JP3251564B2 - コンクリート捨て型枠用コルゲート鉄板パネル及び該型枠の施工方法 - Google Patents

コンクリート捨て型枠用コルゲート鉄板パネル及び該型枠の施工方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート捨
て型枠用コルゲート鉄板パネル及び該型枠の施工方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンクリート捨て型枠の
建込みに際して、該型枠に配管用等のスリーブ管を通す
場合には予めコルゲート鉄板パネルにそれ用の穴をフォ
ールソーやプラズマ、ガス等によって明けることがあ
る。しかしながら、このような穴を明けるとき、コルゲ
ート鉄板パネルの表面が凹凸のあるコルゲート部(波形
部)となっているためにその穴明けが難しかったり(フ
ォールソーの場合)、あるいは穴の開口周縁部分が汚れ
てしまう(プラズマ、ガスの場合)という問題があっ
た。また、スリーブ管と適合した穴を明けにくいうえ、
明けた穴とスリーブ管との間の隙間の処理が難しいとい
う問題があった。さらに、スリーブ管の配設位置に合わ
せて正確な位置に穴を明けなくてはならないが、それが
難しく、しかも変更に対処することも難しいという問題
があった。このような理由から型枠の施工に伴うトータ
ルコストも上がっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、前
記のような従来の問題点を解決し、スリーブ管挿入用の
穴明けが容易で、しかもスリーブ管と適合した穴明けが
可能で、隙間処理もほとんど必要がなく、スリーブ管を
正確な位置に配設でき、コストの低減や施工期間の短縮
を図ることができるコンクリート捨て型枠用コルゲート
鉄板パネル及び該型枠の施工方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1の発明のコンクリート捨て型枠用コルゲー
ト鉄板パネルは、コンクリート捨て型枠の側面部を形成
するコルゲート鉄板パネルであって、表面のコルゲート
部に平坦部が形成され、該平坦部にばか穴が形成された
パネル本体と、このパネル本体にばか穴を被覆し、かつ
上下左右に位置調整可能に取り付けられたカバーパネル
とを具え、このカバーパネルにばか穴より小径であっ
て、所定径のスリーブ管が嵌挿される穴が形成されてい
ることを特徴とする。請求項2の発明のコンクリート捨
て型枠用コルゲート鉄板パネルは、請求項1において、
平坦部の上下部にカバーパネルをスライドさせて位置調
整するためのガイド部材が設けられていることを特徴と
する。
【0005】請求項3の発明のコンクリート捨て型枠の
施工方法は、請求項1又は2記載のコルゲート鉄板パネ
ルを用いてコンクリート捨て型枠の建込みに際し、コル
ゲート鉄板パネルをコンクリート捨て型枠の側面部を形
成するように捨てコンクリート面に設置した後、カバー
パネルをパネル本体に対して上下左右に位置調整し、該
カバーパネルの穴とスリーブ管との芯合わせをばか穴内
で行ったうえ、スリーブ管をカバーパネルの穴に嵌挿し
て支持することを特徴とする。請求項4の発明のコンク
リート捨て型枠の施工方法は、請求項3において、コル
ゲート鉄板パネルをカバーパネルがコンクリート捨て型
枠の内側面側となるように設置することを特徴とする。
請求項5の発明のコンクリート捨て型枠の施工方法は、
請求項4において、スリーブ管をカバーパネルの穴に嵌
挿して支持した後、該スリーブ管内を除くコンクリート
捨て型枠内にコンクリートを打設することを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は実施形態の側面図、図2はコ
ンクリート捨て型枠を構成するコルゲート鉄板パネルの
外側表面を示す正面図、図3は同コルゲート鉄板パネル
の内側表面を示す正面図、図4は図2のA−A線に沿う
拡大断面図である。
【0007】図1において1はコンクリート捨て型枠
で、所定の現場地盤(捨てコンクリート)2上に設置さ
れている。このコンクリート捨て型枠1はその側面部を
形成する左右1対のコルゲート鉄板パネル3,4と、該
パネルを所定の間隔をおいて載置する建込み用架台5
と、該パネルをその上端部において連結するつなぎ材6
などからなっている。コルゲート鉄板パネル3,4は詳
細を図示省略したが、その長さ(図1で前後方向)が1
