JP3237029B2 - 動画像圧縮装置 - Google Patents

動画像圧縮装置

Info

Publication number
JP3237029B2
JP3237029B2 JP29636892A JP29636892A JP3237029B2 JP 3237029 B2 JP3237029 B2 JP 3237029B2 JP 29636892 A JP29636892 A JP 29636892A JP 29636892 A JP29636892 A JP 29636892A JP 3237029 B2 JP3237029 B2 JP 3237029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motion vector
prediction
frequency component
error energy
motion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29636892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06121298A (ja
Inventor
博康 井手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP29636892A priority Critical patent/JP3237029B2/ja
Publication of JPH06121298A publication Critical patent/JPH06121298A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3237029B2 publication Critical patent/JP3237029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動画像圧縮処理等に用
いられる動画像圧縮装置に係り、詳細には、時間軸方向
の予測を伴う動画像圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像圧縮の国際標準としてJPEG(Jo
int Photograghic Expert Group)やMPEG(Moving
Picture Expert Group)がある。
【0003】MPEGは、MPEGI,MPEGII,M
PEGIIIの3レベルの規格案が検討されている。MP
EGIでは、1.5Mbpsの通信回線で伝送できる動
画像圧縮を目的としており、おもにテレビ電話やテレビ
会議などで使用することが考えられている。MPEGI
では、現行のNTSC方式のビデオ画像を320×24
0ピクセルの解像度として扱い、1フレームを構成する
2フィールドのうち1フィールドのみのデータを用い
る。MPEGIIでは、10Mbpsの通信回線で伝送で
きる圧縮が目標で、ISDNなどによる動画像伝送やデ
ィジタル・ビデオがターゲットとされている。そして、
MPEGIIIは、ハイビジョンなどによる次世代テレビ
が対象となっている。
【0004】MPEGの特徴は、DCT(Discrete Cos
ine Transform:離散コサイン変換)による静止画像圧
縮に加えて、時間軸方向の圧縮のためのフレーム間予測
処理を行なうことであるが、動画像圧縮の前提条件とし
てフレームのランダム・アクセスができること、早送り
による再生や巻戻し再生(逆方向)ができることがあげ
られている。従って、MPEGにおけるフレーム間予測
は、前向きと後向きの両方向を採用している。MPEG
にあっても、基本的にはMC(動き補償)+DCTを用
いる。動き補償を行なうブロックサイズは16×16
(但し8×8のモードもある)、DCTは8×8ブロッ
クに対して行なう。また、この動き補償は1/2画素精
度で行なう。1/2画素精度の動き補償は、予測に用い
る参照フレーム上において画素単位でずらした位置を調
べるのみならず、画素と画素の間の位置を補間によって
生成し、マッチングをとることによって行なう。時間方
向の予測を伴う動画像圧縮装置では、カメラのPANや
被写体の移動による予測効率の低下を軽減させるため
に、動きを補償による予測を行なっている。この動き補
償は、着目フレームと参照フレーム間で対象領域の動き
ベクトルを検出し、参照フレームにおいて動きベクトル
分だけずらした位置を参照画素とし、これを予測値とし
て着目画素との差分(予測誤差)を伝送する方法であ
る。例えば、動き補償予測を図7に示すように予測元画
