JP3254068B2 - 真珠核材料用結晶化ガラスとその製法 - Google Patents

真珠核材料用結晶化ガラスとその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良質な真珠を歩留まり
良く生産することが出来る真珠の核材料に関するもので
ある。更に詳しくは、本発明は、特定組成の酸化物及び
弗化物から成る出発物質からガラスマトリックス相中に
主として四珪化フルオロマイカの結晶相を析出させたこ
とを特徴とする真珠相形成能などに優れた真珠の核材料
を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】真珠は、アコヤ貝を始めとする二枚貝の
体内で生理的に作られるものであり、特に養殖真珠にお
いては、母貝の生殖腺内にピース(母貝外套膜小片)及
び人為的に選ばれた材料を核として挿入し、一定期間飼
養し、母貝の代謝分泌による生産物質を核の表面に真珠
層として形成させることで製造されるものである。従っ
て、良質な真珠を歩留まり良く生産するには、母貝に挿
入する核材料の選択が極めて大切である。
【0003】養殖真珠においては、下記のような条件を
満足する材料が要求されている。 (1)経済的条件 品質が均一であり、様々なサイズを大量安価に供給可能
であること。 (2)生理的条件 母貝の生体に挿入しても母貝の代謝分泌等に問題がない
こと。より具体的には、以下の条件が満足させることが
好ましい。 (a) 生体活性が良いこと。 (b) 表面平滑性が良いこと。 (c) 生体無害性を有すること。 前記(a) は短期間で、真珠層が形成され易いこと、また
前記(b) 〜(c) は母貝に有害な刺激や代謝分泌機能の低
下、即ち母貝の死滅や脱核が無く、高品質な真珠生産の
歩留まりが良いことに通じるものである。
【0004】(3)材料物性的条件 核の生産性、生産された真珠の加工性や商品性に優れる
こと。より具体的には、以下の条件が満足されることが
好ましい。 (a) 色調・透明性が良いこと。使用する核材料に色縞模
様がなく均一な白色半透光性を有し、色むらや透光性の
高い核材料を用いたときに生ずるギラの無い真珠が生産
可能であること。 (b) 構造に優れること。材料に壁開やクラックが無く、
核に成形加工する時に容易に高い表面平滑度や高い真球
度を有するものに加工することができ、核生産及び真珠
加工時の歩留まりが良いこと。 (c) 穿孔性が良いこと。ネックレス等の製作において、
真珠の穴あけ加工時に真珠層の亀裂・剥離が無く、加工
が容易であり歩留まりも良いこと。 (d) 化学耐性が良いこと。過酸化水素、アルコール類、
ケトン類、炭化水素系溶剤等に対する耐性が良く、真珠
加工時のシミ抜き化学処理に対して問題がないこと。 (e) 商品耐久性が良いこと。真珠層の環境条件や経年変
化による変色や脆化がなく、かつ真珠層の剥離が無く、
真珠としての商品の安定性が高いこと。 (f) 比重が天然核を使用した真珠に等しいこと。真珠の
流通取引において、現在、真珠は重量で取引されている
のが実体である。そして、その重量基準は、天然核(ド
ブ貝等の天然の貝殻を核としたもの。)を使用した真珠
の比重2.85±0.10が基準値に採用されている。
従って、人工核を開発する場合、前記した実体を反映さ
せることは重要な点である。
【0005】養殖真珠の核材料として、前記した諸条件
を満足する材料を開発しなければならないことはいうま
でもないことである。ここで、従来から提案されている
養殖真珠の核材料をみると、真珠養殖開拓初期には、鉛
の散弾、カラスミ、ケシの種子、ハードパラフィン、松
やに、グッタペルカ(天然のゴム様の樹脂)などを始め
として、銀、大理石、サンゴ、陶器等が種々試みられた
が、大正初期頃から貝殻で作られたものが最適と見なさ
れ、現在でも養殖真珠の核には、ドブ貝等から得られる
天然の貝殻を小球体に研磨したものが広く使用されてい
る。しかしながら、天然の貝殻からは均一な色調・構造
を持つ核を得ることが難しく、また大きさも天然貝殻の
厚みに制約され、10mm以上の核がほとんど得られない
のが現状である。しかも、世界中のドブ貝がこれまでの
乱獲により近年急速に減少・小型化しており、核材料の
高騰・小径化・品質低下が進んでいる。
【0006】前記した事情から、真珠養殖の分野では、
貝殻製の天然核に変えて人工に調製した成形体を核(人
工核、合成核)として使用する方法が試みられている。
例えば、この種の人工核として、下記に示すような種々
の方法が提案されている。
【0007】(1).合成樹脂を用いた核が提案されてい
る。しかしながら、合成樹脂製の核が、均一な色調を持
ち、様々なサイズを大量安価に供給できるものの、母貝
の生体に対する毒性、真珠加工時の穴あけが困難である
こと、シミ抜き化学処理に対する耐性が悪いこと、真珠
層の環境や経年変化による変色や脆化そして剥離が起り
やすいこと、比重の違い等の問題が多く、昭和33年9
月に全国真珠養殖漁業組合ではこの核を使用した真珠の
取扱いを除外している。
【0008】(2).練り核と言われる、合成樹脂に貝殻粉
末を含む各種フィラーを混合した材料を用いた核が提案
されている。例えば特開昭48−52594号公報は、
化学処理によって得られた軽質炭酸カルシウムの粉末1
0〜50部に対して、耐水性接着剤又は耐水性合成樹脂
を10部加え、造粒によって10mm以下の適宜な径と平
滑な真球を有する養殖真珠用の核の製造法を提案してい
る。なお、前記した合成樹脂核の提案において、真珠加
工時の穴あけが容易になり、毒性の弱い樹脂を用いるこ
とによって母貝に対する無害性が高められるとされてい
る。特に、特開昭63−219325号公報は、練り核
を用いた真珠において年月の経年変化と共に気温変動に
起因して真珠層が剥離し易く、穴あけ加工に際して真珠
層に亀裂が生じやすい原因が、核材料の線膨脹率にある
ことを見い出し、核材料の線膨脹率を0.5〜2.0×
10-5/℃の範囲に調整することにより解消できること
を示している。
【0009】(3).最近においては、セラミック質の材料
を核に用いる提案がなされている。例えば特開昭60−
259135号公報は、粒径0.1〜105μm の真珠
粉、サンゴ粉及び甲殻類の甲殻粉から運ばれる粉末20
〜100wt%と、粒径1〜100μm の炭酸カルシウム
