JP3239881B2 - 光学系及びそれを用いた投影装置 - Google Patents

光学系及びそれを用いた投影装置

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  • Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体デバ
イスの製造用の投影露光装置(マスクアライナ)等で使
用される投影レンズ系やカタジオプトック系や投影ミラ
ー系の収差を補正し、より良好な光学特性を得るのに使
用する光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IC,LSI等の半導体デバイス
の高集積化に対する要求が高まっている。マスク(レチ
クル)の回路パターンの像を投影光学系により感光基板
(ウエハ)上に形成し、感光基板をステップアンドリピ
ート方式で露光する縮小型の投影露光装置(ステッパ
ー)、あるいはマスク(レチクル)の回路パターンで感
光基板をステップアンドスキャン方式で露光する縮小型
の投影露光装置(スキャナー)においても、高集積化に
対応するため、投影光学系の解像度の向上と、複数種の
パターンを同一領域へ繰り返し投影露光するときの各パ
ターンの重ね合わせ精度の向上がなされている。
【0003】投影露光装置において投影光学系のパター
ン像に関する解像性能や各パターンの重ね合わせ精度
は、投影光学系の光学性能、ステージ精度、アライメン
ト精度等、多くの要素から成り立っている。その重ね合
わせ精度に関わる投影光学系の光学性能としては投影倍
率誤差やディストーション(歪曲)が重要である。
【0004】一方、近年の光学設計技術の進歩により、
高い開口数と広い露光領域を有しながら、残存収差の極
めて少ない投影光学系を設計することが可能になってき
た。
【0005】しかし実際に製造される露光装置の投影光
学系においては、設計上、残存する収差に加えて、用い
られる一つ又は複数の光学材料の特性の誤差、或いは光
学系の加工・組立上の誤差等に起因する収差が併存す
る。その為、露光装置の投影光学系の製造においては、
製造誤差等による投影光学系の収差を最小限にし、所望
の収差量にするために一旦組み上がった後、各要素の微
調整を行っている。
【0006】投影系の収差を微調整する手段の一例とし
て、例えば特開平1−121816号公報にはテレセン
トリック性を有する投影光学系の像側と、その結像面と
の間の光路上に透光性の平行平板からなる収差調整光学
系を挿入することにより、投影光学系の球面収差と軸上
コマ収差を調整する方法が開示されている。この場合、
前記平行平板の厚さを変更することにより投影光学系の
球面収差を調整し、また平行平板を傾動させることによ
り軸上コマ収差の調整を行うことが可能である。
【0007】投影系の収差を微調整する手段のもう一つ
の例として、例えば特開平10−27743号公報には
テレセントリック性を有する投影光学系の像側と、その
結像面との間の光路上に、屈折率と厚さが互いに等しく
且つ光軸に対し互いに逆方向に互いに同じ角度だけ傾い
た2枚の平行平板と、この2枚の透明平板の傾き角度を
互いに逆方向に互いに同じ量だけ変える手段と、調整光
学系全体を一体的に、投影光学系の光軸の周りに回転さ
せる手段と、調整光学系全体を一体的に任意の方向に傾
動させる手段を有する収差調整光学系を用いることによ
り、球面収差、軸上非点収差、及び軸上コマ収差を個別
に調整できる方法も開示されている。
【0008】一方、露光装置における重ね合わせ誤差
は、アライメント誤差成分Aと、像歪(ディストーショ
ン)誤差成分Bと、倍率誤差成分Cとの各要素の一部な
いし全部の組み合わせ結果Dとして発生する。このう
ち、アライメント誤差成分はレチクルとウェハの相対位
置調整(アライメント)で解消されうるが、像歪誤差成
分Bと倍率誤差成分Cはアライメント調整では解消され
ず、装置に対してこれらの結像誤差の低減も強く要求さ
れている。
【0009】前述のような像歪誤差成分と倍率誤差成分
の評価について、投影光学系の光軸のまわりに等方的で
光軸から放射方向への距離hに一次比例した成分を倍率
誤差成分と定義している。一方、像歪誤差成分Bは更
に、所謂hの3乗に比例する3次成分B1、所謂hの5
乗に比例する5次成分B2、像面上で互いに直交する2
つの方向で倍率が異なる成分(縦横倍率差)B3など、
幾つかの成分に分類することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの像歪成分のう
ち縦横倍率差B3は、光軸のまわりに回転対称である投
影光学系において設計上は発生しない。しかし、レンズ
の製作誤差によってその面が完全な回転対称に製作され
