JP3228296B2 - β,β’−ジヒドロキシメソ置換クロリン、イソバクテリオクロリン、バクテリオクロリン、およびβ,β’−非置換テトラピロールマクロサイクルからのそれらの製造方法 - Google Patents

β,β’−ジヒドロキシメソ置換クロリン、イソバクテリオクロリン、バクテリオクロリン、およびβ,β’−非置換テトラピロールマクロサイクルからのそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、特定のジヒドロキシクロリン、バクテリオ
クロリンまたはイソバクテリオクロリン化合物およびそ
れらの調製に関する。特に、本発明は、β,β′−非置
換テトラピロールマクロサイクル(tetrapyrrolic macr
ocycle)のジヒドロキシル化に関し、このテトラピロー
ルマクロサイクルは、4つのメソ位の一部または全部が
アルキル基または芳香環で置換されている。これらの化
合物の多くは、照射により不要な細胞または組織あるい
は他の望ましくない物質の破壊を媒介するための光力学
療法(「PDT」)の分野において、有用な光増感剤であ
る。
背景技術 PDTの分野では、種々のテトラピロールマクロサイク
ル(例えば、プルプリン、クロリン、バクテリオクロリ
ン、フタロシアニンおよびベンゾクロリン)は、腫瘍部
位に局在化する能力、および光に応答して活性化状態を
形成するために光を吸収する能力の両方を示す。次い
で、これらのマクロサイクルは、適切な波長を照射した
場合、細胞または他の組織(ここで、これらのマクロサ
イクルは局在化している)に対して、細胞毒性作用を示
す。
しかし、所望の光毒性効果を、被験体の組織内深くに
生じさせるためには、650nmより長い波長(この波長で
は、体組織は、ほとんど光を透過させる)で高い吸収係
数を有する光増感剤を使用する必要がある。Sternberg
らの「BPD−MA(ベンゾポルフィリン誘導体)を含む、
光力学療法のための第2世代の薬剤の大要」、Photodyn
amic Therapy and Biomedical Lasers、470−4(Spine
lliら編、1992)を参照のこと。
ポルフィリンを還元してクロリン(すなわち、ジヒド
ロポルフィリン)を形成することにより、その光学特性
が望ましい様式で変化し、このクロリンをさらにバクテ
リオクロリン(すなわち、テトラヒドロポルフィリン)
に還元することにより、所望の効果がさらに顕著にな
る。メソテトラフェニルポルフィリンを対応するクロリ
ンに変換する公知の一般的な方法は、1つ、すなわち、
Whitlockら、「ポルフィリンのジイミド還元」、J.Am.C
hem.Soc.、91、7485−89(1969)により提唱されている
ジイミド還元しかない。シカシ、生成した生成物は、
β,β′−ジヒドロキシ置換パターンを有しない。
クロリンおよびバクテリオクロリンの所望の吸収特性
に加えて、これらの化合物の両親媒特性は、薬剤の所望
の生体分配性に関して、潜在的に有益であることが指摘
されている。例えば、Bonnettら、「第2世代の腫瘍光
増感剤:等級つけられた両親媒特性を有するオクタアル
キルクロリンおよびバクテリオクロリンの合成および生
物学的活性」、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、1465−7
0(1992)は、メソテトラ(ヒドロキシフェニル)クロ
リンおよびそれらの対応するバクテリオクロリンが、PD
Tにおける光増感剤として使用され得ることを示唆して
いる。
β−置換ポルフィリンを四酸化オスミウム(OsO4)で
処理して、1個またはそれ以上の二重結合を酸化し、そ
れにより、そのβ,β′位にて、オスミウム酸エステル
を形成し得、次いで、これは、任意の種々の還元剤で還
元され、対応するビシナルジオールが形成され得ること
は公知である。例えば、Changら、「オクタエチルポル
フィリンのエチル鎖の新規官能基化方法」、J.Org.Che
m.、52、926−29では、この対応するジオールは、ピリ
ジンの存在下にて、オクタエチルポルフィリンをOsO4
酸化することにより得られた。
完全にβ,β′−アルキル置換された5,15−ビス(メ
チルフェニル)ポルフィリンをオスミル化(osmylatio
n)することにより、同様に、対応するジオールが生成
する。Osukaら、「5,15−ジアリールオクタエチルポル
フィリンからの5,15−ジアリール置換オキソクロリンの
合成」、Bull.Chem.Soc.Jap.、66、3837−39(1993)。
しかし、そのように生成したジオールは、酸性条件に
曝されると、ピナコール−ピナコロン型転位を受ける傾
向にあり、以下に示すように、オキソクロリンを生じ
る: 種々の置換基の移動特性を研究したとき、β−モノアル
キル置換ジオールの転位から、水素は、転位反応におい
て、移動する傾向が最も高い「置換基」であることが立
証された。Changら、「ビシナル−ジヒドロキシクロリ
ンのピナコール転位における移動特性」、J.Heterocycl
ic Chem.、22、1739−41(1985)。
ビシナルジヒドロキシクロリンは、ピリジン中での四
酸化オスミウムによる酸化により、β,β′−アルキル
置換ポリフィリンから得られ、この生成物は、硫酸で処
理すると、ピナコール転位を受けることが確認されてい
る。Bonnettら、「硫酸中での過酸化水素によるポルフ
ィリンの酸化」、Proc.Chem.Soc.、371−72(1964)、
およびChangら、「金属化(Metallation)によるバクテ
リオクロリン形成とイソバクテリオクロリン形成との区
別。OsO4酸化を介するポルフィリンジオンの高収率合
成」、J.Chem.Soc.、Chem.Commun.、1213−15(1986)
を参照のこと。しかし、β,β′−非置換メソ置換ポル
フィリンのジヒドロキシオスミル化生成物が、転位の可
能性によって安定になるとは考えられない。
さらに、この出発ポルフィリンが、β置換パターンを
有し、それによって、全体的な分子対称性が低下する場
合、ジヒドロキシル化により、立体異性体および位置異
性体の非統計的な混合物が生じる。例えば、ジューテロ
ポルフィリン−IXのジメチルエステルをオスミル化する
場合、以下の位置異性体およびそれらの対応する立体異
性体の混合物が生成する。Changら、「C−ヒドロキシ
クロリンおよびC−メチルクロリン。ヘムdおよびボネ
リン(Bonellin)モデル化合物への便利な経路」、J.Or
g.Chem.、50、4989−91(1985)。
最適条件下では、これらの位置異性体および立体異性
体の分離は、面倒である。
現在、β,β′−非置換メソ置換ポルフィリン化合物
は、以下に示すように、OsO4の添加、続いて還元によ
り、β,β′−ジヒドロキシル化され、そのビシナルジ
オールが得られることが分かっている: 得られたメソ置換ビシナルジオールは、予想外に安定で
ある。驚くべきことに、脱水および転位は、比較的厳し
い条件(例えば、触媒量のHClO4を含む還流ベンゼンで
の処理)下でのみ、起こる。このことは、β水素の高い
移動特性だけでなく、この分子の水を脱離する予想され
る傾向によって、以下に示すように、エノール性互変異
性体として、完全に共役したポルフィリン共鳴構造を再
構成することから考えて、予想外である。Crossleyら、
「2−ヒドロキシ−5,10,15,20−テトラフェニルポルフ
ィリンにおける互変異性:エノール、ケトおよび芳香族
ヒドロキシル互変異性体間の平衡」、J.Org.Chem.、5
3、1132−37(1988)。
このようなメソフェニルオキソポルフィリンは、以前
は、根本的に異なる経路で調製されていた。例えば、Ca
talanoら、「新規多工程シネ置換連続手順による、ニト
ロポルフィリンからの2−オキシ−5,10,15,20−テトラ
フェニルポルフィリンの効率的な合成」、J.Chem.So
c.、Chem.Comm.、1537−38(1984)を参照のこと。
先在するメソ置換基を水酸基が付加されると、例え
ば、メソ−テトラ(ヒドロキシフェニル)−ポルフィリ
ン、−クロリンおよび−バクテリオクロリンのフェニル
置換基は、活性PDT試薬として有効であり得ることが分
かっている。Berenbaumら、「メソ−テトラ(ヒドロキ
シフェニル)−ポルフィリン、好ましい選択性を有する
強力な腫瘍光増感剤の新しいクラス」、Br.J.Cancer、5
4、717−25(1986)およびRisら、「インビボでm−テ
トラヒドロキシフェニルクロリンを用いる光力学療法:
治療指標の最適化」、Int.J.Cancer、55、245−49(199
3)を参照のこと。β位にヒドロキシ官能性を導入する
ことにより、新しいクラスの光増感剤化合物が見出され
ただけでなく、本発明の光増感剤が、その分子の両親媒
性の増大のために、公知の化合物よりもずっと優れてい
ると考えられる理由がある。
さらに、β,β′−ジヒドロキシル化の際、出発物質
の高い対称性により、得られるクロリンのただ1種の位
置および立体異性体が形成される。例えば、メソテトラ
フェニルポルフィリンのジヒドロキシル化により、β,
