JP7141095B2 - 光触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒およびその製造技術に関する。
特許文献1には、直径が0.5nm~2.0nmの細孔を有する多孔質シリカに関する技術が記載されている。
特許文献2には、光触媒機能を発現し得る第1物質と、この第1物質より小さいバンドギャップを有する第2物質とが、互いに接合されて、第1物質単独の場合に比べ光触媒能力を高めることができる技術が記載されている。
特許第5647669号公報 特開2016-87522号公報
光触媒の活性を向上させるために、光触媒粒子を0.5nm~2.0nmの量子ドットから構成することが有効であると期待されているが、現状では、光触媒粒子を量子ドット単独から構成しても、期待されるような活性向上が見られない。したがって、光触媒の活性を向上するために有効とされている量子ドットに対する工夫が必要とされている。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における光触媒は、量子サイズ効果が生じる径の量子ドットの鋳型となる径の細孔が形成された担体と、細孔に挿入された第1部分と、この第1部分と接触し、かつ、細孔の外部にはみ出た第2部分とを有する触媒材料とを含む。
また、一実施の形態における光触媒は、量子サイズ効果が生じる径の量子ドットの鋳型となる径の細孔が形成された担体と、細孔に挿入された量子ドットと、量子ドットと接触し、かつ、細孔の外部に配置されるナノ粒子とを有する触媒材料とを含む。
一実施の形態における光触媒の製造方法は、(a)量子サイズ効果が生じる径を有する細孔が形成された担体を容器に入れる工程と、(b)容器に光触媒材料の前駆体を注入する工程と、(c)前駆体が注入された容器の内部を減圧乾燥する工程とを備える。
また、一実施の形態における光触媒の製造方法は、(a)量子サイズ効果が生じる径を有する第1細孔と、前記第1細孔の径よりも大きく、かつ、量子サイズ効果が生じない径を有する第2細孔とが形成された構造体を光触媒材料の前駆体に浸漬する工程と、(b)(a)工程の後、構造体を乾燥させる工程と、(c)(b)工程の後、構造体を焼成する工程とを備える。
一実施の形態によれば、光触媒の活性向上を図ることができる。
実施の形態1における光触媒の模式的な構造を示す図である。 図1に示す構造を有する光触媒のバンドを示す図である。 実施の形態1における光触媒の製造工程を説明するフローチャートである。 (a)~(d)は、実施例1における光触媒の製造工程を示す図である。 (a)~(c)は、図4(a)~(d)に示す光触媒の製造工程を経ることによって、細孔を有する多孔質シリカに量子ドットからなる光触媒材料とナノ粒子からなる光触媒材料とを含む複合体が形成される過程を模式的に示す図である。 実施例1における光触媒のTEM画像である。 紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。 塩化チタン水溶液の濃度を5重量%から20重量%まで変化させた場合において、紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。 図8の紫外線照射時間が「270分」の場合における水素発生量と塩化チタン水溶液の濃度との関係を示すグラフである。 塩化チタン水溶液の濃度が10重量%の場合において、多孔質シリカの細孔の内外に酸化チタンが形成されている状態を示すTEM画像である。 塩化チタン水溶液の濃度が5重量%の場合において、多孔質シリカの細孔の内外に「クラゲ構造」が形成されていない状態を示すTEM画像である。 紫外線照射時間と、紫外線を照射することによって、イソプロピルアルコールを分解することで発生する二酸化炭素(CO2)の発生量との関係を示すグラフである。 実施の形態1の変形例における光触媒を模式的に示す図である。 紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。 実施の形態2における光触媒の模式的な構造を示す図である。 実施の形態2における光触媒の製造工程を示すフローチャートである。 (a)~(c)は、実施例2における光触媒製造時の形態変化を示す図である。 実施の形態2における光触媒のSEM画像である。 実施の形態2における光触媒のSEM画像である。 紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<光触媒>
光触媒は、例えば、太陽光等の光によって、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)、メタンガスなどの温室効果ガス、大気汚染物質、揮発性有機化合物(VOC)、油脂などの脂肪酸、臭気物質、ダイオキシンなどの無害化処理や、水の分解による水素製造に使用することが可能である。このことから、光触媒は、大気清浄化、温暖化防止、防汚、消臭、殺菌等の観点から注目されている。光触媒は、半導体材料から構成されており、伝導帯の下端と価電子帯の上端との電位差(バンドギャップ)以上のエネルギーを有する光が照射されると、価電子帯から伝導帯に電子が励起されて、伝導帯に電子を生じるとともに、価電子帯に正孔(ホール)を生じる。そして、光触媒では、光の照射によって生成された電子と正孔が光触媒活性を誘発することになる。具体的に、半導体材料からなる光触媒においては、バンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射することにより、価電子帯から電子が伝導帯に励起される。この結果、光触媒にバンドギャップ以上のエネルギーを有する光が照射された場合、価電子帯に正孔(ホール)が形成されるとともに、伝導帯に電子が励起されて、電子正孔対(励起子)が生成されることになる。この後起こる反応として種々の過程が考えられるが、一例としては次のような反応が起こる。例えば、価電子帯に形成された正孔の準位が、水酸化物イオン(OH-)の酸化準位よりも低い位置にあると、正孔が水酸化物イオン(OH-)から電子を奪い取ることによって(水酸化物イオンから正孔に電子が移動することによって)、水酸化物イオンは、ラジカル(・OH)になる。このラジカルは、強力な酸化力(電子を奪い取る性質)を有しているため、光触媒に接触してくる有機化合物をラジカルの持つ強力な酸化力によって、二酸化炭素などに分解することができる。このようにして、光触媒が機能することになる。このような性質を有する光触媒の適応範囲を拡大するためにも、高活性を示す触媒材料が求められている。
例えば、市場で利用されている代表的な光触媒としては、酸化チタン(TiO2)を挙げることができる。この酸化チタンは、外壁への塗布によるセルフクリーニングや空気清浄装置による悪臭浄化等に利用されている。