ていない場合、特にレンズの曲率半径が面の周方向に沿
って変化する、所謂アスが発生している場合には、一般
に像歪の成分として縦横倍率差B3が発生する。
【0011】製作された投影光学系の縦横倍率差B3を
低減する手段として例えば、投影光学系を構成するレン
ズ各面の形状を干渉計等を用いて計測し、投影光学系が
有する縦横倍率差と軸上非点収差が投影光学系を構成す
る各エレメントで相殺することで両者がトータルで最小
となるように各レンズを光軸のまわりに回転させるシミ
ュレーションを行い、その結果に基づいていくつかのレ
ンズの調整を行う方法が知られている。しかしながら、
この方法で実際に縦横倍率差と軸上非点収差を同時に極
めて少ないレベルに抑えることは困難である。
【0012】特開平7−183190号公報にはレチク
ルを照明する照明光学系と、該照明光学系によって照明
されたレチクルのパターンの像を所定の縮小倍率でウエ
ハに投影する投影光学系とを有する投影露光装置におい
て、前記レチクルと前記ウエハとの間に、前記投影光学
系の光軸に対して非回転対称な屈折力を持つ光学手段を
配置し、前記投影光学系に残存する光軸に対して非回転
対称な光学特性を補正するために、この光学手段を前記
投影光学系の光軸を中心に回転可能又は前記投影光学系
の光軸に沿って移動可能にしている。
【0013】しかしながら、この光学手段では前述の軸
上コマ収差を補正してはいない。
【0014】本発明は、軸上コマ収差や縦横倍率差の補
正が行なえる光学系と投影露光装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決する為の手段】請求項1の発明の投影露光
装置はマスクのパターンを基板上に投影する投影光学系
を有する投影露光装置において、前記投影光学系は縦横
倍率差と軸上非点収差と軸上コマ収差とを補正する光学
系を有し、該光学系は透明平行平板と回折面或いはシリ
ンドリカル面及び/又はトーリック面を持つ透明光学素
子とを備え、前記透明平行平板及び前記透明光学素子の
双方が光軸に対し傾動でき且つ光軸回りに回動できるこ
とを特徴としている。
【0016】請求項2の発明の投影露光装置はマスクの
パターンを基板上に投影する投影光学系を有する投影露
光装置において、前記投影光学系は縦横倍率差と軸上非
点収差と軸上コマ収差とを補正する光学系を有し、該光
学系は各々が回折面或いはシリンドリカル面及び/又は
トーリック面を持つ第1の透明光学素子と第2の透明光学
素子とを備え、前記第1の透明光学素子及び前記第2の
透明光学素子の双方が光軸に対し傾動でき且つ光軸回り
に回動できることを特徴としている。
【0017】請求項3の発明は請求項2の発明において
前記第1の透明光学素子及び前記第2の透明光学素子は
相対的に回動できることを特徴としている。
【0018】請求項4の発明のデバイス製造方法は請求
項1〜3のいずれか1項の投影露光装置により請求項1
〜3のいずれか1項に記載の投影露光装置によりデバイ
スパターンでウエハを露光する段階と、該露光したウエ
ハを現像する段階とを有することを特徴としている。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例の収差
調整光学系を有する投影装置の一部の光路図である。図
1は、投影レンズ17の最も像面側のレンズ11と結像
面12との間に光軸まわりに回転可能でしかも光軸と直
交する軸を回転軸として傾動可能なアナモフィック光学
素子より成る光学系13を配置した状態を示している。
光学素子13は主として石英,蛍石等の波長250nm以
下の光に対しても透過率の高い透明材料より成ってい
る。
【0026】なお、図1において投影レンズ17の像面
側は、結像光束の各主光線の向きが光軸14に平行とな
るところのいわゆるテレセントリックに構成されてい
る。半導体デバイス製造用の露光装置等の投影光学系
は、ウエハ面の光軸方向位置によってデバイスパターン
像の結像倍率が変化しないように、このような射出側が
テレセントリックな光学系である。
【0027】ここでは、光学系が互いに直交する方向で
屈折力が異なる光学素子13を有し、該光学素子13を
光軸中心に回動及び光軸と直交する軸中心に傾動可能と
なるように構成することにより、投影系の縦横倍率差を
調整することを可能にしている。
【0028】光学素子に一方向のみに屈折力を与える手
段としては、シリンドリカル面、あるいはBO(バイナ
リーオプティクス)素子等の回折面を用いる。また屈折
力を与える面は、前記光学素子の像側または物体側の一
面のみとしてもよく、あるいは両面に、但し同じ方向に
屈折力を有するように構成してもよい。
【0029】1枚の光学素子13からなる光学系13
