JP3230089B2 - サーボモータの駆動制御方法と、それを使用する駆動制御装置 - Google Patents

サーボモータの駆動制御方法と、それを使用する駆動制御装置

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JP3230089B2
JP3230089B2 JP2000118052A JP2000118052A JP3230089B2 JP 3230089 B2 JP3230089 B2 JP 3230089B2 JP 2000118052 A JP2000118052 A JP 2000118052A JP 2000118052 A JP2000118052 A JP 2000118052A JP 3230089 B2 JP3230089 B2 JP 3230089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、振動要素を含む
駆動対象を無振動状態に位置決めすることができるサー
ボモータの駆動制御方法と、それを使用する駆動制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに直交する駆動軸1、2にそれぞれ
サーボモータM1 、M2 を連結し、駆動対象3をX方
向、Y方向に駆動する直交2軸サーボシステムが広く使
用されている(図8(A))。
【0003】サーボモータM1 、M2 は、それぞれカッ
プリング1a、2aを介してボールねじ式の駆動軸1、
2に連結されており、サーボモータM2 は、駆動軸1を
介して駆動する補助ベース4上に搭載されている。そこ
で、補助ベース4、駆動対象3は、サーボモータM1 、
駆動軸1を介し、リニアガイド1b、1cに沿ってX方
向に正逆に駆動することができ、駆動対象3は、サーボ
モータM2 、駆動軸2を介し、リニアガイド2bに沿っ
てY方向に正逆に駆動することができる。すなわち、駆
動対象3は、サーボモータM1 、M2 の各駆動量を適切
に定めることにより、X−Y平面上の任意の位置に位置
決めすることができる。
【0004】このような駆動系は、サーボモータM1 か
ら見て、等価的に同図(B)のように考えることができ
る。すなわち、補助ベース4から駆動対象3に至る一連
の系は、仮想剛体5、ばね材からなる振動要素6、等価
質量7に置き換えることができる。ここで、振動要素6
のばね定数は、たとえば駆動軸1、2の遊び、リニアガ
イド2bの曲げ剛性、リニアガイド1b、1c、2bの
遊びなどに基づき、等価質量7は、補助ベース4、駆動
対象3の重量などに基づく。ただし、同図(B)におい
て、補助ベース4から等価質量7に至る一連の部材は、
便宜的に駆動対象3として図示されている。すなわち、
駆動対象3は、振動要素6を含むものとして想定されて
いる。
【0005】かかる駆動系において、サーボモータM1
を駆動すると、振動要素6、等価質量7に基づく駆動対
象3の有害な振動が避けられず、所定の位置決め精度を
達成することが難しい場合が少なくない。そこで、駆動
対象3の振動を抑えるために、サーボモータM1 の加減
速曲線を緩やかなS字カーブとして系に与える衝撃をで
きるだけ小さくしたり、駆動対象3に加速度センサを付
設し、加速度センサによって検出される駆動対象3の加
速度を許容値以下に抑えるようにサーボモータM1 の加
減速曲線を緩やかに設定したりするなどの手法が採用さ
れている。なお、以上の点は、サーボモータM2 を駆動
する場合も全く同様であって、そのときの振動要素6の
ばね定数は、駆動軸2、リニアガイド2bの遊びなどに
基づき、等価質量7は、駆動対象3の重量などに基づ
く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の前者
によるときは、加減速用のS字カーブをカットアンドト
ライによって設定せざるを得ない上、加減速に要する時
間が過大になりがちであるという問題があり、後者によ
るときは、信頼性の高い小形低価格の加速度センサがな
く、駆動対象に加速度センサを搭載するため、制御系が
