JP3246323B2 - 紡 機 - Google Patents

紡 機

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JP3246323B2
JP3246323B2 JP07716596A JP7716596A JP3246323B2 JP 3246323 B2 JP3246323 B2 JP 3246323B2 JP 07716596 A JP07716596 A JP 07716596A JP 7716596 A JP7716596 A JP 7716596A JP 3246323 B2 JP3246323 B2 JP 3246323B2
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昌宏 寺下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリング精紡機、リン
グ撚糸機等の紡機に係り、詳しくはリフティング駆動系
がスピンドル駆動系を駆動するモータと別のモータで駆
動される紡機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リング精紡機、リング撚糸機等の紡機に
おいては、管糸形成のために機台運転中にリングレール
の昇降運動を繰り返しながら次第にリングレールを上昇
させ、それに伴ってラペットアングル等も昇降させるリ
フティング装置が採用されている。そして、フィリング
ビルディングを行う場合、リングレールが1回毎に上下
する量及び1回の巻き上げ量の変更を容易にするため
に、リフティング駆動系をローラパート及びスピンドル
駆動系と別のモータで駆動する構成の装置が提案されて
いる。しかし、ローラパート及びスピンドル駆動系とリ
フティング駆動系とは慣性モーメントが大きく異なり、
リフティング駆動系の慣性モーメントはスピンドル駆動
系の慣性モーメントよりかなり小さい。その結果、停電
時にスピンドル駆動系とリフティング駆動系のモータへ
の通電がそれぞれ同時に停止された場合、リフティング
駆動系が停止した後もスピンドル駆動系はしばらく作動
を継続する。そして、管糸の同じ位置に糸が長く巻き取
られ、再起動時に糸切れが多発したり、ワインダ工程で
の巻き返し時に輪抜けが起こるという不都合がある。
【0003】この問題点を解消するため、実公平3−4
8223号公報には、ローラパート及びスピンドル駆動
系を主モータで駆動し、リフティング駆動系をリフティ
ング用モータにより駆動可能とするとともに、両駆動系
をクラッチを介して連結し、停電時のみクラッチを接続
状態にする制御機構を設けた装置が開示されている。こ
の装置では、通常運転時にはドラフトパート及びスピン
ドル駆動系は主モータにより駆動され、リフティング駆
動系はリフティング用モータにより駆動される。機台運
転中、停電により主モータ及びリフティング用モータへ
の通電が停止されると、両駆動系がクラッチにより接続
される。そして、両駆動系は各モータが惰性回転となっ
た後も、同期した状態で停止時まで駆動される。
【0004】リング精紡機のドラフトパート駆動系は歯
車列を介して複数のドラフトローラが同期駆動されると
ともに、ドラフト率を変更する場合は歯車列を構成する
一部の歯車(チェンジギヤ)を交換して各ドラフトロー
ラの回転数比を変更するようになっている。チェンジギ
ヤの交換時にはチェンジギヤを機台の長手方向に沿って
移動させて回転軸から取り外すとともに、別のチェンジ
ギヤを機台の長手方向に沿って移動させて回転軸に嵌合
させる必要がある。そして、スピンドル駆動系を駆動す
るモータ(主モータ)が大型のため、主モータとドラフ
トパート駆動系の歯車列とを機台の同じ側端部に配設す
るとチェンジギヤ交換時の作業性が悪くなる。従って、
リング精紡機ではチェンジギヤ交換時の作業性を良くす
るために、機台の一方の端部(アウトエンド)側にスピ
ンドル駆動系を駆動する主モータが配設され、ドラフト
パート駆動系を構成する歯車列は他方の端部(ギヤエン
ド)側に配設されている。
【0005】そして、実公平3−48223号公報に開
示された装置では、リフティング用モータ及び停電時に
スピンドル駆動系の回転をリフティング駆動系に伝達す
る伝達機構はギヤエンド側に配設されている。従って、
実公平3−48223号公報に開示されたリフティング
装置を備えた紡機では、図7に示すように、紡機機台6
1のアウトエンド62側に、スピンドル駆動系及びドラ
フトパート駆動系を駆動する主モータMと、主モータM
を制御する主制御装置63とが配設されている。リフテ
ィング駆動系を駆動するリフティング用モータ64はド
ラフトパート駆動系を構成する歯車列65が配設された
ギヤエンド66側に配設され、リフティング用制御装置
66もギヤエンド66側に配設されている。
【0006】リフティング駆動系はスピンドル駆動系と
同期して正確に駆動する必要があり、リフティング用モ
ータ64の制御を行う場合はフィードバックが必要とな
る。精紡機は機台の全長が長く、アウトエンド62とギ
ヤエンド66との間隔が大きい。従って、アウトエンド
62側に配設された主制御装置63でギヤエンド66側
に配設されたリフティング用モータ64を制御すると、
リフティング用モータ64と主制御装置63との間で送
受信される信号に外乱が入り易くなり、リフティング用
モータ64を安定して動作させるのが困難となる。その
ため、リフティング用制御装置67がリフティング用モ
ータ64と共にギヤエンド66側に配設されている。
【0007】また、特開昭60−246826号公報に
は、ドラフトパート駆動系、リフティング駆動系及びス
ピンドル駆動系をそれぞれ別個のモータで駆動する構成
の精紡機において、停電時にはバックアップ電源により
