JP3255773B2 - 難接着材料の前処理方法 - Google Patents

難接着材料の前処理方法

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JP3255773B2
JP3255773B2 JP21025493A JP21025493A JP3255773B2 JP 3255773 B2 JP3255773 B2 JP 3255773B2 JP 21025493 A JP21025493 A JP 21025493A JP 21025493 A JP21025493 A JP 21025493A JP 3255773 B2 JP3255773 B2 JP 3255773B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被着体の前処理方法、
詳しくは、ポリオレフィン等の難接着材料の接着性を向
上させることのできる被着体の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは、低級オレフィンのポ
リマーと高級オレフィンのポリマーの二つに大別され
る。低級オレフィンのポリマーとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンが代表的であるが、これらは物理的
性質に優れ、加工が容易で用途が広いため、射出成型し
て車のバンパー、食品容器、パイプ等に、また、紡糸し
てタイヤコード等に汎用されている。また、高級オレフ
ィンとしては、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル
ペンテン)等が挙げられる。これらの高級オレフィン
は、機械強度、誘電特性に優れ、強い酸化剤以外には反
応せず、加工が容易で繊維、フィルム、射出成型等を行
うことが可能である。こうした特性を持つポリオレフィ
ンは、近年、軽量化の要請から自動車用部品、構造材あ
るいは建材等としての使用が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ンは、ポリマー中に極性置換基がないために染色性が悪
く、また、極性が低いために金属や他のプラスチックに
対する吸着性が乏しいといった欠点がある。特に、単独
で成形、使用をせず、例えば自動車部品としてのシート
クッションカバーやバンパー等の複合構造材料のよう
に、プラスチック、金属等と接着させて使用する場合に
この接着性の悪さが問題となる。接着は、界面現象であ
り、接着剤によって被着体の表面が濡れることが必須で
ある。従って、接着力の強さは、被着体の表面の濡れの
程度によって異なることになる。
【0004】ポリオレフィン等の低極性ポリマーをポリ
ウレタン系接着剤を用いて接着する場合を考えてみる。
これらの低極性ポリマーでは、その表面には金属の酸化
皮膜におけるような付着水は存在しないことから、この
ままではポリウレタン接着剤のNCOとは反応しえな
い。ポリオレフィンは酸処理を行っても、その表面に酸
化皮膜や極性基等を形成させることができない。このた
め、ポリオレフィンを接着させる場合には、酸処理等の
湿式処理では表面酸化が極めて不十分となるため、各種
の乾式処理、例えば、プラズマや紫外線(UV)の照射
等を行って表面を酸化させ、その表面に極性基をもたせ
てファン・デル・ワールス力や水素結合が働くようにす
る処理が行われてきた。しかし、これらの処理のみでは
ポリオレフィン表面の酸化は不十分であり、極性基ある
いは官能基が十分には形成されないため、接着強度が不
足する場合があり、接着性のさらなる向上が望まれてい
た。我々は、すでに特願平4−283109号公報で被
着体表面に光重合開始剤を塗布し、紫外線照射後イソシ
アネート成分を含有するプライマーを塗布するという被
着体の前処理方法を開示している。ここでは、通常の接
着力については著しい向上が認められたが、耐水接着等
においては接着力が十分でない場合もあった。
【0005】
【発明を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
ポリイソシアネート系接着剤でポリオレフィン等の難接
着材料を接着させる接着方法についての研究を重ね、本
発明を完成するに至った。本発明は、前処理用組成物を
被着体表面に付着させ、紫外線を照射後に、プライマー
を塗布して、難接着性材料を接着する方法を提供する。
【0006】すなわち、第一の発明は、被着体の被着面
に水酸基を有しない光重合開始剤と蛍光染料を含む前処
理用組成物を付着させた後に、紫外線を照射し、その後
イソシアネート成分を含むプライマーを塗布することを
特徴とする被着体の接着のための前処理方法である。第
二の発明は、被着体の被着面に水酸基を有しない光重合
開始剤を含む前処理用組成物を付着させた後に、紫外線
を照射し、その後蛍光染料とイソシアネート成分を含む
プライマーを塗布することを特徴とする、被着体の接着
のための前処理方法である。ここで、第一、第二の発明
で使用される前処理用組成物中の前記水酸基を有しない
光重合開始剤の含有量は、0.5〜50重量%であるこ
とが好ましく、また、前記前処理用組成物あるいはプラ
イマーのいずれかに添加される蛍光染料の含有量は0.
