JP3247322B2 - 洗浄装置 - Google Patents

洗浄装置

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JP3247322B2
JP3247322B2 JP25557797A JP25557797A JP3247322B2 JP 3247322 B2 JP3247322 B2 JP 3247322B2 JP 25557797 A JP25557797 A JP 25557797A JP 25557797 A JP25557797 A JP 25557797A JP 3247322 B2 JP3247322 B2 JP 3247322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、ガラス
基板などの基板を洗浄するための洗浄装置に関し、特
に、400mm×400mm以上の大型基板の洗浄に好
適な洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置は、他の表示装置に
比べて厚さ(奥行き)が格段に薄くできること、消費電
力が小さいこと、フルカラー化が容易なことなどの利点
を有するため、現在幅広い分野で用いられている。この
液晶表示装置は、通常、一対のガラス基板の間に液晶層
を挟持している構成を有している。
【0003】上記ガラス基板に対しては、透明導電層や
有機高分子膜、金属膜などの薄膜が成膜され、これら薄
膜をパターニングするなどによって、該ガラス基板上に
薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子
や、該スイッチング素子を駆動制御するための配線など
が形成される。
【0004】上記種々の薄膜を形成する工程では、上記
ガラス基板を洗浄することによって、該ガラス基板上に
付着しているサブミクロンから数μmのパーティクルを
除去する必要がある。これは、ガラス基板上にパーティ
クルが残留した状態で薄膜を形成すると、形成されたこ
の薄膜をパターニングなどして形成される上記配線に断
線やリークなどの配線不良が発生する。この配線不良
は、上記スイッチング素子に対して動作不良を招来する
ことになり、得られる液晶表示装置に線欠陥や点欠陥を
引き起こすことにもなる。これと同様の問題点は、IC
やLSIなどの製造においても生じる。
【0005】そこで、上記の問題点を解消するために、
従来より、ガラス基板などの基板を洗浄装置で洗浄する
ことによって、基板上のパーティクルを除去し、その
後、該基板に対して薄膜を成膜する手法が用いられてい
る。上記洗浄装置としては、洗浄液が洗浄槽にほぼ一様
に流入するオーバーフロー方式の洗浄装置が挙げられ
る。このオーバーフロー方式の洗浄装置としては、たと
えば、図7に示すように、ポンプ101、フィルタ10
2、洗浄槽103、流入口105、排出手段106、パ
ンチングプレート107を少なくとも備えている洗浄装
置100がある。
【0006】この洗浄装置100では、まず、ポンプ1
01により圧送される洗浄液に含まれるパーティクルが
フィルタ102により除去される。パーティクルが除去
された洗浄液は、洗浄槽103の底面に面状に形成され
た流入口105から該洗浄槽103に流入する。このと
き、流入口105の直上には、パンチングプレート10
7が設置されており、このパンチングプレート107に
より、洗浄液の流れが平滑化され、洗浄槽103に対し
て洗浄液が一様に流入することになる。
【0007】洗浄槽103内には被洗浄物である基板1
04(ガラス基板など)が複数配置されており、一様に
流入した洗浄液によって該基板104は洗浄される。ま
た、洗浄液は、洗浄槽103に設けられた図示しない流
出口を通って、排出手段106によって排出される。
【0008】流入口105は、上述したように、洗浄槽
103の底面に面状に形成されていること、および、パ
ンチングプレート107を設けていることから、図8に
示すように、洗浄液は一様に洗浄槽103に流入する。
そして、洗浄槽103の下方から2つの流出口108の
設けられている上方に向かって洗浄液が流れる。この洗
浄液の流れによって基板104を洗浄する。その後、洗
浄液は、上記のように、洗浄槽103の上端に接する位
置に形成されている流出口108から流出し、上記排出
手段106によって排出されることになる。
【0009】このようなオーバーフロー方式の洗浄装置
としては、上記洗浄装置100以外に、下記の各洗浄装
置を挙げることができる。まず、洗浄装置110では、
図9に示すように、洗浄槽113の底面に面状に形成さ
れた流入口115から、洗浄液が放物線状に分布しなが
ら該洗浄槽113に流入する。流入した洗浄液の流れ
は、基板104を洗浄して、洗浄槽113側面の上端面
に接する位置に設けられている2つの流出口118から
流出する。
【0010】次に、洗浄装置120では、図10に示す
ように、洗浄槽123の上端面に、面状の流入口125
が設けられており、この流入口125から洗浄液が一様
に流入する。流入した洗浄液の流れは、基板104を洗
浄して、洗浄槽123側面の底面に接する位置に設けら
れている2つの流出口128から流出する。
【0011】また、複数の流入口から流入した洗浄液を
一様に流出させる洗浄装置、すなわち、上記のオーバー
フロー方式の洗浄装置とは流入口と流出口の構成が逆と
なっている一様流出方式の洗浄装置も知られている。た
とえば、図11に示すように、洗浄装置130では、洗
浄槽133側面の上端面に接する位置に形成された流入
口135から洗浄液が流入する。流入した洗浄液の流れ
は、基板104を洗浄して、洗浄槽133の底面に面状
に形成されている流出口138から一様に流出する。
【0012】上記のような一様流出方式の洗浄装置のう
ち、特に、ICやLSIなどに用いられる円盤状の基板
であるシリコンウェハーの洗浄に用いられる洗浄装置と
して、たとえば、図12に示すような、洗浄槽143の
断面形状が略半円形状の洗浄装置140が挙げられる。
【0013】この洗浄装置140では、被洗浄物である
シリコンウェハー144の形状に合わせて洗浄槽143
の形状が設定されている。この洗浄槽143の上部に
は、洗浄液である純水を供給する純水供給部142が形
成されており、さらに、洗浄槽143の内部に、シリコ
ンウェハー144の形状に合わせた位置に、純水を噴射
するシャワーパイプ145が複数形成されている。シャ
ワーパイプ145による純水の噴射によって、洗浄槽1
43内の純水が撹拌され、シリコンウェハー144上の
パーティクルが除去される。その後、流出口148から
純水が一様に流出して排出される。
【0014】同様の構成の洗浄装置としては、他に、特
開平8−290134号公報に開示されている洗浄装置
がある。この洗浄装置150では、図13に示すよう
に、略直方体状形状の洗浄槽153の一方の側面の上端
に、流入する純水(洗浄液)の流入角度が異なるように
形成されている2つの流入口155が設けられている。
この2つの流入口155から流入した純水の流れは、被
洗浄物であるシリコンウェハー144上のパーティクル
を除去し、その後、洗浄槽153の底面に面状に形成さ
れた流出口158の近傍で合流して、互いの流れの勢い
を相殺する。そして、流れの勢いが相殺された純水は、
流出口158から流出して排出されることになる。
【0015】さらに、複数の流入口から流入した洗浄液
が、同じく単数または複数の流出口から流出するトルネ
ード方式の洗浄装置も知られている。このトルネード方
式の洗浄装置としては、たとえば、図14に示すよう
に、洗浄槽163側面の上端面に接する位置に形成され
ている2つの流入口165が設けられ、洗浄槽163の
底面に接する位置に形成されている1つの流出口168
が設けられている洗浄装置160がある。この洗浄装置
160では、2つの流入口165から流入した洗浄液が
洗浄槽163内で渦を巻くように流れて基板104を洗
浄し、流出口168から洗浄液が流出して排出される。
【0016】同様に、図15に示すように、洗浄槽17
3側面の上端面に接する位置に形成されている2つの流
入口175が設けられ、洗浄槽173側面の底面に接す
る位置に形成されている2つの流出口178が設けられ
ている洗浄装置170を挙げることができる。この洗浄
装置170でも、洗浄槽173内において洗浄液が渦を
巻くように流れ、基板104を洗浄する。
【0017】上述した各洗浄装置で基板104を洗浄す
ることにより、該基板104上に付着しているパーティ
クルを除去することが可能となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記オーバ
ーフロー方式の洗浄装置である洗浄装置100では、流
入口105から一様に流入する洗浄液が被洗浄物である
基板104により粘性抵抗を受けることになる。そのた
め、洗浄液の流れは、上方へ向かうにつれて、2つの流
出口108のある側面へ逃げるように分かれることにな
る。それゆえ、洗浄液の流れの分かれ目に相当する、洗
浄槽103の液面付近の中央部では、洗浄液の澱みが生
じて、この澱みにパーティクルが残留することになる
(残留パーティクルの発生)。
【0019】上記のような残留パーティクルが発生する
と、洗浄槽103内に配置されている基板104上にお
ける上記澱みに相当する領域に、特にパーティクルが多
く残留することになる。そのため、該基板104上で
は、パーティクルの残留数が多くなりパーティクルによ
る汚染が残っている領域(汚染残存領域とする)と、パ
ーティクルの残留が所定の残留数よりも少なく清浄とな
っている領域(清浄領域とする)とが形成され、基板1
04上においてパーティクルの残留数にムラが生じるこ
とになる。
【0020】したがって、洗浄装置100によって基板
104全面を均一に清浄にするためには、上記汚染残存
領域におけるパーテイクル残留数を清浄領域におけるパ
ーティクル残留数とほぼ等しくなるまで、洗浄を継続し
なければならない。それゆえ、基板104全面を洗浄す
るためには、かなりの長時間を要するという問題点を招
来している。
【0021】しかも、基板104の洗浄後に、洗浄槽1
03から基板104を引き上げる際に、上記洗浄液の澱
みに残留しているパーティクルが清浄となった基板10
4に再付着し、基板104を再汚染するという問題点も
招来している。
【0022】一方、洗浄装置110では、流入する洗浄
