JP3239379B2 - 内燃機関の回転数制御方法 - Google Patents

内燃機関の回転数制御方法

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の回転数制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォークリフト等の産業用車両に搭載さ
れている内燃機関には、走行負荷に加えて荷役負荷が作
用する。そのため、内燃機関では走行負荷が変動すると
走行が影響を受けるだけでなく、荷役作業も影響を受け
ることになる。同様に、荷役負荷が変動すると荷役作業
が影響を受けるだけでなく、走行も影響を受けることに
なる。従って、産業用車両に搭載されている内燃機関に
おいては、特に負荷変動に対する高い安定性が求められ
ている。
【0003】負荷変動に対する安定性を高めるには、負
荷の変動に伴って変化した回転数が速やかに元の回転数
(目標回転数)に戻るように、内燃機関の回転数調整手
段であるスロットルバルブを調整して回転数を制御する
必要がある。
【0004】そのために、電子ガバナ装置を用いて、負
荷の変動によって変化した現時点の実際の回転数と目標
回転数との偏差を求め、その偏差に基づいてゲイン値を
規定したPID(比例・積分・微分)制御のためのPI
D演算を行っている。そして、目標回転数で回転させる
ためのスロットルバルブの開度である目標スロットルバ
ルブ開度を決定して、回転数を制御している。
【0005】図4に示すように、従来の電子ガバナ装置
10は、制御パラメータ11A〜11C、切り換え制御
装置12、制御演算装置13から構成されている。その
制御演算装置13は、メモリに記憶されている目標回転
数と負荷の変動によって変化した現時点の実際の回転数
とを入力し、切り換え制御装置12を介して制御パラメ
ータ11A〜11Cのいずれかから入力されるPID演
算におけるゲイン値を規定するためのPID制御演算式
に基づいてPID演算を行い、内燃機関を目標回転数で
回転させるためのスロットルバルブの開度である目標ス
ロットルバルブ開度を決定して出力している。
【0006】各制御パラメータ11A〜11Cは、PI
D制御演算式が記憶されているメモリから構成されてい
る。制御パラメータが11A〜11Cと3つあるのは、
後記するように、内燃機関のトルク/スロットルバルブ
開度特性の非直線性の補正のためである。
【0007】切り換え制御装置12は、負荷の変動によ
って変化した現時点のスロットルバルブ開度を入力し
て、そのスロットルバルブ開度に対応した制御パラメー
タ11A〜11Cを切り換え選択して、制御演算装置1
3に出力している。
【0008】ところで、内燃機関のトルク/スロットル
バルブ開度特性は回転数が一定の場合、スロットルバル
ブ開度に対してトルクがリニアに増加しないという、図
5の曲線αのような非直線性を示す。
【0009】すなわち、スロットルバルブ開度Pa,P
bを境界として曲線αの勾配が大きく変化しており、ス
ロットルバルブ開度がPa以下の領域Aに比べて、Pa
以上Pb以下の領域Bでは、スロットルバルブ開度の少
しの変化に対してトルクが大きく変化している。また、
スロットルバルブ開度がPb以上で最大スロットルバル
ブ開度Pc以下の領域Cでは、領域Aに比べて、スロッ
トルバルブ開度が大きく変化しなければ相応したトルク
の変化があらわれない。
【0010】このため、例えば、領域Aにおけるトルク
/スロットルバルブ開度特性からPID制御演算式を求
めて、全ての領域A〜Cに適応させてPID演算を行う
とすると、領域CにおいてはPID制御におけるゲイン
が不足することになり、領域Bではオーバー・ゲインに
なってしまう。ゲインが不足する領域Cでは、現時点の
回転数から目標回転数になるために長い時間を要する。
また、オーバー・ゲインの領域Bにおいては、速やかに
目標回転数を越える(または、下回る)回転数まで立ち
上がった後に回転数を増減しながら目標回転数に収束す
ることになる。いずれにしても、最適なゲイン値でない
領域B,Cにおいては負荷変動に対して求められる安定
性を得ることができない。
【0011】従って、各領域A〜Cのそれぞれに対応し
たPID制御演算式を、内燃機関をエンジン・ベンチ上
で試験動作させる実験によって予め求めておき、それぞ
れのPID制御演算式を各制御パラメータ11A〜11
Cとして記憶しておく。そして、切り換え制御装置12
