JP3230331B2 - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP3230331B2
JP3230331B2 JP11390993A JP11390993A JP3230331B2 JP 3230331 B2 JP3230331 B2 JP 3230331B2 JP 11390993 A JP11390993 A JP 11390993A JP 11390993 A JP11390993 A JP 11390993A JP 3230331 B2 JP3230331 B2 JP 3230331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の角速度の検出
測定を行う角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の角速度センサの一般的な構成が図
5と図6に示されている。図5に示す第1の従来例は、
音叉型振動子1の板状振動子1a,1bの外側面に駆動
用圧電素子2a,2bが配設されており、音叉型振動子
の底部1cには検出部3が突設されており、この検出部
3の両側面にはマグネットや電極などによる角速度の検
出手段4が配設されている。この角速度センサによれ
ば、駆動用圧電素子2a,2bに励振信号が加わり、板
状振動子1a,1bがそれぞれ図示の矢印V1 ,V2
ような逆方向で同じ大きさに振動し、この状態でZ軸周
りに音叉型振動子1を回転させると、互いに逆向きの図
示F1 とF2 の方向、すなわち、振動方向に直交し、か
つ、回転軸(Z軸)に直交する方向に慣性力(コリオリ
力)が発生する。この逆向きのコリオリ力によるトルク
が音叉型振動子1に働いて、音叉型振動子1は捩れ振動
を起こし、この捩れ振動の振幅の大きさを検出手段4に
より検出して、これを角速度信号として出力するもので
ある。
【0003】しかし、この第1の従来例のものは、機械
加工によって作製されるため、微細加工が行えず、検出
精度が悪く、また、大型なものであった。一方、図6に
示す第2の従来例のものは、これらの欠点を改良しよう
としたものであり、文献(PROCEEDING FOR MICRO ELECT
RO MECHANICAL SYSTEMS Feb.7−10,1993 )等で知られ
ている。同図に示す角速度センサはシリコン基板等の半
導体基板を用いて半導体微細加工技術により形成されて
いる。基板25上の中央部には固定電極5が形成されてお
り、この固定電極5の左右両側には音叉状振動子の振動
板7,8が浮遊状態で配設されており、基板25と、この
基板25から浮遊している振動板7,8の各浮遊空間を挟
んだ対向面には電極(図示せず)が配設されている。振
動板7,8には、複数の穴9が開口されており、各振動
板7,8の左右両側に櫛形電極10a,10b,11a,11b
が突設形成されており、固定電極5にも櫛形電極5a,
5bが形成されており、この櫛形電極5a,5bは振動
板7,8の櫛形電極10a,11aと僅かな間隙を介するよ
う形成されている。固定電極5の櫛形電極5a,5b
と、振動板7,8の櫛形電極10a,11a間に振動駆動信
号が加わり、振動板7,8がそれぞれ図示のV1 ,V2
のように逆方向で同じ大きさに振動し、この状態でY軸
周りに回転すると、振動板7には図示のF2 方向に、ま
た、振動板8には図示のF1 方向にそれぞれ振動方向お
よびY軸に直交するように慣性力(コリオリ力)が発生
する。この逆向きのコリオリ力によって振動板7,8に
捩れ振動が生じ、この捩れ振動の振幅変化を基板25と振
動板7,8に対向配設された電極間の静電容量の変化と
して検出し、これを角速度の検出信号として出力するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、第2の従
来例によれば、微細加工技術を用いて製作されるため、
第1の従来例に比べて非常に加工精度よく小型化され
る。しかし、小型化に伴い、角速度検出の際にコリオリ
力が低下するため、検出信号の大きさが小さくなり、角
速度検出の分解能が悪くなる。この角速度検出の分解能
