JP3252481B2 - 微細結晶粒を有するタングステン合金及びその製造方法 - Google Patents
微細結晶粒を有するタングステン合金及びその製造方法Info
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成分とする合金に関し、特に固相焼結法により作製され
た強度と延性に優れ且つそのバラツキの小さいタングス
テン合金、及びその製造方法に関する。
以上のWとNi、Fe、Cr、Re、Cu等を含むヘビ
ーメタルは、バランサー材料等の高比重を生かした材料
や、放射線の遮蔽材等として利用されている。
に従来から焼結法により製造されてきた。典型的には、
W粉末とNi及び/又はFe粉末等を混合し、混合粉末
の成形体を水素雰囲気中において1400℃以上で焼結
する。この方法はいわゆる液相焼結法であり、Wより融
点の低いNiとFeが合金化して液相を生じ、この液相
がW粒子間にくまなく行き渡ることによって、W粒子の
周囲をNi、Fe、W等からなるマトリックス相が均一
に存在する組織となり、99%以上の密度を有する焼結
合金が得られる。
結法により製造されるため、液相焼結過程においてW粒
子のオストワルド成長が避けられなかった。その結果、
W原料粉末の粒径が数μmであっても、オストワルド成
長によってW粒子の大きさは約50μm程度にまで異常
成長してしまう。従って、従来のタングステン合金は結
晶組織が粗く、強度並びに靭性に劣っていた。
金を製造することも考えられる。即ち、焼結過程におい
て液相の生じない固相焼結法による製造が考えられる
が、従来の固相焼結法ではマトリックス相の形成が不十
分であり、マトリックス相がW粒子の周りを十分に取り
囲むことができないため、優れた機械的特性を有するタ
ングステン合金を得ることが困難であり、特に延性に劣
るタングステン合金しか得られなかった。
Fe等のマトリックス相を形成する金属がW粒子の周囲
を包んだ予合金粉末を用いて、固相焼結することが記載
されている。しかし、このような予合金粉末は、球面体
状ではなく多角形状となるためW粒子同士の近接性(コ
ンティギュイティ)が高く、従って得られるタングステ
ン合金は特に延性に劣る傾向がある。これを回避するた
めには、特開昭61−104002号公報に記載のごと
く、非常に短い時間だけ液相を生じさせることが必要で
あるが、この方法は実験室的には可能であっても工業的
規模で実施することは極めて困難である。
ら、本発明者らは、W粒子が異常成長する液相焼結法に
よることなく、基本的に固相焼結法を用いて、機械的特
性に優れたタングステン合金を製造することを提案した
(特願平3−163172号参照)。
固相焼結工程を組み合わせた方法であり、メカニカルア
ロイングによりW元素をNiやFe中に過飽和に複合化
させ、さらにメカニカルアロイングにより増進させられ
た拡散現象を利用して、W粒子を固相状態でオストワル
ド成長させるものである。従って、W粒子の不必要な成
長が抑制される結果、W粒子が微細な球面体状で且つW
粒子同士の近接性が低くなり、強度や靭性に優れたタン
グステン合金を得ることができる。
ングステン合金は延性が良好とは言えず、且つ延性のバ
ラツキが大きいと言う欠点があった。この傾向はW濃度
が高い合金ほど大きく、特にW濃度が90重量%以上に
なると延性のバラツキが極めて大きくなるばかりか、強
度まで低下することが多かった。
タングステン合金の欠点を改良し、強度や靭性に優れる
と同時に延性にも優れたタングステン合金を提供するこ
とを目的とするものである。
め、本発明が提案するタングステン合金は、Ni及び5
0〜99重量%のWを主成分とし、不純物であるFeの
含有量が3重量%以下であり、析出物としてNi 4 Wを
5体積%以上含み、Ni75〜85原子%、W15〜2
5原子%、Fe3原子%以下の組成範囲のマトリックス
相と、平均結晶粒径7μm以下の球面体状のW粒子とか
らなることを特徴とする微細結晶粒を有するタングステ
ン合金である。
テン合金の製造方法は、(a) 純W粉末と純Ni粉末又
は純W粉末とW−Ni合金粉末を、Wが50〜99重量
%となる組成に配合した後、均一に混合する工程と、 (b) 得られた混合粉末を、不純物ガス成分が500p
pm以下の不活性ガス中又は真空中において80℃以下
の温度にて、Ni又はNi合金製のボール及び処理容器
を用いてメカニカルアロイングを行い、不純物であるF
e濃度が3重量%以下のメカニカルアロイング粉末を得
