JP3235721B2 - 積層成形体の成形方法 - Google Patents

積層成形体の成形方法

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JP3235721B2
JP3235721B2 JP21459297A JP21459297A JP3235721B2 JP 3235721 B2 JP3235721 B2 JP 3235721B2 JP 21459297 A JP21459297 A JP 21459297A JP 21459297 A JP21459297 A JP 21459297A JP 3235721 B2 JP3235721 B2 JP 3235721B2
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダッシュパネル
に取り付けられる自動車用インシュレータダッシュ等に
好適な積層成形体の成形方法に関するもので、特に、吸
音材の成形性を高めることにより、車体パネルへのフィ
ット性を高め、取付作業性並びに遮音性能を向上させた
積層成形体の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図12に示すように、エンジン
ルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の車室
内面には、エンジンルームEから車室Rへの騒音の伝播
を防止するために、インシュレータダッシュ2が設置さ
れている。
【0003】このインシュレータダッシュ2は、充填材
を混入した塩ビシート,ゴムシート等、比較的高密度の
遮音材3と、フエルト,ポリウレタンフォーム,不織布
等、多孔質基材からなる吸音材4との積層構造体が一般
に使用されている。そして、上記吸音材4によりエンジ
ンルームEからの騒音を吸音するとともに、ダッシュパ
ネル1と遮音材3との間の二重壁遮音効果により、上記
吸音効果と併せて良好な防音特性を発揮するように構成
されている。
【0004】ところで、最近ではダッシュパネル1の面
形状に正確にフィットするように、吸音材4として、成
形吸音材を使用することが主流である。例えば、繊維系
のものは化繊や綿にバインダ樹脂を添加し、プレスして
成形する。この場合、熱可塑性タイプのバインダ樹脂と
してはポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等の熱融
着性繊維等が使用され、また、熱硬化性タイプのバイン
ダ樹脂としてはフェノール樹脂等が使用されることが多
い。
【0005】また、図13に示すように、吸音材4を二
層の吸音材、すなわち、保形性吸音材4aと柔軟性吸音
材4bとの二層構造のものが特開平6−344486号
等に提案されている。上記保形性吸音材4aは、ダッシ
ュパネル1の面形状に即して形成された形状保持するも
ので、柔軟性吸音材4bはダッシュパネル1からの振動
を減衰する機能を持っている。
【0006】そして、上記インシュレータダッシュ2の
成形方法については、図14に示すように、遮音材3の
素材となる熱可塑性樹脂シートSを加熱炉5aで所定温
度に加熱軟化させるとともに、二層の吸音材4a,4b
の各素材である繊維マットm1 ,m2 についても加熱炉
5bで所定温度に加熱する。
【0007】その後、コールドプレス成形用下型6の型
面上に熱可塑性樹脂シートSをセットした後、その上か
ら繊維マットm1 ,m2 をセットし、コールドプレス成
形用上型7を下降操作して、コールドプレス成形用上下
型6,7の型内で熱可塑性樹脂シートS及び繊維マット
1 ,m2 を一体プレス成形するとともに、図15に示
すように、上型7に設けられたブロー用パイプ8が保形
性吸音材4aの素材である繊維マットm1 内に食い込
み、圧縮エアをブロー用パイプ8を通じて送り込んで、
繊維マットm1 ,m2 の強制冷却を行なうとともに、ま
た、この圧縮エアにより熱可塑性樹脂シートSを下型6
の型面に押し付けて、精度の良い成形を行なうようにし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のイ
ンシュレータダッシュ2は、上述したように吸音材4の
素材として保形性吸音材4aと柔軟性吸音材4bの二層
から構成されており、両者の素材である繊維マット
1 ,m2 の各密度はm1 が0.020〜0.050g
/cm3 であり、m2 の密度は0.025〜0.075
g/cm3 であり、ほぼ同一密度に設定されている。