複雑高価となり、加速度センサの重量により全体の制御
性を却って劣化させるおそれがあるという問題が避けら
れなかった。
【0007】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、加速期間、減速期間がそれぞれ駆動対
象の一次振動の周期の整数倍に相当するようにサーボモ
ータの駆動速度パターンを定めることによって、従来の
問題を一掃し、有害な振動を生じることなく駆動対象を
速やかに精度よく位置決めすることができるサーボモー
タの駆動制御方法と、それを使用する駆動制御装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第1発明の構成は、振動要素を含む
駆動対象をサーボモータにより駆動して位置決めするに
際し、加速度一定の加速期間、減速度一定の減速期間が
それぞれ駆動対象の一次振動の周期の整数倍に相当する
駆動速度パターンを定め、駆動対象の振動の減衰特性を
補償して加速中、減速中の駆動対象の振動を一定に維持
しながら、駆動速度パターンに従ってサーボモータを駆
動制御することをその要旨とする。
【0009】第2発明の構成は、サーボモータの駆動速
度パターンを定めるパターン決定手段と、パターン決定
手段からの駆動速度パターンに従って速度指令信号を作
る速度指令手段と、パターン決定手段、速度指令手段の
いずれか一方に付設する速度補正手段とを備えてなり、
パターン決定手段は、加速度一定の加速期間、減速度一
定の減速期間がそれぞれ駆動対象の一次振動の周期の整
数倍に相当する駆動速度パターンを定め、速度補正手段
は、駆動対象の振動の減衰特性を補償して加速中、減速
中の駆動対象の振動を一定に維持するように、駆動速度
パターンまたは速度指令信号を補正することをその要旨
とする。
【0010】なお、パターン決定手段は、サーボモータ
の最大加速度、最大速度の範囲内において、加速期間、
減速期間が最短の駆動速度パターンを定めることができ
る。
【0011】また、パターン決定手段は、加速期間、減
速期間の間に最大速度期間を有する駆動速度パターンを
定めることができる。
【0012】さらに、振動計測手段を付設し、振動計測
手段は、駆動対象の一次固有値の実測値をパターン決定
手段に供給してもよい。
【0013】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、サーボモ
ータは、加速期間、減速期間がそれぞれ駆動対象の一次
振動の周期の整数倍に相当するような駆動速度パターン
に従って駆動される。すなわち、サーボモータは、駆動
対象の振動速度のゼロクロス点において駆動対象の加
速、減速を終了させるから、その後の駆動対象は、有害
な振動を継続することなく、定速状態または停止状態に
円滑に移行することができる。サーボモータは、加速期
間、減速期間の各始点において、駆動対象を加振して駆
動対象に振動速度を与えるが、加速期間、減速期間の各
終点において、それぞれ加速度、減速度をゼロに変化さ
せ、加速期間、減速期間の始点以前のエネルギ状態を再
現することにより、駆動対象の振動速度を消滅させ、そ
の後の駆動対象の振動を適確に抑えることができるから
である。なお、駆動対象の振動は、一次振動に着目すれ
ば十分であり、したがって、駆動対象の一次固有値と
は、駆動対象の固有一次振動の周波数または周期をい
う。
【0014】第2発明の構成によるときは、パターン決
定手段は、加速期間、減速期間がそれぞれ駆動対象の一
次振動の周期の整数倍に相当する駆動速度パターンを定
め、速度指令手段は、パターン決定手段からの駆動速度
パターンに従って速度指令信号を作成する。そこで、サ
ーボモータは、速度指令手段からの速度指令信号に従っ
て駆動することにより、第1発明の駆動制御方法によっ
て制御することができる。
【0015】速度指令手段に付設する速度補正手段は、
駆動対象の振動の減衰特性を補償するようにして、速度
指令手段が作成する速度指令信号を補正し、サーボモー
タを介して加減速中の駆動対象を積極的に加振すること
