JP3233974B2 - Mri用高周波磁界シールド - Google Patents

Mri用高周波磁界シールド

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JP3233974B2
JP3233974B2 JP08900492A JP8900492A JP3233974B2 JP 3233974 B2 JP3233974 B2 JP 3233974B2 JP 08900492 A JP08900492 A JP 08900492A JP 8900492 A JP8900492 A JP 8900492A JP 3233974 B2 JP3233974 B2 JP 3233974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MRI装置の傾斜磁
場コイルと高周波磁場コイルとの間に配設される高周波
磁界シールドに関し、とくに、傾斜磁場による渦電流の
発生を防止するスリットを形成する一方で、高周波磁気
シールドの効果を高めるために、そのスリットをコンデ
ンサで繋ぐ構造の高周波磁界シールドに関する。
【0002】
【従来の技術】MRI(磁気共鳴イメージング)装置
は、一般に、図4に示すようなコイル配置となってい
る。これを詳述すると、図4に示すMRI装置は、超電
導方式を採用しており、所定の肉厚を有する円筒状クラ
イオスタット2の中に超電導の主コイル3が巻装され、
このクライオスタット2の内周面側にシムコイル4、傾
斜磁場コイル5、及び高周波コイル6(以下、RFコイ
ルという)が順に配設されている。この内、傾斜磁場コ
イル5とRFコイル6との間には、傾斜磁場コイル5の
内側に取り付けた状態で、銅箔から成る円筒状の高周波
磁界シールド7が設置されている。
【0003】この高周波磁界シールド7には、3つの条
件が要求されている。第1に、傾斜磁場コイル5を経由
してRFコイル6に伝搬してくる高周波ノイズ(ここで
は、MRIの共鳴周波数、例えば63.9MHz(磁場
1.5T)付近のノイズを問題とし、特に、その磁界成
分)を遮蔽すること、第2に、傾斜磁場コイル5とRF
コイル6の磁気的カップリングを除去してRFコイル6
のQ値の低下を防止することである。これら2つの条件
を満たすには、なるべく遮蔽面積の大きい導電性で且つ
非磁性の、孔などが開いていない部材が適している。第
3に、傾斜磁場コイル5から傾斜磁場を発生させたと
き、この傾斜磁場に因って高周波磁界シールド7に誘起
される低周波(数十kHz以下)の渦電流を極力抑え、
傾斜磁場波形のなまりに拠る画像歪みを防止することで
ある。この低周波の渦電流を遮断するため、高周波磁界
シールド7には通常、適度な間隔及び大きさのスリット
が複数形成されている。
【0004】しかし、上述のように、第3番目の要求、
即ち低周波の渦電流の発生防止を満足させるために単に
スリットを形成しただけでは、高周波ノイズ(周波数は
例えば上述のように63.9MHz)の磁界を打ち消す
ための反対方向の磁界を発生する高周波の渦電流(傾斜
磁場に因って発生する低周波の渦電流とは別のもの)が
スリットに遮断されて弱まり、第1及び第2の要求に係
る高周波磁気シールド効果が半減してしまう(例えば、
「電子機器のノイズ対策法」(仁田周一著、オーム社発
行)の71〜72頁参照)。つまり、第1及び第2番目
の要求と第3番目の要求は、低周波の渦電流遮断と高周
波の渦電流発生という点で、相反する内容になってお
り、それらの要求を両立させるには別の手立てが必要で
あった。
【0005】この手立てとして従来知られているもの
は、図5に示すように、隣接する2枚の短冊状の導体板
7a,7aをオーバーラップさせ、その長尺状のオーバ
ーラップ部分に短冊状の誘電体8を挟んでコンデンサを
形成させ、このコンデンサを介して導体板7a,7aを
電気的に接続したものである(例えば日磁医誌、Vol,9N
o.1 (1989) 86〜89参照)。さらに、この図5の例
では、上記オーバーラップ部分を利用したコンデンサに
集中定数のチップコンデンサ9…9を補強用として併設
している。スリット繋ぎ目のインピーダンスZは、抵抗
RとコンデンサCの並列回路に等価的に置換でき(図6
参照)、問題としている角周波数をωとすると、
【数1】 |Z|=R/(1+ω2 RC)1/2 … 式1 の式で表されるから、オーバーラップに拠るコンデンサ
の積極的な設置により、スリット繋ぎ目のインピーダン
スを下げ、高周波磁界相殺用の反対方向磁界を発生させ
