JP3229589B2 - 分散剤 - Google Patents

分散剤

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JP3229589B2
JP3229589B2 JP29370598A JP29370598A JP3229589B2 JP 3229589 B2 JP3229589 B2 JP 3229589B2 JP 29370598 A JP29370598 A JP 29370598A JP 29370598 A JP29370598 A JP 29370598A JP 3229589 B2 JP3229589 B2 JP 3229589B2
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弘 坪山
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用インク、複
写機用トナー、インクリボン、塗料等の顔料分散剤とし
て用いられる優れた新規分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミン類あるいはポリエチレンイミ
ンとポリエステルを反応させて得られる化合物または、
ポリアルキレンポリアミン・アルカン酸またはアルケン
酸重縮合物あるいはメタキシレンジアミン−エピクロロ
ヒドリン重縮合物を原料とした各種ポリエステルとの反
応物は印刷用インク、複写機用トナー、インクリボン、
塗料等の顔料分散剤として有用であることが従来から知
られていた。
【0003】例えば、特開平9−313917号公報で
はポリアルキレンポリアミン・アルカン酸またはアルケ
ン酸重縮合物あるいはメタキシレンジアミン−エピクロ
ロヒドリン重縮合物を原料とした各種ポリエステルから
合成された分散剤が報告されている。また、特開平5−
177123号公報にはポリエチレンイミンと遊離カル
ボキシル基を有するポリエステルとの縮合により合成さ
れた分散剤が開示されている。また、特公昭63−30
057号公報では、ポリエチレンイミンと12−ヒドロ
キシステアリン酸より合成された遊離カルボキシル基を
有するポリエステルとの縮合により合成された分散剤が
開示されている。
【0004】本発明者らによる検討によると、分散剤の
効果は、ポリアミン部分のアミンは顔料吸着基であり、
ポリエステル部分の極性は溶媒との溶解性の作用部分す
なわち分散性能に寄与するものと推定された。また、ポ
リアミン部分の分子量とポリエステル部分の分子量の大
きさとその比もまた分散性能に関係している事も判明し
た。さらに、アミノ基近隣がポリエステル等の立体的に
嵩高い鎖が密集していると立体障害のために顔料が吸着
するためには不利であることが解った。
【0005】特開平9−313917号の技術ではポリ
アミン分子量が小さく顔料との相互作用が十分ではな
く、分散性能が十分とは言えず、特開平5−17712
3号、特公昭63−30057号の技術はポリエステル
部分が単一モノマーの重合物であり、ポリアルキレンポ
リアミンにポリエステルを反応して製造しているため、
立体障害が大きく顔料の吸着が十分ではなかった。更に
単一のモノマー重合物の為、可溶化する溶媒は限られた
物となり汎用性に劣っていた。特開平9−313917
の技術では、溶解性は改善されるものの前述の理由によ
り分散力が十分と言えずポリアミンの分子量を大きくし
て顔料に対する吸着性を上昇させると各種溶媒に対する
溶解性が悪化する傾向にあり必ずしも十分なものではな
い。
【0006】そのため、これら従来の分散剤は顔料濃度
が高い場合、十分な分散、減粘効果が得られず、さらに
インキ、塗料の塗膜の光沢度の向上が難しく、顔料の凝
集、粘度上昇などの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、顔料濃度が高い場合においても、十分な分
散、減粘効果、光沢度の向上が得られ、溶媒に広い温度
範囲で溶解する分散剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記の課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、特定構造のポ
リアルキンポリアミン誘導体が、これらの課題を解決す
ることができることを見出し本発明を完成させた。
【0009】すなわち、ポリアルキレンポリアミンの反
応点を特定の比率で脂肪酸によりキャッピングした後、
親油性高分子鎖としてポリカルボニルアルキレンオキシ
