JP3246062B2 - フォトセンサシステム - Google Patents

フォトセンサシステム

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JP3246062B2
JP3246062B2 JP09896893A JP9896893A JP3246062B2 JP 3246062 B2 JP3246062 B2 JP 3246062B2 JP 09896893 A JP09896893 A JP 09896893A JP 9896893 A JP9896893 A JP 9896893A JP 3246062 B2 JP3246062 B2 JP 3246062B2
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photoelectric conversion
photosensor
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electrode
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトセンサシステム
に関し、詳しくは、固体撮像素子として高感度な特性を
得ることができるフォトセンサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトセンサシステムは、通常、
フォトダイオードやTFT(Thin Film Transistor)を
その受光素子(フォトセンサ)として利用し、複数のフ
ォトセンサをマトリックス状に配列している。そして、
各フォトセンサは、照射された光の量に応じた電荷を発
生し、この電荷量を見ることにより、輝度を知ることが
できる。このマトリックス状に配列されたフォトセンサ
に、水平走査回路及び垂直走査回路から走査電圧を印加
して、各フォトセンサの電荷量を検出している。ところ
が、従来のフォトセンサは、閉回路が形成されている
と、発生した電荷が電流として放出されるため、従来、
各フォトセンサ毎にフォトセンサとは別に選択トランジ
スタを形成して接続し、この選択トランジスタを上記水
平走査回路及び垂直走査回路で駆動することにより、各
フォトセンサ毎の電荷量を検出している。
【0003】特に、従来の単結晶シリコン基板を用いた
フォトセンサシステムでは、受光部と走査回路とが基板
の同一平面上に形成されていたため、1画素あたりの受
光部の占有面積率(開口率)が低く、信号電流の小さな
フォトダイオードを用いたCCD(Charge Coupled Dev
ice)等では、より高感度にするために、走査回路が形成
されたシリコン基板上の全面にアモルファス半導体を受
光面として形成する積層構造に改良されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフォトセンサシステムにあっては、フォトセ
ンサ毎に選択トランジスタを形成して接続していたた
め、各フォトセンサセルが大きくなってフォトセンサシ
ステム自体が大型化し、画素を高密度に実装する際の障
害になるという問題があった。
【0005】また、上記した積層構造のフォトセンサシ
ステムにあっては、受光部がアモルファスシリコン(a
−Si)フォトダイオードで形成されていたため、単位
面積あたりの信号電流が小さく、例えば、素子サイズが
100μmオーダーの場合の明時電流(光照射時の電
流)が1nA(ナノアンペア)〜10pA(ピコアンペ
ア)程度しかなく、暗時電流(光無照射時の電流)との
差が小さいため、フォトセンサの感度が低くなるという
問題があった。
【0006】そこで、本発明は、明時電流と暗時電流と
の差が大きくとれて、高感度光特性を有すると共に、製
造プロセスが簡略化されたフォトセンサシステムを提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフォトセンサシ
ステムは、照射光の光量に応じた所定電荷を発生し、ゲ
ート電極を有する光電変換手段と、該光電変換手段を駆
動制御する光電変換駆動制御手段と、前記光電変換手段
の出力信号を前記光電変換駆動制御手段に搬送する信号
搬送手段と、を備え、前記光電変換手段の少なくとも主
要部と、前記光電変換駆動制御手段の少なくとも主要部
とが単結晶シリコンからなる基板上に積層形成され、該
単結晶シリコン中に形成された高濃度不純物拡散層によ
