JP3241495B2 - 光沢に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

光沢に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢に優れたフェライト
系ステンレス鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光輝焼純仕上げのフェライト系ステンレ
ス鋼板は光沢に優れるため、建築内外装用や自動車のモ
ール材、ストーブなどの反射板など、多くの用途に使用
されている。これらの用途には、言うまでもなく光沢が
良好なことが要求されるが、この光沢は高いほどよいと
されており、Crメッキの光沢(1500以上)が理想と考え
られている。しかしながら、冷間圧延によって製造され
るフェライト系ステンレス鋼板の場合には、ショットブ
ラストや酸洗浄にて生じた圧延用素材表面の凹凸が冷間
圧延後も微細欠陥として残留し、十分な光沢度が得られ
ないのが現状である。
【0003】ステンレス鋼板の光沢向上法としては、従
来より、光輝焼純条件を規定したりあるいは冷間圧延条
件を規定する方法が知られている。光輝焼純条件を規定
する方法は、特開昭58−123830号公報に開示されてい
る。この方法は、 H2OとH2 の分圧を規定し、特定温度
範囲で光輝焼純を行う方法である。しかし、この方法で
は、通常の冷間圧延によって仕上げられた、不十分な光
沢の材料を光輝焼純しているため、光輝焼純後光沢が劣
化しない程度であって十分な光沢が得られていない。
【0004】また、冷間圧延条件を規定する方法として
は、特開昭63−49305 号公報や特開平2−92402 号公報
などがある。これらは、冷間圧延の最終パスにおいて圧
延ロールの表面粗度を規定しあるいはさらに圧下率を規
定することにより光沢を得る方法である。しかし、これ
らは、冷間圧延の最終パスの条件のみを規定しているだ
けであり最終前パスまでの表面欠陥が最終パスでもオイ
ルピットとして残留するため、本発明の目的とする光沢
度1100以上を安定して得ることはできない。
【0005】なお、本明細書中で光沢度とは、 JIS Z−
8741に規定される光沢度GS (20°)を言う。本発明
は、光沢度1100以上のフェライト系ステンレス鋼板を安
定して得ることのできる製造方法を提案することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光輝焼純仕
上げのフェライト系ステンレス鋼に対し、1100以上の光
沢度を得るために、製造条件のみならず鋼の化学組成と
の組合せについて調査検討した結果、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、光輝焼純を行って仕上げるフェ
ライト系ステンレス鋼板の製造方法において、Cおよび
Nが重量比の合計で0.10%以下の鋼を2パス以上の冷間
圧延を施して所定の厚さに圧延する際に、最終前パスに
おいて平均表面粗度が 0.030μm以下の圧延ロールを使
用して15%以上の圧下率で圧延し、さらに最終パスにて
平均表面粗度が 0.020μm以下の圧延ロールを使用して
10%以上の圧下率で仕上げ、光輝焼純後の調質圧延にて
平均表面粗度が 0.010μm以下の圧延ロールを使用する
ことを特徴とする光沢に優れたフェライト系ステンレス
鋼板の製造方法である。
【0007】
【作用】本発明者らは、まず、成分の異なる十数種類の
フェライト系ステンレス鋼を用いて光輝焼純、調質圧延
を行って仕上げた製品の光沢度に及ぼす成分の影響につ
いて検討した。その結果、図1に示すように、製品の光
沢度は特にC+N量と相関があることが判明した。すな
わち、製品の光沢度はC+N量が低いほど高くなる。こ
れはつぎの理由によると考えられる。製品の光沢度は各
圧延パスにおける表面の微細欠陥の修復の程度によって
左右されると考えられる。特に最終パスにおける表面微
細欠陥の修復は最終製品に近い圧延であるため重要であ
る。
【0008】一方、微細欠陥の修復は欠陥が冷間圧延に
より延ばしつぶされることによって行われるため、圧延
されるステンレス鋼は柔らかいほど欠陥が修復されやす
いと考えられる。本発明者らの調査により、フェライト
系ステンレス鋼はC+N量が低下するに伴って加工硬化
しにくくなることが確認されている。したがって、C+
N量が低いほど製品の光沢が向上するのは、材料が加工
硬化しにくく最終パスにおいて微細欠陥の修復が容易に
行われるためと考えられる。
【0009】ここで、フェライト系ステンレス鋼板で
は、耐食性向上のため、C、Nの安定化元素であるNbや
Tiを添加する例が見られる。これらの元素は、Cあるい
はNの一部と化合して析出し、C、N本来の固溶効果を
低減する作用がある。したがって、これらの元素を添加
した場合には加工硬化が小さくなり、製品の光沢度が向
上する。しかしながら、これらの耐食性を問題とする鋼
種については、CおよびNの低減が図られており、含有
量の合計も本発明の成分範囲内にあるのが通常であるた
め、光沢向上のためにNbあるいはTiの添加を特別に考慮
する必要はない。
【0010】しかし、このようにC+N量を重量比の合
計で0.10%以下に限定したとしても、図1の白丸の16Cr
鋼の例に示すように、通常の冷間圧延条件では安定して
光沢度1100以上を得ることは困難である。そこで本発明
者らは、つぎにC+N量が重量比で0.10%のSUS430を用
いて製品の光沢に及ぼす冷間圧延条件の影響について検
討した。その結果、冷間圧延の最終パスにのみ平均表面
粗度 0.020μmの低粗度のロールを使用しても必ずしも
光沢度が上がらないことが判明した。本発明者らは、こ
の原因について詳細を調査した結果、最終前パスで荒い
ロールを使用した場合には最終パスで低粗度のロールを
用いても鋼板表面の深いくぼみの中に圧延油が封じ込め