01〜2重量%であることが好ましい。
【0007】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の前処理方法を用いる被着材は、ポ
リオレフィン等の低極性のものであり、具体的には、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ−1−ブテ
ン樹脂、ポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂等が好ま
しい。
【0009】本発明の前処理用組成物に配合される光重
合開始剤は、広義には、光を吸収して直接分解するか、
あるいは光で励起されてそれが単量体または適当な電子
供与体、電子受容体などと相互作用して、重合の開始に
有効な一次ラジカルを生成し、重合を開始させるような
物質をいい、光分解型光重合開始剤と光励起型光重合開
始剤とに分けることができる。光重合開始剤による重合
は、前記いずれの光重合開始剤を用いてもラジカル重合
で進行する。一次ラジカルは、光分解あるいは励起状態
の分子が炭化水素から水素原子を引き抜いて炭化水素ラ
ジカルを生じることで発生する。一次ラジカルの発生
後、ラジカルが不飽和結合に付加するラジカル付加、あ
るいは水素引き抜きによって重合が進行する。本発明に
係る光重合開始剤は、水酸基を有さないものであれば、
光分解型開始剤、光励起型開始剤のいずれであってもよ
い。
【0010】光分解型の開始剤としては、分子内に
【化1】 (ここで、R1 〜R4 は、水素、アルキル基、またはア
リール基を表す。)のような骨格を有するものが代表的
である。
【0011】具体的には、2,2−ジエトキシアセトフ
ェノン、ベンジルメチルケタール、ベンジル−β−メト
キシエチルアセタール、ベンゾイン(2−フェニル−2
−ヒドロキシアセトフェノン)、ベンゾインアルキルエ
ーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノ
ン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル
−プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン等を挙げることができる。ベンジルメチル
ケタール、ベンゾインアルキルエーテル等が特に好まし
い。
【0012】光励起型の光重合開始剤としては、分子内
【化2】 (ここで、R1 〜R8 は、水素、アルキル基、アリール
基、またはハロゲン原子、l〜rは0〜5の整数を表
す。)のような骨格を有するものが代表的である。
【0013】具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾ
イル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェ
ノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、
アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、
p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−t−ブ
チルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メ
チルチオキサントン、クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、α,α−ジクロロ−4−フェ
ノキシアセトフェノン等を挙げることができる。ベンゾ
フェノン、チオキサントン、4,4’−ジクロロベンゾ
フェノン、クロロチオキサントン等が特に好ましい。
【0014】このような光重合開始剤は、溶剤に溶解さ
せ、この溶液で被着体表面を処理することが可能であ
る。
【0015】本発明の前処理用組成物で使用可能な溶剤
は、光重合開始剤を溶解することができるものから適宜
選択する。具体的には、ベンゼン、キシレン、トルエン
などの芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メ
タノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコ
ール類を挙げることができる。
【0016】本発明の前処理用組成物に配合される光重
合開始剤は、通常、溶剤を100重量%としたときに
