JP3256324B2 - 回転機の異常診断方法およびその装置 - Google Patents

回転機の異常診断方法およびその装置

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JP3256324B2
JP3256324B2 JP08740093A JP8740093A JP3256324B2 JP 3256324 B2 JP3256324 B2 JP 3256324B2 JP 08740093 A JP08740093 A JP 08740093A JP 8740093 A JP8740093 A JP 8740093A JP 3256324 B2 JP3256324 B2 JP 3256324B2
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博光 山口
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機の異常診断方法
およびその装置に関し、回転機の異常監視をする異常監
視装置と組み合わせて回転機の総合的管理をする場合な
どに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、回転機の管理において、回転機
の運転状態を振動センサー、温度センサー等で連続的に
常時監視し、何らかの異常が発生した場合に警報等を発
して異常告知を行う回転機の異常監視装置がある。この
ような異常監視装置では、異常発生時に振動値等が基準
値を外れたこと等をオペレーターに告知するだけであ
り、オペレーターはその後異常に対してどのような対応
をとっていいのか不明な場合が多かった。
【0003】一方、このような回転機の異常発生に対
し、異常を引き起こした原因を推定し、オペレーターに
対応方法等を指示してオペレーターを支援する回転機の
異常診断装置がある。このような異常診断装置は、いわ
ゆるエキスパートシステムと呼ばれるもので市販品のも
のも多く、熟練した専門家の知識を知識ベースとして保
存、伝承し、異常診断の標準化を図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな異常診断装置は、主に単体として機能するものが多
く、前述した回転機のモニタリングを常時行う異常監視
装置とは別体として用意されていることが多かった。こ
のため、このような異常診断装置では、診断実行時に
は、異常監視装置により得られた異常時の情報等をオペ
レーターが異常診断装置に手入力していかなければなら
ない。したがって、この情報入力作業が煩雑で困難であ
り、使い勝手が悪く、実用にはあまり適さないという問
題があった。また、情報入力作業の煩雑性から緊急時な
どには不適応なものである。さらに、オペレーターによ
る手入力での情報入力作業であるため、誤入力による誤
診断の可能性があるという問題があった。
【0005】また、このような異常診断装置では、振動
センサーの検出信号をオンラインで取り込んでオンライ
ン診断を行うものも見られるが、振動センサーで単なる
振幅変動を捉えてこれを情報として異常診断を行う程度
のものである。このため、正確な異常診断を行うには診
断のための情報が不足しているという問題があった。
【0006】一方、このような振動センサーによるモニ
タリングを行ったオンライン診断では、オンラインで診
断用の情報入力を行うことができるため、情報入力作業
の困難性は解消できるが、振動センサー等によるモニタ
リング情報を表示するCRT等の監視用表示手段と異常
診断用の表示を行うCRT等の診断用表示手段とが別体
で設けられている。このため、オペレーターが監視と診
断とを一連の作業として行うには不適切なものであると
いう問題があった。そして、プラントの計器室等には、
通常、他の多くの機器等が設置されているので、このよ
うに監視用表示手段と診断用表示手段とを計器室内に別
体で設けることは、各機器類の設置スペースが大きくな
り、好ましくないという問題があった。また、監視用表
示手段と診断用表示手段とを別体で設けると、設備費用
が高くなるという問題があった。
【0007】本発明は、回転機の異常発生時にオペレー
ターに正確な情報および適切な指示を与えてオペレータ
ーを支援することができる回転機の異常診断方法および
その装置、さらには設備費用や設置スペースを削減で
き、取扱いが容易で実用的な回転機の異常診断方法およ
びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動速度およ
び振動加速度および振動方向の少なくとも三因子の情報
に基づいて異常診断をする、また監視用表示と診断用表
示とを切換え選択することにより表示手段の一体化が図
れ前記目的を達成しようとするものである。
【0009】具体的には、本発明の回転機の異常診断方
