JP3242972B2 - 共重合体ラテックスの製造方法、共重合体ラテックスおよびそれを用いた紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法、共重合体ラテックスおよびそれを用いた紙塗工用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の重合連鎖移動剤
の添加方法を工夫して乳化重合することを特徴とする共
重合体ラテックスの製造方法に関し、さらに詳しくは塗
工紙における接着強度,耐水性,インク着肉性,白紙光
沢などの物性においてバランスよく優れた紙塗工用組成
物のバインダーとして有用な他、カーペットのバッキン
グ剤や接着剤にも使用できる共重合体ラテックスの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年塗工紙の需要が急増するに伴なって
紙塗工の生産スピードが速くなり、また印刷物の生産量
の増加のため印刷速度の高速化が進められてきている。
特にオフセット印刷においてこの傾向がますます強まっ
ている。このため、紙塗工用組成物の一成分であり、バ
インダーとして使用される共重合体ラテックスには、次
のような性質が要求される。その一つは、優れた接着強
度を有することである。接着強度が低いと、印刷時の顔
料塗被紙面に対する機械的な力によって顔料の脱落およ
び塗被層の原紙からの剥離が起こる。このような紙表面
の破壊は印刷速度が速いほど、また重ね刷り回数が多い
ほど激しくなる。従って、顔料粒子相互間ならびに顔料
塗被層と原紙との間の接着力に優れたバインダーが要求
される。もう一つは耐水性に優れることである。特にオ
フセット印刷では、「湿し水」を使用するため、顔料塗
被紙面が湿った状態において印刷による機械的な力に対
する強さ、すなわち耐水性を有することが要求される。
さらにもう一つの性質として、印刷の高速化に伴って、
従来に比べ一段と優れたインク着肉性が要求される。ま
た、塗工紙には上記性質の他、白紙光沢などの光学的性
質も要求される。
【0003】このように、塗工紙は接着強度,耐水性,
インク着肉性,白紙光沢などの諸性質が要求されるが、
従来にはこれらの性質をともに高水準でバランスさせた
塗工紙は存在しなかった。その理由としては、接着強
度、耐水性、インク着肉性および白紙光沢が各々相反す
る性質の関係にあるためである。すなわち、従来から耐
水性を改善する方法としては、バインダーとして使用さ
れるポリマーラテックスのゲル含量を比較的低い値とす
る方法が知られているが、ゲル含量を下げると接着強度
とインク着肉性が低下し、該ゲル含量を更に下げると耐
水性も低下してしまう。インク着肉性と白紙光沢を改善
する方法としては、ポリマーラテックスの粒子径を大き
くするか、またはガラス転移温度を高くするなどの方法
が知られているが、この方法を行なうと接着強度と耐水
性が低下してしまうという技術的困難な問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような従来技術の持つ問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた
結果、共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和単量体お
よびエチレン系不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混
合物を乳化重合するにあたり、1段目の重合において2
0℃における水に対する溶解度が0.006mol/リ
ットル以上の重合連鎖移動剤を用い、かつ2段目以降の
重合において20℃における水に対する溶解度が0.0
06mol/リットル未満である重合連鎖移動剤を用い
ることで、塗工紙における接着強度、耐水性、インク着
肉性および白紙光沢等においてバランスよく優れた紙塗
工用組成物に使用できる共重合体ラテックスが得られる
ことを知見し、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0005】
【問題点を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)共役ジエン系単量体、(2)エチレン系不飽和単
量体および(3)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を
含む単量体混合物を乳化重合するにあたり、(a)ま
ず、該単量体混合物100重量部のうち0.5〜60重
量部を、20℃における水に対する溶解度が0.006
mol/リットル以上である重合連鎖移動剤の存在下に
乳化重合して共重合ラテックス(a)を得、(b)つい
で、残りの単量体混合物を、共重合体ラテックス(a)