鎖を特定の比率で導入することにより、分散能が高くか
つ導入比率を変えることにより各種溶媒に溶解すること
が可能になった。
【0010】すなわち本発明は、一般式(1)
【0011】
【化7】
【0012】(式中kは10〜230の整数、mは2〜
6の整数を示す。)で示されるポリアルキレンポリアミ
ンに一般式(1−1)
【0013】
【化8】
【0014】(式中R 1 は水素原子または、炭素数8〜
22のカルボン酸又は分枝ヒドロキシ カルボン酸残基を
示し、pは2〜11の整数、qは2〜1000の整数を
示す。)および一般式(1−2)
【0015】
【化9】
【0016】(式中YCOは炭素数8〜22のカルボン
酸残基を示す。)の置換基を一般式(1)1重量部に対
し、一般式(1−1)を1〜50重量部、一般式(1−
2)を0.01〜1.6重量部導入した化合物またはそ
の塩からなるあることを特徴とする分散剤に関するもの
である。
【0017】また、本発明は、一般式(1)
【0018】
【化10】
【0019】(式中kは10〜230の整数、mは2〜
6の整数を示す。)で示されるポリアルキレンポリアミ
ンに一般式(2−1)
【0020】
【化11】 (rは1〜25の整数、sは0〜20の整数、tは2〜
100の整数を示す。)および一般式(1−2)
【0021】
【化12】
【0022】(式中YCOは炭素数8〜22のカルボン
酸残基を示す。)の置換基を一般式(1)1重量部に対
し、一般式(2−1)を1〜50重量部、一般式(1−
2)0.01〜1.6重量部を導入した化合物または、
その塩からなることを特徴とする分散剤に関するもので
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の分散剤は、下記一般式
(1)で示されるポリアルキレンポリアミンの反応点を
前記一般式(1−2)で部分的にキャッピングし、残っ
た反応点に前記一般式(1−1)又は前記一般式(2−
1)のポリエステルを導入したものである。
【0024】脂肪酸キャッピングの脂肪酸量は原料であ
るポリアルキレンポリアミン1重量部に対して0.05
重量部〜1.6重量部の範囲でキャッピングする。原料
のポリアルキレンポリアミンは、一般式(1)
【0025】
【化13】
【0026】(式中kは10〜230の整数、mは2〜
6の整数を示す。)で示される化合物である。
【0027】キャッピングする一般式(1−2)の脂肪
酸基が0.05重量部より少ない量では、ポリエステル
基が密集して入りポリアミンのアミノ基周辺が立体的に
嵩高くなり、顔料の吸着性が縮退する。1.6重量部を
超えるキャッピングでは分散効果を発現するポリエステ
ル基を導入する部位が少なくなり分散効果が縮退する。
【0028】一般式(1−1)のポリエステル基は分散
効果を左右する置換基であるが、ポリエステル基であれ
ばポリアルキレンポリアミン1重量部に対して50重量
部を超えて反応させるとポリアミン鎖のアミン数が著し
く減少し顔料への分散剤の吸着が悪くなる。
【0029】本発明の分散剤化合物において、繰り返し
単位mによって表わされるアルキレン鎖は、炭素数2〜
6である。一般式(1−1)においてpは2〜11、好
ましくは工業的に入手容易な3、5である。また、qは
2〜1000でありこの範囲をはずれるとポリアルキレ
ンポリアミンとの分子量のバランスが悪くなり、その結
果溶媒への溶解性が悪くなり分散が悪くなるのでので好
ましくない。
【0030】前記一般式(1−2)においてカルボン酸
は8〜22のカルボン酸である、好ましくは工業的に入
手容易な炭素数12、14、16、18、18F1、あ
るいは12−ヒドロキシステアリン酸である。請求項2
の分散剤化合物において、式中のヒドロキシカルボン酸
縮合部の平均分子量は、100〜8000の範囲であ
り、好ましくは平均分子量1500の12−ヒドロキシ
ステアリン酸縮合物である。請求項2の分散剤化合物
おけるヒドロキシカルボン酸縮合物の平均分子量が10
0〜8000の範囲以外では分散剤としての性能、すな
わち分散性、溶媒への溶解性が悪くなるため好ましくな
い。
【0031】前記請求項1または2の分散剤化合物の平
均分子量は2100〜500000であり、この範囲以
外では分散剤としての性能、溶媒への溶解性が悪くなる
ため好ましくない。
【0032】本発明の分散剤化合物は、フリーの形でも
塩でも良い。塩は分散剤化合物を酸と反応させるか、ア
ミノ基を4級化することにより形成することができる。
これに、使用できる酸は、硫酸、酢酸、塩酸、りん酸、
アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸である。ま