法は、回転機の振動速度、振動加速度および振動方向の
三因子を含む変化パターンと前記回転機の異常原因とを
予め対応させて記憶しておき、前記回転機の振動を検出
する振動センサーから得られる検出信号と前記変化パタ
ーンとを照合して異常監視をし、この異常監視により前
記振動センサーから得られた検出信号と照合した前記変
化パターンに対応する前記回転機の異常原因を認識して
異常診断する回転機の異常診断方法であって、前記振動
センサーから得られる検出信号は、前記振動センサーの
加速度信号出力を二分岐し、その一方の加速度信号出力
を平均値処理し、二分岐した他方の加速度信号出力を積
分して速度信号に変換して得られた速度信号を平均値処
理したものであることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明では、振動センサーの加速
度信号出力をローパスフィルタおよびハイパスフィルタ
を用いて二分岐し、前記ローパスフィルタを通った出力
を積分して速度信号に変換して得られた速度信号を平均
値処理し、前記ハイパスフィルタを通った出力を平均値
処理することを特徴とする。
【0011】また、本発明では、異常監視により得られ
た情報を表示する監視用表示とこの情報に基づいて異常
診断用の表示をする診断用表示とを切換え選択可能に表
示することを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の回転機の異常診断装置
は、回転機の振動を検出する振動センサーと、前記回転
機の振動速度、振動加速度および振動方向の三因子を含
む変化パターンと前記回転機の異常原因とを対応させて
記憶し、前記振動センサーから得られる検出信号と前記
変化パターンとを照合して異常監視をする異常監視用処
理装置と、この異常監視用処理装置により前記振動セン
サーから得られた検出信号と照合した前記変化パターン
に対応する前記回転機の異常原因を認識して異常診断す
る異常診断用処理装置とを具備し、前記振動センサーに
て得られる検出信号は、前記振動センサーの加速度信号
出力が二分岐され、分岐された一方の加速度信号出力を
平均値処理するとともに、分岐した他方の加速度信号出
力を積分して速度信号に変換して得られた速度信号を平
均値処理したであることを特徴とする。
【0013】また、本発明では、振動センサーの加速度
信号出力を二分岐するローパスフィルタおよびハイパス
フィルタと、前記ハイパスフィルタを通った出力を平均
値処理する第1の平均値処理部と、前記ローパスフィル
タを通った出力を積分して速度信号に変換する速度変換
部と、この速度変換部にて変換された速度信号を平均値
処理する第2の平均値処理部とを具備したことを特徴と
する。
【0014】さらに、本発明では、異常監視用処理装置
にて得られた情報による監視用表示および異常診断装置
にて前記監視用表示の情報に基づいて得られた診断用表
示とを切換え選択可能に表示する表示手段を具備したこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】このような本発明においては、回転機の振動速
度および振動加速度および振動方向の少なくとも三因子
を含む変化パターンと回転機の異常原因とを予め対応さ
せて異常診断装置内に記憶させておき、一方、異常監視
装置の振動センサーで回転機の振動等の運転状態を常時
監視する。そして、オペレーターが異常監視装置で回転
機の異常を告知された時には、異常診断装置で振動セン
サーから得られる検出信号と前記変化パターンとを照合
して回転機の異常診断を行う。このため、異常発生時に
振動速度および振動加速度および振動方向の少なくとも
三因子を併せて考慮した異常診断が行われるので、正確
な異常診断が行われるようになる。
【0016】また、振動センサーから得られる検出信号
を、振動センサーの加速度信号出力を二分岐し、その一
方の出力を平均値処理し、二分岐した他方の出力を積分
して速度信号に変換し、この速度信号を平均値処理した
ものとすることで、容易に前記変化パターンとの照合が
可能となる。
【0017】また、異常監視装置と異常診断装置との表
示手段を共有化して切替え選択可能式にしておくこと
で、オペレーターが監視と診断とを一連の作業として行
うことが可能となるうえ、プラントの計器室内における
設置スペースが削減され、さらに設備費用も削減され、
これらにより前記目的が達成される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例に係る異常診断装置10およ
び異常監視装置20および監視診断対象である回転機30が
示されている。
【0019】図中下側の回転機30は、横型遠心ポンプ31
およびこれを回転駆動させるモーター32等を含み構成さ
れている。図中左上側の異常監視装置20により、その運
