JP3238879B2 - 火災検出消火システム - Google Patents

火災検出消火システム

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JP3238879B2
JP3238879B2 JP06444897A JP6444897A JP3238879B2 JP 3238879 B2 JP3238879 B2 JP 3238879B2 JP 06444897 A JP06444897 A JP 06444897A JP 6444897 A JP6444897 A JP 6444897A JP 3238879 B2 JP3238879 B2 JP 3238879B2
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博志 石田
慎樹 大森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリーナやホール
等の比較的大きな空間での火災を監視し、火災を検出し
た際に消火用水を放水して消火する火災検出消火システ
ムに関し、特に火災検出から消火用水の放水までを全て
自動的に行うようにした火災検出消火システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アリーナやホール等の大きな利用
空間をもつ施設における火災の監視と消火を行う火災検
出消火システムとして、走査型火災検出装置と放水ノズ
ル装置を組合わせたシステムが知られている。このよう
な火災検出消火システムにあっては、警戒区域を上部か
ら見渡せる位置に、走査型の火災検出装置を設置し、光
学的な水平走査と垂直走査によって警戒区域を二次元走
査し、赤外線センサに対する入射光の受光信号が閾値レ
ベルを越えたときに火源と判断する。
【0003】制御装置は、火源を検出したときの火災検
出装置の水平及び垂直走査角に基づき火源の座標位置を
求め、放水ノズル装置の放水方向と放水距離を制御す
る。例えば放水ノズル装置は、俯仰角を固定した放水ノ
ズルを水平回りに旋回自在に備えており、放水ノズルの
旋回制御により火源に放水方向を設定し、放水距離は放
水ノズルに供給する放水圧力によって設定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の火災検出消火システムにおける放水開始の制御
は、オペレータの判断による手動操作を基本としてい
る。この理由は、走査型火災検出装置と放水ノズル装置
を組合わせた火災検出消火システムが、監視員が24時
間体制で勤務する比較的規模の大きな施設に設置されて
おり、夜間等にあっても完全に無人になることがないた
めであり、火災検出から放水ノズルの制御までは自動化
されているが、放水準備が完了した状態での実際の放水
の開始は、監視員の手動操作で行うようにしている。
【0005】しかしながら、走査型火災検出器と放水ノ
ズル装置を組合わせた火災検出消火システムの普及に伴
って評価が高まり、アリーナやホールといった大規模な
施設のみならず、例えば従来、分離型の減光式煙検出装
置を設置していたような体育館や公共施設等の比較的規
模の小さな施設についても設置されるに至っている。こ
のような施設では、24時間の監視体制はなく、夜間等
は無人となり、従来の手動操作による放水起動のシステ
ムでは対応できない。また24時間体制の施設であって
も、監視員が一時的に監視室から離れる場合があり、こ
の間、無人状態となり、同様な問題が起きる。
【0006】そこで、走査型火災検出器と放水ノズル装
置を組合わせた火災検出消火システム火災についても、
火災検出で自動的に放水を開始できるようにすることが
考えられる。しかし、自動放水制御を採用した場合は、
火災検出時、自動的に放水が開始されることとなり、た
とえ短い時間の放水で消火が完了しても、無人状態では
放水を止めようがないため、消火用水が無くなるまで放
水してしまうことになり、水損被害がかなり大きくなる
ことが予想される。また、火災検出装置の誤報時にあっ
ても自動的に放水が行われるため、同様に水損被害が大
きくなることが予想される。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、放水制御を完全自動化すると同時に、放水
による水損を最小限に抑え、且つ真火災に対しては迅速
且つ確実に消火できるようにした火災検出消火システム
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は次のように構成する。まず本発明の火災検出
消火システムは、警戒区域で検出された火源の位置に向
けて消火ポンプ設備から消火配管に設けられた常時閉の
制御弁を介して消火用水を放水する放水ノズル装置と、
警戒区域の火災を検出して火災検出信号を出力する火災
検出装置とを備え、制御装置で火災検出装置からの火災
検出情報信号を受けて予め設定した自動放水条件を満足
したと判断した場合に、放水開始までの遅延時間を設定
した放水遅延タイマを作動し、放水遅延タイマによる遅
延時間の経過時に制御弁を開放制御して放水ノズル装置
からの放水を開始させ、放水の開始と同時に、放水開始
から放水停止までの放水時間を設定した放水停止タイマ
を作動し、放水停止タイマによる放水時間の経過時に制
御弁を閉止制御して放水ノズル装置の放水を停止させ、
放水停止タイマによる放水停止後に、自動放水条件を満
足する条件より緩やかな自動放水再開条件を満足した場
合には、制御弁を開放制御して放水ノズル装置からの放
水を再度開始させ無人であっても確実に消火できるよう
にすることを基本とする。
【0009】ここで、制御装置は、例えば火災検出装置
で蓄積処理を行った結果出力される火災検出情報信号を
受けた場合に、自動放水条件を満足したと判断する。即
ち、火災検出装置で蓄積処理を行い、一過性の誤報によ
る自動放水を回避する。また制御装置は、少なくとも2
つの火災検出装置からの火災検出情報信号を受けた場合
に、自動放水条件を満足したと判断する。即ち、2つの
火災検出装置が同時に誤報を出すことはなく、2つの火
災検出装置からの火災検出情報信号を受ければ、火災で
あることに間違いないことから、自動放水条件を満足し
たと判断して放水を開始させる。
【0010】また本発明は、火災検出装置を少なくとも