た、4級化剤は、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジ
メチル、炭酸ジエチル、ハロゲン化メチル、およびハロ
ゲン化エチルである。
【0033】本発明の分散剤化合物の製造方法は特に限
定されないが例えば以下の方法がある。
【0034】請求項1の分散剤化合物は、一般式(1)
【0035】
【化14】
【0036】(式中、k及びmは前記定義に同じであ
る)で示され窒素原子が1級、2級、3級アミノ基とし
て存在する分枝した形を含んで良いポリアルキレンポリ
アミンと一般式(5)
【0037】
【化15】
【0038】(式中YCOは炭素数8〜22のカルボン
酸残基を示す。)で示されるヒドロキシ基を含んで良い
カルボン酸のみあるいは、硫酸、塩酸、りん酸、酢酸、
p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下に40〜2
10℃、好ましくは50〜150℃で、2〜7時間反応
することでできる。
【0039】さらに、一般式(6)
【0040】
【化16】
【0041】(式中Aは水酸基あるいは塩素、R1
p、qは前記定義に同じ)で示されるポリカルボニルア
ルキレンオキシ酸と40〜230℃、好ましくは100
〜150℃で、2〜16時間反応することでできる
【0042】あるいは、一般式(1)
【0043】
【化17】
【0044】(式中、k及びmは前記定義に同じであ
る)で示され窒素原子が1級、2級、3級アミノ基とし
て存在する分枝した形を含んで良いポリアルキレンポリ
アミンと一般式(5)
【0045】
【化18】
【0046】(式中YCOは炭素数8〜22のカルボン
酸酸残基を示す。)で示されるヒドロキシ基を含んで良
いカルボン酸のみあるいは、硫酸、塩酸、りん酸、酢
酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下に40
〜210℃、好ましくは50〜150℃で、2〜7時間
反応することでできる。さらに一般式(8)
【0047】
【化19】
【0048】(式中uは2〜11の整数を表す)で示さ
れるラクトンを必要に応じて12−ヒドロキシステアリ
ン酸を添加し、40〜230℃で、有利には100〜1
50℃でテトラブチルチタネート、ナフテン酸ジルコニ
ウム、酢酸亜鉛、またはトルエンスルホン酸等の触媒を
使用し重合することにより製造することができる。
【0049】さらに、請求項2の分散剤化合物は前記一
般式(1)
【0050】
【化20】
【0051】(式中、k及びmは前記定義に同じであ
る)で示されるポリアルキレンポリアミンと一般式
(4)
【0052】
【化21】
【0053】(式中YCOは炭素数8〜22のカルボン
酸残基を示す)で示されるヒドロキシ基を含んで良いカ
ルボン酸のみあるいは、硫酸、塩酸、りん酸、酢酸、p
−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下に40〜21
0℃、好ましくは50〜150℃で、2〜7時間反応す
ることでできる。この反応の後、一般式(9)
【0054】
【化22】
【0055】(Bは水酸基あるいは塩素、rは1〜25
の整数、sは0〜20の整数、tは2〜100の整数を
示す。)で示される分枝鎖を有したポリエステル基と4
0〜230℃、好ましくは100〜150℃で、2〜1
6時間反応することでできる
【0056】反応は常圧でも良く加圧でも良い。反応は
有機物の酸素による分解を防ぐために窒素雰囲気中で行
うのが好ましい。
【0057】本発明の分散剤は無機顔料として、二酸化
チタン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、クロム酸塩、カー
ボンブラック、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、酸化鉄、プルシアンブルー、ウルトラマリン等を、
また、有機顔料としてアゾ、ジアゾ、チオインジゴ、イ
ンダントロン、フタロシアニン、アントラキノン、イソ
ベンズアントロン等を良好に分散でき、印刷インキ、塗
料、磁気記録媒体、複写用トナー、カラープラスチック
成形品、ゴムマグネット、シーリング剤等の製造に使用
できる。
【0058】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。
【0059】
【製造例】中間生成物1:ポリカルボニルアルキレンオ
キシ酸(PCAO酸)1 ε−カプロラクトン684.8g、12−ヒドロキシス