が、仮にその物体側の面13aと像側の面13bが共に
平面で平行に配置されている場合(平行平面板の場合)
には、一本の主光線15は光軸14からd0 の距離で結
像面12の基準位置12aに到達する。
【0030】本発明に係る光学系13は、物体側の面1
3aが平面、像側の面13bが像側に向かって凸形状
の、極めて大きな曲率半径rを持ちかつY軸方向に母線
を向けたシリンドリカル面となっている。これによっ
て、以下に示すように、投影系の縦横倍率差の調整を実
現している。
【0031】投影レンズ17の最大像高をhmax 、光学
系13の硝材(材質)の屈折率をnとしたとき、主光線
15がシリンドリカル面13bで屈折し、それより射出
するときの主光線15に対する角度θ0 は次式で表され
る。
【0032】 θ0 ≒(n−1)・hmax /r ‥‥‥(1) さらに、主光線16が結像面12上に到達したときの像
面上の結像位置の、基準位置12aからの変化量Δd
は、シリンドリカル面13bから像面の距離をS k とす
ると Δd≒Sk θ0 ≒(n−1)・Sk ・hmax /r ‥‥‥(2) となる。このときの変化量Δdは結像倍率の変化に相当
する。
【0033】一方、シリンドリカル面13bの曲率rを
有する方向(X方向)に垂直な母線方向(Y方向)の主
光線の像面への入射位置に関しては、主光線はY方向に
はシリンドリカル面13bにより屈折されないため基準
位置から変化せず、従って結像倍率の変化は発生しな
い。以上の原理により、シリンドリカル面13bが曲率
を持つ方向(X方向)にのみ結像倍率を変化させること
ができ、これによって投影レンズ17の縦横倍率差の補
正を可能としている。
【0034】本実施例において、シリンドリカル面13
bから像面までの距離Sk を36mm、投影レンズ17の
最大像高hmax を15.6mm、光学系13の材質の屈折
率nを1.5とし、本発明に係る収差調整光学系13に
より調整を行なえる縦横倍率差を0.05μm(最大像
高位置での差)とすると、必要なシリンドリカル面13
bの曲率半径rは(2)式より、約5.0×106mm と
なる。
【0035】ここで、シリンドリカル面13bを通過す
る光線に対する屈折力φは次式で表される。
【0036】 φ=|(n−1)/r| ‥‥‥(3) 上記屈折力φは光学系(収差可変光学系)13における
光入射側の面、光射出側の面に共通の定義とし、正の値
のみをとるものとする。上記実施例におけるシリンドリ
カル面13bの屈折力は、式(3)より φ=1.0×
10-7mm-1となる。屈折力φが十分小さいときには、光
学系13による縦横倍率差以外の収差付加量は小さく、
実用上問題は生じない。しかし、屈折力φがφ=3.0
×10-7mm-1を超えると、光学系13による他の収差の
付加が無視できなくなる。従って、φ≦3.0×10-7
mm-1が好ましい。
【0037】一方、屈折力が十分に弱い場合であって
も、光学系13からは、縦横倍率差のみならず、球面収
差等の結像特性に影響を与える各種収差が出ることは明
らかである。従って、投影レンズ17の設計時にこの光
学系13を考慮して、光学系13,17を含む投影光学
系全系を設計しておく必要がある。さらに、投影レンズ
17の球面収差がこの光学系13の肉厚に依存する性質
を利用して、実際に製造した投影レンズ17の球面収差
を測定して最適となる光学系13の肉厚を決定すること
ができる。また、投影レンズ17の軸上コマ収差を測定
し、その結果から光学系13の最適傾角を求め、光学系
13を光軸に直交する軸のまわりで傾けることにより、
軸上コマ収差の調整を行うことも可能である。
【0038】図2は本発明の収差調整光学系を有した光
学装置として、半導体デバイス製造用の投影露光装置に
適用した場合の光学系の概略を示している。本実施形態
はステップアンドリピート方式やステップアンドスキャ
ン方式の投影露光装置に適用可能なものである。
【0039】図2において、21は光源としてのレーザ
ー(エキシマレーザー)、22は照明光学系であり、光
源21からの光束で被照射面としてのレチクル23を均
一照明している。23はレチクルの回路パターン面、2
4は投影レンズであり、レチクルパターン23をウエハ
の表面25に縮小投影している。25は結像面上にある
ウエハ表面である。なお、投影レンズ24の代りにカタ
ジオプトリック系や投影ミラー系を用いる露光装置にも
本光学系は適用し得る。
【0040】投影レンズ24とウエハ25の間に図1で
説明した光学系13を駆動装置130又は手動で光軸ま
わりに回転可能及び光軸と直交する任意の軸のまわりで
傾動可能に配置している。これによって前述の如く投影
レンズ24及び光学系13を含むマスク投影システムの
いくつかの収差を調整している。
