JP3243078B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JP3243078B2 JP22718593A JP22718593A JP3243078B2 JP 3243078 B2 JP3243078 B2 JP 3243078B2 JP 22718593 A JP22718593 A JP 22718593A JP 22718593 A JP22718593 A JP 22718593A JP 3243078 B2 JP3243078 B2 JP 3243078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置やV
TR等に用いられる磁気抵抗効果型ヘッドに係り、特に
バルクハウゼンノイズの抑制が可能で、高感度、高S/
N、高分解能が達成可能な磁気抵抗効果型ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型ヘッドは、従来の誘導型
の磁気ヘッドに代わる次世代の再生ヘッドとして近年高
い注目を集めている。このうちシールド型磁気抵抗効果
型ヘッドは、高透磁率を有するシールド層と磁気抵抗効
果素子との間の電気的な絶縁を確保するために、絶縁層
の厚みをある一定値以下にすることが困難であり、絶縁
層の厚みで規定される線記録分解能を向上させることが
難しかった。このような問題を解決する手段として、一
対の異方性磁気抵抗効果素子を非磁性絶縁層または非磁
性金属層からなる非磁性中間膜を介して積層した構造の
デュアルエレメントタイプの磁気抵抗効果型ヘッドが提
案されている(特公昭53-57204号公報)。このタイプの
磁気抵抗効果型ヘッドでは、例えば一対の磁気抵抗効果
素子の記録トラック幅方向に同一極性のセンス電流を流
すと、互いに逆極性でかつ媒体対向面に垂直な方向に動
作点バイアスが付与される。そのため、一対の磁気抵抗
効果素子は、それぞれ同一極性の信号磁界に対しては、
逆極性の電気抵抗変化を示し、これらが相殺するために
出力が発生しない。また、互いに逆極性の信号磁界を受
けたときは、同極性の電気抵抗変化を生じるため、これ
らが強め合うことにより出力が得られる。
【0003】このように、デュアルエレメントタイプの
磁気抵抗効果型ヘッドは、いわゆる差動動作型の出力応
答を示す再生ヘッドである。しかも、非磁性中間膜の膜
厚で線分解能を規定できるために、シールド層を設ける
必要がなく、従って簡単な構造で高分解能かつ高S/N
の信号再生が可能となる。
【0004】しかしながら、このタイプの磁気抵抗効果
型ヘッドに対して、簡単な構造を維持したまま、効果的
に交換バイアスを一対の磁気抵抗効果素子に付与して、
バルクハウゼンノイズを抑制する技術が見出されていな
いため、現状では実用化が難しく、その解決策が望まれ
ていた。
【0005】また最近では、例えば磁性膜/非磁性膜/
磁性膜なる積層構造を有するスピンバルブ膜等におい
て、従来の磁気抵抗効果よりも高感度の巨大磁気抵抗効
果が発見されており、この効果を利用した磁気抵抗効果
素子の再生ヘッドへの応用が研究されている。しかし、
今のところ、前述のように出力応答が差動動作するタイ
プで、しかも高信頼性、高分解能、高S/Nが同時に満
足されるような素子構造やヘッド構造は見出されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、出力
応答が差動動作型の磁気抵抗効果型ヘッドは、非磁性中
間膜の膜厚で線分解能を規定できるため、簡単な構造
で、高分解能、高S/Nの信号再生を可能にする再生ヘ
ッドとして期待されているものの、効果的に交換バイア
ス磁界を付与してバルクハウゼンノイズを抑制する技術
が見出されていないため、実用化には至っていない。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、バルクハウゼンノイズの抑制が容易
で、高感度、高S/N、高線分解能、高信頼性が得ら
れ、しかも構造が簡単な磁気抵抗効果型ヘッドを提供す
ることを目的としている。
【0008】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、第1の
磁性膜と第2の磁性膜とこれら第1および第2の磁性膜