転状態を常時モニタリングする。さらに、異常発生時に
は、図中右上側の異常診断装置10で異常の発生原因を推
定する。
【0020】回転機30には、振動センサー21、あるいは
図示されない温度センサー、漏油センサー、ガスセンサ
ー等の各種のモニタリング用センサーが取りつけられて
いる。これらの振動センサー21等による検出信号は、パ
ーソナルコンピューター等により構成される異常監視用
処理装置22に送られる。この異常監視用処理装置22で各
種処理され、切替えスイッチ40を介してCRT等の表示
手段41でオペレーターに情報提供される。これらの振動
センサー21等の各種のモニタリング用センサー、異常監
視用処理装置22、および表示手段41により異常監視装置
20が構成されている。この異常監視装置20は、本願発明
者等による特開平3-44533号に記載したような異常監視
装置である。
【0021】異常監視用処理装置22には、パーソナルコ
ンピューター等により構成される異常診断用処理装置11
がオンラインで接続されている。この異常診断用処理装
置11での診断経過、診断結果等の各種処理情報は、切替
えスイッチ40を介して表示手段41でオペレーターに情報
提供される。これらの異常診断用処理装置11および表示
手段41により異常診断装置10が構成されている。切替え
スイッチ40は、オペレーターにより切替え操作され、通
常のモニタリング時には異常監視用処理装置22と表示手
段41とを接続し、表示手段41を監視用表示手段として機
能させる。一方、異常発生時には異常診断用処理装置11
と表示手段41とを接続し、表示手段41を監視用表示手段
として機能させる。
【0022】異常監視用処理装置22は、振動センサー21
等の各種のモニタリング用センサーからの検出信号を入
力処理する端末制御部50を有している(詳細は特開平3-
44533 号公報参照)。振動センサー21は、加速度ピック
アップであり、監視診断対象である回転機30に対して任
意の場所、方向に設置可能である。通常は、図1に示す
ように軸方向(X方向)、水平方向(Y方向)、垂直方
向(Z方向)の三方向の振動を捉えることができるよう
に設置されている。また、図1の回転機30では、少なく
とも横型遠心ポンプ31およびモーター32の所定の二箇所
に設置されている。
【0023】図2には、端末制御部50の一部の詳細が示
されている。図中左側より振動センサー21にはアンプ51
が接続されている。このアンプ51から二分岐して図中上
側には、ハイパスフィルタ52、検波部53、第1の平均値
処理部54、サンプリングA/D変換部55、中心値抽出処
理部56の順に各処理部が配設されている。一方、図中下
側には、ローパスフィルタ57、速度変換部58、検波部5
9、第2の平均値処理部60、サンプリングA/D変換部6
1、中心値抽出処理部62の順に各処理部が配設されてい
る。これらは図中右側で合流し、デジタル送信部63に接
続されている。デジタル送信部63の下流には、図示され
ない監視部が設けられている。この監視部は、デジタル
送信部63から受信した信号が規定値以上の時に回転機の
異常をオペレーターに伝える警報ユニットを動作させる
構成となっている。
【0024】この端末制御部50の動作を説明すると、振
動センサー21から出力される加速度信号はアンプ51で増
幅され、その出力は二分岐される。一方の加速度信号は
ハイパスフィルタ52を通って検波部53で検波され、第1
の平均値処理部54で平均値処理される。このように平均
値処理することでアンプ51の出力をそのまま伝送する場
合に比べ、伝送量を格段に少ないものとしている。第1
の平均値処理部54で平均値処理されて直流に変換された
加速度情報は、サンプリングA/D変換部55でサンプリ
ングされる。この後、デジタル値に変換され、中心値抽
出処理部56で三回のサンプリング値の中心値をとり、突
発的な値を除去してデジタル送信部63に送られる。
【0025】アンプ51で増幅され二分岐された他方の加
速度信号は、ローパスフィルタ57を通って速度変換部58
で積分されて速度信号となる。その後、検波部59で検波
され、第2の平均値処理部60で平均値処理される。第2
の平均値処理部60で平均値処理されて直流に変換された
速度情報は、サンプリングA/D変換部61でサンプリン
グされる。この後、デジタル値に変換され、中心値抽出
処理部62で三回のサンプリング値の中心値をとり、突発
的な値を除去してデジタル送信部63に送られる。
【0026】異常診断装置10は、異常監視装置20からオ
ンラインで送られてくる振動センサー21による情報に基
づき、異常診断用処理装置11内に知識ベースとして保存
された各種の判断基準により回転機30の異常診断を行う
ように構成されている。この振動センサー21による情報
は、振動レベル、振動周波数帯域(振動速度と振動加速