β′−ジヒドロキシメソテトラフェニルバクテリオクロ
リンのただ1種の異性体が生成する。さらに、β,β′
−ヒドロキシクロリンの引き続くβ,β′−ジヒドロキ
シル化により、テトラヒドロキシバクテリオクロリン生
成物の2種の容易に分離できるジアステレオマーのみが
生成する。この異性体の著しい減少により、PDT試薬を
高収率で得る方法が提供され、これは、非常に実用的で
あり、経済的であり、そして医薬的に重要である。
以前の観察(例えば、Whitlockら、「ポルフィリンの
ジイミド還元」、J.Am.Chem.Soc.、91、7485−89(196
9)、およびChangら、「金属化によるバクテリオクロリ
ン形成とイソバクテリオクロリン形成との区別:OsO4
化によるポルフィリンジオンの高収率合成」、J.Chem.S
oc.、Chem.Comm.、1213−15(1986)を参照のこと)と
一致して、β,β′−ジヒドロキシクロリンのβ−ヒド
ロキシル化(およびβ,β′−ジヒドロキシクロリンの
ジイミド還元または、本題に関しては、テトラフェニル
クロリンのβ,β′−ジヒドロキシル化)は、著しい金
属指向作用(metal−directing effect)に対して感受
性である。メタロクロリンのオスミル化/還元により、
メタロ−イソバクテリオクロリン発色団が生成し、それ
から、脱金属化(demetallation)により、母体となる
イソバクテリオクロリン発色団が得られ得る。対照的
に、遊離の塩基性クロリンのオスミル化/還元により、
対応するバクテリオクロリン発色団が生成する。
さらに他の利点は、メソ置換基が、特に、アリール環
(例えば、フェニル基)である場合、幅広く誘導体化で
きることである。それゆえ、β,β′−非置換メソ置換
ポルフィリンおよびクロリンを、OsO4による酸化によっ
てヒドロキシル化し、続いて、β,β′−位で形成され
る中間体オスミウム酸エステルを還元することにより、
多くの関連したビシナルジオール置換クロリンおよびバ
クテリオクロリンが製造され得、これらは、PDT剤とし
て特に望ましい特性(例えば、増強し、かつ深色シフト
したQバンドおよび増大した両親媒性)を示す。さら
に、メソ置換基自体をさらに誘導体化する能力により、
化合物の薬物動態学および薬力学をさらに高い程度まで
細かく調整する機会が提供される。
発明の開示 本発明に従って、式(I)または(II)を有する、新
規なβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、イソバ
クテリオクロリンおよびバクテリオクロリン化合物が調
製される: ここで、Mは、Ni(II)、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II
I)Cl、Sn、Ge、Si、Ga、Al、Mn(III)、Gd(III)、I
nおよびTcからなる群から選択される金属であり; Aは、以下の構造を有する環であり: Dは、以下の構造を有する環であり: R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、あるい
は置換または非置換芳香環であり、これらは、同一また
は異なっていてもよいが、但し、S1からS4の少なくとも
1個は、Hではない。
さらに、式(I)および(II)の化合物を効率的に合
成する方法が見出された。具体的には、本発明では、式
(I)を有する化合物の製造方法は、以下のa.およびb.
の工程を包含する: a. 式(III)を有するメソ置換メタロポルフィリンを
オスミル化して、そのβ,β′−位にて、オスミウム酸
エステルを形成する工程: ここで、A、D、R1からR6およびS1からS4は、上記の
通りである;および b. このオスミウム酸エステルを還元して、式(I)の
対応するβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バ
クテリオクロリンまたはイソバクテリオクロリンを形成
する工程。
式(II)の脱金属化した化合物を製造する3つの方法
が、開示されている。第一の方法は、以下の工程a.、b.
およびc.を包含する: a. 式(III)を有するメソ置換メタロポルフィリンを
オスミル化して、そのβ,β′−位にて、オスミウム酸
エステルを形成する工程; b. このオスミウム酸エステルを還元して、式(I)の
対応するβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バ
クテリオクロリンまたはイソバクテリオクロリンを形成
する工程;および c. この還元工程後、式(I)のβ,β′−ジヒドロキ
シメソ置換クロリン、バクテリオクロリンまたはイソバ
クテリオクロリンを脱金属化して、式(II)の脱金属化
したβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテ
リオクロリンまたはイソバクテリオクロリンを形成する
工程。
式(II)の脱金属化した化合物を製造する第二の方法
は、以下の工程a.、b.およびc.を包含する: a. 式(III)を有するメソ置換メタロポルフィリンを
オスミル化して、そのβ,β′−位にて、オスミウム酸
エステルを形成する工程; b. このオスミウム酸エステルを脱金属化する工程;お
よび c. この脱金属化したオスミウム酸エステルを還元し
て、対応する式(II)のβ,β′−ジヒドロキシメソ置
換クロリンまたはバクテリオクロリン化合物を形成する
工程。
さらに、式(II)の脱金属化した化合物を製造する第
三の方法は、以下の工程a.およびb.を包含する: a. 式(IV)を有するメソ置換ポルフィリノーゲン(po
rphyrinogenic)化合物をオスミル化して、そのβ,
β′−位にて、オスミウム酸エステルを形成する工程: ここで、A、D、R1からR6およびS1からS4は、上記の通
りである;および b. このオスミウム酸エステルを還元して、対応する式
(II)のβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリンまた
はバクテリオクロリン化合物を形成する工程。
図面の簡単な説明 本発明は、以下の図面を参照して、さらに明確に理解
できる。
図1は、2,3−ビシナル−ジヒドロキシテトラフェニ
ルクロリンのUV−可視スペクトル(実線)および[2,3
−ビシナル−ジヒドロキシテトラフェニルクロリナト]
亜鉛(II)のUV−可視スペクトル(破線)を示す。
図2は、2,3−ビシナル−ジヒドロキシテトラフェニ
ルバクテリオクロリンのUV−可視スペクトルを示す。
図3は、2,3,12,13−テトラヒドロキシテトラフェニ
ルバクテリオクロリン−E−異性体のUV−可視スペクト
ル(実線)および2,3,12,13−テトラヒドロキシテトラ
フェニルバクテリオクロリン−Z−異性体のUV−可視ス
ペクトル(破線)を示す。
図4は、[7,8−ビシナル−ジヒドロキシテトラフェ
ニルイソバクテリオクロリナト]亜鉛(II)のUV−可視
スペクトルを示す。
図5は、2,3,7,8−テトラヒドロキシテトラフェニル
イソバクテリオクロリン−E−異性体のUV−可視スペク
トル(実線)および[2,3,7,8−テトラヒドロキシテト
ラフェニルイソバクテリオクロリナト]亜鉛(II)−E
−異性体のUV−可視スペクトル(破線)を示す。
発明の詳細な説明 本発明のβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、
バクテリオクロリン、またはイソバクテリオクロリン化
合物は、上記の式(I)または式(II)を有する。式
(I)のMは、式(I)の錯体を形成できるいずれかの
金属種であり得るが、好ましくは、Ni(II)、Cu(I
I)、Zn、Sn、Ge、Si、GaおよびAlからなる群から選択
される。選択される金属の重要な特性は、この金属をこ
のポルフィリン構造に導入可能なことであり、次いで、
本発明の方法から得られるクロリンから、それを除去可
能なことである。
Aは、以下の構造を有するいずれかの環であり得る: Dは、以下の構造を有するいずれかの環であり得る: 上記構造の全ての対応する共鳴型もまた、用語「A」お
よび「D」に含まれると考えられることを理解すべきで
ある。しかし、好ましくは、環AおよびDの少なくとも
1個は、環BおよびCと同じである。さらに好ましく
は、環AおよびDの両方は、他の環BおよびCと同じで
あり、それらと共に、このような環を4個有するポルフ
ィリン核構造を形成し、各環は、メソ位と呼ばれる架橋
炭素原子により、接続されている。
R1からR6は、上で概説したオスミル化工程および還元
工程を妨害しない限り、多数の環置換基のいずれか1個
であり得る。好ましくは、R1からR6は、独立して、水素
原子;低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、t−ブチルおよびn−ペンチ
ル);低級アルキルカルボン酸(例えば、ホルミル、カ
ルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシ−n−
ブチル、カルボキシ−sec−ブチル、カルボキシ−n−
ヘキシル);カルボン酸エステル基(例えば、−CH2CH2