液が放物線状に分布するため、洗浄槽113の液面付近
の中央部に洗浄液の流入する量が多くなる。それゆえ、
中央部における残留パーティクルの発生は若干抑制され
るものの、完全に残留パーティクルの発生を防止するこ
とができず、上記各問題点を解消することはできない。
【0023】同様に、洗浄装置120のように、洗浄槽
123の上方から洗浄液を一様に流入させるオーバーフ
ロー方式の洗浄装置であっても、洗浄槽123の下方の
2つの流出口128のある側へ洗浄液の流れが逃げるよ
うに分かれることになる。それゆえ、上記流れの分かれ
目で洗浄液の澱みが生じ、残留パーティクルの発生を防
止することはできない。
【0024】また、一様流出方式の洗浄装置である洗浄
装置130では、2つの流入口135から流入した洗浄
液は、洗浄槽133内で大きく渦を巻くように流れるこ
とになる。洗浄液がこのように渦を巻いて流れると、洗
浄液の流れの勢いが弱くなる。それゆえ、洗浄装置13
0では、オーバーフロー方式の洗浄装置のように、洗浄
槽133内に洗浄液の澱みが形成されることはないが、
洗浄液の流れの勢いが弱いため、基板104上のパーテ
ィクルを効果的に除去することができなくなり、基板1
04全面が清浄になるまで洗浄するには長時間を必要と
するという問題点を有している。
【0025】上記洗浄装置130と同様の構成を有する
洗浄装置140では、洗浄槽143の上部から純水が供
給され、さらに、洗浄槽143の中央部であるシリコン
ウェハー144周辺で純水が噴射される。このため、シ
リコンウェハー144の洗浄には効果があものの、洗浄
槽143の中央部で純水が撹拌されることになるため、
洗浄により除去されたパーティクルは、すぐに流出口1
48から排出されず、洗浄槽143内に残留することに
なるという問題点を有している。
【0026】また、上記特開平8−290134号公報
に開示されている洗浄装置150では、純水の流れの勢
いが流出口158の近傍で相殺される。そのため、除去
されたパーティクルは洗浄槽153内に残留せず、すぐ
に流出口158から排出される。それゆえ、上記洗浄装
置140における問題点は解消されることになる。しか
しながら、図13に示すように、2つの流入口155か
ら流入する純水の流れによって、洗浄槽153の上方の
矢印Aで指し示す領域で純水の澱みが生じることにな
る。
【0027】この洗浄装置150では、被洗浄物がシリ
コンウェハー144のように、液晶表示装置に用いられ
るガラス基板ほど大きくないために、上記澱みによる洗
浄への影響はさほど大きくない。ところが、被洗浄物の
大きさが上記ガラス基板のように大きくなれば、上記オ
ーバーフロー方式の洗浄装置と同様に、上記澱みにより
残留パーティクルが発生し、洗浄効率が大幅に低下する
ことになる。
【0028】一方、トルネード方式の洗浄装置160・
170では、上記洗浄装置130と同様に洗浄液が大き
く渦を巻くように流れるため、洗浄槽163・173内
で洗浄液の澱みが発生することは抑制できる。しかしな
がら、大きく渦を巻くような洗浄液の流れでは、基板1
04を洗浄するために十分な勢いを有しておらず、やは
り、基板104上のパーティクルを効率よく除去するこ
とができない。
【0029】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、洗浄槽内における洗浄液の澱み
の発生を防止するとともに、パーティクルを除去できる
勢いを有する洗浄液の流れを洗浄槽全体に形成すること
によって、洗浄槽内に配置された、特に、液晶表示装置
などに用いられる大型のガラス基板などの大型の被洗浄
物を効率的に洗浄することができる洗浄装置を提供する
ことである。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
洗浄装置は、上記の課題を解決するために、被洗浄物を
収納する領域を有する略直方体形状の洗浄槽と、上記洗
浄槽の第1の側面に形成され、該洗浄槽に流体を流入す
る第1流入部と、上記第1の側面に対向する面である第
2の側面に形成され、該洗浄槽に流体を流入する第2流
入部と、上記第1流入部と第2流入部とから流入する流
体を排出する流出口とを備えているとともに、上記第1
流入部または/および第2流入部は、洗浄槽底面からの
高さが互いに異なる複数の流入口を有していることを特
徴としている。
【0031】通常の洗浄装置では、洗浄槽内において、
流体は所定の大きな流れを形成するようになっているこ
とから、洗浄槽内では、流体は、単純な流れを形成する
傾向にある。そのため、この単純で大きな流れでは、流
れの勢いが弱くなるとともに、この単純で大きな流れか
ら外れる領域では、流体の澱みが発生し易くなる。
【0032】これに対して、上記請求項1記載の構成で
は、流体の流れが、少なくとも3つ以上形成されるとと
もに、それら流れが互いに対向した状態となっている。
この状態では、洗浄槽内では、流体は、互いにその流れ
の勢いを相殺することがなく、より複雑な流れを形成す
ることになる。
【0033】つまり、洗浄槽内では、流体が所定の大き
な流れを形成することが抑制され、従来よりも、より複
雑、かつ、勢いの強い流体の流れを形成することにな
る。そのため、洗浄槽内において、流体の澱みの発生が
効果的に防止されるとともに、流体が大きな渦を巻くよ
うな単純で弱い流れを形成することが抑制される。
【0034】したがって、被洗浄物の表面上の汚れは、
複雑かつ強い勢いの流れによって、洗浄時間の経過とと
もに、該表面全面で大きなムラを生ずることなく、ほぼ
均一に効率よく除去される。また、流体の澱みがなく、
かつ、流れの勢いが強いため、被洗浄物から除去された
汚れが洗浄槽内に残留することが防止される。
【0035】しかも、上記構成では、洗浄槽が略直方体
形状となっており、この形状の洗浄槽全体に複雑かつ勢
いの強い流れが形成されることになる。そのため、特定
の形状を有する洗浄物だけが洗浄可能であるような、従
来のシリコンウェハーなどの洗浄装置と比較して、様々
な被洗浄物の洗浄に用いることが可能であるとともに、
大型の被洗浄物の洗浄も可能となる。また、流体の流れ
の勢いが従来よりも強いため、洗浄により除去されたパ
ーティクルなどの被洗浄物の汚れは、すぐに洗浄槽から
排出することができる。
【0036】本発明の請求項2記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項1記載の構成に加
えて、上記第1流入部の流入口から洗浄槽へ流入する流
体の流入角度と、第2流入部の流入口から洗浄槽へ流入
する流体の流入角度とは、互いに異なっていることを特
徴としている。
【0037】上記請求項2記載の構成によれば、流入口
からの流入角度が異なっていることから、洗浄槽内での
流体の流れをより複雑化することができる。そのため、
洗浄槽内における流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を
さらに効果的に防止することができる。
【0038】本発明の請求項3記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項1または2記載の
構成に加えて、上記第1流入部の流入口の設けられてい
る位置と、第2流入部の流入口の形成されている位置と
は、洗浄槽底面からの高さが互いに異なっていることを
特徴としている。
【0039】上記請求項3記載の構成によれば、流入口
の洗浄槽底面からの高さが互いに異なっていることか
ら、洗浄槽内での流体の流れをより複雑化することがで
きる。そのため、洗浄槽内における流体の澱みや勢いの
弱い流れの発生をさらに効果的に防止することができ
る。
【0040】本発明の請求項4記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項1、2または3記
載の構成に加えて、上記第1流入部および第2流入部が
有する複数の流入口のうちの少なくとも1つが、洗浄槽
底面に接する位置に設けられていることを特徴としてい
る。
【0041】上記請求項4記載の構成によれば、複数の
流入口のうちの少なくとも1つが、上記の位置に形成さ
れていることで、洗浄槽底面の近傍において、強い流体
の流れを形成することになる。そのため、洗浄槽底面の
近傍で発生し易くなる流体の澱みや勢いの弱い流れを効
果的に防止することができる。
【0042】本発明の請求項5記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、被洗浄物を傾斜させて収納す
る領域を有する略直方体形状の洗浄槽と、上記傾斜させ
た被洗浄物の上端側が近接する上記洗浄槽の第1の側面
において、洗浄槽底面から見て、被洗浄物の上端と下端
とに相当する高さの間となる位置に設けられており、該
洗浄槽に流体を流入する第1流入部と、上記第1流入部
の設けられている側面に対向する第2の側面において、
洗浄槽底面からの高さが上記傾斜させた被洗浄物の下端
近傍となる位置に設けられており、該洗浄槽に流体を流
入する第2流入部と、上記第1の側面および第2の側面
において、洗浄槽の上端面に接する位置に設けられてお
り、第1流入部と第2流入部とから流入する流体を排出
する複数の流出口とを備えているとともに、上記第1流
入部または/および第2流入部は、洗浄槽底面からの高
さが互いに異なる複数の流入口を有していることを特徴
としている。
【0043】上記請求項5記載の構成によれば、上記第
1流入部および第2流入部は、それぞれ、被洗浄物の上
端または下端側が近接している側面に形成されている。
そのため、傾斜して配置されている被洗浄物の上端およ
び下端に近接した真横から流体が流入することになる。
その結果、被洗浄物上において、より複雑で、強い勢い
の流れが形成されるため、洗浄効果を上昇させることが
できる。
【0044】しかも、被洗浄物が傾斜して配置されてい
るため、被洗浄物を洗浄槽から引き上げた際に、洗浄液
の切れが良くなる。そのため、仮に、洗浄液にパーティ
クルが含まれていても、被洗浄物からほとんど洗浄液が
取り除かれるため、被洗浄物にこのパーティクルが残留
することがない。したがって、被洗浄物に対する洗浄効
果をより向上させることができる。
【0045】本発明の請求項6記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項5記載の構成に加
えて、上記第1流入部は、傾斜している被洗浄物の中央
