出速度の低下量よりも大きく設定することによ
り、初めての演算で大きく低下された射出速度が溶融材
料の摩擦抵抗と弾性変形とを大きく緩和し、よって2回
目以降の演算による射出速度の低下に対する溶融材料の
射出圧力の検出値(検出圧力)の低下の追従性を良好に
する。この結果として、充填工程中に基準圧力よりも大
きくなった溶融材料の検出圧力を容易に早く基準圧力に
収束させることが出来て、新たな射出成形型に最適な充
填工程中の射出速度の制御条件を熟練した作業員ではな
くとも容易に短時間で得ることが出来る。上述した如く
構成されたことを特徴とする本願の発明に従った射出成
形機の射出速度制御装置においては:上記初めての演算
の為の式と上記2回目以降の演算の為の式との組み合わ
せは以下の(1)乃至(4)の組み合わせの中から1つ
選択され: (1)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )×C×(n
−1)で行う; (2)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )×C×(n
−1)で行う; (3)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )−C×(n
−1)で行う; (4)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )−C×(n
−1)で行う; なお、ここでVn は射出速度の修正値であり、V0 は射
出速度の初速値であり、V1 は上記初めての修正後の射
出速度の値として予め設定されている射出速度の値であ
り、Cは2回目以降の射出速度の修正の為の減速係数で
あり、nは減速回数であり、C0 はCより大きな値の、
上記初めての射出速度の修正の為の減速係数である、こ
とを特徴とすることが出来る。上述した如く構成された
ことを特徴とする本願の発明に従った射出成形機の射出
速度制御装置においてはまた:上記演算は、上記検出圧
力と上記基準圧力との偏差量を求め、この偏差量と上記
検出圧力が上記基準圧力を越えた時点の射出速度とから
PI(比例積分)演算またはPID(比例積分微分)演
算により上記射出速度の修正値を求め、初めての演算が
行われる時のPの値と2回目以降の演算が行われる時の
Pの値とが異なっている、ことにより達成することが出
来る。このような構成においては、充填工程中に検出さ
れた溶融材料の圧力と予め設定されている基準圧力との
差異を無くす射出速度の修正値を演算して求める場合
に、上記演算において、上記検出圧力と上記基準圧力と
の偏差量を求め、この偏差量と上記検出圧力が上記基準
圧力を越えた時点の射出速度とからPI(比例積分)演
算またはPID(比例積分微分)演算により上記射出速
度の修正値を求めるので、基準圧力よりも大きくなった
溶融材料の検出圧力の圧力上昇率に対応して修正された
射出速度を得ることが出来、ひいては修正された射出速
度により達成される検出圧力が基準圧力から振れる量を
小さくすることが出来る。またPI(比例積分)演算ま
たはPID(比例積分微分)演算による射出速度の修正
値の設定は、上記検出圧力が上記基準圧力を越えている
範囲において閉ループ制御により行ない上記検出圧力が
上記基準圧力以下になった時には行なわないことによ
り、基準圧力に対する検出圧力のオーバーシュートやハ
ンチング現象をより良く防止することが出来る。なお、
上述した如く構成されたことを特徴とする本願の発明に
従った射出成形機の射出速度制御装置においてはさら
に:射出成形型内の型凹所に射出される溶融材料の圧力
を検出する為に、射出成形型内に設けられて射出成形型
内の型凹所に射出された溶融材料の圧力を検出する型内
溶融材料圧力検知器,射出成形型に設けられ射出成形型
内の型凹所に射出された溶融材料の圧力により射出成形
型が開く量を検出する型開量検知器,射出成形型機のノ
ズルに設置されノズルを介して射出成形型内の型凹所に
射出される溶融材料の圧力を検出するノズル内溶融材料
圧力検知器,そして射出成形機においてスクリューを駆
動するスクリュー駆動油圧手段に設けられてスクリュー
駆動油圧手段に発生するスクリュー駆動油圧を検出する
スクリュー駆動油圧検知器の少なくともいずれか1つを
備えている、ことが出来る。そして、前述した演算の基
礎とする溶融材料の圧力は型内溶融材料圧力検知器によ
り検知することが最も好ましい。
【発明の実施の形態】以下、この発明の1つの実施の形
態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1
は、この発明の1つの実施の形態に従った射出成形機の
射出速度制御装置の構成を概略的に示す図である。夫々
の対向表面に型凹所10a,10bが形成されている相
互に接合及び離間自在な2つのブロック12A,12B
を所定の圧力で接合させている射出成形型14には、射
出成形型14の2つのブロック12A,12B内の型凹
所10a,10b中に後述する射出成形機から射出され
た溶融材料(この実施の形態では溶融樹脂)の圧力によ
り射出成形型14の2つのブロック12A,12Bが開
く量を検知する型開量検知器16と、型凹所10a,1
