JP3249210B2 - 耐ssc性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法 - Google Patents

耐ssc性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法

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JP3249210B2
JP3249210B2 JP34285892A JP34285892A JP3249210B2 JP 3249210 B2 JP3249210 B2 JP 3249210B2 JP 34285892 A JP34285892 A JP 34285892A JP 34285892 A JP34285892 A JP 34285892A JP 3249210 B2 JP3249210 B2 JP 3249210B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐SSC性の優れた低
硬度高靭性シームレス鋼管の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー資源としてのガス井、
油井開発は硫化水素濃度の高い環境で且つ極北化する傾
向にあり、開発機材として使用されるシームレス鋼管に
対しては、耐水素割れ性を保つため低硬度で且つ高靭性
(−60℃保証)を兼ね備えた性質が要求される。従来
より、このような諸特性を同時に満足するにはASTM
No.6以下の結晶粒度では困難であることが本発明者
等によって確かめられている。
【0003】一方、熱間シームレス鋼管の圧延工程は、
鋳造鋼片の穿孔圧延、延伸圧延、仕上圧延工程に分けら
れるが、成型性および表面品位の確保のため通常110
0℃以上の高温域で加工が行われる。よって、再結晶粒
の粒成長は著しく、その結晶粒度はASTM No.6よ
り粗粒となる。すなわち、近年の油井開発機材として要
求される特性を満足するにはASTM No.6以上の微
細化組織を安定して得る必要があるが、ASTM No.
6以上の微細化組織を確保し耐SSC性の優れた高強度
低靭性シームレス鋼管を得るには熱間シームレス圧延後
に焼入−焼戻しする直接焼入工程では不十分であるた
め、例えば特開昭52−77813号公報のように熱間
粗圧延した中空素管を強制的に一旦鋼のAr1 点以下に
下げて再度オーステナイト化し引き続き行う仕上圧延後
に焼入−焼戻しするか、或いは通常の仕上圧延後に再加
熱焼入−焼戻しする必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法はいずれにおいても熱効率上の問題のほかに
製造工程が煩雑となる欠点があった。一方、従来の熱間
シームレス圧延ままで近年の油井開発に要求される特性
を満足できる必要条件である結晶粒度ASTMNo.6以
上が得られないため、直接焼入処理等の省工程で耐SS
C性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管が得られない
問題があった。
【0005】本発明はこのような従来の問題を解消する
ものであって、鋼成分,熱間圧延条件を制御することに
よって耐SSC性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管
の製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために構成したもので、その要旨は、重量%とし
て C :0.03〜0.20%、 Si:0.0
1〜0.5%、Mn:0.15〜2.5%、
S :0.010%以下、P :0.020%以下、
Al:0.005〜0.1%、Ti:
0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜
0.1%、N :0.01%以下を含有し、更に必要に
よっては Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.0
5〜0.5%、Ni:0.1〜2.0%、
V :0.01〜0.1%、B :0.0003〜
0.0033%、希土類元素:0.001〜0.05
%、Ca:0.001〜0.02%、 Co:
0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
らなる鋼片を1100℃以上に加熱し熱間穿孔圧延した
中空素管をAr3 〜1100℃点まで冷却し、その直後
の前段の傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の
成形加工を施し、更に前段傾斜圧延時の加工発熱により
Ar3 〜1100℃点まで昇温保持された中空粗管をそ
の最終傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の成
形加工を施し、その後、形状矯正連続圧延を行った後A
1 点〜900℃の温度まで降下した中空粗管を該温度
より高い900〜1100℃に加熱後、仕上温度がAr
3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施した仕上鋼管を、
Ar3 点以上の温度からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼の
Ar1 点直下の温度となるまで150℃/s以下の速度
で冷却し、引き続きAr1 点直下の温度から150℃/
s超の速度で常温まで冷却を施す耐SSC性の優れた低
硬度高靭性シームレス鋼管の製造法である。
【0007】
【作用】以下本発明の製造法について詳細に説明する。
先ず、本発明において上記のような鋼成分に限定した理
由について説明する。C,Mnは、焼入効果を増して強
度を高め降伏点30〜60kgf/mm2 の高張力鋼を安定し
て得るためおよび細粒化を図るため重要である。少な過
ぎるとその効果がなく、多過ぎるとパイプ焼入端から1
〜2mmがAr1 点直下まで150℃/s以下の速度で冷
却しても硬さの低減(ビッカース硬さ<248)が図れ
ず耐SSC性の劣化をきたし、また靭性劣化の原因とな
るためそれぞれ0.03〜0.20%、0.15〜2.