る工程と、 (c) 得られたメカニカルアロイング粉末を、真空中に
おいて300〜1430℃の温度で容器中に封入する工
程と、 (d) 容器中に封入されたメカニカルアロイング粉末
を、800〜1430℃の温度にて押出比2以上の条件
で熱間押出する工程、とを含むことを特徴とする。
下させる原因について検討を重ねた結果、FeとWの金
属間化合物であるFe7W6やFeWO4の存在が大き
く影響し、NiとWの金属間化合物であるNi4Wは何
ら妨げとならないことを見いだした。又、Ni4Wには
規則格子と不規則格子が存在するが、そのどちらであっ
ても又それらの複合した状態(この場合多くは、一方が
他方の析出物として存在する、例えば規則格子の粒子が
不規則格子相中に析出する)であっても、機械的特性に
は悪影響を及ぼさないことが判った。
を含まない原料粉末を用いた場合であっても、アトライ
ターやボールミル等のメカニカルアロイング装置の殆ど
はSUS等のFe合金で作製されているから、通常のメ
カニカルアロイングを行うとFeが必ず不純物として混
入され、このFeが加熱時にFe7W6等の金属間化合
物となって合金の機械的特性を低下させるのである。
在を無くし又は極力減少させるため、液相焼結法では液
相生成のために不可欠とされていたFeを必須成分とせ
ず、しかもメカニカルアロイング工程では汚染成分とし
てのFeの混入を意識的に避ける必要がある。即ち、本
発明者らの研究によれば、Fe7W6が合金の5重量%
未満であれば延性等の機械的特性に悪影響を与えること
がなく、そのためにはメカニカルアロイング工程による
汚染を含めFeの含有量を全体の3重量%以下に抑える
ことが不可欠であること、理想的には重量でFeをNi
の1/100以下とするのが有効であることが判った。
抑えた本発明のタングステン合金では、Niが粘い元素
で圧着力があるためメカニカルアロイングが行い易く且
つ延性の改善に伴って押出性にも優れる結果、Wの含有
量を99重量%まで増やすことが可能となった。又、合
金のマトリックス相の組成が75〜85原子%のNi
と、15〜25原子%のWと3原子%以下のFeとから
なり、この組成範囲のマトリックス相は主にNiとWの
金属間化合物Ni4Wを含むものである。このNi4W
は通常5体積%以上含まれ、しかも規則格子と不規則格
子が存在するが、合金の機械的特性に影響を及ぼさない
ことが明らかになった。
るように温度制御したメカニカルアロイングや押出によ
る固相焼結を経て製造されるので微細な結晶構造が得ら
れ、W粒子が球面体状で平均結晶粒径が7μm以下とな
るうえ、Ni及びWを主成分とするマトリックス相も極
めて微細となり、例えば平均結晶粒径が4μm以下とな
る。
上記したごとく延性の低下を防止できるだけでなく、1
60kg/mm2程度以上の優れた強度が得られる。こ
れに対し、固相焼結によりW粒子を微細にしても、液相
の生じる温度まで加熱した場合には、マトリックス相の
結晶粒径が大きくなって強度が110kg/mm2程度
に留まり、W粒子と同様にマトリックス相の結晶が微細
であることが強度の向上にとって重要であることが判っ
た。
粉末は、純W粉末と純Ni粉末又は純W粉末とW−Ni
合金粉末を使用し、Fe粉末は使用しない。これらの原
料粉末をWが50〜99重量%となる組成に配合する
が、W濃度が99重量%を越えるとメカニカルアロイン
グ時に粉砕効果ばかりが強くなり、良好な複合状態を得
難くなる。特にW−Ni合金粉末を使用すれば、メカニ
カルアロイングを行いにくいW粉末を少なくすることが
できる。
合粉末は、メカニカルアロイングにより複合化される。
ただし、Wは金属間化合物を作り易いので、有害なFe
7W6等を生成しないように、まず第1に不純物である
Feの混入を3重量%以下に抑制してメカニカルアロイ
ングすることが重要である。その為には、ボールの大き
さ及び量、ボールと粉末の比や処理容器の容量、処理雰
囲気、処理温度、及び回転数等の制御が必要であり、特
にボール及び処理容器をNi又はNi合金製にすること
が有効である。
00ppm以下、好ましくは50ppm以下の不活性ガ
ス中又は真空とし、両雰囲気を交互に使っても良い。
又、処理温度は80℃を越えると粉末が容器内部に付着
するため、80℃を上限とする。処理温度が高い場合
や、雰囲気中の酸素等の不純物濃度が高い場合には、有
害な金属間化合物が生成しやすくなるのに加えて、その
生成により粉末の延性が低下するので粉砕作用だけが強
くなり、メカニカルアロイング現象が起こりにくくな