0b中で型凹所10a,10bに射出された溶融樹脂の
圧力を検出する型内溶融材料圧力検知器(この実施の形
態では型内樹脂圧力検知器18)と、が設置されてい
る。型開量検知器16及び型内樹脂圧力検知器18の夫
々は相互に独立した別々の比較器20D,20Bに接続
されている。射出成形型14には型凹所10a,10b
の溶融樹脂注入孔10cに対して接合及び離間自在な射
出成形機22が油圧式移動装置24を介して連結されて
いる。射出成形機22の加熱シリンダ26の射出ノズル
26aには射出ノズル26aを介して射出成形型14内
の型凹所10a,10bに射出される溶融材料の圧力を
検出するノズル内溶融材料圧力検知器(この実施の形態
ではノズル内樹脂圧力検知器28)が設置されており、
押し出し部材としての射出スクリュー30のスクリュー
駆動油圧手段32にはスクリュー駆動油圧手段32に発
生するスクリュー駆動油圧(即ち、射出油圧)を検出す
るスクリュー駆動油圧検知器(この実施の形態では射出
油圧検知器34)、及び射出スクリュー移動距離検知器
36が接続されている。ノズル内樹脂圧力検知器28及
び射出油圧検知器34の夫々もまた相互に独立した別々
の比較器20A,20Cに接続されている。上述した4
つ比較器20A,20B,20C,20Dの夫々は射出
速度演算装置38に接続されていて、射出速度演算装置
38は射出速度制御装置40及び記憶装置42に接続さ
れている。射出速度制御装置40は、射出スクリュー3
0のスクリュー駆動油圧手段32の為に、油圧源43に
接続されている油圧流体流量制御装置44に接続されて
いる。記憶装置42にはさらに射出スクリュー移動距離
検知器36が接続されており、記憶装置42はまた射出
速度設定変換装置46を介して射出速度制御装置40に
接続されている。記憶装置42はさらに上述した4つ比
較器20A,20B,20C,20Dの夫々に接続され
ている。記憶装置42にはまたさらに、充填工程中にお
ける溶融樹脂の為の所望の基準圧力を設定する為の基準
圧力設定部材48aや射出成形機22から充填工程中に
射出成形型14内の型凹所10a,10bに充填される
溶融材料の初期射出速度(一定射出速度)を手動で設定
する為の図示しない初期射出速度設定部材を備えた設定
器48が接続されている。次には、図1を参照しながら
概略的な構成が前述されたこの発明の1つの実施の形態
に従った射出成形機の射出速度制御装置の動作を図2の
流れ図を参照しながら詳細に説明する。まず最初に、充
填工程において射出成形機22から射出成形型14内の
型凹所10a,10bに充填される溶融材料の初期射出
速度(一定射出速度)を設定器48を介して手動で図1
の記憶装置42に仮に設定する(STEP1)。なおこ
の一定射出速度は、射出成形機22の製造業者や販売業
者や使用者により溶融材料の種類や射出成形型14内の
型凹所10a,10bの大きさや形状等を基礎にして作
成されているデータから選択することが出来る。次に
は、充填工程中の溶融材料の圧力(この実施の形態では
樹脂圧力)を表している型内樹脂圧力またはノズル内樹
脂圧力または射出スクリュー30のスクリュー駆動油圧
手段32における油圧(即ち、射出油圧)または型開量
の基準値を、溶融材料の圧力(この実施の形態では樹脂
圧力)の基準値として射出スクリュー位置または射出経
過時間の関数として図1の設定器48の基準圧力設定部
材48aを介して記憶装置42に設定する(STEP
2)。そして射出成形作業を開始する(STEP3)と
同時に図1の型開量検知器16,型内樹脂圧力検知器1
8,ノズル内樹脂圧力検知器28,及び射出油圧検知器
34による型開量,型内溶融材料圧力,ノズル内溶融材
料圧力,及び射出油圧の少なくともいずれか1つ、好ま
しくは複数、の検出を所定のサイクルで開始し(STE
P4)、検出した型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内
溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なくともいずれか1
つ、好ましくは複数、が対応する比較器20A,20
B,20C,または20Dにおいて記憶装置42に設定
されている基準圧力と比較される(STEP5)。なお
上記複数の検出は同時に行うことが出来るし、また所望
の順序で行うことも出来る。検出した型開量,型内溶融
樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少な
くともいずれか1つ、好ましくは複数の中の1つ、より
好ましくは型内溶融樹脂圧力の検出圧力が対応する基準
圧力を越えていない場合には、射出スクリュー30が充
填工程完了位置に到達したかどうか(即ち、射出成形作
業中の充填工程が完了したかどうか)が判断され(ST
EP11)、射出スクリュー30が充填工程完了位置に
到達していなければ上述したSTEP4に戻る。検出し
た型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,
及び射出油圧の少なくともいずれか1つ、好ましくは複
数の中の1つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力の検出
