JP3028999B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

振動ジャイロ

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JP3028999B2
JP3028999B2 JP5265811A JP26581193A JP3028999B2 JP 3028999 B2 JP3028999 B2 JP 3028999B2 JP 5265811 A JP5265811 A JP 5265811A JP 26581193 A JP26581193 A JP 26581193A JP 3028999 B2 JP3028999 B2 JP 3028999B2
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健志 森川
厚志 塚田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共通する基部から突出
した3本の振動片を備え、該3本の振動片のうちの一つ
の振動片が直交座標軸におけるX軸に沿って振動してい
る場合に該振動が他の2本の振動片に伝播し該2本の振
動片がX軸に沿って振動するよう構成された振動ジャイ
ロに関する。
【0002】
【従来の技術】所定方向に沿って振動している振動片、
例えば直交座標軸平面(X−Y平面)におけるX軸に沿
って振動している振動片がこのX−Y平面と直交するZ
軸の回りに回転すると、その回転角速度により振動片に
Y軸方向にコリオリの力が生じる。このコリオリの力は
角速度に依存して定まることから、コリオリの力を振動
片の撓み変位量等として間接的に、或いは圧電素子の圧
電効果により直接的に測定して、振動片の角速度を求め
ることができる。このため、振動する振動片を用いた振
動ジャイロを車両等に搭載して、車両旋回時に発生する
ヨーレイトを検出することが行なわれている。また、こ
うして検出したヨーレイトから車両の走行軌跡を記録す
ることも行なわれている。例えば、特公表4−5046
17には音叉型の振動子を用いる振動ジャイロが提案さ
れている。
【0003】この特公表4−504617における振動
ジャイロでは、対になる振動片のそれぞれに励振用の駆
動電極およびヨーレイト検出用の電極が設けられてい
る。そして、コリオリの力による各振動片の撓み変位量
をヨーレイト検出用の電極から求め、ヨーレイトが算出
されている。
【0004】一方、振動子を構成する各振動片はその周
辺の温度の影響を受けて伸縮し弾性率が変化するため、
振動の周波数が変化する。よって、各振動片を同一のエ
ネルギで励振した際の周波数や同一のコリオリの力によ
り振動した際の周波数が、環境温度に依存して変化し、
検出感度の低下を招くことがよく知られている。このよ
うな不具合を回避して感度向上を図るために、振動状態
にある振動片の周波数出力を取り出して各振動片の励振
制御にフィードバックする技術が提案されている(特開
昭60−192206)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように振動片の周波数出力をフィードバックするにし
ても、次のような問題点が指摘されている。即ち、振動
片には励振用の駆動電極と周波数出力を取り出すための
電極とを形成する必要がある。特に、特公表4−504
617のように振動片に励振用の駆動電極とヨーレイト
検出用の電極を有するものでは、これら電極に加えて周
波数出力を取り出すための電極を別途形成する必要があ
る。各電極はその目的が異なることに起因して電極パタ
ーンが異なるため、一つの振動片に複数のパターンの電
極を必要とし、構成が複雑であった。また、構成が複雑
なために、電極形成作業や工程の複雑化を招いていた。
更には、各電極に到るそれぞれの配線をも他の電極と干
渉しないよう形成する必要があり、配線の形成に要する
作業や工程も当然に複雑であった。
【0006】しかも、振動片を複数の電極が形成可能な
大きさのものとする必要があり、小型化が阻害されてい
た。また、複数の電極の形成が可能な大きさの振動片で
あっても、配線を他の電極と干渉しないよう形成する必
要があるので、配線を細線化せざるを得なかった。よっ
て、このように配線が細線化するので励振用電極に印加
できる電圧が制限されていた。一方、振動片が振動して
いる際には振動片の根元では結晶の撓み変位が大きいこ
とから、振動片を効率よく振動させたり振動片の振動を
感度よく検出するためには、励振用電極或いは振動検知
用電極(ヨーレイト検出用の電極およびフィードバック
用の電極)を振動片の根元に設けることが好ましい。し
かし、振動片に複数の電極を形成する都合上、励振用電