2つ設け、火災検出装置のいずれもが所定レベル以上の
検出信号を所定時間継続して検出した場合に、火災検出
情報信号を出力し、制御装置は、前記少なくとも2つの
火災検出装置からの火災検出情報信号を受けた場合に、
自動放水条件を満足したと判断することを特徴とする
【0011】また本発明は、少なくとも2つの火災検出
装置は、警戒区域を見下ろす位置に設置され、警戒区域
の光学的な二次元走査により火源を監視し、火源検出時
に火源の位置情報信号を出力する走査型の火災検出装置
であることを特徴とする
【0012】また本発明は、2つの走査型の火災検出装
置からの火源の位置情報信号を受けて、同一の火源であ
ると判断した場合に、自動放水条件を満足したと判断す
ることを特徴とする
【0013】また本発明は、火災検出装置の一方は、警
戒区域を見下ろす位置に設置され、警戒区域の光学的な
二次元走査により火源を検出して火源位置信号を出力す
る走査型の火災検出装置であり、火災検出装置の他方
は、警戒区域に設置され火災によって発生する煙や炎等
を検出して火災検出情報信号を出力する走査型の火災検
出装置以外の火災検出装置であることを特徴とする
【0014】また本発明は、火災検出装置を少なくとも
2つ設け、該少なくとも2つの火災検出装置からの火災
検出情報信号を受けた場合に、自動放水条件を満足した
と判断することを特徴とする
【0015】また本発明は、火災検出装置を少なくとも
2つ設け、少なくとも2つの火災検出装置からの火災検
出情報信号を所定時間継続して受けた場合に、自動放水
条件を満たしたと判断することを特徴とする
【0016】また本発明は、少なくとも1つの火災検出
装置からの火災検出情報信号を受けた場合に、自動放水
再開条件を満足したと判断することを特徴とする
【0017】また本発明において、制御装置は、火災検
出装置で検出した火源の大きさに応じて、自動放水条件
を満足したと判断してから放水開始までの遅延時間を設
定した放水遅延タイマのタイマ時間を設定し、自動放水
条件を満足したと判断した場合に、設定した放水遅延タ
イマを作動し、放水遅延タイマによる遅延時間経過後に
放水ノズル装置からの放水を開始させることを特徴とす
【0018】また本発明において、制御装置は、火災検
出装置で検出した火源の大きさに応じて、放水開始から
放水停止までの放水時間を設定した放水停止タイマのタ
イマ時間を設定し、自動放水の開始と同時に、設定した
該放水停止タイマを作動し、放水停止タイマによる放水
時間の経過後に放水ノズル装置からの放水を停止させる
ことを特徴とする
【0019】また本発明において、制御装置は、放水ノ
ズル装置からの放水を行う場合に、放水ノズルを上下及
び左右に可変制御することを特徴とする
【0020】また本発明は、全自動モードでの動作中に
点灯する全自動モード表示器を備えたことを特徴とす
【0021】また本発明は、放水停止タイマの設定時間
として、所定の火災模型を想定火源として火災検出から
消火までを行うシステム総合実験における消火までの時
間に所定の安全率でなる係数を掛けた時間を設定するこ
とを特徴とする
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の火災検出消火シス
テムの構成図である。図1において警戒区域11に対し
ては、2台の走査型火災検出装置10a,10bと同じ
く2台の放水銃12a,12bが設置される。走査型火
災検出装置10a,10bは警戒区域11を上部より見
渡せる位置に設置されており、この実施形態にあっては
警戒区域11を2つに分けて、それぞれ走査型火災検出
装置10a,10bで監視している。
【0026】走査型火災検出装置10a,10bは、警
戒区域11に対し水平回りと垂直回りの光学的な二次元
走査を行っており、この光学的走査により警戒区域11
から得られる入射光を赤外線センサに集光して受光検出
信号に変換し、所定レベル以上の受光検出信号を所定時
間継続して検出した場合(蓄積処理)には、火災検出信
号及び火源位置データ(水平走査角度データ、垂直走査
角度データ)からなる火災検出情報信号を出力する。
【0027】更に具体的には、走査中に所定レベル以上
の受光検出信号を検出した場合には、所定レベル以上の
受光検出信号が得られた水平方向の幅の中心位置で水平
走査位置を一旦停止して固定し、垂直走査のみだけを行
い、この状態で所定レベル以上の受光検出信号を所定時
間継続して検出した場合(蓄積処理)に、火災と判断し
て火災検出信号及び火源位置データ(水平走査角度デー
タ、垂直走査角度データ)からなる火災検出情報信号を
出力する。
【0028】尚、所定時間継続して所定レベル以上の受
光検出信号が得られなかった場合は、一過性のノイズ等
による誤報と判断して、水平走査を開始して通常監視状
態に戻る。放水銃12a,12bは、警戒区域11を2
つの区域に分けてそれぞれ設置されており、この実施形
態にあっては、ノズル仰角は例えば15°に固定されて
おり、このノズルを水平回りに旋回自在としている。放
水銃12a,12bに対しては消火ポンプ設備18より
消火配管26が接続される。
【0029】消火ポンプ設備18には消火ポンプ20、
水源22及びポンプ制御盤24が設けられている。また
放水銃12aに対しては放水銃制御盤28a,28b及
び現地操作卓30a,30bが設けられている。警戒区
域に設置された走査型火災検出装置10a,10b及び
放水銃12a,12bに対しては、監視センタ側に制御
装置14を設けている。制御装置14に対しては操作表
示部16が設けられ、火災検出と消火に必要な各種の設
定、操作及び表示ができるようにしている。また、CR
T装置17が設けられ、警戒区域における火源位置、放
水銃の位置、放水銃の擬似放水パターン等がグラフィッ
ク表示される。
【0030】またこの実施形態にあっては、放水銃12
a,12bによる消火の様子を監視するための専用のI
TVカメラ36a,36bと、警戒区域11を監視する
ための監視用ITVカメラ38a,38bが設置され
る。ITVカメラ36a,36bはセンタ側からの遠隔
制御により、その指向方向、ズームが自由に制御でき、
警戒区域11で発生した火災に対する放水銃12a,1
2bによる放水の様子がセンタ側でモニタできるように
している。
【0031】監視用ITVカメラ38a,38bは警戒