〜8m程度の任意の長さからなる長方形状を呈してい
る。7はスリーブ管、8は打設コンクリート、9は丸棒
状の補強鉄筋、10はコンクリート8の打設後にスリーブ
管7を通して配設される配設管(実管)である。
【0008】コルゲート鉄板パネル3,4は外表面側と
内表面側が逆に配置されているだけであって、構造的に
は同じであるので、以下にはコルゲート鉄板パネル3に
ついてその具体的な構成を説明し、コルゲート鉄板パネ
ル4については同様の部分に同一符号を付してその説明
を簡略化することとする。コルゲート鉄板パネル3は図
2,3,4に示すように長方形状のパネル本体11を有
し、該本体の上下縁部にはそれぞれ略コ字状のランナー
12,13が取り付けられている。また、パネル本体11の表
面中央部のコルゲート部にはプレス加工により平坦部14
が外側表面に形成され、該平坦部に横長楕円形のばか穴
15が形成されている。パネル本体11の内側表面となる平
坦部14の上下部には1対の横長ガイド部材16a,16bが
その高さ方向の中間部をそれぞれ複数の支持ピン17で支
持されて取り付けられ、該ガイド部材間にはカバーパネ
ル18がばか穴15を被覆し、かつ上下左右にスライドして
位置調整可能に取り付けられている。
【0009】すなわち、カバーパネル18の左右の位置調
整に際しては、下部ガイド部材16bの支持ピン17の上に
載った状態のカバーパネル18を左右にスライドさせて行
い、上下の位置調整に際しては、下部ガイド部材16bの
支持ピン17と上部ガイド部材16aの支持ピン17との間の
間隔内でカバーパネル18を上下動させて行うことにな
る。カバーパネル18にはばか穴15より小径の真円形状で
あって、スリーブ管7と適合してこれにほぼ隙間なく嵌
挿される穴19が形成され、スリーブ管7の配管に際して
この穴19の位置をスリーブ管7に合わせて調整すること
になる。
【0010】次に、コルゲート鉄板パネル3,4を用い
てその施工方法について説明する。コンクリート捨て型
枠1の建込みに際し、設置すべき捨てコンクリート2上
に建込み用架台5を置き、該架台に設けた調整ボルト5
aを操作して架台5の水平を出す。しかる後、架台5上
に予め工場等で組み立て搬送してきたコルゲート鉄板パ
ネル3,4をカバーパネル18が内側面側となるように置
き、つなぎ材6や補強鉄筋9などで連結してコンクリー
ト捨て型枠1を組み立て設置する。この際、コンクリー
ト捨て型枠1内に必要により補強用の鉄筋等を配設して
もよい。コンクリート捨て型枠1を設置した後、コンク
リート捨て型枠1のコルゲート鉄板パネル3,4に設け
たカバーパネル18を上下左右にスライドして位置調整
し、スリーブ管7との芯合わせをばか穴15内で行い、ス
リーブ管7を穴19に嵌挿してその両端部がカバーパネル
18で支持されるようにする。
【0011】スリーブ管7はコルゲート鉄板パネル3,
4間の配置間隔とほぼ同程度の長さからなり、その両端
部が穴19の縁部で支持される。スリーブ管7を嵌挿支持
した後、架台5の下部空間及び架台5上に載置したコン
クリート捨て型枠1内に連続してコンクリートを打設す
る。しかる後、スリーブ管7により形成された貫通穴20
に図1のように配設管(実管)10を通して所要の施工作
業を終える。配設管10とスリーブ管7の間に形成される
環状隙間22が図1では相当あるように見受けられるが、
実際上は10〜20mm程度である。この隙間は配設管10が多
少勾配をもって配設されることがあるため必要である。
【0012】前記のようであってカバーパネル18に明け
た穴19へのスリーブ管7の嵌挿に際しては、穴19が設け
られているカバーパネル18を上下左右にスライドして位
置調整して芯合わせを行えるので、穴19をスリーブ管7
の外径にきわめて近い径に形成できる。したがって、従
来その隙間から生じていたコンクリートの漏れ等もない
うえ、格別な隙間処理や補強も必要がなく、スリーブ管
を正確な位置に配設できるとともに、良好な施工を行う
ことができる。また、穴19をコルゲート鉄板パネル3,
4自体でなく、平板状のカバーパネル18に形成するの
で、その形成が容易であり、しかもその変形がほとんど
ない真円近い状態に形成可能である。また、穴19の加工
も特別のものを要求されることなく、従来のフォールソ
ー等を使用できる。
【0013】前記においてガイド部材16は好ましい一例
を示したにすぎず、カバーパネル18が上下左右にスライ
ドできるものであればこれ以外の構成としてもよく、ま
