JP3231205B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents
車両用自動変速機の制御装置Info
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Description
基づく自動変速に加えて手動操作による変速が可能な車
両用自動変速機の制御装置に関する。
パラメータとしてシフトマップを検索することにより最
適な変速段を選択し、その変速段が確立されるように自
動的に変速操作を行う自動変速機が知られている。かか
る自動変速機では、一般的な走行状態を基準として変速
特性が設定されているため、全ての走行状態において最
適の変速段を選択することが難しく、ドライバーの意思
を反映すべくスロットル開度やアクセルペダルの踏込み
量を検出してはいるものの、結局は一律に変速段が決定
されてしまう問題がある。また、動力性能を重視した変
速特性や燃費を重視した変速特性を選択し得るものもあ
るが、何れもドライバーの好みに応じた変速特性を完全
に実現するものとは言い難い。
操作することにより任意の変速段を選択し得るようにし
た自動変速機が提案されている(特開昭59−3735
9号公報、特開平2−8545号公報、特開平2−12
5174号公報参照)。かかる自動変速機において、ド
ライバーが車両の走行状態を充分に考慮せずに手動で変
速操作を行うと、シフトダウンによりエンジンのオーバ
ーレブが発生したり、シフトアップによりエンジンのス
トールが発生したりする可能性があるため、特開平2−
125174号公報に記載されたものでは、エンジン回
転数に応じて手動変速に制限を与えている。
のものは、必ず考慮しなければならないエンジン回転数
を監視しているだけであり、自動変速機の油圧係合要素
(油圧クラッチ或いは油圧ブレーキ)の状態は考慮され
ていない。このために、変速が連続して行われるなどし
て油圧係合要素の油圧作動室や油圧供給油路に作動油が
充分に満たされているか、或いは係合解除してから時間
が経過したために油圧係合要素の油圧作動室や油圧供給
油路が殆ど空であるかにより、変速指令が出力されてか
ら変速が完了するまでに要する時間にばらつきが発生す
ることになる。
殆ど空である場合には、ドライバーが手動で変速操作を
行ってから変速が完了するまでのタイムラグが大きくな
るため、手動変速において要求される応答性に関しては
満足できるものではない。また、連続して2段の変速を
行う場合には、1段目の油圧係合要素が作動を終えて充
分な動力伝達を行えるようになる前に2段目の油圧係合
要素が作動を開始するため、結果として長い時間に亘っ
て動力伝達が遮断されてドライバーが大きなタイムラグ
を感じることになる。
で、ドライバーが手動で変速操作を行った場合に油圧係
合要素の状態を考慮して変速を実行することにより、前
記タイムラグを可及的に短縮することを目的とする。
に、請求項1に記載された発明は、車速に応じた値を検
出する車速検出手段の出力とエンジン負荷に応じた値を
検出するエンジン負荷検出手段の出力とに基づいて複数
の油圧係合要素の係合状態を切り換えることにより変速
比を制御する車両用自動変速機の制御装置において、手
動変速レンジにおける手動操作により所定の変速段に変
速するための変速指令を出力する変速指令手段と、その
変速指令手段から前記変速指令が出力される直前の変速
段の油圧係合要素のトルク伝達能力値を検出するトルク
伝達能力値検出手段と、そのトルク伝達能力値検出手段
により検出した前記トルク伝達能力値が低伝達能力を示
したときに前記変速指令の実行を禁止する変速禁止手段
と、その変速指令手段が出力した前記変速指令を記憶す
る記憶手段と、前記変速禁止手段により変速が禁止され
てから所定期間内に前記トルク伝達能力値が高伝達能力
を示したときに、前記記憶手段により記憶された前記変
速指令を実行する遅延手段とを備え、前記変速禁止手段
により変速が禁止されてから前記所定期間内に前記トル
ク伝達能力値が高伝達能力を示さないときは、前記記憶
手段により記憶された前記変速指令をキャンセルするこ
とを特徴とする。
1の構成に加えて、前記所定期間がタイマーにより計測
されることを特徴とする。
1の構成に加えて、変速の禁止をドライバーに報知する
報知手段を備えたことを特徴とする。
1の構成に加えて、トルク伝達能力値が油圧係合要素の