によって、現時点のスロットルバルブ開度に対応した制
御パラメータ11A〜11Cを適宜選択して出力する。
その選択された制御パラメータ11A〜11CのPID
制御演算式に基づいて、制御演算装置13は目標スロッ
トルバルブ開度を求めて出力している。
【0012】このように、従来は、内燃機関のトルク/
スロットルバルブ開度特性における勾配の変化に対応し
た複数のPID制御演算式を用いることにより、その非
直線性を補正した最適なゲイン値を決定してPID制御
のための演算を行っていた。
【0013】また、別の制御方法として、特開平2−2
77943号公報に示されるものがある。すなわち、ト
ルク/スロットルバルブ開度特性における勾配の変化が
連続的であることから、仮想的に勾配の変化を無視して
勾配を一定と仮定する。つまり、実際のスロットルバル
ブ開度とトルクとが線型な関係にあると仮定する。そし
て、PID演算を行い、実際の回転数が目標回転数にな
るような仮想的なスロットルバルブ開度を求める。
【0014】その後に、求めた仮想的なスロットルバル
ブ開度に対して、スロットルバルブ開度とトルクとの実
際の非線型関係に従って最初に無視したトルク/スロッ
トルバルブ開度特性における勾配の変化に対する補正を
行い、実際のスロットルバルブ開度に変換する。すなわ
ち、任意の仮想的なスロットルバルブ開度に対応する実
際のスロットルバルブ開度が一義的に求められるよう
な、仮想的なスロットルバルブ開度と実際のスロットル
バルブ開度との変換関係を示すテーブルを予め求めてお
く。このテーブルを実際の回転数毎に複数用意して記憶
しておき、実際の回転数に対応するテーブルを選択して
勾配の変化に対する補正を行う。
【0015】そして、補正して求めた実際のスロットル
バルブ開度に基づいて、内燃機関の回転数を調整すると
いう方法である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
複数のPID制御演算式を用いる方法では、トルク/ス
ロットルバルブ開度特性における勾配の変化が多い場合
は、その多数の勾配の変化に対応した多数のPID制御
演算式を用意しなければならない。すなわち、制御パラ
メータ11を多数設ける必要があり、電子ガバナ装置1
0が複雑化すると共に設計のための工数が増すという問
題があった。
【0017】また、後者の仮想的なスロットルバルブ開
度を求める方法では、前者より、瞬間的な負荷変動に対
する追従性が優れている。しかしながら、トルク/スロ
ットルバルブ開度特性における全てのスロットルバルブ
開度に対応して、仮想的なスロットルバルブ開度と実際
のスロットルバルブ開度との変換関係を示すテーブルを
求めておかなければならない。従って、設計のための工
数が増すという点では、前者と同じ問題を抱えていた。
【0018】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、内燃機関の回転数制御
における応答性および安定性の向上を実現するための、
簡単な装置を用いる簡便な方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、内燃機関の実際の回転数と目標回転数との
偏差を求め、その偏差に基づいてPID(比例・積分・
微分)制御のためのPID演算を行い、その演算結果
を、スロットルバルブ開度に対するトルクの特性におけ
る非直線性を補正するための補正係数に従って補正して
目標スロットルバルブ開度とし、スロットルバルブの開
度を調整して内燃機関の回転数を制御するようにした内
燃機関の回転数制御方法において、前記スロットルバル
ブ開度に対するトルクの特性において、勾配の違いによ
って区分したそれぞれの領域内でその勾配を直線近似
し、その各直線の内の任意の領域における直線の傾きを
基準とする、他の領域における直線の傾きの比を領域毎
に求め、その比の逆数を補正係数とし、この補正係数に
従って、前記任意の領域に対応するPID制御演算式に
よりPID演算された演算結果を補正して、前記他の領
域における目標スロットルバルブ開度を決定するように
したことをその要旨とする。
【0020】
【作用】上記構成によれば、スロットルバルブ開度に対
するトルクの特性における非直線性の補正は補正係数に
従って行うために、負荷変動が起こった場合でも、その
変動に充分に追従することができる高い応答性を実現で
きる。
【0021】また、1つのPID制御演算式は用いるの