ができる。よって、駆動対象は、加速期間、減速期間の
各終点において、それぞれの各始点において与えられた
振動速度をそのまま維持しており、加速期間、減速期間
の各終点において加速度、減速度をゼロに変化させ、加
速期間、減速期間の各始点以前のエネルギ状態を再現す
ることにより、その後の振動を適確に抑えることができ
る。ただし、速度補正手段は、パターン決定手段に付設
し、同様にして、パターン決定手段が定める駆動速度パ
ターンを補正してもよい。
【0016】なお、第1発明、第2発明において、駆動
速度パターンは、加速期間中の加速度、減速期間中の減
速度をそれぞれ一定値とし、サーボモータを直線的に加
減速する。また、駆動速度パターンは、その決定手法を
簡単化するために、サーボモータの最大加速度、最大速
度の範囲内において加速期間、減速期間を同一にとり、
加速期間中の加速度、減速期間中の減速度の絶対値を同
一にすることが好ましい。ただし、加速期間、減速期間
は、それぞれ駆動対象の一次振動の周期の整数倍に相当
する限り、必ずしも同一に設定する必要はない。
【0017】パターン決定手段は、サーボモータの最大
加速度、最大速度の範囲内において加速期間、減速期間
が最短の駆動速度パターンを定めることにより、サーボ
モータによる駆動対象の総駆動時間を最短にすることが
できる。このときのサーボモータは、駆動ストロークが
短いとき、駆動ストロークの中点において最大の到達速
度となり、いわゆる三角駆動パターンをとることがで
き、駆動ストロークが長いとき、加速期間、減速期間の
間に最大速度期間を設け、いわゆる台形駆動パターンを
とることができるからである。ただし、最大速度期間と
は、サーボモータの最大速度に相当する到達速度を維持
する期間をいう。
【0018】振動計測手段を付設すれば、別置きの計測
機器を使用することなく、振動計測手段を介して随時駆
動対象の一次固有値を実測し、一次固有値の実測値をパ
ターン決定手段に供給することができる。すなわち、パ
ターン決定手段は、最新の一次固有値に基づいて駆動速
度パターンを決定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0020】サーボモータの駆動制御装置10は、パタ
ーン決定手段12と、速度指令手段13とを備えてなる
(図1)。ただし、図1において、駆動軸1を介してサ
ーボモータM1 に連結する駆動対象3は、図8(B)に
倣って、補助ベース4、振動要素6、等価質量7を含む
ものとして図示されている。
【0021】速度指令手段13は、パターン決定手段1
2を介して統括制御手段11に接続されている。また、
統括制御手段11には、外部からの駆動指令信号S1 が
入力されている。速度指令手段13の出力は、速度指令
信号S2 として加え合せ点14の加算端子に入力され、
加え合せ点14の出力は、切換スイッチ15の一方の切
換接点、外部の増幅器AMを介してサーボモータM1 に
接続されている。サーボモータM1 には、エンコーダE
Nが連結され、エンコーダENの出力は、速度演算手段
16を介して加え合せ点14の減算端子に分岐接続する
とともに、統括制御手段11に接続されている。なお、
エンコーダENは、サーボモータM1 の回転角度を検出
し、サーボモータM1 、駆動軸1を介して駆動する駆動
対象3の現在位置Xを検出するものとする。
【0022】駆動対象3の近傍には、センサ8が配設さ
れている。ただし、センサ8は、振動要素6による駆動
対象3の機械的な振動を検出し、たとえばX方向の振幅
を電気信号として出力するものとする。センサ8の出力
は、振動計測手段17を介して統括制御手段11に接続
されている。
【0023】なお、統括制御手段11には、加振手段1
8が接続され、加振手段18の出力は、切換スイッチ1
5の別の切換接点に接続されている。また、統括制御手
段11には、計測モードを指示する手動スイッチSWが
付設されている。
【0024】手動スイッチSWを押し操作して計測モー
ドにすると、統括制御手段11は、切換スイッチ15を
加振手段18側に切り換えて加振手段18を起動する。