および20℃における水に対する溶解度が0.006m
ol/リットル未満である重合連鎖移動剤の存在下に乳
化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの製造
方法に関する。以下に本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明で用いられる共役ジエン系単量体
(1)としては、例えば1,3−ブタジエン,イソプレ
ン,2−クロル−1,3−ブタジエン,2−メチル−
1,3−ブタジエンなどのラテックス製造時に通常用い
られるものが挙げられる。これらの単量体(1)は単独
で、または2種以上を組み合わせて用いられる。これら
のうち、特に1,3−ブタジエンが好ましい。単量体
(1)は、得られる共重合体に適当な弾性および膜の硬
さを付与するために使用される。単量体(1)の使用量
は全単量体混合物に対し約10〜80重量%、好ましく
は約20〜60重量%である。この使用量が10重量%
より少ないと得られる塗工紙の十分な接着強度が得られ
ないことがあり、一方80重量%より多いと耐水性およ
び接着強度が低下することがある。
【0007】本発明で用いられるエチレン系不飽和単量
体(2)としては、例えばスチレン,α−メチルスチレ
ン,ビニルトルエン,p−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル化合物、例えばアクリル酸メチル,アクリル酸エ
チル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル,メタクリル酸グリシジルなどのアクリル酸ま
たはメタクリル酸のアルキルエステル化合物、例えばア
クリルアミド,メタクリルアミド,N,N−ジメチルア
クリルアミド,N−メチロールアクリルアミドなどのエ
チレン系不飽和カルボン酸のアクリルアミドまたはメタ
クリルアミド化合物、例えば酢酸ビニルなどのカルボン
酸ビニルエステル類、例えばアクリロニトリル,メタク
リロニトリル,α−クロルアクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル化合物、例えばメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート,ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート,ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート,
ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド,ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド,2−ビニルピリジ
ン,4−ビニルピリジンなどのエチレン系不飽和アミン
化合物など、後記する単量体(3)以外のエチレン性不
飽和単量体を挙げることができる。これらは単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて用いられる。これらのう
ち、特に芳香族ビニル化合物としてはスチレンが、アル
キルエステル化合物としてはメタクリル酸メチルが、ま
たシアン化ビニル化合物としてはアクリロニトリルが好
ましい。単量体(2)の使用量は、全単量体混合物に対
し約20〜90重量%、好ましくは約40〜80重量%
である。この使用量が少なすぎると得られる塗工紙の耐
水性が劣ることがあり、一方多すぎると剛性が高くなり
すぎて接着強度が低下することがある。
【0008】本発明で用いられるエチレン系不飽和カル
ボン酸単量体(3)としては、例えばアクリル酸,メタ
クリル酸,クロトン酸などのモノカルボン酸、例えばマ
レイン酸,フマル酸,イタコン酸などのジカルボン酸ま
たはそれらの無水物、例えばマレイン酸メチル,イタコ
ン酸メチルなどのハーフエステル類を挙げることができ
る。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用
いられる。単量体(3)の使用量は、全単量体混合物に
対し約0.2〜12重量%、好ましくは約0.5〜8重
量%である。この使用量が少なすぎると得られる紙塗工
用組成物の機械的安定性および得られる塗工紙の接着強
度が十分に得られないことがあり、多すぎると共重合体
ラテックスの粘度が高くなりすぎて実用に適さない場合
がある。
【0009】本発明で用いられる20℃における水に対
する溶解度が0.006mol/リットル以上である重
合連鎖移動剤(以下、高溶解性重合連鎖移動剤と称す
る)としては、該溶解度を有するものであればいずれで
もよく、例えばエチルメルカプタン,n−ブチルメルカ
プタンなどの炭素数4以下のアルキルメルカプタン類,