0.5〜50重量%程度溶解される。1〜20重量%の
範囲で溶解することが好ましい。
【0017】本発明の前処理用組成物またはプライマー
には、蛍光染料を添加する。また、前処理用組成物とプ
ライマーの両方に蛍光染料を添加してもよい。蛍光染料
を添加することにより、初期接着が向上する。前処理用
組成物に添加した場合には、プライマーに添加した場合
に比べて初期接着の向上が著しい。一方、カーボンをプ
ライマー中に配合した場合には、蛍光染料を前処理用組
成物に添加しても、プライマーに添加しても耐水接着は
向上する。この場合には、蛍光染料をプライマーに添加
した場合に耐水接着性の向上が大きい。ここで添加され
る蛍光染料は、構造によって限定されるものではない
が、具体的には、7−アミノ−4−トリフルオロメチル
クマリン、7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフ
ルオロメチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−トリ
フルオロメチルクマリン等のクマリン類、リーデル・デ
・ハーエン社製のルミルックスなどのベンゾオキサジン
誘導体、日本化薬社製のカヤライト等のオキサゾール類
の化合物等が挙げられる。
【0018】本発明の前処理用組成物に添加する蛍光染
料は、通常、前処理用組成物の総量を100としたとき
に、接着力の強化を生じさせ、かつ蛍光染料自体が沈降
を生じない範囲である0.01〜2重量%の範囲で添加
し、溶剤中に溶解させる。特に、0.1〜1重量%の範
囲が好ましい。この理由は、溶剤への溶解性の点から過
剰量では沈殿を生じるためである。
【0019】本発明のプライマーは、上記蛍光染料を含
有する場合もしない場合も、イソシアネート化合物等を
含有する。ここで、イソシアネート化合物としては、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレ
ンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI)、水素添加(水添)MDI、水
添TDI、水添XDI、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、芳香族脂肪族ポリイソシアネート、芳香
族ポリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート、トリス−p−イソシアネートフェニルチオフ
ォスフェート等やこれらを適宜組み合わせて混合したも
のが挙げられる。特に、MDI、トリス−p−イソシア
ネートフェニルチオフォスフェート及び芳香族イソシア
ネートを組み合わせたものが好ましい。
【0020】蛍光染料は、前記前処理用組成物に配合さ
れると同様のクマリン系、ベンゾオキサジン誘導体、オ
キサゾール系の化合物であればよい。特に、クマリン系
の化合物が好ましい。その含有量は0.01〜2重量%
であることが好ましい。
【0021】本発明のプライマー中に前記蛍光染料を含
有する場合のイソシアネート化合物に対する蛍光染料の
量比は、イソシアネート成分及び蛍光染料の種類等に応
じて適宜設定することが可能である。プライマーを10
0としたときに、蛍光染料の添加量は0.01〜2重量
%であり、0.1〜1重量%の範囲であることが好まし
い。この理由は、蛍光染料の溶剤への溶解性の点から過
剰量では沈殿を生じるからである。
【0022】本発明のプライマーには、イソシアネート
基に対して不活性である各種の溶剤を配合することが可
能である。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、アセトン、トルエン等が好ましい。溶剤の配合量
は、イソシアネート化合物の種類等によって適宜決定さ
れ、イソシアネート成分100重量部に対して、500
〜1000重量部程度が好ましい。
【0023】また、本発明のプライマーは、耐水接着を
向上させるためにカーボンを配合することが可能であ
る。あまり多量のカーボンを配合すると、プライマー中
でのカーボンの均一分散ができなくなり、また混練中に
目詰まり等を起こして故障の原因となるため、カーボン
の配合量は、イソシアネート成分100重量部に対して
50〜200重量部程度が好ましい。
【0024】本発明で使用するプライマーには、任意成
分として各種の触媒を添加することが可能である。触媒
としては、トリエチレンジアミン、ペンタメチレンジエ
チレントリアミン、モルフォリン系アミン、トリエチル