極或いは振動検知用電極のいずれかを振動片の先端部に
設けざるを得ない。例えば励振用電極を先端部に形成し
た場合には、上記したように励振用電極に印加できる電
圧が制限されるため、振動片を大きな振幅で振動させる
ことができなかった。このため、コリオリの力に基づく
ヨーレイトの検出感度が低下する虞が指摘されている。
なお、上記した問題点は、振動片をピエゾ素子(PZ
T)等の圧電素子にて励振させたりしてヨーレイトを検
出する振動ジャイロにあっても生じる。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、構成が簡単で小型かつ高感度の振動ジャイロを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明の振動ジャイロの採用した手段は、
共通する基部から突出した3本の振動片を備え、該3本
の振動片のうちの一つの振動片が直交座標軸におけるX
軸に沿って振動している場合に該振動が他の2本の振動
片に伝播し該2本の振動片がX軸に沿って振動するよう
構成された振動ジャイロであって、前記一つの振動片に
設けられ、該振動片をX軸に沿って振動させる励振手段
と、前記他の2本の振動片のうちの一方の振動片に設け
られ、該振動片が前記X軸と直交するY軸に沿って振動
したときの振動状態を検出する第1の検出手段と、前記
他の2本の振動片のうちの他方の振動片に設けられ、前
記一つの振動片のX軸に沿った振動が伝播して該他方の
振動片が前記X軸に沿って振動したときの振動状態を検
出する第2の検出手段とを備えることをその要旨とす
る。
【0009】また、上記の振動ジャイロであって、前記
他の2本の振動片のうちの他方の振動片に設けられた前
記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記一つの振
動片の前記励振手段を制御する制御手段を有することを
その要旨とする。
【0010】
【作用】上記構成を有する請求項1記載の振動ジャイロ
では、3本の振動片を備えそのうちの一つの振動片に設
けられた励振手段により、当該一つの振動片をX軸に沿
って振動させる。そして、この振動を他の2本の振動片
に伝播して、各振動片をX軸に沿った振動状態におく。
このように各振動片が振動状態にある振動ジャイロがX
−Y平面に直交する軸(Z軸)の回りに回転すると、そ
の回転角速度に基づくコリオリの力を受けて各振動片が
Y軸に沿って振動することになる。このY軸に沿った振
動の振動状態は、上記した一つの振動片以外の一方の振
動片に設けられた第1の検出手段により検出される。ま
た、励振手段によって振動した一つの振動片から他方の
振動片に伝播した振動のX軸に沿った振動状態は、他方
の振動片に設けられた第2の検出手段により検出され
る。つまり、各振動片には励振手段,第1の検出手段或
いは第2の検出手段のいずれか一つしか必要がなく、こ
れら各手段を共通する基部近傍、即ち振動片の根元に独
立して設けることが可能となる。なお、ここでいうX軸
は、3本の振動片の並びに沿った方向の軸とすること
も、3本の振動片の並びに沿った方向と交差する方向の
軸とすることもでき、Y軸はこのX軸と直交した軸であ
ればよい。
【0011】この場合、一つの振動片がX軸に沿って振
動したときにその振動を他の二つの振動片に伝播できれ
ばよく、振動片についての材質的な制約はない。例え
ば、金属は勿論、水晶,半導体等の結晶体、ガラスやセ
ラミック等の振動の伝播が可能な材料を用いることがで
きる。
【0012】また、励振手段は、一の振動片をX軸に沿
って振動させることができればよく、振動片の材質等を
考慮して適宜選択すればよい。例えば、振動片が金属、
水晶,半導体等の結晶体、ガラスやセラミック等を用い
て形成されていれば、ピエゾ素子(PZT)等の圧電素
子を励振手段として採用し、当該素子の逆圧電効果によ
り振動片を振動させればよい。また、振動片が水晶,半
導体等の結晶体やセラミック等の圧電効果を有する材料
を用いて形成されていれば、電極を励振手段として採用
し、振動片自体の逆圧電効果により振動片を振動させれ
ばよい。更に、振動片に作用する誘導磁力や容量電荷を
変化させて振動片を振動させ、励振手段を構成すること
もできる。第1および第2の検出手段についても同様で
あり、ピエゾ素子(PZT)等の圧電素子や電極を介し
て圧電効果により振動片の振動状態を検出するよう、ま
た誘導磁力や容量電荷の変化により振動片の振動状態を
検出するよう検出手段を構成すればよい。
【0013】一方、請求項2記載の振動ジャイロでは、
他方の振動片に伝播した振動のX軸に沿った振動状態に
ついての第2の検出手段の検出結果に基づいて、制御手