区域11に対し固定的に設置されており、警戒区域11
の状況を固定画面によって監視できるようにしている。
ITVカメラ36a,36b及び監視用ITVカメラ3
8a,38bはセンタ側のITV制御装置40に接続さ
れ、任意のカメラ選択により必要な画像をITVモニタ
42に映し出せるようにしている。更に、ITV制御装
置40は、制御装置40と接続され、制御装置40で演
算される火源位置座標により出力される指向方向データ
等を受けてITVカメラ36a,36bを火源方向に指
向するよう自動的に制御できるようにしている。
【0032】更にこの実施形態にあっては、警戒区域1
1に光電式分離型感知器32を設置している。光電式分
離型感知器32は、発光部32aと受光部32bを所定
の監視距離を離して対向配置しており、煙による発光部
32aからの光の減衰を受光部32bで捕え、受光信号
が閾値レベル以下となったときに火災を検出する。この
光電式分離型感知器32はセンタ側の自火報受信盤34
に接続されており、自火報受信盤34による光電式分離
型感知器32からの発報受信の移報出力が本発明の火災
検出消火システムの制御装置14に供給されている。
【0033】図2は図1の制御装置14の機能ブロック
であり、警戒区域11側に設置した機器と共に示してい
る。図2において、制御装置14は、火災検出情報演算
処理部44、モード設定部46、自動放水条件判定部4
8、放水遅延タイマ50、放水停止タイマ52、自動放
水再開条件判定部54及び放水起動停止制御部56を備
えており、これらの機能ブロックを全体制御部58によ
り取りまとめている。
【0034】火災検出情報演算処理部44は、警戒区域
に設置した走査型火災検出装置10a,10bからの火
災検出信号及び火源位置データからなる火災検出情報信
号を入力し、火災検出時の火源の警戒区域における位置
座標を演算して位置信号として出力する。火災検出情報
演算処理部44で求められた火源の位置信号により全体
制御部58が演算した火源位置への旋回角度、放水距離
データは放水銃制御盤28a,28bに与えられ、放水
銃12a,12bを水平回りに旋回制御して放水ノズル
の放水方向を火源方向に設定制御すると同時に、この放
水距離データに対応した消火用水の圧力設定制御を行
う。消火用水の圧力設定制御は、図1の放水銃12a,
12bに対する消火配管26に設けている図示しない圧
力制御弁を制御することになる。
【0035】尚、全体制御部58は、火災検出情報演算
処理部44で演算された火源位置信号により放水を担当
する放水銃を選択して、選択した放水銃12の放水銃制
御盤28へのみ旋回角度、放水距離データを送ることに
なる。選択する放水銃は1台でも良いが、複数台であっ
ても良い。モード設定部46は、制御装置14による火
災検出、放水制御のモード設定を行う。モード設定部4
6による制御装置14の設定モードは、 全自動モード 半自動モード 手動モード の3つのモードがあり、スイッチ操作によりいずれかの
モードを選択することができる。更に詳細に説明する
と、この実施形態にあっては全自動モードと半自動モー
ドは次のモードの組み合わせによって実現される。
【0036】全自動モード=自動旋回モード+自動放
水モード 半自動モード=自動旋回モード+手動放水モード ここで自動旋回モードとは、制御装置14の火災検出情
報演算処理部44により走査型火災検出装置10a,1
0bからの火災検出情報信号に基づき火源の位置座標を
演算して火源位置への旋回角度、放水距離データを放水
銃制御盤28a,28bに出力し、火源位置方向に放水
銃12a,12bを旋回制御して放水方向を設定すると
同時に、放水距離に応じた圧力制御弁に設定する開度を
求め、放水準備を行うまでのモードである。
【0037】また手動放水モードとは、自動旋回モード
による放水銃の放水準備が完了した後に、制御装置14
の操作表示部16に設けている手動放水操作スイッチを
操作して手動により放水を開始させるモードを意味す
る。このため半自動モードにあっては、自動旋回モード
によって放水銃12a,12bの火源に対する放水方向
の設定と放水距離の設定までの放水準備を自動的に行
い、その後の放水開始は手動で行うことから、半自動と
している。これに対し全自動モードにあっては、自動旋
回モードに続いて自動放水モードを設定しており、自動
放水モードにあっては、操作表示部16の手動放水操作
スイッチを操作することなく、予め定めた自動放水条件
を満足したときに自動的に放水を開始するモードとな
る。
【0038】制御装置に設けた自動放水条件判定部48
は、モード設定部46で全自動モードが設定された場
合、自動放水を開始するための自動放水条件の成立を判
定する。この実施形態における自動放水条件としては、
次のものがある。 自動放水条件1:火災検出装置からの火災検出情報を受
けた場合に自動放水条件を満足したと判断する。 自動放水条件2:2台の火災検出装置からの火災検出情
報を受けた場合に自動放水条件を満足したと判断する。 自動放水条件3:2台の火災検出装置からの火災検出情
報を受け、且つ同一の火源であると判断した場合に自動
放水条件を満足したと判断する。 自動放水条件は、条件1よりも条件2、条件2よりも条
件3になる程、成立の条件が厳しいものとなる。
【0039】ここで自動放水条件2,3における2台の
火災検出装置としては、警戒区域に対し設置している走
査型火災検出装置10a,10bを意味する。また警戒
区域に対し1台しか走査型火災検出装置が設けられてい
ない場合には、他の火災検出装置、例えば光電式分離型
感知器32であってもよい。更に、警戒区域に設けてい
る2台の走査型火災検出装置10a,10bのいずれか
一方が故障により使用不能となった場合には、故障した
火災検出装置の代わりに光電式分離型感知器32からの
火災検出情報信号を使用してもよい。
【0040】尚、他の火災検出装置としては、光電式分
離型感知器に限られず、炎感知器、光電式スポット型煙
感知器、熱感知器等、適宜の感知器を使用することがで
きる。制御装置14の放水遅延タイマ50は、自動放水
条件判定部48で予め設定した自動放水条件を満足した
と判断した場合に作動され、放水遅延タイマ50による
遅延時間の経過時に放水銃12a,12bからの放水を
開始させる。このため、放水遅延タイマ50には自動放
水条件が満足されたときから放水開始までの遅延時間T