5%とした。
【0008】Siは、脱酸剤が残存したもので強度を高
める有効な成分である。少な過ぎるとその効果がなく、
多過ぎると介在物を増加して鋼の耐SSC性を低下させ
るため0.01〜0.5%とした。
【0009】Pは、粒界偏析を起こして加工の際き裂を
生じ易く有害な成分であり、また低温靭性の劣化をきた
すためその含有量を0.005%以下とした。Sは、M
nS系介在物を形成して熱間連続圧延で延伸し低温靭性
に有害な成分としてその含有量を0.02%以下とし
た。
【0010】Alは、Siと同様脱酸剤が残存したもの
で、鋼中の不純物成分として含まれるNと結合して結晶
粒の成長を抑えて鋼の低温靭性を改善する。少な過ぎる
とその効果がなく、多過ぎると介在物を増加して鋼の性
質を脆化するため0.005〜0.1%とした。
【0011】Ti,Nbは、いずれもシームレス圧延中
の結晶粒径制御元素として本発明の成分の中で最も重要
な元素である。Tiは、鋼中の不純物成分として含まれ
るNと結合して、熱間傾斜圧延中の結晶粒制御および熱
間傾斜圧延後の結晶粒の成長を抑える重要な元素であ
る。結晶粒の成長抑制が不十分であるとパイプ焼入端か
ら1〜2mmがAr1 点直下まで150℃/s以下の速度
で冷却しても硬さの低減(ビッカース硬さ<248)が
図れず、更に引き続き行う150℃/s以上の冷却時に
パイプ焼入端から1〜2mm以外の部分の硬さが著しく上
昇し耐SSC性の劣化をきたす。また、傾斜圧延、その
後の連続圧延終了後Ar3 点〜900℃の温度まで降下
した該素管を該温度より高い900〜1000℃に加熱
した場合のγ粒度は、再結晶によりγ粒度粗大化温度が
著しく低下し通常の再加熱温度(最終仕上圧延後に焼入
処理を行うために必要とされる再加熱温度)では異常粗
大化する。Nbはこのような圧延履歴をもったγ粒の異
常粗大化を抑制する重要な元素である。添加量が少な過
ぎると効果がなく、多過ぎてもその効果が飽和し、しか
も非常に高価であるため0.005〜0.1%とした。
【0012】Nは、後述のようにBを添加した場合の焼
入性を低下させる有害な成分となるのでその含有量を
0.01%以下とした。
【0013】上記の成分組成の鋼で更に鋼の強度を高め
る場合Cr等の成分を必要に応じて選択的に添加する。
Cr,Mo,Ni,Vは、鋼の焼入性を増して、強度を
高めるために添加するものである。少な過ぎるとその効
果がなく、多過ぎてもその効果が飽和しパイプ焼入端か
ら1〜2mmがAr1 点直下まで150℃/s以下の速度
で冷却しても硬さの低減(ビッカース硬さ<248)が
図れず耐SSC性の劣化をきたし、また靭性劣化の原因
となる。しかも非常に高価であるため、それぞれ0.0
1〜1.5%、0.05〜0.5%、0.1〜2.0
%、0.01〜0.1%とした。Bは、焼入性を著しく
向上せしめて強度を高める。少な過ぎるとその効果がな
く、多過ぎても効果は変わらず、靭性や熱間加工性を劣
化させるので0.0003〜0.0033%とした。
【0014】更に本発明は、近年のシームレス鋼管の使
用環境を鑑み上記の成分組成で構成される鋼の耐SSC
性を改善するために希土類元素等の成分を必要に応じて
選択的に添加する。希土類元素、Caは、介在物の形態
を球状化させて無害化する有効な成分である。少な過ぎ
るとその効果がなく、多過ぎると介在物を増加して耐S
SC性を低下させるのでそれぞれ0.001〜0.05
%、0.001〜0.02%とした。Co,Cuは、鋼
中への水素侵入抑制効果があり耐SSC性に有効に働
く。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎるとその効果
が飽和するためそれぞれ0.05〜0.5%、0.1〜
0.5%とした。
【0015】次に熱間シームレス圧延条件を上記のよう
に限定した理由について説明する。上記のような成分組
成の鋼は転炉、電気炉等の溶解炉であるいは更に真空脱
ガス処理を経て溶製され、連続鋳造法または造塊分塊法
で鋼片を製造する。鋼片は、直ちにあるいは一旦冷却さ
れた後高温に加熱し熱間穿孔圧延をする。加熱温度は、
熱間穿孔圧延を容易にするため十分高くしておかねばな
らない。本発明の成分範囲内であれば1100℃以上の
温度で熱間成形加工上なんら支障が生じないので、その
温度は1100℃以上とした。
【0016】穿孔圧延が行われた中空素管は、傾斜圧延
機前でAr3 点〜1100℃の温度にし、直ちに粗加工
する傾斜圧延を行う。傾斜圧延機(エロンゲーターミル
等)は、シームレス鋼管の圧延に使用される他の圧延機
(マンドレルミル、プラグミル等)や鋼板の圧延機と異
なり、剪断ひずみの成分が非常に大きい。したがって、
断面積減少率から予測されるひずみ量と比べて実質的な
ひずみ量は格段に大きい。このため、傾斜圧延機では小
さな断面積減少率の加工であっても加工発熱が大きいた
め直後の最終段の傾斜圧延に必要な温度の確保が可能と
なる。前段の傾斜圧延機で圧延された中空粗管はAr3
〜1100℃の温度に昇温保持され、その後、Ar3
1100℃の温度に昇温保持された粗管は最終段の傾斜
