JP3251746B2 - ポリエステル弾性体およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル弾性体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステル弾性
体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、耐候
性、耐熱性等の耐久性に優れ、且つ弾性回復性能および
耐加水分解性が極めて良好な弾性糸を得るのに適したポ
リエステル弾性体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルをハードセグメント
とし、脂肪族ポリエーテル又は脂肪族ポリエステルをソ
フトセグメントとするポリエステルブロック共重合体
は、いわゆるポリエステル弾性体として種々の用途に使
用されていることは周知のことである。
【0003】さらに、耐熱性、耐候性および耐塩素性な
どに優れたポリエステル弾性体として、イソフタル酸及
び/又はフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数6〜12
の脂肪族α,ω−ジオールを主たるグリコール成分とす
るポリエステルをソフト成分とするポリエステル弾性
が、特開平4−33919号公報に開示されている。
【0004】そして、上記公報に開示される弾性体の欠
点である低温での弾性回復性能を改善すべく、該ソフト
セグメントのポリエステルの酸成分として炭素数6〜1
2の長鎖脂肪族ジカルボン酸をイソフタル酸及び/又は
フタル酸と共に用いることが特開平5−32770号公
報に開示されている。しかし、この公報は上記脂肪族ジ
カルボン酸として分岐状脂肪族カルボン酸を用いること
に関して開示も示唆もしていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの研究によ
れば、上記特開平5−32770号公報で開示されてい
るポリエステル弾性体はたしかに低温での弾性回復性能
が改善されていたが、なお耐加水分解性の点で十分でな
いことが明らかとなった。本発明の目的は、低温におい
ても弾性回復性能が優れるとともに耐加水分解性に優れ
た弾性糸を与え得るポリエステル弾性体およびその製造
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1
に、(a−1)イソフタル酸および炭素数6〜12の主
鎖の炭素原子に炭素数1〜4のアルキル基が側鎖として
結合している分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸を主たる酸
成分とし、ここで該イソフタル酸は全酸成分の60〜9
0モル%であり、該分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸は全
酸成分の10〜40モル%であり、(a−2)炭素数6
〜12の直鎖状飽和脂肪族α、ω−ジオールを主たるグ
リコール成分とするポリエステル部分(A)と、(b−
1)芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、(b−
2)炭素数2〜4の直鎖状飽和脂肪族α、ω−ジオール
および1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群
から選択される少なくとも1種のジオールをグリコール
成分とするポリエステル部分(B)とがエステル結合を
介して結合してなることを特徴とするポリエステル弾性
体が提供される。
【0007】さらに、本発明によれば、第2に、(a−
1)イソフタル酸および炭素数6〜12の主鎖の炭素原
子に炭素数1〜4のアルキル基が側鎖として結合してい
る分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、
ここで該イソフタル酸は全酸成分の60〜90モル%で
あり、該分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸は全酸成分の1
0〜40モル%であり、(a−2)炭素数6〜12の直
鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールを主たるグリコール成
分とするポリエステル(A')と、(b−1)芳香族ジ
カルボン酸を主たる酸成分とし、(b−2)炭素数2〜
4の直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シ
クロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少
なくとも1種のジオールをグリコール成分とするポリエ
ステル(B')とを溶融混合してエステル交換反応を行
い、融点が上記ポリエステル(B')の融点より2〜4
0℃低い反応生成物を得ることを特徴とするポリエステ
ル弾性体の製造方法が提供される。
【0008】これらの発明により、本発明の前述の目的
が達成される。以下、本発明を詳述するが、これにより
本発明のさらなる目的、構成、利点及び効果が明らかと
なろう。
【0009】本発明のポリエステル弾性体を構成するポ
リエステル部分(A)の酸成分は、イソフタル酸および
炭素数6〜12の主鎖の炭素原子に、炭素原子1〜4の
アルキル基が側鎖として結合している分岐状飽和脂肪族
ジカルボン酸から主としてなる。
【0010】上記分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸の主鎖
とは、カルボキシル基を両端に有する直鎖を指し、その
炭素数はカルボキシル基の炭素原子を含んだ数である。
【0011】上記脂肪族ジカルボン酸において、炭素数
1〜4のアルキル基が炭素数6〜12の主鎖の炭素原子