1が設定されている。放水遅延時間T1は放水開始まで
の間に監視員が手動で放水開始を停止する停止操作を可
能とする時間例えば30秒に設定される。この放水遅延
タイマ50が作動した場合には、操作表示部16におい
て放水遅延タイマ50の残り時間即ち放水開始までの時
間、カウントダウン表示されると共にカウントダウンの
音声出力を行う。カウントダウン表示は、CRT装置1
7でも同様に行われる。また、現地操作卓30a,30
bにおいて、カウントダウンの表示または音声出力して
も良い。
【0041】そして放水遅延タイマ50の作動により設
定されている放水遅延時間T1が経過すると、放水起動
停止制御部56によって放水銃12a,12bによる放
水を開始するための制御が行われる。即ち、ポンプ制御
盤24及び放水銃制御盤28a,28bに制御信号を出
力することで消火ポンプ設備18の消火ポンプを起動
し、且つ放水銃12a,12bに対する消火配管に設け
ている放水圧力制御弁を開いて、放水を開始させる。
【0042】全自動モードで放水が開始されると、制御
装置14に設けている放水停止タイマ52が作動する。
放水停止タイマ52には、全自動モードによる自動放水
開始から放水停止までの放水時間T2が設定されてい
る。放水時間T2は、火源の消火が確実にでき且つ水損
の被害を最小限に抑えられるような適宜の時間が設定さ
れている。
【0043】放水時間T2の設定時間は、所定の火災模
型を想定火源として火災検出から消火までを行うシステ
ム総合実験を行い、実験における消火までの時間に所定
の係数を掛けた時間が設定される。この係数とは、無人
の場合に確実に消火できないのでは被害が大きくなるの
で、確実に消火できる安全率のことである。例えば実験
において、80秒で消火できたとすれば、放水時間T2
には、この80秒に係数例えば3が掛けられて240秒
が設定される。
【0044】放水停止タイマ52の作動により設定され
た放水時間T2が経過すると自動的に放水停止が行われ
る。この放水停止は一時的なものであり、消火ポンプ設
備18のポンプ運転は停止することなく、放水銃12
a,12bに対する消火配管に設けている放水圧力制御
弁を閉鎖する。ここで放水遅延タイマ50または放水停
止タイマ52の作動中に操作表示部16、現地操作卓3
0a,30bに設けている緊急停止スイッチの操作によ
る停止操作信号を受けると、タイマ停止が行われる。即
ち、放水遅延タイマ50が緊急停止スイッチの操作によ
り停止された場合には、自動放水の開始が禁止される。
また放水停止タイマ52が緊急停止スイッチの操作によ
り作動を停止された場合には、それまで行っていた放水
を停止することになる。
【0045】放水停止タイマ52の作動による放水時間
T2の経過後に放水停止が行われると、自動放水再開条
件判定部54が起動し、放水を停止した後に予め設定し
た自動放水再開条件を満足した場合に放水銃12a,1
2bから放水を再度開始させるように制御する。この自
動放水再開条件としては、走査型火災検出装置10a,
10bのいずれか一方から火災検出情報信号を受けた場
合に自動放水再開条件を満足したものと判断して放水を
再開するように制御する。
【0046】即ち、自動放水再開条件は、既に自動放水
条件判定部48により誤報防止を考慮して定められた自
動放水条件を満足して一度自動放水が行われた後の火災
検出であり、この場合、誤報である可能性は低く、完全
に火災が消火できていない可能性が大きいことから、1
台の火災検出装置からの信号により直ちに放水を再開す
るようにしている。
【0047】図3は図2の制御装置14に設けた操作表
示部16の実施形態である。この操作表示部16は卓上
に設置可能な操作卓として構成されており、卓上に置い
た状態で平面的に見て表わしている。操作表示部16の
手前中央には、モード設定のためのスイッチが設けられ
ている。即ち、手動旋回モード設定スイッチ60、自動
旋回モード設定スイッチ62、手動放水モード設定スイ
ッチ64及び自動放水モード設定スイッチ66を設けて
いる。
【0048】ここで本発明の全自動モードにあっては、 全自動モード=自動旋回モード+自動放水モード であることから、自動旋回モード設定スイッチ62と自
動放水モード設定スイッチ66の2つを操作することで
全自動モードの設定状態となる。この全自動モードの設
定は、例えば夜間など無人となる場合に設定する。また
自動放水モード設定スイッチ66については、誤設定を
防止するため透明なスイッチカバー67が設けられてお
り、スイッチカバー67を開いて意識的に自動放水モー
ド設定スイッチ66を操作するようにしている。
【0049】一方、この実施形態において半自動モード
は 半自動モード=自動旋回モード+手動放水モード となっていることから、自動旋回モード設定スイッチ6
2と手動放水モード設定スイッチ64を操作することで
半自動モードを設定することができる。監視員がセンタ
にいる場合には、この半自動モードを設定することが望
ましい。
【0050】半自動モードにあっては、放水銃を火源に
向けて放水距離を制御するまでは自動旋回モード設定ス
イッチ62の操作による自動モードであるが、放水銃の
放水準備が完了した後の放水開始は手動放水モード設定
スイッチ64の設定モードによる手動放水であり、この
手動放水開始は上部右側に設けている手動放水操作スイ
ッチ70により行う。手動放水操作スイッチ70は別に
設けられるキーを差し込むことで位置を切替操作できる
キースイッチであり、中央の定位置に対し右側に放水起
動位置、左側に放水停止位置の切替位置を持っている。
【0051】更に、手動モードは、手動旋回モード設定
スイッチ60の操作で設定できる。この手動モードを設
定した場合には、放水銃の選択、放水銃の旋回及び放水
距離の設定、更に放水起動の全てが手動操作となる。手
動旋回モード設定スイッチ60を操作した場合には、手
前左側に設けている現場の放水銃12a,12bに対応
した放水銃選択スイッチ77a,77bの中から消火に
適切な放水銃に対応したスイッチを操作し選択する。ま
た、操作権が現地操作卓にある場合には、現場の放水銃
に対応した操作権取得スイッチ78a,78bの中の放
水を行う放水銃に対応したスイッチを操作し、現地操作
卓から操作権をセンタ側の操作表示部16に移す。この
状態で手前右側に設けている旋回キースイッチ80a,