【0041】図3は本発明に係る光学系の実施形態2の
要部概略図である。本実施例の光学系13は、屈折率と
中心肉厚が互いに等しく且つ光軸に対し互いに逆方向に
互いに同じ角度だけ傾いた2枚の光学部材311,31
2から成る。
【0042】物体側に位置する第1の光学部材311
は、その物体側の面311aと像側の面311bは共に
平面で互いに平行に配置されており、像側に位置する第
2の光学部材312は、その物体側の面312aが平
面、像側の面312bが像側に向かって凸形状のシリン
ドリカル面となっている。
【0043】更に片側が凸のシリンドリカル面となって
いる第2の光学部材312をその平面312aに垂直な
軸の周りに回転させる手段と、2枚の光学部材311,
312の傾き角度を互いに逆方向に互いに同じ量だけ変
える手段と、光学系13全体を一体的に、投影光学系の
光軸の周りに回転させる手段と、光学系全体を一体的に
任意の方向に傾動させる手段とを有している。
【0044】本実施例2の光学系を用いることにより、
縦横倍率差に加えて、諸収差即ち球面収差、軸上コマ収
差及び軸上非点収差等の諸収差の調整を行っている。具
体的には、実施形態1と同一の原理によって縦横倍率差
の調整を行い、2枚の光学部材311,312の中心肉
厚を別の光学部材と交換することで変更することにより
球面収差を調整し、光学系13全体を一体的に、投影光
学系の光軸の周りに回転させ、2枚の光学部材311,
312の傾き角度を互いに逆方向に互いに同じ量だけ変
えることにより軸上非点収差を調整し、更に光学系13
を一体的に傾動させることにより軸上コマ収差の調整を
行っている。
【0045】本実施形態の光学系13による縦横倍率差
調整の例を、図1を参照して更に具体的な数値を挙げて
説明する。
【0046】本実施形態において、シリンドリカル面3
12bから像面までの距離Sk を36mm、投影光学系の
最大像高hmax を15.6mm、光学部材311,312
の材質の屈折率nを1.5とし、本発明に係る光学系1
3で調整を行う縦横倍率差を最大像高位置で0.05μ
m とする。このとき必要なシリンドリカル面312bの
曲率半径rを実施形態1と同様(2)式より求めること
ができ、約5.0×106mm となる。
【0047】また、光学系13の2枚の光学部材31
1,312の光軸方向の中心厚を8mm、2枚の光学部材
311,312間の空気間隔を2mm、露光波長を248
nm、投影レンズ17の開口数を0.6とすれば、2枚の
光学部材311,312の傾き角度を互いに逆方向にそ
れぞれ10'与えたとき、投影光学系の軸上非点収差は
約0.06μm 変化する。
【0048】なお、本実施形態において、光学系を構成
する第1光学部材311を平行平板、第2の光学部材3
12を片側シリンドリカル面であるとして説明を行った
が、第1光学部材を片側シリンドリカル面、第2光学部
材を平行平板とする構成を用いてもよい。
【0049】図4は本発明に係る光学系の実施形態3の
要部概略図である。本実施形態の光学系13は、屈折率
と中心肉厚が互いに等しく且つ光軸に対し互いに逆方向
に互いに同じ角度だけ傾いた2枚の光学部材411,4
12から成る。
【0050】物体側に位置する第1の光学部材411
は、その物体側の面411aが平面、像側の面411b
が像側に向かって凸形状のシリンドリカル面となってい
る。また、像側に位置する第2の光学部材412も同様
に、その物体側の面412aが平面、像側の面412b
が像側に向かって凸形状のシリンドリカル面となってい
る。
【0051】本実施形態の光学系13では、さらにこの
2枚の光学部材411,412のそれぞれを、その平面
411a,412aに垂直な軸の周りに回転させる手段
と、2枚の光学部材の傾き角度を互いに逆方向に互いに
同じ量だけ変える手段と、光学系13全体を一体的に、
投影光学系の光軸の周りに回転させる手段と、調整光学
系13全体を一体的に任意の方向に傾動させる手段を有
している。
【0052】本実施形態の光学系13では、第1の光学
部材411をその平面411aに垂直な軸の周りに、ま
た、第2の光学部材412をその平面412aに垂直な
軸の周りに、それぞれ回転させることにより、更に縦横
倍率差の大きさと方向の変化を制御することが可能とな
る。
【0053】具体的には、第1の光学部材411のシリ
ンドリカル面411bが曲率を持つ方向を、第2の光学
部材412のシリンドリカル面412bが曲率を持つ方
向に一致させたときには、縦横倍率差の変化量は最大と
なり、第2の光学部材412のシリンドリカル面412
bが曲率を持つ方向と直交させたときには、縦横倍率差
の変化量は最小となる。
【0054】本実施形態による縦横倍率差の調整の例
を、図1を参照して更に具体的な数値を挙げて説明す