像の動きベクトルを基に移動体の動きを予測し、原画像
においてその動きを補償している。動き補償は16×1
6画素のブロック単位で前画像のそのブロックの位置の
近傍で一番差分が少ないところを探索し、それとの差分
をとることによりさらに送らなければならないデータを
削減するという手法であり、動きベクトルを検出する手
段として図8に示すように一般に動き補償の対象となる
部分画像の元の場所から一定の範囲内をサーチし、最も
誤差の少ない場所を選ぶという方法をとっている。
【0005】また、時間方向の予測を伴う通常の動画像
圧縮装置(CCITT H.261やMPEG.Vid
eo等)では、生成された動きベクトルを符号化する場
合、その付近の部分画像(通常は、1つ前に処理された
部分画像)の持つ動きベクトルとの差分をとり、その差
分のみを符号化している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の動画像圧縮装置にあっては、動き補償の対象
となる部分画像のは基の場所から一定の範囲内をサーチ
し、最も予測誤差エネルギの少ない場所を選ぶという方
法をとっていたため、画像によっては高周波成分が多く
含まれている場合があり、画像に多くの高周波成分が含
まれているとDCTで変換したときに非常に圧縮効率が
落ちてしまうことになる。すなわち、低周波成分にエネ
ルギが集中している方が圧縮効率が良いが、例えば、ボ
ール等の移動物体を追いかけた場合、背景と移動物体と
の間にエッジ部分が存在する。エッジになる部分はよそ
く元になる画像にも現在の画像にも 両方存在するから
高周波成分のピークが2ケ所出てしまい圧縮効率が落ち
てしまう。このように、部分画像の予測誤差エネルギの
合計だけでは、誤差が低周波成分にあるのか、高周波成
分にあるのかわからず、予測した動きベクトルが必ずし
も符号化効率が良いとは限らないという欠点があった。
【0007】そこで本発明は、動き補償時に符号化効率
を上げることができることができる動画像圧縮装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的達成のため、入力画面を所定のブロックに分割
し、動きベクトルをブロック毎に用意し、以前の再生画
像から動きベクトル分だけずらしてフレーム間予測を行
う動き補償手段を備えた動画像圧縮装置であって、画像
データに対し直交変換手段により周波数軸に変換し時間
軸方向に圧縮を行う時間予測を伴った動画像圧縮装置に
おいて、 予測のために切り出した部分画像に対し複数の
動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、 前記
動きベクトル検出手段により検出された複数の動きベク
トルの予想誤差エネルギを算出する予測誤差エネルギ算
出手段と、 圧縮対象の予測差分画像から高周波成分を抽
出する高周波成分抽出手段と、 前記高周波成分抽出手段
により抽出された高周波成分が所定値以下で、前記予測
誤差エネルギ算出手段により算出された予測誤差エネル
ギが最小のときの動きベクトルを実際に符号化する際の
動きベクトルとして決定する動きベクトル決定手段とを
備えている。
【0009】請求項2記載の発明は、入力画面を所定の
ブロックに分割し、動きベクトルをブロック毎に用意
し、以前の再生画像から動きベクトル分だけずらしてフ
レーム間予測を行う動き補償手段を備えた動画像圧縮装
置であって、画像データに対し直行変換手段により周波
数軸に変換し時間軸方向に圧縮を行う時間予測を伴った
動画像圧縮装置において、 予測のために切り出した部分
画像に対し複数の動きベクトルを検出する動きベクトル
検出手段と、 前記動きベクトル検出手段により検出され
た複数の動きベクトルの予測誤差エネルギを算出する予
測誤差エネルギ算出手段と、 圧縮対象の予測差分画像か
ら高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、 前記予
測誤差エネルギ算出手段により算出された予測誤差エネ
ルギが最小のときの動きベクトルを選択する第1の動き
ベクトル選択手段と、 前記高周波成分抽出手段により抽
出された高周波成分が所定値以下で、前記予測誤差エネ
ルギ算出手段により算出された予測誤差エネルギが最小
のときの動きベクトルを選択する第2の動きベクトル選
択手段と、 前記第1の動きベクトル選択手段により選択
された動きベクトル及び第2の動きベクトル選択手段に
より選択された動きベクトルのうち実際に符号化すると
き最も効率の良い動きベクトルを決定する動きベクトル
決定手段とを備えている。
【0010】前記高周波成分抽出手段により抽出された
