JP3231733B2 - 流動床用光触媒顆粒 - Google Patents

流動床用光触媒顆粒

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JP3231733B2
JP3231733B2 JP09221699A JP9221699A JP3231733B2 JP 3231733 B2 JP3231733 B2 JP 3231733B2 JP 09221699 A JP09221699 A JP 09221699A JP 9221699 A JP9221699 A JP 9221699A JP 3231733 B2 JP3231733 B2 JP 3231733B2
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修二 恒松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,光照射することにより被処理液
を処理する浄化方法に用いる流動床用光触媒顆粒に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来,光触媒による水浄化処理方法とし
て,酸化チタン等の光触媒を水中に静置,又は攪拌しな
がら水中の被処理物を分解する方法がある。上記方法に
おいては,水浄化処理後に酸化チタンを分離回収しなけ
ればならない。そのため,上記光触媒として,粒径1μ
m以下の酸化チタン等の微粉末を使用することは,実用
上困難である。そこで,上記光触媒として,珪藻土等の
顆粒状担体の表面に酸化チタンをコーティングした,流
動床用光触媒顆粒が開発されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記流動床用
光触媒顆粒は,水中における破砕強度が低い。そのた
め,流動床のような過酷な環境に耐えることができな
い。即ち,流動床においては,上記流動床用光触媒顆粒
同士が激しく接触するため,この接触によって,上記流
動床用光触媒顆粒が粉砕或いは摩耗してしまう。これに
より,結局,上記流動床用光触媒顆粒の粒径が小さくな
り,分離回収が困難となるという問題がある。
【0004】また,水中においては,被処理物の拡散速
度が遅いため,上記流動床用光触媒顆粒が上記被処理物
をその近傍に捕らえる必要がある。その点,従来の流動
床用光触媒顆粒は,被処理物の吸着性能が不充分である
ため,被処理物の分解効率が不充分であるという問題も
ある。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,水中における破砕強度が高く,吸着性能
の高い流動床用光触媒顆粒を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,被処理液
中において流動させながら,光照射を行ない,上記被処
理液を浄化処理するための流動床用光触媒顆粒であっ
て,該流動床用光触媒顆粒は,2nm以下のミクロポア
を多数有する下記の特定のシリカ1次粒子が,ファンデ
ルワールス力によって多数互いに凝集することにより形
成された多孔質シリカ粒子担体と,該多孔質シリカ粒子
担体に焼結によって担持させた光触媒成分とよりなり,
かつ上記シリカ1次粒子は板状シリカ,鎖状シリカ,又
は針状シリカのいずれかであり, また,上記シリカ1次
粒子は,ファンデルワールス力によって多数互いに凝集
して2〜50nmのメソポアを有する2次粒子を形成
し,更に2次粒子が多数凝集して0.1〜1μmのマク
ロポアを有する多孔質シリカ粒子担体を形成している
とを特徴とする流動床用光触媒顆粒にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,流
動床用光触媒顆粒は,2nm以下のミクロポアを多数有
するシリカ1次粒子が,ファンデルワールス力によって
多数互いに凝集することによって形成された多孔質シリ
カ粒子担体と,該多孔質シリカ粒子担体に焼結により担
持させた光触媒成分とよりなること,上記シリカ1次粒
子が板状シリカ,鎖状シリカ,針状シリカのいずれかで
あること,及び上記シリカ1次粒子は,ファンデルワー
ルス力によって多数互いに凝集して2〜50nmのメソ