る。
純物として酸素成分を含んでいるのが通常であるから、
これを取り除き後の焼結現象を起こり易くするために、
水素ガス中又は真空中において800〜1430℃で熱
処理することが好ましい。通常は水素ガス中での加熱に
より還元を行った後に真空中で加熱するが、酸素等の不
純物濃度を低く抑えた場合にはこれらの熱処理を行わな
くても良いし、次の容器への封入工程での加熱をもって
代用することも可能である。尚、上記熱処理及び次の容
器への封入は、メカニカルアロイング粉末を冷間又は熱
間で成形した後におこなっても良い。
がないが、1430℃を越えると組織が粗大化するので
避けるべきである。即ち、温度が1000℃を越えると
W粒子のオストワルド成長が起こり易くなり、W粒子が
球面体状になるが、1440℃以上の液相生成温度にな
るとマトリックス相の平均結晶粒径が4μmを越え、合
金の強度が低下してしまうので、上限温度を1430℃
とした。
において容器に充填され、封止される。容器の封止前に
全体を300〜1430℃の温度に加熱して、吸着成分
を取り除くことが望ましい。尚、容器への封入後にメカ
ニカルアロイング粉末を熱間成形するか、又は封入前に
メカニカルアロイング粉末を冷間成形しても良い。容器
中に封入されたメカニカルアロイング粉末は、800〜
1430℃の温度にて押出比2以上の条件で熱間押出さ
れる。この封入工程及び押出工程において、上記下限温
度未満では脱ガスの効果が得られなかったり押出が不可
能であったりするが、上限温度は前記熱処理工程の場合
と同様にマトリックス相の微細結晶組織を得るため14
30℃とする。
は押出比を10以上にしないと粉末同士の十分な接合力
が得られないが、Feを3重量%以下に抑えた本発明で
は押出比が10より小さくても良好な延性並びに強度を
得ることができ、特にメカニカルアロイング粉末を予め
成形固化した場合には押出比を2まで小さくできる。し
かし、押出比が2未満では十分に緻密な押出材が得られ
ない。又、押出比が大きくなると割れが発生しやすい
が、押出前に容器に封入した粉末を熱間静水圧成形(H
IP)処理すると、割れの防止に有効である。
ン合金では、W粒子とマトリックス相が極めて微細な結
晶組織となるうえ、図1及び図2に示すごとくW粒子は
多角形状ではなく、隣あうW粒子が接する部分以外は基
本的に球面体状となる。しかし、押出比等の条件によっ
ては、押出材の外周部等で球面体状のW粒子が押出方向
に引き伸ばされ、図3に示すごとく短軸が7μm以下で
アスペクト比が2以上の楕円体状となる場合がある。W
粒子が球面体状となることにより達成される優れた機械
的特性は、W粒子が楕円体状に変形しても影響されな
い。しかし硬度については、W粒子が球面体状の場合は
マイクロビッカース硬度300台であるのに対し、楕円
体状となることで400台まで硬度が高くなることがあ
る。
て、機械的特性を更に向上させるために焼鈍することが
できる。焼鈍条件は、温度が700℃以上、好ましくは
900℃以上であり、時間が10分間以上とする。ただ
し、焼鈍温度が1350℃を越えると組織が粗大化し易
いので、1350℃を上限とする。又、焼鈍温度からの
冷却速度は、700℃まで14℃/分以上の急速冷却と
することが、優れた延性を保持するうえで好ましいこと
が判った。
ヘビーメタルないしタングステン合金と同様に、Re、
Co、Cr、Mo、Cu等の元素(Feを除く)を添加
したり、鍛造やスェージング等の後加工を施すことによ
って、合金を強化し機械的特性を改善することができ
る。例えば、Reの添加により、合金は硬化され、強度
が上昇し、固溶強化も期待できる。
となるように配合した後、ボールミルを用いてArガス
雰囲気中で30分間混合した。得られた混合粉末4kg
を別のNi合金製のボールミルに移し、酸素濃度を80
ppm以下となるように保ったArガス雰囲気中におい
て平均80℃の温度で50時間のメカニカルアロイング
を実施した。
250メッシュが4%以上存在する粗粉末であり、メカ
ニカルアロイングによる圧着作用が十分行われたと考え
られた。又、光学顕微鏡での観察により、NiとWが複
合化された状態になっていることが判った。
スで冷間成形し、成形体を10 −4 torrの真空中に
おいて500℃で3時間保持した後、軟鋼容器中に充填
して気密封止し、更にこれを1230℃にて押出比12
で熱間押出した。得られた押出材のマトリックス相は平
均結晶粒径が約1.1μmであり、W粒子は球面体状で