0〜80wt%と、0〜20wt%の無機顔料を混合し、こ
れを温度400〜1500℃で加圧成形して得た粒径2
0mm以下の成形体を核に用いる有色真珠の養殖法を開示
している。
【0010】また、特公平2−12537号公報は、天
然核の資源的制約、特性上の制約に鑑みヌープ硬度50
〜250の快削性結晶化ガラスから成る真珠の核材料を
開示している。即ち、前記特公平2−12537号公報
の提案は、供給の安定性、品質の均一性、耐薬品性およ
び機械加工性の改善を図る目的で、真珠の核材料として
快削性結晶化ガラスを使用するものである。そして前記
提案は、結晶化ガラスの中で機械加工の客性の観点か
ら、特に鋸びき、穴あけ等が容易にできるものとしてヌ
ープ硬度に注目し、該ヌープ硬度が50〜250の快削
性の結晶化ガラスを使用するものである。より具体的に
は、前記提案は、快削性結晶化ガラスとして、 (i) 雲母成分であるアルミニウム、マグネシウム、アル
カリ金属、フッ素、ホウ素等の化合物を二酸化ケイ素と
ともに溶融し、熱処理によってガラス中に合成雲母の微
結晶を無作為に成長させ、ガラスとセラミックとからな
る等方性のもの、(注)なお、前記提案は、前記した結
晶化ガラスとして米国コーニング社製の「マコール」を
具体的に例示している。(注)前記説明では結晶化ガラ
スの正確な組成が不明であるが、本発明者らは該結晶化
ガラスの組成は、米国特許第3,689,293号、同
第3,732,057号、特開昭62−7649号公報
に開示されたものと同種のものであると考えている。 (ii) ガラスにケイ酸カルシウム、リン酸カルシウムの
ようなカルシウム化合物、マグネシウム化合物等を多量
に含ませて焼き固めたもの、を例示し、かつ、 (iii) SiO2 の含有量が、50重量%以下で、ヌープ
(knoop) 硬さが250以下の快削性結晶化ガラスが好ま
しいとしている。
【0011】
【本発明が解決しようとする問題点】前記したように、
真珠用の人工核として種々のものが提案されているにも
かかわらず、これらの人工核を用いた真珠が市場にほと
んど出ていないのが現状である。即ち、前記したように
天然核は問題を抱えているが、天然の貝殻を養殖真珠の
核に用いているのが現状である。その理由について、本
発明者らは、貝殻から作る核(天然核)が、まだ量的に
も十分確保され、価格の上からも問題がないという一面
が確かに存在するにせよ、人工核の開発において前記し
たような核材料に対する要求課題を技術的に十分に解決
していないためであると考えている。
【0012】本発明者らは、人工核を使用する上での未
解決の技術上の最大の課題は、生体無害性と生体活性を
考慮しつつ真珠層の形成速度(能)をいかに高く確保す
るかという点にあると考えている。そのためには、本発
明者らは、人工核の単なる機械的特性、例えば従来技術
の項で説明したように機械加工性(穴あけ加工特性)な
どを重視するのでなく、使用する人工核と母貝の生体系
との相互関係が十分に検討されなければならないと考え
ている。
【0013】本発明は、後述するように、結晶化ガラス
の成分組成、及び結晶構造との関連において、真珠層の
形成速度(能)を高めるためにカルシウムやリンなどの
金属イオンを母貝生態系に溶出させるという手段を採用
し、前記最大の課題を克服しようとするものである。本
発明により、特定組成の酸化物及び弗化物から成る出発
物質からガラスマトリックス相中に主として四珪化フル
オロマイカの結晶相を析出させ、生体活性因子のカルシ
ウムやリンなどの金属イオンを溶出しやすくしたことを
特徴とする真珠層の形成能はもとより、各種の要求特性
が満足される優れた真珠の核材料が提供される。そし
て、本発明により、既存の種々の真珠養殖法がそのまま
利用され、かつ短期間に品質が良く厚い真珠層を有する
良質な真珠が歩留まりよく生産することが可能となる。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は第1に、重量百分率が、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 ……………0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO………0.1〜13 % の組成範囲であって、ガラスマトリックス相中に主とし
て四珪化フルオロマイカ結晶相を析出させたことを特徴
とする真珠核材料用結晶化ガラスに関するものである。
【0015】また、本発明は第2に、重量百分率が、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 ……………0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO………0.1〜13 % の組成の酸化物、弗化物を出発原料とし、前記出発原料
を溶融して非結晶のガラスとし、次いで熱処理を行ない
平均粒径が2〜15μm の四珪化フルオロマイカ結晶相
をガラスマトリックス相中に重量百分率で40%以上析
出させることを特徴とする真珠核材料用結晶化ガラスの
製法に関するものである。
【0016】更に、本発明は第3に、特に平均粒径が2
〜15μm の四珪化フルオロマイカ結晶相をガラスマト
リックス相中に重量百分率で40%以上析出させたと
き、残余の60%以下のガラスマトリックス相の組成
が、重量百分率で、 SiO2 …………… 25〜75 % MgO …………… 0〜20 % F …………… 0〜12 % K2 O …………… 5〜30 % ZrO2 …………… 5〜35 % CaO …………… 0.1〜40% P2 5 …………… 0.1〜40% BaO及び/又はSrO……… 0.1〜20% となるようにしたことを特徴とする前記第1の発明に係
る真珠核材料用結晶化ガラスの製法に関するものであ
る。
【0017】以下、本発明の技術的構成について詳しく
説明する。まず、本発明の理解を助けるために、本発明
に至った過程を説明する。
【0018】本発明者らは、短期間に品質が良く、かつ
厚い真珠層を歩留まり良く形成させる核材料とは、母貝
の生体に挿入されたときに貝の代謝分泌を活性化させる
材料、いわゆる生体活性の良い材料であると考えた。
【0019】前記した考え方のもとに、本発明者らは特