ポアを有する2次粒子を形成し,更に2次粒子が多数凝
集して0.1〜1μmのマクロポアを有する多孔質シリ
カ粒子担体を形成していることである。なお,上記ミク
ロポアの大きさの下限は0.5nm程度である。
【0008】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記流動床用光触媒顆粒を形成する上記シリカ1次粒子
は,2nm以下のミクロポアを多数有するため,被処理
物の吸着性能に優れている。また,上記シリカ1次粒子
は,板状シリカ,鎖状シリカ,針状シリカのいずれかよ
りなり,かつファンデルワールス力によって互いに凝集
して,上記多孔質シリカ粒子担体を形成している。即
ち,該多孔質シリカ粒子担体は加熱焼成することなく形
成するため,上記シリカ1次粒子のミクロポアが潰れる
おそれがない。
【0009】また,上記多孔質シリカ粒子担体は破砕強
度が高い。そのため,上記流動床用光触媒顆粒は,流動
床における激しい接触にも耐えることができる。また,
上記多孔質シリカ粒子担体への光触媒成分の担持は,焼
結によりなされているため,その担持力は大きい。その
ため,流動床における激しい接触によって,上記光触媒
成分が上記多孔質シリカから脱落するおそれがない。
【0010】以上のごとく,本発明によれば,水中にお
ける破砕強度が高く,吸着性能の高い流動床用光触媒顆
粒を提供することができる。
【0011】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記光触媒成分は,アナターゼ型酸化チタン,該アナター
ゼ型酸化チタンと非晶質シリカとの複合体であることが
好ましい。これにより,活性に優れ,より高い触媒性能
を有する流動床用光触媒顆粒を得ることができる。
【0012】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記光触媒成分は,上記多孔質シリカ粒子担体に膜状に担
持されており,かつ多孔質シリカ粒子担体の表面まで貫
通する貫通クラックを多数有していることが好ましい。
この場合には,上記光触媒成分は,上記多孔質シリカ粒
子担体に膜状に形成されているため,粒子状に担持され
る場合と比較して上記多孔質シリカ粒子担体の表面から
の離脱が生じ難い。また,上記光触媒成分が上記貫通ク
ラックを有するため,上記多孔質シリカ粒子担体は吸着
機能を充分に発揮することができる。
【0013】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記多孔質シリカ粒子担体の粒径は,100μm〜100
0μmであることが好ましい。これにより,浄化処理後
における分離回収が容易であり,かつ触媒性能を充分に
発揮することができる流動床用光触媒顆粒を得ることが
できる。上記多孔質シリカ粒子担体の粒径が100μm
未満である場合には,浄化処理後の流動床用光触媒顆粒
の分離回収が困難となるおそれがある。一方,上記粒径
が1000μmを超える場合には,上記流動床用光触媒
顆粒の触媒性能が充分に発揮されないおそれがある。
【0014】次に,請求項1に示した上記シリカ1次粒
子は板状シリカ,鎖状シリカ,又は針状シリカのいず
れかである。上記鎖状シリカとは,例えば上記板状シリ
カが鎖状に繋がって形成されたものをいう。これによ
,上記シリカ1次粒子の表面積が大きく,上記光触媒
成分を多量に担持できると共に,吸着性能を充分に発揮
できる。そのため,吸着性能及び触媒性能に一層優れた
流動床用光触媒顆粒を得ることができる。
【0015】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記板状シリカは,屈曲偏平体であることが好ましい。上
記屈曲偏平体とは,例えばバラの花びらのように屈曲し
た薄板状体をいう(図1(C),図4参照)。これによ
り,隣り合う上記シリカ1次粒子の間に間隙が生じ,吸
着性能が一層向上する。
【0016】また,請求項1に示した上記シリカ1次粒
子は,ファンデルワールス力によって多数互いに凝集し
て2〜50nmのメソポアを有する2次粒子を形成し,
更に2次粒子が多数凝集して0.1〜1μmのマクロポ
アを有する多孔質シリカ粒子担体を形成している。