の間に介在する第1の非磁性膜とを有する第1の磁気抵
抗効果素子と、第3の磁性膜と第4の磁性膜とこれら第
3および第4の磁性膜の間に介在する第2の非磁性膜と
を有する第2の磁気抵抗効果素子と、これら第1および
第2の磁気抵抗効果素子の間に配置され、前記第2およ
び第3の磁性膜に接して設けられる非磁性中間膜と、前
記第1の磁性膜に接して設けられ、該磁性膜の磁化を固
着する第1の反強磁性膜と、前記第4の磁性膜に接して
設けられ、該磁性膜の磁化を固着する第2の反強磁性膜
とを具備し、前記磁化固着された第1および第4の磁性
膜における磁化方向の媒体対向面と垂直な方向の成分が
互いに反平行であることを特徴としている。
【0009】本発明に用いる磁気抵抗効果素子として
、磁性膜と非磁性膜との積層構造を有するスピンバル
膜のように巨大磁気抵抗効果を示す素子が挙げられ
る。
【0010】また、本発明に用いる磁化固着層として
、FeMn、Ni酸化物、PdMn合金等からなる反強磁性膜が
挙げられる。本発明において、この磁化固着層(反強磁
性膜)の膜厚は5〜25nmとすることが好ましく、磁気抵
抗効果素子の好ましい膜厚は、スピンバルブ膜では0.2
〜5nmである。さらに、非磁性中間膜には、TiN、AlN、T
i、V等を用いることができ、膜厚は0.5〜10nmに設定す
ることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにおいては、非
磁性中間膜を介して積層した一対の磁気抵抗効果素子の
それぞれの外側に磁化固着層を設けることによって、一
対の磁気抵抗効果素子にそれぞれ所定方向と所定強度の
交換バイアス磁界を付与している。これにより、一対の
磁気抵抗効果素子をそれぞれ単磁区化することができる
ため、バルクハウゼンノイズを解消することができる。
このように、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドによれば、
磁気抵抗効果素子のそれぞれの外側に磁化固着層を設け
るだけの簡単な構造で、バルクハウゼンノイズを解消す
ることが可能となる。
【0012】また、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドで
は、一対の磁気抵抗効果素子が非磁性中間膜を介してい
るので独立して動作可能である。さらに、上記交換バイ
アス磁界とセンス電流による同一極性または逆極性の動
作点バイアス磁界とによって、一対の磁気抵抗効果素
おいて、磁化が固着される磁性膜における磁化方向の
媒体対向面と垂直な方向の成分が互いに反平行となるよ
うに、より好ましくはこれらの磁化方向が信号磁界と同
一方向でかつ互いに反平行となるように、磁化が向けら
れている。従って、一対の磁気抵抗効果素子に対する信
号磁界が同一極性の場合には、それぞれ逆極性の抵抗変
化を示して出力が発生せず、また信号磁界が逆極性の場
合には、それぞれ同極性の抵抗変化を示して出力が得ら
れるという、差動動作型の出力応答を示す。そして上述
したように、簡単な構造でバルクハウゼンノイズが解消
可能であるため、高線分解能、高感度、高S/N、高信
頼性の実用的な再生ヘッドが実現可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】実施例1 まず、図1および図2を参照して、この実施例の磁気抵
抗効果型ヘッドの構成について述べる。図1は、この実
施例の磁気抵抗効果型ヘッドの構成を示す断面図であ
り、図2は磁気抵抗効果型ヘッドの概略を磁気記録媒体
との相対位置を含めて示す斜視図である。
【0015】図1および図2において、1は TiN非磁性
中間膜であり、この TiN非磁性中間膜1を介して一対の
磁気抵抗効果素子としてスピンバルブユニット2、3が
積層配置されている。ここで、これらスピンバルブユニ
ット2、3は、それぞれCo90Fe10磁性膜4、5間にCu非
磁性膜6を介在させた積層構造としたが、本発明ではこ
れら以外の磁性膜/非磁性膜/磁性膜の積層構造とし
て、Co/Cu/Co、Co/Ru/Co、Fe/Cr/Fe、NiFe/Cu/NiFe、Ni
Fe/Ag/NiFe等が挙げられる。
【0016】そして、スピンバルブユニット2、3のそ
れぞれの外側に、磁化固着層としてFe50Mn50反強磁性膜