例えば2−メルカプトプロピオン酸,3−メルカプトプ
ロピオン酸,メルカプト酢酸などのメルカプタンカルボ
ン酸またはその塩(例えばメルカプト酢酸アンモニウム
など)、例えばメルカプトこはく酸などのメルカプタン
ジカルボン酸またはその塩(例えばメルカプタンジカル
ボン酸塩)、例えば2−メルカプトエタノール,3−メ
ルカプト−1,2−プロパンジオールなどの分子内に水
酸基を有するメルカプタン類、例えば2−メルカプトエ
チルアミンなどの分子内にアミノ基を有するメルカプタ
ン類、例えばチオグリコール酸,3,3’−チオジプロ
ピオン酸などの分子内にカルボキシル基を有するモノス
ルフィド類またはその塩、例えばβ−チオジグリコール
などの分子内に水酸基を有するモノスルフィド類、例え
ばチオジエチルアミンなどの分子内にアミノ基を有する
モノスルフィド類、例えばジチオジグリコール酸,2,
2’−ジチオジプロピオン酸,3,3’−ジチオジプロ
ピオン酸,4,4’−ジチオ二酪酸などの分子内にカル
ボキシル基を有するジスルフィド類またはその塩、例え
ばチオジグリコール酸無水物などのようにモノスルフィ
ド類およびジスルフィド類の酸無水物、例えばD−,L
−またはDL−シスチンなどのように分子内にカルボキ
シル基とアミノ基を有するモノスルフィド類およびジス
ルフィド類、例えばクロロメタノール,2−クロロエタ
ノール,1−クロロ−2−プロパノール,2または3−
クロロ−n−プロパノール,2−,3−または4−クロ
ロ−n−ブタノール,クロロペンタノールなどの分子内
に水酸基を有するハロゲン化炭化水素類、例えばモノク
ロロ酢酸,ジクロロ酢酸,トリクロロ酢酸,クロロジフ
ルオロ酢酸,2−クロロプロピオン酸,3−クロロプロ
ピオン酸,2−ブロモプロピオン酸,3−ブロモプロピ
オン酸,2−ブロモペンタン酸,クロロこはく酸,クロ
ロフマル酸,クロロマレイン酸,クロロマロン酸などの
分子内にカルボキシル基を有するハロゲン化炭化水素類
またはその塩、例えばクロロマレイン酸無水物などのよ
うにハロゲン化炭化水素類の酸無水物などを挙げること
ができる。
【0010】本発明で用いられる高溶解性重合連鎖移動
剤のうち、少なくとも一つのカルボキシル基を有するも
のは、微細な凝固物の発生が少なく重合安定性に優れて
いるので、本発明で好ましく用いられる。高溶解性重合
連鎖移動剤の(a)および(b)の全重合段階における
使用量としては、全単量体混合物100重量部に対して
約0.005〜8重量部、好ましくは約0.01〜5重
量部の範囲が挙げられる。この使用量が0.005重量
部未満では接着強度や耐水性が劣ることがあり、8重量
部を越えてもまた接着強度が低下することがある。これ
らは単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ
る。
【0011】本発明で用いられる20℃における水に対
する溶解度が0.006mol/リットル未満である重
合連鎖移動剤(以下、低溶解性重合連鎖移動剤と称す
る)としては、一般に乳化重合する際に使用されてい
る、20℃における水に対する溶解度が0.006mo
l/リットル未満である公知の重合連鎖移動剤であれば
いずれでもよく、具体的には、例えばヘキシルメルカプ
タン,オクチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタ
ン,t−ドデシルメルカプタン,n−ヘキサデシルメル
カプタン,t−ヘキサデシルメルカプタン,n−テトラ
デシルメルカプタン,t−テトラデシルメルカプタンな
どの炭素数5以上のアルキルメルカプタン類、例えばジ
メチルキサントゲンジスルフィド,ジエチルキサントゲ
ンジスルフィド,ジイソプロピルキサンチゲンジスルフ
ィドなどのキサントゲンジスルフィド類、例えばテトラ
メチルチウラムジスルフィド,テトラエチルチウラムジ
スルフィド,テトラブチルチウラムジスルフィドなどの
チウラムジスルフィド類、例えば四塩化炭素,四臭化炭
素,臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、および
2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチ
レンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−
テルピネン、ジペンテンなどを挙げることができる。こ
れらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ
る。これらのうち、アルキルメルカプタン、キサントゲ
ンジスルフィド、チウラムジスルフィド、四塩化炭素、
α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなどが好
ましいが、更に好ましくは例えばn−ヘキサデシルメル