高周波成分と比較される所定値は、例えば請求項3に記
載されているように、前記部分画像毎の量子化幅に応じ
て設定されるものであってもよい。
【0011】また、前記高周波成分抽出手段は、例えば
請求項4に記載されているように、画像データから圧縮
の障害となる高周波成分を抽出するラブラシアンフィル
タを含んで構成されたものであってもよい。前記直交変
換手段は、例えば請求項5に記載されているように、離
散コサイン変換(DCT)を行う離散コサイン変換によ
り構成してもよく、前記時間予測は、例えば請求項6に
記載されているように、時間軸方向の圧縮のためのフレ
ーム間予測処理を行うものであってもよい。
【0012】
【作用】請求項1、2、3、4、5、及び6記載の発明
では、まず、予測のために切り出した部分画像に対して
動きベクトル検出手段により複数の動きベクトルが検出
され、予測誤差エネルギ算出手段により複数の動きベク
トルの予測誤差エネルギが算出される。また、高周波成
分抽出手段により圧縮対象の予測差分画像から高周波成
分が抽出される。
【0013】
【0014】そして、動きベクトル決定手段により、抽
出された高周波成分が所定値以下で、前記予測誤差エネ
ルギ算出手段により算出された予測誤差エネルギが最小
のときの動きベクトルが実際に符号化する際の動きベク
トルとして決定される。この場合、第1の動きベクトル
選択手段により通常通り予測誤差エネルギが最小のとき
の動きベクトルを選択するとともに、第2の動きベクト
ル選択手段により抽出された高周波成分が所定値以下
で、予測誤差エネルギが最小のときの動きベクトルを選
択し、これら2つの動きベクトルのうち実際に符号化す
ることによって符号長を求め、符号化効率の良い動きベ
クトルを決定するようにしてもよい。
【0015】従って、予測差分画像に高周波成分があま
り含まれない場所の動きベクトルを採用することがで
き、動き補償時に符号化効率を上げることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0017】図1〜図6は本発明に係る動画像圧縮装置
の一実施例を示す図である。
【0018】先ず、構成を説明する。図1は動画像圧縮
装置のブロック図であり、この図において、動画像圧縮
装置の符号化器は、画像モード、予測モード、動きベク
トル及び各種制御信号を出力して、システム全体の制御
を行なうコントローラ30と、データ圧縮すべき画像デ
ータを記憶する画像メモリ31と、画像メモリ31から
読み出した画像データに動き補償フレーム間予測処理に
よる予測結果を減算する減算器32と、減算器32によ
り減算された画像データをコントローラ30に出力する
とともに、該画像データに対しDCT演算を行なうDC
T演算部33と、コントローラ30で決定された量子化
幅に従ってDCT演算の出力データを一定の誤差の範囲
内で量子化する量子化部34と、量子化部34により量
子化された画像データに対し画像データのほか各種ブロ
ック属性信号を可変長符号化した後、定められたデータ
構造の符号列に多重化するVLC(Variable
Length Code:可変長符号化)35と、変動
する情報発生を一定レートに平滑化するバッファ36
と、周期的なフレーム内符号化フレームを基本とした動
き補償予測を行なう動き補償フレーム間予測部37と、
により構成されている。
【0019】上記動き補償フレーム間予測部37は、量
子化部34により量子化された画像データを逆量子化す
る逆量子化部38と、逆量子化部38により量子化前の
画像データに戻されたデータに対し逆DCT(IDC
T)演算を施すIDCT演算部39と、IDCT演算部
39によりDCT処理される前の画像データに戻された
データに動き補償を加算する加算器40と、コントロー
ラ30からの画像モード、予測モードに従って信号経路
を切り換えるスイッチ41、42、43と、コントロー
ラ30で演算処理(図6参照)された動きベクトルによ
り動き補償予測を行なう予測器44、45とから構成さ
れる。
【0020】次に、本実施例の動作を説明する。
【0021】一般に、時間予測を伴う動画像圧縮装置で
は、ある時点の画像は、それよりも過去もしくは未来の
画像からの予測によりその差分を圧縮対象のデータとし
ている。図2に示すように一枚の画像10はいくつかの
部分画像11に分けられ、それぞれの部分画像11につ
いて別々に動き補償を含む予測処理が行われる。
【0022】動き予測処理は、予測誤差エネルギが最小
になる場所を探すことで行われるが、本実施例では、こ
の際に単に予測誤差エネルギが最小の所を求めるだけで