段により一つの振動片の励振手段を制御する。このた
め、励振手段によるX軸に沿った振動を定常的な振動に
することが可能となる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る振動ジャイロの好適な実
施例について、図面に基づき説明する。図1は、実施例
の振動ジャイロ10の斜視図である。図示するように、
振動ジャイロ10は、基部12から3本の振動片14,
16,18を突出して備える。この振動ジャイロ10
は、振動を伝播する金属、例えばジュラルミン等の軽合
金の板材から図示する形状に適宜な機械加工を経て形成
されている。この場合、振動ジャイロ10の(縦×横×
厚み)の寸法は、66mm×21.6mm×3.0mm
であり、各振動片14,16,18の(長さ×幅×厚
み)の寸法は、33mm×2.8mm×3.0mmであ
る。
【0015】このように振動ジャイロ10は振動の伝播
が可能な金属製であることから、上記した3つの振動片
のいずれかが、例えば振動片14が図中に示す直交座標
軸におけるX軸に沿って振動すれば、当該振動は他の2
本の振動片16,18に伝播する。よって、振動片14
が継続してX軸に沿って振動していれば、他の2本の振
動片16,18もX軸に沿って継続して振動することに
なる。この際、振動片16は、振動片14と振動片18
との間の中央に位置することから、振動片14,18の
2倍の振幅で振動することになる。
【0016】また、図1およびその2−2線拡大断面図
である図2に示すように、各振動片には圧電素子である
ピエゾ素子が貼着・固定されている。つまり、振動片1
4と振動片18の両側面(X軸が直交するY−Z平面と
平行な面)には、それぞれ一対のピエゾ素子20,22
が、振動片16の上下面(Y軸が直交するX−Z平面と
平行な面)には一対のピエゾ素子24が対向して貼着・
固定されている。そして、対向する各ピエゾ素子20,
22,24には、図示しない導電ラインが各振動片の振
動を阻害しないように配線されている。
【0017】次に、この振動ジャイロ10の回路構成に
ついて図3のブロック図を用いて説明する。この図3に
示すように、振動ジャイロ10の振動片14および振動
片18における一対のピエゾ素子20,22は励振側回
路29に、振動片16における一対のピエゾ素子24は
検出側回路37にそれぞれ接続されている。
【0018】励振側回路29は、振動片14のピエゾ素
子20に交流電圧を印加する励振回路30と、振動片1
8のピエゾ素子22が圧電効果により生じる電気信号の
位相を揃える検出バランス調整回路32と、入力した電
気信号のレベルにかかわらず一定の出力レベルとするオ
ートマティックゲインコントローラ(AGC)34と、
振動片14の共振周波数を中心とした所定幅の周波数の
電気信号を選別するバンドパスフィルタ36とから構成
される。そして、この励振側回路29は、励振回路30
により、振動片14のピエゾ素子20にこの振動片14
のX軸方向の共振周波数と一致する周波数の交流電圧を
常時印加する。その様子については、後述する。
【0019】一方、検出側回路37は、振動片16のピ
エゾ素子24の圧電効果により生じる電気信号(交流電
圧)の位相の調整を行なう検出バランス調整回路38
と、検出バランス調整回路38により調整された電気信
号の出力レベルを増幅する増幅回路40と、交流電圧で
ある電気信号の負の部分を反転して正電圧とし、整流作
用をはたす同期検波回路42と、正電圧化された電気信
号を整流電圧の電気信号とする積分回路44と、整流電
圧の電気信号の出力レベルを増幅する増幅出力回路46
とから構成される。
【0020】励振側回路29の励振回路30からは、振
動片14のピエゾ素子20にこの振動片14のX軸方向
の共振周波数と一致する周波数の交流電圧が印加される
ため、この一対のピエゾ素子20のそれぞれは、逆圧電
効果により電圧に応じてそれぞれ伸縮する。この交流電
圧の印加に当たっては、一対のピエゾ素子20のそれぞ
れに位相が180度異なる交流電圧が印加されるので、
一対のピエゾ素子20の各素子の伸縮は、一方が伸びる
ときに他方が縮み、一方が縮むときに他方が伸びること
となる。この結果、振動片14は、図中X軸方向に沿っ
てその共振周波数で振動する。そして、この振動片14
のX軸に沿った振動は他の振動片16,18に伝播し、
これら振動片はX軸に沿って振動する。
【0021】振動片18がこのようにX軸に沿って振動
すると、この振動片における一対のピエゾ素子22は振
動に伴って伸縮し、圧電効果により各素子の伸縮に応じ
た交流電圧の電気信号を生じる。ピエゾ素子22の各素
子の伸縮は互いに逆となるので、生じる電気信号は、位
相が180度異なる交流電圧となる。この電気信号は、