そこで、加振手段18は、たとえば単発のパルス状の駆
動信号S3 を発生し、サーボモータM1 は、駆動信号S
3 のパルス幅相当の期間だけ駆動対象3を駆動する。こ
のとき、駆動対象3は、振動要素6のばね定数、等価質
量7の質量によって定まる固有振動を発生し、センサ8
は、駆動対象3の振動を検知する。よって、振動計測手
段17は、センサ8によって検知される駆動対象3の振
動波形を観測し、駆動対象3の固有一次振動の周期T1
を見出して統括制御手段11に送出し、統括制御手段1
1は、周期T1 を記憶することができる。
【0025】なお、統括制御手段11は、駆動対象3の
一次固有値として周期T1 が得られたら、切換スイッチ
15を加え合せ点14側に復帰させて待機する。また、
統括制御手段11には、サーボモータM1 の最大加速度
Am 、最大速度Vm があらかじめ記憶されている。
【0026】統括制御手段11は、駆動対象3の目標位
置X1 を指定して外部から駆動指令信号S1 が与えられ
ると、サーボモータM1 による駆動対象3の駆動ストロ
ークL=X1 −Xを算出してパターン決定手段12を起
動する。ただし、Xは、エンコーダENによって検出す
る駆動対象3の現在位置であり、駆動ストロークLは、
符号の正負によってサーボモータM1 、駆動対象3の駆
動方向を示す。なお、以下の説明は、簡単のため、L≧
0として述べる。
【0027】パターン決定手段12は、統括制御手段1
1により起動されると、図2のプログラムフローチャー
トに従って作動する。ただし、パターン決定手段12
は、統括制御手段11に記憶されているサーボモータM
1 の最大加速度Am 、最大速度Vm の他、駆動対象3の
固有一次振動の周期T1 を使用し、駆動対象3を駆動ス
トロークLだけ駆動するためのサーボモータM1 の駆動
速度パターンPDを定めている。
【0028】パターン決定手段12のプログラムは、変
数Tを周期T1 とした上(図2のプログラムステップ
(1)、以下、単に(1)のように記す)、L/T≦V
m であり(2)、しかもL/T2 ≦Am であるとき
(3)、加速度A=L/T2 、減速度(−A)=−L/
2 、到達速度V1 =L/T≦Vm に決定する(4)。
また、プログラムは、L/T>Vm であり(2)、しか
もVm /T≦Am であるとき(5)、加速度A=Vm /
T≦Am 、減速度(−A)=−Vm /T、到達速度V1
=Vm にするとともに(6)、到達速度V1 =Vm を維
持する最大速度期間Tm =L/Vm −T>0に決定する
(7)。さらに、プログラムは、それ以外のすべてのケ
ースにおいて((2)、(5)または(2)、
(3))、T=T+T1として(8)、同様のルーチン
を繰り返す。
【0029】パターン決定手段12は、図2のプログラ
ムステップ(4)の結果により、図3(A)の駆動速度
パターンPDを定めることができる。ただし、図3にお
いて、横軸は、時刻tの時間軸であり、縦軸は、駆動対
象3の駆動速度Vである。図3(A)の駆動速度パター
ンPDは、加速度A≦Am による加速期間Ta 、減速度
(−A)による減速期間Td がTa =Td =nT1 (n
=1、2…)であり、到達速度V1 ≦Vm の三角駆動パ
ターンとなっている。一方、パターン決定手段12は、
図2のプログラムステップ(6)、(7)の結果によ
り、図3(B)の駆動速度パターンPDを定める。図3
(B)の駆動速度パターンPDは、加速度A≦Am によ
る加速期間Ta =nT1 、減速度(−A)による減速期
間Td =nT1 の間に到達速度V1 =Vm を維持する最
大速度期間Tm =L/Vm −T=L/Vm −nT1 >0
を有する台形駆動パターンとなっている。
【0030】すなわち、パターン決定手段12は、Ta
=Td =nT1 とすることにより、加速期間Ta 、減速
期間Td がそれぞれ駆動対象3の一次振動の周期T1 の
整数倍に相当するとともに、サーボモータM1 の最大加
速度Am 、最大速度Vm の範囲内において、加速期間T
a 、減速期間Td が最短の駆動速度パターンPDを定