平均結晶粒径が約1.3μmであった。又、このマトリ
ックス相の組成をTEM−EDXにて分析した結果を表
1に示した。
ず、マトリックス相は基本的にNiとWを主成分とし、
殆どNi4Wの組成に近いことが判った。
M観察したところ、無数の20〜30Åの粒子と300
Å程度の析出粒子が見られ、これらの粒子は組成的には
マトリックス相の組成とほぼ等しく、電子線回折法によ
り規則格子Ni4Wであることが確認された。又、X線
回折の結果、Fe7W6は同定されなかった。
切り出し、常温で引張試験を行ったところ、引張強度は
162.4kg/mm2、伸びは15.1%であり、バラ
ツキは引張強度で±3%及び伸びで±6%であった。
尚、この押出材を1250℃で2時間保持し、ガスファ
ンを用いて14℃/分以上の冷却速度で急冷した後に同
様の試験を行ったところ、引張強度は148kg/mm
2及び伸びは18%になった。
2分間保持したところ、マトリックス相の平均結晶粒径
は4.5μmとなり、引張強度は136.1kg/mm2
及び伸びは14%であった。同様に製造した押出材を1
470℃で2分間保持したところ、マトリックス相の平
均結晶粒径は6.5μmになり、引張強度は118.1k
g/mm2及び伸びは34%であった。加熱温度を液相
が発生する温度以上に上げ過ぎると、マトリックス相の
結晶粒径が大きくなり、強度が急激に低下することが判
る。
を用いてメカニカルアロイングを行った以外は、上記実
施例1と同様にして押出材を得た。この押出材を同様に
分析した結果、不純物であるFeの濃度が3.2重量%
であって、Fe7W6が5.4重量%含まれていること
が判明した。又、この押出材の引張強度は149.1k
g/mm2、伸びは3%であり、バラツキは引張強度で
±13%及び伸びで±14%であって、上記実施例2の
押出材に比べて機械的特性が劣っていた。
となるように配合した後、ボールミルを用いてArガス
雰囲気中で30分間混合した。得られた混合粉末3kg
をNi合金製のアトライターに移し、酸素濃度を80p
pm以下となるように保ったArガス雰囲気中におい
て、175回転/分の回転数にて60℃以下の温度で1
0時間のメカニカルアロイングを実施した。
素気流中にて1000℃の温度に3時間保持した後、1
0−4torrの真空中において1000℃で更に2時
間保持した。次に、この粉末を10−4torrの真空
中において300℃で3時間保持した後、2つの軟鋼容
器中に分けて充填し、気密封止した。この様にして各容
器中に封入された粉末を、片方は950℃で押出比3及
び他方は1250℃で押出比18の条件でそれぞれ熱間
押出した。
や空孔が存在しなかったが、押出比18の条件による押
出材には、押出方向に垂直な方向に微細な割れが多数認
められた。しかし、上記と同様に容器に封入したメカニ
カルアロイング粉末を、予めHIPにより1300気圧
にて1230℃で2時間処理した後、同様に1250℃
で押出比18の条件で押出加工した場合には割れは認め
られず、良好な押出材が得られた。
Ni:Re:Crの重量比が80:13:6:1となる
ように配合した後、ボールミルを用いてArガス雰囲気
中で30分間混合した。得られた混合粉末3kgをNi
合金製の振動ミルに移し、酸素濃度を80ppm以下と
なるように保ったArガス雰囲気中において、60℃以
下の温度で30時間のメカニカルアロイングを実施し
た。
e濃度は0.38重量%であった。このメカニカルアロ
イング粉末を、10−4torrの真空中において40
0℃で3時間保持した後、軟鋼容器中に充填して気密封
止した。次に、容器中に封入された粉末を、1250℃
で押出比14の条件で熱間押出した。押出材を光学顕微
鏡で観察したところ、表面部のW粒子は短径が3μm以
下でアスペクト比が3以上の楕円体状であった。又、押
出材のマイクロビッカース硬さは約430であった。
切り出し、常温で引張試験を行ったところ、引張強度は
174.0kg/mm2、伸びは13.0%であり、バラ
ツキは引張強度で±3%及び伸びで±7%であった。
尚、ReをNi−Re合金粉末として添加した場合であ
っても、引張強度は173.0kg/mm2及び伸びは
13.0%、バラツキも引張強度で±3%及び伸びで±
6%と、いずれも大きな差異はなかった。
びCo粉末をW:Ni:Mo:Coの重量比が90:
6:3:1となるように配合し、上記と同様にして製造
した押出材では、引張強度が172.0kg/mm2及
び伸びが14.0%であった。
混入を極力低く抑えながらのメカニカルアロイング工程