を高めるためには、振動板7,8の音叉振動と捩れ振動
とが共振、すなわち、音叉固有振動周波数と捩れ固有振
動周波数とが一致するよう調整すればよい。一方、この
ような半導体角速度センサは、半導体の優れた機械特性
から高いQ値をもたせることが可能であり、音叉固有振
動周波数と捩れ固有振動周波数とが常に一致するよう角
速度センサが作製された場合には、この角速度センサは
高分解能な検出を行うことができる。しかしながら、振
動板7,8の音叉固有振動周波数と捩れ固有振動周波数
とを一致させるよう角速度センサを作製することは加工
精度上、大変難しく不可能に近いものであった。このよ
うに、振動板7,8の音叉固有振動周波数と捩れ固有振
動周波数とが不一致となる場合には、動作点がずれ、Q
値が高いので共振レベルが急低下して検出精度が著しく
低下してしまうという問題があった。
【0005】また、機械加工によって作製される図5に
示されるような角速度センサでは、音叉固有振動周波数
と捩れ固有振動周波数とが一致するように作製すること
はより困難であり、検出精度のよい角速度センサを得る
ことが難しかった。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、作製上のばらつき
等により音叉固有振動周波数と捩れ固有振動周波数に不
一致が生じても、この不一致の影響を受けず検出精度の
よい角速度センサを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のように構成されている。すなわち、
本発明の角速度センサは、駆動入力によって振動する第
1の振動子と、角速度による第1の振動子のコリオリ力
を受けて振動する第2の振動子と、第1の振動子と第2
の振動子の少くとも一方側の振動数を可変制御して第1
の振動子と第2の振動子の固有振動周波数を合わせる振
動調整手段とを有し、前記第1の振動子は音叉振動子に
よって構成され、第2の振動子は第1の振動子のコリオ
リ力によって捩れ振動を行う捩れ振動子によって構成さ
れ、音叉振動子の両端は板ばね部を介して捩れ振動子に
連結固定されており、この板ばね部を含む音叉振動子と
捩れ振動子の連結周辺領域内に振動調整手段が設けら
れ、この振動調整手段は電気的に制御可能な歪みを発生
する歪み発生機構によって形成されていることを特徴と
して構成されており、また、駆動入力によって振動する
第1の振動子と、角速度による第1の振動子のコリオリ
力を受けて振動する第2の振動子と、第1の振動子と第
2の振動子の少くとも一方側の振動数を可変制御して第
1の振動子と第2の振動子の固有振動周波数を合わせる
振動調整手段とを有し、前記第1の振動子と第2の振動
子は半導体基板上に半導体微細加工技術を用いて形成さ
れており、前記第1の振動子は音叉振動子によって構成
され、第2の振動子は第1の振動子のコリオリ力によっ
て捩れ振動を行う捩れ振動子によって構成され、音叉振
動子の両端は板ばね部を介して捩れ振動子に連結固定さ
れており、この板ばね部を含む音叉振動子と捩れ振動子
の連結周辺領域内に振動調整手段が設けられ、この振動
調整手段は電気的に制御可能な歪みを発生する歪み発生
機構によって形成されていること、前記歪み発生機構は
圧電素子によって構成されていることも本発明の特徴的
な構成とされている。
【0008】
【作用】第1の振動子が駆動入力により振動し、この状
態で角速度を受けると角速度の回転軸と振動方向にそれ
ぞれ直交するように、コリオリ力が生じ、このコリオリ
力により第2の振動子は振動する。この第2の振動子の
振動振幅の大きさを検出して、これを角速度の検出信号
として出力する。振動調整手段により、第1の振動子と
第2の振動子の固有振動周波数とが常に一致するよう制
御されているので、各振動子は共振し、角速度の検出が
高感度で行われる。
【0009】また、このような構成の角速度センサを半
導体基板上に半導体微細加工技術を用いて形成したもの
にあっては、Q値が高い角速度センサが作製され、この
場合には検出分解能はさらに高められる。
【0010】
【実施例】以下、本実施例の基本構成を図面に基づいて
説明する。図1には、本発明に係る角速度センサの基本