COOCH3、−CH2CH2COOCH2CH3、−CH2CH(CH3)COOCH2C
H3、−CH2CH2CH2COOCH2CH2CH3、−CH2CH(CH32COOCH2
CH3);ケト;ヒドロキシ;ニトロ;アミノなどであ
る。
さらに、R1およびR2、R3およびR4、またはR5およびR6
は、他の環、環置換基またはメソ置換基と一緒になっ
て、縮合した5員環または6員環を形成する。そのよう
に形成される縮合した5員環または6員環は、本発明の
オスミル化工程および還元反応工程を妨害しないいずれ
かの飽和または不飽和の炭素環式または複素環式の5員
環または6員環であり得る。このような環の例には、シ
クロペンタン、フラン、チオフェン、ピロール、イソピ
ロール、3−イソピロール、ピラゾール、2−イソイミ
ダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾー
ル、1,2−ジチオール、1,3−ジチオール、1,2,3−オキ
サチオール、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾー
ル、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアチアゾール、
1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、
1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−ジオキサゾール、1,
2,4−ジオキサゾール、1,2,5−オキサチアゾール、1,3
−オキサチオール、ベンゼン、シクロヘキサン、1,2−
ピラン、1,4−ピラン、1,2−ピロン、1,4−ピロン、1,2
−ジオキシン、1,3−ジオキシン(ジヒドロ型)、ピリ
ジン、ピリダジン、ピラミジン、ピラジン、ピペラジ
ン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,4−
オキサジン、1,3,2−オキサジン、o−イソキサジン、
1,2,5−オキサチアジン、1,4−オキサジン、p−イソキ
サジン、1,2,6−オキサチアジン、1,3,5,2−オキサジア
ジン、モルホリン、アゼピン、オキセピン、チエピン、
1,2,4−ジアゼピンなどが包含される。好ましくは、R1
およびR2、R3および、R4、またはR5およびR6が、縮合し
た5〜6員環を形成するとき、この環は、6員環であ
る。最も好ましくは、R1およびR2、R3およびR4、または
R5およびR6が、環を形成するとき、それは、6員炭素環
(すなわち、ベンゼン環)である。
特に好ましい実施態様では、R1からR6は、独立して、
水素、メチル、エチルまたは低級アルキルエステルであ
り、最も好ましくは、水素、メチルまたはエチルであ
る。
S1からS4は、同一または異なり、H、多数の置換され
たまたは非置換のアルキル基、置換されたまたは非置換
のシクロアルキル基、および芳香族基のいずれか1種で
あり得る。S1からS4の1個またはそれ以上がアルキル基
のとき、それらは、好ましくは、約1個〜約18個の炭素
原子、さらに好ましくは、約1個〜12個の炭素原子、さ
らに好ましくは、約1個〜6個の炭素原子を有する。代
表的なアルキル基の例には、メチル、エチル、イソプロ
ピル、第二級ブチル、第三級ブチル、n−ペンチル、お
よびn−オクチルがある。
S1からS4の1個またはそれ以上がアルキル基のとき、
それは、このオスミル化反応または還元反応を妨害しな
いいずれかの基で置換されていても、置換されていなく
てもよい。例えば、S1からS4の1個またはそれ以上がア
ルキル基のとき、それは、ハロゲン原子(例えば、フッ
素、塩素、または臭素);ヒドロキシ基(例えば、ペン
トースおよびヘキソース中のもの);チオール;あるい
はカルボニル基(例えば、アルデヒド、ケトン、カルボ
ン酸(例えば、脂肪酸)またはそれらのエステルまたは
アミド);第一級、第二級、第三級または第四級アミノ
基;ニトリル;ホスフェート基;スルホネート基などで
置換されていてもよい。
S1からS4の1個またはそれ以上がシクロアルキル基の
とき、それは、好ましくは、約3個〜約7個の炭素原子
を含有する。代表的なシクロアルキル基の例には、シク
ロプロピル、シクロヘキシル、およびシクロヘテロアル
キル(例えば、グルコピラノース糖またはフルクトフラ
ノース糖)が包含される。S1からS4の1個またはそれ以
上がシクロアルキル基のとき、それは、このオスミル化
反応または還元反応を妨害しないいずれかの基で置換さ
れていても、置換されていなくてもよい。例えば、S1
らS4の1個またはそれ以上がシクロアルキル基のとき、
それは、S1からS4の1個またはそれ以上がアルキル基の
場合に上で記述した置換基と同じ置換基のいずれかで置
換されていてもよい。
S1からS4の1個またはそれ以上がアリール基のとき、
それは、好ましくは、約5個〜約12個の炭素原子を含有
し、必要に応じて、1個またはそれ以上のヘテロ原子を
含有し、そして必要に応じて、存在する共役ポルフィリ
ン環構造に縮合される環を含有する。適切な芳香環の例
には、フラン、チオフェン、ピロール、イソピロール、
3−イソピロール、ピラゾール、2−イソイミダゾー
ル、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2
−ジチオール、1,3−ジチオール、1,2,3−オキサチオー
ル、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾール、イト
シアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサ
ジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサ
ジアゾール,1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,5−
オキサトリアゾール、1,2,3−ジオキサゾール、1,2,4−
ジオキサゾール、1,3,2−ジオキサゾール、1,3,4−ジオ
キサゾール、1,2,5−オキサチアゾール、1,3−オキサチ
オール、ベンゼン、1,2−ピラン、1,4−ピラン、1,2−
ピロン、1,4−ピロン、1,2−ジオキシン、1,3−ジオキ
シン、ピリジン、N−アルキルピリジニウム、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアゾン、1,2,4
−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−オキサジ
ン、1,3,2−オキサジン、1,3,6−オキサジン、1,4−オ
キサジン、o−イソキサジン、p−イソキサジン、1,2,
5−オキサチアジン、1,4−オキサジン、o−イソキサジ
ン、p−イソキサジン、1,2,5−オキサチアジン、1,2,6
−オキサチアジン、1,4,2−オキサジアジン、1,3,5,2−
オキサジアジン、アゼピン、オキセピン、チエピン、1,
2,4−ジアゼピン、インデン、イソインデン、ベンゾフ
ラン、イソベンゾフラン、チオナフテン、イソチオナフ
テン、インドール、インドレニン、2−イソベンザゾー
ル、1,4−ピリンジン、ピランド[3,4−b]−ピロー
ル、イソインダゾール、インドキサジン、ベンゾキサゾ
ール、アントラニル、ナフタレン、1,2−ベンゾピラ
ン、1,2−ベンゾピロン、1,4−ベンゾピロン、2,1−ベ
ンゾピロン、2,3−ベンゾピロン、キノリン、イソキノ
リン、1,2−ベンゾジアジン、1,3−ベンゾジアジン、ナ
フチリジン、ピリド[3,4−b]−ピリジン、ピリド
[3,2−b]−ピリジン、ピリド[4,3−b]−ピリジ
ン、1,3,2−ベンゾキサジン、1,4,2−ベンゾキサジン、
2,3,1−ベンゾキサジン、3,1,4−ベンゾキサジン、1,2
−ベンズイソキサジン、1,4−ベンズイソキサジン、ア
ントラセン、フェナントレン、カルバゾール、キサンテ
ン、アクリジン、プリン、ステロイド化合物などが包含
される。
特に好ましい実施態様では、S1からS4は、フェニル、
ナフチル、ピリジニル、および低級N−アルキルピリジ
ニウム塩からなる群から選択される。さらに好ましく
は、S1からS4は、同一である。
他の実施態様では、S1からS4の少なくとも1個は、以
下の構造を有する: ここで、X、Y、Z、X′、Y′、およびZ′は、多数
の置換基のいずれか1個であり得、一般に、所望生成物
の生理活性、生体分配性、吸収性およびクリアランス特
性、および物理的特性を「細かく調整する(fine tun
e)」ために、使用される。これを行う1つの方法は、
式(I)または(II)の化合物が両親媒性分子であるよ
うに置換基を選択することである。「両親媒性」には、
この分子が、非対称性がより高くなること、すなわち、
以下の(1)または(2)を意味する: (1)(a)極性の高い水溶性領域および(b)疎水性
の高い水不溶性領域の両方を有すること;あるいは (2)(a)非イオン性領域および(b)イオン性領域
の両方を有すること。
しかし、本発明はまた、実質的にまたは全く同じアリー