に少なくとも1個、好ましくは2〜4個のアルキル基が
結合している。好ましいアルキル基の具体例としてはメ
チル基、イソプロピル基を挙げることができる。アルキ
ル基は、カルボキシル基の炭素原子に隣接した炭素原子
およびさらにその隣りの炭素原子の少なくともいずれか
の炭素原子に結合していることが好ましく、いずれの炭
素原子にもアルキル基が結合していればさらに好まし
い。
【0012】上記脂肪族ジカルボン酸の好ましい具体例
として、2,5−ジメチルアジピン酸、3,4−ジメチル
アジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、2,4,
4−トリメチルアジピン酸などを例示することができ
る。
【0013】このような分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸
をポリエステル部分(A)の酸成分としてイソフタル酸
と共に用いることにより、本発明のポリエステル弾性体
は、低温雰囲気での弾性回復率に優れ、しかも耐加水分
解性に優れる。
【0014】ポリエステル部分(A)の全酸成分中にイ
ソフタル酸が占める割合は60〜90モル%であり、好
ましくは60〜80モル%である。また同様に分岐状飽
和脂肪族ジカルボン酸が占める割合は10〜40モル%
であり、好ましくは20〜40モル%である。ポリエス
テル部分(A)は、酸成分としてイソフタル酸および分
岐状飽和脂肪族ジカルボン酸以外の酸成分を含むことが
できるが、その量はポリエステル部分(A)の全酸成分
の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下
であることが特に好ましい。
【0015】ポリエステル部分(A)を構成する主なグ
リコール成分は炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α,
ω−ジオールである。このジオールは化学式で表現すれ
ば下記式(1)で示すことができる。 HO−(CH2n−OH ───(1) (ここでnは6〜12の整数である) このような長鎖の脂肪族α,ω−ジオールをポリエステ
ル部分(A)のグリコール成分として用いることにより
本発明のポリエステル弾性体の弾性回復性能が優れる結
果となる。
【0016】上記直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールの
具体例としては、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノ
ナンジオールなどを例示することができる。これらは単
独であっても、2種以上が併用されていてもよい。
【0017】前記した分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸が
ポリエステル部分(A)の酸成分中に占める割合をXモ
ル%としたとき下記数式(1) 120/m≦X≦40 ─── 数式(1) (ここで、mは上記直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオール
の平均炭素数)を満たすことが一層好ましい。上記数式
を満たすことにより、本発明のポリエステル弾性体の低
温弾性回復性能が高水準に維持される。このことは前記
α,ω−ジオールの鎖長が長い場合は(炭素数が多い場
合は)、分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸成分の割合が比
較的少なくてもポリエステル弾性体の上記性能は良好に
維持され得ることを意味する。
【0018】ポリエステル部分(A)は、グリコール成
分として、前記直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオール以外
のグリコール成分を含むことができるが、その量はポリ
エステル部分(A)の全グリコール成分の20モル%以
下であることが好ましく、10モル%以下であることが
特に好ましい。
【0019】本発明のポリエステル弾性体を構成するポ
リエステル部分(B)は芳香族ジカルボン酸を主たる酸
成分とする。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはテレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−
ジフェニルジカルボン酸などを例示することができる。
【0020】ポリエステル部分(B)は、酸成分として
芳香族ジカルボン酸以外の酸成分を含むことができる
が、その量はポリエステル部分(B)の全酸成分の20
モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であ
ることが特に好ましい。
【0021】ポリエステル部分(B)は炭素数2〜4の
直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールからなる群より選択される少なく
とも1種のジオールを主たるグリコール成分とする。上
記脂肪族α,ω−ジオールの例としてエチレングリコー
ル、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリ
コールを例示することができる。
【0022】ポリエステル部分(B)はグリコール成分
として上記の直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオール以外の
グリコール成分を含むことができるが、その量はポリエ
ステル(B)の全グリコール成分の20モル%以下であ
ることが好ましく、10モル%以下であることが特に好
ましい。
【0023】ポリエステル部分(B)の好ましい代表例
として、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)セグメ