圧力が対応する基準圧力を越えた場合には、その検出圧
力が対応する基準圧力を初めて越えた場合であるかどう
かが判断される(STEP6)。射出速度を初めて修正
する場合であれば、STEP7において検出した型開
量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射
出油圧の少なくともいずれか1つ、好ましくは複数の中
の1つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力の検出圧力、
と基準圧力との差異を大きく減少させるよう射出速度演
算装置38で初めての射出速度の修正値が演算により求
められる。次には、演算して得られた射出速度の初めて
の修正値に基づいて射出速度制御装置40が油圧流体流
量制御装置44を制御する(STEP9)。このように
して得られた射出速度の初めての修正値と初めて修正が
行われた時の射出スクリュー30の位置は、図1に示さ
れた記憶装置42に記憶される(STEP10)。さら
に射出スクリュー30が充填工程完了位置に到達したか
どうか(即ち、射出成形作業中の充填工程が完了したか
どうか)が判断され(STEP11)、射出スクリュー
30が充填工程完了位置に到達していなければ上述した
STEP4に戻る。上述したSTEP4及びSTEP5
が繰り返された時に、検出した型開量,型内溶融樹脂圧
力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なくとも
いずれか1つ、好ましくは複数の中の1つ、より好まし
くは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が依然として対応す
る基準圧力を越えている場合には、その検出圧力が対応
する基準圧力を初めて越えた場合であるかどうかが判断
される(STEP6)。そして、今回は上述した初めて
の場合に続く2回目なので、STEP4において検出さ
れた型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧
力,及び射出油圧の少なくともいずれか1つ、好ましく
は複数の中の1つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力、
の検出圧力と基準圧力との差異を、STEP7における
初めての演算による大きな減少よりは小さく減少させる
ようSTEP8において射出速度演算装置38で2回目
の射出速度の修正値が演算により求められる。次には、
演算して得られた射出速度の2回目の修正値に基づいて
STEP9において射出速度制御装置40が油圧流体流
量制御装置44を制御する。このようにして得られた射
出速度の2回目の修正値と2回目の修正が行われた時の
射出スクリュー30の位置も、図1に示された記憶装置
42に記憶される(STEP10)。さらに射出スクリ
ュー30が充填工程完了位置に到達したかどうか(即
ち、射出成形作業の充填工程が完了したかどうか)が判
断され(STEP11)、射出スクリュー30が充填工
程完了位置に到達していなければ上述したSTEP4に
戻る。この後のSTEP4,STEP5,STEP6,
STEP8,STEP9,STEP10,そしてSTE
P11の繰り返しは、検出した型開量,型内溶融樹脂圧
力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なくとも
いずれか1つ、好ましくは複数の中の1つ、より好まし
くは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が対応する基準圧力
よりも小さくなるまで続けられる。検出した型開量,型
内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧
の少なくともいずれか1つ、好ましくは複数の中の1
つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が対
応する基準圧力よりも小さくなった後でも、STEP1
1において射出スクリュー30が充填工程完了位置に到
達(即ち、射出成形作業の充填工程が完了)したと判断
されなければ、上記検出圧力が対応する基準圧力よりも
小さい間はSTEP4,STEP5,そしてSTEP1
1が繰り返され、そして上記検出圧力が対応する基準圧
力よりも再度大きくなるとSTEP4,STEP5,S
TEP6,STEP8,STEP9,STEP10,そ
してSTEP11が繰り返される。即ち、上述した初め
ての射出速度修正値演算(STEP7)に基づく射出速
度修正(STEP9)が行われるのは射出成形作業の充
填工程が開始された後に上記検出圧力が対応する基準圧
力よりも初めて大きくなった後に初めて射出速度が修正
される場合のみである。従って、射出成形作業の充填工
程が開始された後に上記検出圧力が対応する基準圧力よ
りも初めて大きくなった後に、上述した初めての射出速
度修正値演算(STEP7)に基づく射出速度修正(S
TEP9)の結果、あるいは初めての射出速度修正値演
算(STEP7)に基づく射出速度修正(STEP9)