られて圧延後も欠陥が残留する、いわゆるオイルピット
が多く発生するためであることがわかった。
【0011】本発明者らは、この点に着目し、各パスに
おけるロール粗度と圧下率の影響を調査した。その結
果、最終製品の光沢を向上させるためには最終前パスの
ロールの平均表面粗度を 0.030μm以下にし、さらに圧
延圧下率を15%以上とすることが必要であることがわか
った。また、さらに最終パスでは表面の微細欠陥の修復
を十分行うためにロールの平均表面粗度を 0.020μm以
下にし、かつ圧下率10%以上とする必要があることもわ
かった。最終前パスおよび最終パスにて上述の条件とし
た場合には、製品の光沢度に及ぼす最終前々パスのロー
ル粗度の影響はきわめて小さい。
【0012】以上より、CおよびN量が重量比の合計で
0.10%以下のフェライト系ステンレス鋼を素材として最
終前パスと最終パスの冷間圧延条件を上述のように規定
することにより従来よりはるかに高い光沢が得られる。
光輝焼純されたフェライト系ステンレス鋼の製品は、通
常、焼純後に調質圧延を行う。このとき、使用する圧延
ロールの表面粗度は光輝焼純後の鋼板の表面粗度より細
かい必要がある。本発明者の調査によれば、最終製品の
光沢度1100以上を得るためには少なくとも調質圧延で使
用するロールの平均表面粗度は、 0.010μm以下である
必要がある。
【0013】本発明は、上述のように、CおよびN量が
重量比の合計で0.10%以下フェライト系ステンレス鋼を
素材として最終前パスと最終パスの冷間圧延条件を上述
のように規定し、さらに光輝焼純後の調質圧延の条件を
規定することによって、はじめて光沢度1100を安定して
得ることができる、画期的なフェライト系ステンレス鋼
板の製造方法である。
【0014】なお、本発明における光輝焼純の条件は、
従来より行われている条件、すなわち不活性あるいは還
元性のガス雰囲気中でフェライト系ステンレス鋼板の組
成に応じた適正温度で適正時間保持する条件でよい。こ
の場合、表面品質の観点から、光輝焼純時に厚い酸化皮
膜の形成によるテンパーカラーが生じないように注意す
る必要がある。
【0015】
【実施例】表1に、供試材の化学組成、冷間圧延条件お
よび実験結果を示した。ここで、冷間圧延条件Aとは本
発明における条件であり、板厚 4.0mmの鋼帯を、平均表
面粗度が 0.2μmの圧延ロールで6パス圧延し、7パス
目を 0.082μm、8パス目を 0.030μm、9パス目を
0.013μmの平均表面粗度の圧延ロールで圧延して 0.6m
m厚さとし、光輝焼純後の調質圧延において平均表面粗
度が 0.008μmの圧延ロールで仕上げるものである。ま
た冷間圧延条件Bとは従来より行われていた条件であ
り、板厚 4.0mmの鋼帯を、平均表面粗度が 0.2μmの圧
延ロールで7パス圧延し、8パス目を0.10μm、9パス
目を 0.030μmの平均表面粗度の圧延ロールで圧延して
0.6mm厚さとし、光輝焼純後の調質圧延において平均表
面粗度が 0.008μmの圧延ロールで仕上げるものであ
る。
【0016】実施例及び比較例とも板厚 4.0mm、重量5
ton 以上の熱間圧延材を素材とし、冷間圧延、光輝焼
純、無潤滑の調質圧延を行った。調質圧延後の光沢度は
鋼帯の10箇所の部分で測定し、その平均値で代表した。
表2は、表1の実施列3に示した鋼を用いて、板厚に応
じ冷間圧延条件を変えた場合の実験結果である。表2の
実施列12が冷間圧延条件Aであり、比較例14がBであ
る。
【0017】これらの実施例、比較例より、フェライト
系ステンレス鋼のC+N量を重量比にして0.10%以下と
し、かつ冷間圧延条件および調質圧延条件の最適化を図
ることによって、はじめて光沢度1100以上を達成するこ
とが可能となることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明により、フェライト系ステンレス
鋼のC、Nの合計量を限定し、さらに冷間圧延における
最終前パスおよび最終パスの圧延条件を規定し、さらに
光輝焼純後の調質圧延条件を規定することにより、従来
より行われていた冷間圧延条件や光輝焼純条件を規定す
ることのみでは成し得なかった光沢度1100以上を安定し
て得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】16Cr鋼を冷間圧延条件AおよびBで製造した場
合の調質圧延後の光沢度とC+N量との相関をとったグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−127903(JP,A) 特開 平6−182402(JP,A) 特開 平3−42151(JP,A) 特開 平2−310319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22 - 3/02 B21B 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝焼純を行って仕上げるフェライト系
    ステンレス鋼板の製造方法において、CおよびNが重量
    比の合計で0.10%以下の鋼を2パス以上の冷間圧延を施
    して所定の厚さに圧延する際に、最終前パスにおいて平
    均表面粗度が0.030μm以下の圧延ロールを使用して15
    %以上の圧下率で圧延し、さらに最終パスにて平均表面
    粗度が 0.020μm以下の圧延ロールを使用して10%以上
    の圧下率で仕上げ、光輝焼純後の調質圧延にて平均表面
    粗度が 0.010μm以下の圧延ロールを使用することを特
    徴とする光沢に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製
    造方法。
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