圧延機で、鋼管の最終形状に近い外径、肉厚まで粗加工
する傾斜圧延を行う。傾斜圧延機は、剪断ひずみの成分
が非常に大きいため実質的なひずみ量は格段に大きくな
り、前述の加工発熱効果に加えて、低温圧延においても
容易に再結晶組織が得られ、図1で示すように同一断面
積減少率であっても剪断ひずみの小さい圧延機と比べて
細粒が得られる。傾斜圧延の圧延温度は高いと再結晶粒
の著しい成長が起こり、低すぎると圧延負荷の増大によ
り鋼の成形性が著しく低下し、目標とする外径、肉厚が
得られにくく再結晶による結晶粒の微細化が図れないた
め、前段、最終段共Ar3 〜1100℃に限定した。
【0017】また、傾斜圧延機では前段、最終段共に再
結晶は大部分動的に起こるので、結晶粒度は加工量によ
らない。しかし、再結晶する臨界ひずみは超えている必
要がある。圧下率は、再結晶が圧延終了後にも静的に起
こることを考慮して下限を20%とした。一方、圧下率
が余り大きすぎると、圧延が困難になりパイプの成形性
や表面品位の低下が起こるため、上限を70%とした。
【0018】最終段の傾斜圧延終了後、中空粗管を更に
形状矯正のための連続圧延しAr1点〜900℃の温度
まで降下した該粗管は、該温度より高い900〜110
0℃に再加熱される。この再加熱温度は、最終仕上圧延
後のγ粒径の整粒、細粒化に影響する。すなわち、最終
段の傾斜圧延それに続く熱間連続圧延温度がAr3 点近
傍に低下した場合、熱間連続圧延後にパイプ全体にわた
って再結晶が完了せず未再結晶組織が部分的に残存す
る。図2は、最終段の傾斜圧延条件と再加熱前組織の未
再結晶率の関係を示した。最終段の傾斜圧延機前のγ粒
度は、通常ASTM No.3〜ASTM No.6の範囲
にあり、ASTM No.6程度の細粒であると傾斜圧延
温度がAr3 点近傍でも未再結晶率は20%以下とほぼ
再結晶組織の状態であるが、ASTM No.3程度の中
空素管では傾斜圧延前温度がAr3点近傍では未再結晶
組織率は40%と上昇する。この場合、その後の熱間連
続圧延機においても再結晶しない場合があり、未再結晶
ままの状態で再加熱炉に挿入される。このような未再結
晶ままの組織から冷却された鋼は均一な性質が得られな
い。よって、その後の再加熱炉で再結晶させ、細粒化、
整粒化させる必要がある。本発明の範囲であれば900
℃以上の再加熱で未再結晶組織はなくなることが確認さ
れた。しかし、あまり高温にすると結晶粒径が粗大化す
るとともにパイプ表面スケールが多く生成し表面品位が
劣化するため、上限を1100℃とした。
【0019】再加熱後Ar3 +50℃以上の温度で熱間
最終仕上圧延を行う。圧延温度は、あまり低くなると高
強度を得るために必要とされる冷却時の完全γの状態が
確保できないためAr3 +50℃とした。
【0020】熱間最終仕上圧延後にAr3 点以上の温度
からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼のAr1 点直下の温度
となるまで150℃/s以下の速度で冷却し、引き続き
Ar1 点直下の温度から150℃/s超の速度で常温ま
で冷却を行う。焼入処理開始温度は、細粒フェライト組
織+ベイナイト+マルテンサイトの混合組織を確保し、
必要とする強度を確保するためAr3 点以上とした。
【0021】冷却速度は、強度、靭性の確保および耐S
SC性の向上を図るため特に重要である。冷却速度は、
冷媒すなわち冷却水の温度を一定とした場合、水量密度
の大小により決まり、その水量密度は焼入端から1〜2
mm点の冷却速度に最も大きく影響を及ぼす。強度確保に
必要な水量密度で冷却すると焼入端から1〜2mm点の冷
却速度が大きくなり、焼戻し後の硬さが上昇し、耐SS
C性が低下する。耐SSC性の確保には、ビッカース硬
さ250以下にする必要があり、本発明範囲の鋼成分で
は冷却速度を150℃/s以下とする必要がある。しか
しながら、焼入端から1〜2mm点の冷却速度を150℃
/s以下とすると必要な強度が確保できない。よって、
冷却速度(ここでは、焼入端から1〜2mm点の冷却速
度)は焼入端から1〜2mm点が鋼のAr1 点を切るまで
150℃/s以下で行い、引き続き150℃/s超とな
るような大きな水量密度でパイプ内面側の冷却速度を確
保する必要がある。
【0022】冷却方法は特に限定しないが、冷却後、焼
入端から1〜2mm間が鋼のAc1 点以上に復熱する前に
急冷却する必要がある。このような熱サイクルを安定し
て行うためには、パイプ外表面からのスプレー冷却が望
ましい。冷媒は、必要とする強度、靭性および表面硬さ
のレベルに応じて水単独あるいは水+空気を選択でき
る。
【0023】尚、本発明において、仕上鋼管の冷却を、
焼入端1〜2mm点を基準にしたのは、1mm未満では脱炭
層あるいはスケールで硬度測定が難しくなること、また
2mmを超えると冷却速度の影響が小さく敏感に材質を管
理することができない。つまり、1〜2mmの深さは冷却
速度の影響を敏感に受け材質を管理し易い範囲であるか
らである。
【0024】焼戻し温度は、強度および靭性の安定化を
確保する必要からAc1 点以下とした。その加熱方法に