及びこれに続く2回目以降の射出速度修正値演算(ST
EP8)に基づく射出速度修正(STEP9)の結果、
として上記検出圧力が対応する基準圧力よりも一旦小さ
くなり、さらに充填工程が継続している間に上記検出圧
力が対応する基準圧力よりも再度大きくなった時は、こ
の検出圧力を対応する基準圧力よりも小さくする為の射
出速度修正値演算は充填工程が開始された後に初めて行
われる射出速度修正値演算ではないので、上記検出圧力
が対応する基準圧力よりも再度小さくなるまで2回目以
降の射出速度修正値演算(STEP8)に基づく射出速
度修正(STEP9)のみが行われる。STEP11に
おいて射出スクリュー30が充填工程完了位置に到達し
ている(即ち、射出成形作業の充填工程が完了してい
る)と判断された場合には、充填工程の開始時点から充
填工程の終了時点までの上述した射出速度の修正値や修
正が行なわれた時の射出スクリュー30の位置が記憶装
置42から読み出され、射出成形機22に予め設定され
ている所定の射出速度の修正可能な段数で構成された所
望の射出速度パターンに変換される(STEP12)。
これにより、この発明の1つの実施の形態に従った射出
速度制御装置を使用した射出成形機22において射出成
形加工を行う時に、溶融樹脂の種類や射出成形型14内
の型凹所10a,10bの大きさや形状等により異なる
充填工程中の最適な射出速度制御条件を熟練した作業員
ではなくとも容易に短時間で設定することが出来る。な
おここにおいて、上記初めての射出速度の修正値と上記
2回目以降の射出速度の修正値とを求める為の演算の為
の式は以下の4つの組み合わせの中から選択される。 (1)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )×C×(n
−1)で行う; (2)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )×C×(n
−1)で行う; (3)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )−C×(n
−1)で行う; (4)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )−C×(n
−1)で行う; なお、ここでVn は射出速度の修正値であり、V0 は射
出速度の初速値であり、V1 は上記初めての修正後の射
出速度の値として予め設定されている射出速度の値であ
り、Cは2回目以降の射出速度の修正の為の減速係数
(例えば、V0 を100%とした時の減速比率)であ
り、nは減速回数であり、C0 はCより大きな値の、上
記初めての射出速度の修正の為の減速係数である。次に
は、図1を参照しながら概略的な構成が前述されたこの
発明の1つの実施の形態に従った射出成形機の射出速度
制御装置の別の動作を図3及び図4の流れ図を参照しな
がら詳細に説明する。まず最初に、充填工程において射
出成形機22から射出成形型14内の型凹所10a,1
0bに射出される溶融材料の初期射出速度(一定射出速
度)を設定器48を介して手動で図1の記憶装置42に
仮に設定する(STEP1)。なおこの一定射出速度
は、射出成形機22の製造業者や販売業者や使用者によ
り溶融材料の種類や射出成形型14内の型凹所10a,
10bの大きさや形状等を基礎にして作成されているデ
ータから選択することが出来る。次には、充填工程中の
溶融材料の圧力(この実施の形態では樹脂圧力)を表し
ている型内樹脂圧力またはノズル内樹脂圧力または射出
スクリュー30のスクリュー駆動油圧手段32における
油圧(即ち、射出油圧)または型開量の基準値を、溶融
材料の圧力(この実施の形態では樹脂圧力)の基準値と
して射出スクリュー位置または射出経過時間の関数とし
て図1の設定器48の基準圧力設定部材48aを介して
記憶装置42に設定する(STEP2)。そして射出成
形作業を開始する(STEP3)と同時に図1の型開量
検知器16,型内樹脂圧力検知器18,ノズル内樹脂圧
力検知器28,及び射出油圧検知器34による型開量,
型内溶融材料圧力,ノズル内溶融材料圧力,及び射出油
圧の少なくともいずれか1つ、好ましくは複数、の検出
を所定のサイクルで開始し(STEP4)、検出した型
開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び
射出油圧の少なくともいずれか1つ、好ましくは複数、
が対応する比較器20A,20B,20C,または20
Dにおいて記憶装置42に設定されている基準圧力と比
較される(STEP5)。なお上記複数の検出は同時に
行うことが出来るし、また所望の順序で行うことも出来
る。検出した型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融
樹脂圧力,及び射出油圧の少なくともいずれか1つ、好
ましくは複数の中の1つ、より好ましくは型内溶融樹脂
圧力、の検出圧力が対応する基準圧力を越えていない場
合には、射出スクリュー30が充填工程完了位置に到達
したかどうか(即ち、射出成形作業中の充填工程が完了
したかどうか)が判断され(STEP11)、射出スク
リュー30が充填工程完了位置に到達していなければ上