る渦電流が切れるのを抑えようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスリット繋ぎ目の構造は、図7に示すように、導体板
(銅箔)7aのオーバーラップに拠る単層構造のコンデ
ンサ(並行板コンデンサと見做される)であるため、そ
の極板面積にも物理的限度があること且つ極板間隔も絶
縁の信頼性から無制限には小さくできないこともあっ
て、その単位長さ当たりの静電容量に限界があり、その
静電容量はさほど大きくはできない。
【0007】ここで、その静電容量の一例を計算してみ
る。図7に係る単層構造のコンデンサにおいて、導体板
7aである銅ストリップ(長さ80mm,銅厚18μm,
接着剤厚35μm)を、誘電体8としてのテフロン(デ
ュポン社のポリテトラフロロエチレンの商品名)のシー
ト(長さ90mm,厚さ20μm,接着剤厚20μm)を
挟んで10mm幅ずつオーバーラップさせたとする。接着
剤の比誘電率をテフロンとほぼ同じ、ε=2.3と仮
定すると、単位長さ当たりの静電容量Cは、およそ、
【数2】 C=8.855×10-12 εS/d となる。ここで、Sは平行板導体の面積、dは導体板の
間隔であり、夫々およそ、
【数3】S=1×10-2[m2
【数4】 であるから、結局、
【数5】C=2716[pF/m] 程度にしかならない。
【0008】しかも、補助用のチップコンデンサも局所
的な結合であるため、全ての繋ぎ目でのインピーダンス
が小さくなるわけではないので、高周波磁気に対するシ
ールド効果が低いという、解決しなければならない課題
が残されていた。
【0009】他方、上記図7のコンデンサを形成する
際、シールド部材である薄い導体板(極板)7a…7a
のオーバーラップという製作工程が入るため、加工精度
の確保が難しく、シールド効果が不安定になり、また組
立て効率も非常に悪いという問題もあった。
【0010】この発明は、上述した従来の問題に鑑みな
されたもので、傾斜磁場によって高周波磁界シールドに
誘起される低周波の渦電流に因る傾斜磁場波形のなまり
を抑えた状態で、高周波磁気シールド効果を高めること
を、一つの目的とする。また、加工を容易にして安定し
た特性の高周波磁気シールドを提供することを、別の目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るMRI用高周波磁界シールドは、M
RI装置の傾斜磁場コイルと高周波磁場コイルとの間に
設置され且つスリットを形成された導電性の遮蔽部材
と、上記スリット両端部を電気的に接続するコンデンサ
とを有したMRI用高周波磁界シールドにおいて、上記
コンデンサを、長尺状且つ板状の1対の対向する極板
と、この両極板からそれらの向かい合う方向に互い違い
に突設された長尺状且つ板状の部材であって、少なくと
も片方の極板側が複数枚であるサブ極板と、このサブ極
板及び上記極板間に充填された誘電体とで形成し、上記
コンデンサを上記スリットに沿って配置し、上記1対の
極板の長手方向全域を上記スリット両端部に連続的に夫
々電気的結合させた。
【0012】別の態様として、前記コンデンサが、前記
遮蔽部材と前記高周波磁場コイルが配置される位置を含
め、前記高周波磁場コイルの長手方向の長さ以上の範囲
にわたり、連続して分布定数的に電気的接続がなされて
いる。また前記スリットを形成された導電性の遮蔽部材
の厚さの合計が、前記高周波磁場コイルにより発生され
る高周波磁場の周波数で決まる表皮厚さの約3倍以上で
ある。さらに、前記コンデンサを構成する前記誘電体
は、前記RFコイルによる高周波電界に対して低損失の
部材である。
【0013】
【作用】この発明に係る高周波磁界シールドでは、両方
の極板及びそれらのサブ極板間に誘電体が充填されるこ
とで、コンデンサは複数層の積層形であって、スリット
の軸方向に長い長尺状に形成される。しかも、両方の極
板はスリットの両端部に、その軸方向に沿って連続的に
結合されている。これにより、スリットを繋ぐコンデン
サの容量を従来のものよりも増加させることができる。
したがって、誘電体の積層数、材質などの条件を適度に
選択し、その容量を適度な値に設定することにより、ス
リット部分が高周波電流に対しては低いインピーダンス
を呈して、高周波磁気シールド効果を高める一方、低周
波電流に対しては高いインピーダンスを呈して、傾斜磁
場波形の鈍化を抑制できる。また、コンデンサは分布定
数的な容量を持つので、繋ぎ目の任意の箇所で連続して
インピーダンスが低下し、高周波磁気に対するシールド
効果が高くなる。