はなく、その予測差分画像の持つ高周波成分がある程度
以上小さいものの中で誤差エネルギが最小の場所を探し
出し、それらのうち符号量の少ない方を最後に選択す
る。このように、動き予測を行う際に予測誤差エネルギ
の合計の他に予測差分画像が低周波成分にあるのか高周
波成分にあるのかを確認し、それを考慮に入れて動き予
測をすることで符号化効率を上げ画質を向上させること
ができるようにする。
【0023】差分画像から高周波成分を抽出するために
バイパスフィルタを使用する。例えば、高周波成分を抽
出するためのフィルタとしてラプラシアルフィルタを利
用すれば簡単な計算で高周波成分を取り出すことができ
る。
【0024】図3及び図4はラプラシアンフィルタのマ
スク(関数)を示す図であり、図3は1次元のラプラシ
アンフィルタ、図4は2次元のラプラシアンフィルタの
例である。
【0025】上記ラプラシアンフィルタ12は、主に局
所的な濃度変化を検出する目的で設計された差分フィル
タであり、ラプラシアンフィルタ12を用いると簡単な
演算で高周波成分を抽出することができる。ラプラシア
ンフィルタ12は、一般に図3及び図4のようなマスク
を置いて、係数を対応する各画素の濃度値(画素値)に
かけて足し合わせた値を中央の画素値とする。例えば、
1次元フィルタを高周波成分の存在する画素に適用した
例を図5に示すように高周波成分のあるところ(すなわ
ち、段差があるところ)には値が出ないところは0とな
っている。
【0026】ところで、H.261やMPEG等では予測差
分画像を符号化する際に量子化によってデータの削減を
行なうので量子化幅により実際の符号化時にどの程度高
周波成分が残るのか変わる。このため、高周波数成分が
どの程度小さければ良いのかは量子化幅に依存すること
になる。
【0027】いま、量子化幅をq、高周波成分の存在量
を調べるための係数(ここでは、高周波成分係数と呼
ぶ)をHとした場合の動きベクトルのサーチ処理手順は
図6で示される。
【0028】図6は動画像圧縮装置の動きベクトルのサ
ーチ処理を示すフローチャートであり、本フローは予測
誤差エネルギが最小の動きベクトルと高周波成分が余り
含まれない場所における予測誤差エネルギが最小の動き
ベクトルの2つの動きベクトルを探し出す例を示してい
る。
【0029】上記2つの動きベクトルのうち、予測誤差
エネルギが最小の候補をE、高周波成分の誤差エネルギ
がq×H以下で予測誤差エネルギが最小の候補をHEと
し、それぞれの動きベクトルデータをEmv,HEm
v、予測誤差エネルギをEene,HEeneとする。
また、与えられた動きベクトルのサーチ範囲の中からこ
れらの動きベクトルを発見するために候補として選出さ
れる動きベクトルのベクトルデータをTmv、予測誤差
エネルギをTene、高周波成分の誤差エネルギ(予測
差分画像にラプラシアンフィルタをかけ、その絶対値を
合計したもの)をTheneとする。
【0030】先ず、ステップS1で上記通常の予測誤差
エネルギTene、高周波成分の誤差エネルギThen
e、及びそのときの動きベクトルの候補を選択する。こ
の場合、画面全部から動きベクトルをサーチしてもよい
が、一般にある程度決められたサーチ範囲から動きベク
トルの候補を選択する。次いで、ステップS2で候補と
して選出される動きベクトルの予測誤差エネルギTen
eと通常の予測誤差エネルギEeneとを比較し、Te
ne<Eeneのときは候補として選出される動きベク
トルのベクトルデータTmvを予測誤差エネルギが最小
の候補Eの動きベクトルデータEmvとし、候補として
選出される動きベクトルの予測誤差エネルギTeneを
通常の予測誤差エネルギEeneとする(Emv←Tm
v,Eene←Tene)。ここで、通常の予測誤差エ
ネルギEeneにはそれまで探した動きベクトルの中で
最小の予測誤差エネルギが格納されているものとし、予
測誤差エネルギが最小の候補Eの動きベクトルデータE
mvには最小の動きベクトルが格納されているものとす
る。そして、新たに計算した予測誤差エネルギTene
の方が通常の予測誤差エネルギEeneよりも小さけれ
ば(Tene<Eeneであれば)それぞれ予測誤差エ
ネルギと動きベクトルを更新するようにしている。この
ステップS2によって予測誤差エネルギが最小の動きベ
クトルEmvとその予測誤差エネルギEeneが探し出
される。
【0031】次いで、ステップS3で予測差分画像の持
つ高周波成分がある程度以上小さいものの中で誤差エネ
ルギが最小の場所を探し出す。具体的には、量子化幅を
q、高周波成分の存在量を調べるための係数(高周波成
分係数)Hとした場合、高周波成分の誤差エネルギTh