的な一構成が示されている。この角速度センサは、固定
枠14cの内側に枠状の捩れ振動子13が、さらにその内側
には音叉振動子12が形成されている。この音叉振動子12
は、おもり部17a,17bと、このおもり部17a,17bを
連結支持する板ばね部39と板部38a,38bとを有して構
成されている。音叉振動子12の中央、つまり、おもり部
17a,17b間には固定駆動電極18が配設され、おもり部
17a,17bと固定電極18との各対向面には電極(図示せ
ず)が形成されている。音叉振動子12は板ばね部16a,
16bを介して捩れ振動子13に連結され、捩れ振動子13は
連結部19a,19bを介して固定枠14cに連結されてい
る。また、板ばね部16a,16bの上面には振動調整手段
としての圧電素子15a,15bが配設されており、この圧
電素子15a,15bは、電圧が印加されると縮んで変形歪
みを生ずるという歪発生機構としての機能を有してい
る。
【0011】一方、捩れ振動子13表面には、電極パター
ン(図示せず)が形成されており、さらに、この電極パ
ターンに対向する上部固定側(図示せず)に固定検出電
極が形成されて角速度センサが構成されている。
【0012】このような構成の角速度センサにおいて
は、固定駆動電極18と音叉振動子12に駆動入力としての
交流電圧等を加えると、固定駆動電極18と音叉振動子12
との間に静電力が発生し、音叉振動子12のおもり部17
a,17bは同図の(b)に示すように図示の矢印V1
2 のように反対方向で同じ大きさに振動する。この状
態で音叉軸周りに角速度センサが回転すると、図示のF
1 ,F2 方向のように互いに逆方向で、振動方向および
音叉軸方向とは直角方向にコリオリ力が発生する。この
逆方向のコリオリ力F1 ,F2 により、捩れ振動子13は
捩れ振動を起こす。
【0013】一方、音叉振動子12と捩れ振動子13の各固
有振動周波数が常に一致するよう、圧電素子15a,15b
に電圧が印加されている。電圧が印加されると圧電素子
15a,15bは縮み変形歪みを起こし、その結果、板ばね
部16a,16bが撓み、音叉振動子のおもり17a,17bを
支える板ばね部19に引っ張り応力が働き、音叉振動子12
の固有振動周波数は捩れ振動子13のそれに等しくなるま
で高められる。(通常、角速度センサ作製時には音叉振
動子12の固有振動周波数は捩れ振動子13のそれよりも若
干低く形成されている。)したがって、音叉振動子12と
捩れ振動子13とは常に共振状態にあり、捩れ振動子13の
捩れ振動の振幅は常に最大の振幅状態で起こる。この捩
れ振動の振幅の変化は角速度の変化に対応しており、捩
れ振動の振幅を、捩れ振動子13の電極パターンとこれに
対向する固定検出電極間の静電容量の変化として検出
し、これを角速度の検出信号として出力する。
【0014】このように構成される角速度センサは、音
叉振動子12と捩れ振動子13との各固有振動周波数が常に
一致して各振動子12,13が常に共振しているので、動作
点が高い共振レベルとなり、角速度の検出信号は常に最
大の状態で出力され、検出精度は高くなる。
【0015】次に、以上のような基本構成をもつ角速度
センサの具体的な実施例を図2を用いて説明する。本実
施例の角速度センサは、シリコン基板等の半導体基板を
利用して半導体微細加工技術によって形成されている。
シリコン基板14表面には、ボロンを拡散させたポリシリ
コンよりなる固定枠14c部分と固定駆動電極18部分とを
残して凹部26が形成されている。この凹部26には固定駆
動電極18を囲むように、音叉振動子12が、また、この音
叉振動子12を囲むように、捩れ振動子13がそれぞれ浮遊
状態で形成されている。音叉振動子12は板ばね部16a,
16bを介して捩れ振動子13に、捩れ振動子13は連結部19
a,19bを介して固定枠14cに連結されている。これら
音叉振動子12と捩れ振動子13もボロンを拡散させたポリ
シリコンよりなり、低抵抗に形成されている。
【0016】音叉振動子12は、おもり部17a,17bと、
振動板部37a,37b,37c,37dと基部27a,27bとよ
り構成されており、おもり部17a,17bは、固定駆動電