ち,上記メソポアは,凝集した多数のシリカ1次粒子の
間隙に形成される。また,上記マクロポアは,凝集した
多数の2次粒子の間隙に形成される。これにより,一層
吸着性能に優れた流動床用光触媒顆粒を得ることができ
る。
【0017】なお,上記多孔質シリカ担体の多孔質シリ
カを製造する方法の一例につき説明する。まず,シリカ
原料と石灰原料とを所定の割合で混合し,水の存在下
で,オートクレーブを用いて水熱反応させる。次いで,
得られた珪酸カルシウムから酸処理によって酸化カルシ
ウムを除去する。次いで,シリカ固形分を分離回収する
ことにより,多孔質シリカを得る。
【0018】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる流動床用光触媒顆粒につ
き,図1〜図5を用いて説明する。本例の流動床用光触
媒顆粒1は,流動床において光を照射して,上記被処理
液4を浄化処理するためのものである(図5)。
【0019】上記流動床用光触媒顆粒1は,図1
(A),図2に示すごとく,多孔質シリカ粒子担体2
と,該多孔質シリカ粒子担体2に焼結によって担持させ
た光触媒成分としての酸化チタン3とよりなる。上記多
孔質シリカ粒子担体2は,2nm以下のミクロポア21
1を多数有するシリカ1次粒子21(図1(C))が,
ファンデルワールス力によって多数互いに凝集すること
により形成されている(図1(B),図3,図4)。
【0020】なお,図2,図3において,白色部分がそ
れぞれ流動床用光触媒顆粒1,多孔質シリカ粒子担体2
を表す。また,図4において,白色部分が屈曲偏平体の
形状であるシリカ1次粒子21を表し,黒色部分がその
間隙を表す。
【0021】上記酸化チタン3は,アナターゼ型酸化チ
タンであり,上記多孔質シリカ粒子担体2に膜状に担持
されており,かつ多孔質シリカ粒子担体2の表面まで貫
通する貫通クラック39を多数有している(図1
(A),図2)。また,上記多孔質シリカ粒子担体2の
粒径は,100〜1000μmである。また,上記シリ
カ1次粒子21は,板状シリカであり,屈曲偏平体であ
る(図1(C))。
【0022】また,上記シリカ1次粒子は,ファンデル
ワールス力によって多数互いに凝集した2次粒子を形成
し,該2次粒子は2〜50nmのメソポアを有する(図
示略)。即ち,上記メソポアは,凝集した多数のシリカ
1次粒子21の間隙に形成される。また,上記2次粒子
が多数凝集することにより,これらの間隙に0.1〜1
μmのマクロポアが形成された上記多孔質シリカ粒子担
体2となっている。
【0023】次に,本例の流動床用光触媒顆粒1の製造
方法につき説明する。まず,上記多孔質シリカ粒子担体
2を得るため,多孔質シリカを以下のごとく製造する。
シリカ原料と石灰原料とを,CaO/SiO2モル比
0.3〜1.2の割合で混合し,この水性スラリーをオ
ートクレーブを用いて70〜190℃の温度において水
熱反応させる。次いで,得られた珪酸カルシウムスラリ
ーに30〜100℃の温度において酢酸を加える。これ
により,上記珪酸カルシウムスラリー中の酸化カルシウ
ムを溶解除去し,シリカ固形分を分離回収することによ
り多孔質シリカを得る。
【0024】該多孔質シリカは,2nm以下のミクロポ
ア211を無数に有するシリカ1次粒子21が,ファン
デルワールス力によって凝集したものである(図1
(B),図4)。上記シリカ1次粒子21間の気孔径は
2nm〜50nmであり,2次粒子が凝集してできた間
隙の気孔率は0.1〜1μmである。また,比表面積
は,200〜800m2である。
【0025】上記多孔質シリカを粉砕し,粒径を100
〜1000μmの顆粒に分級する。これにより得られた
多孔質シリカ粒子担体2を,チタニウムテトライソプロ
ポキシドなどの金属アルコキシドからなる酸化チタンゾ
ル,或いは酸化チタンの超微粒子とバインダーであるシ
リカ分(珪酸エチルを加水分解させたもの)が分散した
酸化チタンスラリー中に浸漬する。これを乾燥,焼成す
ることにより,酸化チタン3を上記多孔質シリカ粒子担
体2の表面及び細孔内にコーティングする。以上によ
り,流動床用光触媒顆粒1を製造する。
【0026】次に,本例の流動床用光触媒顆粒1を用い
て被処理液を浄化する方法につき,図5を用いて説明す