80bを操作して放水銃を左方向または右方向に旋回制
御し、火源に向ける。更に、旋回キースイッチ80a,
80bの手前側に設けてある放水距離に対応した射程を
選択設定する射程選択スイッチ81a(遠),81b
(中),81c(近),81d(直近)の中から、放水
距離に対応したスイッチを操作し選択する。この手動操
作の際には、図1の警戒区域11に設けている放水銃用
の専用のITVカメラ36a,36bからのモニタ画像
をITVモニタ42で見ながらやCRT装置17の火源
表示、放水銃の擬似放水パターン表示を見ながら旋回操
作を行うことになる。そして旋回操作が完了したなら
ば、手動放水操作スイッチ70にキーを差し込んで放水
位置に回すことで、手動放水を行う。
【0052】更に操作表示部16の上部側には、全自動
モードの設定時に点灯する全自動モード表示器72が設
けられる。全自動モード表示器72の手前にはカウント
ダウン表示部74が設けられ、図2の制御装置14に設
けている自動放水条件判定部48によって全自動モード
における自動放水条件が満足したことが判断されて放水
遅延タイマ50が作動すると、その放水遅延時間T1例
えば30秒がカウントダウン表示部74に表示され、放
水遅延タイマ50の作動に伴う放水開始までの残り時
間、即ち残り秒数のカウントダウン表示が行われる。
【0053】またカウントダウン表示部74の左側の音
響孔76の内部にはスピーカが内蔵されており、音声合
成等により放水遅延タイマ50の作動中の放水開始まで
の残り時間を示すカウントダウンの音声メッセージ出力
を行う。例えば放水開始10秒前までは10秒ごとに
「放水開始まであと〇〇秒です」との音声メッセージを
出力し、放水開始前10秒に達したら「10,9,8,
7,6,5,4,3,2,1,0、自動放水を開始しま
す」との音声メッセージを出力する。
【0054】更に操作表示部16のモード設定スイッチ
の手前側には緊急停止スイッチ68が設けられている。
緊急停止スイッチ68には誤操作を防止するため、自動
放水モード設定スイッチ66と同様、スイッチカバー6
9が設けられている。緊急停止スイッチ68は、全自動
モードを設定した状態で自動放水条件が満足されて放水
遅延タイマ50による放水開始までのカウントダウン中
に操作すると、放水遅延タイマ50の作動停止即ちリセ
ットを行ない、これによって自動放水を停止することが
できる。
【0055】また放水遅延タイマ50がタイムアップし
て自動放水が開始された放水中に緊急停止スイッチ68
を操作すると、放水停止タイマ52の作動を停止し、強
制的に放水を停止することができる。また緊急停止スイ
ッチ68の操作以外による全自動モードの解除は、モー
ド切替えによっても実現できる。即ち、全自動モードか
ら半自動モードもしくは手動モードの切替操作を行う
と、全自動モードによるその時の制御が全て解除でき
る。具体的には、全自動モードの設定状態で手動放水モ
ード設定スイッチ64を押せば全自動モードを解除して
半自動モードに切り替わり、また手動旋回モード設定ス
イッチ60を押せば全自動モードを解除して手動モード
に切り替わる。
【0056】尚、図3の操作表示部16にあっては、手
動旋回モード設定スイッチ60、自動旋回モード設定ス
イッチ62、手動放水モード設定スイッチ64及び自動
放水モード設定スイッチ66を使用して、その組み合わ
せにより全自動、半自動または手動の各モードを設定す
るようにしているが、手動モード、半自動モード及び全
自動モードの3つのモード選択スイッチを設けるように
してもよいことはもちろんである。
【0057】図4は本発明の火災検出消火システムによ
る火災発生時の処理手順のフローチャートである。図4
において、ステップS1で火災が発生すると、そのとき
の設定モードに応じた処理が行われる。まず全自動モー
ドが設定されていた場合の処理を説明する。この実施形
態にあっては、全自動モードは、 全自動モード=自動旋回モード+自動放水モード であることから、ステップS2〜5の自動旋回モードに
よる処理と、ステップS6〜S19の自動放水モードに
よる処理が行われる。
【0058】まずステップS2の自動旋回モードに進
み、ステップS3で走査型火災検出装置10aまたは1
0bによる火災検出の発見が行われる。走査型火災検出
装置10a,10bは警戒区域を2次元走査し、所定レ
ベル以上の受光検出信号を所定時間継続して検出すると
火災検出信号及び火源位置データからなる火災検出情報
信号を制御装置14に送信する。制御装置14では、こ
の走査型火災検出装置による火災検出情報を受けて、ス
テップS4に示すシステム監視制御が行われる。即ち、
火災一括表示、警報出力、火災位置特定演算、ITVカ
メラ自動制御が行われ、この結果、CRT装置17に対
する火災位置表示やITVモニタに対する火災状況表示
が行われる。
【0059】次に、ステップS5で、火災位置特定の演
算により得られた火源の位置信号に基づき放水銃12
a,12bの選択と選択した放水銃に対する旋回制御に
よる放水方向の設定、及び放水距離に基づいた圧力設定
による放水準備のための制御が放水銃制御盤に対して行
われる。このようなステップS2〜S5の自動旋回モー
ドによる制御が終了すると、ステップS6の自動放水モ
ードの制御に移行する。
【0060】ステップS6からの自動放水モードの制御
にあっては、ステップS7で2台の走査型火災検出装置
10a,10bの両方から火災検出情報信号が得られる
か、即ちANDの感知条件を満たしているか否かチェッ
クしている。これは前述した自動放水条件2に相当す
る。ステップS7でAND感知条件としての自動放水条
件が満足すると、ステップS8に進み、センタ側の制御
装置14における放水遅延タイマ50の自動起動が行わ
れる。
【0061】この放水遅延タイマ50の自動起動に伴
い、ステップS9で図3のカウントダウン表示部74に
おけるカウントダウン表示、更には音響孔76からの音
声メッセージによるカウントダウンの報知が行われる。
ステップS10で放水遅延タイマ50の設定時間T1が
経過してタイマ終了となると、ステップS11に進み、
自動放水起動が行われる。
【0062】即ち、消火ポンプ設備18の消火ポンプ2
0をポンプ制御盤24によって起動し、また選択した放
水銃12aまたは12bに設けている放水圧力制御弁を