公昭51−8970号公報、特開昭51−73019号
公報、特開昭57−191252号公報、特開昭60−
131849号公報、特開昭62−72540号公報な
どにみられる主要な構成成分をCaO,P2 5 とする
生体活性のある人工骨・人工歯根用及び歯科用結晶化ガ
ラス(主結晶相:酸素またはフッ素アパタイト)に着目
した。そして、これら材料を小球状に成形加工して母貝
の生体に人工核として挿入し、飼養した結果、従来の天
然核に対して短期間に品質が良く厚い真珠層を歩留まり
良く形成させることを見い出した。その理由は、前記材
料を人体に移入させた時と同じく、結晶化ガラス中のガ
ラスマトリックスから微量ではあるが挿入初期に真珠層
を形成させるのに十分なCa2+を始めとするイオンが従
来の天然核より早く溶出すること、これらイオンは核を
挿入した母貝生殖腺内で過飽和状態となり挿入した核材
料に早く沈着し短期間に真珠層を形成する、ものと考え
られる。この点は、従来の天然核においてもCa2+イオ
ンは溶出していることから裏付けられるし、前記材料に
おいて、Ca2+イオン以外のイオンも挿入初期に真珠層
の形成に効果的であることは明らかである。また、一般
の練り核や後述する生体活性の無いセラミックを用いた
核材料においては、穴あけ加工時に真珠層の亀裂や剥離
が生じるが、前記材料の場合はこれら亀裂や剥離が生じ
ない。その理由は前記真珠層の形成メカニズムを通して
人工核と真珠層が強固に接合しているためと考えられ
る。
【0020】次ぎに、本発明者らは、前述の特公平2−
12537号公報に開示されているヌープ硬度50〜2
50の快削性結晶化ガラス材料について試験した。前記
したように、該公報(特公平2-12537 号)は、ガラスに
珪酸カルシウム、燐酸カルシウムの様なカルシウム化合
物、マグネシウム化合物を多量に含ませて焼き固めた結
晶化ガラスを開示しているが、正確な組成が不明確では
あるものの試作試料を作って試験した結果、真珠形成能
は本発明のものと比較して格段に悪いものである。この
ことは、母貝の生殖腺内において挿入初期に真珠層を形
成させるのに十分なイオンが溶出しにくく短期間での真
珠層形成に効果が無いことを意味するものである。
【0021】また、該公報(特公平2-12537 号)に開示
の米国コーニング社のマコール(米国特許第3,689,293
号)、あるいはこれに類似する三井鉱山株式会社製のマ
セライト及びマセライトSP(関連技術は特開昭62-764
9 号公報、特開平1-115848号公報にに開示されてい
る。)のような快削性結晶化ガラスは、その主結晶相は
フルオロフロゴパイトであり、かつCa2+イオンなどの
生体活性イオンを溶出する原素を含有しないものであ
り、従来の天然核と比較して真珠層形成能が悪いもので
ある。なお、前記フルオロフロゴパイト結晶相を有する
ものは、不透光性のものであり、真珠に適さないものと
考えられる。以上のことから、特公平2-12537 号公報に
開示の材料は、単に機械加工性の観点から、所定のヌー
プ硬度を有する快削性の結晶化ガラスを開示しているに
すぎないものと認められる。
【0022】本発明者らの試験の対象になった前記主要
な構成成分としてCaO,P2 5を含有する結晶化ガ
ラスは、生体活性を有することから真珠層形成能が良い
ものの、それぞれピッカーズ硬度が約600以上、曲げ
強度も1200kgf /cm2 と高く、穴あけ加工が困難な
うえに比重もほとんどが3.00以上であり、色調も不
透明のものが多く、人工核材料としての条件を満足して
いないものである。
【0023】そこで、次のステップとして本発明者ら
は、機械加工性に優れるとともに色調が半透光性のもの
であるとして提案されている米国特許第 3,732,087号、
同第 4,4314,20号、同第 4,652,312号及び特開平5−1
94132号公報等に開示の構造物用あるいは歯科材料
用のマイカ系結晶化ガラス(主結晶相:四珪化マイカ)
に着目し試験してみた。即ち、これら材料を小球状に成
形加工して母貝の生体内に核として挿入し、飼養した。
その結果、これら材料は、固有的に前記米国コーニング
社のマコールと同様にCa+ イオンを含有しないので、
予想した通り従来の天然核と比較して真珠層形成能が悪
いことが判明した。更に、これら材料はビッカーズ硬度
が約400程度、曲げ強度も1500kgf/cm2 以上と高
く、穴あけ加工が真珠核として適当でないうえに、比重
もほとんどが2.70程度以下であり、人工核材料とし
て用いる条件を満足していないものである。
【0024】本発明者らは、前記した検討結果を踏まえ
て、次ぎのステップとして機械加工性に優れかつ色調が
半透光性である前記したものとは別のマイカ系結晶化ガ
ラスに、生体活性賦与成分としてCaO,P2 5 成分
を加えることにより母貝の代謝分泌を活性化させる機能
を与えて、従来の天然核に比べ短期間に品質が良く厚い
真珠層を歩留まり良く形成させることが出来るかどうか
を確認した。前記したマイカ系結晶化ガラスとしては、
歯科用結晶化ガラスとして特開昭62−108750公
報、特開平2−149447公報、特開平2−1538
39公報、特開平2−153840公報、特開平2−1
53841公報などに開示されているものがある。いう
までもないが、これらは前記したCaO、P2 5 など
の生体活性成分を含有するものである。その結果、前記
したマイカ系結晶ガラスは、真珠核として色調が悪いか
穴あけ加工が困難なものであり、比重も2.70程度で
あり、人工核材料に用いる条件を満足しないものである
ことが判った。
【0025】本発明は、前記したようにマイカ系結晶化
ガラスをベースにして、半透光性色調を維持しつつ真珠
核として穴あけ加工が容易であり、比重が2.85±
0.10程度になる生体活性の良いCaO、P2 5
有のマイカ系結晶化ガラスの研究により完成されたもの
であり、人工核材料に要求される全ての条件を満足する
結晶化ガラス組成、結晶構造及びその製法を提供するも
のである。以下、この点についてより詳しく説明する。
【0026】本発明者らは、生体活性の良いCaO、P
2 5 含有マイカ系結晶化ガラスについて鋭意研究を行
なった。その結果、生体活性を高めるためには、Ca
O,P2 5 などの生体活性イオンを放出する成分をガ
ラスマトリックス相中に存在させること、半透光性色調