極18に対向配置されており、振動板部37a,37b,37
c,37dと基部27a,27bとを介して板ばね部16a,16
bに連結されている。
【0017】基部27a,27b上の振動板部37a,37b,
37c,37dに連結する周辺領域には振動調整手段として
の圧電素子15a,15b,15c,15dが配設されている。
この圧電素子15a,15b,15c,15dは、チタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)や酸化亜鉛(ZnO)等の圧電薄膜
28の上部と下部に金属電極29a,29bを配設して形成さ
れている。
【0018】一方、捩れ振動子13上には検出電極23が、
また、捩れ振動子13と板ばね部16a,16bと連結部19
a,19b上の所望領域に所要数のリードパターンが、酸
化シリコン(SiO)等の絶縁層22を介して形成されて
いる。このリードパターンは、音叉振動子12や圧電素子
15a,15b,15c,15dや検出電極23等より引き出され
ている。
【0019】また、これら固定駆動電極18、音叉振動子
12、捩れ振動子13、固定枠14c等の上部全面には、ガラ
ス基板20が配設されており、このガラス基板20は、固定
駆動電極18と、固定枠14cとに陽極接合方法等により接
合固定されている。このガラス基板20には、捩れ振動子
13上の検出電極23と対向する位置に、アルミニウム等に
より電極24が形成されており、角速度を受けたときに発
生する捩れ振動によって変化する捩れ振動子13の検出電
極23と、ガラス基板20の電極24間の静電容量を角速度信
号として検出する。さらに、ガラス基板20には、固定駆
動電極18と捩れ振動子13に対向位置する箇所、および、
その他必要箇所に、適当数の電極取出口21が開口されて
おり、この電極取出口21を利用して固定駆動電極18は駆
動回路(図示せず)等に、また、捩れ振動子13の検出電
極23とガラス基板20の電極24とは信号検出回路(図示せ
ず)等に接続され、その他所望の箇所に必要な電気的接
続が施されて、本実施例の角速度センサが構成されてい
る。
【0020】この角速度センサにおいて、振動調節手段
としての圧電素子15a,15b,15c,15dには電圧印加
制御回路(図示せず)が接続されている。すなわち、圧
電素子15a,15b,15c,15dは、電圧が印加されると
電圧の正負に拘らず上側もしくは下側に反り状態の歪み
を生じ、圧電素子15a,15b,15c,15dを配設してい
る基部27a,27bに連結する振動板部37a,37bに引っ
張り応力が働く。その結果、音叉振動子12の固有振動周
波数は高くなる。したがって、圧電素子15a,15b,15
c,15dは電圧が印加されると、常に音叉振動子12の固
有振動周波数を高める方向に作用するので、音叉振動子
12の固有振動周波数を捩れ振動子13のそれに合わせるた
めに、通常、角速度センサの作製時には、音叉振動子12
の固有振動周波数は捩れ振動子13のそれよりも若干低く
形成されている。一方、音叉振動子12の固有振動周波数
と捩れ振動子13のそれとが一致して、音叉振動子12と捩
れ振動子13とが共振するような圧電素子15a,15b,15
c,15dの印加電圧(E)を実験等により求めておき、
電圧印加制御回路は、常にこの一定の電圧(E)が圧電
素子15a,15b,15c,15dに加わるよう制御してい
る。つまり、音叉振動子12と捩れ振動子13とは共振状態
となるよう制御されている。なお、この電圧印加制御回
路は前記ガラス基板20に設けた電極取出口21に接続さ
れ、圧電素子15a,15b,15c,15dに一定の電圧
(E)を供給している。
【0021】次に、以上のように構成される角速度セン
サの製作工程を図3を用いて説明する。この角速度セン
サは1枚の単結晶シリコンウエハ上に作製される複数チ
ップのうちの1チップとして半導体微細加工技術を用い
て形成され、これらのチップは単結晶シリコンウエハ上
に複数形成されている。図3に示すものは1チップに形
成される角速度センサの図2に示すもののD−D′断面
部分を示している。同図の(a)では、単結晶シリコン
よりなる基板14表面の、図2の凹部26に相当する位置に