る。上記流動床用光触媒顆粒1は,図5に示すごとく,
光源51,流入パイプ52,及び流出パイプ53を有す
る,流動式の浄化槽5の中で使用する。即ち,上記浄化
槽5の中に,流動床用光触媒顆粒1を多数投入してお
き,上記流入パイプ52の噴出口521から被処理液4
を噴出させると共に,光源51から光を照射する。これ
により,上記流動床用光触媒顆粒1を上記被処理液4中
に流動させ,光触媒機能を発揮させる。このようにし
て,被処理液4中の汚染物質等を分解して,浄化処理を
行う。浄化処理後の液体は,フィルター531により上
記流動床用光触媒顆粒1と分離しつつ,上記流出パイプ
53から流出させる。
【0027】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記流動床用光触媒顆粒1を形成する上記シリカ1次粒子
21は,2nm以下のミクロポア211を多数有するた
め(図1(C)),被処理物の吸着性能に優れている。
また,上記シリカ1次粒子21は,ファンデルワールス
力によって互いに凝集して,上記多孔質シリカ粒子担体
2を形成している。即ち,上記多孔質シリカ粒子担体2
は加熱焼成することなく形成するため,上記シリカ1次
粒子21のミクロポア211が潰れるおそれがない。
【0028】また,上記多孔質シリカ粒子担体2は破砕
強度が高い。そのため,上記流動床用光触媒顆粒1は,
流動床における激しい接触にも耐えることができる。ま
た,上記多孔質シリカ粒子担体2への酸化チタン3の担
持は焼結によりなされるため,その担持力は大きい。そ
のため,流動床における激しい接触によって,上記酸化
チタン3が上記多孔質シリカ2から脱落するおそれがな
い。
【0029】上記酸化チタン3は,アナターゼ型酸化チ
タンであるため,活性に優れ,より高い触媒性能を有す
る流動床用光触媒顆粒1を得ることができる。また,上
記酸化チタン3は,上記多孔質シリカ粒子担体2に膜状
に担持されているため,上記多孔質シリカ粒子担体2の
表面からの離脱が生じ難い。また,上記酸化チタン3が
上記貫通クラック39を有するため,上記多孔質シリカ
粒子担体2は吸着機能を充分に発揮することができる。
【0030】また,上記多孔質シリカ粒子担体2の粒径
は,100〜1000μmであるため,浄化処理後の分
離回収が容易であると共に,触媒性能を充分に発揮する
ことができる流動床用光触媒顆粒1を得ることができ
る。また,上記シリカ1次粒子21は板状シリカであ
り,屈曲偏平体であるため,図4に示すごとく,隣り合
う上記シリカ1次粒子21の間に間隙が生じ,吸着性能
が一層向上する。
【0031】以上のごとく,本例によれば,水中におけ
る破砕強度が高く,吸着性能の高い流動床用光触媒顆粒
を得ることができる。
【0032】実施形態例2 本例は,更に具体的な製造方法を示すものである。ま
た,これにより得られた流動床用光触媒顆粒は,以下の
実験例1〜3において使用した。まず,実施形態例1と
同様の方法で多孔質シリカを得た。本例の多孔質シリカ
のシリカ純度は99.6%,比表面積は574m2/g
であり,シリカ1次粒子の平均細孔径は1.5nmであ
った。上記多孔質シリカを粉砕分級して粒径300〜5
50nmの多孔質シリカ粒子担体を得た。
【0033】この多孔質シリカ粒子担体への光触媒成分
としての酸化チタンのコーティングを以下のように行っ
た。まず,酸化チタンスラリーの調整を行った。上記酸
化チタンスラリーの成分は,主成分となる酸化チタン粉
末(石原産業製ST−01),多孔質シリカ,結合剤と
しての非晶質シリカである。
【0034】上記結合剤の作成に当っては,エタノール
100g中に硝酸2滴を滴下し充分に攪拌した後,エチ
ルシリケート(珪酸エチル)20gを投入し,スターラ
ーで攪拌しながら更に蒸留水11.8gをゆっくりと滴
下した。その後,50℃オーブン中で24時間加水分解
を生じさせてシリカゾルを作製し,これを結合剤とし
た。
【0035】上記酸化チタンスラリーを調合する際,上
記結合剤を,加水分解後の非晶質シリカが酸化チタンに
対して5wt%,10wt%,15wt%,20wt
%,25wt%となるよう調整し,また,酸化チタンの
固形分濃度がエタノールとシリカゾルに対して10wt