7、8が、スピンバルブユニット2、3における外側の
Co90Fe10磁性膜4、4に接して積層されていると共に、
一方のFe50Mn50反強磁性膜7上にリード9が取り付けら
れて、この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドが構成されて
いる。
【0017】具体的な積層膜構造は、基板20側からFe
50Mn50反強磁性膜8を15nm、Co90Fe10磁性膜4を 5nm、
Cu非磁性膜5を 2nm、Co90Fe10磁性膜6を 5nm、 TiN非
磁性中間膜1を30nm、Co90Fe10磁性膜6を 5nm、Cu非磁
性膜5を 2nm、Co90Fe10磁性膜4を 5nm、Fe50Mn50反強
磁性膜7を15nmとした。この積層膜の形成方法として
は、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、蒸着法等の
いずれの方法を用いることも可能である。また、ここで
は図示されるように、記録幅トラック方向が信号磁界方
向よりも長い形状異方性を有しており、このためのパタ
ーニングにあたっては、通常のレジスト塗布、露光、現
像、イオンミリング等の工程を利用することができる。
なお、プロセス時の腐食防止のために、保護層を最上層
に設けることも効果的である。
【0018】この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにおい
て、センス電流Is は、図中矢印A1 で示すように、記
録トラック幅方向に流れ、磁気記録媒体10からの信号
磁界HSIG は、図中矢印B1 で示すように、積層膜界面
に平行で、かつセンス電流Is と垂直な方向から入る。
図1および図2に示した積層膜各層の磁化方向を図3の
斜視図に示す。センス電流Is は、上記したように記録
トラック幅方向に流れ、そのセンス電流磁界の方向に一
致させて、両端のFe50Mn50反強磁性膜7、8には磁気異
方性(図中、矢印a1 、a2 で示す)が付与されてい
る。また、これらFe50Mn50反強磁性膜7、8と交換結合
されているCo90Fe10磁性膜4、4は、それらと接するFe
50Mn50反強磁性膜7、8と同方向の磁気異方性(図中、
矢印b1 、b2 で示す)が付与されて磁化が固着されて
いる。従って、両端のFe50Mn50反強磁性膜7、8、およ
びスピンバルブユニット2、3におけるCo90Fe10磁性膜
4、4は、磁化方向が互いに反転している。
【0019】上記磁気異方性の付与方法に関しては、成
膜時に直流外部磁界を印加することで、その方向に磁気
異方性を付与することができる。なお、付与する磁気異
方性は、外部より印加する直流磁界の方向を変化させる
ことで、その方向を変えることができる。また、両端の
反強磁性膜のブロッキング温度を変化させることで、成
膜後の磁界中加熱で磁気異方性に変化を与えることがで
きる。すなわち、両端の反強磁性膜のブロッキング温度
をそれぞれT1 、T2 (T1 >T2 )とし、磁界中加熱
温度をTとすると、T>T1 の温度で磁界中加熱を行
い、両端の反強磁性膜にある方向の磁気異方性を付与
し、次にT1 >T>T2 の温度で磁界中加熱を行うこと
で、一方の反強磁性膜とは異なる方向の磁気異方性を、
他方の反強磁性膜に付与することができる。
【0020】Cu非磁性膜5を挟んで設けられたCo90Fe10
磁性膜6は、センス電流方向、すなわち積層膜界面に平
行で、かつ媒体対向面に対して平行な方向に磁化容易軸
が設定されている。従って、図中矢印c1、c2で示す方
向に、それぞれの磁化は向いている。Fe50Mn50反強磁性
膜7、8と接したCo90Fe10磁性膜4、4は、それぞれ交
換バイアスで磁化固着されているため、外部から信号磁
界が入ってきた場合に、磁化が信号磁界に反応するのは
Co90Fe10磁性膜6、6である。
【0021】信号磁界HSIG は、図示したように、積層
膜界面に平行でかつセンス電流Isに垂直方向から入
る。従って、 TiN非磁性中間膜3の両側で信号磁界が同
極性で入った場合には、例えば図3中の破線矢印d1
2 で示すような磁化方向変化がCo90Fe10磁性膜6、6
に発生する。図4に 2つのスピンバルブユニット2、3
における抵抗値Rの信号磁界HSIG 依存性を示し、この