【0014】
【実施例】以下、この発明に係るMRI用高周波磁界シ
ールドの一実施例を図1〜図3に基づき説明する。な
お、従来と同一の構成要素については同一の符号を用い
て、その説明を簡略化又は省略する。
【0015】この実施例の高周波磁界シールドは、前述
した図4に示す超電導方式のMRI装置におけるのと同
じ位置に配置されたもので、図1はMRI装置の磁石部
の軸方向からみた多分割形の高周波磁界シールドの配置
位置を示している。
【0016】図1において、傾斜磁場コイル5とRFコ
イル6との間に、高周波磁界シールド17が、傾斜磁場
コイル5の内側に貼り付けた状態で設置されている。こ
の高周波磁界シールド17は、長尺状の銅箔から成る、
分割されたシールド部材(遮蔽部材)17a…17a
と、このシールド部材17a…17aの間に接続された
積層形コンデンサ17b…17bとを有する。この内、
シールド部材17a…17aの各々には、傾斜磁場コイ
ル5の内側に軸方向に沿って貼り付けられ、シールド部
材17a…17aの相互間に軸方向に延びる所定間隔の
複数のスリット17c…17cが形成されている。
【0017】上記積層形コンデンサ17b…17bの各
々は図2に示すように形成されている。即ち、各コンデ
ンサ17bは、長尺状且つ板状の2枚の極板21、22
と、この2枚の極板21及び22の各々から、それらが
対向する側に互いに入れ違いになる状態で一体に立設さ
れた各複数枚の長尺状且つ板状のサブ極板23a…23
a及び24a…24aと、これらの極板21、22及び
サブ極板23a…23a、24a…24a間に積層状態
で連続的に充填された誘電体25とを備えている。2枚
の極板21、22は、スリット17c両端のシールド部
材17a、17aの端部に半田付け(参照符号26で示
す)によって立設状態で、しかもスリット軸方向に連続
的に接合されている。
【0018】1対の極板21、22及びサブ極板23a
…23a、24a…24aには、この実施例では厚さ3
5μmの圧延銅泊が使用されている。サブ極板23a…
23a及び24a…24aは各々6枚で形成され、互い
に入れ違いで所定間隔を保持するように極板21及び2
2から櫛形に突設されている。なお、上面及び底面をカ
バーするサブ極板23a,23a及び24a,24a
は、誘電体25の補強も兼ねている。極板21、22の
長手方向の両側面はメッキされ、上面及び底面(スリッ
ト17cに開口した面)はメッキされずにそのまま露出
させている。なお、誘電体25が充填されるサブ極板間
の離間距離は、ここでは60μmに設定されている。
【0019】誘電体25には、比誘電率εr がおよそ2
〜10,誘電正接tan δ=0.0008(周波数10G
Hzのとき)程度のテフロン或いはセラミックパウダー
入りテフロン材など、低損失(この実施例での低損失と
は、テフロン材と同等又はそれ以下の低い損失をいう)
の部材が使われるが、セラミックでもよい。
【0020】このように構成することにより、各層の厚
さが60μm、幅がここでは25mm、軸方向長さがここ
では500mmの誘電体25を9層に積み上げ、全体の厚
さが約0.9mm(=60×9+35×10)の積層形コ
ンデンサ17bが形成される。この積層形コンデンサ1
7bがこの実施例では、各スリット17cの軸方向全域
にわたって配置され且つその両極板21、22がスリッ
ト両端部に軸方向にわたって連続的に接合され、分布定
数形のコンデンサとして機能するようになっている。な
お、この分布定数形でもあるコンデンサ17bは、単位
長さ当たりでは集中定数素子のコンデンサに等価的に置
き換えできる。さらに、コンデンサ17bの単位長さ当
たりの静電容量の値は、スリット17cのインピーダン
スが高周波の渦電流に対しては十分小さいが、低周波の
渦電流に対しては十分大きくなるように選択されるもの
である。
【0021】また、この実施例では、分割されたシール
ド部材17aの厚さの合計は、RFコイル6の発生する
高周波磁場の周波数f0 (ラーモア周波数)に拠る表皮
の厚さの3倍以上に設定されている。ここでいう表皮の
厚さuは、
【数6】u=(2/ωσμ)1/2 で表される。μは導体の透磁率、σは導体の導電率、ω
は2πf0 である。平面波を有する電磁波が導体に当た
ったときの、部材内部での振幅の減衰率は、図3に示す
ように、指数関数的に低下することが知られている。こ
れにより、厚さ3uの導体透過後の電磁波は、透過前の
約5%まで振幅の減衰がみられることになる。
【0022】次いで、この実施例の作用効果を説明す