度との変化比率)、振動方向、振動の上昇形態(振動速
度および振動加速度の上昇形態)の四つの振動情報と、
その他の運転条件変更の有無、変更内容、吐出圧力の状
況、電流値の状況の四つの運転情報と、音の状況、潤滑
油の状況の二つの五感情報との合計十個の情報である。
この際の診断経過、診断結果等は表示手段41でオペレー
ターに告知される。異常診断用処理装置11内には、特
に、回転機30の各異常原因に対応した振動速度および振
動加速度および振動方向の三因子の変化パターンが予め
入力されて記憶されている。これらの各異常原因に対応
した三因子の変化パターンと前述した振動センサー21か
ら得られる振動情報とを照合して、回転機30の異常原因
を推定する。
【0027】例えば、振動周波数帯域による分別では、
アンバランス異常やミスアライメント異常等の場合、振
動センサー21から低周波の加速度信号が出力され、この
出力はアンプ51で増幅される。この場合の出力は、ロー
パスフィルタ57は通過できるが、ハイパスフィルタ52は
通過できない。このため、ローパスフィルタ57を通った
出力が速度変換部58で積分されて速度信号となり、第2
の平均値処理部60の出力が大きくなる。つまり、振動速
度のレベルは大きくなるが、振動加速度のレベルは低
い。一方、ベアリング異常等の場合には、振動センサー
21から高周波成分の多い加速度信号が出力され、この出
力はアンプ51で増幅される。この場合の出力は、前述の
アンバランス異常等の場合とは逆に、ハイパスフィルタ
52は通過できるが、ローパスフィルタ57は通過できな
い。このため、ハイパスフィルタ52を通った第1の平均
値処理部54の出力が大きくなる。つまり、振動加速度の
レベルは大きくなるが、振動速度のレベルは低い。この
ように、異常診断装置10では、各異常原因と振動周波数
帯域との対応により異常診断できる。
【0028】また、振動方向別の大きさによる分別で
は、ミスアライメント異常等の場合、軸方向(図1中X
方向)の振動レベルが、水平方向(図1中Y方向)の振
動レベルよりも大きくなることが多い。一方、ガタや接
触異常の場合、垂直方向(図1中Z方向)の振動レベル
が、水平方向(図1中Y方向)の振動レベルよりも大き
くなる。このように、異常診断装置10では、各異常原因
と各振動方向別の振動レベルの大小との対応により異常
診断できる。
【0029】さらに、振動の変化経緯(傾向)による分
別では、各振動値(振動速度および振動加速度の大き
さ)が短期間に急上昇したものか、長期に渡って緩やか
に上昇したものか等を考慮して異常原因を推定する。な
お、異常監視装置20は、長期(例えば、最大十年間)に
渡って各振動値を保存可能となっている。つまり、ベア
リング部の潤滑不良の場合には、各振動値は急上昇する
ことが多い。一方、接触異常の場合には、接触が始まる
と各振動値は増減を繰り返しながら徐々に上昇していく
傾向がある。このように、異常診断装置10では、各異常
原因と振動の変化経緯(傾向)との対応により異常診断
できる。
【0030】このような本実施例においては、以下のよ
うに回転機の異常診断をする。
【0031】先ず、通常時においては、切替えスイッチ
40により異常監視用処理装置22と表示手段41とを接続
し、異常監視装置20で回転機30の運転状態を常時監視す
る。この際には、表示手段41は監視用表示手段として機
能し、オペレーターには監視用のモニタリング表示が示
される。一方、異常発生時には、異常監視装置20はアラ
ームを発報するとともに、表示手段41にもその旨を表示
する。異常監視装置20で異常を確認したオペレーター
は、その後の対応をとるために切替えスイッチ40を切り
替えて異常診断用処理装置11と表示手段41とを接続し、
異常診断装置10で振動原因を推定する。この際には、表
示手段41は診断用表示手段として機能し、オペレーター
はこの表示を見ながら必要に応じて対話形式で回転機30
の異常診断を進めていく。
【0032】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、異常診断装置10は、回転機30の
振動速度および振動加速度および振動方向の少なくとも
三因子を含む変化パターンと回転機30の異常原因とを予
め対応させて記憶している。このため、異常発生時に振
動センサー21から得られる検出信号とこれらの三因子の
変化パターンとを照合して回転機30の異常診断を行うこ
とができる。そして、この際の異常診断は振動速度およ
び振動加速度および振動方向の少なくとも三因子を併せ
て考慮した異常診断であるので、従来に比べてより正確
な異常診断を行うことができる。
【0033】また、異常監視装置20では、振動センサー
21の加速度信号出力を二分岐する。その一方の出力を平
均値処理部54で平均値処理する。二分岐した他方の出力
を速度変換部58で積分して速度信号に変換し、この速度