部よりも下方となる位置に設けられている第1の流入口
と、上記中央部よりも上方となる位置に設けられている
第2の流入口とを有しているとともに、上記第2流入部
は、洗浄槽底面に接する位置に設けられている第3の流
入口と、洗浄槽底面から見て上記被洗浄物の下端とほぼ
同じ高さとなる位置に設けられている第4の流入口とを
有していることを特徴としている。
【0046】上記請求項6記載の構成によれば、第1流
入部における第1および第2の流入口と第2流入部にお
ける第3および第4の流入口とが、被洗浄物の真横の位
置となるように互いに対向しているとともに、洗浄槽底
面からの高さが互いに異なる位置となるように設けられ
ている。そのため、被洗浄物上における流体の流れは、
互いにその勢いを相殺することなく、より複雑化するこ
とになり、流体の澱みや弱い流れの発生を効果的に防止
することができる。また、第3の流入口により洗浄槽底
面の近傍で発生し易くなる流体の澱みや勢いの弱い流れ
を効果的に防止することができる。
【0047】本発明の請求項7記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項6記載の構成に加
えて、上記第1の流入口から流入する流体は、洗浄槽底
面にほぼ平行となるように流入し、第2の流入口から流
入する流体は、洗浄槽底面に向かって斜め下方に流入す
るとともに、上記第3の流入口から流入する流体は、洗
浄槽底面にほぼ平行となるように流入し、第4の流入口
から流入する流体は、第2の側面にほぼ平行となるよう
に流入することを特徴としている。
【0048】上記請求項7記載の構成によれば、第2の
流入口から斜め下方に流体が流入することで、被洗浄物
を真横から洗浄する第1の流入口からの流体の流れと、
斜め方向から被洗浄物を洗浄する流体の流れの2つが形
成されることになる。しかも、これら流れは、第2流入
部の流入口からの流れにより、勢いを相殺されずに複雑
に流れることになるため、流体の澱みや勢いの弱い流れ
の発生を効果的に防止することができる。
【0049】さらに、上記第4の流入口から第2の側面
にほぼ平行となるように、すなわち、第2の側面に沿う
ように流体が流れることになるため、第2の側面近傍に
おいても、流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を効果的
に防止することができる。
【0050】本発明の請求項8記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項6または7記載の
構成に加えて、上記第2流入部は、さらに、第2の側面
に設けられている流出口の近傍となる位置に第5の流入
口を有していることを特徴としている。
【0051】上記請求項8記載の構成によれば、上記第
5の流入口からの流体の流れによって、洗浄槽の上方の
水面近傍において残留する傾向にある被洗浄物から除去
された汚れを効果的に取り除くことができる。そのた
め、被洗浄物を洗浄後に洗浄槽から引き上げる際に、残
留した汚れによる被洗浄物の再汚染を防止することがで
きる。また、上記第5の流入口からの流体の流れによっ
て、洗浄槽内に配置されている被洗浄物の上方となる領
域で、流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を効果的に防
止することができる。
【0052】本発明の請求項9記載の洗浄装置は、上記
の課題を解決するために、上記請求項8の構成に加え
て、上記第5の流入口からの流体の流入量は、他の流入
口からの流体の流入量よりも少ない量であることを特徴
としている。
【0053】上記請求項9記載の構成によれば、上記第
5の流入口からの流体の流入量が少ないため、第5の流
入口からの流体の流れは、他の流入口からの流体の流れ
よりも若干弱くなる。そのため、洗浄槽の上方の水面近
傍において残留する傾向にある被洗浄物から除去された
汚れを、他の流体の流れを乱すことなく効果的に取り除
くことができる。
【0054】本発明の請求項10記載の洗浄装置は、上
記の課題を解決するために、上記請求項1から9の何れ
か1項に記載の構成に加えて、複数の上記流出口から排
出された流体を濾過し、この濾過した流体を再び上記第
1および第2流入部が有する流入口から洗浄槽内に流入
する循環手段を備えていることを特徴としている。
【0055】上記請求項10記載の構成によれば、流出
口から洗浄槽の外部の排出された流体は、上記濾過手段
によって、被洗浄物から除去した汚れを取り除かれる。
さらに、汚れを取り除かれた清浄な流体は、上記循環手
段によって、再び洗浄槽内に流入することになる。その
ため、被洗浄物の洗浄に用いる流体を効率的に利用でき
るとともに、大量の流体を使用する必要がないことか
ら、洗浄のコストを低減することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態を、図1ないし
図3に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、こ
れによって本発明が限定されるものではない。本実施の
形態の洗浄装置1は、図1に示すように、循環部2、洗
浄槽3、第1流入部4、第2流入部5、2つの流出口6
a・6b、配管7を備えている。
【0057】上記循環部2は、ポンプ2aとフィルタ2
bとを備えている。ポンプ2aは、流体としての洗浄液
を洗浄槽3へ圧送する。フィルタ2bは、ポンプ2aに
より圧送される洗浄液中に含まれるパーティクルなどの
汚れを除去する。洗浄槽3は、内部に液晶表示装置に用
いられる大型のガラス基板を複数枚収納できるような領
域を有する略直方体状の形状となっている。この洗浄槽
3に対して、ポンプ2aから圧送されてフィルタ2bに
より清浄にされた洗浄液が、配管7を経由して第1流入
部4および第2流入部5が有する流入口から流入する。
【0058】上記第1流入部4は、本実施の形態では、
図1および図2に示すように、洗浄槽3底面に近い位置
に形成される第1の流入口4aと、その鉛直方向上方、
すなわち、洗浄槽3底面からの高さが上記流入口4aよ
りも高い位置に形成されている第2の流入口4bとを有
している。なお、以下、洗浄槽3底面からの高さを単に
高さと略す。
【0059】同様に、上記第2流入部5は、本実施の形
態では、洗浄槽3底面に近い位置に形成されている第3
の流入口5aと、この流入口5aよりも高い位置に形成
されている第4の流入口5bとを有している。流入口5
aは、第1流入部4における流入口4aと同じ高さとな
る位置に形成されており、流入口5bは、流入口4bと
同じ高さとなるような位置に形成されている。また、こ
れら第2流入部の流入口5a・5bは、図2に示すよう
に、被洗浄物8を収納する領域を介して、第1流入部4
の流入口4a・4bと対向する位置に形成されている。
【0060】洗浄液を洗浄槽3から外部へ排出する2つ
の流出口6a・6bは、上記第1流入部4の流入口4a
・4bおよび第2流入部5の流入口5a・5bよりも高
い位置に形成されている。本実施の形態では、洗浄槽3
の上端面に近接した位置にそれぞれ形成されている。流
出口6aは、第1流入部4の鉛直上方となる位置に形成
されており、流出口6bは、流出口6aと対向する位
置、すなわち、第2流入部の鉛直上方となる位置に形成
されている。
【0061】排出された洗浄液は、配管7を経由して上
記循環部2のポンプ2aに戻り、再び圧送される。圧送
された直後の洗浄液はフィルタ2bにより濾過され、洗
浄液中の汚れが除去されて清浄になる。清浄となった洗
浄液は、そのまま配管7へと流れていき、再び上記洗浄
槽3へ流入する。
【0062】上記のような構成を有する洗浄装置1で
は、互いに対向する位置に形成されている流入口4a・
4bを有する第1流入部4と、流入口5a・5bを有す
る第2流入部5とから、洗浄槽3へ洗浄液が流入するた
めに、該洗浄槽3内では、複数の対向する洗浄液の流れ
が形成される。このような流れが形成されると、洗浄槽
3内では、洗浄液は、互いにその流れの勢いを相殺する
ことがなく、より複雑な流れを形成することになる。
【0063】そのため、洗浄槽3内では、洗浄液が単純
で大きな流れを形成することが抑制され、従来よりもよ
り複雑で、かつ、勢いの強い洗浄液の流れを形成するこ
とになる。それゆえ、洗浄槽3内において、洗浄液の澱
みの発生が効果的に防止されるとともに、洗浄液が大き
な渦を巻くような単純で勢いの弱い流れを形成すること
も抑制される。
【0064】したがって、被洗浄物8であるガラス基板
上に付着するパーティクルは、複雑かつ勢いの強い流れ
によって、洗浄時間の経過とともに、該表面全面で大き
なムラを生ずることなく、ほぼ均一に効率よく除去され
る。しかも、洗浄液の流れの勢いが従来よりも強いた
め、洗浄により除去されたパーティクルは、洗浄槽3内
に残留することがなく、すぐに洗浄槽3から排出され
る。そのため、洗浄槽3内の残留パーティクルによる被
洗浄物8の再汚染の発生も抑制できる。
【0065】さらに、上記循環部2では、上記流出口6
a・6bから排出された洗浄液をフィルタ2bで濾過
し、洗浄液内のパーティクルなどの汚れを取り除く。そ
の後、この濾過により清浄となった洗浄液は、再びポン
プ2aによって洗浄槽3内に再流入する。つまり、循環
部2は、循環手段として機能するため、洗浄液を効率的
に利用できるとともに、大量の洗浄液を使用する必要が
ないことから、洗浄のコストを低減することができる。
【0066】本実施の形態では、上記洗浄槽3の大きさ
は、縦600mm×横600mm×深さ600mmとな
っているが特に限定されるものではなく、収納される被
洗浄物8が十分に収納できる大きさであればよい。ま
た、本実施の形態では、洗浄液として純水が用いられて
いるが、これに限定されるものではなく、被洗浄物8の
種類や洗浄の目的などに応じて、種々の薬剤を混合した
り、他の溶剤を用いたりすることができる。
【0067】本実施の形態では、被洗浄物8として、液
晶表示装置に使用される大型のガラス基板が用いられて
いるが、特に限定されるものではなく、種々のものを洗
浄することができる。たとえば、上記被洗浄物8として
は、シリコンウェハーなどの円盤状の小型の被洗浄物で
あってもよい。本実施の形態では、上記の大型のガラス
基板として400mm×500mmの大きさのものが用
いられている。なお、以下の説明では、被洗浄物8をガ
ラス基板8とする。
【0068】上記ガラス基板8を洗浄して、洗浄槽3か