eneが量子化幅qと係数Hを掛けたもの以下(The
ne≦q×H)でかつ通常の予測誤差エネルギTene
が予測誤差エネルギが最小の候補HEの予測誤差エネル
ギHEeneより小さい(Tene<HEene)か否
かを判別し、この条件を満たすときは候補として選出さ
れる動きベクトルのベクトルデータTmvを高周波成分
の誤差エネルギがq×H以下で予測誤差エネルギが最小
の候補をHEの動きベクトルデータHEmvとし、通常
の予測誤差エネルギTeneを予測誤差エネルギが最小
の候補HEの予測誤差エネルギHEeneとする(HE
mv←Tmv,HEene←Tene)。ここで、高周
波成分がどの程度大きくてもよいかはDCT演算後の量
子化時の量子化幅に依存し、例えば量子化幅が細かけれ
ば高周波成分はかなり小さくなければならないが、量子
化幅が粗ければ高周波成分はある程度大きくても許容で
きるので、本実施例では高周波成分の誤差エネルギTh
eneが現在の量子化幅qに係数Hを掛けたもの以下で
あることを条件の1つとする。なお、本実施例では量子
化幅に応じて予測差分画像の高周波成分の程度を決定す
るようにしているが、高周波成分の程度を固定値で与え
るようにしてもよい。また、量子化幅qは、符号化器の
コントローラ30がシステム変数として常に保持してい
るものであるからこれを呼び出してきて使用する。この
ステップS3によっていままである程度高周波成分画小
さいものの中で最も誤差エネルギが小さかったものより
も小さければ更新可能であると判断して動きベクトルデ
ータHEmv、予測誤差エネルギHEeneが更新され
る。これにより、いままでの候補の中で高周波成分の誤
差エネルギがなくてそのグループの中で誤差エネルギが
一番小さいものが得られることになる。
【0032】次いで、ステップS4で全ての候補を選択
したか否かを判別し、全ての候補を選択し終えていない
ときはステップS1に戻って上記処理を繰り返す。全て
の候補を選択したか否かは例えば動きベクトル算出する
ためのマクロブロックについて上記ステップS1〜S3
の処理をしたかにより判断する。全ての候補を選択し終
えたときには最終的に2つの動きベクトル候補(すなわ
ち、全体の中から一番誤差エネルギの小さい動きベクト
ルのベクトルデータEmvと高周波成分がある程度小さ
いもののグループの中から一番誤差エネルギの小さい動
きベクトルのベクトルデータHEmv)が得られる。全
ての候補を選択したときはステップS5で得られた2つ
の動きベクトル候補のうち最適な候補を採用する。本実
施例では、最適な候補を採用するため実際に符号化して
符号長の短い方を選択する。すなわち、予測誤差エネル
ギが最小の候補Eの動きベクトルデータEmvの符号長
とHEの動きベクトルデータHEmvの符号長とを比較
し、HEmvの符号長がEmvの符号長より大きいとき
は通常通りEmvを用いた方が符号化効率が高くなると
判断してS6でEmvを動きベクトルとして採用して本
フローの処理を終え、HEmvの符号長がEmvの符号
長以下のときはHEmvを用いた方が符号化効率が高く
なると判断してS7でHEmvを動きベクトルとして採
用して本フローの処理を終える。ここで、ステップS5
における2つの動きベクトルによる符号長の算出はマク
ロブロックについて1回の演算により行なう。なお、符
号長を算出するにあたって実際に完全な形で符号化を行
なわなくてもある程度符号化の目処が立つように大まか
に計算する態様でもよい。
【0033】本実施例では、高周波成分が小さいグルー
プの中で一番誤差エネルギの小さい動きベクトル(ステ
ップS3)をそのまま採用するのではなく、従来と同様
な全体の中から一番誤差エネルギの小さい動きベクトル
(ステップS2)をも算出し2つの動きベクトルのうち
実際に符号化を行なって符号長の短い方を選択するよう
にしているのは次のような理由による。例えば、1フレ
ーム1フレームが全く連続していないような動画になっ
ていない場合には、高周波成分がある程度以上小さくな
ることは殆ど考えられないことになり上記ステップS3
で候補が得られないことも考えられる。このような場合
を考慮して従来と同様な動きベクトル決定方法は残して
おいてどのような場合であっても従来と同様な方法によ
る動きベクトルが選択されることを保障している。
【0034】以上説明したように、本実施例の動画像圧
縮装置は、予測のために切り出した部分画像に対し複数
の動きベクトルEmv,HEmvとその予測誤差エネル
ギTene,Theneを算出するとともに、予測差分
画像から高周波成分を抽出し、算出された予測誤差エネ
ルギが最小のときの動きベクトルと高周波成分が所定値