係合油圧の大きさであることを特徴とする。
1の構成に加えて、トルク伝達能力値が油圧係合要素の
作動開始から所定値ずつ周期的に加算又は減算される値
であることを特徴とする。
5の構成に加えて、前記所定値が、車速に応じた値、エ
ンジン負荷に応じた値、変速の種類、エンジン水温及び
変速機油温の少なくとも一つに応じて可変であることを
特徴とする。
指令を出力したとき、トルク伝達能力値検出手段により
検出した油圧係合要素のトルク伝達能力値が低い値を示
していれば、変速禁止手段が前記変速指令の実行を禁止
する。
トルク伝達能力値が高い値示したとき、遅延手段が記憶
手段に記憶されている変速指令を実行する。
する。
で、図1は車両用自動変速機及びその制御装置の全体構
成図、図2はマニュアルシフトレバーと共用されるセレ
クトレバーの斜視図、図3はステアリングコラムに設け
られたマニュアルシフトレバーの斜視図、図4はセレク
トポジション及び変速段のインジケータを示す図、図5
はセレクトポジション及び変速段のインジケータの別案
を示す図、図6は作用を説明するフローチャート、図7
〜図9は作用を説明するタイムチャートである。
を示すもので、セレクトレバーによって7種類のレン
ジ、即ち「P」レンジ(パーキングレンジ)、「R」レ
ンジ(リバースレンジ)、「N」レンジ(ニュートラル
レンジ)、「D」レンジ(1速〜4速自動変速レン
ジ)、「M」レンジ(1速〜4速手動変速レンジ)、
「2」レンジ(2速固定レンジ、3速変速段→2速変速
段のシフトダウンを含む)及び「1」レンジ(1速固定
レンジ、2速変速段→1速ホールド変速段のシフトダウ
ンを含む)の何れかを選択することが可能である。
ャフト1にロックアップクラッチLを有するトルクコン
バータ2を介して接続されたメインシャフトMSと、こ
のメインシャフトMSに平行に配置されたカウンタシャ
フトCS及びセカンダリシャフトSSとを備える。
3、メイン2速−3速ギヤ4、メイン4速ギヤ5及びメ
インリバースギヤ6が支持される。カウンタシャフトC
Sには、メイン1速ギヤ3に噛合するカウンタ1速ギヤ
7、メイン2速−3速ギヤ4に噛合するカウンタ2速−
3速ギヤ8、メイン4速ギヤ5に噛合するカウンタ4速
ギヤ9、カウンタ2速ギヤ10、メインリバースギヤ6
にリバースアイドルギヤ11を介して接続されるカウン
タリバースギヤ12が支持される。セカンダリシャフト
SSには、カウンタ2速−3速ギヤ8に噛合する第1セ
カンダリ2速ギヤ13及びカウンタ2速ギヤ10に噛合
する第2セカンダリ2速ギヤ14が支持される。
したメイン1速ギヤ3を1速クラッチC1 でメインシャ
フトMSに結合すると、1速変速段が確立する。1速ク
ラッチC1 は2速〜4速変速段の確立時にも係合状態に
保持されるため、カウンタ1速ギヤ7は一方向クラッチ
COWを介して支持される。セカンダリシャフトSSに相
対回転自在に支持した第2セカンダリ2速ギヤ14を2
速クラッチC2 でセカンダリシャフトSSに結合する
と、2速変速段が確立する。カウンタシャフトCSに相
対回転自在に支持したカウンタ2速−3速ギヤ8を3速
クラッチC3 でカウンタシャフトCSに結合すると、3
速変速段が確立する。
持したカウンタ4速ギヤ9をセレクタギヤSGでカウン
タシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMS
に相対回転自在に支持したメイン4速ギヤ5を4速−リ
バースクラッチC4RでメインシャフトMSに結合する
と、4速変速段が確立する。カウンタシャフトCSに相
対回転自在に支持したカウンタリバースギヤ12をセレ
クタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態
で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持したメイ
ンリバースギヤ6を4速−リバースクラッチC4Rでメイ
ンシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立する。
ドライブギヤ15及びファイナルドリブンギヤ16を介
してディファレンシャルDに伝達され、そこから左右の
車軸17,17を介して駆動輪W,Wに伝達される。
で、1速ホールドクラッチCLHでカウンタ1速ギヤ7を
カウンタシャフトCSに結合すると、1速ホールド変速
段が確立する。エンジンブレーキが必要なときに1速ホ