【0009】従って、図15に示すようにブロー用パイ
プ8を通じて圧縮エアを供給した際、繊維マットm1
2 からブロー洩れが発生し、特に、柔軟性吸音材4b
を構成する繊維マットm2 が上型7の型面に追従しない
ため、インシュレータダッシュ2をダッシュパネル1に
取り付ける際、良好な取付作業性が得られないという問
題点があった。更に、吸音材4を所望の厚さに成形でき
ないため、所定の二重壁遮音効果が得られず、また、イ
ンシュレータダッシュ2とダッシュパネル1との間に隙
間が生じる等、遮音性能の低下を招くという欠点もあっ
た。
【0010】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、遮音材と複数層の吸音材とを積層した防音
材、あるいは複数層の吸音材を一体化した防音材等に好
適な積層成形体の成形方法において、吸音材の成形精度
を高めることにより、車体パネルへのフィット性を高
め、かつ遮音性能を向上させるようにした積層成形体の
成形方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、熱可塑性シートを素材とし
た遮音材と、少なくとも二層以上の熱成形用繊維マット
を素材とした複数層の吸音材とからなる積層成形体の成
形方法において、前記二層以上の熱成形用繊維マットの
うち、各マットに密度差を設け、高密度マットは低密度
マットの二倍以上の密度に設定し、コールドプレス成形
型内に、加熱軟化処理した熱可塑性シート,熱成形用繊
維マットを熱可塑性シートと高密度マットの間に低密度
マットが位置するようにセットし、コールドプレス成形
型内で所要形状にプレス成形するとともに、一方側の成
形型の型面からその先端が突出するように配設され、低
密度マット内に食い込んでいるブロー用パイプを通じて
圧縮エアを吹き付け、熱成形用繊維マットを強制冷却す
るとともに、熱可塑性シートを他方側の成形型の型面に
押し付ける一方、高密度マットを一方側の成形型の型面
に押し付けて成形を補助することを特徴とする。
【0012】ここで、積層成形体の適用例としては、例
えば、ダッシュパネルの室内側に装着される自動車用イ
ンシュレータダッシュ等があり、遮音材と複数層の吸音
材とから構成される。
【0013】遮音材の素材としては、(再生)塩ビシー
ト,(再生)ゴムシート等、熱可塑性シートを使用し、
吸音材の素材としては熱成形用繊維マットを使用し、例
えば、熱融着繊維よりも高い融点を有するナイロン,ポ
リアクリロニトリル,ポリアセテート,ポリエチレンテ
レフタレート等の熱可塑性合成樹脂繊維50〜80重量
部と、ポリエチレン,ポリプロピレン,線状ポリエステ
ル,ポリアミド等、低融点の熱融着性繊維50〜20重
量部とからなり、カード式工法により嵩高に形成された
不織布マットであり、ニードルパンチ、熱風加熱炉によ
りマット状に形成される嵩高性不織布マットでも良く、
この他に、熱成形用繊維マットとしては、熱成形用フエ
ルト等の使用も可能である。更に、熱成形用繊維マット
は少なくとも二層以上使用する。
【0014】そして、コールドプレス成形型内に熱可塑
性シートと複数層の熱成形用繊維マットを積層する場
合、例えば、二層の熱成形用繊維マットを使用するとき
には、一方側の繊維マットを高密度、例えば0.040
〜0.150g/cm3 の密度に、他方側を低密度0.
020〜0.075g/cm3 の密度に設定し、熱可塑
性シートと高密度の繊維マットの間に低密度マットがサ
ンドイッチ状に挾まれるように成形型内にセットする。
【0015】また、熱成形用繊維マットを三層のものを
使用する場合には、中間層を高密度繊維マットとし、上
下側をそれぞれ低密度マットで構成し、高密度繊維マッ
トと熱可塑性シートとの間に低密度マットが位置するよ
うに配置する。
【0016】そして、コールドプレス成形時には、一方
側の成形型に設けたブロー用パイプが熱成形用繊維マッ
トに食い込み、ブロー用パイプの先端が低密度マット内
に位置するようにし、ブロー用パイプから圧縮エアを供
給して、各層の熱成形用繊維マットを強制冷却するとと
もに、低密度マットと熱可塑性シートとの間の通気抵抗
値の差、及び低密度マットと高密度マットとの間の通気
抵抗値の差により熱可塑性シートは他方側の成形型に、
また、高密度繊維マットは一方側の成形型に押し付けら
れて遮音材並びに吸音材とも成形型の型面に追従するよ
うに精度良く成形される。
【0017】また、請求項2記載の発明は、他方側の成
形型に真空吸引機構を配設し、コールドプレス成形時、
熱可塑性シートを他方側の成形型の型面に沿って真空引