たばか穴15やカバーパネル18の穴19の形状も図示のもの
とは異なる形状のものを採用してもよい。さらに、実施
の形態で示した架台5は捨てコンクリート面2の不陸調
整のためのものであるが、この発明には必須のものでは
ない。
【0014】
【発明の効果】請求項1,2の発明は前記のような構成
からなるので、スリーブ管挿入用の穴明けがきわめて容
易で、しかもスリーブ管と適合した穴明けが可能で、隙
間処理もほとんど必要がなく、スリーブ管を正確な位置
に配設できる。しかも、コストの低減や施工期間の短縮
を図ることができる。請求項3,4,5の発明は前記の
ような構成からなるので、コンクリート捨て型枠を設置
する際のコルゲート鉄板パネルの施工性を高めることが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】コルゲート鉄板パネルの外側表面を示す正面図
である。
【図3】コルゲート鉄板パネルの内側表面を示す正面図
である。
【図4】図2のA−A線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート捨て型枠 2 現場地盤(捨てコンクリート面) 3,4 コルゲート鉄板パネル 5 建込み用架台 6 つなぎ材 7 スリーブ管 8 打設コンクリート 9 補強鉄筋 10 配設管(実管) 11 パネル本体 12,13 ランナー 14 平坦部 15 ばか穴 16a,16b ガイド部材 17 支持ピン 18 カバーパネル 19 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 毅 滋賀県近江八幡市浅小井町55 株式会社 大塚内 (56)参考文献 特開 平2−147768(JP,A) 実開 平5−42329(JP,U) 実開 昭54−166702(JP,U) 実公 昭48−16449(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/01

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート捨て型枠の側面部を形成す
    るコルゲート鉄板パネルであって、表面のコルゲート部
    に平坦部が形成され、該平坦部にばか穴が形成されたパ
    ネル本体と、このパネル本体にばか穴を被覆し、かつ上
    下左右に位置調整可能に取り付けられたカバーパネルと
    を具え、このカバーパネルに前記ばか穴より小径であっ
    て、所定径のスリーブ管が嵌挿される穴が形成されてい
    ることを特徴とするコンクリート捨て型枠用コルゲート
    鉄板パネル。
  2. 【請求項2】 平坦部の上下部にカバーパネルをスライ
    ドさせて位置調整するためのガイド部材が設けられてい
    る請求項1記載のコンクリート捨て型枠用コルゲート鉄
    板パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のコルゲート鉄板パ
    ネルを用いてコンクリート捨て型枠の建込みに際し、コ
    ルゲート鉄板パネルをコンクリート捨て型枠の側面部を
    形成するように捨てコンクリート面に設置した後、カバ
    ーパネルをパネル本体に対して上下左右に位置調整し、
    該カバーパネルの穴とスリーブ管との芯合わせをばか穴
    内で行ったうえ、スリーブ管をカバーパネルの穴に嵌挿
    して支持することを特徴とするコンクリート捨て型枠の
    施工方法。
  4. 【請求項4】 コルゲート鉄板パネルをカバーパネルが
    コンクリート捨て型枠の内側面側となるように設置する
    請求項3記載のコンクリート捨て型枠の施工方法。
  5. 【請求項5】 スリーブ管をカバーパネルの穴に嵌挿し
    て支持した後、該スリーブ管内を除くコンクリート捨て
    型枠内にコンクリートを打設する請求項4記載のコンク
    リート捨て型枠の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8053436B1 (en) * 1999-10-18 2011-11-08 Merck Serono Sa 9-(piperazinylalkyl) carbazoles as bax-modulators
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