ールド変速段を確立すれば、一方向クラッチCOWがスリ
ップしても駆動輪W,WのトルクをエンジンEに逆伝達
することができる。
UtはCPU18、ROM19、RAM20、入力回路
21及び出力回路22から構成される。
S1 で検出したスロットル開度THと、エンジンEに設
けたエンジン回転数センサS2 で検出したエンジン回転
数Neと、メインシャフトMSに設けたメインシャフト
回転数センサS3 で検出したメインシャフト回転数Nm
と、カウンタシャフトCSに設けたカウンタシャフト回
転数センサS4 で検出したカウンタシャフト回転数Nc
と、ディファレンシャルDに設けた車速センサS5 で検
出した車速Vと、セレクトレバーポジションセンサS6
で検出したセレクトレバーポジションPと、後述するシ
フトアップスイッチS7 と、後述するシフトダウンスイ
ッチS8 と、エンジンEに設けた水温センサS9 で検出
した冷却水温Twとが、電子制御ユニットUtの入力回
路21に入力される。
自動変速機Tの1速クラッチC1 、2速クラッチC2 、
3速クラッチC3 、4速−リバースクラッチC4R、1速
ホールドクラッチCLH、セレクタギヤSG及びロックア
ップクラッチLの作動を制御すべく、油圧制御回路Oに
設けられた5個のソレノイドSL1 〜SL5 に接続され
る。ソレノイドSL1 はロックアップクラッチLのON
/OFFを司り、ソレノイドSL2 はロックアップクラ
ッチLの容量の制御を司り、ソレノイドS3 ,S4 は1
速クラッチC1 、2速クラッチC2 、3速クラッチ
C3 、4速−リバースクラッチC4R及び1速ホールドク
ラッチCLHのON/OFF、並びにセレクタギヤSGの
作動を司り、ソレノイドSL5 はクラッチ油圧の制御を
司る。
2には、ドライバーに報知を行うブザー、ランプ、スピ
ーカ等の報知手段Aが接続される。
より選択されるレンジは、通常の「P」レンジ、「R」
レンジ、「N」レンジ、「D」レンジ、「2」レンジ及
び「1」レンジに加えて「M」レンジ(1速〜4速手動
変速レンジ)を備える。セレクトレバー25を案内する
ガイド溝26は略H形に形成されており、セレクトレバ
ー25を「D」レンジから右側に倒した位置が「M」レ
ンジになり、そこでセレクトレバー25は前後に傾倒可
能である。「M」レンジにおいてセレクトレバー25を
前方(+方向)に倒すと前記シフトアップスイッチS7
が作動してシフトアップ指令が出力され、またセレクト
レバー25を後方(−方向)に倒すと前記シフトダウン
スイッチS8 が作動してシフトダウン指令が出力され
る。
したマニュアルシフトレバー27を設けたもので、ステ
アリングホイール28を支持するステアリングコラム2
9の左側面に上下揺動可能なマニュアルシフトレバー2
7が設けられる。図示せぬセレクトレバー25は「D」
レンジと「2」レンジとの間に「M」レンジを備えてお
り、セレクトレバー25で「M」レンジを選択した状態
でマニュアルシフトレバー27を上方(+方向)に倒す
と前記シフトアップスイッチS7 が作動してシフトアッ
プ指令が出力され、またマニュアルシフトレバー27を
下方(−方向)に倒すと前記シフトダウンスイッチS8
が作動してシフトダウン指令が出力される。
びタコメータ31を備えたメータパネル32に設けられ
たインジケータ33により、セレクトレバー25により
選択されたレンジが表示されるとともに、「M」レンジ
が選択されているときには現在確立している変速段が表
示される。或いは、図5に示すように、タコメータ31
等に設けたインジケータ33に、セレクトレバー25に
より選択されたレンジが表示されるとともに、「M」レ
ンジが選択されているときには現在確立している変速段
が表示される。
いる変速段の表示を点滅させれば視認性が更に向上す
る。また1速変速段〜4速変速段を数字の1〜4で表示
するかわりに、その変速段のギヤ比を表示することも可
能である。
レンジが選択されているとき、車速センサS5 で検出し
た車速V及びスロットル開度センサS1 で検出したスロ
ットル開度THをパラメータとするシフトマップに基づ
いて、1速変速段〜4速変速段間のシフトアップ及びシ
フトダウンが自動的に実行される。また、「2」レンジ
が選択されると2速変速段が確立するが、「2」レンジ
を選択したときの車速が大きくて2速変速段ではオーバ
ーレブが発生する場合には、先ず3速変速段が確立し、