述したSTEP4に戻る。検出した型開量,型内溶融樹
脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なく
ともいずれか1つ、好ましくは複数の中の1つ、より好
ましくは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が対応する基準
圧力を越えた場合には、その検出圧力が対応する基準圧
力を初めて越えた場合であるかどうかが判断される(S
TEP6)。射出速度を初めて修正する場合には、射出
速度演算装置38において初めての射出速度の修正値を
PID(比例積分微分)演算により演算する為に比例項
Pに所定の値P1を設定し(STEP7)、射出速度演
算装置38で初めての減速速度修正演算の為のPID演
算が実施される(STEP8)。次には、PID演算に
より得られた初めての減速速度の設定値に基づいて射出
速度が修正され、この射出速度の修正値に基づいて射出
速度制御装置40が油圧流体流量制御装置44を制御す
る(STEP9)。このようにして得られた射出速度の
初めての修正値と初めて修正が行われた時の射出スクリ
ュー30の位置は、図1に示された記憶装置42に記憶
される(STEP10)。さらに射出スクリュー30が
充填工程完了位置に到達したかどうか(即ち、射出成形
作業中の充填工程が完了したかどうか)が判断され(S
TEP11)、射出スクリュー30が充填工程完了位置
に到達していなければ上述したSTEP4に戻る。上述
したSTEP4及びSTEP5が繰り返された時に、検
出した型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧
力,及び射出油圧の少なくともいずれか1つ、好ましく
は複数の中の1つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力、
の検出圧力が依然として対応する基準圧力を越えている
場合には、今回の樹脂圧力の検出圧力が対応する基準圧
力を初めて越えた場合であるかどうかがSTEP6で判
断される。今回の樹脂圧力の検出圧力は対応する基準圧
力を初めて越えた場合に続く2回目なので、STEP4
において検出した型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内
溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なくともいずれか1
つ、好ましくは複数の中の1つ、より好ましくは型内溶
融樹脂圧力、の検出圧力と基準圧力との差異を、STE
P7,8における初めての減速速度修正演算による大き
な減少よりは小さく減少させるよう射出速度演算装置3
8でPID演算により2回目の減速速度の演算を行う為
に、前述した初めての減速速度修正演算の為に比例項P
に設定した所定の値P1よりも小さな値を有する所定の
値P2を比例項Pに設定し(STEP12)、射出速度
演算装置38で2回目の減速速度の修正値の為のPID
(比例積分)演算が実施される(STEP13)。次に
は、減速速度の2回目の修正値に基づいて射出速度が修
正され、この射出速度の修正値に基づいて射出速度制御
装置40が油圧流体流量制御装置44を制御する(ST
EP9)このようにして得られた射出速度の2回目の修
正値と2回目の修正が行われた時の射出スクリュー30
の位置も、図1に示された記憶装置42に記憶される
(STEP10)。さらに射出スクリュー30が充填工
程完了位置に到達したかどうか(即ち、射出成形作業中
の充填工程が完了したかどうか)が判断され(STEP
11)、射出スクリュー30が充填工程完了位置に到達
していなければ上述したSTEP4に戻る。この後のS
TEP4,STEP5,STEP6,STEP12,S
TEP13,STEP9,STEP10,そしてSTE
P11の繰り返しは、検出した型開量,型内溶融樹脂圧
力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の少なくとも
いずれか1つ、好ましくは複数の中の1つ、より好まし
くは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が対応する基準圧力
よりも小さくなるまで続けられる。検出した型開量,型
内溶融樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧
の少なくともいずれか1つ、好ましくは複数の中の1
つ、より好ましくは型内溶融樹脂圧力、の検出圧力が対
応する基準圧力よりも小さくなった後でも、STEP1
1おいて射出スクリュー30が充填工程完了位置に到達
(即ち、射出成形作業中の充填工程が完了)と判断され
なければ、上記検出圧力が対応する基準圧力よりも小さ
い間はSTEP4,STEP5,STEP11が繰り返
され、上記検出圧力が対応する基準圧力よりも再度大き
くなった場合はSTEP4,STEP5,STEP6,
STEP12,STEP13,STEP9,STEP1
0,そしてSTEP11が繰り返される。即ち、上述し
た初めての射出速度修正値演算(STEP7,STEP