きを行なえば、積層成形体に高い成形性が得られる。
【0018】次に、請求項3記載の発明は、三層の熱成
形用繊維マットをコールドプレス成形により所要形状に
成形してなる積層成形体の成形方法において、前記三層
の熱成形用繊維マットのうち、中間に位置する繊維マッ
トの密度に比べ、上下側の繊維マットの密度が二倍以上
に設定され、三層の熱成形用繊維マットを加熱軟化処理
した後、コールドプレス成形型内にセットし、コールド
プレス成形型の型締めにより所要形状にプレス成形する
と同時に、少なくとも一方側の型の型面からその先端が
突出するように配設され、低密度マット内に食い込むブ
ロー用パイプを通じて圧縮エアを吹き付け、熱成形用繊
維マットの強制冷却を行なうとともに、上下側の高密度
マットを成形型の型面に押し付けて成形を補助すること
を特徴とする。
【0019】ここでは、三層の繊維マットからなる吸音
材としては、後工程で遮音材を貼着してインシュレータ
ダッシュ等に使用することもでき、また、エンジンルー
ムやトランクルーム内の吸音材としての使用も可能であ
る。
【0020】この場合においても、コールドプレス成形
時、三層の熱成形用繊維マットはプレス成形されるが、
その際、一方側の成形型に配設されているブロー用パイ
プが中間層の低密度マット内に食い込み、圧縮エアを供
給するため、上下側の高密度マットは成形型の型面に押
圧され、型転写性を向上させた積層成形体の成形が可能
となる。
【0021】以上の構成から明らかなように、本発明方
法によれば、多層の熱成形用繊維マットに密度差を設
け、高密度マットと熱可塑性シートとの間に低密度マッ
トを配置するように各素材をコールドプレス成形型内に
セットし、コールドプレス成形を行なうとともに、熱成
形用繊維マット側の金型に設けられたブロー用パイプの
先端を低密度マット内に食い込ませ、圧縮エアを供給す
れば、繊維マットの強制冷却を行なうとともに、低密度
マットと熱可塑性シートとの間の通気抵抗値の差、及び
高密度マットと低密度マットとの間の通気抵抗値の差に
より、熱可塑性シートと高密度繊維マットはそれぞれ圧
縮エアにより成形型面に押圧され、遮音材と吸音材に精
度の良い型転写性が得られる。
【0022】更に、三層の繊維マットからなる成形吸音
材の成形方法においても、中間層に低密度マットを配置
し、上下側に高密度マットを配置するとともに、コール
ドプレス成形時、一方側の金型に設けたブロー用パイプ
の先端を低密度マット内に食い込ませて高圧エアを供給
すれば、熱成形用繊維マットの強制冷却を行なうととも
に、両側の高密度マットを成形型の型面に通気抵抗値の
差により押し付けることになり、金型の型転写性に優れ
た吸音材が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層成形体の
成形方法の実施形態について、添付図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0024】図1乃至図7は本発明の第1実施形態を示
すもので、図1は本発明方法により成形した自動車用イ
ンシュレータダッュの構成を示す断面図、図2乃至図7
は本発明方法の各工程を示すもので、図2は熱成形用繊
維マットの作製工程を示す説明図、図3,図4は熱可塑
性シート,熱成形用繊維マットの各予熱工程を示す説明
図、図5はプレス金型内に熱可塑性シート及び熱成形用
繊維マットをセットするセット工程の説明図、図6はコ
ールドプレス成形工程を示す断面図、図7はプレス成形
時の圧空作用を示す説明図である。
【0025】まず、図1において、本発明方法により製
作した自動車用インシュレータダッシュ10は、ゴムシ
ート、あるいは無機フィラーを充填した塩ビシート等、
比較的面密度の高い可撓性材料からなる遮音材20と、
この遮音材20の裏面に一体化され、所望の吸音機能を
持つ多孔質基材からなる吸音材30との積層体からな
り、ダッシュパネル40の室内面に沿って添着固定する
関係でダッシュパネル40の室内面形状に沿った形状に
成形されている。
【0026】そして、本実施形態では、吸音材30とし
て、三層の吸音材31,32,33から構成され、それ
ぞれ厚肉の保形性吸音材31,薄肉の保形性吸音材3
2,薄肉の柔軟性吸音材33とからなり、中央の保形性
吸音材32が高密度に、その表裏側の保形性吸音材31
と柔軟性吸音材33は低密度に設定されている。
【0027】尚、保形性吸音材31,32は形状保持機
能を持ち、ダッシュパネル40に密着添装され、かつダ
ッシュパネル40と遮音材20との間のクリアランスを