り前記光電変換駆動制御手段の回路素子及び前記光電変
換手段の前記ゲート電極が形成されたことにより上記目
的を達成している。
【0008】この場合、前記光電変換手段は、請求項2
に記載するように、アモルファスシリコンからなる半導
体層を挟んで、ソース電極とドレイン電極とが相対向し
て配され、これら半導体層、ソース電極及びドレイン電
極を挟んでその両側にそれぞれ絶縁膜を介して該半導体
層と相対向する第1ゲート電極及び第2ゲート電極が配
され、該第1ゲート電極側または第2ゲート電極側のい
ずれか一方を光照射側とし、該光照射側から照射された
光が、該光照射側の絶縁膜を透過して前記半導体層に照
射されるダブルゲート構造の薄膜トランジスタからなる
フォトセンサであってもよい。
【0009】また請求項3に記載するように、前記第1
ゲート電極側または第2ゲート電極側のいずれか一方が
透明な導電性材料により形成され、他方が前記単結晶シ
リコン中に形成された高濃度不純物拡散層により形成さ
れたゲート電極であるようにしてもよい。
【0010】
【作用】請求項1記載のフォトセンサシステムでは、光
電変換手段の少なくとも主要部と、光電変換駆動制御手
段の少なくとも主要部とが基板上に積層形成されている
ため、フォトセンサシステム自体を小型化することがで
き、画素の高密度化が図れると共に、受光部の開口率が
高くなって、高感度化することができる。
【0011】また、請求項1記載のフォトセンサシステ
ムでは、単結晶シリコン基板中に形成された高濃度不純
物拡散層により光電変換駆動制御手段の回路素子が形成
されるため、成膜工程が簡略化され、簡易な製造プロセ
スで種々の回路素子を構成することができる。
【0012】そして、請求項1記載のフォトセンサシス
テムでは、光電変換手段の何れか一方のゲート電極が、
単結晶シリコン中に形成された高濃度不純物拡散層によ
り形成されているため、製造プロセスを一層簡略化する
ことができる。
【0013】請求項2記載のフォトセンサシステムは、
光電変換手段として、として、アモルファスシリコンか
らなる半導体層を挟んでソース電極とドレイン電極が設
けられ、この半導体層、ソース電極及びドレイン電極を
挟んでその両側にそれぞれ絶縁膜を介して半導体層と相
対向する位置に2つのゲート電極が設けられたダブルゲ
ート構造の薄膜トランジスタからなるフォトセンサを用
いたため、光電変換効率が高くなり、高感度光特性が得
られる。
【0014】請求項3記載のフォトセンサシステムで
は、第1ゲート電極側または第2ゲート電極側のいずれ
か一方から容易に光を半導体層に照射することができる
ので光電変換効率を高くすることができ、他方を単結晶
シリコン中に形成された高濃度不純物拡散層により形成
されているため、製造プロセスを一層簡略化することが
できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0016】〔第1実施例〕図1〜図3は、フォトセン
サシステムの第1実施例を示す図であり、図1はそのフ
ォトセンサシステムの構成を示す側面断面図、図2は図
1のフォトセンサシステムの回路ブロック図、図3はフ
ォトセンサの電圧印加状態における出力特性を示す特性
曲線図である。
【0017】図1において、フォトセンサシステム1
は、光照射量を電荷量に変換する光電変換部のフォトセ
ンサ2と、フォトセンサ2からの信号を搬送するデータ
ライン3と、データライン3からの信号を読み出すため
のスイッチング作用を行う電界効果型のnチャネルMO
S(Metal Oxide Semiconductor) トランジスタ(n−M
OSFET)4等で構成されている。
【0018】そして、このフォトセンサシステム1は、
ここでは、p型の単結晶シリコン基板5上に所定膜厚の
ガラスあるいは、CVD(Chemical Vapour Depositio
n) 法等により酸化シリコンや窒化シリコンを堆積させ
た絶縁性基板6が形成されており、その絶縁性基板6上
には上記したフォトセンサ2が設けられ、単結晶シリコ
ン基板5には上記したn−MOSFET4等が設けられ
ている。
【0019】フォトセンサ2の構造は、図1に示すよう
に、絶縁性基板6上に、ボトムゲート電極7が形成され
ており、このボトムゲート電極(BG)7及び絶縁性基
板6を覆うように、窒化シリコン(SiN)からなる絶
縁膜8が配設されている。そして、ボトムゲート電極