カプタン,t−ヘキサデシルメルカプタン,n−テトラ
デシルメルカプタン及びt−テトラデシルメルカプタン
等の炭素数14〜16のアルキルメルカプタンが挙げら
れる。低溶解性重合連鎖移動剤の(a)および(b)の
全重合段階における使用割合は、用いられる全重合連鎖
移動剤のうち約99.5重量%未満,好ましくは約98
重量%未満である。この使用割合が、99.5重量%以
上になると、得られる塗工紙の接着強度,耐水性,イン
ク着肉性及び白紙光沢等の物性が劣ることがある。
【0012】本発明の共重合体ラテックスは、従来公知
の乳化重合方法、すなわち、水性媒体(例えば、水な
ど)に単量体混合物,重合開始剤,乳化剤および重合連
鎖移動剤などを加えて乳化重合を行なうことによって得
られる。本発明の乳化重合の際に用いられる重合開始剤
は、特に制限されるものではなく、例えば過硫酸カリウ
ム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウムなどの無機
過硫酸塩、例えばクメンハイドロパーオキサイド,ベン
ゾイルパーオキサイド,イソプロピルベンゼンパーオキ
サイドなどの有機過酸化物、例えばアゾイソブチロニト
リル等のアゾ系の開始剤等を用いることができる。これ
らは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらのうち、過硫酸カリウム,過硫酸ナト
リウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩等が重合安
定性の面から好ましく用いられる。また、該重合開始剤
は、重亜硫酸ナトリウム,硫酸第一鉄などの還元剤と組
み合わせた、いわゆるレドックス系重合開始剤としても
使用することができる。本発明における重合開始剤の使
用量は、全単量体100重量部当り、通常約0.1〜5
重量部程度であり、好ましくは約0.2〜2重量部程度
である。
【0013】本発明の乳化重合の際に用いられる乳化剤
は、特に制限されるものではなく、例えばドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,
ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム,
コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等の
アニオン系界面活性剤、例えばポリオキシエチレンアル
キルエステル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル等のノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤として
は、例えばラウリルベタイン,ステアリルベタインの塩
などのアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラニ
ン,ラウリルジ(アミノエチル)グリシン,オクチルジ
(アミノエチル)グリシンの塩などのアミノ酸タイプの
ものなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以
上を組み合わせて用いることができる。これらの乳化剤
のうち、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,
ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムな
どが好ましい。乳化剤の使用量は、全単量体混合物10
0重量部当り通常約0.05〜2.5重量部程度であ
り、好ましくは約0.1〜1.5重量部程度である。乳
化剤の使用量が2.5重量部を越えると得られる塗工紙
の耐水性が劣り、紙塗工用組成物の泡立ちが激しくなる
ことがある。
【0014】また、必要に応じて、エチレンジアミン四
酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレートなどの分散剤や無機塩などを
加えることもできる。本発明の共重合体ラテックスの製
造方法は、単量体混合物を2段階以上に分けて重合する
多段階重合法である。すなわち、(a)まず、前記の単
量体混合物100重量部のうち0.5〜60重量部を、
20℃における水に対する溶解度が0.006mol/
リットル以上である重合連鎖移動剤の存在下に乳化重合
して共重合ラテックス(a)を得、(b)ついで、残り
の単量体混合物を、共重合体ラテックス(a)および2
0℃における水に対する溶解度が0.006mol/リ
ットル未満である重合連鎖移動剤の存在下に乳化重合す
る。
【0015】この際、(a)の重合段階において低溶解
性重合連鎖移動剤を併用してもよく、(b)の重合段階
において高溶解性重合連鎖移動剤を併用してもよいが、