各部位毎に適切に保ち、所望の遮音機能を備えるととも
に、柔軟性吸音材33は、ダッシュパネル40から透過
する騒音を減衰する機能を持つ。
【0028】本発明方法により製作されるインシュレー
タダッシュ10は上述のように構成されているが、従来
と異なる点は、中央の保形性吸音材32の密度を両側の
保形性吸音材31,柔軟性吸音材33の密度の二倍以上
に設定することにより、吸音材30の成形精度を高めた
点にある。
【0029】その詳細については図2乃至図7に基づい
て詳細に説明する。図2は三層積層構造体からなる吸音
材30の素材となる熱成形用繊維マットMの作製工程を
示すもので、図示するように、コンベア50上にカード
51,52,53から吸音材31,32,33の素材と
なる繊維マットM1 ,M2 ,M3 が嵩高状に供給され
る。
【0030】更に詳細には、各カード51,52,53
内には合成繊維と熱融着性繊維とが投入されており、合
成繊維としては、熱融着性繊維よりも融点が高く、ナイ
ロン,ポリアクリロニトリル,ポリアセテート,ポリエ
チレンテレフタレート等の合成樹脂繊維から適宜選択し
て良い。また、熱融着性繊維としては、ポリエチレン,
ポリプロピレン,線状ポリエステル,ポリアミド等を素
材として、合成繊維と熱融着性繊維とを適宜割合で混合
したものをコンベア50上に供給する。
【0031】その後、ニードルパンチ機54によりパン
チング加工を施すとともに、熱風加熱炉55により加熱
処理して熱融着性繊維を溶融させて、三層の熱成形用繊
維マットMを作製する。そして、この熱成形用繊維マッ
トMは、保形性吸音材31,32、柔軟性吸音材33に
対応する繊維マットM1 ,M2 ,M3 であるが、中央の
繊維マットM2 の密度は0.040〜0.150k/c
3 の高密度に、また、上下側の繊維マットM1 ,M3
は、その密度が0.020〜0.075g/cm3 の低
密度に設定され、中央の繊維マットM2 の密度が上下側
の繊維マットM1 ,M3 の二倍以上に設定されている。
【0032】次いで、図3に示すように、遮音材20の
素材である熱可塑性樹脂シートSを加熱炉60により所
定温度に加熱軟化処理するとともに、図4に示すように
三層構造の熱成形用繊維マットMも同様に加熱炉61に
より所定温度に加熱軟化させる。
【0033】そして、図5に示すように、型開き状態に
あるコールドプレス成形用上下型70,80内に加熱軟
化処理した熱可塑性樹脂シートSと熱成形用繊維マット
Mをセットする。このコールドプレス成形用上下型7
0,80は、下型70には遮音材20の成形性を高める
ために真空吸引機構が付設されている。すなわち、下型
70の型面には真空吸引孔71が複数箇所に開設されて
おり、下型70の空気室72は真空吸引管73を通じて
真空吸引ポンプ74に接続しており、開閉バルブ75の
動作により真空吸引機構が動作する。
【0034】一方、上型80は、昇降用シリンダ81に
より所定ストローク上下動作可能であり、上型80に
は、ブロー用パイプ82がその先端82aが上型80の
型面より突出するように設定されており、このブロー用
パイプ82は、上型80内の空気室83と連通してお
り、この上型80の空気室83は圧空管84を通じて圧
空ポンプ85に接続し、圧空管84には開閉バルブ86
が設置されている。尚、コールドプレス成形用上下型7
0,80には、冷却パイプ76,87が設置されてい
る。
【0035】そして、コールドプレス成形用上下型7
0,80が型開き状態にあるとき、型内に加熱軟化処理
した熱可塑性樹脂シートSと熱成形用繊維マットMをセ
ットした後、図6に示すように、コールドプレス成形用
上型80が昇降用シリンダ81の動作により下降動作
し、コールドプレス成形用上下型70,80の型締めに
より熱可塑性樹脂シートSと熱成形用繊維マットMを絞
り成形すると同時に、下型70に配置した真空吸引機構
の動作により熱可塑性樹脂シートSが下型70の型面に
密着するように真空引きされるとともに、上型80に設
けたブロー用パイプ82の先端82aが熱成形用繊維マ
ットMの最下層のマットM1 内に食い込み、圧空ポンプ
85を通じて図7に拡大して示すように、圧縮エアを熱
成形用繊維マットM1 内に吹き込む。
【0036】この時、圧縮エアは、非通気性の熱可塑性
シートSを下型70面に押し付けるばかりでなく、中間
の繊維マットM2 と、最下層の繊維マットM1 の密度差
により通気抵抗値が相違するため、中間の繊維マットM
2 を上型80の型面に追従するように押圧し、よって、
上型80の型面に繊維マットM3 が密着状に成形される