を維持するためには、結晶化ガラスのマトリックス相中
に析出させるマイカ結晶相の粒径とそのマイカ結晶相に
対応したガラスマトリックス相の組成が重要な鍵を持つ
こと、真珠核の穴あけ加工を容易にするためには、その
マイカ結晶相の粒径と結晶化度が重要な鍵を持つこと、
比重を2.85±0.10程度にするためには、そのマ
イカ結晶種やガラスマトリックス相の組成が重要な鍵を
持つことをつきとめた。
【0027】即ち、真珠核材料に適した半透光性色調を
維持するためには、マイカ系結晶化ガラスのマイカ結晶
粒子平均粒径が15μm 以下であり、結晶相は四珪化フ
ルオロマイカ結晶相が好ましいことをつきとめた。これ
は、ガラスマトリックス相の屈折率を四珪化フルオロマ
イカ結晶相のそれに近づけ易いからである。なお、マイ
カ結晶粒子の平均粒径を15μm 以下にするとき、核材
料として球状に成形加工する際に、よりよい表面平滑性
を有するものが得られることも判明した。この点、一般
的には、マイカ系結晶化ガラスの切削加工性を改善しよ
うとする場合、前記した公知文献に開示されるように硬
度が低いといわれるマイカ結晶を大きく成長させること
(大きな結晶を得ること)により解決するというアプロ
ーチが採用されている。しかしながら、このアプローチ
は前記した材料の表面平滑性や半透光性色調を維持する
観点から好ましくないことはいうまでもないことであ
る。一方、特開平5−194132号公報は、小さい結
晶を多く析出させること、即ち結晶化度を高めることに
より、半透光性色調を維持しつつ切削加工性を改善した
マイカ系結晶化ガラスを開示している。しかしながら、
このアプローチの場合、一見して材料の硬度が低くなる
ため切削加工性が良くなると思われるが、逆に材料の曲
げ強度あるいは破壊靭性が高くなり、真珠の穴あけ加工
に適した機械切削加工性を有しているとはいえない。
【0028】本発明者らは、材料が容易に機械切削加工
が出来るためには、その材料物性において硬度が低いだ
けではなく、その材料物性の硬度と曲げ強度の積、ある
いは硬度と破壊靭性値の積が低くなければならないとい
う事実を実験により確かめている。これは、縦軸に切削
加工性(切削量)、横軸に硬度と曲げ強度の積(または
硬度と破壊靭性値の積)をとった場合、両者は右下がり
の曲線(直線)により相関されることを意味するもので
ある。そして、マイカ系結晶化ガラスにおいて、マイカ
結晶粒子の平均粒径を2μm以上にすると、硬度と曲げ
強度あるいは破壊靭性の全てが低下することをつきと
め、かつ結晶化度を重量百分率で40%以上とすると、
真珠の穴あけ加工に適した機械切削加工性が得られるこ
とを見い出している。
【0029】前記したように養殖真珠において、製品た
る真珠の比重が天然核を用いたものと同じ比重(2.8
5±0.10)をもつことは重要な特性である。養殖真
珠の比重を2.85程度に調整するには、マイカ結晶相
とガラスマトリックス相の一方あるいは両方の比重を上
昇させてやることが必要であるが、その際、結晶化ガラ
ス製造時の結晶成長に大きな影響を与えないこと、毒性
がないこと、半透光性色調などの真珠としての重要な特
性を損なわないことに十分に配慮して添加成分が選択さ
れなければならない。本発明においては、前記要求をB
aOやSrOに代表される分子量の高い比重調整成分を
使用することにより解決している。
【0030】前記した点をまとめると、本発明の真珠核
材料用結晶化ガスは、前記したSiO2 ,MgO,Mg
2 ,K2 O,ZrO2 の成分に加えて、生体性賦与成
分としてのCaO,P2 5 成分と比重調整成分として
のBaOやSrOのような高い分子量を持つ成分を含有
する、主として四珪化フルオロマイカ結晶相を析出させ
たマイカ系結晶化ガラスであり、その結晶化ガラス製造
時に平均粒径が2〜15μm の四珪化フルオロマイカ結
晶相をガラスマトリックス相中に重量百分率で40%以
上析出させ、かつガラスマトリックス相の屈曲率を四珪
化フルオロマイカ結晶相の屈折率に近づけるよう制御し
たものであり、これにより真珠核材料に要求される全て
の特性を満足する結晶化ガラスが得られる。
【0031】本発明の前記した特定成分のもつ特定結晶
構造の真珠核材料用結晶化ガラスの製造法において、そ
の結晶化工程は、以下のように行なえばよい。即ち、マ
イカ系結晶化ガラスの母体となる溶融されたガラスを高
温で加熱処理することにより、該ガラス中の原子が移動
可能となり、自由エネルギーを下げる様に、MG2+イオ
ンとF- イオンの原子配列が始まり、最初に析出する結
晶相は粉末X線回折法によると、セライト(Sellaite
MgF 2 )である。更に、加熱を続けると、セライト結晶
の周囲に多数存在しているSi,Mg,K,Oの原子が
セライトを核として配列し、マイカ結晶に成長して行
く。前記した原子配列の状況は、セライト結晶のX線回
折ピークの消滅という観察結果と一致している。また、
本発明において、CaO,P2 5 成分をかなり多く含
有させた場合は、加熱処理時にまずCa2+イオンとF-
イオンの原子配列が始まり、最初に析出する結晶相は、
蛍石(CaF 2 )である。更に、加熱を続けると、蛍石結
晶の周囲に多数存在しているCa,PあるいはSi,M
g,K,Oの原子が蛍石を核として配列し、フッ素アパ
タイトやカルシウムマイカ結晶に成長し、蛍石結晶は消
滅する。即ち、本発明の真珠核材料用結晶化ガラスは、
主体的には四珪化フルオロマイカ結晶相から成るもので
あり、その他前記したフッ素アパタイト結晶相などを含
むものである。
【0032】次に、前記した結晶化工程をふまえて、本
発明において、前記したマイカ系結晶化ガラス中のマイ
カ結晶の析出粒径を、平均粒径が2〜15μm といった
比較的小さいものに制御する方法について説明をする。
前記した結晶の粒径の制御方法としては、例えば次の方
法を採用すれば良い。 (1) :マイカ結晶化ガラスの母体となるガラス中の全M
gOに対するFの量を多くすること、とくにMgF2
多く含有させ、マイカ結晶析出の核となるセライト結晶
を多く析出させる組成を採用する。 (2) :マイカ結晶成長の制御として、マイカ結晶化ガラ
スの母体となるガラス中の原子移動を制御するために、
SiO2 やZrO2 成分を添加する。これはマイカ結晶
の析出中に刻々と変化する結晶周囲のガラスマトリック