(BG)7上には、絶縁膜8を介して対向する位置に、
半導体層9が形成されている。この半導体層9は、i型
アモルファス・シリコン(i−a−Si)で形成されて
いる。この半導体層9を挟んで、該半導体層9上に所定
間隔を有して相対向する位置にアルミニウム等の電極材
料からなるソース電極(S)10及びドレイン電極
(D)11が形成されている。これらソース電極(S)
10及びドレイン電極(D)11は、それぞれリン等の
ドーパントが拡散されたn+ のアモルファスシリコンよ
りなるオーミックコンタクト層12、13を介して半導
体層9と接続されている。このようにして、ボトムトラ
ンジスタが構成されている。
【0020】また、上記ソース電極(S)10とドレイ
ン電極(D)11との間、及びオーミックコンタクト層
12と13との間の部分は、透明な窒化シリコンからな
る前記と同様の絶縁膜8により覆われており、前記半導
体層9上には絶縁膜8を介して前記ボトムゲート電極
(BG)7と相対向する位置に透明な導電性材料(IT
O)からなるトップゲート電極(TG)14が形成され
ている。
【0021】トップゲート電極(TG)14は、後述す
る電子−正孔対を発生するために半導体層9のチャンネ
ル領域のみでなく、図1に示すように、オーミックコン
タクト層12、13の上部面も覆う大きさに形成するこ
とが望ましい。
【0022】そして、このトップゲート電極(TG)1
4上には、窒化シリコンからなる透明な絶縁膜8(オー
バーコート膜)が形成されており、フォトセンサ2を保
護している。
【0023】このフォトセンサ2は、本実施例では、図
1に示すように、トップゲート電極(TG)14側から
矢印方向に光が照射され、この照射光がトップゲート電
極(TG)14及び絶縁膜8を透過して、半導体層9に
照射されると、その照射光量に応じた電子−正孔対が半
導体層9中に誘起される。
【0024】上記フォトセンサ2の各部の膜厚は、例え
ば、ボトムゲート電極(BG)7が500オングストロ
ーム、半導体層9が1500オングストローム、ソース
電極(S)及びドレイン電極(D)が500オングスト
ローム、オーミックコンタクト層12、13が250オ
ングストローム、ボトムゲート電極(BG)7と半導体
層9との間の絶縁膜8が2000オングストローム、ト
ップゲート電極(TG)14と半導体層9との間の絶縁
膜8が2000オングストローム、トップゲート電極
(TG)14が500オングストローム、及びトップゲ
ート電極(TG)14を覆う絶縁膜(オーバーコート
膜)8が2000オングストロームに形成されている。
そして、本実施例では、半導体層9上のソース電極
(S)10とドレイン電極(D)11との間のゲート長
(L)は7μmに、奥行き方向のゲート幅(W)は10
0μmに形成されている。
【0025】また、図1に示すように、単結晶シリコン
基板5には、上記したフォトセンサ2を駆動制御するた
めの回路の一部であるn−MOSFET4が形成されて
おり、データライン3を介してフォトセンサ2からの出
力信号の読み出しを行っている。
【0026】このn−MOSFET4は、単結晶シリコ
ン基板5にリン等のドーパントが高濃度に拡散されたn
+ のソース領域(S)15とドレイン領域(D)16と
が所定間隔をおいて形成され、そのソース領域(S)1
5とドレイン領域(D)16との間のチャネル領域上
に、ゲート絶縁膜となる所定膜厚をおいて上記絶縁性基
板6中に導電性材料からなるゲート電極17が埋め込み
形成されている。そして、ゲート電極17にしきい値電
圧を越える電圧を印加してn−MOSFET4をオンさ
せ、フォトセンサ2からの信号の読み出しが行われる。
【0027】なお、図1中には図示していないが、単結
晶シリコン基板5には、後述するフォトセンサ2を駆動
制御するための種々の回路素子が形成されている。
【0028】図2は、図1に示すフォトセンサシステム
の機能ブロック図である。図2に示すように、フォトセ
ンサシステム1は、絶縁性基板6上に形成されたダブル
ゲート(WG)構造のアモルファスシリコンを用いたT
FTフォトセンサ22と、そのTFTフォトセンサ22
を駆動制御する単結晶シリコン基板5上に形成された各
種回路素子23とで構成されている。
【0029】TFTフォトセンサ22の光電変換部24
は、照射光量を電荷量として取り出すもので、半導体層
9にアモルファスシリコンを用いたダブルゲート構造の
TFTフォトセンサを採用したため、光電変換効率が高