ことになる。
【0037】従って、吸音材30は所定厚みを確保し
て、上型80の型面に追従するような型面に精度良く成
形することができるため、ダッシュパネル40へのフィ
ット性が向上し、取付作業が円滑に行なえるとともに、
良好な遮音性能も維持できるという効果がある。
【0038】次いで、図8,図9は本発明に係る第1実
施形態の変形態様を示すもので、自動車用インシュレー
タダッシュ10の成形方法に適用したものであり、この
インシュレータダッシュ10は、遮音材20と二層の吸
音材34,35とで構成されている。すなわち、保形性
吸音材34は低密度の繊維マットM4 を素材とし、柔軟
性吸音材35は高密度の繊維マットM5 を素材としてい
る。
【0039】従って、図9に示すプレス成形時には、低
密度の保形性吸音材34の素材である熱成形用繊維マッ
トM4 内にブロー用パイプ82が食い込み、圧縮エアを
供給することにより、熱可塑性シートSを下型70の型
面に押圧すると同時に上型80の型面に熱成形繊維マッ
トM5 を押圧して第1実施形態同様、二層の吸音材3
4,35の精度の良い成形が可能になる。尚、下型60
に付設する真空吸引機構は廃止しても良い。
【0040】次に、図10乃至図11は本発明の第2実
施形態を示すもので、三層構造の吸音材30の成形方法
に適用した実施形態であり、吸音材30の各層は上下の
高密度吸音材36,38と中間の低密度吸音材37とか
ら構成されている。上下の高密度吸音材36,38の密
度は、中央の低密度吸音材37の密度の二倍以上に設定
されており、上述実施形態同様、各吸音材36,37,
38に対応する素材である繊維マットM6 ,M7 ,M8
を予熱軟化処理した後、コールドプレス成形用上下型7
0,80内で成形した際、図11に示すように、上型7
0に設けたブロー用パイプ82の先端82aが中央の繊
維マットM7 内に食い込み、各繊維マットの通気抵抗値
の差により上下側の繊維マットM6 ,M8 はそれぞれ上
下型70,80の型面に押し付けられ、精度の良い成形
が可能になる。
【0041】そして、このように三層構造の吸音材30
を精度良く成形した後、遮音材20と貼着すればインシ
ュレータダッシュ10に適用することもでき、またこの
まま吸音材30単体としてトランクルーム等に内装して
も良い。尚、上述した実施形態は吸音材30の素材であ
る熱成形用繊維マットMの実施形態として嵩高性不織布
マットを用いて説明したが、熱成形用フエルトを使用し
てもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法によれ
ば、以下に記載する格別の作用効果を有する。
【0043】(1)本発明は、熱成形用繊維マットを多
層積層し、コールドプレス成形する際、各繊維マットに
密度差を設定し、コールドプレス成形時、金型に設置さ
れたブロー用パイプを低密度マット内に食い込ませ圧縮
エアを供給することにより、繊維マットを強制冷却する
とともに、通気抵抗の差異を利用して高密度マットを金
型に押し付けて吸音材を金型に追従する形状に精度良く
成形できるため、車体パネル形状に対応した形状に精度
良く成形でき、車体パネルへの取付作業性を円滑に行な
うことができ、取付作業性が向上するという効果を有す
る。
【0044】(2)本発明は、熱成形用繊維マットを多
層積層し、コールドプレス成形する際、各繊維マットに
密度差を設定し、コールドプレス成形時、金型に設置さ
れたブロー用パイプを低密度マット内に食い込ませ圧縮
エアを供給することにより、繊維マットを強制冷却する
とともに、通気抵抗の差異を利用して高密度マットを金
型に押し付けて吸音材を金型に追従する形状に精度良く
成形できるため、吸音材を所望厚みに成形できるため、
部位毎に吸音材の厚みを確保でき、優れた二重壁遮音効
果が得られ、遮音性能を向上させることができるという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1実施形態を適用して製作した
インシュレータダッシュの構成を示す断面図。
【図2】本発明方法における熱成形用繊維マットの作製
工程を示す説明図。
【図3】本発明方法における熱可塑性シートの予熱工程
を示す説明図。
【図4】本発明方法における熱成形用繊維マットの予熱
工程を示す説明図。
【図5】本発明方法におけるプレス金型への各素材のセ
ット工程を示す断面図。
【図6】本発明方法におけるコールドプレス成形工程を
示す断面図。
【図7】本発明方法における吸音材の成形工程を示す要
部断面図。
【図8】本発明方法の第1実施形態を適用して製作した