テアリン酸300.5gに、テトラブチルチタネート
0.68gを加え窒素雰囲気中で140℃、7時間攪拌
した。生成物は酸価38.0mgKOH/gを有する室
温でワックス状の物質であった。
【0060】中間生成物2:ポリカルボニルアルキレン
オキシ酸(PCAO酸)2 ε−カプロラクトン1483.8g、12−ヒドロキシ
ステアリン酸300.5gに、テトラブチルチタネート
1.48gを加え窒素雰囲気中で140℃、9時間攪拌
した。生成物は酸価28.0mgKOH/gを有する室
温でワックス状の物質であった。
【0061】中間生成物3:ポリカルボニルアルキレン
オキシ酸(PCAO酸)3 ε−カプロラクトン2054.5g、12−ヒドロキシ
ステアリン酸300.5gに、テトラブチルチタネート
2.05gを加え窒素雰囲気中で140℃、11時間攪
拌した。生成物は酸価20.0mgKOH/gを有する
室温でワックス状の物質であった。
【0062】
【実施例】実施例1 分子量1800のポリエチレンイミン(商品名エポミン
SP−018、日本触媒(株)製)22.4gに12−
ヒドロキシステアリン酸12.0gを加え、窒素雰囲気
中で140℃、5時間攪拌反応した。生成物は酸価1
1.9mgKOH/g、アミン価611.1mgKOH
/gを有した。ここに中間生成物1、578.9gを添
加し窒素雰囲気中、120℃で7時間攪拌した。生成物
は酸価20.4mgKOH/g、アミン価18.0mg
KOH/gを有する室温でワックス状の物質であった。
【0063】実施例 上記実施例1と同様ポリエチレンイミンと12−ヒドロ
キシステアリン酸を反応後、さらに中間生成物2、12
2.6gを添加し窒素雰囲気中、120℃で5時間反応
した。生成物は酸価25.6mgKOH/g、アミン価
24.8mgKOH/gを有する室温でワックス状の物
質であった。
【0064】実施例 上記実施例1で12−ヒドロキシステアリン酸の代わり
にステアリン酸11.4gを加え同様に反応した。酸価
21.0mgKOH/g、アミン価16.0mgKOH
/gの室温でワックス状の物質を得た。
【0065】実施例 上記実施例1で12−ヒドロキシステアリン酸の代わり
にラウリン酸8.0gを加え同様に反応した。酸価2
1.8mgKOH/g、アミン価17.1mgKOH/
gの室温でワックス状の物質を得た。
【0066】実施例 上記実施例1で12−ヒドロキシステアリン酸の代わり
に12−ヒドロキシステアリン酸85%、ステアリン酸
15%の混合物12.0gを加え同様に反応し酸価1
8.0mgKOH/g、アミン価15.0mgKOH/
gを有する室温でっワックス状の物質を得た。
【0067】実施例 分子量10000のポリエチレンイミン(商品名エポミ
ンSP−200、日本触媒(株)製)6.5gに12−
ヒドロキシステアリン酸3.5gを加え窒素雰囲気中で
140℃、5時間攪拌反応した。生成物は酸価7.1m
gKOH/g、アミン価951.0mgKOH/g、こ
こにさらに、中間生成物3、325.0gを添加し窒素
雰囲気中、120℃で5時間攪拌反応した。生成物は酸
価14.7mgKOH/g、アミン価14.0mgKO
H/gを有し、ワックス状の物質であった。
【0068】実施例 分子量1800のポリエチレンイミン(商品名エポミン
SP−018、日本触媒(株)製)6.0gに12−ヒ
ドロキシステアリン酸9.6gを加え窒素雰囲気中で1
40℃、5時間攪拌反応した。生成物は酸価9.5mg
KOH/g、アミン価300.3mgKOH/g、ここ
にさらに、中間生成物3、272.0gを添加し窒素雰
囲気中、120℃で5時間攪拌反応した。生成物は酸価
15.1mgKOH/g、アミン価11.0mgKOH
/gを有し、ワックス状の物質であった。
【0069】実施例 上記実施例1と同様ポリエチレンイミンと12−ヒドロ
キシステアリン酸を反応後、12−ヒドロキシステアリ
ン酸縮合物(商品名KF−1000、川研ファインケミ
カル(株)製)550.1gを添加し、窒素雰囲気中1
20℃で5時間攪拌反応した。生成物は酸価22.0m
gKOH/g、アミン価14.9mgKOH/gを有す
るワックス状の物質であった。
【0070】実施例 実施例4の反応物150g、硫酸ジメチル3.7gの混
合物を窒素雰囲気中100℃で1時間反応した。生成物
はアミン価0.0mgKOH/gを有する室温でワック
ス状の物質であった。
【0071】実施例10 実施例1と同様に反応したポリエチレンイミンと12−
ヒドロキシステアリン酸反応物15.0gに、ε−カプ
ロラクトン255.0g、テトラブチルチタネート0.