ただし、市販されている高活性な光触媒は、微粉末であり、壁への塗布や機材への組み込みを実現するためには、バインダを使用する必要がある。しかしながら、光触媒自身の分解力でバインダも分解されてしまうことが懸念され、分解が進行すると、光触媒の剥離を招いて、光触媒の性能悪化や微粉末の飛散による健康被害が起こることが想定される。また、十分な付着性を確保するためには、バインダ量を増やす必要があり、触媒量の低下による活性低下を招きやすい。
<多孔質シリカの有用性>
このような課題に対し、触媒活性が発現せず、可視領域から紫外領域の光に対して透光性を有する担体に形成された細孔の内部に光触媒を固定する構成が考えられる。例えば、このような構成を実現する材料として、多孔質シリカが有望である。そして、多孔質シリカは、吸着材の役割も果たすことから、多孔質シリカを使用することで、吸着材と光触媒を複合化すること可能となる。すなわち、多孔質シリカを使用することにより、多孔質シリカの吸着機能で悪臭物質等の有機物を効率よく集めることができるとともに、多孔質シリカに設けられた細孔に埋め込まれた光触媒への有機物の接触確率を高めることができるため、光触媒の活性向上を図ることができるものと期待される。
<量子ドットの適用>
ここで、光触媒を商業ベースに乗せるためには効率が重要である。この点に関し、光触媒の活性を向上させるためには、触媒粒子のサイズを小さくして、比表面積を増大させることが有用である。また、多くの揮発性有機化合物(VOC)の分子サイズが1nm以下であることから、悪臭等の原因となる揮発性有機化合物の吸着には1nm前後の細孔を有する多孔質シリカが有効である。本発明者は、これまでに、直径が0.5nm~2.0nm程度の細孔(スーパーミクロ孔)を有する多孔質シリカ(スーパーマイクロポーラスシリカ:SMPS)を開発して、高いVOC吸着能を示すことを報告している。
そこで、この多孔質シリカ(SMPS)と光触媒とを組み合わせて、光触媒粒子の直径を0.5n~2.0nm程度まで低下させた量子ドットによる活性向上を目指すことも、量子サイズ効果による酸化還元準位の拡大や比表面積の増大などの利点があるため有効であると考えられる。さらには、多孔質シリカ(SMPS)の細孔の内部に光触媒材料を導入することにより、バインダと光触媒材料との間には、担体である多孔質シリカが介在することから、光触媒材料とバインダとの直接接触が抑制される。この結果、光触媒材料とバインダとの直接接触に起因するバインダの分解を抑制できる観点からも有効であると考えられる。
本発明者は、以前に多孔質シリカ(SMPS)の細孔を利用して、酸化タングステンや酸化チタンなどの光触媒材料を0.5nm~2.0nm程度の量子ドットで形成することに成功している。例えば、酸化タングステンからなる光触媒材料を量子ドットで形成する場合においては、バルク状態の光触媒材料では進行しない酸素の光還元やプロトンの光還元反応が、量子ドットの光触媒材料では進行するようになることを見出した。すなわち、酸化タングステンの場合、バルクからなる光触媒材料では、正孔に起因して生成されるラジカル(・OH等)の持つ強力な酸化力によって、光触媒機能が実現されるが、励起電子のもつエネルギー準位がプロトンや酸素の還元準位を下回るため励起電子を有効に用いることができない。これに対し、量子ドットからなる光触媒材料では、価電子帯に形成された正孔に起因して生成されるラジカル(・OH等)の持つ強力な酸化力によって実現される光触媒機能だけでなく、伝導帯に励起された電子が酸素に結合することによって生成される反応性の高いスーパーオキシドアニオンラジカル(O2 -・等)で実現される光触媒機能も発現する。この結果、量子ドットからなる光触媒材料では、正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果が高まり、光触媒の活性を向上できることができると期待されている。すなわち、量子ドットからなる光触媒材料では、量子サイズ効果に起因するバンドギャップの拡大によって、例えば、価電子帯の上端の準位が、バルクからなる光触媒材料の価電子帯の上端の準位よりも低くなる。このことは、バルクからなる光触媒材料よりも量子ドットからなる光触媒材料のほうが、例えば、水酸化物イオンの酸化準位よりも価電子帯に形成される正孔の準位がより低くなることを意味する。そして、このことは、水酸化物イオンから正孔に電子が移動しやすくなることを意味し、これは、バルクからなる光触媒材料よりも量子ドットからなる光触媒材料のほうが、強力な酸化力を有するラジカル(・OH等)が形成されやすくなることを意味する(利点1)。さらに、量子ドットからなる光触媒材料では、量子サイズ効果に起因するバンドギャップの拡大によって、例えば、伝導帯の下端の準位が、バルクからなる光触媒材料の伝導帯の下端の準位よりも高くなる。この結果、例えば、バルクからなる光触媒材料の伝導帯の下端と酸素の還元準位との間のエネルギー差よりも、量子ドットからなる光触媒材料の伝導帯の下端と酸素の還元準位との間のエネルギー差が大きくなる。このことは、バルクからなる光触媒材料において、伝導帯に励起された電子が酸素の還元準位に遷移して、酸素が還元される現象が生じる確率よりも、量子ドットからなる光触媒材料において、伝導帯に励起された電子が酸素の還元準位に遷移して、酸素が還元される現象が生じる確率のほうが高くなることを意味する。この結果、量子ドットからなる光触媒材料では、伝導帯に励起された電子が酸素に供給されて、酸素が還元される結果、反応性の高いスーパーオキシドアニオンラジカル(O2-・等)が生成されやすくなる。したがって、量子サイズ効果に起因するバンドギャップの拡大によって、バルクからなる光触媒材料よりも、量子ドットからなる光触媒材料のほうが、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2-・等)で実現される光触媒機能も発現しやすくなるのである(利点2)。
以上のことから、量子ドットからなる光触媒材料では、上述した(利点1)と(利点2)との相乗効果によって、光触媒の活性を向上できると考えられている。
そして、量子ドットからなる光触媒材料と多孔質シリカ(SMPS)との複合材料は、上述したように、高性能吸着材と光触媒材料との複合体となっており、揮発性有機化合物の吸着や光分解などに代表される種々の光触媒反応に有効であると考えられている。
<改善の余地>
ところが、研究の中で、多孔質シリカ(SMPS)の細孔の内部に酸化チタンからなる量子ドットを形成する場合、バルク状態の酸化チタンやナノ粒子の酸化チタンと比較して、光触媒活性が大幅に低下することが判明した。すなわち、上述したように、量子ドットからなる光触媒材料では、正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果によって、光触媒の活性を向上できることができると期待されているのに対し、現実には、光触媒活性が大幅に低下する現象が生じている。