磁気抵抗効果型ヘッドの差動動作を説明する。図示され
るように、それぞれのスピンバルブユニット2、3に、
同極性の信号磁界が入った場合、一方は抵抗増加を示
し、もう一方は抵抗減少を示す。その結果、磁気抵抗効
果型ヘッドの抵抗は相殺されて、抵抗変化として現れて
こない。一方、逆相で信号磁界が入った場合、それぞれ
高抵抗同士もしくは低抵抗同士となり、磁気抵抗効果型
ヘッドの抵抗変化として現れる。すなわち、この実施例
の磁気抵抗効果型ヘッドは、磁気記録媒体上の磁化反転
領域を差動出力で検出する再生ヘッドとして動作する。
【0022】そして、この実施例の磁気抵抗効果型ヘッ
ドにおいては、スピンバルブユニット2、3のそれぞれ
の外側のCo90Fe10磁性膜4、4に対して、Fe50Mn50反強
磁性膜7、8により交換バイアス磁界が付与されてお
り、Co90Fe10磁性膜6、6は共に記録幅トラック方向に
磁気異方性を有しているため、スピンバルブユニット
2、3はそれぞれ単磁区化され、バルクハウゼンノイズ
を解消することができる。また、差動動作型の出力応答
を示すため、高線分解能、高感度、高S/N、高信頼性
を得ることができる。
【0023】実施例2 実施例1と同一積層膜構造の磁気抵抗効果型ヘッドに対
して、図5に示すように、図中矢印a3 、b3 、a4
4 で示す方向に磁気異方性を付与し、Co90Fe10磁性膜
4、4の磁化を固着せしめた。信号磁界HSIG はこれら
と同一方向、センス電流Is は垂直方向とする。この実
施例では、Fe50Mn50反強磁性膜7、8からの交換バイア
スを受けないCo90Fe10磁性膜6、6に付与される磁気異
方性の方向が実施例1と90度異なり、それぞれの方向は
センス電流Is と垂直方向を向き、互いに反平行であ
る。すなわち、スピンバルブユニット2においては、セ
ンス電流磁界の方向でかつ上向き(図中、矢印c3 で示
す)であり、スピンバルブユニット3においては、セン
ス電流磁界の方向でかつ下向き(図中、矢印c4 で示
す)である。
【0024】図6に、信号磁界HSIG と磁気抵抗効果型
ヘッドの抵抗Rとの関係を示し、この磁気抵抗効果型ヘ
ッドの差動動作を説明する。スピンバルブユニット2、
3の抵抗Rは、信号磁界に反応するCo90Fe10磁性膜6が
磁化反転で磁化方向を変化させるため、図6に示すよう
に、HSIG 〜±Hc で抵抗Rが変化するヒステリシスを
有する。図6には、それぞれのスピンバルブユニット
2、3のヒステリシスを破線矢印(ユニット2)と実線
矢印(ユニット3)で示した。ヒステリシスは、センス
電流磁界により、スピンバルブユニット3で正方向、ス
ピンバルブユニット2で負方向にシフトする。例えば、
+Hc を超える信号磁界が同相でスピンバルブユニット
2、3に入った場合、スピンバルブユニット2は低抵抗
に、またスピンバルブユニット3は高抵抗になり、抵抗
変化は相殺され、磁気抵抗効果型ヘッドの抵抗変化とし
ては現れない。一方、逆相で信号磁界が入った場合、そ
れぞれのスピンバルブユニット2、3が高抵抗同士また
は低抵抗同士となり、磁気抵抗効果型ヘッドの抵抗変化
として現れる。すなわち、差動型の磁気抵抗効果型ヘッ
ドとして動作する。
【0025】この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにおい
ても、実施例1と同様に、バルクハウゼンノイズを解消
することができると共に、高線分解能、高感度、高S/
N、高信頼性が実現可能となる。
【0026】実施例3 この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドは、図7に示すよう
に、積層膜構造自体は実施例1と同様であるが、図8に
示すように、センス電流Is (図中、矢印A2で示す)
が信号磁界HSIG (図中、矢印B2 で示す)と平行で逆
向きの方向に流れるように、磁気記録媒体10との相対
位置を設定している。すなわち、信号磁界HSIG は、セ
ンス電流方向に出入りする。
【0027】この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにおけ
る積層膜各層の磁化方向を図9の斜視図に示す。センス
電流Is は、図中矢印A2 で示される方向に流れ、その