約2μm程度の窪み32をエッチング等により形成する。
次に、同図の(b)では、PSG(Phosho-Silicate Gl
ass )膜を全面に成膜した後、窪み32部分だけにPSG
膜が残るようレジスト等をマスクにしてパターニングす
る。次に、同図の(c)では、ボロン等を拡散させて低
抵抗にしたポリシリコン層34を約5μm程度全面にCV
D(Chemical Vapor Deposition )法等により積層形成
する。その後、捩れ振動子13、連結部19a,19b、板ば
ね部16a,16b上の所望領域のリードパターン形成部分
と検出電極23形成部分に、酸化シリコン等の絶縁層22を
形成する。次に、この絶縁層22形成部分と、のちに圧電
素子15a,15b,15c,15dとなる部分に金属電極とし
てのアルミニウム薄膜35を製膜して、検出電極23と、所
要数のリードパターンと、圧電素子15a,15b,15c,
15dの下部電極29aとを形成する。
【0022】次に、同図の(d)では、圧電素子15a,
15b,15c,15dの下部電極29a上に、酸化亜鉛等の圧
電薄膜28を形成し、さらにその上にアルミニウム薄膜35
を製膜して上部電極29bを形成することにより、圧電素
子15a,15b,15c,15dが構成される。次に、同図の
(e)では、レジスト等をマスクとしてRIE(Reacti
ve Ion Etching)等のドライエッチング技術により、ポ
リシリコン層34を音叉振動子12、捩れ振動子13、固定駆
動電極18、連結部19a,19b、板ばね部16a,16bのそ
れぞれの形状に加工する。また、これら音叉振動子12等
の側面が、基板14に対して垂直となるようRIE等のエ
ッチング工程で、基板14の温度を低温にすることが望ま
しい。その後、弗酸等のエッチング液で前記PSG膜33
をエッチングして除去し、音叉振動子12、捩れ振動子1
3、連結部19a,19b、板ばね部16a,16bを基板14か
ら浮いた状態にする。
【0023】次に、同図の(f)では、前記同図の
(g)に示す状態の上部全面にガラス基板20を載せる。
このガラス基板20面には捩れ振動子13の検出電極23と対
向する位置に、アルミニウム等に電極24が形成され、さ
らに、このガラス基板20には固定駆動電極18と捩れ振動
子13に対向する位置や必要な箇所に適当数の電極取出口
21が開口されている。
【0024】次に、このガラス基板20を固定枠14cと固
定駆動電極18部分に陽極接合等により接合固定する。そ
の結果、捩れ振動子13とガラス基板20との間には約1μ
m程度の間隙ができる。
【0025】次に、同図の(g)では、以上のようにシ
リコンウエハ上に複数形成した角速度センサのチップを
1チップずつ切断し、その後、ガラス基板20の電極取出
口21を利用して、半田36等により固定駆動電極18やガラ
ス基板20の電極24等の所望の箇所のそれぞれにリード線
35が接続固定され、駆動回路や信号検出回路等の所望の
回路に接続され、角速度センサが作製される。
【0026】以上の製造工程において、同図の(f)と
(g)に示される工程段階で減圧雰囲気中で製造を行う
と、内部が減圧雰囲気になり、音叉振動子12と捩れ振動
子13のQ値が高くなり、角速度センサを高分解能にする
ことができる。
【0027】次に、以上のように構成される角速度セン
サの角速度の検出動作を図4に示す斜視図を用いて説明
する。同図において、固定駆動電極18と音叉振動子12に
駆動入力としての交流電圧が加わると、低抵抗に形成さ
れている音叉振動子12と固定駆動電極18との間に静電力
が発生し、音叉振動子12のおもり部17a,17bは、例え
ば図示の矢印V1 ,V2 方向のような反対向きに振動
し、この状態で角速度を受けて音叉軸周りに回転する
と、おもり部17a,17bに図示の矢印F1 ,F2 方向の
ような音叉軸および振動方向に直交する逆向きのコリオ
リ力が発生する。このコリオリ力が捩れ振動子13に作用
して、捩れ振動子13は捩れ振動を起こす。
【0028】一方、音叉振動子12と捩れ振動子13の各固
有振動周波数が一致するよう圧電素子15a,15b,15
c,15dには、常に電圧印加制御回路により電圧(E)