ル置換基を有するβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロ
リン、バクテリオクロリン、またはイソバクテリオクロ
リン化合物も包含することに注目すべきである。さら
に、任意の選択されたアリール置換基はまた、この化合
物が、本発明の化合物を調製するのに使用される工程
「a.」および工程「b.」の反応を受ける能力に悪影響が
ないようにすべきである。
好ましくは、このX、X′、Y、Y、およびZは、特
立して、(1)水素;(2)ハロゲン(例えば、フルオ
ロ、クロロ、ヨードおよびブロモ);(3)低級アルキ
ル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、n−ペンチルなどの基);(4)低
級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、t−ペントキシなど);(5)
ヒドロキシ;(6)カルボン酸またはその酸塩(例え
ば、−CH2COOH、−CH2COO−Na+、−CH2CH(Br)COOH、
−CH2CH(CH3)COOH、−CH(Cl)−CH2−CH(CH3)−CO
OH、−CH2−CH2−C(CH3−COOH、−CH2−CH2−C
(CH3−COO-K+、−CH2−CH2−CH2−CH2−COOH、C
(CH3−COOH、CH(Cl)−COOHなど);(7)カ
ルボン酸エステル(例えば、−CH2CH2COOCH3、−CH2CH2
COOCH2CH3、−CH2CH(CH3)COOCH2CH3、−CH2CH2CH2COO
CH2CH2CH3、−CH2CH(CH32COOCH2CH3など);(8)
スルホン酸またはその酸塩(例えば、第I族および第II
族の塩、アンモニウム塩、および有機カチオン塩(例え
ば、アルキル塩および四級アンモニウム塩);(9)ス
ルホン酸エステル(例えば、スルホン酸メチル、スルホ
ン酸エチル、スルホン酸シクロヘキシルなど);(10)
アミノ(例えば、非置換第一級アミノ、メチルアミノ、
エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、5−ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、ジメチル
アミノ、トリメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリエチ
ルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、メチルエチルアミ
ノ、ジメチル−sec−ブチルアミノ、2−アミノエタノ
キシ、エチレンジアミノ、2−(N−メチルアミノ)ヘ
プチル、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、フェ
ニルエチルアミノ、アニリノ、N−メチルアニリノ、N,
N−ジメチルアニリノ、N−メチル−N−エチルアニリ
ノ、3,5−ジブロモ−4−アニリノ、p−トルイジノ、
ジフェニルアミノ、4,4′−ジニトロジフェニルアミノ
など);(11)シアノ;(12)ニトロ;(13)生理活性
基;または(14)式(I)または(II)の化合物の両親
媒性を高めるいずれかの他の置換基である。
用語「生理活性基」は、特定の生体環境にて、その蓄
積、除去、結合速度、または結合強度を選択的に促進す
るいずれかの基であり得る。例えば、生理活性基の1つ
の範疇には、糖から誘導した置換基、具体的には、
(1)アルドース(例えば、グリセルアルデヒド、エリ
スロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシ
ロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコ
ース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトー
ス、およびタロース);(2)ケトース(例えば、ヒド
ロキシアセトン、エリトルロース、レブロース、キシロ
ース、プシコース、フルクトース、ソルボース、および
タガトース);(3)ピラノース(例えば、グルコピラ
ノース);(4)フラノース(例えば、フルクトフラノ
ース);(5)O−アシル誘導体(例えば、ペンタ−O
−アセチル−I−グルコース);(6)O−メチル誘導
体(例えば、メチルI−グルコシド、メチルJ−グルコ
シド、メチルI−グルコピラノシド、およびメチル−2,
3,4,6−テトラ−O−メチル−グルコピラノシド);
(7)フェニルオサゾン(例えば、グルコースフェニル
オキサゾン);(8)糖アルコール(例えば、ソルビト
ール、マンニトール、グリセロール、およびミオイノシ
トール);(9)糖酸(例えば、グルコン酸、グルカル
酸およびグルクロン酸、L−グルコノラクトン、L−グ
ルクロノラクトン、アスコルビン酸、およびデヒドロア
スコルビン酸);(10)リン酸エステル(例えば、I−
グルコース1−リン酸、I−グルコース6−リン酸、I
−フルクトース1,6−ジリン酸、およびI−フルクトー
ス6−リン酸);(11)デオキシ糖(例えば、2−デオ
キシリボース、ラムノース(デオキシマンノース)、お
よびフコース(6−デオキシガラクトース));(12)
アミノ糖(例えば、グルコサミンおよびガラクトサミ
ン);ムラミン酸およびノイラミン酸;(13)二糖類
(例えば、マルトース、スクロースおよびトレハロー
ス);(14)三糖類(例えば、ラフィノース(フルクト
ース、グルコース、ガラクトース)およびメレチトース
(グルコース、フルクトース、グルコース));(15)
多糖類(グリカン)(例えば、グルカンおよびマンナ
ン);(16)貯蔵多糖類(例えば、I−アミロース、ア
ミロペクチン、デキストリン、およびデキストラン)が
ある。
アミノ酸誘導体もまた、有用な生理活性置換基であ
り、例えば、以下から誘導したものがある:バリン、ロ
イシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、フェ
ニルアラニン、トリプトファン、アラニン、アルギニ
ン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、グルタミ
ン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、チロ
シン、アスパラギン、およびグルタミン。また、ペプチ
ド(特に、特異的なレセプターに親和性を有することが
知られているもの)、例えば、オキシトシン、バソプレ
シン、ブラジキニン、LHRH、トロンビンなどもまた、有
用である。
生理活性置換基の他の有用な群には、ヌクレオシドか
ら誘導したもの、例えば、リボヌクレオシド(例えば、
アデノシン、グアノシン、シチジン、およびウリジ
ン);および2′−デオキシリボヌクレオシド(例え
ば、2′−デオキシアデノシン、2′デオキシグアノシ
ン、2′−デオキシシチジン、および2′−デオキシシ
チミジン)がある。
特に有用な生理活性基の他の範疇には、特定の生理活
性レセプターに特異的な任意のリガンドがある。「レセ
プターに特異的なリガンド」との用語は、細胞表面に
て、レセプターに結合する部分を意味し、それゆえ、こ
の生体レセプターに相補的な外形および電荷パターンを
含有する部分を意味する。このリガンドは、このレセプ
ターそれ自体ではないが、それに相補的な物質である。
広範囲の細胞タイプは、ホルモン、成長因子、または神
経伝達物質を結合するように設計された特定のレセプタ
ーを有することが、よく理解されている。しかし、レセ
プターに特異的なリガンドのこれらの具体的は、公知で
あり理解されているものの、本明細書中で使用する「レ
セプターに特異的なリガンド」との語句は、レセプター
に特異的に結合するいずれかの物質(天然物または合成
物)を意味する。
このようなリガンドの例には、以下がある:(1)ス
テロイドホルモン(例えば、プロゲステロン、エストロ
ゲン、アンドロゲン、および副腎皮質ホルモン);
(2)成長因子(例えば、上皮成長因子、神経成長因
子、繊維芽細胞成長因子など);(3)他のタンパクホ
ルモン(例えば、ヒト成長ホルモン、副甲状腺ホルモン
など);(4)神経伝達物質(例えば、アセチルコリ
ン、セロトニン、ドーパミンなど)。これらの物質のい
ずれかの類似物のうち、生体レセプターをうまく結合す
るものもまた、包含される。
式(I)の化合物の両親媒性を高める傾向のある置換
基の特に有用な例には、以下がある:(1)長鎖アルコ
ール、例えば、−CH12H24−OHであって、ここで、−C12
H24は疎水性である;(2)脂肪酸およびそれらの塩
(例えば、長鎖脂肪酸であるオレイン酸のナトリウム
塩);(3)ホスホグリセリド(例えば、ホスファチジ
ン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジ
ルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノ
シトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジ
ル3′−O−アラニルグリセロール、カルジオリピン、
またはホスファチダルコリン);(4)スフィンゴ脂質
(例えば、スフィンゴミエリン);および(5)糖脂質
(例えば、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロ
シド、セレブロシドまたはガングリオシドの硫酸エステ
ル)。
好ましい実施態様では、X、X′、Y、Y′、および
Zは、独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級
アルコキシ、ヒドロキシ、カルボン酸またはその酸塩、
カルボン酸エステル、スルホン酸またはその酸塩、スル
ホン酸エステル、置換されたまたは非置換のアミノ、シ
アノ、ニトロ、または生理活性基であり、そしてZ′
は、水素または低級アルキルである。他の実施態様で
は、X、Y、X′およびY′は、それぞれ、水素であ
り、そしてZは、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級
アルコキシ、ヒドロキシ、カルボン酸、カルボン酸エス
テル、スルホン酸エステル(特に、芳香族スルホン酸エ
ステル)、ニトロ、アミノ(特に、低級アルキルアミ
ノ)、シアノ、および生理活性基からなる群から選択さ
れる。
さらに他の実施態様では、X、Y、Z、X′および
Y′は、水素、メチル、エチル、t−ブチル、メトキ
シ、ヒドロキシ、OR(ここで、Rは、6個〜18個の炭素
原子を有するアルキル基または脂肪酸基)、フルオロ、
クロロ、ヨード、ブロモ、−C(O)−OCH3、シアノ、
ニトロ、または生体レセプターに特異的なリガンドから
なる群から選択される。さらに好ましい実施態様では、
X、X′、YおよびY′およびZは、水素、ハロゲン、
低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボン
酸またはその酸塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エ
ステル、スルホン酸またはその酸塩、ニトロ、アミノ、
シアノ、および生理活性基からなる群から選択される。
さらに他の好ましい実施態様では、X、Y、Z、X′お
よびY′の少なくとも1つは、この分子の両親媒性を高
める生理活性基または置換基である。
S1からS4の1個またはそれ以上として供される基の特
に好ましい具体例には、以下が包含される: このような化合物の具体例としては、以下のものが挙げ
られる: ここで、RはH、C6〜C18アルキルまたは脂肪酸であ
る; ここで、Rはメチル、エチル、またはプロピルである;
および カチオン性およびアニオン性の両方の水溶性クロリン化
合物の例には、以下が含まれる: 本発明の化合物を製造する方法の工程「a.」は、式(II
I)のメソ置換メタロポルフィリンまたは式(IV)の対
応する脱金属化ポルフィリノーゲンをオスミル化して、
そのβ,β′−位にオスミニウム酸エステルを形成する
ことを包含する。本発明の出発メソ置換メタロポルフィ
リン(III)またはポルフィリン(IV)は、非常に多く
の標準的な方法のいずれか1つにより、調製できる。例
には、以下のような方法が包含される: (1)ピロールおよび適当に置換したベンズアルデヒド
は、Adlerら、「メソテトラフェニルポルフィリンの簡
素化合成」、J.Org.Chem.、32、476(1967)に従ったAd
ler法により、または「空気酸化についての高濃度条件
および電子伝達系を用いたメソポルフィリンの合成の研
究」、J.Org.Chem.、59、579−87(1994)に記述のよう
なLindsey法により、反応し得る。「テトラアルキルク
ロリン錯体およびテトラアルキルポルフィリン錯体の簡
易合成、およびニッケル(II)のテトラメチルクロリン
錯体およびテトラメチルポルフィリン錯体の構造の比
較」、J.Am.Chem.Soc.、102:6852−54(1980)にて、メ
ソテトラアルキル化合物について、類似の反応が記述さ
れている。
(2)Wallaceら、「テトラフェニルポルフィリンの理
論的合成:MacDonald経路からのテトラアリールポルフィ
リン」、J.Org.Chem.、58、7245−47(1993)により記
述のように、ジピロール性化合物およびそれらの相対物
の縮合。
(3)例えば、Di Magnoら、「金属仲介クロスカップリ
ングによるポルフィリンの平易な詳述」、J.Org.Che
m.、58、5983−93(1993)により;またはOsukaら、
「5,15−ジアリールオクタエチルポルフィリンからの5,
15−ジアリール置換オキソクロリンの合成」、Bull.Che
m.Soc.Japan、66、3837−39(1993)に記述のように、
そのβ位またはメソ位におけるポルフィリンの操作;ま
たはHombrecherら、「長鎖アルキルを有するエステル基
で置換されたテトラアリールポルフィリンの効果的な合
成」、Tetrahedron、49:12、2447−56(1993)に記述
の、あらかじめ存在しているメソフェニルポルフィリン
および適切に置換したメソフェニルポルフィリン上のフ
ェニル置換基の操作。
上記文献の全ての開示内容は、本明細書中で参考とし
て援用される。
好ましくは、工程「a.」の出発物質として使用される
式(III)の化合物は、Lindseyらのポルフィリン合成方
法(上記参照)を使用して調製される。このような反応
を行う一般的な方法を、以下に示す:代表的には、ピロ
ールおよび適切に置換されたベンズアルデヒドの等モル
混合物を、酸触媒作用を用いて、窒素雰囲気下にて反応
させる。形成したポルフィリノーゲンを、空気酸化する
かまたは酸化剤としてのDDQで処理することにより、ポ
ルフィリンが得られ、これを、次いで、代表的には、カ
ラムクロマトグラフィーにより精製する。
工程「a.」のオスミル化反応は、塩基(代表的には、
ピリジン)の存在下にて、この出発物質をOsO4で処理す
ることにより行ない、それゆえ、以下に示すように、そ
のβ,β′−位にて、オスミウム酸エステルが形成され
る: このOsO4の量は、一般には、化学量論量であり、代表
的には、出発物質1モルあたり、約1.0〜約1.5モルのOs
O4の範囲で変わる。
通常、OsO4と共に使用される塩基は、一般に、このオ
スミウム酸エステルのオスミウム(IV)と配位でき、そ
れにより、この中間体を安定化して、このオスミウム酸
エステルの形成を促進するものである。例えば、Schrod
er、「不飽和基質の四酸化オスミニウムシスヒドロキシ
ル化」、Chem.Rev.、80:187−218(1980)を参照のこ
と。好ましい塩基には、ピリジン、イミダゾール、イソ
キノリン、第三級アルキルアミン(例えば、トリメチル
アミン、メチルスルホンアミドなど)が挙げられる。使
用する塩基の量は、このオスミウム酸エステルのオスミ
ウム(VI)の配位圏(coodination sphere)を飽和する
のに充分な量が存在する限り、広く変え得る。しかし、
好ましくは、使用する塩基の量は、約2当量〜約20当量
の範囲内に入る。ある種の塩基(例えば、ピリジン)も
また、このオスミル化反応の溶媒または共溶媒として使
用できる。
このOsO4は、反応混合物ニートに添加できるが、それ
は、最適には、適切な非反応性溶媒に溶解して使用され
る。溶媒を使用するとき、その選択は、このポルフィリ
ン出発物質上の置換基パターンに依存し、このパターン
は、その溶解性に影響を与える。しかし、代表的に使用
される溶媒には、芳香族溶媒(例えば、ピリジン、トル
エン、およびベンゼン);塩素化溶媒(例えば、CHCl3
およびジクロロメタン);水;エーテル(例えば、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコ
ールおよびグリコールのジメチルエーテル(エチレング
リコールジメチルエーテル));ケトン(例えば、アセ
トンおよびメチルエチルケトン);アセトニトリル;DM
E、DMFおよびDMSO;アルコール(例えば、エタノール、
メタノール、およびブタノール);およびそれらの混合
物が挙げられる。
この出発物質が水溶性である場合、好ましい溶媒は、
水である。有機溶媒を使用するとき、特に有用な溶媒系
には、塩素化溶媒(例えば、CHCl3およびジクロロメタ
ン)を約2〜25容量%のピリジンと混合した配合が挙げ
られる。
工程「a.」中にて、この反応混合物の温度は広く変わ
り得るが、代表的には、室温で維持されるか、または約
−100℃〜室温までの範囲の温度まで、ある程度冷却さ
れる。好ましくは、この反応は、ほぼ室温で行われる。
工程「a.」のオスミル化反応に必要な時間は、大部分
は、使用する温度および出発物質の相対的な反応性に依
存する。特に、このメソ置換基が、アリール基または嵩
高い(bulky)アルキル基(例えば、第三級ブチル)の
とき、この反応時間は、(ピリジンのような塩基で錯体
化した)OsO4の入ってくるオスミウム(VIII)種の攻撃
に対するβ位の立体障害のために、比較的ゆっくりとな
る傾向がある。それゆえ、たとえジメソ置換系が、比較
的素早く反応することが認められているとしても、この