らガラス基板8を引き上げた後には、該ガラス基板8上
から洗浄液をできる限り取り除く必要がある。これは、
残留している洗浄液にパーティクルが含まれていると、
乾燥によりガラス基板8上から洗浄液を除去することに
よって、該ガラス基板8にパーティクルが残留して再汚
染されることになるためである。
【0069】そこで、被洗浄物が円盤状や球形状などで
ない場合、具体的には、被洗浄物がガラス基板8のよう
に略長方形状である場合、洗浄槽3内では、該洗浄槽3
底面に対して傾斜した状態で配置することが好ましい。
これによって、ガラス基板8を洗浄液から引き上げる際
に、洗浄液が該ガラス基板8における最も下方となる頂
点部に集まることになる。そのため、洗浄液の切れが良
くなり、ガラス基板8上の残留パーティクルの発生を抑
制することができる。
【0070】上記ガラス基板8の傾斜の範囲としては、
洗浄槽3底面に対して、10°〜30°の範囲が好まし
い。傾斜が上記の範囲内であれば、残留パーティクルの
発生が抑制されるとともに、洗浄槽3の大きさを、被洗
浄物(ガラス基板)8の大きさに対して必要以上に大き
くする必要がなくなる。
【0071】ここで、洗浄槽3の形状は、略直方体形状
である必要がある。これは、大型のガラス基板8を洗浄
する際に、洗浄槽3内において、無駄な領域の発生を抑
制することができるためである。また、洗浄槽3の形状
が略直方体以外の形状である場合、洗浄槽3内で澱みな
く複雑な強い洗浄液の流れを形成するという本発明の作
用が得られにくくなるため好ましくない。
【0072】本実施の形態の洗浄装置1では、第1流入
部4および第2流入部5が有する複数の流入口のうちの
少なくとも1つが、洗浄槽3底面に接する位置に設けら
れていることが好ましい。たとえば、図2に示すよう
に、第1流入部4の下側の流入口4aと第2流入部5の
下側の流入口5aとは、どちらも、洗浄槽3底面に近接
する位置に形成されている。なお、これら流入口4a・
5aのうち、何方か一方のみが洗浄槽3底面に接する位
置に設けられていてもよい。
【0073】また、第1流入部4および第2流入部5が
有する流入口のうち、洗浄槽3底面に接する位置に形成
されている流入口(流入口4a・5a)以外の流入口
(流入口4b・5b)の設けられている位置としては特
に限定されるものではない。本発明にかかる洗浄装置1
では、上記流入口4b・5bは、少なくとも、洗浄槽3
内において、洗浄液の流れの勢いが相殺されず、かつ、
洗浄液の澱みが生じないように洗浄液が流入し得る位置
に形成されておればよい。図1および図2に示す洗浄装
置1では、上記流入口4bと流入口5bとは、それら流
入口の中心が洗浄槽3底面から260mmの高さとなる
位置にそれぞれ形成されている。
【0074】仮に、上記洗浄装置1が、上記第1流入部
4および第2流入部5に、それぞれ単数の流入口のみを
有しているとする。その場合、洗浄槽3内で単純で大き
な流れが形成され易くなり、この大きな流れから外れる
領域では、洗浄液の澱みが発生し易くなる。また、大き
な流れ自身が、渦を巻くなどして勢いの弱い流れになり
得ることにもなり、ガラス基板8を効果的に洗浄するこ
とができなくなる。
【0075】また、上記第1流入部4および第2流入部
5が有する流入口のうち、少なくとも1つが、洗浄槽3
底面に接する位置に形成されていない場合、該洗浄槽3
底面の近傍において、洗浄液の澱みなどが発生し易くな
るため好ましくない。
【0076】つまり、本実施の形態の洗浄装置1では、
少なくとも、上記第1流入部4または/および第2流入
部5において、洗浄槽3底面からの高さが互いに異なる
複数の流入口をそれぞれ有しておればよく、好ましく
は、上記第1流入部4および第2流入部5が有する複数
の流入口のうちの少なくとも1つが、洗浄槽3底面に隣
接する位置に形成されておればよい。
【0077】したがって、本実施の形態においては、上
記洗浄装置1の他の例として、図3に示すように、第1
流入部14の有する2つの流入口14a・14bにおけ
る洗浄槽3底面からの高さの差分が、上記洗浄装置1の
第1流入部4における2つの流入口4a・4bの高さの
差分よりも小さくなっている洗浄装置11であってもよ
い。この洗浄装置11は、第1流入部14および第2流
入部15の構成が上記洗浄装置1と異なっている以外
は、洗浄槽3、流出口6a・6bなどの構成は、洗浄装
置1と同一となっている。
【0078】この洗浄装置11では、さらに、上記流入
口14a・14bにおける洗浄液の流入角度と第2流入
部15の有する流入口15aにおける洗浄液の流入角度
とは、上記洗浄装置1の流入口5aと同様に各流入口の
形成されている側面に対してほぼ垂直となっているが、
第2流入部15の上側の流入口15bにおける洗浄液の
流入角度は、上記側面に対して斜め下方となっている。
【0079】この洗浄装置11のように、第1流入部1
4の流入口14a・14bにおける流入角度と、第2流
入部15の流入口15bにおける流入角度とが、互いに
異なっておれば、上記洗浄装置1と比較して、洗浄槽3
内における洗浄液の流れをより複雑、かつ、勢いの強い
流れとすることができる。より好ましくは、流入口15
aにおける流入角度も、第1流入部14の流入口14a
・14bにおける流入角度と異なっておればよい。
【0080】つまり、上記各流入口からの洗浄液の流入
角度を適宜変化させることによって、洗浄槽3内におい
て、洗浄液の流れがより複雑化し、洗浄液の澱みや、勢
いの弱い洗浄液の流れの発生をより効果的に防止するこ
とができる。なお、この角度の変化の範囲や最適な流入
角度は、流入口が形成される位置によって適宜変化する
ことになる。たとえば、上記流入口15bにおける流入
角度の範囲としては、35°〜55°であることが好ま
しく、40°〜50°であることがより好ましいが、こ
の流入角度の範囲は、他の流入口14a・14b・15
aに対して、そのまま無条件に適応できるものではな
い。
【0081】本実施の形態の洗浄装置1・11において
は、第1流入部4・14、第2流入部5・15が有する
流入口の形状は特に限定されるものではない。上記流入
口の形状としては、洗浄槽3側面に面状に形成された大
きな流入口でなければよい。本実施の形態の洗浄装置1
・11では、上記流入口として、大きさが直径3mm〜
4mmの範囲内の円形の開口部を5つまとめて有するノ
ズルを用いている。このように、小さい開口部を複数ま
とめて有するノズルを流入口として利用することによっ
て、洗浄槽3への洗浄液の流入速度を向上させて、洗浄
槽3内において、勢いの強い洗浄液の流れが形成される
ことになる。そのため、ガラス基板8をより効果的に洗
浄することができる。
【0082】上記第1流入部の流入口(洗浄装置1で
は、流入口4a・4b、洗浄装置11では、流入口14
a・14b)および第2流入部の流入口(洗浄装置1で
は、流入口5a・5b、洗浄装置11では、流入口15
a・15b)として用いられているノズルの形状は、そ
れぞれほぼ同一形状となっている。そのため、上記各流
入口から流入する洗浄液の運動エネルギーはほぼ同等と
なる。ここで、洗浄槽3内では、ガラス基板8を挟持す
るような位置に、第1流入部4または14と第2流入部
5または15とが配置されている。それゆえ、ガラス基
板8に対して、側面から流入する洗浄液の流れは同等の
運動エネルギーを有することになる。その結果、洗浄槽
3内において、洗浄液の澱みがより発生しにくくなって
いる。
【0083】なお、上記各流入口としては、洗浄槽3側
面に形成される開口部であってもよく、洗浄槽3内にパ
イプを配管し、このパイプに対して形成されるスリット
や開口部であってもよい。
【0084】上記各流入口からの洗浄液の流入量は、本
実施の形態では、50リットル/分〜200リットル/
分の範囲内であることが好ましく、約100リットル/
分であることがより好ましい。洗浄液の流入量が上記の
範囲内であることによって、洗浄槽3内全体に洗浄液が
流れて、澱みを形成することがなく、さらには、洗浄液
が渦を巻くように流れることを回避して、複雑かつ勢い
の強い洗浄液の流れを形成することができるためであ
る。これによって、ガラス基板8の表面に付着している
パーティクルを迅速かつ均一に除去することができる。
【0085】本実施の形態の洗浄装置1・11におい
て、上記洗浄槽3から洗浄液を排出する2つの流出口6
a・6bは、第1流入部4・14および第2流入部5・
15よりも、洗浄槽3底面から高い位置である、洗浄槽
3の上端面に接する位置に設けられている。また、流出
口6aは、第1流入部4・14の上方に位置しており、
流出口6bは、第2流入部5・15の上方に位置してい
る。また、この流出口6a・6bは、どちらも、洗浄槽
3の上面から洗浄液を一様に流出させるオーバーフロー
方式の流出口として形成されている。
【0086】流出口6a・6bが上記の位置に上記の形
状で設けられていれば、洗浄槽3内に流入した洗浄液
は、洗浄槽3の下方から流出口6a・6bが設けられて
いる洗浄槽3の上方に向かって流れることになる。しか
しながら、洗浄液そのものは重力のために、洗浄槽3の
下方へ流れる傾向を有しているため、洗浄液の流れはよ
り複雑化する。しかも、2つの流出口6a・6bが形成
されるため、流出口が1つである場合よりも、より洗浄
液の流れは複雑化することになる。その結果、洗浄槽3
内における洗浄液の澱みや勢いの弱い洗浄液の流れの発
生をさらに効果的に防止することができる。
【0087】以上のように、本実施の形態の洗浄装置
は、略直方体形状の洗浄槽の側面に互いに対向するよう
に第1流入部と第2流入部とが形成されており、これら
第1・第2流入部のうちの少なくとも何方か一方が複数
の流入口を有しているものである。しかも、同一側面上
に設けられている流入口同士では、その高さが互いに異
なっている。それゆえ、洗浄槽内における洗浄液の澱み
の発生を防止するとともに、パーティクルを除去できる
勢いを有する洗浄液の流れを洗浄槽全体に形成すること
ができる。したがって、上記洗浄装置を用いれば、液晶
表示装置などに用いられるガラス基板などのような大型
の被洗浄物を効率的に洗浄することができる。
【0088】なお、本実施の形態で説明した洗浄装置
(洗浄装置1・11)では、上述してきたように、第1
流入部および第2流入部が、それぞれ2つずつの流入口
を有している。しかしながら、本発明にかかる洗浄装置
の構成は、上記構成に限定されるものではなく、第1流
入部または/および第2流入部が3つ以上の流入口を有
していてもよい。
【0089】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について、図4および図5に基づいて説明すれば以下の
通りである。なお、前記実施の形態1において説明した
部材と同一の機能を有する部材については、同一の部材
番号を付記し、その説明を省略する。また、本実施の形
態により、本発明が限定されるものではない。
【0090】本実施の形態の洗浄装置は、第1流入部の
有する2つの流入口の設けられる高さの範囲が限定され
ている点、および、第2流入部の有する2つの流入口の
うち、上方にある流入口の位置が異なる点以外は前記実
施の形態1における洗浄装置1・11と同一の構成であ
る。
【0091】つまり、本実施の形態の洗浄装置21は、
図4に示すように、図示しない循環部および配管、洗浄
槽3、第1流入部24、第2流入部25、流出口6a・
6bを備えている。洗浄装置21は、洗浄槽3で被洗浄
物となるガラス基板8を洗浄した後に、流出口6a・6
bから洗浄槽3の外部に排出される。そして、排出され
た洗浄液は、図示しない循環部によって、前記実施の形
態1の洗浄装置1と同様に流体としての洗浄液を濾過し
て再流入させることができる。
【0092】上記第1流入部24は、洗浄槽3におい
て、略直方体形状の洗浄槽3に配置されている被洗浄物
であるガラス基板8の上端側が接する側面である、第1
の側面に設けられている。一方、第2流入部25は、傾
斜した上記ガラス基板8の下端側が接する側面である第
2の側面に設けられている。この第1の側面と第2の側
面とは、前記実施の形態1と同様に互いに対向してい
る。
【0093】上記第1流入部24は、洗浄槽3底面から
見て、ガラス基板8の上端と下端とに相当する高さの間
となる位置に設けられており、2つの流入口24a・2
4bを有している。一方、第2流入部25は、洗浄槽3
底面からの高さが上記傾斜させたガラス基板8の下端近
傍となる位置に設けられており、2つの流入口25a・
25bを有している。また、これら第1流入部24・第
2流入部25の上方、すなわち、第1の側面および第2
の側面における洗浄槽3の上端面に接する位置には、洗
浄液を排出する流出口6a・6bが、前記実施の形態1
における洗浄装置1・11と同様に設けられている。
【0094】上記第1流入部24における第1の流入口
24aおよび第2の流入口24bの形成されている位置
としては、上記傾斜させたガラス基板8の上端と下端と
に相当する高さの間となる位置であれば特に限定される
ものではないが、上記第1の流入口24aは、傾斜して
いるガラス基板8の中央部よりも下方となる位置に設け
られており、上記第2の流入口24bは、上記中央部よ
りも上方となる位置に設けられていることが好ましい。
【0095】同様に、上記第2流入部25における第3
の流入口25aおよび第4の流入口25bの形成されて
いる位置としては、上記傾斜させたガラス基板8の下端
近傍となる位置であれば特に限定されるものではない
が、上記第3の流入口25aは、洗浄槽3底面に接する
位置に設けられており、上記第4の流入口25bは、洗
浄槽3底面から見て上記ガラス基板8の下端とほぼ同じ
高さとなる位置に設けられていることが好ましい。
【0096】本実施の形態では、上記洗浄槽3の大きさ
は、前記実施の形態1と同様、縦600mm×横600
mm×深さ600mmとなっている。また、上記ガラス
基板8の傾斜の範囲としては、前記実施の形態1と同様
に、洗浄槽3底面に対して、10°〜30°の範囲が好
ましい。
【0097】本実施の形態では、上記第1流入部24に
おける第1の流入口24aは、第1の側面において、洗
浄槽3底面から90mmの高さに設けられており、第2
の流入口24bは、第1の側面において、洗浄槽3底面
から370mmの高さに設けられている。一方、第2流
入部25における第3の流入口25aは、第2の側面に
おいて、洗浄槽3底面に隣接して設けられており、第4
の流入口25bは、第2の側面において、洗浄槽3底面
から50mmの高さに設けられている。
【0098】上記第1流入部24の流入口24a・24
bおよび第2流入部25の流入口25a・25bの形状
としては、前記実施の形態1と同様に、洗浄槽3側面に
面状に形成された大きな流入口でなければ、特に限定さ
れるものではない。本実施の形態では、大きさが直径3
mm〜5mmの範囲内の円形の開口部を5つまとめて有
するノズルを用いている。このように、小さい開口部を
複数まとめて有するノズルを各流入口として利用するこ
とによって、洗浄槽3への洗浄液の流入速度を向上させ
るとともに、洗浄液の流入の勢いを強くすることができ
る。そのため、ガラス基板8をより効果的に洗浄するこ
とができる。
【0099】上記第1流入部24の流入口24a・24
bおよび第2流入部25の流入口25a・25bとして
用いられているノズルの形状は、それぞれほぼ同一形状
となっている。そのため、各流入口から流入する洗浄液
の運動エネルギーはほぼ同等となり、前記実施の形態1
と同様に洗浄槽3の側面から流入する洗浄液の流れは同
等の運動エネルギーを有することになるため、洗浄槽3
内において、洗浄液の澱みがより発生しにくくなってい
る。
【0100】なお、上記各流入口としては、洗浄槽3の
側面に形成される開口部であってもよく、洗浄槽3内に
パイプを配管し、このパイプに設けられるスリットや開
口部であってもよい。
【0101】このように、上記第1流入部24が傾斜さ
せたガラス基板8の上端と下端とに相当する高さの間と
なる位置に設けられ、第2流入部が傾斜させたガラス基
板8の下端近傍となる位置に設けられておれば、第1流
入部24および第2流入部25は、それぞれ、ガラス基
板8の真横に位置していることになる。そのため、ガラ
ス基板8に対して真横から流入する洗浄液は、ガラス基
板8上において、より複雑で、勢いの強い流れを形成す
ることになる。
【0102】さらに、第1流入部24における第1の流
入口24aおよび第2の流入口24bと、第2流入部2
5における第3の流入口25aおよび第4の流入口25
bとの設けられている位置が、上記のように、ガラス基
板8の真横の位置となるように互いに対向しているとと
もに、洗浄槽3底面からの高さが異なる位置に設けられ
ておれば、ガラス基板8上における洗浄液の流れは、互
いにその勢いを相殺することなく、より複雑化すること
になる。その結果、洗浄液の澱みや勢いの弱い流れの発
生を効果的に防止することができる。また、第3の流入
口25aにより洗浄槽3底面の近傍で発生し易くなる洗
浄液の澱みや勢いの弱い洗浄液の流れを効果的に防止す
ることができる。
【0103】しかも、ガラス基板8が傾斜して配置され
ているため、ガラス基板8を洗浄槽から引き上げた際
に、洗浄液の切れが良くなる。そのため、仮に、洗浄液
にパーティクルが含まれていても、ガラス基板8からほ
とんど洗浄液が取り除かれるため、ガラス基板8にこの
パーティクルが残留することがない。したがって、ガラ
ス基板8に対する洗浄効果をより向上させることができ
る。
【0104】さらに、本実施の形態の洗浄装置21で
は、上記流入口24aからは、洗浄液は、洗浄槽3底面
にほぼ平行となるように流入し、上記流入口24bから
は、洗浄槽3底面に向かって斜め下方に流入する。ま
た、上記流入口25aからは、洗浄液は、洗浄槽3底面
にほぼ平行となるように流入し、上記流入口25bから
は、第2の側面にほぼ平行となるように流入する。すな
わち、本実施の形態の洗浄装置21では、対向する第1
および第2流入部において、各流入口の設けられている
高さが異なっているとともに、洗浄液の流入角度も異な
っている。
【0105】上記のように各流入口が設けられている
と、流入口24aから斜め下方に洗浄液が流入すること
で、被洗浄物であるガラス基板8を真横から洗浄する流
入口24bからの洗浄液の流れと、斜め上方からガラス
基板8を洗浄する洗浄液の流れの2つが形成されること
になる。しかも、第1流入部24の流入口24a・24
bと第2流入口25の流入口25a・25bの高さが異
なっているため、流入口24a・24bからの各流れ
は、第2流入部25における流入口25a・25bから
の洗浄液の流れによって勢いを相殺されないようにもな
っている。
【0106】その結果、洗浄槽3内における洗浄液の流
れは、互いにその勢いを相殺することなく、より複雑化
することになる。そのため、洗浄液の澱みや勢いの弱い
洗浄液の流れの発生を効果的に防止して、ガラス基板8
の洗浄効率を向上させることができる。
【0107】しかも、第1流入部24における2つの流
入口24a・24bは、ガラス基板8の真横に形成され
ているために、該ガラス基板8上において、より複雑
で、強い勢いの洗浄液の流れが形成されることになる。
したがって、ガラス基板8に対する洗浄効果をより向上
させることができる。
【0108】さらに、第3の流入口25aは、ガラス基
板8の下端と同じ高さに位置している。つまり、流入口
25aは、洗浄槽3底面に接する位置に設けられている
ことになる。そのため、洗浄槽3底面の近傍で発生し易
くなる洗浄液の澱みや、勢いの弱い洗浄液の流れを効果
的に防止することができる。
【0109】加えて、洗浄液を洗浄槽3から流出して排
出する流出口6a・6bは、前記実施の形態1と同様
に、第1流入部24および第2流入部25よりも、洗浄
槽3底面から高い位置である、洗浄槽3の上端面に接す
る位置に設けられている。また、その形状も、前記実施
の形態1と同様である。そのため、洗浄槽3内におい
て、洗浄液の流れをより複雑化することができ、洗浄槽
3内における洗浄液の澱みや勢いの弱い洗浄液の流れの
発生をさらに効果的に防止することができる。
【0110】上記第2の流入口24bにおける洗浄液の
流入角度の範囲としては、30°〜60°の範囲が好ま
しく、40°〜50°の範囲がより好ましい。流入口2
4bにおける洗浄液の流入角度が上記の範囲から外れる
と、ガラス基板8上において、洗浄液の澱みや、弱い流
れを生ずることになるため好ましくない。また、第4の
流入口25bにおける洗浄液の流入角度の範囲として
は、10°以下が好ましく、5°以下がより好ましい。
流入口25bにおける洗浄液の流入角度が上記の範囲か
ら外れると、洗浄槽3の上方において、洗浄液の澱みが
生じ易くなるため好ましくない。
【0111】また、上記各流入口からの洗浄液の流入量
は、本実施の形態でも前記実施の形態1と同様に、50