る。
【0023】図2に示した積層形コンデンサ17bの単
位長さ当たりの静電容量の例を計算してみる。多層なの
で、平行板導体の面積S,導体板の間隔dは、およそ、
【数7】
【数8】d=0.06÷1000=6×10-5[m] である。比誘電率εを約2.1とすると、静電容量C
はおよそ、
【数9】C=56406[pF/m] となる。つまり、従来のオーバーラップによる単層構造
のコンデンサ(図7参照)に比べて、約21倍の容量に
なる。
【0024】そこで、高周波の渦電流(周波数63.9
MHzとする)に対する、スリット繋ぎ目のインピーダ
ンスZは、単位長さ当たり、およそ、
【数10】 |Z|=|1/jωC|=0.044[Ω/m] となる。これに対して、図7に記載した従来の並行板コ
ンデンサによるインピーダンスZ0 は、単位長さ当た
り、およそ、
【数11】 である。
【0025】このように、高周波の渦電流に対しては、
積層形コンデンサ17bによるスリット繋ぎ目のインピ
ーダンスが従来よりも著しく低減し、且つ、低損失であ
るから、高周波の渦電流はほぼ遮断されることなく流
れ、理想に近い導電状態となり、高周波磁場に対する十
分なシールド効果が得られる。つまり、傾斜磁場コイル
5を経由してRFコイル6に入り込む高周波ノイズが減
少し、また、傾斜磁場コイル5とRFコイル6の磁気的
カップリングに起因するRFコイル6のQ値も殆ど低下
せず、S/N比が向上する。一方、積層形コンデンサ1
7bに係るスリット繋ぎ目のインピーダンスが、低周波
の渦電流に対しては十分に高い値を示すように予め設計
すれば、傾斜磁場コイル5による傾斜磁場波形のなまり
も抑制され、画像歪みも適確に防止される。これによっ
て、高周波シールド17に要求される、前述した3つの
条件が同時にほぼ満足される。
【0026】さらに、この積層形コンデンサ17bは長
尺状に形成されているから、スリット両端部に分布定数
的に且つ均一に接続された状態で、スリット17cを全
体を塞ぐ。そして、分割されたシールド部材の厚さの合
計が表皮の厚さuの3倍程度以上あるから、図3に示し
たように到来電磁波を十分に減衰させ、シールド効果が
高められる。実際には、サブ極板は多層構造なので、そ
の厚さ合計値が表皮の厚さuの3倍以下であっても相当
のシールド効果が得られる。
【0027】さらに、この実施例の積層形コンデンサ1
7bは全体がシート状なので、分布定数的な静電容量を
呈するから、従来のように集中定数素子のコンデンサを
取り付ける場合の位置精度に対する留意は殆ど必要無く
なる。このことを詳述すると、次のようになる。高周波
シールドは、前述したようにRFコイル6の電流パター
ンに相似な渦電流の発生によりなされるから、その渦電
流の経路のインピーダンスは十分低くなければならない
し、その経路に損失を生じる物質が在ることは望ましく
ない。その渦電流の経路のインピーダンスを下げるため
とは言え、渦電流の経路を特定して、RFコイル6と高
周波シールド17との位置関係を正確に固定することは
難しい。そこで、この実施例のコンデンサ17bのよう
に分布定数的に容量が分布していると、どの経路の渦電
流に対してもインピーダンスが低くなっているから、コ
ンデンサ17bとRFコイル6との軸方向の位置ずれに
起因して、シールド効果が変化するということも理論上
では有り得ないことになる。したがって、コンデンサ1
7bの軸方向の取り付けが簡単になる。一方、従来のよ
うにオーバーラップという煩わしい加工が不要になる。
この結果、コンデンサ設置加工が従来よりも格段に簡単
になり、作業能率も大幅に向上すると共に、加工精度の
向上によって、安定したシールド効果を発揮でき、MR
I装置の信頼性も増す。
【0028】なお、この発明が適用可能な高周波磁気シ
ールドにおけるスリットの形状は、上述した実施例の如
く、シールド部材を軸方向(z軸方向とする)に多分割
するものに限定されることなく、xy面、yz面、zx
面に対し面対称であり、一続きの導体部分に形成される
渦電流の時定数が傾斜磁場の立上がり時間よりも十分短
くなるように形成されたスリットであれば、任意形状の
スリット(例えば、米国特許4,642,569号中の
図3及び図6記載のスリット形状や、「R.J.Ordidge et
al, "Snapshot Imaging at 0.5T Using Echo-Planar T
echniques",MAGNETIC RESONANCE IN MEDICINE 10, 227-
240(1989)」の図2記載のスリット形状)に適用でき