各モータを駆動して各駆動系を同期状態で停止させる装
置が開示されている。また、停電時にスピンドル駆動系
のモータは惰性回転とし、その他の駆動系のモータをバ
ックアップ電源により駆動する装置も開示されている。
これらの装置でも停電時に各駆動系が同期した状態で停
止時まで駆動される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記実公平3−482
23号公報に開示されたリフティング装置の場合は、精
紡機の運転を行うために主制御装置63及びリフティン
グ用制御装置67があるため、両制御装置63,67間
の同期が必要となり制御が複雑になるという問題があ
る。
【0009】また、特開昭60−246826号公報に
開示された装置では、停電対策として停電時にスピンド
ル駆動系の回転をリフティング駆動系に伝達する伝達機
構は不要となり、リフティング用モータはドラフトパー
ト駆動系の歯車列の配設側と同じ側(ギヤエンド)に設
ける必要はない。しかし、停電時にリフティング用モー
タやドラフトパート駆動用のモータをバックアップ電源
で駆動するには容量の大きなバックアップ電源を必要と
し、バックアップ電源が大型化する。そして、リフティ
ング用モータを大型のバックアップ電源とともにアウト
エンド側に配設すると、アウトエンド側の容積が大きく
なるという問題がある。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的はリフティング駆動系がス
ピンドル駆動系を駆動する主モータと別のモータで駆動
される紡機において、リフティング駆動系を駆動するモ
ータを簡単な制御で精度良く駆動することができる紡機
を提供することにある。第2の目的はさらに停電時にス
ピンドル駆動系の惰性回転が停止あるいはほぼ停止する
まで、リフティング駆動系を簡単な構成でかつ通常運転
時より少ない動力消費量で作動させることができる紡機
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、リフティング駆動系が
スピンドル駆動系を駆動する主モータと別のモータで駆
動される紡機であって、停電時に前記リフティング駆動
系をスピンドル駆動系の惰性回転が停止またはほぼ停止
するまで駆動する停電対策手段とリフティング用モータ
とを機台の同じ側端部に配設し、前記停電対策手段は、
前記リフティング用モータより小さな動力消費量でリフ
ティング駆動系を駆動可能な停電時用モータと、停電時
にスピンドル駆動系の惰性回転が停止あるいはほぼ停止
するまで前記停電時用モータの制御を行う制御手段と、
停電の発生を検出して前記制御手段に停電検出信号を出
力する停電検出手段と、停電時に前記停電時用モータ及
び前記制御手段に電力を供給するバッテリとを備えてい
【0012】
【0013】
【0014】請求項に記載の発明では、請求項に記
載の発明において、ローラパート駆動系、スピンドル駆
動系及びリフティング駆動系がそれぞれ別のモータで駆
動され、ローラパート駆動系用モータ及びその制御手段
を前記リフティング用モータと同じ側端部に設け
【0015】請求項1に記載の発明では、スピンドル駆
動系は主モータにより駆動され、リフティング駆動系は
主モータと別のリフティング用モータで駆動される。主
モータ及びリフティング用モータと、両モータを制御す
る制御手段は機台の同じ側端部に配設されているため、
リフティング用モータとその制御手段の配置間隔は各々
を機台の反対側に配置した場合に比較して大幅に短くな
る。そして、リフティング用モータをフィードバック制
御する際、制御手段から出力されるリフティング用モー
タの制御信号及び制御手段に入力されるスピンドル駆動
系及びリフティング駆動系の作動状態を知らせる信号に
外乱が入り難くなり、リフティング駆動系が精度良く駆
動される。
【0016】また、機台運転中に停電が発生すると、リ
フティング用モータと同じ側端部に配設された停電対策
手段を介して、リフティング駆動系がスピンドル駆動系
の惰性回転が停止またはほぼ停止するまで駆動される。
【0017】また、機台運転中に停電が発生すると、バ
ッテリの電力で駆動される停電時用モータにより、リフ
ティング駆動系がリフティング用モータより小さな動力
消費量で駆動される。停電時に制御手段はバッテリによ
りバックアップされるとともに、停電検出手段から出力
された停電検出信号により、停電発生を認識して停電時
用モータをスピンドル駆動系の惰性回転が停止あるいは
ほぼ停止するまで駆動する。
【0018】請求項に記載の発明では、ローラパート
駆動系がスピンドル駆動系あるいはリフティング駆動系
を駆動するモータと別のモータで駆動される。そして、
ローラパート駆動系用のモータ及びその制御手段をリフ
ティング用モータと同じ側端部に設けられている。従っ
て、機台のギヤエンド側に配設される部品点数が大幅に
減少し、機台がコンパクトになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明をラインシャフトを
正逆回転させることによりリングレール及びラペットア
ングルを昇降動する構成のリフティング装置を備えたリ
ング精紡機に具体化した第1の実施の形態を図1〜図3
に従って説明する。
【0020】図1に示すように、精紡機機台1の一方の
端部であるアウトエンド2にはドラフトパート及びスピ
ンドル駆動系を駆動する主モータMと、リフティング駆
動系を駆動するリフティング用モータ3とが配設されて
いる。アウトエンド2には主モータM及びリフティング
用モータ3を制御する制御手段としての制御装置4が配
設されている。
【0021】図2に示すように、機台の長手方向に沿っ
て延びるドライビングシャフト5は主モータMによりベ