アミン等のアミン系触媒、オクチルチンジジラウレー
ト、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート
等の錫系触媒が挙げられる。
【0025】本発明で使用するプライマーにおいては、
良好な作業性を得るために、ポリエステルポリウレタン
樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂等のウレタン樹
脂、あるいはポリエステル樹脂等を配合することができ
る。これらの樹脂の配合量は、通常、イソシアネート化
合物100重量部に対して10〜30重量部程度であ
る。
【0026】さらに、プライマーの安定性を確保するた
めに、イソシアネート基に対して不活性な合成ゼオライ
ト等の乾燥剤を配合することも可能である。
【0027】上記のような本発明の前処理用組成物及び
プライマーは、いずれも、各成分を十分に混合できる各
種の公知の装置を使用して混合、調整することが可能で
あり、ボールミル等を使用することが好適である。
【0028】前処理方法としては、被着体の被着面を、
好ましくはサンドペーパー等でサンディングして被着体
表面に存在する非付着面と前処理用組成物のなじみをよ
くした後に、本発明の前処理用組成物を被着体表面に、
10〜100g/m2 塗布、ハケ塗り等し、乾燥させ
る。次いで、紫外線を照射した後に、プライマーを塗布
し、プライマー上に接着剤を塗布して、被着体を接着す
る。
【0029】本発明で行う紫外線照射は、それ自体公知
の装置を用いることが可能である。例えば、水銀ランプ
(低圧、中圧、高圧、超高圧)、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ等を用いて行う。紫外線の被着面へ
の照射量は、通常、0.1J/cm2 以上、特に0.5
〜10J/cm2 とするのが好ましい。
【0030】本発明においては、前記前処理用組成物で
被着面を処理し、乾燥後に紫外線を照射し、その後プラ
イマーを塗布するが、この塗布は公知の方法で行うこと
が可能である。例えば、本発明のプライマーをスプレー
等によって塗布後、放置し乾燥するといった方法であ
る。被着面へのプライマーの塗布量は、光重合開始剤及
び蛍光染料の種類にもよるが、通常10g/m2 以上、
好ましくは、10〜100g/m2 程度が好ましい。
【0031】以上詳述した本発明の前処理用組成物とプ
ライマーを用いて被接着面に前処理が施された被着体
を、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系等の接着剤を
用いて、それ自体公知の方法で接着することが可能であ
る。本発明に用いる接着剤は、好ましくは、ダイレクト
グレージングに用いることができる接着剤である。
【0032】被着体と接着剤を介して接着される材料
は、被着体と同じものであってもよいが、ゴム、プラス
チック等のウレタン系接着剤に接着されやすいものを用
いる場合が多い。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、これらに限られるものではない。
【0034】以下の被着体、前処理用組成物、プライマ
ーおよびウレタン系ダイレクトグレージング用接着シー
リング剤を使用して、以下の剥離試験用試験片を作成
し、以下の剥離試験を行って、本発明の前処理用組成物
とプライマーと、従来のプライマーのみを使用した場合
の接着力を比較した。 (1)使用した被着体は、ガラスファイバーを40重量
%含有するGF強化ポリプロピレンシート(3mm厚)
から、10.0cm x 2.5cm角として使用し
た。
【0035】(2)表2に示した前処理用組成物、プラ
イマーを用いて、試験片を作成した。前処理用組成物
は、光重合開始剤と溶剤を含む前処理用組成物と、光重
合開始剤と蛍光染料及び溶剤を含む前処理用組成物の二
種類を調整した。光重合開始剤は、チバガイギー社製の
イルガキュア651の10%イソプロパノール溶液を、
蛍光染料は日本化薬社製のカヤライトFG(オキサゾー
ル系化合物)を表2の組成で添加した。
【0036】イソシアネートとしては、バイエル社製の
デスモジュールRFEを、溶剤は酢酸エチルを、カーボ
ンは旭サーマル社製のサーマルカーボンを、乾燥剤は合
成ゼオライトを、触媒は錫系触媒を、ウレタン樹脂はD
IC社製のパンデックスを配合し、調整した。これらの
化合物をボールミルで6〜24時間混合し、それぞれ前