くなり、高感度光特性を得ることができる。従来は、C
CDのように半導体表面の電荷を電極から電極へ次々に
転送する転送回路を備えたフォトダイオードなどが用い
られている。しかし、本実施例の光電変換手段として
は、ダブルゲート構造のTFTフォトセンサやフォトト
ランジスタなどを用いるものであって、上記転送回路が
不要となる上、S/N比が改善されるため、ノイズ等の
影響の少ない高感度の光検出を行うことができる。
【0030】また、TFTフォトセンサ22を駆動制御
する各種回路素子23は、単結晶シリコン基板5に形成
されているため、不純物拡散工程によって形成される不
純物拡散層を用いることにより容易に各種素子を形成す
ることが可能となり、製造プロセスを簡略化することが
できる。
【0031】各種回路素子23は、外部機器と接続され
て光検出動作を制御するコントローラ25、マトリック
ス状に配列されたフォトセンサを水平走査及び垂直走査
する際のアドレスを指示するアドレスデコーダ26、光
電変換部24の光検出状態に応じてダブルゲート構造の
TFTフォトセンサの各電極に所定の電圧値を印加する
ための電圧レベル変換部27、光電変換部24から読み
出した信号を増幅するセンスアンプ28、増幅された信
号を転送するデータ転送部26、転送データを出力する
ための出力バッファ27等から構成されている。
【0032】次に、作用を説明する。
【0033】図1に示すように、フォトセンサ1のボト
ムゲート電極(BG)7に正電圧、例えば、+10Vを
印加すると、ボトムトランジスタにnチャンネルが形成
される。ここで、ソース電極(S)10−ドレイン電極
(D)11間に正電圧として、例えば、+5Vを印加す
ると、ソース電極(S)10側から電子が供給されて電
流が流れる。この状態で、トップゲート電極(TG)1
4にボトムゲート電極(BG)7の電界によるチャンネ
ルを消滅させるレベルの負電圧、例えば、−20Vを印
加すると、トップゲート電極(TG)14からの電界が
ボトムゲート電極(BG)7の電界がチャンネル層に与
える影響を減じる方向に働き、この結果、空乏層が半導
体層9の厚み方向に伸び、nチャンネルをピンチオフす
る。このとき、トップゲート電極(TG)14側から光
が照射されると、半導体層9のトップゲート電極(T
G)14側に電子−正孔対が誘起される。しかし、トッ
プゲート電極(TG)14には、−20Vが印加されて
いるため、誘起された正孔は、チャンネル領域に蓄積さ
れて、トップゲート電極(TG)14の電界を打ち消
す。このため、半導体層9のチャンネル領域にnチャン
ネルが形成されて、ソース電極(S)10とドレイン電
極(D)11との間にドレイン電流IDSが流れる。この
ドレイン電流IDSは、照射光の光量に応じて変化する。
【0034】このように、フォトセンサ2は、トップゲ
ート電極(TG)14からの電界がボトムゲート電極
(BG)7からの電界によるチャンネル形成に対してそ
れを妨げる方向に働くように制御し、nチャンネルをピ
ンチオフするものであるから、光無照射時に流れるドレ
イン電流(暗時電流)IDSが極めて小さくなり、例え
ば、10-14 A程度にすることができる。その結果、フ
ォトセンサ2は、光照射時(明時)と光無照射時(暗
時)のドレイン電流との差を充分大きくすることがで
き、また、このときのボトムトランジスタの増幅率は、
照射された光量によって変化し、S/N比を大きくとる
ことができるので、高感度のフォトセンサとすることが
できる。
【0035】また、フォトセンサ2は、ボトムゲート電
極(BG)7に、正電圧(+10V)を印加した状態
で、トップゲート電極(TG)14を、例えば、0Vに
すると、半導体層9とトップゲート電極(TG)14と
の間の絶縁膜8のトラップ準位から正孔を吐き出させて
リフレッシュ、すなわち、リセットすることができる。
すなわち、フォトセンサ2は、連続使用すると絶縁膜8
と半導体層9との間のトラップ準位が光照射により発生
する正孔及びドレイン電極(D)11から注入される正
孔によって埋められてゆき、光無照射状態でのチャンネ
ル抵抗も小さくなって、光無照射時にドレイン電流が増
加する。そこで、トップゲート電極(TG)14に0V
を印加し、この正孔を吐き出させて、リセットする。
【0036】さらに、フォトセンサ2は、ボトムゲート
電極(BG)7に、正電圧を印加していないときには、
ボトムトランジスタにチャンネルが形成されず、光照射