信号を平均値処理部60で平均値処理する。このため、異
常診断装置10での診断に必要な情報である振動速度およ
び振動加速度等の振動情報を容易に得ることができる。
【0034】さらに、これらの振動速度および振動加速
度等の振動センサー21から得られる検出信号は、オンラ
インで異常診断装置10内に取り込まれる。このため、診
断実行時に異常監視装置20により得られた異常時の情報
等をオペレーターが異常診断装置10に手入力する等の手
間を解消することができるうえ、誤入力による誤診断の
おそれも回避することができる。したがって、使い勝手
が良く、実用的な異常診断装置10とすることができる。
【0035】また、表示手段41は、異常監視装置20と異
常診断装置10とに共有され、切替えスイッチ40により切
替え選択可能になっているので、オペレーターが監視と
診断とを一連の作業として行うことができる。さらに、
この表示手段41の共有化により、プラントの計器室内に
おける設置スペースを削減することができるうえ、設備
費用も削減できる。
【0036】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。
【0037】すなわち、前記実施例では、異常監視装置
20の振動センサー21により得られる各種の振動情報は、
異常診断装置10にオンラインで自動的に伝送されるよう
になっているが、その他の運転情報や五感情報もオンラ
インで自動的に異常監視装置20から異常診断装置10に伝
送するようにしてもよい。また、これらの異常診断に必
要な振動情報、運転情報、および五感情報は、オペレー
ターによる手入力(オフライン方式)で異常診断装置10
に入力してもよい。さらに、前述のオンライン方式とオ
フライン方式とを組み合わせ、異常監視装置20からのオ
ンライン情報のみでは診断情報が不足する場合にオペレ
ーターによる手入力で情報を補うようにしてもよい。し
かし、これらの異常監視装置20と異常診断装置10との間
の情報伝達は、オンライン方式で行われることが望まし
く、そうすることでオペレーターの情報入力作業の手間
を解消することができる。
【0038】また、前記実施例では、表示手段41は、異
常監視装置20と異常診断装置10とに共有され、切替えス
イッチ40により切替え選択可能になっているが、異常監
視装置20と異常診断装置10とにそれぞれ別々に表示手段
が設けられていてもよい。しかし、表示手段41は共有化
しておくことが好ましく、そうすることでオペレーター
が監視と診断とを一連の作業として行うことができるう
え、プラントの計器室内における設置スペースや設備費
用を削減することもできる。
【0039】さらに、前記実施例では、異常診断装置10
は、振動センサー21による情報である振動レベル、振動
周波数帯域(振動速度と振動加速度との変化比率)、振
動方向、振動の上昇形態(振動速度および振動加速度の
上昇形態)の四つの振動情報と、その他の運転条件変更
の有無、変更内容、吐出圧力の状況、電流値の状況の四
つの運転情報と、音の状況、潤滑油の状況の二つの五感
情報との合計十個の情報に基づき異常診断を行う構成と
したが、これらの情報の全てを用いて診断を行う必要は
ない。要するに、少なくとも振動速度および振動加速度
および振動方向の三因子により異常診断が行われればよ
い。
【0040】また、前記実施例では、振動センサー21は
加速度ピックアップとなっているが、異常診断装置10で
の異常診断に必要な振動速度および振動加速度および振
動方向の情報を得ることができれば、いずれのタイプの
センサーを用いてもよい。例えば、ギャップセンサー等
を用いてもよく、あるいはギャップセンサーと加速度ピ
ックアップとを組み合わせて用いてもよい。さらに、こ
れに伴い、異常監視装置20内の端末制御部50の構成も図
2に示したハイパスフィルタ52、平均値処理部54、ロー
パスフィルタ57、速度変換部58、第2の平均値処理部60
等を有する構成である必要はない。要するに振動速度お
よび振動加速度および振動方向の情報を得ることができ
るように設けられた各種センサーに対応した構成であれ
ばよい。
【0041】また、前記実施例では、回転機30は横型遠
心ポンプ31およびモーター32等により構成されている
が、本発明の診断対象は、回転機であれば大小を問わず
いずれのものであってもよく、例えば発電機、水車、ポ
ンプ水車、タービン等であってもよく、工作機械のロー
タ等の回転部分であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
振動速度および振動加速度および振動方向の少なくとも
三因子の情報に基づいて異常診断を行うので、回転機の
異常発生時にオペレーターに正確な情報を提供し、適切
な指示を与えることができるうえ、例えば監視用表示手
段と診断用表示手段とを一体化することで、設備費用や