め、さらに、駆動ストロークL>Vm T=Vm nT1 の
とき、加速期間Ta 、減速期間Td の間に最大速度期間
Tm を有する駆動速度パターンPDを定めることができ
る。
【0031】なお、図2のプログラムステップ(2)〜
(4)の各数式は、到達速度V1 、加速度Aによる加速
期間Ta 、減速度(−A)による減速期間Td がTa =
Td=Tの三角駆動パターンをとる場合、駆動ストロー
クL=V1 T、加速度A=L/T2 となることに基づい
ている。また、プログラムステップ(5)、(6)の各
数式は、同様の台形駆動パターンをとる場合、加速度A
=V1 /Tとなることに基づいている。さらに、プログ
ラムステップ(7)の数式の根拠は、次のとおりであ
る。すなわち、図3(B)において、nT1 =Tとおく
と、 AT2 +Vm Tm =L が成立する。一方、A=Vm /Tであるから(6)、 Tm =(L−AT2 )/Vm =L/Vm −T となり、プログラムステップ(7)の数式を得ることが
できる。
【0032】図3において、駆動対象3は、加速期間T
a の始点において加速度Aによる加速が開始され、振動
要素6による周期T1 の振動が発生する。すなわち、加
速期間Ta 中の駆動対象3の実際の速度は、駆動速度V
に対し、周期T1 の振動速度vが重畳されている(図
4)。一方、周期T1 の振動速度vは、加速期間Ta =
nT1 の終点において、加速期間Ta の始点におけると
同位相の節点に到達してゼロとなる上、この時点におい
て加速度Aによる加速を停止させることにより、駆動対
象3は、加速期間Ta の始点以前のエネルギ状態を再現
し、その後の振動速度vを消滅させることができる。す
なわち、加速期間Ta の終点以後、駆動対象3は、駆動
速度Vに振動速度vが重畳されることがない。同様に、
減速期間Td の始点において重畳される周期T1 の振動
速度vも、減速期間Td =nT1 の終点以後において駆
動速度Vに重畳されることがない。
【0033】よって、駆動対象3は、図3の駆動速度パ
ターンPDに従って駆動することにより、有害な振動を
生じることなく、加速期間Ta から減速期間Td または
最大速度期間Tm に円滑に移行し、減速期間Td から停
止状態に円滑に移行することができる。ただし、図3
(A)の三角駆動パターンの場合、加速期間Ta 、減速
期間Td の間に最大速度期間Tm =0が存在するとして
考えればよい。
【0034】パターン決定手段12は、以上のようにし
て駆動速度パターンPDを定め、速度指令手段13に送
出する(図1)。そこで、速度指令手段13は、駆動速
度パターンPDに従って時間的に変化する速度指令信号
S2 を作成し、加え合せ点14、増幅器AMを介してサ
ーボモータM1 を速度制御して駆動対象3を駆動ストロ
ークLだけ駆動することができる。速度演算手段16
は、エンコーダENからの現在位置Xの変化に基づいて
駆動対象3の現在速度V1 を算出し、加え合せ点14に
フィードバックしているからである。また、統括制御手
段11は、駆動対象3が目標位置X1 に到達したことを
検出すると、パターン決定手段12からの駆動速度パタ
ーンPDをクリアし、速度指令手段13からサーボモー
タM1 に至る全部材を待機状態に復帰させる。
【0035】
【他の実施の形態】速度指令手段13には、速度補正手
段19を付設することができる(図5)。なお、振動計
測手段17の出力は、速度補正手段19にも接続され、
速度補正手段19の出力は、速度指令手段13に接続さ
れている。また、このときの駆動対象3には、振動要素
6に並列の減衰要素(ダンパ要素)6aが含まれてい
る。
【0036】手動スイッチSWを押し操作して計測モー
ドにすると、振動計測手段17は、駆動対象3の一次振
動の周期T1 を見出して統括制御手段11に送出すると
ともに、駆動対象3の一次振動の減衰曲線C2 を見出し
て速度補正手段19に送出する(図6)。ただし、図6
において、振動曲線C1 は、減衰要素6aを含む駆動対
象3の実際の固有一次振動の振動速度vを示しており、
減衰曲線C2 は、振動曲線C1 の包絡線である。