以下で、前記予測誤差エネルギ算出手段により算出され
た予測誤差エネルギが最小のときの動きベクトルとを実
際に符号化したときの符号長により選択して採用すべき
動きベクトルを決定するようにしているので、高周波成
分がすくない場所の動きベクトルを選択することが可能
となって動き補償時に符号化効率を上げることができ、
全体的な画質を向上させることができる。すなわち、本
動画像圧縮装置は、動き予測を行なう際に予測誤差エネ
ルギ最小の場所の他に、予測差分画像が低周波数成分に
あるのか高周波数成分にあるのかを確認し予測差分画像
に高周波成分があまり含まれていない場所を候補として
挙げ符号化効率の良い動きベクトルを採用するものであ
る。これによって符号化効率を上げ、画質を向上させる
ことが可能となる。
【0035】なお、本実施例では、予測誤差エネルギ最
小の場所を求め、最後に符号化長を演算して最終的な決
定をしていたが、これに代えて高周波成分が少ない場所
のみを動きベクトルの候補の対象とすることもできる。
このようにすれば、動きベクトルサーチの計算量等を削
減することが可能になる。
【0036】また、本実施例では、高周波成分の抽出に
ラプラシアンフィルタ用いているが、これは一例であり
他のフィルタを使用してもよいことは言うまでもない。
また、ラプラシアンフィルタを用いると計算が簡単に行
えるという効果があるが、高周波成分を取り出す場合に
はハイパスフィルタを設計して用いるようにしてもよ
い。適当なハイパスフィルタを設計するようにすれば動
きベクトルの選択の効率を上げることができる。
【0037】また、本実施例では動画像圧縮装置をMP
EGアルゴリズムに基づく動画像圧縮装置に適用した例
であるが、勿論これには限定されず、動き補償による時
間方向の予測を伴うものであれば全ての装置に適用可能
であることは言うまでもない。
【0038】また、本実施例では、変換符号化方式にD
CTを適用しているが、このDCT方式には限定され
ず、例えば、アダマール変換、ハール(Harr)変換、傾
斜変換(スラント変換)、対称性サイン変換などを用い
た動画像圧縮装置に適用することができる。
【0039】さらに、上記動画像圧縮装置を構成する回
路や部材の数、種類などは前述した実施例に限られない
ことは言うまでもなく、ソフトウェア(例えば、C言
語)により実現するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5、及び6記載
の発明によれば、予測のために切り出した部分画像に対
し複数の動きベクトルを検出し、検出された複数の動き
ベクトルの予測誤差エネルギを算出するとともに、予測
差分画像から高周波成分を抽出し、該予測誤差エネルギ
及び高周波成分に基づいて実際に符号化するとき最も効
率の良い動きベクトルを決定するようにしているので、
動き補償時における符号化効率を上げることができ、全
体の画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動画像圧縮装置のブロック構成を示す図であ
る。
【図2】動画像圧縮装置の部分画像を示す図である。
【図3】動画像圧縮装置のラプラシアンフィルタのマス
クを示す図である。
【図4】動画像圧縮装置のラプラシアンフィルタのマス
クを示す図である。
【図5】動画像圧縮装置のラプラシアンフィルタの動作
を示す図である。
【図6】動画像圧縮装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】動画像圧縮装置の動き補償予測を示す図であ
る。
【図8】動画像圧縮装置の動きベクトルサーチ範囲を示
す図である。
【符号の説明】
30 コントローラ 31 画像メモリ 32 減算器 33 DCT演算部 34 量子化部 35 VLC 36 バッファ 37 動き補償フレーム間予測部 38 逆量子化部 39 IDCT演算部 40 加算器 41,42,43 スイッチ 44,45 予測器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画面を所定のブロックに分割し、動き
    ベクトルをブロック毎に用意し、以前の再生画像から動
    きベクトル分だけずらしてフレーム間予測を行う動き補
    償手段を備えた動画像圧縮装置であって、画像データに
    対し直交変換手段により周波数軸に変換し時間軸方向に
    圧縮を行う時間予測を伴った動画像圧縮装置において、 予測のために切り出した部分画像に対し複数の動きベク
    トルを検出する動きベクトル検出手段と、 前記動きベクトル検出手段により検出された複数の動き