ント、ポリ(テトラメチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート)セグメントおよびポリ(1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート)セグメントを挙
げることができる。これらのセグメントをポリエステル
部分(B)として有するポリエステル弾性体は結晶性が
良くしかも結晶化速度が大である。
【0024】本発明のポリエステル弾性体において、前
述したポリエステル部分(A)とポリエステル部分
(B)はエステル結合を介して結合している。そしてポ
リエステル部分(A)対ポリエステル部分(B)の重量
比は90:10〜30:70であることが本発明のポリ
エステル弾性体に弾性回復性能を与える観点から好まし
い。そして上記比が80:20〜50:50の範囲であ
るとより優れたゴム弾性を有するポリエステル弾性体と
なり得る。
【0025】本発明のポリエステル弾性体は、オルトク
ロロフェノール溶媒中、35℃で測定した固有粘度が
0.4〜2.0dl/g、特には0.6〜1.5dl/gで
あることが好ましい。
【0026】以上詳述した本発明のポリエステル弾性体
は、例えばポリエステル部分(A)と同一組成のポリエ
ステル(A')とポリエステル部分(B)と同一組成の
ポリエステル(B')とを適切な触媒の存在下に溶融混
合してエステル交換反応(再分配反応)を行うことによ
り容易に得ることができる。
【0027】この際、ポリエステル(A')の固有粘度
(オルトクロロフェノール溶媒中、35℃で測定)は
0.6〜1.5dl/gであることが好ましく、ポリエス
テル(B')の固有粘度は0.6〜1.2dl/gである
ことが好ましい。
【0028】上記の溶融混合下に行われるエステル交換
反応において採用される温度、反応時間、攪拌速度など
の反応条件によりエステル交換反応の進行の度合が変化
し、それに応じて得られる生成物としてのポリエステル
弾性体の物性が変化する。そして、原料のポリエステル
(A')およびポリエステル(B')の組成、分子量、さ
らには使用する反応器の型、触媒の種類などがエステル
交換反応に影響を及ぼす。従って、得られるポリエステ
ル弾性体の物性と反応条件およびその他エステル交換反
応に及ぼす因子との関係を一義的に記載するのは困難で
ある。
【0029】しかしながら、ポリエステル(A')およ
びポリエステル(B')の組成および分子量、そして反
応装置が決まれば、エステル交換反応に影響を及ぼす反
応条件およびその他の因子との関係を予め実験的に知る
ことができるので、意図する物性のポリエステル弾性体
を製造することは容易である。
【0030】一般的には、溶融混合する温度は240〜
280℃であり、反応時間は5〜60である。このよう
な条件下ではポリマーの分解はほとんど生じない。また
触媒としてはチタン触媒あるいはスズ触媒が使用され
る。
【0031】エステル交換反応は、得られるポリエステ
ル弾性体の融点が、ポリエステル(A')よりも高結晶
性であるポリエステル(B')の融点より2〜40℃、
特には5〜30℃低くなるまで行うことが好ましい。こ
のようにすることにより、得られる生成物が単なるポリ
エステル(A')とポリエステル(B')の混合物となる
ことを回避することができると共にエステル交換反応が
過剰に進行してランダム共重合体となることを回避する
こともでき、該生成物は適切な弾性回復性能を有する弾
性体となる。
【0032】エステル交換反応後のポリエステル弾性体
を直ちに成形する場合には必ずしも必要ではないが、例
えば一度チップとなした後再度溶融して成形する場合に
は、再溶融時にエステル交換反応が更に進行してブロッ
ク共重合体の性質が変わるので、チップにする前にエス
テル交換反応を停止させておくことが望ましい。この反
応を停止させる方法としては、触媒能を失活させる方法
が一般的であり、例えばエステル交換反応触媒としてチ
タン又はスズ触媒を用いたときは、リン酸、亜リン酸、
ホスフォン酸、ホスフィン酸あるいはこれらの誘導体を
添加して触媒能を失活させる方法が採用できる。
【0033】なお、上述した触媒能を失活させる方法で
は、温度が260℃以上になると触媒活性は完全には停
止せず該方法による失活の効果は低減するので、ポリエ
ステル(B')の融点が260℃を越える場合には、あ
らかじめ溶媒、可塑剤等を用いて低温での反応及び成形
が可能となるようにしておくことが望ましい。
【0034】なお、本発明のポリエステル弾性体は、分
岐剤、カチオン可染性を付与するためのスルホン酸塩化
合物、難燃性を付与するためのリン化合物、その他の共
重合成分が少量、好ましくは10重量%以下の範囲で共
重合されていても良い。また、顔料、染料、充填剤、難
燃剤、安定剤等が含有されていても良い。
【0035】
【実施例】以下実施例により更に詳述する。なお、実施
例において「部」は重量部を示し、また固有粘度はオル
トクロロフェノール中35℃で測定したものである。
【0036】
【実施例1】ジメチルイソフタレート 135.8部(7
0モル%)、2,4,4−トリメチルアジピン酸 56.4
部(30モル%)と1,6−ヘキサンジオール 142部
とを、チタニウムテトラブトキシド 0.14部(ジメチ
ルイソフタレートと2,4,4−トリメチルアジピン酸の
合計量に対して0.04モル%)を触媒として用いて、
エステル交換反応及びエステル化反応させてメタノール
及び水を留去せしめた後、高真空下に常法により重縮合
させて固有粘度0.90dl/gのポリエステルI−1
を得た。
【0037】一方、ジメチルテレフタレート194部と
テトラメチレングリコール180部とをチタニウムテト
ラブトキシド0.1部(ジメチルテレフタレートに対し
て30ミリモル%)を触媒として用いて、上記と同様に
エステル交換反応させた後、重縮合させて固有粘度0.