車速が低下した後に2速変速段にシフトダウンされて2
速変速段に固定される。同様に、「1」レンジを選択し
たときの車速が大きくて1速ホールド変速段ではオーバ
ーレブが発生する場合には、先ず2速変速段が確立し、
車速が低下した後に1速ホールド変速段にシフトダウン
されて1速ホールド変速段に固定される。
た場合、切り換え前の「D」レンジにおける変速段が1
速変速段〜3速変速段であれば、切り換え後の「M」レ
ンジにおいて同一の変速段にホールドされる。切り換え
前の「D」レンジにおける変速段が4速変速段であれ
ば、切り換え後の「M」レンジにおいて3速変速段が確
立する。但し、3速変速段を確立するとオーバーレブが
発生する場合には例外的に4速変速段が確立する。
た場合、切り換え前の「2」レンジにおける変速段が3
速変速段及び2速変速段の何れであっても、切り換え後
の「M」レンジにおいて3速変速段が確立する。但し、
停車時に前記「2」レンジから「M」レンジへの切り換
えを行った場合には、切り換え後の「M」レンジにおい
て1速変速段が確立する。
プスイッチS7 又はシフトダウンスイッチS8 を操作す
ることにより、発進時の変速段として1速変速段又は2
速変速段を選択可能である。
ら、「M」レンジにおいてシフトアップスイッチS7 又
はシフトダウンスイッチS8 を操作して手動による変速
を行う場合の作用を説明する。
(シフトアップスイッチS7 又はシフトダウンスイッチ
S8 )が操作されると(ステップS1)、その変速指令
が記憶されるとともに、クラッチタイマーがセットされ
る。例えば2速変速段から3速変速段にシフトアップす
るとき、現在係合している2速クラッチC2 を係合解除
するとともに新たに3速クラッチC3 を係合させるが、
前記クラッチタイマーのカウント時間は、2速クラッチ
C2 の係合解除が開始されてから3速クラッチC3 の係
合が完了するまでの時間よりも長くなるように設定され
る。即ち、クラッチタイマーは油圧係合要素のトルク伝
達能力検知手段を構成するもので、クラッチタイマーの
カウント中は油圧係合要素が完全に係合していないと判
断され、クラッチタイマーの非カウント中は油圧係合要
素が完全に係合していると判断される。
油圧係合要素が完全に係合していると判断されると(ス
テップS2)、前記指令された変速が許可され(ステッ
プS3)、シフトダウン指令が出力されている場合には
現在の変速段よりも1段下の変速段にシフトダウンさ
れ、またシフトアップ指令が出力されている場合には現
在の変速段よりも1段上の変速段にシフトアップされ
る。
あってクラッチタイマーがカウント中であり、油圧係合
要素が完全に係合していないと判断されると、変速指令
記憶タイマーがセットされる(ステップS4)。前記ス
テップS4で変速指令記憶タイマーがセットされた当初
は、未だクラッチタイマーがカウント中であり(ステッ
プS5)、且つ変速指令記憶タイマーはカウント中であ
るため(ステップS6)、ステップS5及びステップS
6のループが繰り返される。その後、クラッチタイマー
がタイムアップする前に変速指令記憶タイマーがタイム
アップすると(ステップS6)、変速が禁止されて前記
変速指令はキャンセルされる(ステップS8)。
ドライバーが指令した変速が遅延している間、前記報知
手段Aが作動してドライバーに報知する。これにより、
ドライバーは変速の遅延を確実に認識して違和感を覚え
ることがなくなるばかりか、変速スイッチの不要な再操
作を防止することができる。尚、報知手段Aの作動時間
を、変速指令記憶タイマーがカウントを開始してから一
定時間とすることができる。
繰り返されている間にクラッチタイマーがタイムアップ
して油圧係合要素が完全に係合したと判断されると(ス
テップS5)、未だ変速指令記憶タイマーがカウント中
であれば前記変速指令が実行される(ステップS7,S
3)。一方、既に変速指令記憶タイマーがタイムアップ
していれば前記変速指令はキャンセルされる(ステップ
S7,S8)。
から3速変速段を経て4速変速段にシフトアップする場
合を例にとって更に説明する。
操作が充分な時間間隔を以て行われた場合を示すもので
ある。即ち、1回目のシフトアップスイッチS7 の操作
により即座に2速変速段から3速変速段への変速が開始
され、2速クラッチC2 のクラッチ油圧が減少し始める
とともに3速クラッチのクラッチ油圧が増加し始め、こ
れと同時にクラッチタイマーがセットされる。そして時