(a)の重合段階においては、該段階に用いられる全重
合連鎖移動剤のうち約20重量%以上、好ましくは約2
5重量%以上が高水溶性重合連鎖移動剤であり、(b)
の重量段階においては該段階に用いられる全重合連鎖移
動剤のうち約40重量%以上、好ましくは約50重量%
以上が低溶解性重合連鎖移動剤である。各段の単量体混
合物および重合連鎖移動剤混合物の添加方法には、一括
添加方式および連続添加方式のいずれか、または両方式
を組み合わせて用いてもよい。連続添加方式の場合、単
量体混合物および重合連鎖移動剤混合物の組成と使用量
を、上述した範囲内で添加時間とともに連続的に、また
は断続的に変化させても良い。
【0016】本発明の共重合体ラテックスの製造におけ
る重合転化率は、好ましくは約90重量%以上、さらに
好ましくは約95重量%以上である。本発明の共重合体
ラテックスは、紙塗工用組成物のバインダーとして、ま
たカーペットバッキング剤、塗料、工業用および家庭用
の接着剤等の各種接着剤として使用することができる
が、なかでも紙塗工用組成物のバインダーとして有利に
用いられる。本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗
工用組成物を得るには、例えばカオリンクレー,タル
ク,酸化チタン,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウ
ム,サチンホワイトなどの無機顔料、例えばカゼイン,
澱粉,プロテインなどの天然バインダー、例えばポリビ
ニルアルコール,ポリ酢酸ビニルエマルジョンなどの合
成ラテックスを公知の方法により適宜配合する。さらに
分散剤,消泡剤,レベリング剤,防腐剤,耐水化剤,離
型剤など公知の成分を必要に応じて加えることができ
る。本発明の共重合体ラテックスを含有してなる紙塗工
用組成物は、従来公知の方法、たとえばエアナイフコー
ター,ブレードコーター,ロールコーター,アプリケー
ターなどを用いて塗布することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体例を掲げてさらに詳しく
説明する。なお、実施例の「%」および「部」はすべて
重量基準である。 実施例1 窒素置換した5リットルオートクレーブに1,3−ブタ
ジエン5部,スチレン6部,メタクリル酸メチル2部,
フマル酸2部,過硫酸カリウム0.5部,水100部,
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部および
2−メルカプトプロピオン酸0.05部を仕込み、撹は
んしながら70℃にて反応した。2時間後に残りのモノ
マーである1,3−ブタジエン30部,スチレン45
部,メタクリル酸メチル8部,アクリル酸1部,メタク
リル酸1部,2−メルカプトプロピオン酸0.2部,t
−ドデシルメルカプタン0.2部をアルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.5部と共に仕込んだ。反応時間
15時間後、重合転化率97%以上(単量体100部当
り)に達した時点で30℃まで冷却し、水酸化ナトリウ
ムを用いてpH7.5±0.2に調整した。ついで、水
蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらにラテッ
クスの固形分濃度を50%まで濃縮して目的のラテック
スを得た。次に得られたラテックスを用いて次の組成を
有する紙塗工用組成物を調整した。 ウルトラホワイト−90(Engelhard社製,1級カオリン) 70部 カービタール−90(Ecc社製,重質炭酸カルシウム) 30部 アロンT−40(東亜合成化学工業(株)製,ポリアクリル酸ソーダ)0.1部 共重合体ラテックス 14部 変性澱粉MS−4600(日本食品化工社製) 3部 水 全固形分が60重量% になる量 この紙塗工用組成物を塗工量15.0±0.5g/m2
となるよう、坪量64g/m2の上質紙の両面に塗工し
た後、120℃の熱風乾燥機で30秒間乾燥した。得ら
れた塗工紙を23℃,60%RHにて一昼夜放置し、そ
の後線圧100kg/cm,ロール温度70℃にてスー
パーキャレンダー処理を2回行なった。得られた塗工紙
の物性を測定し、結果を〔表9〕に示す。
【0018】実施例2〜21 〔表1〕〜〔表3〕および〔表5〕〜〔表7〕に記載の
単量体組成および重合連鎖移動剤組成にて重合を行なっ
た以外は、実施例1と同様にして、乳化共重合してラテ
ックスを製造し、紙塗工用組成物を調整した後、塗工紙
を得た。得られた塗工紙の物性を測定した結果を〔表
9〕〜〔表11〕に示す。
【0019】比較例1〜8 〔表4〕および〔表8〕に記載の単量体組成および重合
連鎖移動剤組成にて重合を行なった以外は、実施例1と