センス電流Is の方向に一致させて、Fe50Mn50反強磁性
膜7、8およびそれらと交換結合したCo90Fe10磁性膜
4、4の磁気異方性を付与する。このときスピンバルブ
2においては、交換バイアスをセンス電流方向と一致さ
せ、Co90Fe10磁性膜4の磁化方向を媒体対向面(図中、
矢印b5 で示す)に向けて磁化を固着させる。一方、ス
ピンバルブユニット3においては、交換バイアス方向を
センス電流方向と逆方向とし、Co90Fe10磁性膜4の磁化
方向も逆方向(図中、矢印b6 で示す)に向けて磁化を
固着させる。
【0028】信号磁界に反応するCo90Fe10磁性膜6の磁
化方向は、センス電流磁界の方向と一致させる。すなわ
ち、スピンバルブユニット2では下向き(図中、矢印c
5 で示す)、スピンバルブユニット3では上向き(図
中、矢印c6 で示す)である。信号磁界HSIG は、図示
したように、積層膜界面に平行でかつセンス電流Is
平行な方向から入る。従って、 TiN非磁性中間膜1の両
側で信号磁界が同極性で入った場合には、例えば図9中
の破線矢印d3 、d4 で示したような磁化方向変化がCo
90Fe10磁性膜6、6に発生する。
【0029】この場合、実施例1で示した図4と同様
な、 2つのスピンバルブユニット2、3における抵抗値
Rの信号磁界HSIG 依存性において、それぞれのスピン
バルブユニット2、3に同極性の信号磁界が入った場合
には、一方は抵抗増加を示し、もう一方は抵抗減少を示
す。その結果、磁気抵抗効果型ヘッドの抵抗は、それぞ
れ相殺されて、抵抗変化として現れてこない。一方、逆
相で信号磁界が入った場合、それぞれ高抵抗同士もしく
は低抵抗同士となり、磁気抵抗効果型ヘッドの抵抗変化
として現れる。すなわち、磁気記録媒体上の磁化反転領
域を差動出力で検出する磁気抵抗効果型ヘッドとして動
作する。
【0030】この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにおい
ても、実施例1と同様に、バルクハウゼンノイズを解消
することができると共に、高線分解能、高感度、高S/
N、高信頼性が実現可能となる。
【0031】実施例4 実施例3と同一積層膜構造の磁気抵抗効果型ヘッドに対
して、図10に示すように、図中矢印a7 、b7
8 、b8 で示す方向に磁気異方性を付与した。なお、
センス電流Is および信号磁界HSIG は同一方向とす
る。すなわち、スピンバルブユニット3においては、Fe
50Mn50反強磁性膜8による交換バイアスの方向をセンス
電流Is に一致させ、Co90Fe10磁性膜4の磁化方向をセ
ンス電流方向と一致(図中、矢印c8 で示す)させて磁
化を固着させる。一方、スピンバルブユニット2におい
ては、逆に交換バイアスをセンス電流Is と逆方向に向
けて、Co90Fe10磁性膜4の磁化方向をセンス電流方向と
反転(図中、矢印c7 で示す)させて磁化を固着させ
る。なお、スピンバルブユニット2、3におけるCo90Fe
10磁性膜6、6の磁化方向は、センス電流Is と一致さ
せる。
【0032】次に、信号磁界HSIG と磁気抵抗効果型ヘ
ッドの抵抗Rとの関係を示し、この磁気抵抗効果型ヘッ
ドの差動動作を説明する。このような磁気抵抗効果型ヘ
ッドに対して信号磁界が入ってくると、それぞれのスピ
ンバルブユニット2、3の抵抗Rは図11に示すように
変化する。すなわち、スピンバルブユニット2、3の抵
抗Rは、信号磁界に反応するCo90Fe10磁性膜6が磁化反
転で磁化方向を変化させるため、図11に示すように、
SIG 〜±Hcで抵抗Rが変化するヒステリシスを持
つ。図11には、それぞれのスピンバルブユニット2、
3のヒステリシスを破線矢印(ユニット2)と実線矢印
(ユニット3)で示した。例えば、+Hcを越える信号
磁界が、同相でスピンバルブユニット2、3に入った場
合、スピンバルブユニット2は低抵抗に、スピンバルブ
ユニット3は高抵抗になり、抵抗変化は相殺されて、磁
気抵抗効果型ヘッドの抵抗変化としては現れない。一
方、逆相で信号磁界が入った場合、それぞれのスピンバ
ルブユニット2、3が高抵抗同士または低抵抗同士とな
り、磁気抵抗効果型ヘッドの抵抗変化として現れる。す
なわち、差動型の磁気抵抗効果型ヘッドとして動作す
る。