間t1 の経過により3速変速段が確立した後にクラッチ
タイマーがタイムアップし、その後に2回目のシフトア
ップスイッチS7 の操作が行われる。このとき3速変速
段は既に確立しているため、2回目のシフトアップスイ
ッチS7 が操作されると、即座に3速変速段から4速変
速段への変速が実行される。
2回の操作が充分な時間間隔を以て行われた場合には、
変速は禁止されることなく即座に実行される。従って、
ドライバーは自動変速機Tの構造上必要な最小限のタイ
ムラグt1 ,t2 を感じるだけである。
操作が図7の場合よりも短い時間間隔を以て行われた場
合を示すものである。即ち、1回目のシフトアップスイ
ッチS7 の操作により2速変速段から3速変速段への変
速が開始されると同時にクラッチタイマーがセットさ
れ、そのカウント中に2回目のシフトアップスイッチS
7 の操作が行われる。このときクラッチタイマーがカウ
ント中であるために2回目のシフトアップスイッチS7
の操作による3速変速段から4速変速段への変速は禁止
され、2回目のシフトアップスイッチS7 の操作と同時
に変速指令記憶タイマーがセットされる。そして、変速
指令記憶タイマーがタイムアップする前にクラッチタイ
マーがタイムアップして3速クラッチC3 が完全に係合
したと判断されると、クラッチタイマーがタイムアップ
すると同時に、禁止されていた3速変速段から4速変速
段への変速が許可されて実行される。
の構造上必要な最小限のタイムラグt1 ,t2 を感じる
だけである。
操作が図8の場合よりも更に短い時間間隔を以て行われ
た場合を示すものである。この場合にも、1回目のシフ
トアップスイッチS7 の操作と同時にセットされたクラ
ッチタイマーのカウント中に2回目のシフトアップスイ
ッチS7 の操作が行われるため、その2回目のシフトア
ップスイッチS7 の操作による3速変速段から4速変速
段への変速は禁止される。そして2回目のシフトアップ
スイッチS7 の操作と同時にセットされた変速指令記憶
タイマーが、カウント中のクラッチタイマーよりも先に
タイムアップしてしまうため、2回目の変速指令は実行
されずにキャンセルされる。変速指令記憶タイマーを設
けたことにより、変速の最大遅延時間が該変速指令記憶
タイマーのカウント時間以内に制限されるので、極端な
遅延の後に変速が実行されてドライバーが混乱を起こす
ことがない。而して、ドライバーは自動変速機Tの構造
上必要な最小限のタイムラグt1 を感じるだけである。
速指令を即座に実行してしまうと、2速変速段から3速
変速段への変速のタイムラグt1 と3速変速段から4速
変速段への変速のタイムラグt2 とが連続してしまい、
最長の場合にはt1 +t2 の極めて長いタイムラグが発
生することになる。
たが、シフトダウンの場合についても図6のフローチャ
ートに基づいて同様の制御が行われ、2回の変速が連続
して実行されることによる長いタイムラグの発生が防止
される。
例えば0.7秒〜0.8秒に設定される。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
段としてクラッチタイマーを例示したが、このクラッチ
タイマーに変えて一定時間毎に所定値を加算する加算器
又は減算する減算器を用い、前記所定値を車速センサS
5 で検出した車速V、スロットル開度センサS1 で検出
したスロットル開度TH、水温センサS9 で検出した冷
却水温TW 、図示せぬ変速機油温センサで検出して変速
機油温或いは変速の種類等に応じて変化させることによ
り、変速時に油圧係合要素の作動に要する時間を一層正
確に推定することができる。
状態にあるとき、或いはアクセルペダルを踏み込んだ状
態でのシフトダウンスイッチS8 の操作時には前記所定
値を大きくして変速を禁止する時間が短くなるように設
定し、低温時には前記所定値を小さくして変速を禁止す
る時間が長くなるように設定する。
層精密に推定すべく、油圧係合要素の係合油圧を圧力セ
ンサで直接検出しても良い。
によれば、手動変速レンジにおける手動操作により所定
の変速段に変速するための変速指令を出力する変速指令
手段と、前記変速指令が出力される直前の変速段の油圧
係合要素のトルク伝達能力値を検出するトルク伝達能力
値検出手段と、前記トルク伝達能力値が低伝達能力を示
したときに前記変速指令の実行を禁止する変速禁止手段
とを備え、前記変速指令が出力されても、その直前の変