ついては特に限定しない。
【0025】以上の製造条件で得られる鋼は粗大粒を含
むことなく低硬度高靭性シームレス鋼管の製造に有効で
ある。
【0026】また、熱間最終仕上圧延後に冷却速度10
℃/s以下の放冷処理を行っても、従来鋼よりα変態前
の結晶粒径は微細であるため、変態は細粒フェライト組
織が得られ、高靭性および耐SSC性鋼が得られること
は言うまでもない。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。転炉
で溶製し連続鋳造を経て製造された表1−1に示す成分
を有する鋼片を表1−2に示す条件で熱間シームレス圧
延を行ってパイプ焼入端から1〜2mmがAr1 点直下ま
で150℃/s以下の速度で冷却して、引き続きAr1
点直下の温度から150℃/s超の速度で常温まで冷却
を施すかあるいは更に焼戻した鋼管の強度(YS)、硬
さ、γ粒度および耐SSC性を同表に示した。なお、耐
SSC性は、NACE TM01−77に従って定荷重
方式によるσth(Threshold Stress)を求めて評価し
た。本発明によって製造された鋼管は、高強度を有しか
つ従来法に比しγ粒度は微細であり低硬度が得られ耐S
SC性はσthで0.2σy以上向上することがわか
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】上記のような本発明法によって製造され
た鋼管は、高強度を有し更に細粒で最高硬さが低く、低
温靭性および耐SSC性が優れているため、極北の寒冷
地や硫化物応力腐食環境において使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の鋼板圧延法と最終段の傾斜圧延後のγ粒
度と圧延温度の影響を示す図。
【図2】最終段の傾斜圧延条件と再加熱前組織の未再結
晶率の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して残部が実質的にFeからなる鋼片を1100
    ℃以上に加熱し熱間穿孔圧延した中空素管をAr3 〜1
    100℃点まで冷却し、その直後の前段の傾斜圧延機で
    肉厚断面減少率が20〜70%の成形加工を施し、更に
    前段傾斜圧延時の加工発熱によりAr3 〜1100℃点
    まで昇温保持された中空粗管をその最終傾斜圧延機で肉
    厚断面減少率で20〜70%の成形加工を施し、その
    後、形状矯正連続圧延を行った後Ar1 点〜900℃の
    温度まで降下した中空粗管を該温度より高い900〜1
    100℃に加熱後、仕上温度がAr3 点+50℃以上の
    熱間仕上圧延を施した仕上鋼管を、Ar3 点以上の温度
    からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼のAr1 点直下の温度
    まで150℃/s以下の速度で冷却し、引き続きAr1
    点直下の温度から150℃/s超の速度で常温まで冷却
    を施すことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭
    性シームレス鋼管の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の処理に引き続き、更にA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻し処理を施す
    ことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シー
    ムレス鋼管の製造法。
  3. 【請求項3】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、更に Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.5%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1% B :0.0003〜0.0033% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1100℃以上に加熱し熱間穿孔圧延した
    中空素管をAr3 〜1100℃点まで冷却し、その直後
    の前段の傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の
    成形加工を施し、更に前段傾斜圧延時の加工発熱により
    Ar3 〜1100℃点まで昇温保持された中空粗管をそ
    の最終傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の成
    形加工を施し、その後、形状矯正連続圧延を行った後A
    1 点〜900℃の温度まで降下した中空粗管を該温度
    より高い900〜1100℃に加熱後、仕上温度がAr
    3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施した仕上鋼管を、