スの粘性をSiO2 やZrO2 によって制御するためで
ある。また、ZrO2 の添加はガラスマトリックスの化
学的耐久性の向上、及びエンスタタイト(MgSi
3 )による表面及び内部の異種結晶化の防止になり、
さらにガラスマトリックスと析出結晶の屈折率を制御
し、材料の半透光性を確保するからである。
【0033】本発明において、結晶化度を向上させる方
法としては、マイカ結晶成長の制御と同様に、マイカ結
晶析出の核となるセライト結晶を多く析出させるように
すればよく、このためにはマイカ結晶化ガラスの母体と
なるガラス中の全MgOに対するFの量を多くするこ
と、及び、SiO2 やZrO2 を添加することの他に、
マイカ結晶の構成成分であるSiO2 ,MgO,K2
の含有量を四珪化フルオロマイカ結晶 KMg2.5 Si
4 102 の比に合わせること、そして結晶部分以外の
少量のガラスマトリックスの屈折率が、四珪化フルオロ
マイカ結晶のそれに近い組成であることが重要である。
このためには、熱処理を完了した後、即ち結晶を重量百
分率で40%以上析出させたときのガラスマトリックス
のガラス組成範囲が、SiO2 30〜70%,MgO
0〜6.0%,K2 O 13〜30%、F 0〜12
%、ZrO2 5〜35%、CaO 0.1〜20%,
25 0.1〜20%,BaO 0.1〜10%の
範囲であることが好ましく、このようにして本発明によ
り従来より全ての要求特性の面において真珠核材料とし
て優れたマイカ系結晶化ガラスが得られる。
【0034】本発明の結晶化ガラスのガラス組成範囲
は、重量百分率で、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 …………… 0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO………0.1〜13 % の範囲のものである。
【0035】本発明の前記した結晶化ガラスのガラス組
成において、SiO2 が40%より少ない場合、ガラス
の粘性が低くなり結晶粒径を15μm 以下に制御がしに
くくなると共にマトリックスガラス相の化学的耐久性が
極度に悪化する。また65%より多い場合、クリストバ
ライトなどの異種結晶の析出が増大し、半透光性が悪く
なると共に、ガラス粘性も増大し結晶粒径を2μm 以上
に制御しにくくなる。
【0036】本発明の前記組成において、MgOが3%
より少ない場合、結晶度が低下し、硬度が上昇して加工
性が悪くなる。一方、16%より多い場合は、結晶化時
にエンスタタイト結晶が析出することにより半透光性色
調が悪くなる。
【0037】本発明の前記組成において、MgF2
6.5%を下まわると、結晶化度の低下及び結晶粒径の
制御も困難となり、加工性が悪くなる。またエンスタタ
イト結晶などの異種結晶の多量の析出にもつながり色調
が悪くなる。一方、MgF2 が17%を越えるとガラス
の失透性が増し、結晶析出の制御が出来にくくなる。
【0038】本発明の前記組成において、K2 Oが7.
5%より少ない場合は、ガラスマトリックス相の屈曲率
も変化して色調が悪くなり、時には結晶化度も低下す
る。一方、18%より多い場合は、マトリックスガラス
相の化学的耐久性が悪化するばかりでなく斑晶結晶が析
出し結晶粒径の制御が困難となる。
【0039】本発明の前記組成において、ZrO2
0.01%より少なくなると、析出結晶の制御が困難に
なり、化学的耐久性の悪化、半透光性の確保が困難とな
る。一方、15%より多くなると、マイカ結晶の結晶化
度の低下を招来する。なお、本発明において、結晶成長
の制御は、前記したようにZrO2 成分やSiO2 成分
により共働して行なうことが出来るものである。従っ
て、SiO2 成分の使用量との関連でZrO2 成分の使
用量を極力、少なくしてもよい。
【0040】本発明の前記組成において、CaO及びP
2 5 は、0.1%より少ない場合、真珠層の形成能が
悪化する。一方、20%より多い場合、粒径の大きいフ
ッ素アパタイト結晶やカルシウムマイカ結晶が析出し粒
径制御が困難になるとともに、半透光性色調の維持が難
しくなる。
【0041】本発明の前記組成において、BaOやSr
Oは主として従来の天然核を利用した養殖真珠の比重
(2.85±0.10)へ調整するために配合されるも
のである。このため、これら比重調整剤は、製造される
養殖真珠の他の特性に影響を与えないものが好ましく、
前記したBaOやStOが使用される。例えば、比重調
整剤としてBaOを使用した場合、BaOが0.1%よ
り少ないと比重が前記所望の比重2.85±0.10よ
り小さくなる。一方、10%より多い場合は、逆に比重
が2.85±0.10を越えてしまい、さらにバリウム
マイカ結晶が多量に析出することに起因して強度、破壊
靭性が上昇し、更に加工性が悪く色調の半透光性も消失
する。
【0042】本発明の真珠核材料用結晶化ガラスは、均
質な半透光性の乳白色の色調を呈しており、その品質は
天然核材料と非常に近似している。なお、前記、特開昭
60−259135公報に開示される有色真珠のように
本発明の前記した材質を着色することによって、有色真
珠が得られることはいうまでもないことである。着色方
法としては、結晶化ガラスのガラス組成に着色材とし
て、Fe2 3 、Au,Co2 3 、MnO2 など、少
なくとも1種の遷移金属酸化物や貴金属酸化物、ハロゲ
ン化物及び塩類を添加する方法がある。なお、着色材を
添加する場合、全ガラス組成の100重量に対して、色
着材の配合量は10重量以下であることが好ましい。1
0%より多い場合には、着色が濃くなり過ぎることと結
晶化特性に影響を及ぼして結晶化度を低下させ、ひいて
は物性の低下をもたらすので好ましくない。
【0043】さらに、本発明の真珠核材料用結晶化ガラ
スは、前記した成分以外にも、四珪化フルオロマイカ結
晶に適合するアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化
物、及びマトリックスガラス相の性質を制御するのに有
効な遷移金属など、合計10重量まで添加することが許
容出来る。例えばAl2 3 を含有させると、本発明の
結晶化ガラスの四珪化フルオロマイカ結晶はフルオロフ
ロゴパイト,KMg3 (AlSi3 10)F3 結晶にと