速段の油圧係合要素のトルク伝達能力値が低伝達能力を
示したとき、即ち該直前の変速段の油圧係合要素が完全
に係合していないときは該変速指令の実行が禁止される
ので、手動変速レンジにおいて時間的に近接した複数の
変速指令が出力されても、前段の油圧係合要素の作動が
完了する前に後段の油圧係合要素の作動が開始されるこ
とが防止され、これにより、複数の変速が連続して実行
されることによる長いタイムラグの発生が防止されるか
ら、ドライバーが感じるタイムラグを最小限に短縮する
ことができる。
令を記憶手段で記憶しておき、変速が禁止されてから所
定期間内に前記トルク伝達能力値が高伝達能力を示した
ときに、前記記憶された変速指令が実行され、また前記
所定期間内に前記トルク伝達能力値が高伝達能力を示さ
ないときは、前記記憶された前記変速指令をキャンセル
するので、ドライバーが感じる前記タイムラグを短縮し
ながらドライバーの変速指令を可及的に実行させて再操
作の必要性をなくすことができ、しかも極端な遅延の後
に変速が実行されてドライバーが混乱を起こすことが防
止される。
タイマーにより所定期間の検出を確実に行うことができ
る。
ドライバーに変速の禁止を認識させて違和感を覚えない
ようにするとともに、故障が発生したとの誤認を回避す
ることができる。
油圧係合要素の係合油圧の大きさに基づいてトルク伝達
能力値を精密に推定することができる。
所定値を変化させることによりトルク伝達能力値を任意
に変化させることができる。
所定値を車速に応じた値、エンジン負荷に応じた値、変
速の種類、エンジン水温及び変速機油温の少なくとも一
つに応じて変化させることにより、トルク伝達能力値を
精密に推定することができる。
図
レバーの斜視図
フトレバーの斜視図
を示す図
の別案を示す図
手段) S5 車速センサ(車速検出手段) S9 水温センサ T 自動変速機 Ut 電子制御ユニット(変速禁止手段、記憶手
段、遅延手段) 25 セレクトレバー(変速指令手段) 27 マニュアルシフトレバー(変速指令手段)
Claims (6)
- 【請求項1】 車速に応じた値を検出する車速検出手段
の出力と、エンジン負荷に応じた値を検出するエンジン
負荷検出手段の出力とに基づいて複数の油圧係合要素の
係合状態を切り換えることにより変速比を制御する車両
用自動変速機の制御装置において、 手動変速レンジにおける手動操作により所定の変速段に
変速するための変速指令を出力する変速指令手段と、 その変速指令手段から前記変速指令が出力される直前の
変速段の油圧係合要素のトルク伝達能力値を検出するト
ルク伝達能力値検出手段と、 そのトルク伝達能力値検出手段により検出した前記トル
ク伝達能力値が低伝達能力を示したときに前記変速指令
の実行を禁止する変速禁止手段と、 その変速指令手段が出力した前記変速指令を記憶する記
憶手段と、 前記変速禁止手段により変速が禁止されてから所定期間
内に前記トルク伝達能力値が高伝達能力を示したとき
に、前記記憶手段により記憶された前記変速指令を実行
する遅延手段とを備え、 前記変速禁止手段により変速が禁止されてから前記所定
期間内に前記トルク伝達能力値が高伝達能力を示さない
ときは、前記記憶手段により記憶された前記変速指令を
キャンセルする ことを特徴とする、車両用自動変速機の
制御装置。 - 【請求項2】 前記所定期間がタイマーにより計測され
ることを特徴とする、請求項1記載の車両用自動変速機
の制御装置。 - 【請求項3】 変速の禁止をドライバーに報知する報知
手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載の車両用
自動変速機の制御装置。 - 【請求項4】 トルク伝達能力値が油圧係合要素の係合
油圧の大きさであることを特徴とする、請求項1記載の
車両用自動変速機の制御装置。 - 【請求項5】 トルク伝達能力値が油圧係合要素の作動
開始から所定値ずつ周期的に加算又は減算される値であ
ることを特徴とする、請求項1記載の車両用自動変速機
の制御装置。 - 【請求項6】 前記所定値が、車速に応じた値、エンジ
ン負荷に応じた値、変速の種類、エンジン水温及び変速
機油温の少なくとも一つに応じて可変であることを特徴
とする、請求項5記載の車両用自動変速機の制御装置。
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