ルト伝動機構6を介して回転駆動され、スピンドル7
(1錘のみ図示)はドライビングシャフト5に固定され
たチンプーリ8との間に巻き掛けられたスピンドルテー
プ9を介して回転駆動されるようになっている。主モー
タMにはインバータ10を介して駆動される可変速モー
タが使用されるとともに、スピンドル駆動系作動検出手
段としてのロータリエンコーダ11が設けられている。
ローラパートとしてのドラフトパートを構成するフロン
トボトムローラ12の回転軸12aはギヤエンド13側
に配設された歯車列14aを介してドライビングシャフ
ト5に連結されている。また、回転軸12aの回転が歯
車列14b(図1に図示)を介してドラフトパートを構
成するミドルボトムローラ及びバックボトムローラ(い
ずれも図示せず)に伝達されるようになっている。主モ
ータM、ベルト伝動機構6、ドライビングシャフト5、
チンプーリ8、スピンドルテープ9及び歯車列14a,
14bによりドラフトパート及びスピンドル駆動系が構
成されている。なお、ドラフトパート及びスピンドル7
は精紡機機台1の左右両側に配設されているが、図2で
は片側のみ示している。
【0022】図2に示すように、スピンドルレール(図
示せず)の長手方向に沿って、即ちドライビングシャフ
ト5と平行にラインシャフト15(片側のみ図示)が回
転自在に配設されている。ラインシャフト15にはそれ
ぞれリングレール16及びラペットアングル17を昇降
作動する昇降ユニット18が所定間隔で配設されている
(1個のみ図示)。昇降ユニット18はラインシャフト
15に一体回転可能に嵌着固定されたねじ歯車19と、
リングレール16あるいはラペットアングル17を支持
するポーカピラー20の下部に形成されたスクリュー部
20aに螺合するナット体21とを備えている。ポーカ
ピラー20は上下方向に移動可能に機台フレーム(図示
せず)に支承されている。ナット体21は機台フレーム
の所定高さ位置にブラケット(図示せず)を介して回転
可能に支持され、その外周に互いに噛合するねじ歯車2
1aが一体に形成されている。リングレール16あるい
はラペットアングル12を支持するポーカピラー20は
2本が隣接して設けられ、各ポーカピラー20に対応し
て設けられたナット体21のねじ歯車21aは互いに噛
合するとともに、一方のねじ歯車21aはねじ歯車19
とも噛合している。なお、これらの構成は例えば特開平
2−277826号公報に開示された装置と基本的に同
様である。
【0023】アウトエンド2側端部にはラインシャフト
駆動系を構成する回転軸22が、両ラインシャフト15
と平行に回転自在に配設され、回転軸22には歯車23
が一体回転可能に固定されている。歯車23はリフティ
ング用モータ3の出力軸3aに一体回転可能に固定され
た歯車25と噛合している。リフティング用モータ3に
は例えば交流サーボモータが使用されるとともに、リン
グレール16の位置を検出するリングレール位置検出手
段としてのロータリエンコーダ26が装備されている。
【0024】ラインシャフト15のアウトエンド2側端
部と対応する位置には、回転軸27がラインシャフト1
5と直交する状態で配設されている。回転軸27の両端
には各ラインシャフト15の端部に一体回転可能に固定
されたウォームホイール28と噛合するウォーム29が
一体回転可能に固定されている。回転軸22にはかさ歯
車30が一体回転可能に固定され、かさ歯車30は回転
軸27の中間部に一体回転可能に固定されたかさ歯車3
1と噛合している。ラインシャフト15の端部にはリン
グレール位置検出手段としてのアブソリュートタイプの
ロータリエンコーダ32が歯車を介して連結されてい
る。そして、リフティング用モータ3の正逆回転に伴っ
てラインシャフト15が正逆回転駆動されるようになっ
ている。リフティング用モータ3、回転軸22,27、
歯車23,25、ウォームホイール28、ウォーム29
及びかさ歯車30,31によりラインシャフト駆動系が
構成されている。ラインシャフト15、昇降ユニット1
8及びラインシャフト駆動系によりリングレール16及
びラペットアングル17を昇降させるリフティング駆動
系が構成されている。
【0025】前記リフティング駆動系には歯車23と噛
合する歯車33が設けられている。歯車33は停電時用
モータ34の出力軸34aに対して電磁クラッチ35を
介して一体回転可能に支持されている。停電時用モータ
34にはリフティング用モータ3より動力消費(使用電
力)量が少ないものが使用されている。この実施の形態
では停電時用モータ34として、制御装置4と同じ電圧
で駆動される正逆回転駆動可能な直流ギヤドモータが使
用されている。リフティング用モータ3の使用電力は通
常のリフティング運動を行う場合は数百W程度で、高速
でリングレール16を上昇させる場合は1kW程度であ
る。一方、停電時用モータ34の使用電力は数十W程度
である。電磁クラッチ35には励磁状態で歯車33と出
力軸34aとを接続する構成のものが使用されている。
【0026】主モータMはインバータ10を介して、リ
フティング用モータ3はサーボドライバ36を介してそ
れぞれ制御装置4に接続されている。制御装置4、停電
時用モータ34、ロータリエンコーダ11,26,32
及び電磁クラッチ35は通常電源(図示せず)及びバッ
テリ37の両者を電源として使用可能に構成され、停電
発生時に電源が通常電源からバッテリ37に切り換えら
れるようになっている。バッテリ37としては、例え
ば、起電力24Vのバッテリが使用される。
【0027】制御装置4は、図1に示すように、制御手
段及び演算手段としての中央処理装置(以下、CPUと
いう)38、記憶装置39及び入出力インタフェース4
0を備え、記憶装置39に記憶されたプログラムに従っ
て主モータM、リフティング用モータ3、停電時用モー