%となるよう調整した。具体的な調合表を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記所定量のエタノールとシリカゾルを3
0分間室温で混合し,次いで酸化チタンを所定量投入
し,更に30分間室温で攪拌することにより酸化チタン
スラリーを得た。この5種類の酸化チタンスラリーを,
上記非晶質シリカの重量比が小さいものから,スラリー
1〜スラリー5とした。
【0038】次に,上記酸化チタンスラリーを使用し
て,以下のごとく,多孔質シリカ粒子担体へ酸化チタン
をコーティングした。まず,上記のごとく300〜55
0μmに分級した多孔質シリカ粒子担体を,蒸留水中で
30分間超音波洗浄し,表面に付着した細かい破砕粒子
を取り除いた。次いで,上記多孔質シリカ粒子担体をオ
ーブンにて70℃で2時間以上乾燥した後,上記酸化チ
タンスラリー中に投入し,超音波攪拌を15分間行っ
た。
【0039】次いで,多孔質シリカ粒子担体に対して,
余分な酸化チタンスラリーを除去するために吸引濾過を
行った。次いで,オーブンにて70℃で1時間乾燥し,
磁性皿に入れて500℃で1時間の熱処理を行った。
【0040】以上により,上記多孔質シリカ粒子担体に
酸化チタンを焼結することによりコーティングし,流動
床用光触媒顆粒を得た。なお,上記スラリー1〜スラリ
ー5を用いて得られた流動床用光触媒顆粒を,それぞ
れ,試料1〜試料5とした。
【0041】実験例1 本例においては,図6に示すごとく,本発明の流動床用
光触媒顆粒の水中破砕強度を評価した。即ち,上記実施
形態例2の試料1〜試料5と,比較のために,天然ゼオ
ライト,酸化チタンコートシリカゲル,ST−B11
(石原産業製)につき,水中破砕強度を評価した。
【0042】なお,上記ST−B11は,珪藻土の表面
に酸化チタンをコーティングした光触媒顆粒である。ま
た,上記酸化チタンコートシリカゲルは,上記試料1〜
5と粒径を同程度に揃えるため,Merck製シリカゲ
ル60(粒径:200〜500μm)を用いた。これ
に,上記スラリー4を用いて,実施形態例2に示した方
法と同じ方法で,酸化チタンをコーティングした。
【0043】次に,破砕試験方法につき説明する。ま
ず,100cc三角フラスコに水道水100ccを量り
取り,そこへ,長さ45mm,直径8mmの攪拌子,及
び試料7ccを投入した。スターラーの回転数を200
rpmと一定にし,所定時間(10,20,30,60
分間)後に回転を止めて,その約10秒後の懸濁液を5
ccずつサンプリングした。
【0044】このサンプリング液を石英標準セルに入
れ,分光光度計にて可視光(450〜700nm)の透
過率を測定した。この測定結果を,図6に示す。なお,
図6の各線図は,それぞれの試料を投入した懸濁液の可
視光透過率の変化を示す。同図において,可視光透過率
が高いものは,破砕が少ないことを示している。
【0045】図6から分かるように,ST−B11を入
れた水道水,及び酸化チタンコートシリカゲルを入れた
水道水は,天然ゼオライトを入れた水道水よりも,可視
光透過率が大きく低下している。一方,本発明の試料1
〜5を入れた水道水は,天然ゼオライトを入れた水道水
よりも,可視光透過率の低下が小さい。
【0046】これは,ST−B11及び酸化チタンコー
トシリカゲルは,天然ゼオライトよりも破砕強度が小さ
く,試料1〜5は,天然ゼオライトよりも破砕強度が大
きいことを示している。天然ゼオライトは,一般に水処
理に使用されており,これと同等以上の破砕強度があれ
ば,流動床用として実用上充分であると考えられる。従
って,本例により,本発明の流動床用光触媒顆粒は,充
分な破砕強度を有することが分かる。
【0047】実験例2 本例においては,図7〜図9に示すごとく,本発明の流
動床用光触媒顆粒の触媒性能につき,メチレンブルー水
溶液を用いて評価した。即ち,上記実施形態例2の試料
4,及び比較のためのST−B11による,メチレンブ
ルーの脱色試験を以下のように行った。
【0048】まず,50cc三角フラスコ50に30p
pmメチレンブルー水溶液40を50cc投入して,図
7に示すごとく,10Wのブラックライト510の上方
30mmの位置に設置した。次いで,上記試料を7cc