同様にして、乳化共重合してラテックスを製造し、紙塗
工用組成物を調整した後、塗工紙を得た。得られた塗工
紙の物性を測定した結果を〔表12〕に示す。なお、
〔表9〕〜〔表12〕中の各物性は以下の方法により測
定、評価した。 (1)トルエン不溶分(ゲル分) 得られた共重合体ラテックスをガラスモールドに流し、
厚さ0.3mmのフィルムを作成する。このフィルムを
2〜3mm角に切り、0.4gを精ひょうする。その試
料を100mlのトルエンに浸せきし、30℃の振とう
式恒温槽で6時間振とうする。その後、100メッシュ
金網でろ過し、ろ液の固形分を求め、このゾル固形分よ
りゲル分を算出する。 (2)接着強度(ドライピック) RIテスター(明製作所製)を用いてタックNo.10
の墨インキで数回重ね刷りをする。印刷面のピッキング
を肉眼で判定する。5段階評価で数字の大きい方が良好
である。 (3)耐水性(ウェットピック) RIテスターを用いモルトンロールでテストピース表面
に給水し、直後にタックNo.12の紅インキで印刷を
行い、印刷面のピッキングを肉眼で判定する。5段階評
価で数字の大きい方が良好である。 (4)インク着肉性 耐水性と同様の方法により測定するが、耐水性測定の場
合よりもタック値の低いインキを使用しピックを起こさ
せないように印刷し、インキ転移の状態を肉眼で比較判
定した。5段階評価で数字の大きい方が良好である。 (5)白紙光沢 村上式光沢度計を用いて75°−75°における塗工紙
の光沢値を測定する。 (6)ブリスター適性 ウェブオフセット用インキで両面ベタ印刷し、ブリスタ
ーテスター(熊谷理機製)によってブリスター発生時の
温度を測定する。 実施例および比較例から、本発明の共重合体ラテックス
を用いて得られる塗工紙は、接着強度、耐水性、インク
着肉性および白紙光沢において、バランスのよい優れた
物性を有するものであり、塗工紙としての総合的な物性
において優れていることは明らかである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】
【表10】
【0030】
【表11】
【0031】
【表12】
【0032】
【発明の効果】本発明の方法により製造された共重合体
ラテックスは、接着強度,耐水性,インク着肉性および
白紙光沢などの物性において、バランスよく優れている
ため、塗工紙、特にオフセット輪転印刷用コート紙の紙
塗工用組成物のバインダーとして有利に用いられるほ
か、カーペットバッキング剤,塗料,工業用および家庭
用接着剤等の各種接着剤用途に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−12197(JP,A) 特開 平5−320216(JP,A) 特開 平5−117308(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/38 - 2/42 C08F 2/22 - 2/30 D21H 19/56 - 19/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)共役ジエン系単量体、(2)エチレ
    ン系不飽和単量体および(3)エチレン系不飽和カルボ
    ン酸単量体を含む単量体混合物を乳化重合するにあた
    り、(a)まず、該単量体混合物100重量部のうち
    0.5〜60重量部を、20℃における水に対する溶解
    度が0.006mol/リットル以上である重合連鎖移
    動剤の存在下に乳化重合して共重合ラテックス(a)を
    得、(b)ついで、残りの単量体混合物を、共重合体ラ
    テックス(a)および20℃における水に対する溶解度
    が0.006mol/リットル未満である重合連鎖移動
    剤の存在下に乳化重合することを特徴とする共重合体ラ
    テックスの製造方法。
  2. 【請求項2】(1)共役ジエン系単量体、(2)エチレ
    ン系不飽和単量体および(3)エチレン系不飽和カルボ
    ン酸単量体を含む単量体混合物を乳化重合するにあた
    り、(a)まず、該単量体混合物100重量部のうち
    0.5〜60重量部を、20℃における水に対する溶解
    度が0.006mol/リットル以上である重合連鎖移
    動剤の存在下に乳化重合して共重合ラテックス(a)を
    得、(b)ついで、残りの単量体混合物を、共重合体ラ
    テックス(a)および20℃における水に対する溶解度
    が0.006mol/リットル未満である重合連鎖移動
    剤の存在下に乳化重合して得られる共重合体ラテック
    ス。
  3. 【請求項3】請求項2記載の共重合ラテックスを含有し
    てなる紙塗工用組成物。
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