タ34及び電磁クラッチ35等を制御する。制御装置4
には紡出条件等を入力する入力装置41が接続されてい
る。制御装置4にはロータリエンコーダ11,26,3
2及び停電検出手段42の出力信号が入力されるように
なっている。
【0028】制御装置4は起動時にロータリエンコーダ
32からの出力信号に基づいてリングレール16の位置
を演算し、その後はロータリエンコーダ26からの出力
信号に基づいてリングレール16の移動量及び位置を演
算する。即ち、アブソリュートタイプのロータリエンコ
ーダ32は起動時にリングレール16の位置を確認する
ために使用され、運転中は使用されない。そして、制御
装置4は通常運転時、入力装置41で入力されたリフテ
ィング条件となるリングレール16の反転時期をリング
レール16の移動量及び位置に基づいて演算し、リング
レール16等が所定の昇降運動を行うようにサーボドラ
イバ36を介してリフティング用モータ3を駆動制御す
るようになっている。
【0029】制御装置4は停電発生時のリングレール1
6の位置により、停電時用モータ34の回転方向を決定
するようになっている。即ち、制御装置4は停電発生時
のリングレール16の位置が基準位置より上であればリ
ングレール16を下降させる方向に、基準位置より下で
あればリングレール16を上昇させる方向にリフティン
グ駆動系を駆動するように停電時用モータ34を回転さ
せる制御信号を出力する。制御装置4は停電検出手段4
2からの停電検出信号を入力すると、電磁クラッチ35
の励磁信号を出力するとともに、停電時用モータ34の
駆動制御信号を出力する。制御装置4はロータリエンコ
ーダ11の出力信号に基づいて、スピンドル駆動系の惰
性回転がほぼ停止する状態になったときに、電磁クラッ
チ35の励磁及び停電時用モータ34の駆動を停止させ
るようになっている。
【0030】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立って、まず、紡出運転時の
スピンドル回転数、紡出長、リフト長、チェイス長等の
紡出条件データが入力装置41により入力される。ま
た、停電時における停電時用モータ34の回転方向を決
定するのに必要な、リングレール16の基準位置データ
が入力装置41により入力される。基準位置LS として
は、例えば、停電時にリングレール16を基準位置から
下降移動させたときに、糸が管糸の胴部(糸巻径が一定
の部分)より下の縮径部に巻き取られない状態となる位
置の下限位置が採用される。そして、機台の起動に伴い
制御装置4からの指令により、主モータM及びリフティ
ング用モータ3が駆動される。
【0031】主モータMが駆動されるとベルト伝動機構
6、ドライビングシャフト5、チンプーリ8及びスピン
ドルテープ9を介してスピンドル7が回転される。ま
た、ドライビングシャフト5の回転が歯車列14aを介
して回転軸12aに伝達されるとともに歯車列14bを
介してドラフトパートが駆動される。リフティング用モ
ータ3が駆動されると回転軸22,27及びウォーム2
9等を介してラインシャフト15が回転され、ねじ歯車
19を介してナット体21が回転される。そして、ナッ
ト体21に螺合されたポーカピラー20が上昇あるいは
下降移動され、リングレール16等が昇降動される。リ
フティング用モータ3の正転時にリングレール16等が
上昇移動され、逆転時に下降移動される。フロントボト
ムローラ12から送り出された糸はスネルワイヤ及びト
ラベラを経てボビンに巻き取られる。
【0032】制御装置4はロータリエンコーダ32から
の出力信号に基づいて起動時のリングレール16の位置
を演算し、その値に基づいてロータリエンコーダ26の
基準値を補正する。そして、運転中はリフティング用モ
ータ3に装備されたロータリエンコーダ26からの出力
信号に基づいてリングレール16の移動量及び位置を演
算する。制御装置4は予め入力された1チェイスの上昇
量あるいは下降量と対応する距離だけリングレール16
が移動した時点でリフティング用モータ3の回転方向を
変更するようにサーボドライバ36を介してリフティン
グ用モータ3を駆動制御する。
【0033】運転中に停電等の異常事態により通常電源
が遮断されると、主モータM及びリフティング用モータ
3等への通電が停止され、主モータM及びリフティング
用モータ3は惰性回転となる。また、通常電源が遮断さ
れると制御装置4、停電時用モータ34、電磁クラッチ
35及びロータリエンコーダ11,26,32の電源が
バッテリ37に切り換えられる。そして、制御装置4は
停電検出手段42からの停電検出信号を入力すると、停
電時の制御プログラムを実行してスピンドル駆動系の惰
性回転がほぼ停止するまでリフティング駆動系を制御す
る。
【0034】停電時のリフティング駆動系の制御は図3
のフローチャートに従って行われる。即ち、制御装置4
は停電検出手段42から停電検出信号を入力すると、ス
テップS1で停電発生時のリングレール16の位置L0
をロータリエンコーダ26の出力信号に基づいて演算
し、ステップS2で電磁クラッチ35を励磁する。次に
制御装置4はステップS3で停電発生時のリングレール
16の位置L0 と、基準位置LS とを比較する。そし
て、リングレール16の位置L0 が基準位置LS より高
い(L0 >LS )ときはステップS4に進んでリングレ
ール16を下降させる制御信号を、また、位置L0 が基
準位置LS 以下の(L0 ≦LS )ときはステップS5に
進んでリングレール16を上昇させる制御信号をそれぞ
れサーボドライバ36へ出力する。その結果、リングレ
ール16は停電時用モータ34により通常運転時より遅
い速度で所定方向に移動される。
【0035】次に制御装置4はロータリエンコーダ11