ってかわるが、その量が多くならない範囲では全く問題
がない。しかし、Na2 O,Li2 Oを含有させると膨
潤性マイカ結晶となり、化学的耐久性、透光性が悪化す
るので好ましくない。
【0044】本発明の真珠核材料用結晶化ガラスは、次
のようにして製造される。なお、以下の製法は例示と解
すべきであり、これらにより本発明は何等、限定される
ものではない。即ち、前記した組成により構成されるS
iO2 40〜65%,MgO 3〜16%,MgF2
6.5〜17%,K2 O 7.5〜18%、ZrO2
0.01〜15%、CaO 0.1〜20%,P2
5 0.1〜20%,BaO及び/又はSrO 0.1
〜13%の酸化物、炭酸化物、及び弗化物を、1300
℃〜1550℃で2〜6時間蓋付の白金ルツボで融解し
て非結晶質ガラスを得る(以下、これを酸化物融解法と
いう)。次いで、この融解物を鋳型に流し込んで成形物
を製作し、該成形物を加熱処理することによって本発明
の真珠核材料用の結晶化ガラスが製造される。特に、本
発明の加熱処理方法として好ましい態様は、本発明の結
晶化ガラス中に平均粒径2〜15μm の四珪化フルオロ
マイカ結晶を析出させるのに適当な加熱処理条件を選択
すればよい。
【0045】本発明において、ガラスマトリックス相中
に均一に平均粒径2〜15μm の四珪化フルオロマイカ
結晶を析出させるためには、微細な結晶核を十分に析出
させ、それを粒径が2〜15μm の結晶に成長させなけ
ればならない。本発明において、前記した結晶核の析出
条件は、550℃〜750℃(ガラス転移点から少し高
い温度までの範囲)であり、その温度での保持時間は0
〜5時間が好ましい。これは結晶核の析出速度が温度、
即ちガラス粘性によく依存しており、温度が高いと短い
時間で結晶核の析出が完了し、一方低い温度であると長
時間を要する。なお、高い温度を採用する場合、Ca
O,P2 5 成分が多いと粗大粒径のフッ素アパタイト
結晶が析出する原因となり、半透光性が失われるので、
保持時間に配慮すべきである。
【0046】本発明において、結晶核を析出させるため
には、前記した特定組成の酸化物、炭酸化物、及び弗化
物を出発材料として融解し、非結晶質のガラスとすると
共に成形し、ガラス転移点以上の冷却過程において結
晶核を析出させ、次いで結晶成長させるために加熱処理
する方法と、ガラス転移点以下に冷却した後、再度加
熱して結晶核を析出させて結晶成長させる方法、の2つ
の方法がある。前記の方法において、冷却過程時に7
50℃以下での冷却速度を5℃/min以下といった緩やか
な速度を採用する場合や、の方法において、ガラス転
移点から加熱する速度を5℃/min以下といった緩やかな
上昇速度で加熱する場合、結晶核を析出するための熱処
理過程は必要でない。その後、結晶核を平均粒径2〜1
5μm のマイカ結晶へ制御成長させるため、さらに高温
の加熱処理を続ける。この結晶の成長速度も結晶核の析
出速度と同様に、温度即ち粘性に依存しており、温度が
高いと短時間の熱保持で結晶成長が完了し、低いと長時
間を要するので、適宜600〜1200℃の温度範囲、
1〜6時間の加熱処理時間から条件を選択すればよい。
以上のことから、結晶粒径を平均2〜15μm に成長さ
せるためには、加熱処理条件として600〜1200
℃、保持時間1〜6時間が好適範囲である。なお、前記
加熱処理時に、フッ素アパタイトを含む微細結晶、ある
いは若干量の他の結晶が、四珪化フルオロマイカ結晶と
ともに析出したとしても、何ら問題がないことはいうま
でもないことである。
【0047】本発明の前記した組成の結晶化ガラスは、
真珠核材料に使用することを目的としており、母貝の生
体に挿入すること、及び濁りのない色調を強く求めてい
ることから、不純物を出来る限り少なくするようにしな
ければならない。そのためには出発原料を厳選しなけれ
ばならないが、その一つの方法として、下記に説明する
ゾルゲル法(以下、これをゾルゲル法という。)を用い
ることが好ましい。例えば前記組成において、出発原料
がその酸化物成分に対応する成分として、Si(OC2
5 4 、Mg(OCH3 2 、KOCH3 ,Zr(O
−i−C49 4 ,Ca(OC2 5 2 、PO(O
CH3 3 ,Ba(OC2 5 2などの金属アルコキ
シド、弗素化合物としてNH2 6 CF3 などを用い
て、これらを極性溶媒中に、酸化物としたときの重量百
分率でSiO2 40〜65%、MgO 3〜16%、
2 O 10〜18%、ZrO2 0.1〜15%,M
gF2 8〜17%、CaO 0.1〜20%,P2
5 0.1〜20%,BaO及び/又はSrO 0.1
〜10%となる割合で混合溶解し、これに水を加えてP
Hをアルカリ側に傾け、加水分解反応を行った後、脱水
乾燥することによって所望のガラス原料を調製すること
ができる。なお、このようにして調製されたガラス原料
を融解することによって非結晶質のガラスが得られる。
これを所定の形状に成形した後、前述と同様に600〜
1200℃の温度範囲で1〜6時間熱処理することによ
って、平均2〜15μm の粒径の四珪化フルオロマイカ
結晶を制御析出させることが出来る。
【0048】前記した方法、即ち酸化物の出発原料とし
て金属アルコキシドを用いるゾルゲル法により、不純物
が極めて少ない生体材料を製造することができ、かつ融
解温度が低いガラスが得られるため、消費エネルギーが
少ないという利点がある。前記したゾルゲル法を用いた
製造法をより具体的に説明する。例えば、シリコンテト
ラエキシド(Si(OC2 5 4 )101.28部、
マグネシウムジメトキシド(Mg(OCH3 2 )1
3.95部、カリウムメトキシド(KOCH3 )5.6
6部,ジルコニウムテトラブトキシド(Zr(O−i−
4 9 4 0.16部、カルシウムジエトキシド(C
a(OC2 5 2)1.12部、リン酸トリメトキシ
ド(PO(OCH3 3 )0.95部,バリウムジエト
キシド(Ba(OC2 5 2 )7.43部をエタノー
ル1500部に溶解し、3−アミノベンゾトリフルオリ
ド(NH2 6 4 CF3 )12.61部をベンゼン5
00部に溶解した液を加えて混合した。次いで、アンモ
ニアでPH11に調製した水を滴下し(約200部)、
溶液が完全に白色ゲル化した時120℃で乾燥し、更に
加熱処理(約700〜950℃、または1000〜13