を行なっても、ドレイン電流が流れず、非選択状態とす
ることができる。すなわち、フォトセンサ2は、ボトム
ゲート電極(BG)7に印加する電圧VBGを制御するこ
とにより、選択状態と、非選択状態とを制御することが
できる。また、この非選択状態において、トップゲート
電極(TG)14に0Vを印加すると、上記と同様に、
半導体層9とトップゲート電極(TG)14との間の絶
縁膜8のトラップ準位から正孔を吐き出させてリセット
することができる。
【0037】次に、上記動作を、フォトセンサ2の各電
極への印加電圧に対するドレイン電流特性曲線を示す図
3を用いて説明する。なお、図3は、ボトムゲート電極
(BG)7に印加されるボトムゲート電圧VBG及び照射
光の有無をパラメータとして、トップゲート電極(T
G)14に印加するトップゲート電圧VTGを変化させた
ときのドレイン電流特性を示している。
【0038】そこで、図3に示すように、フォトセンサ
2のボトムゲート電圧VBGを0Vとして、光を照射した
とき(明時)のドレイン電流特性曲線がT1であり、光
を照射しないとき(暗時)のドレイン電流特性曲線がT
2である。すなわち、この状態は、トップゲート電圧V
TGが0V〜−20Vに変化しても、また、光照射の有無
にかかわらず、ドレイン電流IDSは、10pA(ピコア
ンペア)以下であり、フォトセンサ2は、非選択状態と
なっている。
【0039】また、フォトセンサ2のボトムゲート電圧
BGを+10Vとして、光を照射した状態でトップゲー
ト電圧VTGを0Vから−20Vに変化しても、ドレイン
電流IDSは、図3に示す明時のドレイン電流特性曲線の
B2のように、常に、1μA以上のドレイン電流IDS
流れ、光照射が検出される。また、フォトセンサ2に光
を照射しないときは、図3に示す暗時のドレイン電流特
性曲線のB1のように、トップゲート電圧VTGが−14
V以下で、10pA以下のドレイン電流IDSが流れ、ト
ップゲート電圧VTGがそれよりも高くなると、ドレイン
電流IDSは増大する。
【0040】したがって、フォトセンサ2は、図3に示
したように、トップゲート電圧VTGを、例えば、0Vと
−20Vとに制御することにより、センス状態とリセッ
ト状態を制御することができ、また、ボトムゲート電圧
BGを、例えば、0Vと+10Vとに制御することによ
り、選択状態及び非選択状態を制御することができる。
その結果、トップゲート電圧VTGとボトムゲート電圧V
BGとを制御することにより、フォトセンサ2を、それ自
体で、フォトセンサとしての機能と、選択トランジスタ
としての機能を兼ね備えたものとして、動作させること
ができる。
【0041】このように、本第1実施例のフォトセンサ
システムは、単結晶シリコン基板上に所定膜厚の絶縁性
基板が配設されており、その絶縁性基板上にダブルゲー
ト構造のアモルファスシリコンを用いたTFTフォトセ
ンサを形成したため、光電変換効率が高くなり、高感度
の光特性が得られる。これにより、HDTV(HighDefi
nition Television)等の多画素対応の固体撮像素子に利
用することができる。また、センサ部の信号電流を大き
くとることができるので、信号の読み出し部をMOSト
ランジスタを使ったXY−アドレス方式で構成すること
が可能となり、パラレル・シリアル変換等を駆使して高
速読み出しに利用することができる。さらに、このTF
Tフォトセンサを駆動制御する種々の回路は、単結晶シ
リコン基板中に不純物を選択的に拡散させる不純物拡散
層を用いて素子形成することにより、成膜工程が少なく
て済み、簡易なプロセスで素子形成することができる。
そして、TFTフォトセンサを駆動制御する種々の回路
上にTFTフォトセンサを積層する構造を採用したた
め、フォトセンサシステムを小型化することができ、画
素の高密度化が図れると共に、受光部の開口率が高くな
って、さらに高感度化することができるようになった。
【0042】〔第2実施例〕図4は、第2実施例に係る
フォトセンサシステムの構成を示す側面断面図である。
【0043】図4において、フォトセンサシステム41
は、光照射量を電荷量に変換する光電変換部のフォトセ
ンサ42と、フォトセンサ42からの信号を搬送するデ
ータライン43と、データライン43からの信号を読み
出すためのスイッチング作用を行う電界効果型のnチャ
ネルMOS(Metal Oxide Semiconductor) トランジスタ