の出力信号に基づいてドラフトパート及びスピンドル駆
動系の作動状態、即ち惰性回転の状態を判断する。具体
的にはステップS6でスピンドル駆動系の惰性回転速度
を演算し、ステップS7で惰性回転速度が所定速度以下
か否かを判断する。スピンドル駆動系の惰性回転は次第
に遅くなり、やがて停止する。制御装置4はスピンドル
駆動系がほぼ停止する状態、即ちステップS6で演算し
た惰性回転速度が所定速度以下となった時点でステップ
S8に進んで、停電時用モータ34の停止信号を出力す
るとともに、電磁クラッチ35に消磁信号を出力して一
連の制御を終了する。その結果、リフティング駆動系へ
の駆動力が遮断されて、リフティング駆動系が停止さ
れ、少し遅れてスピンドル駆動系も停止する。スピンド
ル駆動系はリフティング駆動系の停止より少し遅れて停
止するが、リフティング駆動系が停止した後、スピンド
ル駆動系が停止するまでの間にスピンドル7が回転する
量は1回転より少ないため、リフティング駆動系が先に
停止しても支障はない。
【0036】停電時にスピンドル駆動系の惰性回転が継
続される時間は紡出条件によって異なり、停電時用モー
タ34が一定速度で駆動されるためその間にリングレー
ル16が移動する距離も紡出条件によって異なる。停電
発生時からリングレール16が単に一定方向へ移動を続
ける構成では、紡出条件及び停電発生時におけるリング
レール16の位置によっては、リングレール16が管糸
の糸巻付け範囲を越えた位置まで移動する場合が起こ
る。その結果、停電解消後の再起動時に支障を来した
り、ワインダ工程における巻き返し時に支障を来す。し
かし、この実施の形態では停電時用モータ34の回転方
向、即ち停電時のリングレール16の移動方向が停電発
生時におけるリングレール16の位置に基づいて決定さ
れ、停電時にスピンドル駆動系の惰性回転が継続される
間に管糸に巻き取られる糸は、前記不都合が発生しない
位置に確実に巻き取られる。
【0037】停電が解消すると、制御装置4はリングレ
ール16の位置をロータリエンコーダ32から演算す
る。そして、リングレール16の停止位置が停電発生時
のチェイス外の場合は、停電発生時のチェイス運動の次
のチェイス運動におけるリングレール16の上昇への反
転位置までリングレールを移動させた後、停電発生に伴
って中断した昇降運動を継続するようにリフティング用
モータ3を駆動制御する。リングレール16の停止位置
が停電発生時のチェイス内の場合は、制御装置4は機台
の再起動後、停電発生に伴って中断した昇降運動を継続
するようにリフティング用モータ3を駆動制御する。
【0038】この実施の形態は以下の効果を有する。 (イ) 主モータM、リフティング用モータ3及び両モ
ータM,3を制御する制御装置4が精紡機機台1の同じ
側端部(アウトエンド2)に配設されているため、リフ
ティング用モータ3をフィードバック制御するために必
要な信号を送る配線の長さが短くなる。その結果、制御
装置4から出力されるリフティング用モータ3の制御信
号と、制御装置4に入力されるスピンドル駆動系及びリ
フティング駆動系の作動状態を知らせる信号(ロータリ
エンコーダ11,26,32の出力信号)とに外乱が入
り難くなり、リフティング駆動系を簡単な制御で精度良
く駆動できる。また、アウトエンド2とギヤエンド13
を結ぶ配線が減って組立て工数が減少し、製造コストが
安くなる。
【0039】(ロ) 停電時にスピンドル駆動系がほぼ
停止するまでリフティング駆動系を駆動する停電対策手
段として、リフティング駆動系とスピンドル駆動系との
間に回転伝達機構を設けずに、バッテリ37で駆動され
るとともにリフティング用モータ3より少ない動力消費
量でリフティング駆動系を駆動する停電時用モータ34
を設けた。その結果、リフティング駆動系とスピンドル
駆動系との間に回転伝達機構を設けた場合に比較して構
造が簡単になり、リフティング用モータ3及び停電対策
手段をアウトエンド2側に配設するのが容易となる。
【0040】(ハ) 停電時用モータ34が正逆回転駆
動可能に構成され、停電発生時におけるリングレール1
6の位置に基づいて停電時用モータ34の回転方向が決
定される。その結果、スピンドル駆動系の惰性回転中に
巻き取られる糸は停電発生時に管糸に巻き取られている
糸量の多少に拘らず、機台の再起動時における糸切れを
防止し、ワインダ工程における糸の巻き返しに支障を来
さない状態で管糸に巻き取られる。
【0041】(ニ) 停電時用モータ34の回転方向を
決定する基準位置として、停電時にリングレール16を
基準位置から下降移動させたときに、糸が管糸の下側縮
径部に巻き取られない状態となる位置の下限位置が採用
されている。従って、停電時にリングレール16が基準
位置より上側に位置する場合が多くなる。その結果、停
電時用モータ34はリングレール16を下降させる方向
にリフティング駆動系を駆動する場合が多くなり、電力
消費量が少なくなる。
【0042】(ホ) 停電時用モータ34としてギャド
モータを使用しているため、回転軸22との間に減速機
構を設ける場合に比較してコンパクトになる。 (ヘ) スピンドル駆動系の惰性回転の状態を主モータ
Mに設けられたロータリエンコーダ11の出力信号に基
づいて判断するため、停電発生時におけるスピンドルの
回転速度に拘らず、リフティング駆動系をスピンドル駆
動系の惰性回転が停止するより少し前に簡単かつ確実に
停止できる。また、スピンドルの回転速度とは無関係に
停電時用モータの回転速度が変更可能であり、例えば太
番手の糸を紡出する場合は速く、細番手の糸を紡出する
場合には遅くすることができる。
【0043】(ト) 停電時に停電時用モータ34への
通電がスピンドル駆動系の惰性回転が完全に停止するよ
り少し前に停止されるため、スピンドル駆動系の惰性回