と押出工程とを組み合わせた固相焼結法により、W粒子
を基本的に微細な球面体状にすると同時にマトリックス
相も微細化し、且つ機械的特性に悪影響を及ぼすFe7
W6の生成をなくし又は抑制して、強度と同時に延性に
優れ、しかもこれらのバラツキが極めて少ないタングス
テン合金を提供することができる。
W粒子とマトリックス相からなる金属組織を模式的に示
した図である。
なる金属組織を拡大して模式的に示す図である。
W粒子とマトリックス相からなる金属組織を模式的に示
した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 Ni及び50〜99重量%のWを主成分
とし、不純物であるFeの含有量が3重量%以下であ
り、析出物としてNi 4 Wを5体積%以上含み、Ni7
5〜85原子%、W15〜25原子%、Fe3原子%以
下の組成範囲のマトリックス相と、平均結晶粒径7μm
以下の球面体状のW粒子とからなることを特徴とする微
細結晶粒を有するタングステン合金。 - 【請求項2】 上記球面体状のW粒子以外に、短軸が7
μm以下でアスペクト比が2以上の楕円体状のW粒子を
含むことを特徴とする、請求項1に記載の微細結晶粒を
有するタングステン合金。 - 【請求項3】 合金中に含有されるFeとWの金属間化
合物Fe7W6が5重量%未満であることを特徴とす
る、請求項1又は2に記載の微細結晶粒を有するタング
ステン合金。 - 【請求項4】 マトリックス相の平均結晶粒径が4μm
以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
に記載の微細結晶粒を有するタングステン合金。 - 【請求項5】 請求項1に記載の微細結晶粒を有するタ
ングステン合金の製造方法であって、 (a) 純W粉末と純Ni粉末又は純W粉末とW−Ni合
金粉末を、Wが50〜99重量%となる組成に配合した
後、均一に混合する工程と、 (b) 得られた混合粉末を、不純物ガス成分が500p
pm以下の不活性ガス中又は真空中において80℃以下
の温度にて、Ni又はNi合金製のボール及び処理容器
を用いてメカニカルアロイングを行い、不純物であるF
e濃度が3重量%以下のメカニカルアロイング粉末を得
る工程と、 (c) 得られたメカニカルアロイング粉末を、真空中に
おいて300〜1430℃の温度で容器中に封入する工
程と、 (d) 容器中に封入されたメカニカルアロイング粉末
を、800〜1430℃の温度にて押出比2以上の条件
で熱間押出する工程、 とを含むことを特徴とするタングステン合金の製造方
法。 - 【請求項6】 前記(b)工程で得られたメカニカルアロ
イング粉末を、水素ガス中又は真空中において800〜
1430℃で熱処理することを特徴とする、請求項5に
記載の微細結晶粒を有するタングステン合金の製造方
法。 - 【請求項7】 前記(c)工程の後にメカニカルアロイン
グ粉末を熱間成形するか、又は(c)工程の前にメカニカ
ルアロイング粉末を冷間成形することを特徴とする、請
求項5又は6に記載の微細結晶粒を有するタングステン
合金の製造方法。 - 【請求項8】 前記(d)工程で得られた押出材を、70
0〜1350℃の温度で10分間以上焼鈍し、焼鈍温度
から700℃まで14℃/分以上の速度で急速冷却する
ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の微
細結晶粒を有するタングステン合金の製造方法。
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JP27530992A JP3252481B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 微細結晶粒を有するタングステン合金及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06100973A JPH06100973A (ja) | 1994-04-12 |
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- 1992-09-18 JP JP27530992A patent/JP3252481B2/ja not_active Expired - Fee Related
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