00℃)してガラス原料を製造する。前記ガラス原料は
融解された後、非晶質にすると共に所望の形状に成形さ
れ、次いで結晶化のための加熱処理がなされて四珪化フ
ルオロマイカ系結晶化ガラスへと変換される。
【0049】前記したゾルゲル法の場合、金属アルコキ
シド化合物としては、C1 〜C4 のアルキル基を有する
アルコキシドを使用することが好ましく、弗素化合物は
極性溶媒に可溶なものであればよいが、3−アミノベン
ゾトリフルオリド(NH2 6 4 CF3 )はアルコー
ル類又はケトン類に難溶性であるので非極性溶媒である
ベンゼンに溶解すればよい。製造する母ガラス1kgに
対して5〜13l(リットル)の極性溶媒を使用するこ
とが好ましい。
【0050】前記ゾルゲル法における加水分解の方法に
おいて、各アルコキシドの加水分解に必要な水量は理論
値の2〜12倍を使用することが好ましい。この使用量
のもとで、各アルコキシド成分によって加水分解の速度
が異なるものの比較的均一なゲル体が得られ、該使用量
をはずれるとゲルが不均一になり好ましくない。
【0051】加水分解のPHは一般に6.0以上が好適
であり、それ以下であると加水分解の速度がおそくなり
不均一なゲルが生じ、また組成中にMg2 SiO4 など
が生成したりして好ましくない。また加水分解の温度
は、一般に20〜100℃の範囲であり、特に60〜6
5℃前後が好ましい。溶液が完全に白色ゲル化した時点
以降は、100〜150℃で乾燥し、該乾燥体を引き続
き700〜950℃または1000℃〜1300℃に熱
処理して非結晶質ガラスとする。この非結晶質ガラスを
再び融解して所望の形状に成形し、600〜1100℃
の範囲で1〜6時間加熱処理することによって、平均2
〜15μm の粒径の四珪化フルオロマイカ結晶相をガラ
スマトリックス相中に重量百分率で40%以上析出した
半透光性に優れた結晶化ガラスが得られる。なお、前記
したゾルゲル法により調製された結晶化ガラスは、酸化
物融解法によって製造されたものと比較して結晶性や特
性に変化はない。
【0052】本発明において、前記した成形法として
は、鋳型流し込みなどが採用される。即ち結晶化ガラス
の製造時に、所望の成形法を適用し、所望の大きさの真
珠核を調製すればよい。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。なお、本発明は実施例のものに限定されないこと
はいうまでもないことである。
【0054】実施例1〜8/比較例1〜8 下記の表1は、真珠核材料用結晶化ガラスの調製に使用
された実施例1〜8と比較例1(a)〜8(g)のガラ
ス組成を示すものである。前記比較例1(a)〜8
(g)の各種の真珠核用材料は、明細書中で説明した従
来技術に属するものである。これを補足説明すると、次
の通りである。比較例1(a)は、天然核を使用したも
のである。比較例2(b)は、練り核(合成樹脂核)を
使用したものものであり、特開昭48−52594号、
同63−219325号に開示された材料を使用したも
のである。比較例3(c)は、特開昭60−25913
5号に開示された材料を使用したものである。比較例4
(d)は、特公平2−12537号、関連文献としてUS
P 3,689,293 号、特開昭62−7649号、特開平1−
115848号に開示された材料を使用したものであ
る。比較例5(e)は、歯科用に開発されたUSP 3,732,
087 号、USP 4,431,420 号、USP 4,652,312 号、特開平
5−194132号に開示のマイカ系結晶化ガラスを使
用したものである。比較例6(f)〜7(f)は、人口
骨及び歯科用に開発された特公昭51−8970号、特
開昭51−73019号、同57−191252号、同
60−131849号、同60−137853号、同6
2−72540号に開示の主結晶相が酸素またはフルオ
ロアパタイトの結晶化ガラスを使用したものである。比
較例8(g)は、歯科用に開発された特開昭62−10
8750号、特開平2−149447号、同2−153
839号、同2−153840号、同2−153841
号に開示のマイカ系結晶化ガラスを使用したものであ
る。
【0055】表1中、(1)〜(6)は、以下のことを
示すものである。 (1)………Fe2 3 (2)………Au (3)………Co2 3 (4)………MnO2 (5)………顔料 (6)………タンパク質 また、表1中、(A)は出発物質が酸化物及び弗化物で
調製されたこと(酸化物融解法)を示し、(B)は出発
物質が金属アルコキシド及び弗化物で調製されたこと
(ゾルゲル法)を示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1〜8及び比較例1(a)〜8
(g)の表1に示される組成に調製された酸化物及び弗
化物を出発原料とし、それらを蓋付白金ルツボに入れ、
電気炉中で約1450℃で約4時間融解した。そしてこ
れら融解ガラスをブロック状に成形し、表2に示される
ように950〜1050℃で約2〜6時間加熱処理して
結晶化ガラスを製造した。次に、粉末X線回折法により
各結晶化ガラスの結晶相を観察すると、全ての結晶化ガ
ラスに四珪化フルオロマイカ系結晶が析出していた。そ
して、X線回折法のピーク高さより検量線を用いて結晶
化度を測定するとともに、電子顕微鏡(S.E.M)で
も確認し、四珪化フルオロイカ結晶の平均粒径を求め
た。また、前記のようにして調製した各種の結晶化ガラ
スについて、各種の物性を評価するとともにアコヤ貝に
挿入して真珠を製造してみた。結果を表2に示す。
【0058】表2中の評価項目の内容は、以下の通りで
ある。 (1) 曲げ強度は、3×4×36mmの角柱に成形加工した
材料を#320の砥磨紙によって無水下でキズを付けた
後、JIS R 1601に準じた試験法によってスパ
ン30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minで測定し
たものである。 (2) ビッカース硬度は、25×25×5mmのプレートを
鏡面加工したものを用い、荷重200gf、保持時間15
sec にてJIS Z 2251に準じて行なった。 (3) 比重は、アルキメデス法を用い、JIS Z 88
07に準じて行なった。 (4) 加工性は、歯科用エアータービン及び電気エンジン