リットル/分〜200リットル/分の範囲内であること
が好ましく、100リットル/分前後であることがより
好ましい。洗浄液の流入量が上記の範囲内であることに
よって、洗浄槽3内全体に洗浄液が流れて、澱みを形成
することがなく、さらには、洗浄液が渦を巻くように単
純かつ大きく流れることを回避して、被洗浄物であるガ
ラス基板8などの表面に付着しているパーティクルを迅
速かつ均一に除去することができるためである。
【0112】本実施の形態の洗浄装置としては、上記構
成に加えて、さらに、図5に示すように、第5の流入口
25cが設けられている洗浄装置21aであってもよ
い。この第5の流入口25cが設けられる位置として
は、上記第2流入部25の2つの流入口25a・25b
の上方に設けられている流出口6bの近傍となる位置で
ある。具体的には、洗浄装置21aの流出口6bの下端
から16mm下方となる位置に上記流入口25cが設け
られている。
【0113】上記の位置に第5の流入口25cが形成さ
れておれば、上記流入口25cからの洗浄液の流れによ
って、洗浄槽3の上方の水面近傍において残留する傾向
にあるガラス基板8から除去されたパーティクルなどの
汚れを効果的に取り除くことができる。そのため、ガラ
ス基板8を洗浄後に洗浄槽3から引き上げる際に、残留
したパーティクルなどによるガラス基板8の再汚染を防
止することができる。また、上記流入口25cからの洗
浄液の流れによって、洗浄槽3内に配置されているガラ
ス基板8の上方となる領域で、洗浄液の澱みや弱い洗浄
液の流れの発生を効果的に防止することができる。
【0114】さらに、上記流入口25cからの洗浄液の
流入量は、他の流入口からの流体の流入量よりも少ない
量であることが好ましい。具体的には、流入口25cか
らの流入量は3リットル/分〜10リットル/分の範囲
内であることが好ましく、約5リットル/分であること
がより好ましい。
【0115】第5の流入口25cからの洗浄液の流入量
が上記の範囲内であれば、該流入口25cからの洗浄液
の流れは、他の流入口からの洗浄液の流れよりも若干弱
くなる。そのため、洗浄槽3の上方の水面近傍において
残留する傾向にあるパーティクルを、他の流入口からの
洗浄液の流れを乱すことなく効果的に取り除くことがで
きる。また、ガラス基板8を洗浄槽3から引き上げる際
に、ガラス基板8表面をさらに洗浄することになるた
め、パーティクルによる再汚染の発生を防止することが
できる。
【0116】これに対して、流入口25cから流入する
洗浄液の流入量が上記の範囲から外れると、上記流入口
25cからの洗浄液の流れが他の洗浄液の流れを乱すこ
とになる。この洗浄液の流れの乱れは、洗浄液同士の流
れの勢いを相殺し合うなどして、洗浄液の流れの勢いを
弱くするおそれがある。また、洗浄槽3の洗浄液上方に
残留し易いパーティクルを効果的に取り除くことができ
ず、ガラス基板8を引き上げる際に、残留パーティクル
による再汚染を引き起こすおそれもある。
【0117】以上のように、本実施の形態の洗浄装置
は、略直方体形状の洗浄槽の側面に互いに対向するよう
に形成されている第1流入部と第2流入部とにおいて、
第1流入部の2つの流入口が被洗浄物の真横となる位置
に形成されており、第2流入部の2つの流入口の一方が
洗浄槽底面に接して形成されており、その直上の近傍に
もう一方の流入口が形成されているものである。そのた
め、洗浄槽内における洗浄液の流れの勢いが強い状態を
維持しながらより複雑化するとともに、洗浄液の澱みの
発生を効果的に防止することができる。
【0118】さらに、本実施の形態の洗浄装置は、第2
流入部が流出口の近傍にさらにもう1つの流入口を有し
ているため、洗浄槽内における洗浄液の澱みの発生を防
止するとともに、パーティクルを除去できる勢いを有す
る洗浄液の流れを洗浄槽全体に形成することができる。
したがって、上記洗浄装置を用いれば、液晶表示装置な
どに用いられるガラス基板などのような大型の被洗浄物
をより効率的に洗浄することができる。
【0119】なお、本実施の形態で説明した洗浄装置
(洗浄装置21・21a)では、上述してきたように、
第1流入部および第2流入部が、それぞれ2つまたは3
つずつの流入口を有している。しかしながら、本発明に
かかる洗浄装置の構成は、上記構成に限定されるもので
はなく、第1流入部および第2流入部がそれぞれ3つ以
上の流入口を有していてもよい。
【0120】
【実施例】本発明にかかる洗浄装置の具体的な実施例に
ついて、図面に基づいて以下に説明する。
【0121】〔実施例1〕前記実施の形態1において説
明した図1および図2に示す洗浄装置1を用い、液晶表
示装置に使用される400mm×500mmのガラス基
板8を10枚被洗浄物として洗浄した。洗浄液として
は、脱イオン水(純水)を用いた。また、洗浄装置1に
おける流入口からの脱イオン水の流入量は、全て100
リットル/分とした。その他の条件、たとえば、流入口
・流出口の形成されている位置やその形状、各流入口に
おける脱イオン水の流入角度などは、前記実施の形態1
に詳細に説明しているため省略する。
【0122】洗浄装置1を用いて上記ガラス基板8を1
0枚10分間洗浄し、その後、洗浄槽3から引き上げ
た。洗浄槽3から引き上げたガラス基板8を乾燥させた
後に、該ガラス基板8上のパーティクル数を、日立DE
CO社製パーティクル測定装置(商品番号:GI−47
00)を用いて測定した。そのときの結果を図6(a)
に示す。
【0123】〔実施例2〕前記実施の形態2において説
明した図5に示す洗浄装置21aを用いた以外は、上記
実施例1と同様にして、ガラス基板8を10枚洗浄し
た。このとき、洗浄装置21aにおける第2の流入口2
4bにおける脱イオン水の流入角度は45°であり、第
4の流入口25bにおける脱イオン水の流入角度は0°
であった。また、各流入口からの脱イオン水の流入量
は、第5の流入口25cを除いて全て100リットル/
分とし、第5の流入口25cにおける脱イオン水の流入
量は5リットル/分とした。その他の条件、たとえば、
流入口および流出口の形成されている位置やその大きさ
などは、前記実施の形態2に詳細に説明しているため省
略する。洗浄後の上記ガラス基板8上のパーティクル数
を上記実施例1と同様に測定した。その結果を図6
(b)に示す。
【0124】〔比較例1〕従来の洗浄装置である図7お
よび図8に示すようなオーバーフロー方式の洗浄装置1
00を用い、液晶表示装置に使用される400mm×5
00mmのガラス基板8(図中では104で示す)を1
0枚被洗浄物として洗浄した。洗浄液としては、脱イオ
ン水(純水)を用いた。また、洗浄装置100における
流入口105は、洗浄槽103の底面に設けられ、該流
入口103からの脱イオン水の流入量は、100リット
ル/分とした。洗浄槽103の大きさは、縦600mm
×横600mm×深さ600mmのものを用いた。流出
口108としては、洗浄槽103の対向する側面の上端
部に、実施例1の洗浄装置1における流出口6a・6b
と同様の構成を有する流出口108を2つ設けた。洗浄
後の上記ガラス基板8上のパーティクル数を上記実施例
1と同様に測定した。その結果を図16(a)に示す。
【0125】〔比較例2〕従来の洗浄装置である図9に
示すようなオーバーフロー方式の洗浄装置110を用い
た以外は、比較例1と同様にしてガラス基板8を洗浄し
た。このときの洗浄装置110の構成や洗浄条件は、脱
イオン水が放物線状に広がるように流入口115から流
入する以外は、比較例1と同様であるため省略する。洗
浄後の上記ガラス基板8上のパーティクル数を上記実施
例1と同様に測定した。その結果を図16(b)に示
す。
【0126】〔比較例3〕従来の洗浄装置である図10
に示すようなオーバーフロー方式の洗浄装置120を用
いた以外は、比較例1と同様にしてガラス基板8を洗浄
した。このときの洗浄装置120の構成や洗浄条件は、
流入口125が洗浄槽123の上端面に設けられ、2つ
の流出口128が洗浄槽123の底面に接して設けられ
ている以外は、比較例1と同様であるため省略する。洗
浄後の上記ガラス基板8上のパーティクル数を上記実施
例1と同様に測定した。その結果を図16(c)に示
す。
【0127】〔比較例4〕従来の洗浄装置である図11
に示すような一様流出方式の洗浄装置130を用いた以
外は、比較例1と同様にしてガラス基板8を洗浄した。
このときの洗浄装置130の構成や洗浄条件は、流入口
135が周辺から脱イオン水を流し込む構成であり、こ
の脱イオン水の流入量が100リットル/分であること
と、流出口138からの脱イオン水の流出量が100リ
ットル/分であること以外は、比較例1と同様であるた
め省略する。洗浄後の上記ガラス基板8上のパーティク
ル数を上記実施例1と同様に測定した。その結果を図1
7(a)に示す。
【0128】〔比較例5〕従来の洗浄装置である図14
に示すようなトルネード方式の洗浄装置160を用いた
以外は、比較例1と同様にしてガラス基板8を洗浄し
た。このときの洗浄装置160の構成や洗浄条件は、流
入口165が洗浄槽163の対向する側面の上端部に2
つ設けられていることと、流出口168が上記流入口1
65の1つが設けられている側面の下端部に1つ設けら
れていること以外は、比較例1と同様であるため省略す
る。洗浄後の上記ガラス基板8上のパーティクル数を上
記実施例1と同様に測定した。その結果を図17(b)
に示す。
【0129】〔比較例6〕従来の洗浄装置である図15
に示すようなトルネード方式の洗浄装置170を用いた
以外は、比較例1と同様にしてガラス基板8を洗浄し
た。このときの洗浄装置170の構成や洗浄条件は、流
出口178が2つ設けられていること以外は、比較例5
と同様であるため省略する。洗浄後の上記ガラス基板8
上のパーティクル数を上記実施例1と同様に測定した。
その結果を図17(c)に示す。
【0130】図6(a)・図6(b)に示すように、本
実施の形態の洗浄装置1および21aでは、ガラス基板
8上のパーティクルは、全体的にムラなく均一かつ十分
に除去されており、特に、第5の流入口25cを設けて
いる洗浄装置21aでは、白点で表されるガラス基板8
上に所定の大きさ以上のパーティクルがほとんど見られ
なかった。
【0131】これに対して、図16(a)・図16
(b)・図16(c)に示すように、従来のオーバーフ
ロー方式の洗浄装置では、本発明の洗浄装置と同一の条
件で洗浄しても、洗浄槽内に、脱イオン水の澱みや勢い
の弱い流れが形成されるため、ガラス基板8上のパーテ