みであるため、設計のための工数が少なくなると共に装
置を簡単にすることができる。以上により、スロットル
バルブ開度に対するトルクの特性における勾配の変化が
多い場合には特に有効となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図3、および図5に従って説明する。
【0023】図1は内燃機関の回転数制御装置である電
子ガバナ装置1の概略図である。その電子ガバナ装置1
は、制御演算装置2、読出専用のメモリ(ROM)3、
スロットルバルブ開度補正装置4から構成されている。
【0024】ROM3には、PID制御のためのPID
演算におけるゲイン値を規定するためのPID制御演算
式が記憶されている。制御演算装置2は、目標回転数指
令装置(図示略)から出力される目標回転数と負荷の変
動によって変化した現時点の実際の回転数(実回転数)
とを入力し、ROM3に記憶されているPID制御演算
式に基づいてPID演算を行ってスロットルバルブ開度
を求める。制御演算装置2はこのスロットルバルブ開度
を、スロットルバルブ開度補正装置4から入力される補
正係数に従って補正して、内燃機関を目標回転数で回転
させるためのスロットルバルブの開度である目標スロッ
トルバルブ開度を算出して出力している。
【0025】スロットルバルブ開度補正装置4は、負荷
の変動によって変化した現時点のスロットルバルブ開度
(実スロットルバルブ開度)を入力して、その実スロッ
トルバルブ開度に対応した補正係数を補正テーブルの中
から選択し、制御演算装置2に出力している。
【0026】ここで、スロットルバルブ開度補正装置4
から出力されるスロットルバルブ開度の補正係数につい
て説明する。従来の技術で述べたように、内燃機関のト
ルク/スロットルバルブ開度特性は回転数が一定の場
合、スロットルバルブ開度に対してトルクがリニアに増
加しないという、図5の曲線αのような非直線性を示
し、スロットルバルブ開度Pa,Pbを境界として曲線
αの勾配が大きく変化している。
【0027】そこで、図2に示すように、スロットルバ
ルブ開度がPa以下の領域Aにおける曲線αの勾配を直
線近似した直線βを求める。同様に、Pa以上Pb以下
の領域B、および、Pb以上で最大スロットルバルブP
c以下の領域Cにおける曲線αの勾配をそれぞれ直線近
似した直線γ、および、直線δを求める。
【0028】そして、直線βの傾きを1とした場合の直
線γ,δの傾き、即ち傾きの比を求める。その直線βに
対する直線γ,δの傾きの比の逆数を、スロットルバル
ブ開度の補正係数としている。すなわち、領域Aにおけ
るトルク/スロットルバルブ開度特性から求めたPID
制御演算式に基づいて、領域BにおけるPID演算を行
うとすると、PID制御におけるゲインがオーバーする
ことになる。そのゲインのオーバー分を直線γの傾きの
比の逆数によって補正して、補正スロットルバルブ開度
を求める。すると、その補正スロットルバルブ開度は、
領域Bにおけるトルク/スロットルバルブ開度特性から
求めたPID制御演算式に基づいてPID演算を行って
求めた、領域Bにおける目標スロットルバルブ開度と等
しくなる。
【0029】そこで、その直線γの傾きの比の逆数を補
正係数としている。同様に、領域Aにおけるトルク/ス
ロットルバルブ開度特性から求めたPID制御演算式に
基づいて、領域CにおけるPID演算を行うとすると、
PID制御におけるゲインが不足することになる。その
ゲインの不足分を直線δの傾きの比の逆数によって補正
して、補正スロットルバルブ開度を求める。すると、そ
の補正スロットルバルブ開度は、領域Cにおけるトルク
/スロットルバルブ開度特性から求めたPID制御演算
式に基づいてPID演算を行って求めた、領域Cにおけ
る目標スロットルバルブ開度と等しくなる。
【0030】そこで、その直線δの傾きの比の逆数を補
正係数としている。従って、負荷の変動によって実回転
数が変化した実スロットルバルブ開度に対応した補正係
数によって、領域Aに対応したPID制御演算式に基づ
くPID演算を行って求めたスロットルバルブ開度を補
正することにより、実スロットルバルブ開度に対応した
目標スロットルバルブ開度を求めることができる。
【0031】つまり、図3に示すように、実際のスロッ
トルバルブ開度から、一義的に補正係数によって補正し
た補正スロットルバルブ開度が求められるようなデータ
マップを作成する。
【0032】すなわち、領域Aにおいては、直線βの傾