予め設定した放水距離に対応した開度に自動開放制御
し、これによってステップS12で放水銃からの放水開
始が行われる。放水が開始されると、ステップS13で
制御装置14に設けている放水停止タイマ52が自動起
動し、ステップS14で放水時間T2を経過するとタイ
マ終了となり、ステップS15で放水停止を行う。即
ち、放水を行った放水銃に対する放水圧力制御弁を閉鎖
することで放水停止とする。
【0063】続いてステップS16で走査型火災検出装
置10a,10bによる監視走査を再開し、ステップS
17で、自動放水再開条件として1台の走査型火災検出
装置10aまたは10bが火災検出するか否かをチェッ
クする。もし1台の走査型火災検出装置10aまたは1
0bからの火災検出が行われると、放水後に再度燃え上
がったような場合であることから、ステップS19に進
み、そのときの火源の位置信号に基づく放水銃の自動選
択、自動旋回及び、放水距離となる自動射程設定を行っ
て、ステップS25で放水を再開する。
【0064】一方、ステップS17で走査型火災検出装
置からの火災検出がなければ、ステップS18で通常の
状態監視に入る。その後の処理は、通常、全自動モード
は無人状態で行われていることから、火災通報を受けた
管理者等が出向いてくることにより現場の状況を判断し
て火災を確認したら、手動操作により消火ポンプ設備の
停止等の復旧を行うことになる。
【0065】次に半自動モードの処理を説明する。半自
動モードは、この実施形態にあっては、 半自動モード=自動旋回モード+手動放水モード となる。このためステップS1の火災発生に対し、全自
動モードの場合と同様、ステップS2〜S5の自動旋回
モードによる処理を行った後、ステップS20以降の手
動放水モードに移行する。この手動放水モードにあって
は、ステップS5で放水銃の自動選択、自動旋回、放水
距離に対応した自動射程設定が行われていることから、
ステップS21では待機状態に入る。続いてステップS
22で、現場の目視あるいはITV等により火災状況を
確認し、ステップS23で、監視員が図3に示した操作
表示部16の手動放水スイッチ70にキーを差し込んで
放水位置に操作する放水操作を行う。この手動放水操作
を受けて、ステップS24でポンプ起動と放水圧力制御
弁の自動制御が行われ、ステップS25で、手動による
放水が開始される。
【0066】そしてステップS26で鎮火が確認できた
ら、ステップS27で防災要員による鎮火確認を目視も
しくはITV等で行い、ステップS28で操作表示部1
6の手動放水スイッチ70を放水停止位置に操作する
と、ステップS29で放水圧力制御弁の閉止制御が行わ
れる。またステップS30で消火ポンプ設備18のポン
プ停止を手動で行ってもよい。
【0067】次に手動モードの処理を説明する。手動モ
ードは、この実施形態にあっては、 手動モード=手動旋回モード となる。このため、ステップS1の火災発生に対し、ス
テップS31の手動旋回モードに進み、ステップS32
で人(監視員)による火災の発見が行われる。次にステ
ップS33に進み、監視員は、ITVモニタ42やCR
T装置17で火源とシステムの状態を確認しながら、適
切な放水銃の選択、放水銃の旋回及び放水距離に対応し
た射程の選択を操作表示部16又は現地操作卓30a,
30bに設けてある各種スイッチを操作して行う。この
後の処理は半自動モードの処理のステップS21〜30
と同様である。
【0068】ここで、上記の実施形態にあっては、図1
の警戒区域11に対し走査型火災検出装置10a,10
bと放水銃12a,12bが個別に設置されているが、
比較的規模の小さな施設を対象としたシステムにあって
は、走査型火災検出装置と放水ノズルが一体化されたユ
ニットが使用されている。この走査型火災検出装置と放
水ノズルを一体化したユニットにあっては、走査型火災
検出装置で火源を検出すると、その火源検出方向に検出
器が停止し、この停止位置に放水ノズルを連動制御する
ことで放水方向を自動的に設定し、この状態で放水距離
に応じた放水圧力制御弁の制御で放水を行う。放水距離
が短い場合には、放水圧力を一定とし、方向のみを制御
して放水するようにしても良い。このような走査型火災
検出装置と放水ノズルの一体化ユニットを使用した火災
検出消火システムにあっても、上記の実施形態と同様に
して全自動モードによる放水制御が適用できる。
【0069】この走査型火災検出装置とノズルの一体化
ユニットを使用した火災検出消火システムとしては、例
えば特開平8−38645号、同8−38646号、同
8−38647号に開示されたものが使用できる。次に
本発明の第2実施形態を説明する。図1の実施形態にあ
っては、走査火災検出装置10a,10b側で蓄積処理
し、その結果を火災検出情報信号としてセンタの制御装
置14に送っているが、他の実施形態として制御装置1
4側で蓄積処理を行うようにしてもよい。
【0070】即ち、火災検出装置からアナログ信号、例
えば図1の走査型火災検出装置10a,10bでは、光
学的走査により警戒区域11から得られる入射光を赤外
線センサに集光して受光検出信号に変換して、火源の放
射エネルギに応じた信号レベルをもつ受光検出信号と走
査位置データ(水平走査角度データ、垂直走査角度デー
タ)からなる火災検出情報信号を監視センタの制御装置
14に送り、制御装置14側で所定レベル以上のアナロ
グ信号を所定時間継続して検出した場合(蓄積処理)
に、自動放水条件を満足したと判断する。
【0071】この場合、火災判断の確実性を向上させる
ため、制御装置14は、少なくとも2つの走査型火災検
出装置からの火災検出情報信号を所定時間継続して受け
た場合に、自動放水条件を満足したと判断するようにし
てもよい。また走査型火災検出装置10a,10b及び
制御装置14のいずれについても蓄積処理を行わず、制
御装置14において少なくとも2つの走査型火災検出装
置10a,10bからの火災検出情報信号を受けた場合
に、自動放水条件を満足したと判断してもよい。
【0072】また本発明の第3実施形態にあっては、火
源の大きさに対応して図2の制御装置14に設けている
放水遅延タイマ50及び放水停止タイマ52の時間を自
動的に設定する。即ち、制御装置14は、走査型火災検
出装置10a,10bからのアナログ信号と走査位置デ
ータ(水平走査角度データ、垂直走査角度データ)から
なる火災検出情報信号を受けることで、火源の大きさ
(検出レベルの大きさ、所定レベル以上の検出信号の幅
など)に応じて放水遅延タイマ50の遅延時間T1、及
び放水停止タイマ52の放水時間T2を設定する。
【0073】具体的には、放水遅延タイマ50の遅延時
間T1は、火源が大きい程、短くなるよう設定し、迅速
に放水できるようにする。また火源が小さい程、放水遅
延タイマ50の遅延時間T1は長くなるよう設定し、放
水開始が停止できる可能性を増やす。即ち、火源が小さ
いのであれば、人間がいる場合に消火器で消火できる可
能性があり、このような状況で放水してしまうと、放水
時間が短くとも水損の被害は免れないので、これを防ぐ
ためである。
【0074】放水停止タイマ52の放水時間T2は、火
源が大きい程、長くなるよう設定し、確実に消火できる
ようにする。また火源が小さい程、放水停止タイマ52
の放水時間T2は短くなるよう設定し、放水による水損
の被害を最小限に抑えるようにする。このような火源の
大きさに対する放水遅延タイマ50の遅延時間T1と放
水停止タイマ52の放水時間T2との関係は、実験を行
った結果に基づいて設定されたマトリクステーブルを制
御装置14に備えておくことで行う。
【0075】更に本発明の第4実施形態にあっては、放
水時に放水ノズルを、上下方向または左右方向に振る所
謂首振り放水制御を行う。図1の走査型火災検出装置1
0a,10bで警戒区域11を走査して火災を監視する
場合、火源までの距離がかなり遠くなった場合には、検
出誤差が発生する可能性が考えられ、その場合には火源
に放水が確実に的中しないことになる。
【0076】この問題を解決するため、放水銃12a,
12bから放水する場合に、放水ノズルの方向を上下お
よび又は左右に可変制御し、検出誤差があっても火源に
放水を確実に的中させる。この放水ノズルの可変制御
は、放水をしながら上下及び又は左右に可変制御しても
よいし、放水を停止してからノズル方向を可変制御し、
再び放水するという処理を繰り返してもよい。
【0077】尚、上記の実施形態にあっては、走査型火
災検出装置として光学的に二次元走査するものであった
が、赤外線カメラを走査し、熱画像処理を行って火災の
位置を検出するものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、制御装置で火災検出装置からの火災検出情報を受け
て予め設定した自動放水条件を満足したと判断した場合
に放水ノズルから放水を開始させるようにしたため、無
人監視状態での火災発生に対し自動的に放水を行って確
実に消火することができる。
【0079】また火災検出装置で蓄積処理を行った結果
出力される火災検出情報を受けた場合、2つのこの火災
検出装置からの火災検出情報を受けた場合、更には火災
検出情報から同一火源であると判断した場合について、
自動放水条件を満足したと判断することで、一過性の誤
報による自動放水を回避し、水損を最小限に抑えること
ができる。
【0080】また自動放水条件を満足したと判断した場
合に、放水遅延タイマを作動して放水開始までに所定の
遅延時間を設けたことで、この間に万一火災でなかった
ような場合には自動放水の開始を停止可能とする。また
放水遅延タイマの作動中に放水開始までの残り時間のカ
ウントダウンを表示または音声で行うことで、自動放水
開始までの残り時間が容易に分かるようにし、もし監視
員がいた場合の自動放水の際の自動放水とするか放水停
止とするかの判断が容易にできる。
【0081】また自動放水の開始で放水停止タイマを作
動し、一定時間後に放水を停止制御することで、水損被
害を最小限に抑制できる。この場合に、放水停止後に自
動放水再開条件を満足すると放水が再開され、万が一、
消火が不十分であったような場合にも、迅速に再放水に
より確実に消火できる。また自動放水再開条件は、既に
火災検出により放水が行われた後の処理であることか
ら、自動放水条件より緩やかな条件を設定し、1つの火
災検出装置からの信号を受けた場合に直ちに自動放水を
再開させることになり、放水停止後の再火災に対し迅速
且つ確実に対応できる。更に本発明のシステムは自動放
水を行う全自動モード以外に、半自動モード及び手動モ
ードの選択ができ、施設の管理体制や利用状況に合わせ
た適切な運用が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成の説明図
【図2】図1の制御装置の機能を他の機器と共に示した
ブロック図
【図3】図2の操作表示部の実施形態の説明図
【図4】本発明による火災検出消火処理のフローチャー
【符号の説明】
10a,10b:走査型火災検出装置(火災検出装置) 11:警戒区域 12a,12b:放水銃(放水ノズル装置) 14:制御装置 16:操作表示部 18:消火ポンプ設備 20:消火ポンブ 22:水源 24:ポンプ制御盤 26:消火配管 28a,28b:放水銃制御盤 32:光電式分離型感知器 34:自火報受信盤 44:火災検出情報演算処理部 46:モード設定部 48:自動放水条件判定部 50:放水遅延タイマ 52:放水停止タイマ 54:自動放水再開条件判定部 56:放水起動停止制御部 60:手動旋回モード設定スイッチ 62:自動旋回モード設定スイッチ 64:手動放水モード設定スイッチ 66:自動放水モード設定スイッチ 68:緊急停止スイッチ 70:手動放水操作スイッチ(キースイッチ) 72:全自動モード表示器 74:カウントダウン表示器 76:音響孔
フロントページの続き (72)発明者 大森 慎樹 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (72)発明者 石田 憲 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−305149(JP,A) 特開 平6−54924(JP,A) 特開 平8−168538(JP,A) 特開 昭62−82980(JP,A) 実開 昭64−31768(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62C 3/00 A62C 31/24 A62C 35/11 G08B 17/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】警戒区域で検出された火源の位置に向けて