【0033】この実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにおい
ても、実施例1と同様に、バルクハウゼンノイズを解消
することができると共に、高線分解能、高感度、高S/
N、高信頼性が実現可能となる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドによれば、簡単な構造でバルクハウゼンノ
イズを抑制することができると共に、差動動作型の出力
応答を示すため、高感度、高S/N、高線分解能、高信
頼性が得られ、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例1の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す磁気抵抗効果型ヘッドの概略を磁
気記録媒体との相対位置を含めて示す斜視図である。
【図3】 図1に示す磁気抵抗効果型ヘッドの磁化方向
を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す磁気抵抗効果型ヘッドの差動動作
を説明するための特性図である。
【図5】 本発明による実施例2の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの磁化方向を示す斜視図である。
【図6】 図5に示す磁気抵抗効果型ヘッドの差動動作
を説明するための特性図である。
【図7】 本発明による実施例3の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの構成を示す断面図である。
【図8】 図7に示す磁気抵抗効果型ヘッドの概略を磁
気記録媒体との相対位置を含めて示す斜視図である。
【図9】 図7に示す磁気抵抗効果型ヘッドの磁化方向
を示す斜視図である。
【図10】 本発明による実施例4の磁気抵抗効果型ヘ
ッドの磁化方向を示す斜視図である。
【図11】 図10に示す磁気抵抗効果型ヘッドの差動
動作を説明するための特性図である
【符号の説明】
1……TiN非磁性中間膜 2、3……スピンバルブユニット 4、6……Co90Fe10磁性膜 5……Cu非磁性膜 7、8……Fe50Mn50反強磁性膜 10……磁気記録媒

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の磁性膜と第2の磁性膜とこれら第
    1および第2の磁性膜の間に介在する第1の非磁性膜と
    を有する第1の磁気抵抗効果素子と、 第3の磁性膜と第4の磁性膜とこれら第3および第4の
    磁性膜の間に介在する第2の非磁性膜とを有する第2の
    磁気抵抗効果素子と、 これら第1および第2の磁気抵抗効果素子の間に配置さ
    れ、前記第2および第3の磁性膜に接して設けられる非
    磁性中間膜と、 前記第1の磁性膜に接して設けられ、該磁性膜の磁化を
    固着する第1の反強磁性膜と、 前記第4の磁性膜に接して設けられ、該磁性膜の磁化を
    固着する第2の反強磁性膜とを具備し、 前記磁化固着された第1および第4の磁性膜における磁
    化方向の媒体対向面と垂直な方向の成分が互いに反平行
    である ことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2および第3の磁性膜のそれぞれ
    の磁化方向は、外部信号磁界が入った場合に、前記磁気
    抵抗効果素子の積層膜界面に対して平行で、かつ媒体対
    向面に対して平行な方向から変化することを特徴とする
    請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果型ヘッドを磁気記録媒
    体上に配置した際に、センス電流が前記磁気記録媒体の
    記録トラック幅方向に流れるように、前記第1の反強磁
    性膜にリードが設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の反強磁性膜はブロ
    ッキング温度が異なることを特徴とする請求項1記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
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