る。本実施形態において、露光波長を248nm、投影光
学系の開口数を0.6、光学系の2枚の光学部材41
1,412の光軸方向の中心厚を8mm、2枚の光学部材
411,412間の空気間隔を2mm、第1の光学部材4
11のシリンドリカル面411bの曲率半径を6.0×
106mm 、第2の光学部材412のシリンドリカル面4
12bの曲率半径を5.0×106mm 、第2の光学部材
412のシリンドリカル面312bから像面までの距離
k を36mm、投影光学系の最大像高hmax を15.6
mm、光学部材411,412の材質の屈折率nを1.5
としてシミュレーションを行った。
【0055】その結果、第1の光学部材411のシリン
ドリカル面411bが曲率を持つ方向と、第2の光学部
材412のシリンドリカル面412bが曲率を持つ方向
を直交させたときには、光学系が付与する縦横倍率差は
0となる。
【0056】次に、第1の光学部材411及び/又は第
2の光学部材412を、それぞれの光学部材の平面に垂
直な軸の周りに回転させ、第1の光学部材411のシリ
ンドリカル面411bが曲率を持つ方向と、第2の光学
部材412のシリンドリカル面412bが曲率を持つ方
向を一致させると、光学系13が付与する縦横倍率差は
最大となり、その時の縦横倍率差の変化量は最大像高位
置で0.11μm となる。
【0057】第1の光学部材411のシリンドリカル面
411bが曲率を持つ方向と、第2の光学部材412の
シリンドリカル面411bが曲率を持つ方向のなす角度
は自由に調整することが可能であり、このとき光学系が
付与する縦横倍率差は0から最大値までの間で無段階に
変化する。従って、0から調整可能な最大値までの範囲
内で、投影光学系で発生する任意の量及び方向の縦横倍
率差を、本実施形態の光学系により調整することが可能
となる。更に、実施形態2と同様に、投影光学系の球面
収差、軸上コマ収差及び軸上非点収差の調整をそれぞれ
独立に行うことも可能である。
【0058】なお、以上の各実施形態において、光学系
を構成する光学部材の像側の面が屈折力を有するとして
説明を行ったが、本発明はその様に限定されることはな
く、物体側の面が屈折力を有する構成を用いることも、
物体側及び像側の両面が同じ方向に屈折力を有する構成
を用いることも可能である。
【0059】更には、前記光学部材の一方向に屈折力を
与える手段として、その形状を滑らかなシリンドリカル
面とすることに限定されることはなく、一次元的な屈折
力を有するBO(バイナリーオプティクス)素子等の回
折光学素子の回折面を用いてもよい。
【0060】又、光学系としてx方向とy方向で屈折力
が異なるアナモフィック光学系を用いても良い。光学系
に用いられる光学部材の中心厚は、5mm 以下であると光
学部材の自重変形の影響により付加的な収差が発生し、
また30mm以上では光学部材による露光光の吸収が著しく
なる為、5mm から30mmの間であることが望ましい。ま
た、光学系が複数の光学部材からなる場合、光学系内の
光の干渉によるニュートンリングの発生等を防ぐため、
隣接する光学部材との間に0.1mm 以上の空気間隔を設け
ることが好ましい。
【0061】また、本発明に係る光学系を搭載する投影
光学系の諸元、例えば露光波長、開口数についても、前
記実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0062】次に、前記光学系を用いた投影光学系を搭
載した露光装置により、デバイスを製造する方法の実施
例を説明する。
【0063】次に上記説明した露光装置を利用した半導
体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0064】図5は半導体デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、或は液晶パネルやCCD等)の製造のフ
ローを示す。
【0065】ステップ1(回路設計)では半導体デバイ
スの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設
計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を
用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセ
ス)は前行程と呼ばれ、前記用意したマスクとウエハを
用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路
を形成する。次のステップ5(組立)は後行程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ
5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久
性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体
デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0066】図6は上記ウエハプロセスの詳細なフロー
を示す。
【0067】ステップ11(酸化)ではウエハの表面を
酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に
絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イ
オン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ
15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では前記説明した露光装置によっ
てマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステ
ップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステ
ップ18(エッチング)では現像したレジスト以外の部
分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッ
チングが済んで不要となったレジストを取り除く。これ
らのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に
多重に回路パターンが形成される。
【0068】本実施例の製造方法を用いれば、従来は製
造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製造
することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、例えば軸上コマ収差や
縦横倍率差などの収差の補正が効果的に行なえる光学系
と投影露光装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る収差調整光学系の説
明図
【図2】本発明の実施形態1の投影露光装置の概略図
【図3】本発明の実施形態2に係る収差調整光学系の説
明図
【図4】本発明の実施形態3に係る収差調整光学系の説
明図
【図5】半導体デバイス製造方法のフローチャート
【図6】図5におけるウエハプロセスのフローチャート
【符号の説明】
12 結像面 13 収差調整光学系 17 投影レンズ 21 光源 22 照明系 23 レチクル 24 投影レンズ 25 ウエハ 130 駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04 H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスクのパターンを基板上に投影する投影
    光学系を有する投影露光装置において、前記投影光学系
    は縦横倍率差と軸上非点収差と軸上コマ収差とを補正す
    る光学系を有し、該光学系は透明平行平板と回折面或い
    はシリンドリカル面及び/又はトーリック面を持つ透明
    光学素子とを備え、前記透明平行平板及び前記透明光学
    素子の双方が光軸に対し傾動でき且つ光軸回りに回動で
    きることを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】マスクのパターンを基板上に投影する投影
    光学系を有する投影露光装置において、前記投影光学系
    は縦横倍率差と軸上非点収差と軸上コマ収差とを補正す
    る光学系を有し、該光学系は各々が回折面或いはシリン
    ドリカル面及び/又はトーリック面を持つ第1の透明光
    学素子と第2の透明光学素子とを備え、前記第1の透明
    光学素子及び前記第2の透明光学素子の双方が光軸に対
    し傾動でき且つ光軸回りに回動できることを特徴とする
    投影露光装置。
  3. 【請求項3】前記第1の透明光学素子及び前記第2の透
    明光学素子は相対的に回動できることを特徴とする請求
    項2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の投影
    露光装置によりデバイスパターンでウエハを露光する段
    階と、該露光したウエハを現像する段階とを有すること
    を特徴とするデバイス製造方法。
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