    ベクトルの予測誤差エネルギを算出する予測誤差エネル
    ギ算出手段と、 圧縮対象の予測差分画像から高周波成分を抽出する高周
    波成分抽出手段と、 前記高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分が
    所定値以下で、前記予測誤差エネルギ算出手段により算
    出された予測誤差エネルギが最小のときの動きベクトル
    を実際に符号化する際の動きベクトルとして決定する動
    きベクトル決定手段と、 を具備したことを特徴とする動画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】入力画面を所定のブロックに分割し、動き
    ベクトルをブロック毎に用意し、以前の再生画像から動
    きベクトル分だけずらしてフレーム間予測を行う動き補
    償手段を備えた動画像圧縮装置であって、画像データに
    対し直交変換手段により周波数軸に変換し時間軸方向に
    圧縮を行う時間予測を伴った動画像圧縮装置において、 予測のために切り出した部分画像に対し複数の動きベク
    トルを検出する動きベクトル検出手段と、 前記動きベクトル検出手段により検出された複数の動き
    ベクトルの予測誤差エネルギを算出する予測誤差エネル
    ギ算出手段と、 圧縮対象の予測差分画像から高周波成分を抽出する高周
    波成分抽出手段と、 前記予測誤差エネルギ算出手段により算出された予測誤
    差エネルギが最小のときの動きベクトルを選択する第1
    の動きベクトル選択手段と、 前記高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分が
    所定値以下で、前記予測誤差エネルギ算出手段により算
    出された予測誤差エネルギが最小のときの動きベクトル
    を選択する第2の動きベクトル選択手段と、 前記第1の動きベクトル選択手段により選択された動き
    ベクトル及び第2の動きベクトル選択手段により選択さ
    れた動きベクトルのうち実際に符号化するとき最も効率
    の良い動きベクトルを決定する動きベクトル決定手段
    と、 を具備したことを特徴とする動画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波成分抽出手段により抽出された
    高周波成分と比較される所定値は、前記部分画像毎の量
    子化幅に応じて設定されることを特徴とする請求項1又
    は、請求項2の何れかに記載の動画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 前記高周波成分抽出手段は、画像データか
    ら圧縮の障害となる高周波成分を抽出するラブラシアン
    フィルタを含んで構成されたことを特徴とする請求項1
    又は、請求項2の何れかに記載の動画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 前記直交変換手段は、離散コサイン変換
    (DCT)を行う離散コサイン変換であることを特徴と
    する請求項1又は、請求項2の何れかに記載の動画像圧
    縮装置。
  6. 【請求項6】 前記時間予測は、時間軸方向の圧縮のため
    のフレーム間予測処理を行うものであることを特徴とす
    る請求項1又は、請求項2記載の動画像圧縮装置。
JP29636892A 1992-10-07 1992-10-07 動画像圧縮装置 Expired - Fee Related JP3237029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29636892A JP3237029B2 (ja) 1992-10-07 1992-10-07 動画像圧縮装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29636892A JP3237029B2 (ja) 1992-10-07 1992-10-07 動画像圧縮装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06121298A JPH06121298A (ja) 1994-04-28