インシュレータダッシュの別実施形態を示す断面図。
【図9】図8に示すインシュレータダッシュの成形工程
を示す断面図。
【図10】本発明方法の第2実施形態を示す吸音材の断
面図。
【図11】図10に示す吸音材の成形工程を示す断面
図。
【図12】自動車用インシュレータダッシュの設置箇所
を示す説明図。
【図13】従来の自動車用インシュレータダッシュの構
成を示す断面図。
【図14】従来の自動車用インシュレータダッシュの成
形工程を示す説明図。
【図15】従来のインシュレータダッシュの成形工程に
おける不具合を示す説明図。
【符号の説明】
10 自動車用インシュレータダッシュ 20 遮音材 30 吸音材 31,32,34 保形性吸音材 33,35 柔軟性吸音材 40 ダッシュパネル 50 コンベア 51,52,53 カード 60,61 加熱炉 70 コールドプレス成形用下型 71 真空吸引孔 80 コールドプレス成形用上型 81 昇降用シリンダ 82 ブロー用パイプ S 熱可塑性樹脂シート M 熱成形用繊維マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:58 B29L 31:58 (56)参考文献 特開 平6−328479(JP,A) 特開 平6−206230(JP,A) 特開 平3−224847(JP,A) 特開 平2−235711(JP,A) 実開 昭58−96919(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性シート(S)を素材とした遮音
    材(20)と、少なくとも二層以上の熱成形用繊維マッ
    ト(M)を素材とした複数層の吸音材(30)とからな
    る積層成形体の成形方法において、 前記二層以上の熱成形用繊維マット(M)のうち、各マ
    ットに密度差を設け、高密度マット(M2 )は低密度マ
    ット(M1 )の二倍以上の密度に設定し、コールドプレ
    ス成形型(70,80)内に、加熱軟化処理した熱可塑
    性シート(S),熱成形用繊維マット(M)を熱可塑性
    シート(S)と高密度マット(M2 )の間に低密度マッ
    ト(M1 )が位置するようにセットし、コールドプレス
    成形型(70,80)内で所要形状にプレス成形すると
    ともに、一方側の成形型(80)の型面からその先端が
    突出するように配設され、低密度マット(M1 )内に食
    い込んでいるブロー用パイプ(82)を通じて圧縮エア
    を吹き付け、熱成形用繊維マット(M)を強制冷却する
    とともに、熱可塑性シート(S)を他方側の成形型(7
    0)の型面に押し付ける一方、高密度マット(M2 )を
    一方側の成形型(80)の型面に押し付けて成形を補助
    することを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性シート(S)は、コールド
    プレス成形型(70,80)間でのプレス成形と同時
    に、他方側の成形型(70)の型面に開設されている真
    空吸引孔(71)を通じて真空吸引されることを特徴と
    する請求項1記載の積層成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】 三層の熱成形用繊維マット(M)をコー
    ルドプレス成形により所要形状に成形してなる積層成形
    体の成形方法において、 前記三層の熱成形用繊維マット(M)のうち、中間に位
    置する繊維マット(M7 )の密度に比べ、上下側の繊維
    マット(M6 ,M8 )の密度が二倍以上に設定され、三
    層の熱成形用繊維マット(M)を加熱軟化処理した後、
    コールドプレス成形型(70,80)内にセットし、コ
    ールドプレス成形型(70,80)の型締めにより所要
    形状にプレス成形すると同時に、少なくとも一方側の型
    (80)の型面からその先端が突出するように配設さ
    れ、低密度繊維マット(M7 )内に食い込むブロー用パ
    イプ(82)を通じて圧縮エアを吹き付け、熱成形用繊
    維マット(M)の強制冷却を行なうとともに、上下側の
    高密度の繊維マット(M6 ,M8 )をコールドプレス成
    形型(70,80)の型面に押し付けて成形を補助する
    ことを特徴とする積層成形体の成形方法。
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