この光触媒活性低下の原因は、以下のように考えられる。すなわち、量子ドットからなる光触媒材料の場合、粒子サイズが非常に小さくなる結果、粒子サイズが励起子のボーア半径よりも小さくなってしまうのである。このことは、光の照射で発生した電子正孔対が再結合する確率が高くなることを意味する。すなわち、量子ドットからなる光触媒材料では、光の照射で発生した電子正孔対の間の距離が安定的な励起子を形成する距離よりも短くなるため、電子正孔対が励起子として安定的に存在することができず、お互いに近づいて再結合してしまう確率が高くなるのである。つまり、量子ドットからなる光触媒材料の場合、粒子サイズが非常に小さくなることから、光の照射で発生した電子正孔対において、電子と正孔の空間的な電荷分離が困難となるのである。このことから、量子ドットからなる光触媒材料では、電子正孔対の再結合確率の増大によって、光触媒活性の低下が生じると考えられている。このように、量子ドットからなる光触媒材料は、正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果によって、光触媒の活性を大幅に向上できるポテンシャルを秘めているにも関わらず、粒子サイズの小さな量子ドットに特有の要因によって、かえって光触媒活性の低下が生じてしまうのである。
したがって、多孔質シリカ(SMPS)の細孔の内部に形成した量子ドットからなる光触媒材料において、電子正孔対の空間的な電荷分離を実現できれば、光触媒活性を飛躍的に向上することができるものと考えられる。そこで、本実施の形態1では、光触媒の活性を大幅に向上できるポテンシャルを秘めている量子ドットからなる光触媒材料において、電子正孔対の空間的な電荷分離を実現するための工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について説明する。
<光触媒の構造>
図1は、本実施の形態1における光触媒20の模式的な構造を示す図である。図1において、本実施の形態1における光触媒20は、例えば、多孔質シリカ(SiO2)10からなる担体を有しており、この担体には、量子サイズ効果が生じる径の量子ドットの鋳型となる径の細孔11が形成されている。例えば、多孔質シリカ10からなる担体に形成されている細孔11の径は、0.5nm以上2.0nm以下であり、1.0nm程度であることが望ましい。
そして、図1に示すように、多孔質シリカに形成された細孔11には、例えば、量子ドットの酸化チタン12aが埋め込まれている。すなわち、多孔質シリカに形成された細孔11には、量子サイズ効果が発現する量子ドットが埋め込まれており、この量子ドットは、光触媒材料である酸化チタン12aから構成されている。
さらに、図1に示す本実施の形態1における光触媒20は、細孔11に埋め込まれた量子ドットからなる酸化チタン12aだけでなく、担体(多孔質シリカ10)の表面に形成されている細孔11からはみ出したナノ粒子からなる酸化チタン12bが形成されている。このとき、図1に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aと、ナノ粒子からなる酸化チタン12bとは一体的に形成されている。このように、本実施の形態1における光触媒20は、多孔質シリカに形成された細孔11に埋め込まれた量子ドットからなる酸化チタン12a(第1部分)と、細孔11の外部にはみ出たナノ粒子からなる酸化チタン12bとを含むように構成されている。
ここで、量子ドットを構成する酸化チタン12aの粒子径は、ナノ粒子を構成する酸化チタン12bの粒子径よりも小さくなっている。言い換えれば、ナノ粒子を構成する酸化チタン12bの粒子径は、量子ドットを構成する酸化チタン12aの粒子径よりも大きくなっている。例えば、量子ドットを構成する酸化チタン12aの粒子径は、0.5nm以上2.0nm以下である。一方、例えば、ナノ粒子を構成する酸化チタン12bの粒子径は、5nm以上50nm以下である。
<空間的な電荷分離のメカニズム>
続いて、図1に示す構造を有する光触媒20によれば、光触媒20に光を照射することにより発生する電子正孔対の空間的な電荷分離を実現できることについて説明する。
図2は、図1に示す構造を有する光触媒20のバンドを示す図である。図2において、多孔質シリカ10からなる担体に隣接して、細孔11に埋め込まれた量子ドットからなる酸化チタン12aのバンドが示されており、この量子ドットからなる酸化チタン12aに隣接してナノ粒子からなる酸化チタン12bのバンドが示されている。
図2において、量子ドットからなる酸化チタン12aにおいては、バンドギャップが拡大するという量子サイズ効果が生じる。これに対し、ナノ粒子からなる酸化チタン12bにおいては、量子サイズ効果を発現せずに、バンドギャップの拡大は生じない。この結果、図2に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aとナノ粒子からなる酸化チタン12bとの境界領域において、バンドが傾斜する。具体的には、量子ドットからなる酸化チタン12aのバンドギャップが拡大するため、量子ドットからなる酸化チタン12aの伝導帯は、ナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯よりもエネルギーの高い位置に存在する。これにより、図2に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aからナノ粒子からなる酸化チタン12bに向って、下降するように伝導帯のバンドが傾斜する。
ここで、量子ドットからなる酸化チタン12aにおいて、光が照射されると、価電子帯から伝導帯に電子が励起されるが、伝導帯に励起された電子は、量子ドットからなる酸化チタン12aからナノ粒子からなる酸化チタン12bに向って下降するように傾斜する伝導帯に沿って移動する。すなわち、図2に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aの伝導帯に励起された電子は、よりエネルギーの低いナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯に移動する。これによって、量子ドットからなる酸化チタン12aの価電子帯に生成されている正孔と、量子ドットからなる酸化チタン12aの伝導帯からナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯に移動した電子との間の空間的な距離が増大する。このことは、光の照射で発生した電子正孔対の再結合確率が減少することを意味する。したがって、本実施の形態1における光触媒20によれば、量子ドットからなる光触媒材料に特有の構造(サイズ縮小構造)に起因した電子正孔対の再結合確率の増大を抑制できる結果、正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果を得ることができ、これによって、光触媒の活性を大幅に向上することができる。