処理用組成物及びプライマーを得た。
【0037】1)蛍光染料を添加する場合の、前処理用
組成物またはプライマー総量に対する最適添加量(重量
%)を検討した。蛍光染料としては、オキサゾール系の
カヤライトFGを使用した。結果を表1に示す。
【0038】 表 1 ───────────────────────────────── 蛍光染料の添加量 0 1 2 3 4 (重量%) ───────────────────────────────── 沈殿の有無 無 無 無 有 有 ─────────────────────────────────
【0039】表1より、添加量が3〜4重量%以上にな
るとカヤライトFGが溶解しなくなり、沈殿が観察され
た。従って、本発明例では0.01〜2重量%を使用し
た。 2)接着方法については蛍光染料の添加時で分け、紫外
線照射前に使用する前処理用組成物に蛍光染料を添加す
る第一の接着方法をプレ添加法、紫外線照射後に使用す
るプライマーに添加する第二の接着方法をポスト添加法
として、以下に示す手順で接着させて凝集破壊試験用試
験片を作成した。まず、被着体表面を#180〜250
のサンドペーパーを用いてGF強化ポリプロピレンの表
面をサンディングし、被着体表面に形成されている非付
着層を除去した。次に、前処理用組成物で被着体の被着
面を処理し、乾燥させて溶媒を揮発させた。その後、被
着体表面に紫外線ランプで紫外線を1J/cm2 照射し
た。紫外線照射後に、プライマーを塗布し、再び室温で
乾燥させた。その後、ダイレクトグレージング用のウレ
タン系接着シーリング剤を用いて被着体とウレタン系ゴ
ムとを接着し、硬化させた。
【0040】3)このようにして得た試験片について、
凝集破壊試験は、以下の二条件で行った。初期凝集破壊
は、上記のように作成した試験片を20℃、標準湿度状
態65%で7日間おき、手剥離して被着体の接着面にお
ける残存率を測定した。耐水凝集破壊は、上記のように
作成した試験片を20℃、標準湿度状態65%で7日間
おいた後、さらに40℃の温水に10日間浸漬し、手剥
離して被着体の接着面における残存率を測定した。
【0041】(実施例1) (1)ポスト添加法を用いた場合の接着力の比較 本発明例1〜3の試験片は、表2に示す前処理用組成物
とプライマーをそれぞれ用い、その他の条件は前述のよ
うにして作成し、凝集破壊試験を行った。比較例1の試
験片は、表2に示す前処理用組成物プライマーを用い、
その他の条件は前述のようにして作成し、凝集破壊試験
を行った。比較例2の試験片は、表2に示す前処理用組
成物とプライマーを用い、紫外線照射は行わず、その他
の条件は前述のようにして作成し、凝集破壊試験を行っ
た。結果を、表2に示す。表2に示された結果を初期接
着力で比較すると、蛍光染料を添加した本発明例1〜3
では、いずれも良好な初期接着力を示した。添加した蛍
光染料による接着力の相違を見ると、本発明例1〜3の
凝集破壊試験結果から明らかなように、カヤライトFG
>カヤライトB>カヤライトOSの順に接着強度が低下
した。一方、蛍光染料を含まない前処理用組成物及びプ
ライマーを用いて作成した比較例1では、初期接着にお
ける残存率も耐水接着における残存率も、共に0%であ
った。また、蛍光染料を添加したプライマーを用い、紫
外線照射をせずに作成した比較例2においても、初期接
着における残存率及び耐水接着における残存率は共に0
%であり、紫外線照射なしでは、蛍光染料をプライマー
に添加しても接着は強固にならないことが示された。
【0042】(2)蛍光染料の添加量による接着力の比
較 紫外線照射と蛍光染料を添加したプライマーの塗布によ
って、初期接着強度が増大することが明らかになったの
で、使用した三種類の蛍光染料のうち最も初期接着にお
ける残存率の高かったカヤライトFGを使用して添加量
を変化させ、接着強度の変化を調べた。本発明例1及び
5におけるプライマーのイソシアネート成分に対するカ
ヤライトFGの添加量は2重量部、本発明例4及び6に
おけるカヤライトFGの添加量は10重量部とした。比
較例3の試験片は、表3に示す前処理用組成物プライマ
ーを用い、他の条件は前述のようにして作成した。比較
例4の試験片は、表3に示す前処理用組成物とプライマ
ーを用い、他の条件は前述のようにして作成した。結果
を表3に示す。表3において、本発明例1および4の凝
集破壊試験結果から明らかなように、蛍光染料の添加量
が増加するにつれて初期接着強度は増大していたが、耐
水接着強度にはほとんど変化がないことが示された。