ィクルを均一に取り除くことができなかった。同様に、
図17(a)・図17(b)・図17(c)に示すよう
に、一様流出方式や従来のトルネード方式の洗浄装置で
も、ガラス基板8上のパーティクルを均一に取り除くこ
とができなかった。
【0132】また、上記実施例1で洗浄した10枚のガ
ラス基板8上には、液晶表示装置の製造上問題となる5
μm以上の大きさのパーティクルは、平均16個しか残
存しておらず、さらに、実施例2で洗浄した10枚のガ
ラス基板8上には、平均4個のパーティクルしか残存し
ていなかった。
【0133】これに対して、比較例1ないし6で洗浄し
た10枚のガラス基板8上には、平均50個以上のパー
ティクルが残存しているとともに、図16(a)〜図1
6(c)、図17(a)〜図17(c)に示すように、
ガラス基板8上に残存するパーティクルにムラが生じて
いた。それゆえ、上記従来の洗浄装置を用いて液晶表示
装置を製造した場合、液晶表示装置の歩留りの低下を招
来することになる。また、パーティクル数を製造に影響
のない量以下に減少させるためには、液晶表示装置のス
ループットも低下することになる。
【0134】以上のように、本発明にかかる洗浄装置で
は、液晶表示装置に使用されるガラス基板のような大型
の基板であっても効率的に洗浄することが可能である。
そのため、被洗浄物であるガラス基板上に付着している
パーティクルをムラなく短時間で処理することができ
る。それゆえ、パーティクルなどの汚染によるガラス基
板の品質低下や歩留り低下を抑制して、製造される液晶
表示装置などのスループットを向上させることができ
る。
【0135】また、本発明にかかる洗浄装置は、既存の
超音波洗浄法と組み合わせることによって、さらに洗浄
効果を向上させることができる。さらに、上記実施例に
おいては、被洗浄物であるガラス基板を洗浄槽底面に対
して傾斜させたが、本発明にかかる洗浄装置では、被洗
浄物を傾斜させなくとも、高い洗浄効果が得られるもの
となっている。なお、被洗浄物としては、液晶表示装置
に用いられる上記ガラス基板に限定されるものではな
く、ICやLSIなどの製造に用いられるシリコンウェ
ハーなどであってもよい。
【0136】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の洗浄装置は、以
上のように、被洗浄物を収納する領域を有する略直方体
形状の洗浄槽と、上記洗浄槽の第1の側面に形成され、
該洗浄槽に流体を流入する第1流入部と、上記第1の側
面に対向する面である第2の側面に形成され、該洗浄槽
に流体を流入する第2流入部と、上記第1流入部と第2
流入部とから流入する流体を排出する流出口とを備えて
いるとともに、上記第1流入部または/および第2流入
部は、洗浄槽底面からの高さが互いに異なる複数の流入
口を有している構成である。
【0137】それゆえ、上記構成では、洗浄槽内におい
て、流体が所定の大きな流れを形成することが抑制さ
れ、従来よりも、より複雑、かつ、勢いの強い流体の流
れを形成することになる。したがって、被洗浄物の表面
上の汚れは、複雑かつ強い勢いの流れによって、洗浄時
間の経過とともに、該表面全面で大きなムラを生ずるこ
となく、ほぼ均一に効率よく除去される。また、流体の
澱みがなく、かつ、流れの勢いが強いため、被洗浄物か
ら除去された汚れが洗浄槽内に残留することが防止され
るという効果を奏する。
【0138】しかも、上記構成では、洗浄槽が略直方体
形状となっており、この形状の洗浄槽全体に複雑かつ勢
いの強い流れが形成されることになる。そのため、様々
な被洗浄物の洗浄に用いることが可能であるとともに、
大型の被洗浄物の洗浄も可能となる。また、流体の流れ
の勢いが従来よりも強いため、洗浄により除去されたパ
ーティクルなどの被洗浄物の汚れは、すぐに洗浄槽から
排出することができるという効果も奏する。
【0139】本発明の請求項2記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項1記載の構成に加えて、上記第1
流入部の流入口から洗浄槽へ流入する流体の流入角度
と、第2流入部の流入口から洗浄槽へ流入する流体の流
入角度とは、互いに異なっている構成である。
【0140】それゆえ、上記構成では、流入口からの流
入角度が異なっていることから、洗浄槽内での流体の流
れをより複雑化することができる。そのため、洗浄槽内
における流体の澱みや勢いの弱い流れの発生をさらに効
果的に防止することができるという効果を奏する。
【0141】本発明の請求項3記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項1または2記載の構成に加えて、
上記第1流入部の流入口の設けられている位置と、第2
流入部の流入口の形成されている位置とは、洗浄槽底面
からの高さが互いに異なっている構成である。
【0142】それゆえ、上記構成では、流入口の洗浄槽
底面からの高さが互いに異なっていることから、洗浄槽
内での流体の流れをより複雑化することができる。その
ため、洗浄槽内における流体の澱みや勢いの弱い流れの
発生をさらに効果的に防止することができるという効果
を奏する。
【0143】本発明の請求項4記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項1、2または3記載の構成に加え
て、上記第1流入部および第2流入部が有する複数の流
入口のうちの少なくとも1つが、洗浄槽底面に接する位
置に設けられている構成である。
【0144】それゆえ、上記構成では、流入口のうちの
少なくとも1つが、上記の位置に形成されていること
で、洗浄槽底面の近傍において、強い流体の流れを形成
することになる。そのため、洗浄槽底面の近傍で発生し
易くなる流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を効果的に
防止することができるという効果を奏する。
【0145】本発明の請求項5記載の洗浄装置は、以上
のように、被洗浄物を傾斜させて収納する領域を有する
略直方体形状の洗浄槽と、上記傾斜させた被洗浄物の上
端側が近接する上記洗浄槽の第1の側面において、洗浄
槽底面から見て、被洗浄物の上端と下端とに相当する高
さの間となる位置に設けられており、該洗浄槽に流体を
流入する第1流入部と、上記第1流入部の設けられてい
る側面に対向する第2の側面において、洗浄槽底面から
の高さが上記傾斜させた被洗浄物の下端近傍となる位置
に設けられており、該洗浄槽に流体を流入する第2流入
部と、上記第1の側面および第2の側面において、洗浄
槽の上端面に接する位置に設けられており、第1流入部
と第2流入部とから流入する流体を排出する複数の流出
口とを備えているとともに、上記第1流入部または/お
よび第2流入部は、洗浄槽底面からの高さが互いに異な
る複数の流入口を有している構成である。
【0146】それゆえ、上記構成では、傾斜して配置さ
れている被洗浄物の上端および下端に近接した真横から
流体が流入することになる。その結果、被洗浄物上にお
いて、より複雑で、強い勢いの流れが形成されるため、
洗浄効果を上昇させることができるという効果を奏す
る。
【0147】しかも、被洗浄物が傾斜して配置されてい
るため、被洗浄物を洗浄槽から引き上げた際に、洗浄液
の切れが良くなるため、被洗浄物にパーティクルが残留
することがない。したがって、被洗浄物に対する洗浄効
果をより向上させることができるという効果も奏する。
【0148】本発明の請求項6記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項5記載の構成に加えて、上記第1
流入部は、傾斜している被洗浄物の中央部よりも下方と
なる位置に設けられている第1の流入口と、上記中央部
よりも上方となる位置に設けられている第2の流入口と
を有しているとともに、上記第2流入部は、洗浄槽底面
に接する位置に設けられている第3の流入口と、洗浄槽
底面から見て上記被洗浄物の下端とほぼ同じ高さとなる
位置に設けられている第4の流入口とを有している構成
である。
【0149】それゆえ、上記構成では、被洗浄物上にお
ける流体の流れは、互いにその勢いを相殺することな
く、より複雑化することになり、流体の澱みや勢いの弱
い流れの発生を効果的に防止することができる。また、
第3の流入口により洗浄槽底面の近傍で発生し易くなる
流体の澱みや勢いの弱い流れを効果的に防止することが
できるという効果を奏する。
【0150】本発明の請求項7記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項6記載の構成に加えて、上記第1
の流入口から流入する流体は、洗浄槽底面にほぼ平行と
なるように流入し、第2の流入口から流入する流体は、
洗浄槽底面に向かって斜め下方に流入するとともに、上
記第3の流入口から流入する流体は、洗浄槽底面にほぼ
平行となるように流入し、第4の流入口から流入する流
体は、第2の側面にほぼ平行となるように流入する構成
である。
【0151】それゆえ、上記構成では、第2の流入口か
ら斜め下方に流体が流入することで、被洗浄物を真横か
ら洗浄する第1の流入口からの流体の流れと、斜め方向
から被洗浄物を洗浄する流体の流れの2つが形成される
ことになる。しかも、これら流れは、第2流入部の流入
口からの流れにより、勢いを相殺されずに複雑に流れる
ことになるため、流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を
効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0152】さらに、上記第4の流入口から第2の側面
にほぼ平行となるように、すなわち、第2の側面に沿う
ように流体が流れることになるため、第2の側面近傍に
おいても、流体の澱みや勢いの弱い流れの発生を効果的
に防止することができるという効果も奏する。
【0153】本発明の請求項8記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項6または7記載の構成に加えて、
上記第2流入部は、さらに、第2の側面に設けられてい
る流出口の近傍となる位置に第5の流入口を有している
構成である。
【0154】それゆえ、上記構成では、上記第5の流入
口からの流体の流れによって、洗浄槽の上方の水面近傍
において残留する傾向にある被洗浄物から除去された汚