量り取り,上記メチレンブルー水溶液40に投入すると
共に,バブリングパイプ520から空気を吐出してバブ
リングすることにより攪拌した。
【0049】次いで,5分間は,ブラックライト510
を点灯せず,吸着の様子を観察した。投入から5分経過
後に上記ブラックライト510を点灯し,所定時間に上
記メチレンブルー水溶液40を3ccずつサンプリング
した。上記所定時間は,ブラックライト510点灯から
5分後,15分後,25分後とした。サンプリングした
メチレンブルー水溶液を,分光光度計を用いて可視光
(波長450〜700nm)の吸光度変化を測定した。
【0050】また,予め測定した,上記メチレンブルー
水溶液40の吸収スペクトルを図8に示す。図8より,
今回使用したメチレンブルーの吸収ピーク波長は660
nmであることが分かった。従って,この吸収ピーク波
長における吸光度変化(吸光度の初期値からの減少率:
ΔABS)を測定することによって,上記メチレンブル
ーの脱色評価を行うことができる。
【0051】上記試験において測定した波長660nm
における吸光度変化を図9に示す。図9において,時間
軸の原点(0分)はブラックライト510の点灯時点を
示し,−5分〜0分の間は暗室下におけるメチレンブル
ーの各試料への吸着を評価したものである。
【0052】図9から分かるように,試料4を投入した
メチレンブルー水溶液40は,ST−B11を投入した
メチレンブルー水溶液40に比較して,吸光度が急激に
減少した。また,上記試料4を投入したメチレンブルー
水溶液40は,ブラックライト510点灯前から吸光度
は減少しており,ブラックライト510点灯後5分間で
略透明となった。これは,上記試料4は,ST−B11
と比較して,メチレンブルーの吸着力が高いことを示し
ている。
【0053】また,上記試験後の試料4及びST−B1
1は,青く染色されており,特に上記試料4は,その度
合いが大きかった。このことも,上記試料4の多孔質シ
リカによって,メチレンブルーが短時間で吸着されたこ
とを表している。また,この染色された試料4,ST−
B11にブラックライトを照射すると,両試料ともに脱
色されていった。これは,両試料にコーティングされた
光触媒により,メチレンブルーが分解されたものと考え
られる。以上のごとく,本例によれば,本発明の流動床
用光触媒顆粒は,触媒性能,特に吸着性能に優れている
ことが分かる。
【0054】実験例3 本例においては,図10に示すごとく,本発明の流動床
用光触媒顆粒による,下水中の有機体炭素(TOC)の
分解試験を行った。本例においては,本発明の流動床用
光触媒顆粒として実施形態例2の試料4を用い,比較試
料としてST−B11を用いた。
【0055】以下に,TOCの分解試験につき説明す
る。まず,下水処理施設から入手した下水を,4−Aの
濾紙を用いて吸引濾過し,浮遊物を除去した。次いで,
上記下水を200cc三角フラスコに100cc量り取
り,実験例2の場合と同様に設置した(図7参照)。上
記200cc三角フラスコ中の下水に試料を7cc投入
するとともに,バブリングにより攪拌した。
【0056】次いで,上記下水にブラックライトを照射
して,所定時間に下水を10ccずつサンプリングし
た。なお,上記所定時間は,ブラックライト点灯から3
0分後,60分後,120分後とした。サンプリングし
た下水のTOCの濃度を測定装置(SIMAZU製全有
機体炭素計TOC−5000A)により測定した。測定
結果を図10に示す。
【0057】図10より分かるように,試料4を投入し
た下水のTOC濃度は,ST−B11を投入した下水の
TOC濃度に比較して大きく減少している。これは,本
発明の試料4のTOCの分解速度がST−B11に比較
して大きいことを表している。従って,本例によれば,
本発明の流動床用光触媒顆粒は,TOCの分解能力が高
いことが分かる。
【0058】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,水中に
おける破砕強度が高く,吸着性能の高い流動床用光触媒
顆粒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,流動床用光触媒顆粒の
(A)部分断面斜視図,(B)(A)の一点鎖線部分の