25gの混合物を窒素雰囲気中150℃、2時間攪拌反
応した。反応物は酸価3.7mgKOH/g、アミン価
16.3mgKOH/gのワックス状物質であった。
【0072】以上実施例1から10までの化合物の分散
能試験を行った。分散能は沈降安定性試験により評価し
た。さらに、インキ化後、粘度と光沢度を測定した。ま
た、有機溶媒への溶解性についても調査した。その結果
次に示す。
【0073】沈降安定性試験の方法は、試験管内に顔料
としてカーボン(コロンビアン・カーボン日本(株)
製、ラーベン780)200mg、分散剤10mg、キ
シレン10mlを加え、30回倒立攪拌後、静置し一定
時間後の分散層の厚みを測定する方法である。比較例と
して特開平9−313917号明細書記載の実施例2
(比較例1とした)について行った。以下に、特開平9
−313917号明細書記載の実施例2の製造方法につ
いて引用する。
【0074】比較例1 中間生成物ポリカルボニルアル
キレンオキシ酸(PCAO酸) ε−カプロラクトン684.8g、12−ヒドロキシス
テアリン酸300.4gにテトラブチルチタネート0.
68gを加え窒素雰囲気中で140℃、9時間攪拌し
た。酸価28.0mgKOH/gを有するPCAO酸を
室温で固体の反応物を得た。この中間生成物125.0
gとポリアルキレンポリアミン・アルカン酸またはアル
ケン酸重縮合物(商品名「76T」、三和化学工業
(株)製)10.0gの混合物を窒素雰囲気中150℃
で、3時間攪拌した。生成物はアミン価14.8mgK
OH/gを有する室温で固体の反応物であり、トルエ
ン、MEK等に可溶であった。
【0075】また、比較例として特公昭63−3005
7号明細書記載の実施例2、分散剤C(比較例2とし
た)についても行った。以下に、特公昭63−3005
7号明細書記載の実施例2の製造方法について引用す
る。
【0076】(ポリエステルAの製造) キシレン348重量部および商業的等級の12−ヒドロ
キシステアリン酸(酸価およびヒドロキシル価それぞれ
182mgKOH/gおよび160mgKOH/gを有
する)3350重量部より成る混合物を22時間190
〜200℃で攪拌し、反応中に生じた水を溜出物中のキ
シレンと分離し、その後にこれを反応媒体中へ返流す
る。水152重量部を捕集せる後、キシレンを、200
℃で窒素気流中で加熱することにより除去する。得られ
た淡黄色の液体は酸価35.0mgKOH/gを有す
る。
【0077】比較例2 分散剤C 分子量約5000を有する高度に分枝せるポリエチレン
イミン(ダウケミカル社により商標名「PEI600」
下に33%水溶液として市販)75重量部およびトルエ
ン21.6重量部より成る混合物を窒素下に攪拌および
煮沸し、分離装置を使用し水を溜出物から除去するとと
もに、トルエンを反応混合物へ返流する。ポリエステル
A500重量部およびさらにトルエン21.6重量部を
添加し、かつこの混合物を、トルエンを溜去しつつ温度
が150℃に達するまで攪拌する。1時間後に150℃
で、この混合物は攪拌するのに粘稠になりすぎるが、こ
の混合物を150℃でさらに2時間維持する。冷却する
と、炭化水素溶剤に可溶である褐色のゴム状物が生じ
る。酸価は16.8mgKOH/gである。
【0078】
【表1】
【0079】インキ化後の粘度の測定は以下のように行
った。
【0080】カーボン30g(コロンビアン・カーボン
日本(株)製、ラーベン780)、アクリル樹脂60g
(大日本インキ化学工業(株)製、アクリディックA−
801、不揮発分50%)、トルエン7g、分散剤3g
を使用しインキ化した後、粘度をB型粘度計(ローター
No.3、60rpm、25℃)で測定した。その結果
を表2に示した。
【0081】
【表2】
【0082】表2と同様にインキ化後、PETフィルム
上にバーコーダー(No.5、5ミクロン)を使用し展
色後光沢度計で60度入射角光沢度を測定した。その結
果を表3に示した。
【0083】
【表3】
【0084】さらに、分散剤の各種有機溶媒への溶解度