が印加されている。そのため、音叉振動子12と捩れ振動
子13とは常に共振状態にあり、捩れ振動子13に発生する
捩れ振動は、最大の振幅状態で起こる。
【0029】この捩れ振動子13の捩れ振動により、捩れ
振動子13に形成されている検出電極23とガラス基板20に
形成されている電極24との間の静電容量が変化する。こ
の静電容量の大きさを角速度の検出信号として取り出
す。
【0030】したがって、本実施例によれば、前記基本
構成の場合と同様に、音叉振動子12と捩れ振動子13とは
常に共振するよう制御されているので、捩れ振動は最大
の振幅状態となり、角速度の検出信号は常に最大の状態
で出力され、検出精度は非常によくなる。
【0031】また、角速度センサは半導体基板を利用し
て半導体微細加工技術によって形成されているので、加
工精度よく、小型に、また、機械特性のQ値を高く形成
できる。
【0032】さらに、角速度センサがこのように小型化
されることによって、おもり17a,17bに発生するコリ
オリ力の低下による検出精度の低下や、また、機械特性
のQ値が高く作製される場合における音叉振動子12と捩
れ振動子13の各固有振動周波数のばらつきによる検出分
解能の急低下は、本実施例によれば、各振動子12と13を
常に共振するようにして捩れ振動の振幅を最大にするよ
う圧電素子に電圧(E)を印加しているので、角速度セ
ンサは小型化されたり、角振動子12,13の各固有振動周
波数にばらつきがあっても、検出精度や検出分解能は非
常に優れたものにできる。
【0033】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、振動
調整手段として圧電素子15a,15b,15c,15dの歪変
形を利用した歪み発生機構によって構成したが、音叉振
動子12と捩れ振動子13との固有振動周波数を常に等しく
なるよう制御できるものであれば、その他の機構によっ
て振動調整手段を構成してもよい。
【0034】また、歪み発生機構として圧電素子15a,
15b,15c,15dを用いたが、歪み変化が制御できるも
のであればその他の素子を用いてもよい。さらに、上記
実施例では、音叉振動子12と捩れ振動子13との固有振動
周波数がずれたとき、音叉振動子12の固有振動周波数を
調節して捩れ振動子13のそれと等しくなるように構成し
たが、捩れ振動子13の固有振動周波数を調節して音叉振
動子12のそれと等しくなるようにしてもよい。この場
合、振動調整手段として圧電素子を用いたときには、角
速度センサ作製時の音叉振動子12の固有振動周波数を、
上記実施例とは逆に、捩れ振動子13のそれよりも高く形
成することになる。また、上記実施例では、音叉振動子
12を捩れ振動子13の内側に形成したが、捩れ振動子13の
外側に形成してもよい。
【0035】さらに、検出電極23や電極24をアルミニウ
ムにより形成したが、他の導体金属にて形成してもよ
い。
【0036】さらに、基板14とガラス基板20とを陽極接
合方法により接合固定したが、共晶接合等、他の接合方
法によって行ってもよい。
【0037】さらに、固定電極18、音叉振動子12等を、
ボロン等を拡散させたポリシリコンにより低抵抗に形成
して、それ自身電極として機能させたが、それぞれに金
属層等を蒸着し、これを電極としてもよく、その他の方
法により行ってもよい。
【0038】さらに、上記実施例では、第1の振動子を
音叉振動子12として、第2の振動子を捩れ振動子13とし
て構成したが、第1の振動子のコリオリ力を受けて第2
の振動子が振動するような構成であれば、どのような構
成でもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は、振動調整手段により、第1の
振動子と第2の振動子の固有振動周波数が常に等しくな
るよう制御しているので、角速度センサ作製時に両振動
子の固有振動周波数が不一致となっても各固有振動周波
数が一致するよう制御されるため、第1の振動子と第2
の振動子とは常に共振し、第2の振動子に発生する振動
は最大振幅状態となる。したがって、角速度センサから
出力する角速度検出信号は、各角速度に対して常に最大