転の停止に伴って停電時用モータ34を停止させる場合
より電力消費量が少なくなる。
【0044】(チ) 停電時用モータ34、電磁クラッ
チ35、バッテリ37が制御装置4と同じ側端部に配設
されているため、必要な配線の長さが短くなり、精度良
く制御できると共に、配線が減って組立て工数が減少し
製造コストが安くなる。
【0045】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図4に従って説明する。この実施の形態では第1の
実施の形態と異なる構成の停電対策手段がギヤエンド側
に設けられている点が第1の実施の形態と異なってい
る。従って、この実施の形態でも前記(イ)の効果を有
する。
【0046】停電対策手段として停電時にスピンドル駆
動系の回転をリフティング駆動系に伝達する回転伝達機
構43がギヤエンド13側に設けられている。回転伝達
機構43はラインシャフト15と平行に配設された回転
軸44の回転を両ラインシャフト15に伝達可能な歯車
伝達機構45と、ドライビングシャフト5の回転が歯車
列を介して伝達される回転軸46と、その回転軸46の
端部と歯車伝達機構45の回転軸44との間に配設され
たベルト伝動機構47とを備えている。歯車伝達機構4
5は両ラインシャフト15に対してウォーム及びウォー
ムホイールを介して連結される代わりに、かさ歯車4
8,49を介して連結されている。ベルト伝動機構47
は回転軸44に設けられた電磁クラッチ50の励磁状態
において、回転軸46の回転を回転軸44に伝達するよ
うになっている。電磁クラッチ50は停電時にバッテリ
37から電力が供給され、制御装置4の制御信号に基づ
いて励消磁制御されるようになっている。
【0047】通常状態(非停電時)では電磁クラッチ5
0は消磁状態に保持され、精紡機機台1の運転中にスピ
ンドル駆動系の回転はリフティング駆動系に伝達されな
い。停電が発生すると、主モータM及びリフティング用
モータ3は惰性回転になる。電磁クラッチ50は制御装
置4からの励磁信号により励磁され、ドライビングシャ
フト5の回転が回転伝達機構43を介してリフティング
駆動系に伝達される。従って、電磁クラッチ50が励磁
状態に保持されている間、リフティング駆動系はスピン
ドル駆動系と同期して駆動されて、リングレール16は
一方向へ移動する。停電発生時におけるリングレール1
6の位置によっては、スピンドル駆動系の惰性回転中に
リングレール16が管糸の糸巻き取り範囲を越える位置
まで移動する可能性がある。制御装置4はロータリエン
コーダ26の出力信号に基づいてリングレール16の位
置を演算し、リングレール16が管糸の糸巻き取り範囲
の限界まで移動した場合は、スピンドル駆動系の惰性回
転がほぼ停止する状態になる前でも電磁クラッチ50に
消磁信号を出力してリフティング駆動系を停止させる。
従って、スピンドル駆動系の惰性回転中に糸が管糸の糸
巻き取り範囲を越えた位置に巻き取られることはない。
また、停電時用モータ34が不要となって消費電力が少
なくなる。
【0048】(第3の実施の形態)次に第3の実施の形
態を図5に従って説明する。この実施の形態ではドラフ
トパート駆動系がスピンドル駆動系と別のモータで駆動
され、ドラフトパート駆動系用のモータ及びその制御手
段も主モータ等と同じ側端部(アウトエンド2)に設け
られている。ドラフトパート駆動系にはドラフト率を任
意に変更可能とするため複数(この実施の形態では2
台)の駆動モータ、即ちフロントボトムローラを駆動す
る第1のドラフト用モータ51と、ミドルボトムローラ
以降の他のドラフトローラを駆動する第2のドラフト用
モータ52とが設けられている。両ドラフト用モータ5
1,52にはサーボモータが使用され、サーボドライバ
(図示せず)を介して制御装置4により制御されるよう
になっている。両ドラフト用モータ51,52にはドラ
フトパート駆動系の作動状態をフィードバックするロー
タリエンコーダ(図示せず)が装備されている。スピン
ドル駆動系及びリフティング駆動系は第1の実施の形態
と同じに構成されている。
【0049】ギヤエンド13側には停電時にドライビン
グシャフト5の回転をフロントボトムローラ12の回転
軸12aに伝達するベルト伝動機構53と、停電時に回
転軸12aの回転をミドルボトムローラ以降の他のドラ
フトローラに伝達する回転伝達機構54とが配設されて
いる。ベルト伝動機構53及び回転伝達機構54には停
電時に接続される電磁クラッチ(図示せず)がそれぞれ
設けられ、停電発生時にのみドライビングシャフト5の
回転が回転軸12aに伝達され、回転軸12aの回転が
ミドルボトムローラ以降の他のドラフトローラに伝達さ
れる。
【0050】従って、この実施の形態では両ドラフト用
モータ51,52の回転速度比を変更することにより、
面倒なチェンジギヤの交換をせずに、ドラフト率を簡単
に変更できる。そして、両ドラフト用モータ51,52
も他のモータと同様にアウトエンド2側に配設されて制
御装置4により制御される。従って、ドラフトパート駆
動系も制御装置4から出力される両ドラフト用モータ5
1,52の制御信号及び制御装置4に入力されるフィー
ドバック信号に外乱が入り難くなり、ドラフトパート駆
動系も簡単な制御で精度良く駆動できる。また、停電時
にはドラフトパート駆動系がスピンドル駆動系と接続さ
れて、スピンドル駆動系の惰性回転が停止するまで同期
して駆動されるため、粗糸が過剰に引き伸ばされること
による糸切発生が防止される。
【0051】なお、本発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 第1の実施の形態において停電時用モータ34
をスピンドル駆動系の惰性回転の停止と同時に停止させ
るようにしてもよい。この場合も(ヘ)及び(ト)を除