    消火ポンプ設備から消火配管に設けられた常時閉の制御
    弁を介して消火用水を放水する放水ノズル装置と、 前記警戒区域の火災を検出して火災検出信号を出力する
    火災検出装置と、 前記火災検出装置からの火災検出情報信号を受けて予め
    設定した自動放水条件を満足したと判断した場合に、放水開始までの遅延時間を設定した放水遅延タイマを作
    動し、該放水遅延タイマによる前記遅延時間の経過時に
    前記制御弁を開放制御して前記放水ノズル装置からの放
    水を開始させ、 放水の開始と同時に、放水開始から放水停止までの放水
    時間を設定した放水停止タイマを作動し、該放水停止タ
    イマによる前記放水時間の経過時に前記制御弁を閉止制
    御して前記放水ノズル装置の放水を停止させ、 前記放水停止タイマによる放水停止後に、前記自動放水
    条件を満足する条件より緩やかな自動放水再開条件を満
    足した場合には、前記制御弁を開放制御して放水ノズル
    装置からの放水を再度開始させる 制御装置とを備えたこ
    とを特徴とする火災検出消火システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記火災検出装置を少なくとも2つ設け、該火災検出装
    置のいずれもが所定レベル以上の検出信号を所定時間継
    続して検出した場合に、火災検出情報信号を出力し、前
    記制御装置は、前記少なくとも2つの火災検出装置から
    の火災検出情報信号を受けた場合に、 前記自動放水条件
    を満足したと判断することを特徴とする火災検出消火シ
    ステム。
  3. 【請求項3】請求項に記載の火災消火システムに於い
    て、前記少なくとも2つの火災検出装置は、警戒区域を見下
    ろす位置に設置され、 警戒区域の光学的な二次元走査に
    より火源を監視し、火源検出時に火源の位置情報信号を
    出力する走査型の火災検出装置である ことを特徴とする
    火災検出消火システム。
  4. 【請求項4】請求項記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記2つの走査型の火災検出装置からの火源の位置情報
    信号を受けて、同一の火源であると判断した場合に、前
    記自動放水条件を満足したと判断する ことを特徴とする
    火災検出消火システム。
  5. 【請求項5】請求項記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記火災検出装置の一方は、警戒区域を見下ろす位置に
    設置され、警戒区域の光学的な二次元走査により火源を
    検出して火源位置信号を出力する走査型の火災検出装置
    であり、 前記火災検出装置の他方は、前記警戒区域に設置され火
    災によって発生する煙や炎等を検出して火災検出情報信
    号を出力する前記走査型の火災検出装置以外の火災検出
    装置である ことを特徴とする火災検出消火システム。
  6. 【請求項6】請求項記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記火災検出装置を少なくとも2つ設け、該少なくとも
    2つの火災検出装置からの火災検出情報信号を受けた場
    合に、自動放水条件を満足したと判断する ことを特徴と
    する火災検出消火システム。
  7. 【請求項7】請求項1記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記火災検出装置を少なくとも2つ設け、該少なくとも
    2つの火災検出装置からの火災検出情報信号を所定時間
    継続して受けた場合に、自動放水条件を満たし たと判断
    する ことを特徴とする火災検出消火システム。
  8. 【請求項8】請求項2乃至請求項7に記載の何れかの
    災検出消火システムに於いて、少なくとも1つの前記火災検出装置からの火災検出情報
    信号を受けた場合に、前記自動放水再開条件を満足した
    と判断することを 特徴とする火災検出消火システム。
  9. 【請求項9】請求項記載の火災検出消火システムに於
    いて、前記制御装置は、前記火災検出装置で検出した火源の大
    きさに応じて、自動放水条件を満足したと判断してから
    放水開始までの遅延時間を設定した放水遅延タイマのタ
    イマ時間を設定し、自動放水条件を満足したと判断した
    場合に、設定した該放水遅延タイマを作動し、該放水遅
    延タイマによる前記遅延時間経過後に前記放水ノズル装
    置からの放水を開始させる ことを特徴とする火災検出消
    火システム。
  10. 【請求項10】請求項記載の火災検出消火システムに
    おいて、前記制御装置は、前記火災検出装置で検出した火源の大
    きさに応じて、放水開始から放水停止までの放水時間を
    設定した放水停止タイマのタイマ時間を設定し、自動放
    水の開始と同時に、設定した該放水停止タイマを作動
    し、該放水停止タイマによる放水時間の経過後に前記放
    水ノズル装置からの放水を停止させる ことを特徴とする
    火災検出消火システム。
  11. 【請求項11】請求項1記載の火災検出消火システムに
    於いて、前記制御装置は、前記放水ノズル装置からの放水を行う
    場合に、放水ノズルを上下及び左右に可変制御する こと
    を特徴とする火災検出消火システム。
  12. 【請求項12】請求項に記載の火災検出消火システム
    に於いて、全自動モードでの動作中に点灯する全自動モード表示器
    を備えた ことを特徴とする火災検出消火システム。
  13. 【請求項13】請求項1記載の火災検出消火システムに
    於いて、 前記放水停止タイマの設定時間として、所定の火災模型
    を想定火源として火災検出から消火までを行うシステム
    総合実験における消火までの時間に所定の安全率でなる
    係数を掛けた時間を設定することを特徴とする火災検出
    消火システム。
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