テトラ置換系は、少なくともS1からS4のうちの1個また
はそれ以上が特に嵩高い(例えば、第三級ブチル基、シ
クロアルキル基、または置換フェニル環)場合には、反
応の完結には、著しく長い時間を要し得る。従って、こ
の反応時間は、例えば、約1時間から約7日間まで大き
く変わり得る。
このオスミル化反応は、大気圧より上および大気圧よ
り下の両方の圧力で行い得る。しかし、好ましくは、こ
の反応は、ほぼ大気圧に等しい圧力で行われる。この反
応は、空気に近い気体混合物の存在下で行い得るが、特
に反応性の高い反応物が関与するとき、この気体状混合
物を、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンなど)
で満たしてもよい。
本発明のオスミル化工程は、通常の自然光の条件下に
て、行うことができる。しかし、このオスミル化の基質
および生成物は、しばしば、良好な光増感剤であるため
に、副反応を最小にするために、光を排除することが、
一般には、好ましい。
この反応の進行には、時には、この反応混合物の色変
化(例えば、紫色から緑色への変化)を伴う。望ましく
は、この色変化は、この反応のおよその完結度をモニタ
ーするのに、使用され得る。他の公知方法(例えば、種
々のタイプのクロマトグラフィー、特にTLCおよびHPL
C)もまた、この出発物質の消失により反応の進行を追
跡するのに、使用できる。
このオスミル化反応の結果、反応混合物が得られ、そ
こから、いずれかの通常の手段(代表的には、クロマト
グラフィー)により、そのジオール生成物が分離され精
製される。しかし、好ましくは、このオスミル化反応混
合物は、この反応混合物中に存在する中間体の単離また
は精製を介在させる必要なく、その還元工程「b.」で直
接使用される。
このオスミル化反応混合物を還元して式(I)のジオ
ールを形成することは、多くの通常の還元剤により、達
成できる。このような有用な還元剤の例には、気体状の
H2S、HSO3 -、BH4 -、AlH4 -、B2H6、Ni触媒またはPd触媒
を伴うH2、Zn/H+などが包含される。しかし、特に好都
合な還元剤には、H2SおよびHSO3 -が挙げられ、そのう
ち、H2Sは、さらに好ましい。
上記還元剤のほとんどは、特に、この極性ジヒドロキ
シル化生成物がアニオン種またはカチオン種のとき、こ
の生成物の溶解を助けるために、適切な非反応性の有機
または無機非溶媒(例えば、メタノール、エタノールな
ど)と組み合わせて、使用される。共溶媒もまた、特に
は、この生成物の単離および精製を容易にする。工程
「b.」に対する還元剤および非溶媒の特に好ましい組合
せには、H2Sとメタノールとの組合せがある。
このオスミル化反応混合物中の特定の化合物の単離ま
たは精製を介在させることなく、このオスミル化反応工
程「a.」の最終時点にて、この反応混合物に直接添加す
るのに特に有用な還元剤の特定の例には、以下が包含さ
れる:(1)H2Sおよびメタノールを用いた処理;およ
び(2)HSO3 -のH2O溶液を用いた、この有機相の激しい
撹拌。このような場合には、還元は、この第一の方法で
通例起こるように、十分な速度で進行し得るか、また
は、この反応は、確実ではあるが、時には、この第二の
方法でも起こるように、著しく遅い速度で起こり得る。
それゆえ、この反応速度は、しばしば、未使用の還元剤
を沈殿させる非溶媒の存在下または非存在下にて、還元
剤の種類および配合により影響を受ける。
この還元工程「b.」中のこの反応混合物の温度は、使
用する還元剤に依存して、広範囲に変わり得る。例え
ば、この還元剤として、気体状のH2Sを使用する場合、
この温度は、代表的には、ほぼ室温で保持される。しか
し、他の還元剤を使用する場合、この温度は、約1℃〜
約100℃の範囲をとり得る。
工程「b.」の還元反応に必要な時間は、大部分は、使
用する温度、およびこの出発物質の相対的な反応性に依
存するが、好ましくは、この温度は、ほぼ室温である。
この工程「b.」の還元反応は、大気圧より上および大気
圧より下の両方の圧力にて、気体の存在下で、行うこと
ができる。しかし、最も頻繁には、この反応は、ほぼ大
気圧に等しい圧力で、行われる。
得られる生成物である、式(I)または式(II)の
β,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオ
クロリンまたはイソバクテリオクロリン化合物は、任意
の通常の方法(例えば、非溶媒で追い出すこと、沈殿さ
せること、任意の非混和性の液体で抽出すること、溶媒
のエバポレーション、またはこれらの方法または他の通
常の方法の組合せ)により、単離できる。代表的には、
式(I)または式(II)のβ,β′−ジヒドロキシ化合
物は、次いで、公知の精製方法(例えば、再結晶、種々
の形態のカラムクロマトグラフィー、非溶媒または部分
溶媒を用いた粉砕方法、向流抽出技術など)のいずれか
1つまたはそれらの組合せにより、精製できる。
典型的なオスミル化−還元を達成する一般的な方法
を、以下に示す: 約40:1のCHCl3:ピリジンの溶媒混合物に、周知量の5,
10,15,20−メソテトラフェニルポルフィリンを懸濁さ
せ、そして1.3当量のOsO4と混合する。この反応混合物
を、暗所にて、約4日間撹拌する。気体状のH2Sで数分
間パージすることにより、この反応を停止する。メタノ
ールを添加した後、沈殿した黒色のOsSを濾過により取
り除く。この濾液を乾燥するまでエバポレートし、例え
ば、シリカ/CH2Cl2−0.5%メタノールにてクロマトグラ
フィーにかけ、そしてさらに、再結晶により精製する。
式(II)の脱金属化β,β′−ジヒドロキシ化合物が
望ましい場合には、本発明の方法の間の数段階のうちの
1つにおいて、脱金属化が起こり得る。(1)以下に示
す式(IV)を有する脱金属化メソ置換ポリフィリノーゲ
ン化合物を用いて開始するか;または(2)このメソ置
換メタロポルフィリンをオスミル化し、そしてこのオス
ミル化工程「a」後、およびこの還元工程「b」前に
て、この反応混合物を構成する化合物から、金属Mを除
去するか;または(3)この還元工程「b」後にて、式
(I)のβ,β′−ジヒドロキシメソ置換化合物を脱金
属化して、式(II)の化合物を形成するか、いずれかを
行うことができる: この金属Mの存在は、一般には、このオスミル化工程
「a」または還元工程「b」のいずれかを行うのには、
必要ではない。しかしながら、多くの場合、金属イオン
を存在させることは、この反応の出発物質の溶解性を高
め、これにより、より高い濃度の反応物およびより短い
反応時間を可能にする。従って、特に、本発明の方法の
オスミル化工程「a」中に、この金属を存在させること
は、有利であると考えられている。しかしながら、この
金属に加えて、このメソ置換化合物上の他の置換基もま
た、この化合物の溶解性に著しい効果を与え、そしてそ
れゆえ、この濃度および反応時間に影響を与える場合が
あることに注目すべきである。
式(I)のβ,β′−ジヒドロキシ化合物、またはこ
のオスミル化工程「a」後の対応する化合物、またはこ
の還元工程「b」後の対応する化合物のいずれを脱金属
化しようと、その反応条件は、通常、同じまたは非常に
類似している。本目的に使用する適切な脱金属化試薬に
は、脱金属化し得るいずれかの酸であって、オキソポル
フィリンの形成を誘発しないものが挙げられる。また、
この脱金属化条件は、脱金属化する化合物上に存在する
特定の置換基と適合するように、選択すべきである。
典型的には、濃縮した鉱酸(例えば、硫酸および塩
酸)は、避けるべきである。なぜならそれらは、しばし
ば、このジオール基質を再配置/脱水して対応するオキ
ソポルフィリンを形成するのには、この化合物を脱金属
化するのと同様に、強力すぎるからである。好ましく
は、この脱金属化剤は、CH3COOH、CF3COOH、H2S、1,3−
プロパンジオール、適切な溶媒(例えば、水またはクロ
ロホルム)中の希塩酸、およびそれらの混合物からなる
群から選択される。脱金属化剤の適切な混合物の例とし
ては、以下が挙げられる:(1)希トリフルオロ酢酸、
(2)H2S、および(3)クロロホルムおよび希(5
%)塩酸水溶液から形成される3相系。
脱金属化反応は、当業者に公知であるが、さらなる情
報が、J.W.Buchler、「メタロポルフィリンの合成およ
び特性」、The Porphyrins、Vol.I、Chapter 10(297
8)から得られ得る。上記脱金属化剤は、時には、適切
な非反応性溶媒と組み合わせて、使用され得る。有用な
溶媒の例として、水;アルコール(例えば、エタノー
ル、メタノール、イソプロパノールなど);ハロアルカ
ン(例えば、塩化メチレンなど);窒素含有溶媒(例え
ば、DMF、テトラヒドロフランなど);比較的反応性の
低い芳香族化合物(例えば、ベンゼン、トルエンな
ど);およびエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジ
エチレングリコール、およびグリコールジメチルエーテ
ルが挙げられる。
この脱金属化工程にて、この反応混合物の温度は、広
く変え得るが、典型的には、約0℃〜120℃の範囲に維