れを効果的に取り除くことができる。そのため、被洗浄
物を洗浄後に洗浄槽から引き上げる際に、残留した汚れ
による被洗浄物の再汚染を防止することができる。ま
た、上記第5の流入口からの流体の流れによって、洗浄
槽内に配置されている被洗浄物の上方となる領域で、流
体の澱みや勢いの弱い流れの発生を効果的に防止するこ
とができるという効果を奏する。
【0155】本発明の請求項9記載の洗浄装置は、以上
のように、上記請求項8の構成に加えて、上記第5の流
入口からの流体の流入量は、他の流入口からの流体の流
入量よりも少ない量である構成である。
【0156】それゆえ、上記構成では、上記第5の流入
口からの流体の流入量が少ないため、第5の流入口から
の流体の流れは、他の流入口からの流体の流れよりも若
干弱くなる。そのため、洗浄槽の上方の水面近傍におい
て残留する傾向にある被洗浄物から除去された汚れを、
他の流体の流れを乱すことなく効果的に取り除くことが
できるという効果を奏する。
【0157】本発明の請求項10記載の洗浄装置は、以
上のように、上記請求項1から9の何れか1項に記載の
構成に加えて、複数の上記流出口から排出された流体を
濾過し、この濾過した流体を再び上記第1および第2流
入部が有する流入口から洗浄槽内に流入する循環手段を
備えている構成である。
【0158】それゆえ、上記構成では、流出口から洗浄
槽の外部の排出された流体は、上記濾過手段によって、
被洗浄物から除去した汚れを取り除かれる。さらに、汚
れを取り除かれた清浄な流体は、上記循環手段によっ
て、再び洗浄槽内に流入することになる。そのため、被
洗浄物の洗浄に用いる流体を効率的に利用できるととも
に、大量の流体を使用する必要がないことから、洗浄の
コストを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる洗浄装置の構成
を示す説明図である。
【図2】図1の洗浄装置における洗浄槽の構成を示す説
明図である。
【図3】図1の洗浄装置の変形例における洗浄槽の構成
を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の他の形態にかかる洗浄装置にお
ける洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図5】図4の洗浄装置の変形例における洗浄槽の構成
を示す説明図である。
【図6】(a)は、図1の洗浄装置を用いて洗浄した場
合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す図で
あり、(b)は、図5の洗浄装置を用いて洗浄した場合
におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す図であ
る。
【図7】従来のオーバーフロー方式の洗浄装置の構成を
示す説明図である。
【図8】図7のオーバーフロー方式の洗浄装置における
洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図9】従来のオーバーフロー方式の洗浄装置の他の例
における洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図10】従来のオーバーフロー方式の洗浄装置のさら
に他の例における洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図11】従来の一様流出方式の洗浄装置における洗浄
槽の構成を示す説明図である。
【図12】従来の一様流出方式の洗浄装置の他の例にお
ける洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図13】従来の一様流出方式の洗浄装置のさらに他の
例における洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図14】従来のトルネード方式の洗浄装置における洗
浄槽の構成を示す説明図である。
【図15】従来のトルネード方式の洗浄装置の他の例に
おける洗浄槽の構成を示す説明図である。
【図16】(a)は、図7の洗浄装置を用いて洗浄した
場合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す図
であり、(b)は、図9の洗浄装置を用いて洗浄した場
合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す図で
あり、(c)は、図10の洗浄装置を用いて洗浄した場
合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す図で
ある。
【図17】(a)は、図11の洗浄装置を用いて洗浄し
た場合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す
図であり、(b)は、図14の洗浄装置を用いて洗浄し
た場合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す
図であり、(c)は、図15の洗浄装置を用いて洗浄し
た場合におけるガラス基板上のパーティクル濃度を示す
図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2 循環部(循環手段) 4 第1流入部 4a 流入口 4b 流入口 5 第2流入部 5a 流入口 5b 流入口 11 洗浄装置 14 第1流入部 14a 流入口 14b 流入口 15 第2流入部 15a 流入口 15b 流入口 21 洗浄装置 21a 洗浄装置 24 第1流入部 24a 流入口 24b 流入口 25 第2流入部 25a 流入口 25b 流入口 25c 流入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 3/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被洗浄物を収納する領域を有する略直方体
    形状の洗浄槽と、 上記洗浄槽の第1の側面に形成され、該洗浄槽に流体を
    流入する第1流入部と、 上記第1の側面に対向する面である第2の側面に形成さ
    れ、該洗浄槽に流体を流入する第2流入部と、 上記第1流入部と第2流入部とから流入する流体を排出
    する流出口とを備えているとともに、 上記第1流入部または/および第2流入部は、洗浄槽底
    面からの高さが互いに異なる複数の流入口を有している
    ことを特徴とする洗浄装置。
  2. 【請求項2】上記第1流入部の流入口から洗浄槽へ流入
    する流体の流入角度と、第2流入部の流入口から洗浄槽
    へ流入する流体の流入角度とは、互いに異なっているこ
    とを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
  3. 【請求項3】上記第1流入部の流入口の設けられている
    位置と、第2流入部の流入口の形成されている位置と
    は、洗浄槽底面からの高さが互いに異なっていることを
    特徴とする請求項1または2記載の洗浄装置。
  4. 【請求項4】上記第1流入部および第2流入部が有する
    複数の流入口のうちの少なくとも1つが、洗浄槽底面に
    接する位置に設けられていることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の洗浄装置。
  5. 【請求項5】被洗浄物を傾斜させて収納する領域を有す
    る略直方体形状の洗浄槽と、 上記傾斜させた被洗浄物の上端側が近接する上記洗浄槽
    の第1の側面において、洗浄槽底面から見て、被洗浄物
    の上端と下端とに相当する高さの間となる位置に設けら
    れており、該洗浄槽に流体を流入する第1流入部と、 上記第1流入部の設けられている側面に対向する第2の
    側面において、洗浄槽底面からの高さが上記傾斜させた
    被洗浄物の下端近傍となる位置に設けられており、該洗
    浄槽に流体を流入する第2流入部と、 上記第1の側面および第2の側面において、洗浄槽の上
    端面に接する位置に設けられており、第1流入部と第2
    流入部とから流入する流体を排出する複数の流出口とを
    備えているとともに、 上記第1流入部または/および第2流入部は、洗浄槽底
    面からの高さが互いに異なる複数の流入口を有している
    ことを特徴とする洗浄装置。
  6. 【請求項6】上記第1流入部は、傾斜している被洗浄物
    の中央部よりも下方となる位置に設けられている第1の
    流入口と、上記中央部よりも上方となる位置に設けられ
    ている第2の流入口とを有しているとともに、 上記第2流入部は、洗浄槽底面に接する位置に設けられ
    ている第3の流入口と、洗浄槽底面から見て上記被洗浄
    物の下端とほぼ同じ高さとなる位置に設けられている第
    4の流入口とを有していることを特徴とする請求項5記
    載の洗浄装置。
  7. 【請求項7】上記第1の流入口から流入する流体は、洗
    浄槽底面にほぼ平行となるように流入し、第2の流入口
    から流入する流体は、洗浄槽底面に向かって斜め下方に
    流入するとともに、 上記第3の流入口から流入する流体は、洗浄槽底面にほ
    ぼ平行となるように流入し、第4の流入口から流入する
    流体は、第2の側面にほぼ平行となるように流入するこ
    とを特徴とする請求項6記載の洗浄装置。
  8. 【請求項8】上記第2流入部は、さらに、第2の側面に
    設けられている流出口の近傍となる位置に第5の流入口
    を有していることを特徴とする請求項6または7記載の
    洗浄装置。
  9. 【請求項9】上記第5の流入口からの流体の流入量は、
    他の流入口からの流体の流入量よりも少ない量であるこ
    とを特徴とする請求項8記載の洗浄装置。
  10. 【請求項10】複数の上記流出口から排出された流体を
    濾過し、この濾過した流体を再び上記第1および第2流
    入部が有する流入口から洗浄槽内に流入する循環手段を
    備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか1
    項に記載の洗浄装置。
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