きを1とするため補正係数は1になり、補正スロットル
バルブ開度P1は実際のスロットルバルブ開度Paと等
しくなる。また、領域Bにおいては,図2に示すように
直線γの傾きは直線βの傾きより大きいために補正係数
は1以下になり、実際のスロットルバルブ開度Pbにそ
の補正係数を乗じて補正スロットルバルブ開度P2が求
められる。さらに、領域Cにおいては,図2に示すよう
に直線δの傾きは直線βの傾きより小さいために補正係
数は1以上になり、実際のスロットルバルブ開度Pcに
その補正係数を乗じて補正スロットルバルブ開度P3が
求められる。求めた補正スロットルバルブ開度P1〜P
3を直線で結ぶと、補正スロットルバルブ開度/実スロ
ットルバルブ開度特性を示すデータマップができあが
る。
【0033】この図3に示すデータマップをテーブル化
して、補正テーブルとしている。次に、上記のように構
成した電子ガバナ装置1の作用について説明する。内燃
機関を搭載した産業用車両の作業動作時において、走行
負荷または荷役負荷が変動したとする。
【0034】すると、負荷変動に伴って内燃機関の回転
数が変化する。その変化した実回転数を、内燃機関の出
力軸に固着されたフライホイールの回転数(=内燃機関
の回転数)を検出する回転センサ(図示略)等によって
検出し、制御演算装置2に入力する。
【0035】また、目標回転数指令装置(図示略)から
出力される目標回転数を制御演算装置2に入力する。そ
れと同時に、内燃機関のスロットルバルブに設けたポテ
ンショメータ(図示略)等によって実スロットルバルブ
開度を検出して、スロットルバルブ開度補正装置4に入
力する。
【0036】スロットルバルブ開度補正装置4は、実ス
ロットルバルブ開度が図2に示した領域A〜Cのいずれ
に属するかを判定する。その判定に従って、予め定めて
ある各領域A〜Cに対応するスロットルバルブ開度の補
正テーブルの中から補正係数を選択して、制御演算装置
2に出力する。
【0037】ROM3には、内燃機関をエンジン・ベン
チ上で試験動作させる実験によって予め求めておいた、
図2に示す領域Aに対応するPID制御演算式が記憶さ
れている。
【0038】制御演算装置2は、このROM3から入力
されたPID制御演算式に基づいたPID演算を行う。
すなわち、目標回転数と実回転数との偏差を求め、その
偏差に基づいて、PID制御演算式によって決定される
ゲイン値を一定にしたPID制御のためのPID演算を
行い、補正前スロットルバルブ開度を求める。
【0039】この補正前スロットルバルブ開度をスロッ
トルバルブ開度補正装置4から入力されたその時の実ス
ロットルバルブ開度に基づいて補正テーブルの中から選
択された補正係数に従って補正し、内燃機関を目標回転
数で回転させるためのスロットルバルブの開度である目
標スロットルバルブ開度を演算して出力する。
【0040】このように本実施例では、実験によって求
めたトルク/スロットルバルブ開度特性において予め定
めたスロットルバルブ開度の領域毎に区分し、区分した
それぞれの領域A〜C内で勾配の変化を直線近似し、領
域Aにおける直線近似した直線の傾きを基準にして、各
領域B,Cにおける直線近似した直線の傾きの比を求
め、その各領域B,Cにおける直線の傾きの比の逆数を
各領域B,Cにおける補正係数とし、各補正係数から実
際のスロットルバルブ開度に対する補正スロットルバル
ブ開度のデータマップを作成してテーブル化している。
【0041】従って、本実施例においては1つのPID
制御演算式用いるのみであり、内燃機関のトルク/ス
ロットルバルブ開度特性における勾配の変化に対応した
複数のPID制御演算式を用意しなくてもよい。但し、
補正テーブルを用意しなければならない。しかしなが
ら、勾配の変化に対応したデータマップを求めて補正テ
ーブルを作成するのは、勾配の変化に対応した多数のP
ID制御演算式を作成するのに比べて極めて容易であ
り、設計のための工数もはるかに少なくなる。
【0042】さらに、スロットルバルブ開度補正装置内
に補正テーブルを設けるのは、従来技術のPID制御演
算式を記憶させた多数の制御パラメータ11A〜Cを設
ける方法よりも、装置を簡単にすることができる。
【0043】また、トルク/スロットルバルブ開度特性
において予め定めたスロットルバルブ開度の領域毎に区
分し、区分した各領域A〜C毎に補正係数を求め、各補
正係数から実際のスロットルバルブ開度に対する補正ス
ロットルバルブ開度のデータマップを作成してテーブル