検出バランス調整回路32により一方の電気信号を反転
して位相が揃えられ、AGC34により出力レベルを一
定(振動片14の共振周波数を中心とした所定幅)にさ
れる。そして、バンドパスフィルタ36により共振周波
数を中心とした所定幅の電気信号が選別され、励振回路
30により選別された電気信号が振動片14における一
対のピエゾ素子20に印加される。従って、振動片14
における一対のピエゾ素子20には、振動片14の共振
周波数で、かつ一定レベルの交流電圧が常時印加され
る。このため、振動片14は、X軸方向の共振周波数で
定常的に一定の振幅で振動を継続し、他の2本の振動片
16,18もX軸に沿って継続して振動する。
【0022】また、振動片14の振動が振動片16に伝
播してこの振動片16がX軸に沿って継続して振動して
いる状態にあるときに、振動ジャイロ10にX−Y平面
に直交するZ軸の回りに回転角速度ωが作用すると、振
動片16は式F=2mV・ωで表わされるコリオリの力
Fを受けてY軸に沿って振動する。ここで、mは振動片
16の振動部分の質量、Vは振動部分の速度である。こ
の振動部分の速度Vは、式V=Aω・cos ωtで表わさ
れ、回転角速度ωが一定のときには振動片16のX軸方
向の振動の振幅Aに比例する。従って、コリオリの力F
は振動片16のX軸方向の振動の振幅Aを大きくするこ
とにより大きくすることができる。
【0023】このように振動片16がコリオリの力Fを
受けてY軸に沿って振動すると、振動片16は、振動片
14から伝播したX軸方向の振動とY軸方向の振動とに
より、全体として楕円運動を起こす。振動片16におけ
る一対のピエゾ素子24は、この楕円運動のY軸方向成
分の振動に伴って伸縮し、各素子の圧電効果により各素
子の伸縮に応じた交流電圧の電気信号を生じる。この電
気信号は、各素子の伸縮を反映したものであるので、伸
縮が大きくなれば大きな出力レベルの電気信号となる。
従って、検出感度を高くするために電気信号の出力レベ
ルを大きくするには、振動片16のピエゾ素子24を大
きく伸縮させることが望ましい。
【0024】振動片16のピエゾ素子24から得られた
電気信号は、検出バランス調整回路38に入力され、こ
の検出バランス調整回路38では、各素子から生じる電
気信号の位相が揃えられる。増幅回路40では、電気信
号の出力レベルが増幅される。同期検波回路42では、
励振回路30の参照信号と同期して交流電圧である電気
信号を検波して正電圧となる。積分回路44では、正電
圧化された電気信号は整流電圧の電気信号となる。整流
電圧の電気信号は、増幅出力回路46により増幅されて
出力される。つまり、コリオリの力Fによる振動片16
のY軸に沿った振動の振動状態を反映した電気信号が、
検出側回路37の検出バランス調整回路38等を経て、
Z軸回りの回転角速度ωの方向と大きさを表わすリニア
な電気信号として図示しない電子制御装置に出力され
る。このため、振動ジャイロ10を車両に搭載すれば、
車両の旋回方向とその単位時間当たりの大きさを検出す
ることができる。
【0025】以上説明したように、本実施例の振動ジャ
イロ10では、各振動片に単一のピエゾ素子を設けるだ
けでよい。より詳しくは、振動片14にはこの振動片を
X軸に沿って振動させるためのピエゾ素子20のみを、
振動片18にはこの振動片がX軸に沿って振動している
際の振動状態を検出するためのピエゾ素子22のみを、
振動片16にはこの振動片がY軸に沿って振動している
際の振動状態を検出するためのピエゾ素子24のみを設
けるだけでよい。このため、本実施例の振動ジャイロ1
0によれば、一つの振動片に複数のピエゾ素子を設ける
必要がないので、振動ジャイロの構成を簡略化すること
ができるとともに小型化を図ることができる。
【0026】また、本実施例の振動ジャイロ10では、
各振動片が振動した際の歪が著しい振動片の根元に該当
するピエゾ素子を独立して設けることができる。このた
め、本実施例の振動ジャイロ10によれば、ピエゾ素子
20により振動片14を効率よく振動させることができ
るとともに、コリオリの力、延いては回転角速度ωの方
向およびその大きさをピエゾ素子24により感度よく検
出できる。しかも、本実施例では、コリオリの力を受け
る振動片16をX軸に沿った振動状態にある振動片14
と振動片18と同一形状とし、且つ、これら振動片14
と振動片18の間の中央に位置させたので、この振動片
16を振動片14,18の2倍の振幅でX軸に沿って振
動させる。このため、本実施例の振動ジャイロ10によ
れば、この振動片16に加わるコリオリの力による振動
片16のY軸に沿った振動の振幅を拡大させて、コリオ
リの力、延いては回転角速度ωの方向およびその大きさ