いて第1の実施の形態と同様の効果を発揮する。第3の
実施の形態においても停電時用モータ34をスピンドル
駆動系の惰性回転の停止と同時に停止させるようにして
もよい。
【0052】(2) 第1の実施の形態において停電時
用モータ34の駆動停止時期を、主モータMに装備され
たロータリエンコーダ11の出力信号に基づいて決める
代わりに、停電発生検出信号が出力されてから所定時間
後に停電時用モータ34を停止するようにする。所定時
間は紡出条件及び停電発生時のスピンドル回転速度に基
づいて設定される。この場合、停電時用モータ34の制
御を開始した後はスピンドル駆動系の作動状態を検出す
る必要がない。
【0053】(3) 第1の実施の形態において停電時
用モータ34の回転方向を決定する基準位置は、停電時
にリングレール16を基準位置から下降移動させたとき
に、糸が管糸の縮径部に巻き取られない状態となる位置
の下限位置と、リングレール16を基準位置から上昇移
動させたときに、糸が管糸の巻付け範囲を越えない上限
位置との間であればよい。
【0054】(4) 停電発生時におけるリングレール
16の位置を基準位置と比較して停電時における停電時
用モータ34の回転方向を決め、リングレール16を停
止時まで一定方向に移動する構成に代えて、停電発生前
のチェイス運動を継続するように停電時用モータ34を
駆動してもよい。この場合、リングレール16はその移
動速度が遅くなるだけで所定のチェイス運動を継続する
ように移動するため、基準位置の入力が不要になるとと
もに、停電解消後に機台の運転を再開する際、リングレ
ール16を所定の位置まで移動させる必要がない。
【0055】(5) 停電時用モータ34として正逆回
転可能な直流モータを使用する代わりに逆転不能な直流
モータを使用し、図6に示すように、停電時用モータ3
4と回転軸22との間に上昇用及び下降用の2組の歯車
列55,56を設ける。上昇用の歯車列55は第1の実
施の形態の歯車23及び歯車33で構成され、新たに下
降用の歯車列56が付加される。歯車列56には電磁ク
ラッチ57を介して出力軸34aの回転力が伝達され
る。この装置では停電時に電磁クラッチ35のみを励磁
すると、歯車列56を介して回転軸22がリングレール
16を上昇させる方向に駆動され、電磁クラッチ57の
みを励磁すると、歯車列56を介して回転軸22がリン
グレール16を下降させる方向に駆動される。従って、
停電時用モータ34が逆転駆動不能なモータであって
も、電磁クラッチ35,57の励消磁を制御装置4で制
御することによりリングレール16の移動方向を自由に
変更でき、停電時に第1の実施の形態、(3)及び
(4)の制御を実施できる。
【0056】(6) 第1の実施の形態において、停電
時にリングレール16を上昇及び下降のいずれの方向に
も移動可能な構成に代えて、上昇及び下降のいずれか一
方向のみに移動可能な構成とする。そして、リングレー
ル16が管糸の所定の巻取り範囲の境界に達したときに
は、スピンドル駆動系の惰性回転がほぼ停止する状態で
なくても、停電時用モータ34を停止させる。この場
合、リングレール16を下降させる方向に停電時用モー
タ34を駆動させる方が、消費電力が少なくなる。 (7) 第2の実施の形態において、ギヤエンド側に配
設した回転伝達機構43として、両回転軸44,46の
間に上昇用及び下降用の2組の歯車列を設けるととも
に、各歯車列に電磁クラッチを設ける。そして、第1の
実施の形態と同様に停電発生時におけるリングレール1
6の位置に基づいてリングレール16を移動させる方向
を決定し、それに対応する電磁クラッチを励磁する。こ
の場合、スピンドル駆動系の惰性回転中に巻き取られる
糸は停電発生時に管糸に巻き取られている糸量の多少に
拘らず、機台の再起動時における糸切れを防止し、ワイ
ンダ工程における糸の巻き返しに支障を来さない状態で
管糸に巻き取られる。
【0057】(8) 第3の実施の形態において、停電
時にドラフトパート駆動系をスピンドル駆動系と同期し
て駆動する手段として、ベルト伝動機構53及び回転伝
達機構54を設ける代わりに、両ドラフト用モータ5
1,52に電力を供給するバックアップ用のバッテリを
設ける。そして、停電時にスピンドル駆動系の回転速度
に基づいて制御装置4で両ドラフト用モータ51,52
をフィードバック制御してもよい。この場合、停電時に
ドラフトパート駆動系を紡出条件に対応したドラフト比
で回転することができ、紡出糸に太さ斑が発生しない。
【0058】(9) 第3の実施の形態において、ドラ
フトパートを1台のドラフト用モータで駆動する構成と
してもよい。この場合、ドラフト率の変更にはチェンジ
ギヤの交換が必要となるが、撚数の変更のためのチェン
ジギヤは不要となる。
【0059】(10) リフティング用モータ3に直流
サーボモータを使用してもよい。また、サーボモータに
代えてインバータを介して変速制御される可変速モータ
を使用するとともに、その出力軸とラインシャフト15
との間に一対の電磁クラッチの励消磁によりラインシャ
フト15の回転方向を変更する機構を設けてもよい。さ
らに、主モータMとして定速度電動機を使用してもよ
い。
【0060】(11) スピンドル駆動系の作動状態を
検出するスピンドル駆動系作動検出手段として、ロータ
リエンコーダを主モータMではなく主モータMと同期し
て回転される箇所、例えばドライビングシャフト5に取
り付けてもよい。また、ロータリエンコーダに代えてタ
コジェネレータを取り付けてもよい。タコジェネレータ
を取り付けた場合は、ロータリエンコーダの場合と異な
り、電力のバックアップ無しに回転数に比例するパルス
信号が出力されるため、配線が簡単になる。また、主モ
ータにより回動される部位にドグを設け、近接スイッチ