化している。すなわち、補正係数を求めるのは、区分し
た各領域A〜Cに対しのみ行えばよい。
【0044】そのため、従来技術で述べた特開平2−2
77943号公報に示す方法のように、全てのスロット
ルバルブ開度に対して「仮想的なスロットルバルブ開
度」(本実施例においては図3に示す、補正前スロット
ルバルブ開度に相当する)と「実際のスロットルバルブ
開度」(本実施例における目標スロットルバルブ開度に
相当する)との変換関係を示すテーブルを求めるのに比
べて設計のための工数が少なくなる。
【0045】但し、各領域A〜C毎に勾配の変化を直線
近似しているため、補正前スロットルバルブ開度と目標
スロットルバルブ開度の間には直線近似に伴う誤差が含
まれることになる。しかしながら、各領域A〜Cの設定
に留意すれば、その誤差によって実用上の問題が生じる
ことはない。
【0046】すなわち、本実施例においてはトルク/ス
ロットルバルブ開度特性における勾配の変化が多い場合
には特に有効となる。尚、本発明は上記実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、トルク/スロットルバルブ
開度特性における勾配が変化しない任意の領域に対応す
るPID制御演算式を予め定めるようにしてもよい。す
なわち、上記実施例においては、領域Aに対応するPI
D制御演算式を予め定めたが、領域Bまたは領域Cに対
応するPID制御演算式を予め定めて実施してもよい。
【0047】また、任意の領域における直線近似した直
線の傾きを1としないで適宜な係数として実施してもよ
い。さらに、産業用車両に搭載される内燃機関だけでな
く、自動車に搭載される内燃機関や発電機等の動力源に
使用される内燃機関等において実施しても有効である。
【0048】加えて、負荷変動を安定化する電子ガバナ
装置に実施するのみでなく、内燃機関の適宜な回転数制
御に利用してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、内
燃機関の回転数制御における応答性および安定性の向上
を実現するための、簡単な装置を用いる簡便な方法を提
供することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例における内燃機関
の回転数制御装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明を具体化した一実施例における内燃機関
のトルク/スロットルバルブ開度を示す特性図である。
【図3】本発明を具体化した一実施例における補正テー
ブルを示す特性図である。
【図4】従来の内燃機関の回転数制御装置を説明するた
めの概略図である。
【図5】従来の内燃機関のトルク/スロットルバルブ開
度を示す特性図である。
【符号の説明】
1…内燃機関の回転数を制御する電子ガバナ装置、2…
PID制御のためのPID演算を行う制御演算装置、3
…予め定めたPID制御演算式を記憶しておくROM、
4…実際のスロットルバルブ開度に対応する補正テーブ
ルを制御演算装置に出力するスロットルバルブ開度補正
装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の実際の回転数と目標回転数と
    の偏差を求め、その偏差に基づいてPID(比例・積分
    ・微分)制御のためのPID演算を行い、その演算結果
    を、スロットルバルブ開度に対するトルクの特性におけ
    る非直線性を補正するための補正係数に従って補正して
    目標スロットルバルブ開度とし、スロットルバルブの開
    度を調整して内燃機関の回転数を制御するようにした内
    燃機関の回転数制御方法において、 前記スロットルバルブ開度に対するトルクの特性におい
    て、勾配の違いによって区分したそれぞれの領域内で
    の勾配を直線近似し、その各直線の内の任意の領域にお
    る直線の傾きを基準とする、他の領域における直線の
    傾きの比を領域毎に求め、その比の逆数を補正係数と
    し、この補正係数に従って、前記任意の領域に対応する
    PID制御演算式によりPID演算された演算結果を補
    正して、前記他の領域における目標スロットルバルブ開
    度を決定するようにした内燃機関の回転数制御方法。
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