【0037】そこで、速度補正手段19は、振動曲線C
1 の減衰特性を補償して減衰がない振動曲線C1aを得る
ための補正曲線C2aを作成し、速度指令手段13に送出
する。ただし、補正曲線C2aは、たとえば減衰曲線C2
を時間軸に平行な直線Co に対して上下に反転させ、直
線Co を横軸とする時間関数として表わせばよい。
【0038】一方、速度指令手段13は、パターン決定
手段12からの駆動速度パターンPDに従って速度指令
信号S2 を作成するに際し、速度補正手段19からの補
正曲線C2aを反映させる。すなわち、速度指令手段13
は、駆動速度パターンPDの加速期間Ta 、減速期間T
d における駆動速度Vに対し、図6の振動曲線C1 、C
1aの差相当の振動速度vを重畳させて速度指令信号S2
を作り、サーボモータM1 を介し、駆動対象3の減衰要
素6aの影響を消去して加速中、減速中の駆動対象3の
振動を一定に維持することができる。そこで、このとき
の駆動対象3は、加速期間Ta 、減速期間Td の各終点
において、加速度A、減速度(−A)をゼロに変化さ
せ、その後の振動を消滅させることができる。
【0039】なお、図5において、速度補正手段19の
出力は、速度指令手段13に接続するに代えて、パター
ン決定手段12に接続してもよい。このとき、パターン
決定手段12は、駆動速度パターンPDに対して速度補
正手段19からの補正曲線C2aを反映させ、速度指令手
段13に送出すればよい。
【0040】また、速度指令手段13、加え合せ点14
の間には、位置指令手段13a、加え合せ点13bを挿
入し(図7)、加え合せ点13bには、エンコーダEN
からの現在位置Xをフィードバックすることができる。
位置指令手段13aは、速度指令手段13からの速度指
令信号S2 を時間積分して位置指令信号S2aを作り、加
え合せ点13b、14、増幅器AMを介し、駆動速度パ
ターンPDに従ってサーボモータM1 を位置制御するこ
とができる。なお、図7において、加え合せ点14は、
速度演算手段16からの現在速度V1 をフィードバック
し、サーボモータM1 の速度マイナループを形成してい
る。
【0041】以上の説明において、センサ8は、たとえ
ば図示しないプラグインコネクタを介して駆動制御装置
10に接続してもよい。センサ8は、必要に応じて駆動
対象3の近傍に設置し、駆動対象3の振動波形を検出す
ればよいからである。また、振動計測手段17は、周期
T1 に代えて、駆動対象3の一次振動の周波数f1 を見
出して統括制御手段11に送出してもよい。ただし、こ
のときの統括制御手段11は、周期T1 =1/f1 を算
出して記憶し、または、パターン決定手段12は、統括
制御手段11からの周波数f1 に基づき、周期T1 =1
/f1 を算出して使用すればよい。
【0042】また、加振手段18は、これを省略しても
よい。センサ8、振動計測手段17を介して周期T1 ま
たは周波数f1 を見出すとき、サーボモータM1 は、た
とえば手動スイッチを介し、適当なパルス状の駆動信号
S3 を与えても十分であるからである。
【0043】さらに、パターン決定手段12は、図2の
プログラムステップ(7)において、加速期間Ta の終
点すなわち最大速度期間Tm の始点、最大速度期間Tm
の終点すなわち減速期間Td の始点に相当する駆動スト
ロークL1 、L2 を、それぞれL1 =AT2 /2=Vm
T/2、L2 =L−AT2 /2=L−Vm T/2として
算出してもよい。ただし、このときの速度指令手段13
は、エンコーダENからの現在位置Xを利用して、駆動
対象3が駆動ストロークL1 、L2 に到達したタイミン
グを検出して速度指令信号S2 の屈曲点を見出すことが
できる。
【0044】なお、この発明は、直交2軸サーボシステ
ムに限らず、3軸以上のサーボシステムや、1軸サーボ
システムであって、サーボモータから駆動対象に至る駆
動系の剛性が小さいシステムなどに対し、広く一般的に
有効に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