でドグの回転を検知するようにしてもよい。
【0061】(12) リングレール16の位置検出手
段としてロータリエンコーダ以外のものを使用してもよ
い。例えば、リングレールの昇降範囲の近傍に多数の永
久磁石がそのN極とS極とが交互に配列されたいわゆる
マグネットスケールを配設するとともに、その検出部を
リングレール16に一体移動可能に固定した構成の装置
を採用してもよい。また、リニアポテンショメータを位
置検出手段として使用してもよい。ロータリエンコーダ
の取付け位置は、ラインシャフト15の回転と同期して
回転される部品であれば、適宜の位置に取り付けてよ
い。
【0062】(13) スピンドル7をチンプーリ8に
巻き掛けられるスピンドルテープ9で駆動する構成に代
えて、タンゼンシャルベルトにより駆動する構成として
もよい。また、リング撚糸機に適用してもよい。
【0063】前記各実施の形態及び変更例から把握でき
る請求項記載以外の発明について、以下にその効果とと
もに記載する。 (1) 請求項1に記載の発明において、停電対策手段
をリフティング用モータに対して機台の反対側に設け、
停電対策手段として停電時にスピンドル駆動系の回転を
リフティング駆動系に伝達する電磁クラッチを備えた回
転伝達機構を採用する。この場合、停電時に電磁クラッ
チを接続することによりリフティング駆動系をスピンド
ル駆動系と同期して駆動でき、停電時用モータが不要と
なって消費電力が少なくなる。
【0064】(2) 請求項3に記載の発明において、
停電時用モータは正逆回転可能に構成され、制御手段は
リングレールの位置を検出するリングレール位置検出手
段の検出信号に基づいて、停電前のチェイス運動を継続
するように停電時用モータの制御を行う。この場合、停
電発生時に、管糸に巻き取られている糸量の多少に拘ら
ず、スピンドル駆動系の惰性回転が停止するまで糸が管
糸に対して、機台の再起動時に支障を来さず、かつワイ
ンダ工程での糸の巻き返しに支障を来さない状態に巻き
取られる。また、停電解消後に機台の運転を再開する
際、リングレールを所定の位置まで移動させる必要がな
い。
【0065】(3) 請求項4に記載の発明において、
ローラパート駆動系としてのドラフトパート駆動系にド
ラフト率を任意に変更可能とするため複数の駆動モータ
を設ける。この場合、紡出条件の変更のためにドラフト
率や撚数を変更する場合、チェンジギヤの交換が不要と
なる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
に記載の発明によれば、リフティング駆動系がスピン
ドル駆動系を駆動する主モータと別のモータで駆動され
る紡機において、リフティング駆動系を駆動するモータ
を簡単な制御で精度良く駆動することができる。
【0067】また、停電時にスピンドル駆動系の惰性回
転が停止あるいはほぼ停止するまで、リフティング駆動
系を簡単な構成でかつ通常運転時より少ない動力消費量
で作動させることができる。
【0068】請求項に記載の発明では、機台のギヤエ
ンド側に配設される部品点数が大幅に減少し、機台がコ
ンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のリング精紡機の模式図。
【図2】 同じく駆動系の概略斜視図。
【図3】 停電時の作用を示すフローチャート。
【図4】 第2の実施の形態の駆動系の概略斜視図。
【図5】 第3の実施の形態のリング精紡機の模式図。
【図6】 変更例の停電対策手段の概略斜視図。
【図7】 従来例のリング精紡機の模式図。
【符号の説明】
1…精紡機機台、2…アウトエンド、3…リフティング
用モータ、4…制御手段としての制御装置、5…スピン
ドル駆動系を構成するドライビングシャフト、12…ロ
ーラパートとしてのドラフトパートを構成するフロント
ボトムローラ、15…リフティング駆動系を構成するラ
インシャフト、18…同じく昇降ユニット、26…ロー
タリエンコーダ、34…停電対策手段を構成する停電時
用モータ、37…同じくバッテリ、42…同じく停電検
出手段、43…停電対策手段としての回転伝達機構、5
1…ローラパート駆動系用モータとしての第1のドラフ
ト用モータ、52…同じく第2のドラフト用モータ、M
…主モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 13/20 D01H 1/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフティング駆動系がスピンドル駆動系
    を駆動する主モータと別のモータで駆動される紡機であ
    って、停電時に前記リフティング駆動系をスピンドル駆動系の
    惰性回転が停止またはほぼ停止するまで駆動する停電対
    策手段とリフティング用モータとを機台の同じ側端部に
    配設し、 前記停電対策手段は、 前記リフティング用モータより小さな動力消費量でリフ
    ティング駆動系を駆動可能な停電時用モータと、 停電時にスピンドル駆動系の惰性回転が停止あるいはほ
    ぼ停止するまで前記停電時用モータの制御を行う制御手
    段と、 停電の発生を検出して前記制御手段に停電検出信号を出
    力する停電検出手段と、 停電時に前記停電時用モータ及び前記制御手段に電力を
    供給するバッテリとを備えている 紡機。
  2. 【請求項2】 ローラパート駆動系、スピンドル駆動系
    及びリフティング駆動系がそれぞれ別のモータで駆動さ
    れ、ローラパート駆動系用モータ及びその制御手段を前
    記リフティング用モータと同じ側端部に設けた請求項
    に記載の紡機。
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