8)に基づく射出速度修正(STEP9)が行われるの
は射出成形作業の充填工程が開始された後に上記検出圧
力が対応する基準圧力よりも初めて大きくなった後に初
めて射出速度が修正される場合のみである。従って、射
出成形作業の充填工程が開始された後に上記検出圧力が
対応する基準圧力よりも初めて大きくなった後に、上述
した初めての射出速度修正値演算(STEP7,STE
P8)に基づく射出速度修正(STEP9)の結果、あ
るいは初めての射出速度修正値演算(STEP7,ST
EP8)に基づく射出速度修正(STEP9)及びこれ
に続く2回目以降の射出速度修正値演算(STEP1
2,STEP13)に基づく射出速度修正(STEP
9)の結果、として上記検出圧力が対応する基準圧力よ
りも一旦小さくなり、さらに充填工程が継続している間
に上記検出圧力が対応する基準圧力よりも再度大きくな
った時は、この検出圧力を対応する基準圧力よりも小さ
くする為の射出速度修正値演算は充填工程が開始された
後に初めて行われる射出速度修正値演算ではないので、
上記検出圧力が対応する基準圧力よりも再度小さくなる
まで2回目以降の射出速度修正値演算(STEP12,
STEP13)に基づく射出速度修正(STEP9)の
みが行われる。STEP11において射出スクリュー3
0が充填工程完了位置に到達している(即ち、射出成形
作業の充填工程が完了している)と判断された場合に
は、充填工程の開始時点から充填工程の終了時点までの
上述した射出速度の修正値や修正が行なわれた時の射出
スクリュー30の位置が記憶装置42から読み出され、
射出成形機22に予め設定されている所定の射出速度の
修正可能な段数で構成された所望の射出速度パターンに
変換される(STEP14)。このようにしても、この
発明の1つの実施の形態に従った射出速度制御装置を使
用した射出成形機22において射出成形加工を行う時
に、溶融樹脂の種類や射出成形型14内の型凹所10
a,10bの大きさや形状等により異なる充填工程中の
最適な射出速度制御条件を熟練した作業員ではなくとも
容易に短時間で設定することが出来る。なおここにおい
ては上述した減速速度の演算の為にPID(比例積分微
分)法が採用されていたが、上記検出圧力を対応する基
準圧力に早く収束させる為に有効であればPI(比例積
分)法を採用することも出来る。図5の(A)には、従
来の射出成形機の射出速度制御装置において射出成形作
業中の充填工程において型開量検知器,型内樹脂圧力検
知器,ノズル内樹脂圧力検知器,及び射出油圧検知器に
より検知される型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内溶
融樹脂圧力,及び射出油圧の中の代表としての型内溶融
樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて越えた場
合に、従来の射出成形機の射出速度制御装置が型内溶融
樹脂圧力を基準圧よりも低下させようとして、型内溶融
樹脂圧力が予め設定されている基準圧を越えている間に
一定の減速率で射出速度を低下させる様子を示してい
る。なおここにおいては、型内樹脂圧力検知器18によ
る型内溶融樹脂圧力の検知は射出プランジャ位置の変位
に沿い所定の間隔で配置された多数の一点鎖線で示す所
定の周期で行われている。この図からは、型内溶融樹脂
圧力が予め設定されている基準圧を越えている間に一定
の減速率で射出速度を低下させても、検知された型内溶
融樹脂圧力がなかなか低下しないことが分かる。従って
射出速度を低下させる為の射出速度修正回数も増加し、
型内溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて
越えた後に基準圧よりも低下した時点では射出速度の修
正が開始される以前の射出速度と比べて射出速度の修正
値がかなり低下している。この結果、型内溶融樹脂圧力
が予め設定されている基準圧を一旦越えた後に基準圧よ
りも低下した時点以降における基準圧からの型内溶融樹
脂圧力の低下量は比較的大きくなり、型内溶融樹脂圧力
が基準圧よりも低下して射出速度の低下が停止された後
でも型内溶融樹脂圧力の低下はなかなか停止しないこと
が分かる。この為に、従来の射出成形機の射出速度制御
装置による射出速度の制御では、型内溶融樹脂圧力が予
め設定されている基準圧を一旦越えてしまうと、型内溶
融樹脂圧力が基準圧に収束するまでに沢山の時間が掛か
ることが分かる。従って新たな射出成形型に最適な充填
工程における射出速度の制御条件は、熟練した作業員で
はないと容易に短時間で得ることが出来ない。図5の
(B)には、本願の発明の上述した1つの実施の形態に
従った射出成形機の射出速度制御装置において射出成形
作業中の充填工程において型開量検知器,型内樹脂圧力
検知器,ノズル内樹脂圧力検知器,及び射出油圧検知器
により検知される型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル内
溶融樹脂圧力,及び射出油圧の中の代表としての型内溶
融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて越えた
場合に、本願の発明の上述した1つの実施の形態に従っ