1発明によれば、加速期間、減速期間がそれぞれ駆動対
象の一次振動の周期の整数倍に相当する駆動速度パター
ンに従ってサーボモータを駆動制御することによって、
サーボモータは、加速期間、減速期間の各始点において
駆動対象に与えた振動速度を加速期間、減速期間の各終
点において消滅させることができるから、有害な振動を
生じることなく、駆動対象を速やかに精度よく無振動状
態に位置決めすることができるという極めて優れた効果
がある。
【0046】第2発明によれば、パターン決定手段、速
度指令手段を備えることにより、第1発明を有効に実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成ブロック系統図
【図2】 プログラムフローチャート
【図3】 動作説明線図(1)
【図4】 動作説明線図(2)
【図5】 他の実施の形態を示す要部ブロック系統図
(1)
【図6】 動作説明線図(3)
【図7】 他の実施の形態を示す要部ブロック系統図
(2)
【図8】 駆動系の構成説明図
【符号の説明】
M1 …サーボモータ Am …最大加速度 Vm …最大速度 PD…駆動速度パターン Ta …加速期間 Td …減速期間 Tm …最大速度期間 T1 …周期 S2 …速度指令信号 3…駆動対象 6…振動要素 10…駆動制御装置 12…パターン決定手段 13…速度指令手段 17…振動計測手段 19…速度補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00 G05D 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動要素を含む駆動対象をサーボモータ
    により駆動して位置決めするに際し、加速度一定の加速
    期間、減速度一定の減速期間がそれぞれ駆動対象の一次
    振動の周期の整数倍に相当する駆動速度パターンを定
    め、駆動対象の振動の減衰特性を補償して加速中、減速
    中の駆動対象の振動を一定に維持しながら、駆動速度パ
    ターンに従ってサーボモータを駆動制御することを特徴
    とするサーボモータの駆動制御方法。
  2. 【請求項2】 サーボモータの駆動速度パターンを定め
    るパターン決定手段と、該パターン決定手段からの駆動
    速度パターンに従って速度指令信号を作る速度指令手段
    と、前記パターン決定手段、速度指令手段のいずれか一
    方に付設する速度補正手段とを備えてなり、前記パター
    ン決定手段は、加速度一定の加速期間、減速度一定の減
    速期間がそれぞれ駆動対象の一次振動の周期の整数倍に
    相当する駆動速度パターンを定め、前記速度補正手段
    は、駆動対象の振動の減衰特性を補償して加速中、減速
    中の駆動対象の振動を一定に維持するように、駆動速度
    パターンまたは速度指令信号を補正することを特徴とす
    るサーボモータの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記パターン決定手段は、サーボモータ
    の最大加速度、最大速度の範囲内において、加速期間、
    減速期間が最短の駆動速度パターンを定めることを特徴
    とする請求項2記載のサーボモータの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記パターン決定手段は、加速期間、減
    速期間の間に最大速度期間を有する駆動速度パターンを
    定めることを特徴とする請求項3記載のサーボモータの
    駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 振動計測手段を付設し、該振動計測手段
    は、駆動対象の一次固有値の実測値を前記パターン決定
    手段に供給することを特徴とする請求項2ないし請求項
    4のいずれか記載のサーボモータの駆動制御装置。
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