の検出感度をより向上させることができる。
【0027】更に、本実施例の振動ジャイロ10では、
振動片14の振動が伝播することにより振動する振動片
18の振動状態に基づいて振動片14を定常的に一定振
幅で振動させ、この定常的な振動をコリオリの力の検出
用の振動片16に伝播することができる。このため、本
実施例の振動ジャイロ10によれば、コリオリの力の検
出感度をより一層向上させることができる。
【0028】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの様な実施例になんら限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0029】例えば、上記した実施例では、振動ジャイ
ロ10をジュラルミン等の金属から形成し振動片の励振
や振動状態の検出にピエゾ素子を用いたが、これに限る
わけではない。つまり、図4に示すように、基部52か
ら3本の振動片54,56,58を突出して備える振動
ジャイロ50を、単結晶体である水晶をエッチングして
形成することもできる。この場合には、水晶自体が圧電
効果を有するので、振動片54にはこの振動片自体の逆
圧電効果によりX軸に沿って励振することができる電極
を設ければよい。また、振動片56にはこの振動片がY
軸に沿って振動した場合に振動片自体の圧電効果により
振動片56の振動状態を検出することができる電極を設
ければよい。更に、振動片58にはこの振動片がX軸に
沿って振動した場合に振動片自体の圧電効果により振動
片58の振動状態を検出することができる電極を設けれ
ばよい。
【0030】具体的に説明すると、図4およびその5−
5線拡大断面図である図5に示すように、振動片54の
上下面(X軸が直交するY−Z平面と平行な面)のそれ
ぞれに、プラス電極60,マイナス電極62を並べて形
成し、振動片58の上下面のそれぞれに、プラス電極6
4,マイナス電極66を並べて形成する。一方、振動片
56にあっては、その上下面のそれぞれにプラス電極6
8を、その両側面(Y軸が直交するX−Z平面と平行な
面)のそれぞれにマイナス電極70を形成する。この両
側面のマイナス電極70は、図4に示すように、振動片
56先端において導通されている。また、基部52に、
上記した各電極に到る配線72から77を形成する。こ
の場合、振動片56のマイナス電極70に到る配線77
は、両側面の両マイナス電極70が振動片56先端にお
いて導通されているので、基部52の上面にのみ形成さ
れており、その他の配線は、基部52の上下面に形成さ
れている。
【0031】そして、上記の振動ジャイロ50のプラス
電極60,マイナス電極62に配線72,73を介して
励振回路(発振回路)を接続すれば、既述した振動ジャ
イロ10と同様に、感度よくコリオリの力を検出するこ
とができる。しかも、この振動ジャイロ50では、各電
極に到る通電用の配線を他の電極との干渉を振動片にお
いて考慮することなく形成できる。このため、振動ジャ
イロ50によれば、配線を太くして高い電圧の印加を図
ることができ、振動片をより大きな振幅で振動させて検
出感度を向上させることができる。
【0032】更に、振動ジャイロ50の振動片54をX
軸に沿って振動させるに当たり、このX軸を3本の振動
片54,56,58の並びに沿った方向と直交する方向
の軸とし(図4,図5参照)、振動片54を3本の振動
片の並びに沿って振動させたがこれに限るわけではな
い。つまり、X軸を3本の振動片54,56,58の並
びに沿った方向の軸(図4および図5に表記したY軸)
とすることもできるので、振動片54を3本の振動片の
並びに沿った方向と交差する方向に沿って振動させるよ
う構成することもできる。
【0033】また、振動ジャイロ10および振動ジャイ
ロ50では、共通する基部から3本の振動片が突出した
構成としたが、図6に示すように、基部82の両側から
それぞれ3本の振動片を突出して備えた振動ジャイロ8
0とすることもできる。この場合には、基部82を挟ん
で対向する振動片84,90をそれぞれX軸に沿って励
振させ、振動片88,94からX軸に沿った振動の振動
状態を検出し、振動片86,92のいずれか或いは両振
動片からY軸に沿った振動の振動状態を検出するよう構
成することもできる。振動片86,92の両振動片から
Y軸に沿った振動の振動状態を検出するよう構成した場
合には、この両振動片がX軸に沿って振動する際の向き
を逆にしておくことで、回転角速度を受けたときにこの
両振動片に作用するコリオリの力の方向を逆にすること
ができる。このため、振動片に車両旋回に基づかない横
加速度等の外乱が加わって振動片が撓んでも、この撓み
による出力を相殺することができるので、検出感度を向
上させることができる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の振動
ジャイロでは、3本の振動片のうちの一つの振動片を振
動させてその振動を他の2本の振動片に伝播し、各振動
片をX軸に沿った振動状態におく。そして、振動ジャイ
ロがZ軸の回りに回転したときにコリオリの力により振
動片に生じるY軸に沿った振動の振動状態を、一つの振
動片以外の一方の振動片から検出する。また、一つの振
動片から他の振動片に伝播する振動のX軸に沿った振動
状態を、他方の振動片から検出する。この結果、請求項
1記載の振動ジャイロによれば、各振動片には励振手
段,第1の検出手段或いは第2の検出手段のいずれか一
つを設ければよいので、振動ジャイロの構成を簡略化す
ることができるとともに小型化を図ることができる。
【0035】また、請求項1記載の振動ジャイロでは、
励振手段,第1の検出手段或いは第2の検出手段を結晶
の撓み変位が大きい振動片根元に独立して設けることが
できる。よって、請求項1記載の振動ジャイロによれ
ば、効率よく振動片を励振させることができるとともに
コリオリの力を感度よく検出できる。しかも、請求項1
記載の振動ジャイロでは、励振手段等への通電用の配線
の干渉を振動片において考慮する必要がない。このた
め、請求項1記載の振動ジャイロによれば、配線を太く
して高い電圧の印加を図ることができ、振動片を大きな
振幅で振動させて検出感度を向上させることができる。
【0036】一方、請求項2記載の振動ジャイロでは、
3本の振動片のうちの一つの振動片をX軸に沿って定常
的に振動させてこの定常的な振動を他の振動片に伝播す
ることができる。このため、請求項2記載の振動ジャイ
ロによれば、コリオリの力の検出感度をより一層向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の振動ジャイロ10の概略斜視図。
【図2】図1における2−2線拡大断面図。
【図3】振動ジャイロ10を含む電気的な構成を示すブ
ロック図。
【図4】他の実施例の振動ジャイロ50の概略斜視図。
【図5】図4における5−5線拡大断面図。
【図6】他の実施例の振動ジャイロ80の概略斜視図。
【符号の説明】
10…振動ジャイロ 12…基部 14,16,18…振動片 20,22,24…ピエゾ素子 29…励振側回路 30…励振回路 32…検出バランス調整回路 34…オートマティックゲインコントローラ(AGC) 36…バンドパスフィルタ 37…検出側回路 38…検出バランス調整回路 40…増幅回路 42…同期検波回路 44…積分回路 46…増幅・出力回路 50…振動ジャイロ 52…基部 54,56,58…振動片 60…プラス電極 62…マイナス電極 64…プラス電極 66…マイナス電極 68…プラス電極 70…マイナス電極 72〜77…配線 80…振動ジャイロ 82…基部 84,86,88,90,92,94…振動片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 厚志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−129514(JP,A) 特開 平4−324311(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通する基部から突出した3本の振動片
    を備え、該3本の振動片のうちの一つの振動片が直交座
    標軸におけるX軸に沿って振動している場合に該振動が
    他の2本の振動片に伝播し該2本の振動片がX軸に沿っ
    て振動するよう構成された振動ジャイロであって、 前記一つの振動片に設けられ、該振動片をX軸に沿って
    振動させる励振手段と、 前記他の2本の振動片のうちの一方の振動片に設けら
    れ、該振動片が前記X軸と直交するY軸に沿って振動し
    たときの振動状態を検出する第1の検出手段と、 前記他の2本の振動片のうちの他方の振動片に設けら
    れ、前記一つの振動片のX軸に沿った振動が伝播して該
    他方の振動片が前記X軸に沿って振動したときの振動状
    態を検出する第2の検出手段と、 を備えることを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の振動ジャイロであって、 前記他の2本の振動片のうちの他方の振動片に設けられ
    た前記第2の検出手段の検出結果に基づいて、前記一つ
    の振動片の前記励振手段を制御する制御手段を有する振
    動ジャイロ。
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