(n−MOSFET)44等で構成されている。
【0044】そして、このフォトセンサシステム41
は、p型の単結晶シリコン基板45上に所定膜厚のガラ
スあるいは、CVD(Chemical Vapour Deposition) 法
等により酸化シリコンや窒化シリコンを堆積させた絶縁
性基板46が形成されており、その絶縁性基板46を挟
んでフォトセンサ42が設けられ、単結晶シリコン基板
45には上記したn−MOSFET44等が設けられて
いる。
【0045】本第2実施例のフォトセンサ42の特徴的
な構成は、図4に示すように、p型の単結晶シリコン基
板45中にリン等のドーパントを高濃度に拡散させたn
+ の高濃度拡散層でボトムゲート電極47を形成してい
ることにある。そして、この絶縁性基板46を挟んでボ
トムゲート電極47と対向する直上位置に、i型アモル
ファス・シリコンで形成された半導体層48が形成され
ている。
【0046】そして、この半導体層48を挟んで、その
半導体層48上に所定間隔を有して相対向する位置にア
ルミニウム等の電極材料からなるソース電極(S)49
及びドレイン電極(D)50が形成されている。これら
ソース電極(S)49及びドレイン電極(D)50は、
それぞれリン等のドーパントが拡散されたn+ のアモル
ファスシリコンよりなるオーミックコンタクト層51、
52を介して半導体層48と接続されている。このよう
にして、ボトムトランジスタが構成されている。
【0047】また、上記ソース電極(S)49とドレイ
ン電極(D)50との間、及びオーミックコンタクト層
51と52との間の部分は、透明な窒化シリコンからな
る絶縁膜53により覆われており、前記した半導体層4
8上には絶縁膜53を介してボトムゲート電極(BG)
47と相対向する位置に透明な導電性材料(ITO)か
らなるトップゲート電極(TG)54が形成されてい
る。
【0048】そして、このトップゲート電極(TG)5
4上には、窒化シリコンからなる透明な絶縁膜53(オ
ーバーコート膜)が形成されており、フォトセンサ42
を保護している。
【0049】このフォトセンサ42は、本第2実施例で
は、図4に示すように、トップゲート電極(TG)54
側から矢印方向に光が照射され、この照射光がトップゲ
ート電極(TG)54及び絶縁膜53を透過して、半導
体層48に照射されると、その照射光量に応じた電子−
正孔対が半導体層48中に誘起される。
【0050】また、図4に示すように、単結晶シリコン
基板45には、上記したフォトセンサ42を駆動制御す
るための回路の一部であるn−MOSFET44が形成
されている。そして、ゲート電極57にしきい値電圧を
越える電圧を印加してn−MOSFET44をオンさ
せ、フォトセンサ2からの信号の読み出しが行われる。
【0051】本第2実施例におけるn−MOSFET4
4の特徴的な構成は、単結晶シリコン基板45にリン等
のドーパントが高濃度に拡散されたn+ のソース領域
(S)55とドレイン領域(D)56とが所定間隔をお
いて形成され、そのソース領域(S)55とドレイン領
域(D)56との間のチャネル領域上のゲート絶縁膜と
して、上記絶縁性基板46が用いられ、その絶縁性基板
46上の対向する位置に導電性材料からなるゲート電極
57が形成されている。
【0052】なお、図4中に図示していないが、単結晶
シリコン基板45にはフォトセンサ42を駆動制御する
ための種々の回路素子が形成されている。
【0053】このように、本第2実施例のフォトセンサ
システム41は、フォトセンサ42とn−MOSFET
44とが、上記第1実施例と異なり上下位置には積層さ
れていないが、フォトセンサ42のダブルゲートの一方
のゲート電極を単結晶シリコン基板45中のn+ の高濃
度不純物拡散層に置き換えたため、成膜工程を簡略化す
ることができる。また、p型の単結晶シリコン基板中に
形成されたn+ の高濃度不純物拡散層でできたボトムゲ
ート電極47は、他のゲートラインとはpn接合により
素子分離されており、このボトムゲート電極47が0V
で非選択となり、+10Vで選択動作となるため、接地
されているp型の単結晶シリコン基板側に電流が流れる
ことは無い。さらに、n−MOSFET44のゲート絶
縁膜及びボトムゲート絶縁膜として上記絶縁性基板46
を利用しているため、さらに製造プロセスを簡略化する
ことができる。
【0054】なお、本第2実施例のフォトセンサシステ