本実施の形態1における基本思想は、基本的に、正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果を得ることができる量子ドットからなる光触媒材料を採用することを前提とする。そして、本実施の形態1における基本思想は、電子正孔対の空間的な電荷分離が困難であるという量子ドットで顕在化する課題を、例えば、図1に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aと一体化するように、ナノ粒子からなる酸化チタン12bを形成することで解決する思想である。すなわち、本実施の形態1における基本思想は、量子ドットからなる酸化チタン12aとナノ粒子からなる酸化チタン12bとを一体的に接続する思想である。この本実施の形態1における基本思想によれば、量子サイズ効果によって、バンドギャップが拡大した量子ドットからなる酸化チタン12aの伝導帯から、量子サイズ効果が顕在化しないナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯との間に傾斜を生じさせることができる。この結果、本実施の形態1における基本思想によれば、量子ドットからなる酸化チタン12aで発生した電子を伝導帯の傾斜を利用して、ナノ粒子からなる酸化チタン12bに移動できることから、量子ドットからなる酸化チタン12aに局在している正孔と、ナノ粒子からなる酸化チタン12bに移動した電子との空間的な距離を増大させることができる。したがって、本実施の形態1における基本思想によれば、電子正孔対の空間的な電荷分離が困難であるという量子ドットで顕在化する課題を解決できる結果、量子ドットからなる光触媒材料に特有の正孔に起因する光触媒機能と電子に起因する光触媒機能との相乗効果を得ることができる。つまり、本実施の形態1における基本思想によれば、量子ドットからなる光触媒材料が本来持つ優れた光触媒機能を引き出すことができる結果、大幅な光触媒活性の向上を図ることができる。
このように、本実施の形態1では、例えば、図1に示すように、多孔質シリカ10に形成されている細孔11に、0.5nm以上2.0nm以下の径を有する量子ドットからなる酸化チタン12aを形成する一方、多孔質シリカ10の表面にナノ粒子からなる光触媒材料を形成して、複合体からなる光触媒20を得ている。これにより、光照射によって生成される電子正孔対を量子ドットとナノ粒子とに空間的に分離することができる。これにより、例えば、市販されている酸化チタンに比べて、数十倍から数百倍の光触媒活性を得ることができる。そして、本実施の形態1における光触媒20では、複合体からなる光触媒材料は、多孔質シリカ10からなる担体に形成されているため、多孔質シリカによる高い吸着能と、複合体からなる光触媒材料の高い光触媒活性との相乗効果によって、例えば、揮発性有機化合物(VOC)などの光分解反応に対して、非常に高い活性が得られる。
<光触媒の製造方法>
次に、本実施の形態1における光触媒の製造方法について説明する。
図3は、本実施の形態1における光触媒の製造工程の流れを説明するフローチャートである。図3に示すように、まず、既知の方法で、量子サイズ効果が生じる径の量子ドットの鋳型となる径の細孔が形成された担体を形成した後、この担体を容器に入れる(S101)。次に、担体が入れられた容器に光触媒材料の前駆体を注入する(S102)。そして、前駆体が注入された容器の内部を減圧乾燥する(S103)。続いて、容器から担体を取り出した後(S104)、担体を焼成する(S105)。以上のようにして、光触媒を製造することができる。
<<実施例1>>
以下では、光触媒の製造方法の具体的な実施例1について説明する。
図4(a)~(d)は、実施例1における光触媒の製造工程の流れを示す模式図である。図5(a)~(c)は、図4(a)~(d)に示す光触媒の製造工程を経ることによって、細孔を有する多孔質シリカに量子ドットからなる光触媒材料とナノ粒子からなる光触媒材料とを含む複合体が形成される過程を模式的に示す図である。
まず、平均径が1.0nmの細孔を有する多孔質シリカ10(SMPS)を既知の方法で作製する。具体的には、ポリプロピレン製容器に、シリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)を8g(0.038mol;1eq)入れる。続いて、界面活性剤であるヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド(C6TAB)(0.0075mol~0.038mol)を分散させて撹拌する。そして、ここに塩酸を用いてpH2に調整した水を2.74g(0.152mol;4eq)入れて、室温で撹拌することにより、ゲル化させる。このゲルを60℃で乾燥させ、かつ、600℃で3時間焼成し、界面活性剤を除去する。これにより、平均径が1.0nmの細孔(スーパミクロ孔)を有する多孔質シリカ10を得ることができる。
次に、このようにして作製した多孔質シリカ10を使用して、実施例1における光触媒を作製する。本実施例1では、光触媒材料として酸化チタンを使用し、この酸化チタンの前駆体として塩化チタン(III)水溶液(20重量%)を使用する。本実施例1では、光触媒の合成方法として、真空含漬法を使用する。
具体的には、まず、平均径が1.0nmの細孔を有する多孔質シリカ10を乳鉢で粉砕して粉末状にする。続いて、図4(a)に示すように、粉末状の多孔質シリカ10を容器(ナスフラスコ)30に入れる。その後、粉末状の多孔質シリカ10を一昼夜減圧乾燥することにより、多孔質シリカ10に吸着している吸着水を除去する。この多孔質シリカ10に形成されている細孔11が図5(a)に示されている。
その後、図4(b)に示すように、容器30を減圧した状態で、多孔質シリカ10に形成されている細孔11の容積と等しい量の塩化チタン水溶液をシリンジにて注入した後、紛体を撹拌することにより、塩化チタン水溶液の一部を多孔質シリカ10の細孔11に浸み込ませる。図5(b)には、細孔11の内部に塩化チタン水溶液からなる前駆体31が浸み込み、かつ、細孔11の外部にも塩化チタン水溶液からなる前駆体31が存在する状態が示されている。
続いて、例えば、真空ポンプを使用して、徐々に容器30の内部に真空引きを実施する。このとき、真空ポンプの能力は、0.5Pa以上の能力があれば充分であり、真空引きの時間は、例えば、30分以内である。その後、容器30の内部を真空状態に維持したまま、3日未満の時間範囲で、前駆体31が浸み込んだ多孔質シリカ10を乾燥させる。ここで、乾燥時間は、1日程度が望ましく、真空度によっては、5時間程度でも充分である。この工程を経ることにより、はみ出したままの状態を保持したまま(図5(c))前駆体31が乾燥する。
次に、容器30から乾燥した多孔質シリカ10を取り出した後、空気中で、かつ、450℃で焼成することにより、実施例1における光触媒20を作製することができる。具体的に、図5(c)には、多孔質シリカ10の細孔11に量子ドットからなる酸化チタンの前駆体の乾燥体12a’が形成されるとともに、細孔11からはみ出すようにナノ粒子の前駆体の乾燥体12b’が形成されている光触媒の前駆体20’が示されている。
図6は、実施例1における光触媒のTEM画像である。図6から、直径0.5nm~2.0nmの量子ドットからなる第1部分(「(a)」)と、直径5nm~50nmのナノ粒子からなる第2部分(「(b)」)とを含む複合体から光触媒が構成されていることがわかる。
<比較例1>
比較例1における光触媒は、市販されているdegussa製p25酸化チタン(0.1g)である。
<比較例2>
比較例2における光触媒は、平均径が3nmの細孔を有する多孔質シリカ(以下、メソポーラスシリカという)に酸化チタンからなる光触媒材料を加えた光触媒である。具体的に、比較例2における光触媒は、以下のようにして作製される。すなわち、メソポーラスシリカの粉末をナスフラスコ内で一昼夜減圧乾燥し、メソポーラスシリカに吸着している吸着水を除去する。その後、減圧下で、メソポーラスシリカの細孔容積と等しい量の塩化チタン水溶液をシリンジにて注入し、紛体を撹拌して塩化チタン水溶液を細孔内に浸みこませる。そして、再度、一昼夜減圧乾燥した後、乾燥した試料を空気中で、かつ、450℃で焼成することにより、比較例2における光触媒を得ることができる。
<比較例3>
比較例3における光触媒は、多孔質シリカの細孔内にのみ光触媒材料を形成した光触媒である。具体的に、比較例3における光触媒は、以下のようにして作製される。すなわち、平均1.1nmの径を有する多孔質シリカを塩化チタン(III)水溶液(20重量%)に浸漬する。そして、多孔質シリカの表面をエタノールで洗浄する。次に、減圧乾燥した後、600℃で3時間焼成することにより、比較例3における光触媒を得ることができる。
この比較例3における光触媒のスペクトルの吸収端は、3.5eVであり、かつ、バンドギャップから計算した粒径は、約1.1nmである。このことから、比較例3における光触媒では、多孔質シリカに形成されている細孔の径と同程度の大きさを有する量子ドットが形成されていることがわかる。一方、比較例3における光触媒では、バルクの酸化チタンに起因する3.2eVの吸収は見られなかったことから、細孔外部にはバルクの酸化チタンは存在せず、比較例3における光触媒では、多孔質シリカに形成されている細孔の内部にのみ存在する酸化チタンからなる量子ドットが形成されていることがわかる。
<比較例4>
比較例4における光触媒は、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度を20重量%から5重量%に低下させること以外は、実施例1における光触媒と同様な方法で作製した光触媒である。
<効果の検証>
次に、上述した実施例1と比較例1~4とを比較することにより、実施例1における光触媒の優位性について説明する。特に、実施例1における光触媒の優位性は、犠牲試薬を含む水分解による水素生成で行なっている。具体的には、0.1gのサンプル(光触媒)を犠牲試薬(エタノール)が20体積%含まれる水に投入した後、撹拌しながらアルゴンガスを一時間バブリングして、溶存気体とヘッドスペースの気体をアルゴンで置換する。その後、超高圧水銀ランプを使用して、紫外線を照射する。ヘッドスペースのガス成分の経時変化をガスクロマトグラフで分析することにより、系内の水素の量を測定する。
なお、多孔質シリカ中の酸化チタンの量は、蛍光X線装置のバルクFP法を使用して割り出している。また、多孔質シリカに形成されている細孔の平均径は、N2吸着法のGCMC解析法によって割り出している。
図7は、紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。図7のグラフ(a)は、実施例1における光触媒を使用した場合の結果を示している。一方、図7のグラフ(b)は、比較例1における光触媒を使用した場合の結果を示しており、グラフ(c)は、比較例2における光触媒を使用した場合の結果を示している。また、図7のグラフ(d)は、比較例3における光触媒を使用した場合の結果を示しており、グラフ(e)は、比較例4における光触媒を使用した場合の結果を示している。
図7に示すように、実施例1における光触媒を使用した場合の水素発生量は、比較例1~4における光触媒を使用した場合の水素発生量よりも大幅に多いことがわかる。これは、実施例1における光触媒の性能が、比較例1~4における光触媒の性能よりも優れていることを意味している。さらに、詳細に検討すると、比較例2における光触媒は、平均径が3nmの細孔を有する多孔質シリカに酸化チタンからなる光触媒材料を加えた光触媒であり、酸化チタンの粒子サイズが大きくなっているため、顕著な量子サイズ効果は発現しない。この比較例2における光触媒では、図7のグラフ(c)に示すように、水素の発生はほとんど見られない。このことから、実施例1の光触媒のように、量子サイズ効果が顕著に発現する0.5nm以上2.0nm以下の量子ドットからなる光触媒材料と、直径が5nm以上50nm以下のナノ粒子からなる光触媒材料とを複合化させることが、光触媒活性を向上する観点から重要であることがわかる。また、比較例3における光触媒は、平均径が1.1nmの細孔を有する多孔質シリカの細孔の内部にのみ酸化チタンからなる量子ドットが形成されている光触媒である。この比較例3における光触媒では、図7のグラフ(e)に示すように、水素の発生がほとんどないことがわかる。したがって、比較例3における光触媒のように、平均径が1.1nmの細孔を有する多孔質シリカの細孔の内部にのみ酸化チタンからなる量子ドットが形成されている光触媒では、水素の発生に寄与する光触媒機能はほとんどないことがわかる。このことから、実施例1の光触媒のように、量子サイズ効果が顕著に発現する0.5nm以上2.0nm以下の量子ドットからなる光触媒材料と、直径が5nm以上50nm以下のナノ粒子からなる光触媒材料とを複合化させた場合に水素の発生に寄与する高い光触媒機能を実現できることがわかる。
なお、比較例4における光触媒では、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度を5重量%まで低下させており、この場合も、図7のグラフ(e)に示すように、水素の発生はほとんど消失している。さらに詳細には、塩化チタン水溶液の濃度を20重量%から10重量%まで低下させた場合であっても、量子ドットとナノ粒子との接合が観測されたが、塩化チタン水溶液の濃度を5重量%にすると、量子ドットとナノ粒子との接合が観測されない。そして、塩化チタン水溶液の濃度を20重量%から10重量%まで低下させても水素は多く発生している一方、塩化チタン水溶液の濃度を5重量%までさらに低下させると、水素の発生はほとんどなくなるという結果がでている。これは、前駆体が不足したため、量子ドットとナノ粒子との接合が起こらず、効果的な電子正孔対の電荷分離が起こらなかったためと考えることができる。
以上のことから、実施例1における光触媒は、比較例1~4における光触媒よりも光触媒活性の向上を図ることができていることが裏付けられている。すなわち、図7に示す結果から、実施例1における光触媒は、比較例1~4における光触媒よりも光触媒活性の向上を図る観点から優位性を有していることがわかる。
さらに、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度を変化させた場合において、紫外線の照射時間と水素発生量との関係について詳細に説明する。
図8は、塩化チタン水溶液の濃度を5重量%から20重量%まで変化させた場合において、紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。図8において、グラフ(a)は、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%の場合における紫外線照射時間と水素発生量との関係を示すグラフであり、グラフ(b)は、塩化チタン水溶液の濃度が20重量%の場合における紫外線照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。また、図8において、グラフ(c)は、塩化チタン水溶液の濃度が15重量%の場合における紫外線照射時間と水素発生量との関係を示すグラフであり、グラフ(d)は、塩化チタン水溶液の濃度が7重量%の場合における紫外線照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。そして、グラフ(e)は、塩化チタン水溶液の濃度が5重量%の場合における紫外線照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。
図8に示すように、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%以上の場合(グラフ(a)~(c))に比べて、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%を下回る場合(グラフ(d)~(e))は、水素発生量が少ないことがわかる。したがって、光触媒活性の向上を図る観点からは、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度は、10重量%以上であることが望ましいことがわかる。ここで、図9は、図8の紫外線照射時間が「270分」の場合における水素発生量と塩化チタン水溶液の濃度との関係を示すグラフである。
図8および図9においては、水素発生量は、光触媒の単位グラム当たりの値である。そして、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%以上の場合の水素発生量は、ほぼ同等であるが、図9では、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%以上になると、光触媒の重量が増加することから、見かけ上、光触媒の単位グラム当たりの水素発生量は、減少するように見える。このことから、塩化チタン水溶液の濃度が10%重量以上の場合の水素発生量は多いことがわかる。一方、図9において、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%を下回ると、急激に水素発生量が減少することがわかる。これは、前駆体が不足したため、量子ドットとナノ粒子との接合が起こらず、効果的な電子正孔対の電荷分離が起こらないためであると考えることができる。実際に、図10は、塩化チタン水溶液の濃度が10重量%の場合において、多孔質シリカの細孔の内外に酸化チタンが形成されている状態を示すTEM画像である。図10において、ドット状の領域は、酸化チタンが存在する領域を示しており、図10に示すように、多孔質シリカの細孔の内外に酸化チタンが形成されて、細孔内部の量子ドットと細孔外部のナノ粒子との接合(「クラゲ構造」)が生じていることがわかる。
これに対し、図11は、塩化チタン水溶液の濃度が5重量%の場合において、多孔質シリカの細孔の内外に「クラゲ構造」が形成されていない状態を示すTEM画像である。図11において、ドット状の領域は、酸化チタンが存在する領域を示しており、図11に示すように、塩化チタン水溶液の濃度が5重量%になると、細孔内部の量子ドットと細孔外部のナノ粒子との接合構造である「クラゲ構造」が生じていないことがわかる。
したがって、図8~図11の結果を総合して見ると、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度が10重量%以上になると、細孔内部の量子ドットと細孔外部のナノ粒子との接合構造である「クラゲ構造」が形成されて、この「クラゲ構造」に起因する効果的な電子正孔対の電荷分離が引き起こされる結果、飛躍的な光触媒活性の向上を図ることができるということが裏付けられていることがわかる。
さらに、図12は、紫外線照射時間と、紫外線を照射することによって、イソプロピルアルコールを分解することで発生する二酸化炭素(CO2)の発生量との関係を示すグラフである。図12において、グラフ(a)は、実施例1における光触媒を使用した場合の結果であり、グラフ(b)は、比較例1における光触媒を使用した場合の結果である。
図12に示すように、実施例1における光触媒を使用した場合の二酸化炭素発生量は、比較例1における光触媒を使用した場合の二酸化炭素発生量よりも大幅に多いことがわかる。これは、実施例1における光触媒の性能が、比較例1における光触媒の性能よりも優れていることを意味している。この図12からも、実施例1における光触媒は、比較例1における光触媒よりも光触媒活性の向上を図ることができていることが裏付けられている。すなわち、図12に示す結果から、実施例1における光触媒は、比較例1における光触媒よりも光触媒活性の向上を図る観点から優位性を有していることがわかる。
<変形例>
続いて、実施の形態1の変形例について説明する。
図13は、実施の形態1の変形例における光触媒を模式的に示す図である。
図13に示すように、本変形例における光触媒20は、例えば、多孔質シリカ10からなる担体を有しており、この担体には、量子サイズ効果が生じる径の細孔11が形成されている。そして、図13に示すように、多孔質シリカに形成された細孔11には、例えば、量子ドットからなる酸化チタン12aと酸化タングステン40とが埋め込まれている。
すなわち、多孔質シリカに形成された細孔11には、量子サイズ効果が発現する量子ドットが埋め込まれており、この量子ドットは、光触媒材料である酸化チタン12aと酸化タングステン40から構成されている。つまり、本変形例における光触媒20では、細孔11の内部に、酸化チタン12aに加えて、さらに、酸化チタン12aとは種類が異なり、かつ、酸化チタン12aと接触する触媒材料が挿入されている。具体的に、この触媒材料は、酸化タングステン40である。この点が、本変形例における光触媒20と実施の形態1における光触媒との相違点である。
さらに、図13に示す本変形例における光触媒20でも、実施の形態1における光触媒20と同様に、細孔11に埋め込まれた量子ドットからなる酸化チタン12aだけでなく、細孔11からはみ出した担体(多孔質シリカ10)の表面にナノ粒子からなる酸化チタン12bも形成されている。このとき、図13に示すように、量子ドットからなる酸化チタン12aと、ナノ粒子からなる酸化チタン12bとは一体的に形成されている。このように、本変形例における光触媒20では、多孔質シリカに形成された細孔11に埋め込まれた量子ドットからなる酸化チタン12aおよび酸化タングステン40と、細孔11の外部にはみ出たナノ粒子からなる酸化チタン12bとを含むように構成されている。
このように構成されている本変形例における光触媒20によれば、実施の形態1における光触媒よりもさらなる光触媒活性の向上を図ることができる。
以下に、この点について説明する。例えば、本変形例における光触媒20でも、実施の形態1における光触媒20と同様に、量子ドットからなる酸化チタン12aにおいて、光が照射されると、価電子帯から伝導帯に電子が励起されるが、伝導帯に励起された電子は、量子ドットからなる酸化チタン12aからナノ粒子からなる酸化チタン12bに向って下降するように傾斜する伝導帯に沿って移動する。すなわち、量子ドットからなる酸化チタン12aの伝導帯に励起された電子は、よりエネルギーの低いナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯に移動する(図2参照)。さらに、酸化タングステン40において光照射によって生成した電子も量子ドットからなる酸化チタン12aを経由してよりエネルギーの低いナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯に移動する。これにより、量子ドットからなる酸化チタン12aおよび酸化タングステン40の価電子帯に生成されている正孔と、量子ドットからなる酸化チタン12a並びに酸化タングステン40の伝導帯からナノ粒子からなる酸化チタン12bの伝導帯に移動した電子との間の空間的な距離が増大する。そして、さらに、本変形例では、図13に示すように、量子サイズ効果が発現するサイズの細孔11の内部に酸化チタン12aだけでなく、酸化タングステン40も埋め込まれている。ここで、酸化タングステン40における正孔の移動度は、酸化チタン12aにおける正孔の移動度よりも大きい。また、酸化タングステンにおける量子サイズ効果は、主に伝導体下端の上昇をもたらす。一方で、酸化チタンの場合には、伝導体と価電子帯がそれぞれ上昇、下降する。そのため、酸化タングステン40の価電子帯の上端は、酸化チタン12aの価電子帯の上端よりも高い位置に存在する。この結果、光の照射によって、酸化チタン12aの価電子帯に発生した正孔は、酸化タングステン40に向って移動する。なぜなら、酸化タングステン40は、酸化チタン12aよりも正孔の移動度が高く、かつ、酸化タングステン40の価電子帯の上端が、酸化チタン12aの価電子帯の上端よりもマイナス側の位置に存在するからである。このことから、本変形例における光触媒20では、光(紫外線あるいは可視光)の照射によって、量子ドットからなる酸化チタン12aに発生した電子正孔対のうち、電子は、伝導帯の傾斜によって、細孔11の外部にはみ出たナノ粒子からなる酸化チタン12b側に移動する。一方、電子正孔対のうち、正孔は、上述した要因によって、酸化タングステン40側に移動する。したがって、本変形例における光触媒20では、正孔が酸化タングステン40側に移動する分だけ、実施の形態1における光触媒20よりも電子と正孔の空間的な電荷分離が大きくなる。このことから、本変形例における光触媒20によれば、実施の形態1における光触媒20よりも、光の照射で発生した電子正孔対の再結合確率を減少させることができる。したがって、本変形例における光触媒20によれば、量子ドットからなる光触媒材料に特有の構造(サイズ縮小構造)に起因した電子正孔対の再結合確率の増大をさらに抑制することが可能であり、実施の形態1における光触媒20よりも、光触媒の活性を向上できる。
図14は、紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。図14のグラフ(a)は、変形例における光触媒を使用した場合の結果を示している。一方、図7のグラフ(b)は、実施例1における光触媒を使用した場合の結果を示している。
図14に示すように、変形例における光触媒を使用した場合の水素発生量は、実施例1における光触媒を使用した場合の水素発生量よりも大幅に多いことがわかる。これは、変形例における光触媒の性能が、実施例1における光触媒の性能よりも優れていることを意味している。すなわち、図14に示す結果から、図13に示す細孔11に酸化チタン12aの他に酸化タングステン40を形成することによって、電子と正孔との空間的な電気分離を大きくすることができる結果、実施の形態1よりも、光触媒の活性を大幅に向上できることが裏付けられているということができる。
(実施の形態2)
<光触媒の構造>
図15は、本実施の形態2における光触媒25の模式的な構造を示す図である。図15において、本実施の形態2における光触媒25は、例えば、量子サイズ効果が発現する径の細孔51を有する多孔質シリカナノ粒子50を担体として備える。そして、本実施の形態2における光触媒25は、多孔質シリカナノ粒子50の細孔51の内部に量子ドットからなる酸化チタン52と、この酸化チタン52と接触し、かつ、多孔質シリカナノ粒子50の周囲の粒子間空隙に配置されるナノ粒子からなる酸化チタン53とを有する。
<光触媒の製造方法>
次に、本実施の形態2における光触媒の製造方法について説明する。
図16は、本実施の形態2における光触媒の製造工程の流れを説明するフローチャートである。図16に示すように、まず、既知の方法で、量子サイズ効果が生じる径を有する第1細孔と、第1細孔の径よりも大きく、かつ、量子サイズ効果が生じない径を有する第2細孔とが形成された構造体を準備する(S201)。次に、この構造体を光触媒材料の前駆体に浸漬する(S202)。そして、この構造体を乾燥させた後(S203)、構造体を焼成する(S204)。以上のようにして、光触媒を製造することができる。
<<実施例2>>
以下では、光触媒の製造方法の具体的な事例である実施例2について説明する。
図17(a)~(c)は、実施例2における光触媒の製造時の形態変化を示す模式図である。まず、ポリプロピレン製容器に、シリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)を8g(0.038mol;1eq)入れる。続いて、界面活性剤であるヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド(C6TAB)(0.0075mol~0.038mol)と、ポリエチレングリコール(平均分子量:1000)(0.0075mol~0.038mol)を分散させて撹拌する。そして、ここに塩酸を用いてpH2に調整した水を2.74g(0.152mol;4eq)入れて、室温で撹拌することにより、前駆体ゾルを得ることができる。次に、この前駆体ゾルを20%のアンモニア水溶液にシリンジを用いて注入する。このとき、前駆体ゾルは、アンモニア水に接触した瞬間にゲル化する。その後、このゲルを60℃で乾燥させ、かつ、600℃で3時間焼成し、界面活性剤およびポリエチレングリコールを除去する。これにより、平均径が1.0nmの細孔(スーパミクロ孔)と平均径が10nm~50nmの細孔(メソ孔)を有する多孔質シリカナノ粒子50を得ることができる(図17(a)参照)。
次に、このようにして作製した多孔質シリカナノ粒子50を使用して、実施例2における光触媒を作製する。具体的には、まず、モノリス状の多孔質シリカナノ粒子50を塩化チタン(III)水溶液(20%)に浸漬する。この操作により、平均径が1.0nmの細孔(スーパミクロ孔)と平均径が10nm~50nmの細孔(メソ孔)にそれぞれ塩化チタン水溶液54が浸み込んだ試料を作ることができる(図17(b)参照)。そして、試料を減圧乾燥させた後、600℃で3時間焼成することにより、多孔質シリカナノ粒子50の細孔の内部に量子ドットからなる酸化チタンと、この酸化チタンと接触し、かつ、多孔質シリカナノ粒子50の周囲に配置されるナノ粒子からなる酸化チタン53とを有する光触媒25を作製することができる(図17(c)参照)。この光触媒25において、蛍光エックス線分析によるシリコン(Si)とチタン(Ti)との比(Si:Ti)は、例えば、60:40である。
図18および図19は、本実施の形態2における光触媒のSEM画像である。図18および図19から、多孔質シリカナノ粒子は、約50nmの粒子から構成されていることがわかる。また、本実施の形態2における光触媒では、図18および図19から、多孔質シリカナノ粒子の表面に10nm~20nm程度のサイズを有する酸化チタン(ナノ粒子)が生成していることがわかる。
<比較例5>
比較例5における光触媒は、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度を20%から2%に低下させること以外は、実施例2における光触媒と同様な方法で作製した光触媒である。
<効果の検証>
図20は、紫外線の照射時間と水素発生量との関係を示すグラフである。図20のグラフ(a)は、実施例1における光触媒を使用した場合の結果を示している。一方、図20のグラフ(b)は、実施例2における光触媒を使用した場合の結果を示しており、グラフ(c)は、比較例1における光触媒を使用した場合の結果を示している。また、図20のグラフ(d)は、比較例5における光触媒を使用した場合の結果を示している。
図20に示すように、実施例2における光触媒を使用した場合の水素発生量は、比較例1における光触媒や比較例5における光触媒を使用した場合の水素発生量よりも大幅に多いことがわかる。これは、実施例2における光触媒の性能が、比較例1における光触媒や比較例5における光触媒の性能よりも優れていることを意味している。さらに、詳細に検討すると、比較例5における光触媒では、前駆体である塩化チタン水溶液の濃度を2%まで低下させており、この場合は、図20のグラフ(d)に示すように、水素の発生はほとんど消失している。これは、前駆体が不足したため、量子ドットとナノ粒子との接触が起こらず、効果的な電子正孔対の電荷分離が起こらなかったためと考えることができる。
以上のことから、実施例2における光触媒は、比較例1における光触媒や比較例5における光触媒よりも光触媒活性の向上を図ることができていることが裏付けられている。すなわち、図20に示す結果から、実施例2における光触媒は、比較例1における光触媒や比較例5における光触媒よりも光触媒活性の向上を図る観点から優位性を有していることがわかる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態では、光触媒材料として、酸化チタンを例に挙げて説明したが、前記実施の形態における技術的思想は、これに限らない。例えば、光触媒材料としては、酸化銅、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ニオブ、リン酸銀、炭化珪素、ガリウム燐、ガリウム砒素、硫化カドニウム、カドミウムセレン、酸化ゲルマニウム、酸化ストロンチウム、硫化モリブデン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化バリウム、酸化ルテニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタンなども使用することができる。
さらに、上述した光触媒材料に白金、金、銀、銅などの金属粒子を補助触媒として担持させることもできる。
前記実施の形態は、以下の形態を含む。
(付記)
量子サイズ効果が生じる径を有する細孔が形成された担体と、
前記細孔に挿入された量子ドットと、前記量子ドットと接触し、かつ、前記細孔の外部に配置されるナノ粒子とを有する触媒材料と、
を含む、光触媒。
10 多孔質シリカ
11 細孔
12a 酸化チタン
12b 酸化チタン
20 光触媒
25 光触媒
30 容器
31 前駆体
40 酸化タングステン
50 多孔質シリカナノ粒子
51 細孔
52 酸化チタン
53 酸化チタン

Claims (7)

  1. 量子サイズ効果が生じる径を有する細孔が形成された担体と、
    前記細孔に挿入された量子ドットと、前記量子ドットと接触し、かつ、前記細孔の外部にはみ出たナノ粒子とを有する第1触媒材料と、
    を含み、
    前記細孔は、0.5nm以上1.0nm以下の径を有し、
    前記量子ドットを構成する粒子の粒子径は、前記ナノ粒子を構成する粒子の粒子径より小さい、光触媒。
  2. 請求項1に記載の光触媒において、
    前記担体は、多孔質シリカである、光触媒。
  3. 請求項1に記載の光触媒において、
    前記第1触媒材料は、酸化チタンである、光触媒。
  4. 請求項に記載の光触媒において、
    前記量子ドットを構成する粒子の粒子径は、0.5nm以上であり、
    前記ナノ粒子を構成する粒子の粒子径は、5nm以上50nm以下である、光触媒。
  5. 請求項1に記載の光触媒において、
    前記量子ドットのバンドギャップは、前記ナノ粒子のバンドギャップより大きい、光触媒。
  6. 請求項1に記載の光触媒において、
    前記細孔には、さらに、前記第1触媒材料とは種類が異なり、かつ、前記第1触媒材料の前記量子ドットと接触する第2触媒材料が挿入されている、光触媒。
  7. 請求項に記載の光触媒において、
    前記第2触媒材料は、酸化タングステンである、光触媒。
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