を用いて、10×10×20mmの角柱を切削したときの
切削量を優、良の二段階で評価した。 (5) 化学的耐久性減量は、25×25×5mmのプレート
を鏡面加工した材料を用い、0.5%HCl水溶液37
℃で24時間、浸漬した後の表面積に対する減量を測定
したものである。 (6) 半透光性色調は、天然酸の均質な核を選び、それを
基準にして目視により優、劣の二段階で評価した。 (7) 組織為害性は、φ8.00±0.01の真球に成形
加工し鏡面仕上げを施したものを使用して行なった。即
ち、前記のようにして調製した1例につき、100個の
1年生アコヤ貝に各1個ずつ挿入し、5月中旬〜11月
中旬にかけて6ケ月間、伊勢湾で飼養し、脱核と死亡の
割合を調査した。 (8) 真珠層形成能は、前記(7) の試験において生存して
いる貝から真珠を取り出し、養殖結果として真珠の品質
1〜3級の割合を調査した。更に、それを半分に切断し
て真珠層の平均厚さ(μm )を測定した。 (9) 真珠層の亀裂・剥離度合は、前記(8) の試験におい
て真珠を半分に切断加工したときの真珠層の亀裂及び剥
離の割合を調査した。 (10) 商品耐性は、前記(9) の試験において、半分に切
断加工したものを、 ・1年間、直射日光の当たる室内に放置したものと、 ・1年間、冷蔵庫に保管しておいたもの との差異(色の変化、真珠層の亀裂、剥離の成長)によ
り評価したものである。
【0059】また、表2中の主結晶相の略記号の意味
は、以下の通りである。 TSM:四珪化フルオロマイカ Ph :フロゴパイト Ag :アラゴナイト Ap :フルオロアパタイトまたは酸素アパタイト TCP:トリカルシウムホスフェイト Wo :ウォラストナイト
【0060】
【表2】
【0061】前記表2に示されるように、本発明の真珠
核材料用結晶化ガラス(実施例1〜8)と従来品(比較
例1〜8)の加工性、化学的耐久性及び半透光性色調を
比較すると、本発明の結晶化ガラスはその全てにおいて
優れていることが明らかである。また組織為害性がなく
真珠核形成能も大変よく真珠加工時の真珠層の亀裂や剥
離もないことがわかる。更に、本発明の結晶化ガラスを
核に使用して製造した真珠は、優れた審美性と商品耐性
を有していることが判る。
【0062】
【発明の効果】本発明の真珠核材料用結晶化ガラスは、
高い真珠核形成能と切削性(加工性)の他に、優れた化
学的耐久性及び半透光性色調など真珠核材料に要求され
る全ての特性を具備している。即ち、本発明により品質
の高い真珠を製造するのに最適な真珠核材料用結晶化ガ
ラスが提供される。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量百分率が、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 …………… 0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO………0.1〜13 % の組成範囲であって、ガラスマトリックス相中に主とし
    て四珪化フルオロマイカ結晶相を析出させたことを特徴
    とする真珠核材料用結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 重量百分率が、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 …………… 0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO………0.1〜13 % の組成の酸化物、弗化物を出発原料とし、前記出発原料
    を溶融して非結晶のガラスとし、次いで熱処理を行ない
    平均粒径が2〜15μm の四珪化フルオロマイカ結晶相
    をガラスマトリックス相中に重量百分率で40%以上析
    出させることを特徴とする真珠核材料用結晶化ガラスの
    製法。
  3. 【請求項3】 平均粒径が、2〜15μm の四珪化フル
    オロマイカ結晶相をガラスマトリックス相中に重量百分
    率で40%以上析出させたとき、残余の60%以下のガ
    ラスマトリックス相の組成が重量百分率で、 SiO2 …………… 25〜75 % MgO …………… 0〜20 % F …………… 0〜12 % K2 O …………… 5〜30 % ZrO2 …………… 5〜35 % CaO …………… 0.1〜40 % P2 5 …………… 0.1〜40 % BaO及び/又はSrO………0.1〜20 % であることを特徴とする請求項2に記載の真珠核材料用
    結晶化ガラスの製法。
  4. 【請求項4】 熱処理が、600〜1200℃の温度範
    囲で1〜6時間加熱処理し、平均粒径が2〜15μm の
    四珪化フルオロマイカ結晶相をガラスマトリックス相中
    に重量百分率で40%以上析出させることを特徴とする
    請求項2又は3に記載の真珠核材料用結晶化ガラスの製
    法。
  5. 【請求項5】 酸化物及び弗化物としたときに重量百分
    率が、 SiO2 …………… 40〜65 % MgO …………… 3〜16 % MgF2 …………… 6.5〜17 % K2 O …………… 7.5〜18 % ZrO2 ……………0.01〜15 % CaO …………… 0.1〜20 % P2 5 …………… 0.1〜20 % BaO及び/又はSrO……0.1〜13 % となる割合で金属アルコキシドと含弗素化物を使用し、
    前記金属アルコキシドと含弗素化合物を溶媒中に混合溶
    解し、次いで加水分解反応させて前記組成の酸化物及び
    弗化物を調製したものである請求項2、3、又は4に記
    載の真珠核材料用結晶化ガラスの製法。
  6. 【請求項6】 金属アルコキシドが、Si(OC
    2 5 4 ,Mg(OCH3 2 ,KOCH3 ,Zr
    (OC4 9 4 ,Ca(OC2 5 2 ,PO(OC
    3 3 ,Ba(OC2 5 2 であり、また含弗素化
    合物がNH2 6 4CF3 である請求項5に記載の真
    珠核材料用結晶化ガラスの製法。
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