92dl/g融点225℃のポリエステルII−1を得
た。
【0038】次にポリエステルII−1 30部にポリ
エステルI−1 70部を添加し、1mmHg以下の高
真空下に250℃で攪拌して上記のチタニウムテトラブ
トキシドを触媒としてエステル交換反応を行った。内容
物が透明になった20分後にフェニルホスホン酸を0.
05部添加し、さらに10分間攪拌して反応を停止し
た。得られたポリエステル弾性体の固有粘度は0.95
dl/gであり融点は210℃であった。なお、融点は
示差走査型熱量計(DSC)により昇温速度20℃/分
で測定し、吸熱ピーク温度を求めた。
【0039】このポリエステル弾性体を250℃で12
ホールの口金から吐出し、400m/分の速度で巻き取
り、弾性糸を得た。この弾性糸は、強度が0.8g/d
e、伸度が560%であった。この糸を20℃で200
%伸長(もとの長さの3倍)した後、ただちに回復させ
て測定した弾性回復率は85%であった。又、同様の弾
性回復率の測定を氷水中で行ったところ78%の弾性回
復率を示した。また耐加水分解性は130℃の加圧水中
下1時間放置した後の強度保持率が71%と良好であっ
た。
【0040】
【比較例1、2および実施例2、3】表1に記載された
ジカルボン酸、ジカルボン酸のジエステルおよびジオー
ルを表1に記載された割合で用い、かつ触媒としてチタ
ニウムテトラブトキシドをジカルボン酸とジカルボン酸
のエステルの合計量に対して0.04モル%を用いて実
施例1と同様にエステル化反応、エステル交換反応及び
重縮合を行いポリエステルI−2(比較例1)、ポリエ
ステルI−3(比較例2)、ポリエステルI−4(実施
例2)およびポリエステルI−5(実施例3)を調製し
た。
【0041】これらの各々のポリエステルIと実施例1
で調製したポリエステルII−1を表2に記載の割合で
使用して、実施例1と同様の操作を行い溶融混合下にエ
ステル交換反応を行った。内容物が透明になる時点は各
例によって異るが、その時点でフェニルホスホン酸を添
加して触媒を失活させて反応を停止し、ポリエステル弾
性体を得た。
【0042】得られたポリエステル弾性体の物性を実施
例1と同様に測定し、また弾性糸の調製およびその物性
の測定を実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
なお表の記号は以下のとおりである。 DMI:ジメチルイソフタレート DMA:ジメチルアジペート AZA:アゼライン酸 2,4,4−TMA:2,4,4−トリメチルアジピン酸 1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明のポリエステル弾性体は耐熱性、
耐酸化性等の耐久性に優れ、特に弾性回復性能および耐
加水分解性に優れるので繊維、フィルム、樹脂等の幅広
い用途に展開し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a−1)イソフタル酸および炭素数6
    〜12の主鎖の炭素原子に炭素数1〜4のアルキル基が
    側鎖として結合している分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸
    を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸は全酸成分
    の60〜90モル%であり、該分岐状飽和脂肪族ジカル
    ボン酸は全酸成分の10〜40モル%であり、(a−
    2)炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α、ω−ジオー
    ルを主たるグリコール成分とするポリエステル部分
    (A)と、(b−1)芳香族ジカルボン酸を主たる酸成
    分とし、(b−2)炭素数2〜4の直鎖状飽和脂肪族
    α、ω−ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタ
    ノールからなる群から選択される少なくとも1種のジオ
    ールを主たるグリコール成分とするポリエステル部分
    (B)とがエステル結合を介して結合してなることを特
    徴とするポリエステル弾性体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル部分(A)対ポリエステル
    部分(B)の重量比が90:10〜30:70であり、
    オルトクロロフェノール溶媒中、35℃で測定したポリ
    エステル弾性体の固有粘度が0.4〜2.0dl/gであ
    る請求項1に記載のポリエステル弾性体。
  3. 【請求項3】 (a−1)イソフタル酸および炭素数6
    〜12の主鎖の炭素原子に炭素数1〜4のアルキル基が
    側鎖として結合している分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸
    を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸は全酸成分
    の60〜90モル%であり、該分岐状飽和脂肪族ジカル
    ボン酸は全酸成分の10〜40モル%であり、(a−
    2)炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオー
    ルを主たるグリコール成分とするポリエステル(A')
    と、(b−1)芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
    し、(b−2)炭素数2〜4の直鎖状飽和脂肪族α,ω
    −ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール
    からなる群から選択される少なくとも1種のジオールを
    グリコール成分とするポリエステル(B')とを溶融混
    合してエステル交換反応を行い、融点が上記ポリエステ
    ル(B')の融点より2〜40℃低い反応生成物を得る
    ことを特徴とするポリエステル弾性体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル(A')対ポリエステル
    (B')との混合割合が90:10〜30:70の重合
    割合である請求項3に記載のポリエステル弾性体の製造
    方法。
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