た射出成形機の射出速度制御装置が型内溶融樹脂圧力を
基準圧よりも低下させようとして、型内溶融樹脂圧力が
予め設定されている基準圧を越えている間に所定の周期
で繰り返し行われる射出速度の修正において初めての射
出速度の低下量(減速速度)を2回目以降の射出速度の
低下量(減速速度)よりも大きく設定した場合の様子を
示している。なおここにおいては、型内樹脂圧力検知器
18による型内溶融樹脂圧力の検知は射出プランジャ位
置の変位に沿い所定の間隔で配置された多数の一点鎖線
で示す所定の周期で行われている。この図からは、型内
溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を越えたこと
を初めて検知した時点で射出速度の低下量(減速速度)
をこれ以降の、即ち2回目以降の、射出速度の低下量
(減速速度)よりも大きく設定することにより、図5の
(A)に示した従来例と比べると、検知された型内溶融
樹脂圧力の上昇が急激に解消されることが分かる。従っ
て、射出速度の修正回数も上述した従来例に比べ減少
し、型内溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初
めて越えた後に基準圧よりも低下した時点における射出
速度の修正値と射出速度の修正が初めて行われる以前の
射出速度との差異は、上述した従来例に比べ、遥かに小
さい。よって、基準圧を初めて越えた後に基準圧よりも
低下した時点以降における基準圧からの型内溶融樹脂圧
力の低下量は上述した従来例に比べ遥かに小さくなる。
この為に型内溶融樹脂圧力が基準圧よりも低下して射出
速度の低下が停止された後における型内溶融樹脂圧力の
低下が比較的短時間で停止することが分かる。この為
に、この発明の1つの実施の形態に従った射出成形機の
射出速度制御装置による射出速度の制御では、型内溶融
樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて越えた後
に基準圧よりも低下して射出速度の低下が停止された後
の型内溶融樹脂圧力の低下は比較的短時間で停止し、緩
やかな上昇に転じることが分かる。そして、型内溶融樹
脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて越えた後に
基準圧よりも低下した後でも、さらに基準圧を再度越え
てしまう可能性が前述した従来の場合と比べる遥かに小
さくなる。もしも基準圧を再度越えてしまった場合で
も、基準圧を再度越えてしまった時の型内溶融樹脂圧力
の上昇率は緩かとなる。従って、基準圧を再度越えてし
まった時の射出速度の修正は、型内溶融樹脂圧力が予め
設定されている基準圧を初めて越えた後に型内溶融樹脂
圧力を基準圧よりも低下させる為に行われる2回目以降
の射出速度の修正と同様に初回の射出速度の減速値より
も小さな一定の減速値とより少ない修正回数で前述した
従来の場合と比べると型内溶融樹脂圧力を速やかに基準
圧に接近させることが出来る。このように、この発明の
1つの実施の形態に従った射出成形機の射出速度制御装
置による充填工程中の射出速度の制御では、型内溶融樹
脂圧力が予め設定されている基準圧を一旦越えてしまっ
ても、型内溶融樹脂圧力を容易に早く基準圧に収束させ
ることが出来て、新たな射出成形型に最適な充填工程の
射出速度の制御条件を熟練した作業員ではなくとも容易
に短時間で得ることが出来る。
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明の1つの実
施の形態に従った射出成形機の射出速度制御装置による
充填工程中の射出速度の制御では、型内溶融樹脂圧力が
予め設定されている基準圧を一旦越えてしまっても、型
内溶融樹脂圧力を容易に早く基準圧に収束させることが
出来て、新たな射出成形型に最適な充填工程の射出速度
の制御条件を熟練した作業員ではなくとも容易に短時間
で得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施の形態に従った射出成形
機の射出速度制御装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の射出成形機の射出速度制御装置の動作を
示す流れ図である。
【図3】図1の射出成形機の射出速度制御装置の別の動
作を示す流れ図の一部である。
【図4】図3の流れ図の一部と合体して図1の射出成形
機の射出速度制御装置の別の動作を示す流れ図の残りの
部分である。
【図5】(A)は、従来の射出成形機の射出速度制御装
置において射出成形作業中に型開量検知器,型内樹脂圧
力検知器,ノズル内樹脂圧力検知器,及び射出油圧検知
器により検知される型開量,型内溶融樹脂圧力,ノズル
内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の中の代表としての型内
溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を初めて越え
た場合に、従来の射出成形機の射出速度制御装置が型内
溶融樹脂圧力を基準圧よりも低下させようとして、型内
溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を越えている
間に所定の周期で一定の減速率で射出速度を低下させる
様子を示す図であり、(B)は、本願の発明の上述した
1つの実施の形態に従った射出成形機の射出速度制御装
置において射出成形作業中の充填工程において型開量検
知器,型内樹脂圧力検知器,ノズル内樹脂圧力検知器,
及び射出油圧検知器により検知される型開量,型内溶融
樹脂圧力,ノズル内溶融樹脂圧力,及び射出油圧の中の
代表としての型内溶融樹脂圧力が予め設定されている基
準圧を初めて越えた場合に、本願の発明の上述した1つ
の実施の形態に従った射出成形機の射出速度制御装置が
型内溶融樹脂圧力を基準圧よりも低下させようとして、
型内溶融樹脂圧力が予め設定されている基準圧を越えて
いる間に所定の周期で繰り返し行われる射出速度の低下
量(減速速度)を2回目以降の射出速度の低下量(減速
速度)よりも大きく設定した場合の様子を示す図であ
る。
【符号の説明】
10a,10b 型凹所 14 射出成形型 30 射出スクリュー 22 射出成形機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝田 弘 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株 式会社沼津事業所内 (72)発明者 鈴木 淳広 福島県福島市蓬莱町1丁目11番1号 東 北ムネカタ株式会社内 (72)発明者 舘山 弘文 福島県福島市蓬莱町1丁目11番1号 東 北ムネカタ株式会社内 (72)発明者 渡辺 広三 福島県福島市蓬莱町1丁目11番1号 東 北ムネカタ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−309703(JP,A) 特開 平7−88905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/46 - 45/82

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料をスクリューを移動させて射出
    成形型内に射出し充填する射出成形機において使用さ
    れ、 充填工程中に溶融材料の圧力を検出し、溶融材料の検出
    圧力を予め設定されている基準圧力と比較し、上記検出
    圧力が上記基準圧力を越えている範囲において上記検出
    圧力と上記基準圧力との差異を無くす射出速度の修正値
    を演算して求め、 上記演算は上記検出圧力が上記基準圧力よりも低下する
    まで繰り返し行われ、この間の初めての演算による射出
    速度の低下量を2回目以降の演算による射出速度の低下
    量よりも大きく設定した、 ことを特徴とする射出成形機の射出速度制御装置。
  2. 【請求項2】 上記初めての演算の為の式と上記2回目
    以降の演算の為の式との組み合わせは以下の(1)乃至
    (4)の組み合わせの中から1つ選択され: (1)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
    記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )×C×(n
    −1)で行う; (2)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
    記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )×C×(n
    −1)で行う; (3)上記初めての演算をVn =V0 −V1 で行い、上
    記2回目以降の演算をVn =(V0 −V1 )−C×(n
    −1)で行う; (4)上記初めての演算をVn =V0 ×C0 で行い、上
    記2回目以降の演算をVn =(V0 ×C0 )−C×(n
    −1)で行う; なお、ここでVn は射出速度の修正値であり、V0 は射
    出速度の初速値であり、V1 は上記初めての修正後の射
    出速度の値として予め設定されている射出速度の値であ
    り、Cは2回目以降の射出速度の修正の為の減速係数で
    あり、nは減速回数であり、C0 はCより大きな値の、
    上記初めての射出速度の修正の為の減速係数である。こ
    とを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の射出速度
    制御装置。
  3. 【請求項3】 上記演算においては、上記検出圧力と上
    記基準圧力との偏差量を求め、この偏差量と上記検出圧
    力が上記基準圧力を越えた時点の射出速度とからPI
    (比例積分)演算またはPID(比例積分微分)演算に
    より上記射出速度の修正値を求め、上記初めての演算が
    行われる時のPの値と2回目以降の演算が行われる時の
    Pの値とが異なっている、ことを特徴とする請求項1に
    記載の射出成形機の射出速度制御装置。
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