部分拡大図,(C)光触媒成分が担持されたシリカ1次
粒子の部分断面斜視図。
【図2】実施形態例1における,流動床用光触媒顆粒の
図面代用電子顕微鏡写真(150倍)。
【図3】実施形態例1における,多孔質シリカ粒子担体
の図面代用電子顕微鏡写真(200倍)。
【図4】実施形態例1における,シリカ1次粒子が凝集
した様子を表す図面代用電子顕微鏡写真(10000
倍)。
【図5】実施形態例1における,流動式浄化槽の説明
図。
【図6】実験例1における,破砕試験結果を示す線図。
【図7】実験例2における,メチレンブルーの脱色試験
方法の説明図。
【図8】実験例2における,メチレンブルーの吸収スペ
クトルを示す線図。
【図9】実験例2における,メチレンブルーの脱色試験
結果を示す線図。
【図10】実験例3における,TOC分解試験結果を示
す線図。
【符号の説明】
1...流動床用光触媒顆粒, 2...多孔質シリカ粒子担体, 21...シリカ1次粒子, 211...ミクロポア, 3...酸化チタン, 39...貫通クラック, 4...被処理液, 5...浄化槽,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 真示 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 渡邉 裕和 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 審査官 関 美祝 (56)参考文献 特開 平8−24629(JP,A) 特開 平10−174983(JP,A) 特開 昭62−41712(JP,A) 特開 昭54−118399(JP,A) 特開 平9−105120(JP,A) 特開 平9−75434(JP,A) 特開 昭61−6118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C02F 1/70 - 1/78 C01B 33/00 - 33/193

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液中において流動させながら,光
    照射を行ない,上記被処理液を浄化処理するための流動
    床用光触媒顆粒であって, 該流動床用光触媒顆粒は,2nm以下のミクロポアを多
    数有する下記の特定のシリカ1次粒子が,ファンデルワ
    ールス力によって多数互いに凝集することにより形成さ
    れた多孔質シリカ粒子担体と, 該多孔質シリカ粒子担体に焼結によって担持させた光触
    媒成分とよりなり, かつ上記シリカ1次粒子は板状シリカ,鎖状シリカ,又
    は針状シリカのいずれかであり, また,上記シリカ1次粒子は,ファンデルワールス力に
    よって多数互いに凝集して2〜50nmのメソポアを有
    する2次粒子を形成し,更に2次粒子が多数凝集して
    0.1〜1μmのマクロポアを有する多孔質シリカ粒子
    担体を形成している ことを特徴とする流動床用光触媒顆
    粒。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記光触媒成分は,
    アナターゼ型酸化チタン,該アナターゼ型酸化チタンと
    非晶質シリカとの複合体であることを特徴とする流動床
    用光触媒顆粒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記光触媒成
    分は,上記多孔質シリカ粒子担体に膜状に担持されてお
    り,かつ多孔質シリカ粒子担体の表面まで貫通する貫通
    クラックを多数有していることを特徴とする流動床用光
    触媒顆粒。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記多孔質シリカ粒子担体の粒径は,100μm〜10
    00μmであることを特徴とする流動床用光触媒顆粒。
  5. 【請求項5】 請求項1において,上記板状シリカは,
    屈曲偏平体であることを特徴とする流動床用光触媒顆
    粒。
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