についても調査した。表4、5に結果を示した。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】実施例1から10および表1から5に示し
た結果から明らかなように、本願発明の新規な分散剤
は、従来品以上の優れた分散能、減粘効果、光沢度向上
の性能を有している。
【0088】
【発明の効果】本発明の、新規な高分子分散剤は、従来
品以上の優れた分散能、減粘効果、光沢度向上の性能を
有しており、印刷用インク、複写機用トナー、インクリ
ボン、塗料等の顔料分散剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 7/02 C09D 7/02 11/02 11/02 (72)発明者 矢坂 正大 福井県武生市北府1−3−34 武生ファ インケミカル株式会社内 (72)発明者 松田 剛三 福井県武生市北府1−3−34 武生ファ インケミカル株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−313917(JP,A) 特開 平2−48029(JP,A) 特公 平6−44985(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 17/52 B01F 17/16 B01F 17/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中kは10〜230の整数、mは2〜6の整数を示
    す。)で示されるポリアルキレンポリアミンに一般式
    (1−1) 【化2】 (式中R 1 は水素原子または、炭素数8〜22のカルボ
    ン酸又は分枝ヒドロキシカルボン酸残基を示し、pは2
    〜11の整数、qは2〜1000の整数を示す。)およ
    び一般式(1−2) 【化3】 (式中YCOは炭素数8〜22のカルボン酸残基を示
    す。)の置換基を一般式(1)1重量部に対し、一般式
    (1−1)を1〜50重量部、一般式(1−2)を0.
    01〜1.6重量部導入した化合物またはその塩からな
    るあることを特徴とする分散剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化4】 (式中kは10〜230の整数、mは2〜6の整数を示
    す。)で示されるポリアルキレンポリアミンに一般式
    (2−1) 【化5】 (rは1〜25の整数、sは0〜20の整数、tは2〜
    100の整数を示す。)および一般式(1−2) 【化6】 (式中YCOは炭素数8〜22のカルボン酸残基を示
    す。)の置換基を一般式(1)1重量部に対し、一般式
    (2−1)を1〜50重量部、一般式(1−2)0.0
    1〜1.6重量部を導入した化合物または、その塩から
    なることを特徴とする分散剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1−2)で示される置換基が分
    枝型ヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸
    残基である請求項1または請求項2に記載の分散剤。
  4. 【請求項4】 分散剤化合物の平均分子量が2100〜
    500000である請求項1ないし請求項3のいずれか
    1項に記載の分散剤。
  5. 【請求項5】 塩が、硫酸、酢酸、塩酸、りん酸、アル
    キルスルホン酸及びアリールスルホン酸から選択された
    酸との塩または、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジ
    メチル、ハロゲン化メチル、およびハロゲン化エチルか
    ら選択された4級化剤との塩からなる、請求項1ないし
    請求項4のいずれか1項に記載の分散剤。
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