    Ar3 点以上の温度からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼の
    Ar1 点直下の温度まで150℃/s以下の速度で冷却
    し、引き続きAr1 点直下の温度から150℃/s超の
    速度で常温まで冷却を施すことを特徴とする耐SSC性
    の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の処理に引き続き、更にA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻し処理を施す
    ことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シー
    ムレス鋼管の製造法。
  5. 【請求項5】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、更に 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1100℃以上に加熱し熱間穿孔圧延した
    中空素管をAr3 〜1100℃点まで冷却し、その直後
    の前段の傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の
    成形加工を施し、更に前段傾斜圧延時の加工発熱により
    Ar3 〜1100℃点まで昇温保持された中空粗管をそ
    の最終傾斜圧延機で肉厚断面減少率が20〜70%の成
    形加工を施し、その後、形状矯正連続圧延を行った後A
    1 点〜900℃の温度まで降下した中空粗管を該温度
    より高い900〜1100℃に加熱後、仕上温度がAr
    3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施した仕上鋼管を、
    Ar3 点以上の温度からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼の
    Ar1 点直下の温度まで150℃/s以下の速度で冷却
    し、引き続きAr1 点直下の温度から150℃/s超の
    速度で常温まで冷却を施すことを特徴とする耐SSC性
    の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の処理に引き続き、更にA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻し処理を施す
    ことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シー
    ムレス鋼管の製造法。
  7. 【請求項7】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、更に Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.5%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1% B :0.0003〜0.0033% の1種または2種以上と 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1100℃以上に加熱し熱間穿孔圧延した
    中空素管をAr3 〜1100℃点まで冷却し、その直後
    の前段の傾斜圧延機で肉厚断面減少率で20〜70%の
    成形加工を施し、更に前段傾斜圧延時の加工発熱により
    Ar3 〜1100℃点まで昇温保持された中空粗管をそ
    の最終傾斜圧延機で肉厚断面減少率が20〜70%の成
    形加工を施し、その後、形状矯正連続圧延を行った後A
    1 点〜900℃の温度まで降下した中空粗管を該温度
    より高い900〜1100℃に加熱後、仕上温度がAr
    3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施した仕上鋼管を、
    Ar3 点以上の温度からパイプ焼入端1〜2mm点が鋼の
    Ar1 点直下の温度まで150℃/s以下の速度で冷却
    し、引き続きAr1 点直下の温度から150℃/s超の
    速度で常温まで冷却を施すことを特徴とする耐SSC性
    の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の処理に引き続き、更にA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻し処理を施す
    ことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シー
    ムレス鋼管の製造法。
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