JP3237029B2 true JP3237029B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=17832651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29636892A Expired - Fee Related JP3237029B2 (ja) 1992-10-07 1992-10-07 動画像圧縮装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3237029B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06121298A (ja) 1994-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0181034B1 (ko) 특징점 기반 움직임 추정을 이용한 움직임 벡터 검출 방법 및 장치
KR0171118B1 (ko) 비디오신호 부호화 장치
US6542642B2 (en) Image coding process and motion detecting process using bidirectional prediction
KR0178231B1 (ko) 계층적인 움직임 추정 기법을 이용하는 움직임 벡터 검출 방법 및 장치
KR100294999B1 (ko) 디지탈비디오데이타스트림의시간적인압축방법및탐색프로세서
US7362808B2 (en) Device for and method of estimating motion in video encoder
US8073048B2 (en) Method and apparatus for minimizing number of reference pictures used for inter-coding
EP0637894B1 (en) Apparatus and method for detecting motion vectors to half-pixel accuracy
US5661524A (en) Method and apparatus for motion estimation using trajectory in a digital video encoder
EP0762776B1 (en) A method and apparatus for compressing video information using motion dependent prediction
KR100209793B1 (ko) 특징점 기반 움직임 추정을 이용하여 비디오 신호를 부호화 및 복호화하는 장치
KR100291493B1 (ko) 비디오 신호압축용 이동벡터 처리장치
JPH09179987A (ja) 動きベクトル検出方法及び動きベクトル検出装置
US5862261A (en) Current frame prediction method and apparatus for use in an image signal encoding system
KR100229803B1 (ko) 움직임 벡터 검출 방법 및 장치
JP3681784B2 (ja) 映像信号符号化装置
JP3240024B2 (ja) 画像処理方法
JP2702139B2 (ja) 動画像の予測符号化方式
JP3237029B2 (ja) 動画像圧縮装置
KR100240620B1 (ko) 양방향의 반화소 움직임 추정을 위한 대칭 탐색 윈도우를 형성하는 방법 및 장치
JP3700801B2 (ja) 画像符号化装置および画像符号化方法
JPH05308662A (ja) 高能率符号化装置
JPH06105299A (ja) 動画像圧縮装置
JPH10191347A (ja) 動き検出装置、動き検出方法、及び、記憶媒体
KR100209418B1 (ko) 최적 움직임 벡터 검출 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071005

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081005

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081005

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091005

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091005

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees