JP3239073B2 - 永久磁石界磁形ブラシ付モータ - Google Patents

永久磁石界磁形ブラシ付モータ

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JP3239073B2
JP3239073B2 JP30056796A JP30056796A JP3239073B2 JP 3239073 B2 JP3239073 B2 JP 3239073B2 JP 30056796 A JP30056796 A JP 30056796A JP 30056796 A JP30056796 A JP 30056796A JP 3239073 B2 JP3239073 B2 JP 3239073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石界磁形ブ
ラシ付モータに関し、特に、突極を持つ小形の永久磁石
界磁形ブラシ付モータに関する。
【0002】
【従来の技術】扁平形電機子を持つ小形(例えば、直径
20mm, 厚さ10mm)の永久磁石界磁形ブラシ付モータは、
例えば図10に示すように、底面に軸受け(図示せず)
を有する扁平カップ状のハウジング(ヨーク)1と、こ
のハウジング1の内周面に添わせて固定した磁極数2の
永久磁石2a,2bと、磁極数3の突極3a,3b,3
cを持つ積層コア3と、その積層コア3のボスに圧入し
たモータシャフト4と、そのロータブシュ5に圧入した
3セグメント(6a,6b,6c)のコミテータ6と、
火花発生を防止するバリスタ7と、180°配置のブラ
シ8a,8bと、ブラシ基板を含むエンドキャップ9と
を有している。積層コア3の各突極3a,3b,3cに
は、図11に示すように、集中巻で電機子巻線(電機子
コイル)U,V,Wが巻装されており、1相1巻線で3
相接続の電機子を形成している。
【0003】このような永久磁石界磁形ブラシ付モータ
では、永久磁石の磁極数Mが2で、電機子の突極の磁極
数Pは、3,5,7,又は11が一般的である。また、
M=4の永久磁石界磁形ブラシ付モータでは、P=3又
は6が一般的である。しかしながら、電機子のコアが突
極構造のため、コギング現象(突極と永久磁石磁極間の
磁気抵抗が回転角に対応して変動すること)を伴ってい
る。
【0004】他方、永久磁石界磁形ブラシレスモータに
おいては、特公昭49−8568号公報に見られるよう
に、コギングトルクの大きさを低減するために、m相接
続の電機子巻線で、永久磁石の磁極数Mと突極の磁極数
Pとの間に、M:P=m+2:m+1,の関係を持たせ
るようにすることが提案されている。永久磁石極数を突
極の磁極数よりも大ならしめてコギングトルクの改善を
図るものである。例えば3相接続の場合は、M:P=
5:4である。また、特公昭8−8764号公報では、
同じくコギングトルクの大きさの低減のため、M:P=
6n±2:6n,(但しnは2以上の整数)の関係を持
たせるようにすることが提案されている。
【0005】例えばn=2の場合、M:P=10又は1
2:12である。
【0006】しかし、小形のブラシ付モータではブラシ
の交差角としては90°が限界であるため、M=4まで
が実用的である。従って、Mを5以上とするような上記
のブラシレスモータにおける関係式をそのまま小形ブラ
シ付モータに適用することはできない。
【0007】また、電機子巻線の相数が偶数の場合はコ
ギングトルクが大きくなってしまうことから、3相接続
の電機子とするのが一般的である。5相以上になると、
巻線の結線箇所が増え、またブラシの交差角が72°以
下になることから、小形モータには不向きである。
【0008】更に、コギングトルクは1回転につき永久
磁石界磁の磁極数Mと電機子の突極の磁極数P=3n
(但しnは自然数)との最小公倍数の脈動トルクであ
り、コギングトルクの大きさはその脈動数に反比例す
る。従って、脈動数を大きくなると、そのコギングトル
クの大きさは低減する。
【0009】そしてまた、突極の磁極数Pの永久磁石の
磁極数Mに対する比P/Mが整数の場合は、コギングト
ルクがむしろ大きくなることが知られている。
【0010】このような諸条件から、永久磁石界磁形ブ
ラシ付モータのコギングトルクの大きさを評価する表を
以下に掲げる。
【0011】
【表1】
【0012】M=4の永久磁石界磁で、3相接続の電機
子の場合、P=9,15,18,21のモータではコギ
ングトルクが低くなる。但し、突極数P=21の場合、
コギングトルクの大幅低減は期待できるものの、極数が
多過ぎる故、隣接突極間の角度が17°程度と狭くな
り、小形モータでは突極の強度低下や機械巻きが困難と
なる。従って、実用的な突極数としては、P=9,1
5,18が望ましい。
【0013】また表2は、M=2の場合、永久磁石界磁
形ブラシ付モータのコギングトルクの大きさを評価した
ものである。
【0014】
【表2】
【0015】このM=2の場合は、P=15,21のモ
ータではコギングトルクが低くなる。しかし、P=21
の場合、上記と同様の理由により実用的ではない。従っ
て、採用できるのはP=15のモータである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このよう
に、突極の磁極数P=3n=9,15又は18になる
と、隣接突極間の角度が狭くなり、スロットが狭いので
突極に巻回できる集中巻の巻数は自ずと制限されるた
め、例えば図11に示すように、電機子巻線U,V,W
の突極3a,3b,3cから軸方向にはみ出す巻膨れ部
Xが必然的に小さくなるので、小形モータでは特に電機
子の扁平化、即ちモータの薄形化に寄与する利点があ
る。換言すると、小形且つ薄形で高トルク定数の永久磁
石界磁形ブラシ付モータを得るには、突極の磁極数Pを
9,15又は18とするのが良い。
【0017】しかしながら、突極の磁極数Pが9,15
又は18になると、同相は集中巻の電機子巻線を複数個
(n=3,5又は6個)直列接続したものとなるので、
通電期間中、同相の電機子巻線の中で逆進トルクや起動
トルクに寄与しない巻線が存在すると、トルクロスが生
じてしまい、トルクの低下を招来する。
【0018】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、同相の集中巻の電機子巻線と突極との対応順序を関
係付けることにより、トルクロスを最小限になし、小形
且つ薄形でありながら、高トルク定数の永久磁石界磁形
ブラシ付モータを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、同相の複数の突極において主たる突極
に対し補助的な突極を隣接配置せずに左右対称形の分散
配置とし、主たる突極の巻線の向きに対して補助的な突
極の巻線を同向き巻き又は逆巻きにし、主たる突極の発
生トルクの位相に補助的な突極の発生トルクの位相を極
力近づけるようにしたものである。
【0020】即ち、第1の発明は、円周方向等間隔に配
列された磁極数Mの永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁
と、円周方向等間隔に配列された磁極数Pの突極を持ち
前記突極に集中巻で巻装された電機子巻線を有する電機
子と、6セグメントのコミテータとを備えた永久磁石界
磁形ブラシ付モータにおいて、M=4,且つP=9であ
り、前記電機子は前記電機子巻線を3個直列に接続した
相を3相接続して成り、3相のうち任意の相を第1相,
第2相、第3相とすると、第1相に属する突極群は、第
1突極と、この第1突極に対し回転方向前側に第3相に
属する第3突極を置いて一つ飛びで離れた第2突極と、
前記第1突極に対し回転方向後側に第2相に属する第2
突極を置いて一つ飛びで離れた第3突極とから成り、い
ずれの相の第1突極の巻線に対して同相の第2突極の巻
線及び第3突極の巻線が逆巻きとなっていることを特徴
としている。このように、第1の発明では、永久磁石の
磁極数Mが4,且つ突極の磁極数Pが9であり、コギン
グトルクが低減し、小形且つ薄型化に適したブラシ付き
モータを実現できる。また、上記のような同相の突極相
互の配置関係及び電機子巻線の同向き巻き又は逆巻きの
関係により、同相の第1突極の最大トルクに対して第2
突極と第3突極の最大トルクの発生が±電気角20°以
内の位相差に収まるようになり、1突極当りの最大トル
クの3倍に近い合成トルクが発生し、その間、他の2相
の突極は非励磁又は発生トルクが零の状態となり、制動
トルクを発生しない。このため、トルク損失は最小にな
り、高トルク定数のブラシ付きモータを実現できる。
【0021】また、第2の発明は、円周方向等間隔に配
列された磁極数Mの永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁
と、円周方向等間隔に配列された磁極数Pの突極を持ち
前記突極に集中巻で巻装された電機子巻線を有する扁平
形電機子と、6セグメントのコミテータとを備えた永久
磁石界磁形ブラシ付モータにおいて、M=4,且つP=
15であり、前記電機子は前記電機子巻線を5個直列に
接続した相を3相接続して成り、3相のうち任意の相を
第1相,第2相、第3相とすると、第1相に属する突極
群は、第1突極と、この第1突極に対し回転方向前側に
順に第3相の第4突極,第2相の第3突極,第2相の第
5突極を置いて3つ飛びに離れた第2突極と、この第2
突極の回転方向前側に順に第3相の第1突極,第2相の
第4突極を置いて2つ飛びで離れた第3突極と、前記第
1突極に対し回転方向後に順に第2相の第2突極,第3
相の第5突極,第3相の第3突極を置いて3つ飛びに離
れた第4突極と、この第4突極の回転方向後側に順に第
2相の第1突極,第3相の第2突極を置いて2つ飛びに
離れた第5突極とから成り、いずれの相の第1突極の巻
線に対して、同相の第3突極の巻線及び第5突極の巻線
が同向き巻きであると共に、同相の第2突極の巻線及び
第4突極の巻線が逆巻きとなっていることを特徴として
いる。
【0022】このような同相の突極相互の配置関係及び
電機子巻線の同向き巻き又は逆巻きの関係でも、同相の
第1突極の最大トルクに対して第2突極と第4突極の最
大トルクの発生が±電気角12°以内の位相差に収ま
り、また第3突極と第5突極の最大トルクの発生が±電
気角24°以内の位相差に収まるようになり、1突極当
りの最大トルクの5倍に近い合成トルクが発生する。こ
のため、トルク損失は最小になり、高トルク定数のブラ
シ付きモータを実現できる。
【0023】更に、第3の発明は、円周方向等間隔に配
列された磁極数Mの永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁
と、円周方向等間隔に配列された磁極数Pの突極を持ち
前記突極に集中巻で巻装された電機子巻線を有する扁平
形電機子と、6セグメントのコミテータとを備えた永久
磁石界磁形ブラシ付モータにおいて、M=4,且つP=
18であり、前記電機子は前記電機子巻線を6個直列に
接続した相を3相接続して成り、3相のうち任意の相を
第1相,第2相、第3相とすると、第1相に属する突極
群は、第1突極と、この第1突極に対し回転方向前側に
順に第3相の第6突極,第3相の第5突極,第2相の第
4突極を置いて3つ飛びに離れた第2突極と、この第2
突極の回転方向前側に隣接した第3突極と、この第3突
極の回転方向前側に順に第3相の第1突極,第2相の第
6突極,第2相の第5突極を置いて3つ飛びに離れた第
4突極と、第1の突極に対し回転方向後側に順に第2相
の第3突極,第2相の第2突極,第3相の第4突極を置
いて3つ飛びに離れた第5突極と、この第5突極の回転
方向後側に隣接した第6突極とから成り、いずれの相の
第1突極の巻線に対して、同相の第4突極の巻線が同向
き巻きであると共に、同相の第2突極,第3突極,第5
突極及び第6突極のそれぞれの巻線が逆巻きとなってい
ることを特徴としている。
【0024】このような突極相互の配置関係及び電機子
巻線の巻き向きでも、同相の第1突極の最大トルクに対
して第2突極,第3突極,第5突極,第6突極の最大ト
ルクの発生が±電気角20°以内の位相差に収まり、ま
た第4突極は同位相であるため、1突極当りの最大トル
クの6倍に近い合成トルクが発生する。従って、高トル
ク定数のブラシ付きモータを実現できる。
【0025】3相接続の電機子はスター結線(Y結線)
でもΔ結線でも高トルク化を実現できるが、スター結線
の場合はコギングトルクの低減に有利である。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕図1は本発明の第1の実施形態に係
る永久磁石界磁形ブラシ付モータを示す概略平面図、図
2は同永久磁石界磁形ブラシ付モータのY結線の電機子
巻線を示す概略図、図3は同永久磁石界磁形ブラシ付モ
ータを回転方向に沿って展開した状態を示す展開図であ
る。
【0027】本例の永久磁石界磁形ブラシ付モータ10
は、円周方向等間隔に配列された磁極数4の永久磁石界
磁(ステータ)11と、円周方向等間隔に配列された磁
極数9のコアの突極K(K1 〜K9 )を持ち、突極Kに
集中巻で巻装された3相接続の電機子巻線(U1 + ,W
3 - ,U2 - ,W1 + ,V3 - ,W2 - ,V1 + ,U3
- ,V2 - )を有する電機子(ロータ)12と、6セグ
メントのコミテータ13とを備えている。永久磁石界磁
11は、N極とS極が交互に着磁されてヨークとしての
ハウジング(図示せず)の内側に配置され、ロータ12
の突極Kと対向する4個の永久磁石磁極Mg(M1 〜M
4 )を備えている。なお、永久磁石界磁11は4個の永
久磁石単体を配列したものでも良い。コミテータ13は
6個のセグメントS(S11〜S32)を有しており、セグ
メントS11と180°回転対称位置のセグメントS12
セグメントS21と180°回転対称位置のセグメントS
22、セグメントS31と180°回転対称位置のセグメン
トS32とは、それぞれリード線L1,2,3 で相互接続
されている。そしてコミテータ13には90°交差角の
正極ブラシB+ と負極ブラシB- とが摺接している。
【0028】3相のうち任意の相をU相(第1相),V
相(第2相),W相(第3相)とすると、本例のU相に
属する突極群は、第1突極K1 と、この第1突極K1
対し回転方向(図1の時計方向)前側にW相に属する第
3突極K2 を置いて一つ飛びで離れた第2突極K3 と、
第1突極K1 に対し回転方向後側にV相に属する第2突
極K9 を置いて一つ飛びで離れた第3突極K8 とから成
る。
【0029】U相,V相,W相はサイクリック配置であ
るため、V相(第2相)→U相(第1相)、W相(第3
相)→V相(第2相)、U相(第1相)→W相(第3
相)のように順に置き換えると、V相に属する突極群も
上記と同様にして定められる。
【0030】即ち、V相に属する突極群は、U相の第1
突極K1 に対し回転方向後側120°の位置にある第1
突極K7 と、この第1突極K7 に対し回転方向前側にU
相に属する第3突極K8 を置いて一つ飛びで離れた第2
突極K9 と、第1突極K7 に対し回転方向後側にW相に
属する第2突極K6 を置いて一つ飛びで離れた第3突極
5 とから成る。
【0031】更に、W相に属する突極群も上記と同様に
して定められる。即ち、W相に属する突極群は、U相の
第1突極K1 に対し回転方向後側240°の位置にある
第1突極K4 と、この第1突極K4 に対し回転方向前側
にV相に属する第3突極K5を置いて一つ飛びで離れた
第2突極K6 と、第1突極K4 に対し回転方向後側にU
相に属する第2突極K3 を置いて一つ飛びで離れた第3
突極K2 とから成る本例の3相Y結線(スター結線)の
電機子巻線は、図2に示すように、共有結線点Cに接続
するU相が集中巻の巻線(コイル)U3 - ,U1 + ,U
2 - の直列接続から成り、また共有結線点Cに接続する
V相も集中巻の巻線V3 - ,V1 +,V2 - の直列接続
から成り、更に共有結線点Cに接続するW相も集中巻の
巻線W3 - ,W1 + ,W2 - の直列接続から成る。そし
ていずれの相の第1突極K1,K7 ,K4 の巻線
1 + ,V1 + ,W1 + に対して同相の第2突極K3
9,K6 の巻線U2 - ,V2 - ,W2 - 及び第3突極
8 ,K5 ,K2 の巻線U3 - ,V3 - ,W3 - が逆巻
きとなっている。
【0032】次に、上記モータにおける回転トルクの発
生メカニズムを簡易的に理解するため、図4,図5を参
照する。図4は突極磁極と永久磁石界磁との回転角によ
る発生トルクの推移を説明するための概略図である。
【0033】例えばU相の第1突極K1 の巻線U1 +
ある期間に亘り一定方向の励磁電流を流し、図4(a)
に示す如く、例えばS極の突極K1 の全体がS極の永久
磁石磁極M1 にそっくり対向している場合、反発磁力が
ロータの回転中心を通るため、その位置での突極K1
よる発生トルクは略零である。そこから少し回転して、
図4(b)に示す如く、突極K1 の一部が隣接のN極の
永久磁石磁極M2 にも対向し始める頃、永久磁石磁極M
2 の磁気吸引力が円周方向の成分を持つため、その位置
で発生トルクが現れ、回転と共に除々にそれが単調増加
する。そして、図4(c)に示す如く、突極K1 の放射
中心線がS極の永久磁石磁極M1 とN極の永久磁石磁極
2 の磁極境界に丁度位置するとき、N極の永久磁石磁
極M2 との磁気吸引力及びS極の永久磁石磁極M1 との
磁気反発力の総和の円周方向成分が極大になるため、最
大のトルクTmax が発生する。図4(d)に示す如く、
突極K1 の大部分がN極の永久磁石磁極M2 に対向する
と、磁気吸引力の円周方向成分が小さくなるため、発生
トルクが単調減少し、図4(e)に示す如く、突極K1
の全部がN極の永久磁石磁極M2 にそっくり対向する
と、磁気吸引力がロータの回転中心を通るため、その位
置での発生トルクは略零となる。
【0034】このように、磁極が交互の永久磁石磁極M
1 〜M4 が90°間隔で配置されているため、ある一つ
の突極K1 の巻線U1 + に一定方向の電流が流れ続けて
いると、回転に寄与する起動トルクは機械角90°で単
調増減する。ここで、図4(a)の位置や図4(e)の
位置のように、発生トルクが零近傍になる位置では、突
極K1 の起動トルクはロータ全体のトルクに占める率が
低下する。このため、本例のモータでは、後述するよう
に、突極K1 の巻線U1 + に、永久磁石磁極M1 とM2
の磁極境界の±30°の範囲(通電角60°)のみで励
磁電流が流れるように転流モードが決められている。V
相の第1突極K7 の巻線V1 + やW相の第1突極K4
巻線W1 + に対する励磁電流も同様のタイミングで転流
される。
【0035】このU相の第1突極K1 に対してU相の第
2突極K3 は回転方向前側80°の位置にあるが、その
巻線U2 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きにな
っているため、その発生トルクは機械角で位相差10°
だけ遅れている。逆に、U相の第3突極K8 は第1突極
1 に対して回転方向後側80°の位置にあるが、その
巻線U3 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きにな
っているため、その発生トルクは機械角で位相差10°
だけ進んでいる。ここで、U相の突極の発生トルクの推
移をサインカーブで近似すると、図5(a)に示すよう
になる。縦軸はトルクの大きさを表し、+は正回転の起
動トルク、−は逆回転の制動トルクを示す。ただ、実際
は制動トルクを生じる期間は電流を流さないようにして
いるため、−で示す制動トルクは発生しない。
【0036】W相の第1突極K4 はU相の第1突極K1
に対して回転方向前側120°の位置にあるが、S極の
永久磁石磁極M3 とN極の永久磁石磁極M4 の磁極境界
より回転方向後側60°の位置にあるため、図5(b)
に示す如く、その発生トルクはU相の第1突極K1 に対
して機械角で位相差60°だけ遅れている。W相の第1
突極K4 に対してW相の第2突極K6 は回転方向前側8
0°の位置にあるが、その巻線W2 - は第1突極K4
巻線W1 + とは逆巻きになっているため、その発生トル
クは機械角で位相差10°だけ遅れている。逆に、W相
の第3突極K2は第1突極K4 に対して回転方向後側8
0°の位置にあるが、その巻線W3 - は第1突極K1
巻線W1 + とは逆巻きになっているため、その発生トル
クは機械角で位相差10°だけ進んでいる。
【0037】V相の第1突極K7 はU相の第1突極K1
に対して回転方向後側120°の位置にあるが、S極の
永久磁石磁極M3 とN極の永久磁石磁極M4 の磁極境界
より回転方向前側60°の位置にあるため、図5(c)
に示す如く、その発生トルクはU相の第1突極K1 に対
して機械角で位相差60°だけ進んでいる。V相の第1
突極K7 に対してV相の第2突極K9 は回転方向前側8
0°の位置にあるが、その巻線V2 - は第1突極K7
巻線V1 + とは逆巻きになっているため、その発生トル
クは機械角で位相差10°だけ遅れている。逆に、V相
の第3突極K5は第1突極K7 に対して回転方向後側8
0°の位置にあるが、その巻線V3 - は第1突極K7
巻線V1 + とは逆巻きになっているため、その発生トル
クは機械角で位相差10°だけ進んでいる。
【0038】今、図3に示すように、正極ブラシB+
U相のセグメントS21に接触しており、負極ブラシB-
がW相のセグメントS31から離れてV相のセグメントS
21に接触し始め、U相からV相に励磁電流が流れる第1
の転流モード(機械角0〜30°の期間)において
は、U相の第1突極K1 とV相の第1突極K7 がS極に
なると共に、U相の第2突極K3 ,第3突極K8 ,V相
の第2突極K9 ,第3突極K5 がN極になる。V相の第
1〜第3の突極K7 ,K9 ,K5 は永久磁石磁極M4
1 ,M3 にそっくり対向しているため、それらの磁力
は回転トルクに寄与しないが、U相の第1突極K1 は極
大のトルクを発生し、U相の第2突極K3,第3突極K
8 はそれよりやや低めのトクルを発生する。極大値をT
max とし、発生トルクの変動をサイカーブで近似する
と、U相の第1突極K1 ,第2突極K3 ,第3突極K8
による合成トルクTは、回転角を機械角でθとすると、
次の式で与えられる。 T=Tmax cos2θ+Tmax cos(2 θ+20°) +Tmax cos( 2θ−20°) =(1+2cos20 °)Tmax cos2θ≒2.88Tmax cos2θ 従って、回転角θ=0°のとき、最大合成トルクFmax
は2.88Tmax である。
【0039】第1の転流モードが終了する時(θ=30
°の時)は、U相の3突極の合成トルクが最小トルクF
min =Fmax /2=2.88Tmax cos ( 2×30°)=1.44
max迄下がるが、正極ブラシB+ がU相のセグメント
21からW相のセグメントS31に接触し始めるため、W
相からV相に励磁電流が流れる第2の転流モード(機械
角30〜60°の期間)になる。このため、W相の3
突極による合成トルクが漸増して機械角60°で最大合
成トルクFmax に回復する。そして、負極ブラシB-
V相のセグメントS12からU相のセグメントS22に接触
し始めると、W相からU相に励磁電流が流れる第3の転
流モード(機械角60〜90°の期間)になる。この
ため、W相の3突極による合成トルクがFmin 迄漸減す
る。そして正極ブラシB+ がW相のセグメントS31から
V相のセグメントS12に接触し始め、V相からU相に励
磁電流が流れる第4の転流モード(機械角90〜120
°の期間)になると、今度はV相の3突極による合成
トルクが最大トルクFmax 迄漸増した後、負極ブラシB
- がU相のセグメントS22からW相のセグメントS32
接触し始めるので、V相からW相に励磁電流が流れる第
5の転流モード(機械角120〜150°の期間)に
なる。このモードではV相の3突極による合成トルクが
min 迄漸減するが、正極ブラシB+ がU相のセグメン
トS22に接触し始め、U相からW相に励磁電流が流れる
第6の転流モード(機械角150〜180°の期間)
になるので、U相の3突極による合成トルクが最大トル
クFmax迄漸増する。
【0040】従って、本例のブラシ付きモータは機械角
180°で第1〜第6の転流モードの順で切り換えられ
る。その際、機械角30°毎の各モードでの合成トルク
は極小値Fmin と極大値Fmax の間で高トルク値を維持
したまま滑らかに推移する。
【0041】このように、本例の永久磁石界磁形ブラシ
付モータ10は、永久磁石の磁極数Mが4,且つ突極の
磁極数Pが9であり、コギングトルクが低減し、小形且
つ薄型化に適したブラシ付きモータ(例えば直径20mm,
厚さ7mm )でありながら、前述したように、電機子巻線
(U1 + ,W3 - ,U2 - ,W1 + ,V3 - ,W2 -
1 + ,U3 - ,V2 - )と突極K(K1 〜K9 )との
対応順序を関係付けることにより、同相の第1突極K1,
7,4,の最大トルクに対して第2突極K3,9,6
第3突極K8,5,2 の最大トルクの発生が±電気角2
0°以内の位相差に収まるようになり、各転流モードで
は1突極当りの最大トルクTmax の3倍に近い合成トル
ク(Fmin =Fmax /2=1.44Tmax 〜Fmax =2.88T
max )を発生し、その間、他の2相の突極は非励磁又は
発生トルクが零の状態となり、制動トルクを発生しな
い。このため、トルク損失は最小になり、高トルク定数
のブラシ付きモータを実現できる。
【0042】また起動トルクに寄与する相を切り換える
時点(第1の転流モードから第2の転流モードへの切り
換え点、第3の転流モードから第4の転流モードへの切
り換え点、第5の転流モードから第6の転流モードへの
切り換え点)の前後では、通電するも発生トルクが零と
なる相が不変であり、非励磁相を必ず1相含んでいる。
このため、起動トルクに寄与する相に流す励磁電流がモ
ード切り換え前後で変動し難く、コギングトルクの低減
に好都合である。
【0043】ここで考察するに、図1において、仮に、
U相の第1突極K1 に対してU相の第2突極が隣接の突
極K2 であると共に、U相の第3突極が隣接の突極K9
であり、しかもそれら第1〜3突極の集中巻の巻線が同
巻きである場合、第2突極K2 が回転方向前側40°の
位置にあるため、その発生トルクは第1突極K1 のそれ
に比し機械角で位相差40°だけ進んでいる。また第3
突極K9 が回転方向後側40°の位置にあるため、その
発生トルクは第1突極K1 のそれに比し機械角で位相差
40°だけ遅れている。S極の永久磁石磁極M1 とN極
の永久磁石磁極M2 の磁極境界にS極の第1突極K1
真正面に対向した時点で、第1突極K1のトルクは最大
トルクTmax となるが、S極の第2突極K2 はN極の永
久磁石磁極M2 にそっくり対向しており、またS極の第
3突極K9 もS極の永久磁石磁極M1 にそっくり対向し
ているため、第2突極K2 及び第3突極K9 はトクルを
発生しない。従って、最大合成トルクが高々Tmax であ
る。
【0044】このU相への通電開始時点では、S極の第
2突極K2 がS極の永久磁石磁極M1 とN極の永久磁石
磁極M2 の磁極境界から回転方向前側20°の位置にあ
るため、その位置での発生トルクはTmax cos (2×10
°)である。しかし、この通電開始時点で、S極の第3
の突極K9 がN極の永久磁石磁極M4 とS極の永久磁石
磁極M1 の磁極境界から20°の位置にあるため、第3
の突極K9 にはTmaxcos (2×20°)の制動トルクが
発生するので、合成トルクはTmax cos (2×10°)−
max cos (2×20°)=0.23Tmax である。同様に、
U相への通電終了時点での合成トルクも0.23Tmax であ
る。このため、最小合成トルクは0.23Tmax であり、こ
のような突極群の選定及び巻装方法では、補助的な突極
の発生トルクが制動トルクして起動トルクを減じるよう
に現れるので、トルク起動トルクが0.23Tmax 〜Tmax
の範囲の低出力に留まる。
【0045】しかしながら、本例のモータ10では、補
助的な第2突極K3 と第3突極K8とを第1突極K1
対し非隣接で左右対称配置に選定して発生トルクの位相
差を決め、第2突極K3 と第3突極K8 の集中巻の巻線
2 - ,U3 - を第1突極K1 の集中巻の巻線U1 +
は逆巻きにして発生トルクの位相反転を行って、第1突
極K1 の発生トルクの位相に極力近づけたものである。
通電角が±30°であるのに対し、位相が±10°だけ
であり、通電角の中に3突極K1 ,K3 ,K8の極大ト
ルクの発生する位相が含まれているため、3者が協働し
てトルクを高め合う。従って、高トルク定数のブラシ付
きモータが実現できる。
【0046】〔第2の実施形態〕図6は本発明の第2の
実施形態に係る永久磁石界磁形ブラシ付モータを回転方
向に沿って展開した状態を示す展開図、図7は同永久磁
石界磁形ブラシ付モータのΔ結線の電機子巻線を示す概
略図である。
【0047】本例の永久磁石界磁形ブラシ付モータ20
も、図1に示す第1の実施形態と同様に、突極K(K1
〜K9 )と、突極Kに集中巻で巻装された3相接続の電
機子巻線(U1 + ,W3 - ,U2 - ,W1 + ,V3 -
2 - ,V1 + ,U3 - ,V2 - )との対応関係は同じ
である。第1の実施形態の電機子はY結線(スター結
線)であるが、本例ではΔ結線が採用されている。
【0048】例えば、第1の転流モードでは、主励磁
相はU相で、複励磁相はV相とW相となる。第1の実施
形態のY結線においては、主励磁相はU相で、複励磁相
はV相のみであり、U相とV相は直列に接続されてい
る。これに対し、本例の複励磁相はV相とW相との直列
接続であり、その分、巻線抵抗が大きく、しかもそれに
対して主励磁相のU相が並列接続しているため、主励磁
相のU相に流れる励磁電流はY結線の場合に比し大きく
なり、更なる高トルク化が実現できる。また、Δ結線で
はY結線に比し巻線の接続箇所が少なくなり、小形モー
タでは製造上の利点がある。
【0049】しかし、例えば第1の転流モードから第
2の転流モードへの切り換え時には、複励磁相のW相
に励磁電流が逆流する。これはコギングの要因となる。
しかも、各モードの切り換え時には必ず同一の複励磁相
に逆流が生じる。従って、コギングの抑制を優先する場
合はY結線の第1の実施形態を採用することが好まし
い。
【0050】〔第3の実施形態〕図8は本発明の第3の
実施形態に係る永久磁石界磁形ブラシ付モータを示す概
略平面図である。
【0051】図1に示す永久磁石界磁形ブラシ付モータ
10では突極数が9であるが、本例の永久磁石界磁形ブ
ラシ付モータ30では突極数が15である。突極K1
15)に対して集中巻の巻線U1 + ,W4 - ,V3 +
5 + ,U2 - ,W1 + ,V4 - ,U3 + ,U5 + ,W
2 - ,V1 + ,U4 - ,W3 + ,W5 + ,V2 - が順に
対応している。
【0052】3相のうち任意の相をU相(第1相),V
相(第2相),W相(第3相)とすると、本例のU相に
属する突極群は、第1突極K1 と、この第1突極K1
対し回転方向前側に順にW相の第4突極K2 ,V相の第
3突極K3 ,V相の第5突極K4 を置いて3つ飛びに離
れた第2突極K5 と、この第2突極K5 の回転方向前側
に順にW相の第1突極K6 ,V相の第4突極K7 を置い
て2つ飛びで離れた第3突極K8 と、第1突極K1 に対
し回転方向後に順にV相の第2突極K15,W相の第5突
極K14,W相の第3突極K13を置いて3つ飛びに離れた
第4突極K12と、この第4突極K12の回転方向後側に順
にV相の第1突極K11,W相の第2突極K10を置いて2
つ飛びに離れた第5突極K9 とから成る。
【0053】第1突極K1 の巻線U1 + に対して、同相
の第3突極K8 の巻線U3 + 及び第5突極K9 の巻線U
5 + が同向き巻きであると共に、同相の第2突極K5
巻線U2 - 及び第4突極K12の巻線U4 - が逆巻きとな
っている。
【0054】図8から明らかなように、U相,V相,W
相はサイクリック配置であるため、V相(第2相)→U
相(第1相)、W相(第3相)→V相(第2相)、U相
(第1相)→W相(第3相)のように順に置き換える
と、V相やW相に属する突極群も上記と同様にして定め
られる。
【0055】U相の第1突極K1 に対してU相の第2突
極K5 は回転方向前側96°の位置にあるが、その巻線
2 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きになって
いるため、その発生トルクは機械角で位相差6°だけ進
んでいる。U相の第1突極K1 に対してU相の第4突極
12は回転方向後側96°の位置にあるが、その巻線U
4 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きになってい
るため、その発生トルクは機械角で位相差6°だけ遅れ
ている。また、U相の第3突極K8 は第1突極K1 に対
して回転方向後側168°の位置にあるが、その巻線U
3 + は第1突極K1 の巻線U1 + とは同向き巻きになっ
ているため、その発生トルクは機械角で位相差12°だ
け遅れている。同様に、U相の第5突極K9 は第1突極
1 に対して回転方向後側192°の位置にあるが、そ
の巻線U5 + は第1突極K1 の巻線U1 + とは同向き巻
きになっているため、その発生トルクは機械角で位相差
12°だけ進んでいる。従って、第1〜第5突極K1
5 ,K8 ,K12,K9 による合成トルクは次式で与え
られる。 T=Tmax cos2θ+Tmax cos( 2θ+12°) +Tmax cos( 2θ−12°) +Tmax cos(2 θ+24°) +Tmax cos( 2θ−24°) =(1+2cos12 °+2cos24°)Tmax cos2θ≒4.39Tmax cos2θ このように、主たる第1突極K1 の最大トルクに対して
補助的な第2〜第5突極K5 ,K8 ,K12,K9 の最大
トルクが通電角±30°内の位相差に収まって発生する
ため、U相のすべての突極が起動トルクを高め合うよう
になる。このため、本例のP=15のブラシ付きモータ
30でも高トルク化を実現できる。なお、本例のモータ
30はY結線であるが、Δ結線の場合は更なる高トルク
化が達成できる。また必要があれば、本例の突極と巻線
の関係は永久磁石の磁極数Mが2の場合の小形モータに
採用しても良い。
【0056】〔第4の実施形態〕図9は本発明の第4の
実施形態に係る永久磁石界磁形ブラシ付モータを示す概
略平面図である。
【0057】図1に示す永久磁石界磁形ブラシ付モータ
10では突極数が9であるが、本例の永久磁石界磁形ブ
ラシ付モータ40では突極数が18である。突極K1
18に対して集中巻の巻線U1 + ,W5 - ,W4 - ,V
4 - ,U2 - ,U3 - ,W1 + ,V6 - ,V5 - ,U4
+ ,W2 - ,W3 - ,V1 + ,U6 - ,U5 -
4 + ,V2 - ,V3 - が順に対応している。
【0058】3相のうち任意の相をU相(第1相),V
相(第2相),W相(第3相)とすると、本例のU相に
属する突極群は、第1突極K1 と、この第1突極K1
対し回転方向前側に順にW相の第6突極K2 ,W相の第
5突極K3 ,V相の第4突極K4 を置いて3つ飛びに離
れた第2突極K5 と、この第2突極K5 の回転方向前側
に隣接した第3突極K6 と、この第3突極K6 の回転方
向前側に順にW相の第1突極K7 ,V相の第6突極
8 ,V相の第5突極K9 を置いて3つ飛びに離れた第
4突極K10と、第1突極K1 に対し回転方向後側に順に
V相の第3突極K18,V相の第2突極K17,W相の第4
突極K16を置いて3つ飛びに離れた第5突極K15と、こ
の第5突極K15の回転方向後側に隣接した第6突極K14
とから成る。
【0059】第1突極K1 の巻線U1 + に対して、同相
の第4突極K10の巻線U4 + が同巻きであると共に、同
相の第2突極K5 ,第3突極K6 ,第5突極K15及び第
6突極K14のそれぞれの巻線U2 - ,U3 - ,U5 -
5 - が逆巻きとなっている図9から明らかなように、
U相,V相,W相はサイクリック配置であるため、V相
(第2相)→U相(第1相)、W相(第3相)→V相
(第2相)、U相(第1相)→W相(第3相)のように
順に置き換えると、V相やW相に属する突極群も上記と
同様にして定められる。
【0060】U相の第1突極K1 に対してU相の第2突
極K5 は回転方向前側80°の位置にあるが、その巻線
2 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きになって
いるため、その発生トルクは機械角で位相差10°だけ
遅れている。U相の第1突極K1 に対してU相の第3突
極K6 は回転方向後側100°の位置にあるが、その巻
線U3 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きになっ
ているため、その発生トルクは機械角で位相差10°だ
け進んでいる。また、U相の第4突極K10は第1突極K
1 に対して180°の位置にあるため、その発生トルク
は同位相である。更に、U相の第5突極K15は第1突極
1 に対して回転方向後側80°の位置にあるが、その
巻線U5 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻きにな
っているため、その発生トルクは機械角で位相差10°
だけ進んでいる。そして、U相の第6突極K14は第1突
極K1 に対して回転方向後側100°の位置にあるが、
その巻線U6 - は第1突極K1 の巻線U1 + とは逆巻き
になっているため、その発生トルクは機械角で位相差1
0°だけ遅れている。従って、第1〜第6突極K1,K
5 ,K6 ,K10,K15,K14による合成トルクは次式で
与えられる。 T=2Tmax cos2θ+2Tmax cos( 2θ+20°) +Tmax cos( 2θ−20°) =2(1+2cos20 °)Tmax cos2θ≒5.76Tmax cos2θ このように、主たる第1突極K1 の最大トルクに対して
補助的な第2〜第5突極K5 ,K8 ,K12,K9 の最大
トルクが通電角±30°内の位相差に収まって発生する
ため、U相のすべての突極が起動トルクを高めるように
なる。このため、本例のP=18のブラシ付きモータ3
0でも高トルク化を実現できる。なお、本例のモータ4
0はY結線となっているが、Δ結線の場合は更なる高ト
ルク化が達成できる。
【0061】なお、M=4,P=21の永久磁石界磁形
ブラシ付モータにおいても、上記と同様に同相の突極の
発生トルクの位相を相互に近づけることができる。即
ち、任意の相の突極群は、第1突極と、この第1突極に
対して回転方向前側で4つ飛び離れた第2突極と、この
第2突極に対して回転方向前側で隣接した第3突極と、
この第3突極に対して回転方向前側で3つ飛び離れた第
4突極と、第1突極に対して回転方向後側で4つ飛び離
れた第5突極と、この第5突極に対して回転方向後側で
隣接した第6突極と、この第6突極に対して回転方向後
側で3つ飛び離れた第7突極とから成り、第1突極の巻
線に対して第4突極及び第7突極の巻線は同向き巻きで
あり、第1突極の巻線に対して第2突極,第3突極,第
5突極及び第6突極の巻線は逆巻きである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、同相の
複数の突極において主たる突極に対し補助的な突極を隣
接配置せずに左右対称形の分散配置とし、主たる突極の
巻線の向きに対して補助的な突極の巻線の向きを同向き
巻き又は逆巻きにし、主たる突極の発生トルクの位相に
補助的な突極の発生トルクの位相を極力近づけるように
したものである。従って、次のような効果を奏する。
【0063】 第1の発明では、永久磁石の磁極数M
が4,且つ突極の磁極数Pが9であり、コギングトルク
が低減し、小形且つ薄型化に適したブラシ付きモータを
実現できる。また、同相の第1突極の最大トルクに対し
て第2突極と第3突極の最大トルクの発生が±電気角2
0°以内の位相差に収まるようになり、1突極当りの最
大トルクの3倍に近い合成トルクが発生し、その間、他
の2相の突極は非励磁又は発生トルクが零の状態とな
り、制動トルクを発生しない。高トルク定数のブラシ付
きモータを実現できる。
【0064】 第2発明のP=15の場合、第3の発
明のP=18の場合も、第1の発明と同様の効果を得る
ことができる。
【0065】 電機子がスター結線の場合は更なるコ
ギングトルクの低減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る永久磁石界磁形
ブラシ付モータを示す概略平面図である。
【図2】同永久磁石界磁形ブラシ付モータのY結線の電
機子巻線を示す概略図である。
【図3】同永久磁石界磁形ブラシ付モータを回転方向に
沿って展開した状態を示す展開図である。
【図4】(a)〜(e)は突極磁極と永久磁石界磁との
回転角度による発生トルクの推移を説明するための概略
図である。
【図5】(a)はU相の発生トルクの推移を示すグラ
フ、(b)はW相の発生トルクの推移を示すグラフ、
(c)はW相の発生トルクの推移を示すグラフ、(d)
は転流モードの推移を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る永久磁石界磁形
ブラシ付モータを回転方向に沿って展開した状態を示す
展開図である。
【図7】同永久磁石界磁形ブラシ付モータのΔ結線の電
機子巻線を示す概略図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る永久磁石界磁形
ブラシ付モータを示す概略平面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る永久磁石界磁形
ブラシ付モータを示す概略平面図である。
【図10】従来の扁平形電機子を持つ小形の永久磁石界
磁形ブラシ付モータを示す分解斜視図である。
【図11】図10に示す永久磁石界磁形ブラシ付モータ
におけるロータを示す側面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40…永久磁石界磁形ブラシ付モー
タ 11…永久磁石界磁(ステータ) 12…電機子(ロータ) 13…6セグメントのコミテータ K,K1 〜K18…コアの突極 Mg,M1 〜M4 …永久磁石磁極 S,S11,S12,S21,S22,S31,S32…セグメント U相の電機子巻線…U1 + ,U2 - ,U3 - ,U3 +
4 - ,U4 + ,U5 +,U5 - ,U6 -6 V相の電機子巻線…V1 + ,V2 - ,V3 - ,V3 +
4 - ,V4 + ,V5 +,V5 - ,V6 -6 W相の電機子巻線…W1 + ,W2 - ,W3 - ,W3 +
4 - ,W4 + ,W5 +,W5 - ,W6 -61,2,3 …リード線 B+ …正極ブラシ B- …負極ブラシ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−193539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 23/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向等間隔に配列された磁極数Mの
    永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁と、円周方向等間隔に
    配列された磁極数Pの突極を持ち前記突極に集中巻で巻
    装された電機子巻線を有する電機子と、6セグメントの
    コミテータとを備えた永久磁石界磁形ブラシ付モータに
    おいて、 M=4,且つP=9であり、 前記電機子は前記電機子巻線を3個直列に接続した相を
    3相接続して成り、3相のうち任意の相を第1相,第2
    相、第3相とすると、第1相に属する突極群は、第1突
    極と、この第1突極に対し回転方向前側に第3相に属す
    る第3突極を置いて一つ飛びで離れた第2突極と、前記
    第1突極に対し回転方向後側に第2相に属する第2突極
    を置いて一つ飛びで離れた第3突極とから成り、いずれ
    の相の第1突極の巻線に対して同相の第2突極の巻線及
    び第3突極の巻線が逆巻きとなっていることを特徴とす
    る永久磁石界磁形整ブラシ付モータ。
  2. 【請求項2】 円周方向等間隔に配列された磁極数Mの
    永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁と、円周方向等間隔に
    配列された磁極数Pの突極を持ち前記突極に集中巻で巻
    装された電機子巻線を有する扁平形電機子と、6セグメ
    ントのコミテータとを備えた永久磁石界磁形ブラシ付モ
    ータにおいて、 M=4,且つP=15であり、 前記電機子は前記電機子巻線を5個直列に接続した相を
    3相接続して成り、3相のうち任意の相を第1相,第2
    相、第3相とすると、第1相に属する突極群は、第1突
    極と、この第1突極に対し回転方向前側に順に第3相の
    第4突極,第2相の第3突極,第2相の第5突極を置い
    て3つ飛びに離れた第2突極と、この第2突極の回転方
    向前側に順に第3相の第1突極,第2相の第4突極を置
    いて2つ飛びで離れた第3突極と、前記第1突極に対し
    回転方向後に順に第2相の第2突極,第3相の第5突
    極,第3相の第3突極を置いて3つ飛びに離れた第4突
    極と、この第4突極の回転方向後側に順に第2相の第1
    突極,第3相の第2突極を置いて2つ飛びに離れた第5
    突極とから成り、いずれの相の第1突極の巻線に対し
    て、同相の第3突極の巻線及び第5突極の巻線が同向き
    巻きであると共に、同相の第2突極の巻線及び第4突極
    の巻線が逆巻きとなっていることを特徴とする永久磁石
    界磁形整ブラシ付モータ。
  3. 【請求項3】 円周方向等間隔に配列された磁極数Mの
    永久磁石磁極を持つ永久磁石界磁と、円周方向等間隔に
    配列された磁極数Pの突極を持ち前記突極に集中巻で巻
    装された電機子巻線を有する扁平形電機子と、6セグメ
    ントのコミテータとを備えた永久磁石界磁形ブラシ付モ
    ータにおいて、 M=4,且つP=18であり、 前記電機子は前記電機子巻線を6個直列に接続した相を
    3相接続して成り、3相のうち任意の相を第1相,第2
    相、第3相とすると、第1相に属する突極群は、第1突
    極と、この第1突極に対し回転方向前側に順に第3相の
    第6突極,第3相の第5突極,第2相の第4突極を置い
    て3つ飛びに離れた第2突極と、この第2突極の回転方
    向前側に隣接した第3突極と、この第3突極の回転方向
    前側に順に第3相の第1突極,第2相の第6突極,第2
    相の第5突極を置いて3つ飛びに離れた第4突極と、第
    1の突極に対し回転方向後側に順に第2相の第3突極,
    第2相の第2突極,第3相の第4突極を置いて3つ飛び
    に離れた第5突極と、この第5突極の回転方向後側に隣
    接した第6突極とから成り、いずれの相の第1突極の巻
    線に対して、同相の第4突極の巻線が同向き巻きである
    と共に、同相の第2突極,第3突極,第5突極及び第6
    突極のそれぞれの巻線が逆巻きとなっていることを特徴
    とする永久磁石界磁形整ブラシ付モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記3相接続の電機子はスター結線であること
    を特徴とする永久磁石界磁形整ブラシ付モータ。
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