ム41の動作説明は、上記第1実施例の場合と同様であ
るので、ここでは説明を省略する。
【0055】
【発明の効果】このようなフォトセンサを備えたフォト
センサシステムによれば、単結晶シリコン基板上に所定
膜厚の絶縁性基板を有し、光電変換手段として、前記絶
縁性基板上にダブルゲート(WG)構造のアモルファス
シリコンを用いたTFTフォトセンサを形成したので、
光電変換効率が高くなって、高感度光特性が得られる。
また、光電変換手段を駆動制御する光電変換駆動制御手
段は、単結晶シリコン基板に形成されるので、不純物拡
散層を使った簡易な製造プロセスで種々の回路素子を構
成することができる。
【0056】さらに、光電変換手段が絶縁性基板上に形
成され、光電変換駆動制御手段を単結晶シリコン基板に
形成して積層構造とすることができるので、フォトセン
サシステム自体を小型化することができ、画素の高密度
化が図れると共に、受光部の開口率が高くなって、高感
度化することができる。
【0057】また、光電変換手段のいずれか一方のゲー
ト電極を単結晶シリコン基板中の高濃度不純物拡散層で
形成し、そのゲート電極と半導体層との間の絶縁膜に前
記絶縁性基板を用いたことにより、製造プロセスを一層
簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るフォトセンサシステムの構成
を示す側面断面図である。
【図2】図1のフォトセンサシステムの回路ブロック図
である。
【図3】フォトセンサの電圧印加状態における出力特性
を示す特性曲線図である。
【図4】第2実施例に係るフォトセンサシステムの構成
を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1、41 フォトセンサシステム 2、42 フォトセンサ 3、43 データライン 4、44 n−MOSFET 5、45 単結晶シリコン基板 6、46 絶縁性基板 7、47 ボトムゲート電極 8、48 絶縁膜 9、49 半導体層 10、50 ソース電極 11、51 ドレイン電極 12、13、52、53 オーミックコンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/02 - 31/0392 H01L 31/10 - 31/119 H01L 27/14 - 27/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射光の光量に応じた所定電荷を発生
    し、ゲート電極を有する光電変換手段と、 該光電変換手段を駆動制御する光電変換駆動制御手段
    と、 前記光電変換手段の出力信号を前記光電変換駆動制御手
    段に搬送する信号搬送手段と、 を備え、 前記光電変換手段の少なくとも主要部と、前記光電変換
    駆動制御手段の少なくとも主要部とが単結晶シリコンか
    らなる基板上に積層形成され、該単結晶シリコン中に形
    成された高濃度不純物拡散層により前記光電変換駆動制
    御手段の回路素子及び前記光電変換手段の前記ゲート電
    極が形成されたことを特徴とするフォトセンサシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記光電変換手段は、 アモルファスシリコンからなる半導体層を挟んで、ソー
    ス電極とドレイン電極とが相対向して配され、これら半
    導体層、ソース電極及びドレイン電極を挟んでその両側
    にそれぞれ絶縁膜を介して該半導体層と相対向する第1
    ゲート電極及び第2ゲート電極が配され、該第1ゲート
    電極側または第2ゲート電極側のいずれか一方を光照射
    側とし、該光照射側から照射された光が、該光照射側の
    絶縁膜を透過して前記半導体層に照射されるダブルゲー
    ト構造の薄膜トランジスタからなるフォトセンサである
    ことを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記第1ゲート電極側または第2ゲート
    電極側のいずれか一方が透明な導電性材料により形成さ
    れ、他方が前記単結晶シリコン中に形成された高濃度不
    純物拡散層により形成されたゲート電極であることを特
    徴とする請求項2記載のフォトセンサシステム。
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