る。
【0029】また、この発明に係る積層形コンデンサ
は、そのスリット軸方向の長さがRFコイルの軸方向長
さ以上であって、その軸方向長さをカバーできるように
設置されればよい。なお、この発明に係る積層形コンデ
ンサの特殊な使い方としては、スリットを横切る渦電流
の経路のみをカバーできる軸方向長さとしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のMRI
用高周波磁気シールドは、遮蔽部材にスリットを設け、
このスリットに接続するコンデンサを、長尺状且つ板状
の1対の対向する極板と、この両極板からその向かい合
う方向に互い違いに突設された、少なくとも片方の極板
側が複数枚のサブ極板と、このサブ極板及び上記極板間
に充填された誘電体とで形成し、このコンデンサを上記
スリットの長手方向に沿って配置し、1対の極板の長手
方向全域をスリットの長手方向両端部に各々連続して電
気的結合させた構造とした。このため、従来の単層のコ
ンデンサに比べて静電容量を十分に大きくして、スリッ
トのインピーダンスを高周波の渦電流に対しては十分に
小さくし、高周波磁気シールドの効果を従来よりも格段
に高めることができるとともに、低周波の渦電流に対し
てはそのインピーダンスを大きな値に保持して、傾斜磁
場波形の鈍化に拠る画像歪み等のアーチファクトを抑制
でき、それら両者を高いレベルで両立させること、また
比較的簡素な構成で済み且つ分布定数形のコンデンサと
なることにより取付け加工が容易になる等、スリットを
用いたシールドとしては従来よりも格段に信頼性が高
く、使い易い高周波磁気シールドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る高周波磁気シールド
の位置を示す概略断面図。
【図2】図1中の積層形コンデンサとその取付け状態を
示す斜視図。
【図3】表皮効果の厚さを説明する平面電磁波減衰曲線
のグラフ。
【図4】MRI装置の磁石部の概略断面図。
【図5】従来の高周波磁気シールドの一例を示す部分斜
視図。
【図6】スリットの等価回路を説明する説明図。
【図7】従来のオーバーラップによって形成される単層
並行板コンデンサの断面図。
【符号の説明】
5 傾斜磁場コイル 6 RFコイル 17 高周波磁気シールド 17a シールド部材(銅箔) 17b 積層形コンデンサ 17c スリット 21,22 極板 23a,24a サブ極板 25 誘電体(テフロン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−24019(JP,A) 特開 平1−259848(JP,A) 特開 平2−95347(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MRI装置の傾斜磁場コイルと高周波磁場
    コイルとの間に設置され且つスリットを形成された導電
    性の遮蔽部材と、上記スリット両端部を電気的に接続す
    るコンデンサとを有したMRI用高周波磁界シールドに
    おいて、上記コンデンサを、長尺状且つ板状の1対の対
    向する極板と、この両極板からそれらの向かい合う方向
    に互い違いに突設された長尺状且つ板状の部材であっ
    て、少なくとも片方の極板側が複数枚であるサブ極板
    と、このサブ極板及び上記極板間に充填された誘電体と
    で形成し、上記コンデンサを上記スリットに沿って配置
    し、上記1対の極板の長手方向全域を上記スリット両端
    部に連続的に夫々電気的結合させたことを特徴とするM
    RI用高周波磁界シールド。
  2. 【請求項2】 前記コンデンサが、前記遮蔽部材と前記
    高周波磁場コイルが配置される位置を含め、前記高周波
    磁場コイルの長手方向の長さ以上の範囲にわたり、連続
    して分布定数的に電気的接続がなされていることを特徴
    とするMRI用高周波磁界シールド。
  3. 【請求項3】 前記誘電体は、前記RFコイルによる高
    周波電界に対して低損失の部材である請求項1記載のM
    RI用高周波磁界シールド。
  4. 【請求項4】前記スリットを形成された導電性の遮蔽部
    材の厚さの合計が、前記高周波磁場コイルにより発生さ
    れる高周波磁場の周波数で決まる表皮厚さの約3倍以上
    である請求項1記載のMRI用高周波磁界シールド。
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