持される。例えば、ある状況では、脱金属化剤として、
還流酢酸を使用し得、これにより、約118℃の温度が提
供される。しかし、この脱金属化反応は、最も好ましく
は、ほぼ室温またはそれ以下で行われる。
脱金属化に必要な時間は、使用する温度および出発物
質(特に、このポルフィリンから除去される脱金属化剤
および金属)の相対的な反応性に依存して、広く変わ
る。例えば、5%塩酸水溶液およびクロロホルムの2相
系が、亜鉛ポルフィリンを脱金属変するのに使用される
とき、その反応は、典型的には、数分で起こる。他方、
転位が望ましい場合、金属化した化合物は、強酸条件
(例えば、クロロホルム中の乾燥塩化水素ガス)に晒さ
れて、この転位が行われるか、この金属が除去される
か、またはその両方が起こり得る。
この反応は、大気圧以上または大気圧以下で行い得
る。好ましくは、この反応は、大気圧にほぼ等しい圧力
で行われる。
この脱金属化生成物を単離するには、直接的な操作
(例えば、この反応混合物の中和、いずれかの非混和性
液体を用いた抽出、シリカゲルカラム上の溶出または他
のタイプのクロマトグラフィー、非溶媒への追い出し、
沈殿または結晶化、溶媒のエバポレーション、またはこ
れらの方法または他の通常方法のいずれかの組合せ)が
使用できる。所望の脱金属化化合物を単離する好ましい
方法としては、クロマトグラフィーおよび/または結晶
化が挙げられる。この脱金属生成物をさらに精製するの
が望ましいなら、別の精製操作(例えば、再結晶、シリ
カゲルクロマトグラフィーカラムでの溶出、およびこれ
らの方法の組合せ)に供してもよい。
オレフィンのOsO4酸化の機構のために、工程「a.」お
よび工程「b.」から得られるβ,β′−ジヒドロキシ化
合物は、ビシナルジオールである。このビシナルジオー
ルを導入することにより、この分子に両親媒性が付与さ
れ、これは、部位特異的な光化学療法の生体分配におい
て、重要であると考えられている。さらに、ポルフィリ
ンをクロリンに転化すると、所望の方向において、光学
特性が変わる(テトラフェニルポルフィリン、λ
max[ベンゼン]=653nm、logε=3.80;2,3−ビシナル
−ジヒドロキシテトラフェニルクロリン、λmax[CH2Cl
2−0.1%MeOH]=644nm、logε=4.38)。このジヒドロ
キシクロリンをテトラヒドロキシバクテリオクロリンに
転化すると、この効果は、さらに顕著となる(2,3,12,1
3−テトラヒドロキシバクテリオクロリン、λmax[CH2C
l2−0.5%MeOH]=708nm、logε=4.89)。このλmax
logε値の増加は、このクロリンが、増大したQバンド
の結果として、元のポルフィリンよりも、そのスペクト
ルの赤色領域において、約4.0倍効率的に光を吸収する
ことを意味する。
さらに、本発明の化合物は、そのポルフィリン発色団
の脱水および付随する再構成に対して、驚くほど安定で
ある。例えば、現在では、望ましくない転位反応を誘発
することなく、式(I)のクロリン(ここで、MはZnで
ある)を脱金属化するには、還流条件下におけるCHCl3
中の希HClが、うまく使用できることが分かっている。
以下に示すように、対応するオキソ化合物へ特に脱水お
よび転位させるには、触媒量のHClO4もまた、添加しな
ければならない。
同様に、メソテトラフェニルクロリンを、化学量論量
のOsO4で処理し、続いて、この中間体を還元するとき、
その2,3−ビシナル−ジヒドロキシ−メソテトラフェニ
ルバクテリオクロリンが生成する。しかし、このクロリ
ンに、金属イオンとしてZn(II)を導入すると、結果が
変わり、代わりに、(2,3−ビシナル−ジヒドロキシイ
ソバクテリオクロリナト)ZnIIが得られ、これは、穏や
かな酸性条件下にて脱金属化されて、2,3−ビシナル−
ジヒドロキシイソバクテリオクロリンを生成し得る。こ
の反応順序は、その中心金属(存在するとき)の直接効
果を再び例示するために、以下に図式で示す。
この現象の理由は、よく分かっていない。クロリン化
合物の還元された二重結合が、非局在化π電子に対し経
路を誘発し、それが、正反対のピロール二重結合を「分
離する」と提案する人もいる。ここでは、攻撃によって
πエネルギーの損失が最小になり、バクテリオクロリン
化合物が選択的に形成されるので、この攻撃は、隣接す
るピロール単位における二重結合の攻撃よりも好ましい
と考えられる。金属の導入(またはこのクロリンのプロ
トン化)は、好ましいπ局在化型を変えて、ビシナルピ
ロール単位上の二重結合を「分離し」、そしてその結
果、メタロイソバクテリオクロリンが形成されると考え
られている。
本発明のβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、
バクテリオクロリンおよびイソバクテリオクロリン化合
物はまた、反応工程「a.」および「b.」にもう一度供
し、第二の対の水酸基を付加し得る。第二の対の水酸基
の相対的な位置は、多くの要因(例えば、金属の存在、
存在する金属の選択、このメソ置換基の相対的なバルク
特性および電子特性、および追加のβ,β′−置換基の
存在およびその特性)に依存する。
また、第二の対のヒドロキシ置換基を好ましい位置に
導く際には、この金属Mの役割は、特に重要である。例
えば、式(II)の脱金属化ジオールクロリンを、本発明
の方法に従って、オスミル化し、そして還元するとき、
この第二の対の水酸基は、その反対側の環のβ,β′−
位に行く。逆に、式(I)の金属化化合物を使用する場
合、例えば、Mが亜鉛の場合には、この第二の対の水酸
基は、燐酸環のβ,β′−位に付加される。この現象は
また、他の反応(例えば、Whitlockら、「ポルフィリン
のジイミド還元」、J.Am.Chem.Soc.、91、7485−89(19
69年)に記述のポルフィリンのジイミド還元;Changら、
J.Chem.Soc.、Chem.Comm.、1213−15(1986年)に記述
のオクタアルキルクロリンのOsO4酸化;Smithら、J.Am.C
hem.Soc.、107、4954−55(1985年)に記述のNiIIフェ
オホルビドのラネーニッケル触媒還元;およびPandey
ら、Tetrahedron Lett.、33、7815−18(1992年)に記
述のフェオホルビドのOsO4酸化)においても、認められ
ている。
ジオールクロリンが、β,β′−ジヒドロキシル化さ
れるとき、以下に示すように、2,3,12,13−ビス−(ビ
シナル−ジヒドロキシ)バクテリオクロリンの2種の異
性体の1:1混合物が形成される。
このポルフィリン平面の一方の側に水酸基を有する異
性体は、その極性が高いために、カラムクロマトグラフ
ィーにより、その異性体から分離可能である。この異性
体は、その分子の一方の側に全ての極性官能性を持つた
めに、顕著な両親媒性を有する。このヒドロキシバクテ
リオクロリンの吸収特性は、光力学療法の光増感剤とし
て使用するのに、「好ましい」範囲にある。
対応する亜鉛金属化ジオールクロリンが、さらに、
β,β′−ジヒドロキシル化されるとき、その結果は、
以下に示すように、テトラオールメタロイソバクテリオ
クロリンの1:3混合物である(下方の構造が、より一般
的に用いられている): 現時点では、完全には理解されていないものの、立体的
な理由から、1:1混合物からのこの逸脱が起こると考え
られている。下方の化合物(C2点群)は、ラセミ混合物
として生じるのに対して、上方の化合物(Cs点群)は、
キラルではない。
本発明のβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、
バクテリオクロリンまたはイソバクテリオクロリン化合
物はまた、酸性触媒下にて脱水されて、望ましくは、対
応する2−オキシ(メソテトラフェニル)ポルフィリン
が形成でき、それゆえ、この公知のクラスの化合物のさ
らに他の合成経路の出発点が形成される。これらの化合
物のうち、他の方法(例えば、Catalanoら、「新規多工
程シネ置換連続手順による、ニトロポルフィリンからの
2−オキシ−5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン
の効率的な合成」、J.Chem.Soc.、Chem.Comm.、1537−3
8(1984年))によって入手できるものは少ないもの
の、多くの他の化合物は、本発明のシヒドロキシル化方
法によって、調製され得る。このような化合物の特定の
例を以下に示し、包含する: (A)2−オキシ−12,13−ジヒドロ−メソ−テトラフ
ェニルポルフィリン; (B)2−オキシ−7,8−ジヒドロ−メソ−テトラフェ
ニルポルフィリン;および (C)2,12−ジオキソ−メソ−テトラフェニルポルフィ
リン。
潜在的に重要な他の合成経路としては、イソプロピリ
デンケタールの形成が挙げられ、これにより、有益なス
ペクトル特質を失うことなく、本発明の化合物の溶解
性、生体分配性および両親媒性をさらに細かく調整する
性能が付与され得る。
本発明のβ,β′−ジヒドロキシメソ−置換クロリ
ン、バクテリオクロリンおよびイソバクテリオクロリン
化合物は、光力学療法(PDT)に使用する光増感剤とし
て、および関連した光増感剤を製造するための合成中間