【0043】(3)カーボンの配合効果 次に、蛍光染料を配合したプライマーに、カーボンを配
合したときに耐水接着強度がどのように変化するかを調
べた。結果を表3に示す。表3に示された本発明例5お
よび6の結果から、初期接着強度は蛍光染料の添加量の
少ない本発明例5で若干高くなっていたが、耐水接着に
おける残存率はいずれにおいても75%以上と著しく強
化されており、カーボンを配合すると耐水接着強度が上
がることが示された。また、表3に示す本発明例1と本
発明例5は、いずれも蛍光染料の添加量が少ないが、こ
れらを比較するとカーボンの配合によって耐水接着強度
ばかりでなく、初期接着力も強化されていることが示さ
れた。さらに、カーボンを配合しても紫外線を照射して
いない比較例4では、初期接着、耐水接着における残存
率ともに0%であった。紫外線を照射し、カーボンを配
合した比較例3の残存率は、初期接着における残存率が
45%、耐水における残存率が5%であったことから、
カーボンの配合と紫外線照射の組合せによって初期接着
力が大きく改善されることが明らかになり、また、耐水
接着力の改善には、蛍光染料が不可欠であることが明ら
かになった。
【0044】(実施例2)蛍光染料を紫外線照射の前に
使用する前処理組成物に添加したプレ添加法と、紫外線
照射の後に使用するプライマーに添加したポスト添加法
における接着力の強化の相違を検討した。蛍光染料の添
加量は、プレ添加法で0.2重量%、ポスト添加法で
0.2重量%とした。結果を表4に示す。 (1)プレ添加法における効果 表4に示したように、ポスト添加法による本発明例1
と、プレ添加法による本発明例7を比較すると、初期接
着における残存率はプレ添加法で98%、ポスト添加法
では80%とプレ添加法で接着した方が高くなってい
た。しかし、耐水接着における残存率ははいずれも0%
であった。初期接着において高い残存率を示したプレ添
加法とカーボンを併用すると、初期接着における残存率
には変化がなく、耐水接着における残存率は30%まで
増加した。 (2)ポスト添加法における効果 しかし、表3に示したように、ポスト添加法とカーボン
を併用した場合には、耐水接着における残存率が75%
または95%まで改善されており、ポスト添加法とカー
ボンの併用効果の方が大きいという結果が示された。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】水酸基を有しない光重合開始剤と蛍光染
料を含む前処理用組成物を塗布し、紫外線を照射後にイ
ソシアネート化合物を含むプライマーを使用した場合、
及び、水酸基を有しない光重合開始剤を含む前処理用組
成物を塗布し、紫外線を照射後に蛍光染料とイソシアネ
ート化合物を含むプライマーを使用する場合は、これら
の組成物中に蛍光染料が含まれない場合に比べて、初期
接着力が改善された。また、蛍光染料とカーボンを併用
することにより、耐水接着力も大きく改善された。さら
に、蛍光染料を配合する場合には、プレ添加法よりもポ
スト添加法を採用した場合に効果が大きかった。本発明
の接着用前処理方法を用いることによって、難接着性材
料であるポリプロピレン等のポリオレフィンをウレタン
系ゴムと強固に接着させることが可能となった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−185654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被着体の被着面に水酸基を有しない光重合
    開始剤と蛍光染料を含む前処理用組成物を付着させた
    後、紫外線を照射し、その後イソシアネート成分を含む
    プライマーを塗布することを特徴とする被着体の接着用
    前処理方法。
  2. 【請求項2】被着体の被着面に水酸基を有しない光重合
    開始剤を含む前処理用組成物を付着させた後、紫外線を
    照射し、その後蛍光染料とイソシアネート成分を含むプ
    ライマーを塗布することを特徴とする被着体の接着用前
    処理方法。
  3. 【請求項3】前記水酸基を有しない光重合開始剤の含有
    量が0.5〜50重量%であり、前記蛍光染料の含有量
    が0.01〜2%である前記前処理用組成物または前記
    プライマーを使用することを特徴とする請求項1または
    2に記載の被着体の接着用前処理方法。
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