設置スペースを削減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】前記実施例の要部を示す詳細構成図である。
【符号の説明】
10 異常診断装置 11 異常診断用処理装置 20 異常監視装置 21 振動センサー 22 異常監視用処理装置 30 回転機 40 切替えスイッチ 41 表示手段 50 端末制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−154059(JP,A) 特開 平5−72026(JP,A) 特開 平4−198729(JP,A) 特開 平3−233340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 17/00 G01M 19/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機の振動速度、振動加速度および振
    動方向の三因子を含む変化パターンと前記回転機の異常
    原因とを予め対応させて記憶しておき、前記回転機の振
    動を検出する振動センサーから得られる検出信号と前記
    変化パターンとを照合して異常監視をし、この異常監視
    により前記振動センサーから得られた検出信号と照合し
    た前記変化パターンに対応する前記回転機の異常原因を
    認識して異常診断する回転機の異常診断方法であって、 前記 振動センサーから得られる検出信号は、前記振動セ
    ンサーの加速度信号出力を二分岐し、その一方の加速度
    信号出力を平均値処理し、二分岐した他方の加速度信号
    出力を積分して速度信号に変換して得られた速度信号を
    平均値処理したものであることを特徴とする回転機の異
    常診断方法。
  2. 【請求項2】 請求項に記載した回転機の異常診断方
    法において、 振動センサーの加速度信号出力をローパスフィルタおよ
    びハイパスフィルタを用いて二分岐し、 前記ローパスフィルタを通った出力を積分して速度信号
    に変換して得られた速度信号を平均値処理し、前記ハイ
    パスフィルタを通った出力を平均値処理することを特徴
    とする回転機の異常診断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の回転機の異常
    診断方法において、 異常監視により得られた情報を表示する監視用表示とこ
    の情報に基づいて異常診断用の表示をする診断用表示と
    を切換え選択可能に表示することを特徴とする回転機の
    異常診断方法。
  4. 【請求項4】 回転機の振動を検出する振動センサー
    と、 前記回転機の振動速度、振動加速度および振動方向の三
    因子を含む変化パターンと前記回転機の異常原因とを対
    応させて記憶し、前記振動センサーから得られる検出信
    号と前記変化パターンとを照合して異常監視をする異常
    監視用処理装置と、 この異常監視用処理装置により前記振動センサーから得
    られた検出信号と照合した前記変化パターンに対応する
    前記回転機の異常原因を認識して異常診断する異常診断
    用処理装置とを具備し、 前記 振動センサーにて得られる検出信号は、前記振動セ
    ンサーの加速度信号出力が二分岐され、分岐された一方
    の加速度信号出力を平均値処理するとともに、分岐した
    他方の加速度信号出力を積分して速度信号に変換して得
    られた速度信号を平均値処理したものであることを特徴
    とした回転機の異常診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の回転機の異常診断装置
    において、 振動センサーの加速度信号出力を二分岐するローパスフ
    ィルタおよびハイパスフィルタと、 前記ハイパスフィルタを通った出力を平均値処理する第
    1の平均値処理部と、 前記ローパスフィルタを通った出力を積分して速度信号
    に変換する速度変換部と、 この速度変換部にて変換された速度信号を平均値処理す
    る第2の平均値処理部とを具備したことを特徴とした回
    転機の異常診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の回転機の異常
    診断装置において、 異常監視用処理装置にて得られた情報による監視用表示
    および異常診断装置にて前記監視用表示の情報に基づい
    て得られた診断用表示とを切換え選択可能に表示する表
    示手段を具備したことを特徴とした回転機の異常診断装
    置。
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