の振幅状態で出力され、角速度センサの検出精度は極め
て優れたものとなる。
【0040】また、本発明の角速度センサを半導体基板
を利用して半導体微細加工技術によって形成した場合に
は、角速度センサを小型に、加工精度よく、また、機械
特性のQ値を高く形成できる。
【0041】さらに、このように、角速度センサを小型
に形成した場合には、一般に第1の振動子に発生するコ
リオリ力は減少して検出感度が低下するが、本発明は、
前記のように、振動調整手段によって常に角速度の検出
信号の出力が最大となるよう制御されるので、コリオリ
力の減少分は補償されることになり、常に検出精度は優
れたものとなり、高分解能が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角速度センサの基本構成の一例を示す
説明図である。
【図2】本発明の角速度センサの一実施例を示す構成図
である。
【図3】同実施例の製造工程図である。
【図4】同実施例の角速度検出動作を示す斜視図であ
る。
【図5】従来の角速度センサを示す説明図である。
【図6】半導体基板上に作製した角速度センサの従来例
を示す説明図である。
【符号の説明】
12 音叉振動子(第1の振動子) 13 捩れ振動子(第2の振動子) 15a,15b,15c,15d 圧電素子(振動調整手段とし
ての歪み発生機構) 16a,16b 板ばね部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 友保 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 厚地 健一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−60210(JP,A) 特開 平7−190784(JP,A) 国際公開93/5401(WO,A1) 国際公開91/14285(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動入力によって振動する第1の振動子
    と、角速度による第1の振動子のコリオリ力を受けて振
    動する第2の振動子と、第1の振動子と第2の振動子の
    少くとも一方側の振動数を可変制御して第1の振動子と
    第2の振動子の固有振動周波数を合わせる振動調整手段
    とを有し、前記第1の振動子は音叉振動子によって構成
    され、第2の振動子は第1の振動子のコリオリ力によっ
    て捩れ振動を行う捩れ振動子によって構成され、音叉振
    動子の両端は板ばね部を介して捩れ振動子に連結固定さ
    れており、この板ばね部を含む音叉振動子と捩れ振動子
    の連結周辺領域内に振動調整手段が設けられ、この振動
    調整手段は電気的に制御可能な歪みを発生する歪み発生
    機構によって形成されている角速度センサ。
  2. 【請求項2】 駆動入力によって振動する第1の振動子
    と、角速度による第1の振動子のコリオリ力を受けて振
    動する第2の振動子と、第1の振動子と第2の振動子の
    少くとも一方側の振動数を可変制御して第1の振動子と
    第2の振動子の固有振動周波数を合わせる振動調整手段
    とを有し、前記第1の振動子と第2の振動子は半導体基
    板上に半導体微細加工技術を用いて形成されており、前
    記第1の振動子は音叉振動子によって構成され、第2の
    振動子は第1の振動子のコリオリ力によって捩れ振動を
    行う捩れ振動子によって構成され、音叉振動子の両端は
    板ばね部を介して捩れ振動子に連結固定されており、こ
    の板ばね部を含む音叉振動子と捩れ振動子の連結周辺領
    域内に振動調整手段が設けられ、この振動調整手段は電
    気的に制御可能な歪みを発生する歪み発生機構によって
    形成されている角速度センサ。
  3. 【請求項3】 歪み発生機構は圧電素子によって構成さ
    れている請求項1又は請求項2記載の角速度センサ。
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