体として、有用である。具体的には、これらの光増感剤
は、可視光を照射することにより、新生細胞または他の
異常組織を増感して破壊する際に、有用である。光活性
化の際には、光活性化エネルギーは、内因性酸素に移さ
れると考えられており、それゆえ、それは、一重項酸素
に転化される。この一重項酸素は、観察される細胞毒性
効果の原因になると考えている人もいる。他方、この光
活性化した分子からは、直接の電子移動が存在し得る。
van Lier、Photobiological Techniques、216、85−98
(Valenzoら編、1991年)の方法は、いずれかの化合物
が一重項酸素を効果的に生成する能力を確認するのに使
用でき、それゆえ、光力学療法での使用に良好な候補に
し得る。さらに、ポルフィリンの光活性化型は、蛍光を
発し、そしてこの蛍光は、腫瘍の画像化を促進し得る。
当該技術分野で公知の典型的な適用としては、固体腫
瘍中の腫瘍組織(例えば、気管支癌、子宮癌、食堂癌ま
たは直腸癌のもの)の診断および破壊;血管中の血小板
の溶解(例えば、米国特許第4,512,672号を参照せよ;
この内容は、本明細書中で参考として援用されてい
る);局所疾患(例えば、にきび、水虫、いぼ、乳頭腫
および乾癬)の治療;および生体産物(例えば、病原菌
を排除するための輸血用の血液)の療法が挙げられる。
さらに、金属(例えば、InまたはTc)を使用すると
き、本発明の金属化した顔料化合物は、核医学での診断
用途を有する。同様に、Mが、Mn(III)またはGd(II
I)のとき、この化合物は、磁気共鳴画像化に有用であ
り得る。これらはまた、その置換型に関して可能な変動
のために、本発明の化合物を用いることにより、著しく
改良された生体分配性が達成される場合に適用できる。
本発明の化合物から製造した光増感剤は、被験体に投
与するための薬剤組成物に製剤でき、または当該技術分
野で一般に公知の技術を用いて、インビトロ標的に適用
され得る。このような薬剤組成物の要約は、例えば、Re
mington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing
Co.、Easton、PAに見出され得る。本発明の化合物は、
単独でまたは混合物の成分として、使用され得る。
一般に、固体腫瘍の診断または治療のためには、本発
明の化合物は、標識されてまたは標識なしで、例えば、
注射により、全身投与される。注射は、静脈注射、皮下
注射、筋肉内注射であり、または腹腔内注射でさえあり
得る。注射可能物は、通常の形状(液体溶液または懸濁
液のいずれか)で、注射前の液体乳の溶液または懸濁液
に適当な固体形状で、または乳濁液として、調製され得
る。適切な賦形剤には、例えば、水、生理食塩水、デキ
ストロース、グリセロールなどがある。もちろん、これ
らの組成物はまた、少量の非毒性な補助物質(例えば、
湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など)を含有していても
よい。
全身的な投与は、座剤により、または適当に製剤され
る場合、経口的に、緩慢放出系または保持放出系を移植
することによって、実施され得る。これらの投与様式の
ための製剤は、当該技術分野で周知であり、このような
方法の要約は、例えば、Remington's Pharmaceutical S
ciences(上記)に見出され得る。
例えば、表在腫瘍または皮膚疾患の治療のために、治
療を局所的にする場合は、この化合物は、標準的な局所
組成(例えば、ローション、懸濁液またはペースト)を
用いて、局所投与され得る。
投与する光増感剤化合物の量は、活性成分の選択、治
療すべき疾患、投与様式、個々の被験体、および医師の
判断に依存する。この調製物の特殊性に依存して、小用
量または大用量が必要になり得る。標的組織に特異性が
高い組成物(例えば、特異的なモノクローナル免疫グロ
ブリン調製物または特異的なレセプターリガンドを有す
るもの)に対しては、0.05mg/kg〜1mg/kgの範囲の投与
量が提示される。標的組織に特異性が低い組成物に対し
ては、1mg/kg〜10mg/kgまでのより高い用量が必要にな
り得る場合がある。個々の治療レジメに関連した変数は
大きく、そしてこれらの推奨値からのかなりの逸脱は珍
しくないので、前述の範囲は、単に提示したものにすぎ
ない。
インビボ用途に加えて、本発明の中間体化合物から製
造した化合物は、有害なウイルスまたは他の病原菌を破
壊するために、インビトロでの物質の治療に使用され得
る。例えば、輸血に使用されるかまたは将来の輸血用に
血液銀行に貯蔵されている血漿または血液は、本発明の
化合物で処理され得、そして無菌化を行うために光照射
され得る。さらに、生体液から調製される生体産物(例
えば、第VIII因子)は、不純物を破壊するために、本発
明の化合物の存在下にて、光照射され得る。
さらに、その4個のメソ位のS1からS4の基は、同一ま
たは異なり得るか、または対称的または非対称的のいず
れかの様式で置換され得るので、本発明の化合物は、そ
れを光力学療法の必要な被験体に投与したとき、所望の
組合せの生体効果が得られるように、「細かく調整」し
得る。具体的な例としては、本発明の化合物の溶解性、
生体分配性および/または両親媒性を「細かく調整す
る」には、対応するイソプロピリデンケタールが形成さ
れ得る。さらに、本発明は、比較的に副生成物または異
性体不純物が少ない効率的な様式で、このような誘導体
化合物を合成する方法を提供する。
本発明は、以下の実施例により、さらに明確になり、
これらの実施例は、本発明を純粋に例示することを意図
している。
実施例1:3,4−ジヒドロキシ−5,10,15,20−テトラフェ
ニルクロリンを製造するためのテトラフェニルポルフィ
リンのβ,β′−ジヒドロキシル化 5,10,15,20−メソテトラフェニルポルフィリン1.00g
(1.63×10-3mol)を、新たに蒸留したエタノール安定
化CHCl3(200ml)に懸濁させた。得られた混合物を、新
たに蒸留したピリジン5.0mlおよびOsO4(540mg、2.12×
10-3mol、1.3当量)で処理した。その反応フラスコにス
トッパーを付け、そして暗所にて4日間、室温で撹拌し
た。5分間にわたって、気体状H2Sでパージすることに
より、この反応を停止した。
メタノール20mlの添加に続いて、沈殿した黒色のOsS
を、ケイソウ土(セライトの商品名で市販されている)
によって濾別した。この濾液を、乾燥するまでエバポレ
ートし、そしてその残渣を、シリカゲルカラム(200g、
280メッシュ〜400メッシュ)に充填し、そして1,1−ジ
クロロメタンで溶出して、未反応の出発物質(400mg、4
0%)を除去した。所望のβ,β′−ジヒドロキシクロ
リン生成物(520mg、8.02×10-4mol、収率49%)を溶出
するために、1,1−ジクロロメタン中の1.5%メタノール
の混合物を使用した。最後に、ジクロロメタン中の5.0
%メタノールで、テトラヒドロキシバクテリオクロリン
の未精製混合物(40mg、3.5%)を溶出した。所望の
β,β′−ジヒドロキシクロリンを、CHCl3/メタノール
で再結晶した(融点>350℃)。このβ,β′−ジヒド
ロキシクロリンのUV−可視スペクトルは、クロリンに典
型的であり、図1に示す。
RF=0.68(シリカゲル,CH2Cl2/1.5% メタノール);1 H NMR(400MHz,CDCl3)δ=−1.78(br s,2H,NH);3.1
4(s,2H,OH,D2Oと交換可能);6.36(s,2H,ピロリン−
H);7.68−7.80(m,12H,フェニル−(m,p)−H);7.9
2(d,J=8.5Hz,2H,フェニル−H);8.09(br s,4H,o−
フェニル−H);8.15(d,J=8.5Hz,2H,o−フェニル−
H);8.33(d,J=7.9Hz,2H,β′−H);8.48(s,2H,β
−H);8.63(d,J=7.9Hz,2H,β″−H);13 H NMR(125MHz,CDCl3)δ=73.9、113.2、123.1、12
4.2、126.7、127.5、127.7,127.9,128.1,132.2,132.7,1
33.9,134.1,135.5,140.6,141.2,141.8,153.2,161.4; UV−Vis(CH2Cl2−0.1%MeOH):λ[nm](logε)408
(5.27),518(4.19),544(4.19),592(3.85),644
(4.38);蛍光(649nm)(励起波長(408nm),1.10x10
-6M(CH2Cl2); LR−MS(EI,300℃)m/e(%):648(0.5,M+);646(0.
9、M+−2H);630(100,M+−H2O),614(42.7); HR−MS(EI,250℃):計算値:C44H32N4O2:648.2525;実
測値:648.2525;元素分析の計算値:C44H32N4O21/2H2O:C,
80.34;H,5.06;およびN,8.52; 実測値:C,80.26;H,4.93;およびN,8.46. 実施例2:3,4−ジヒドロキシ−5,10,15,20−テトラフェ
ニルクロリナト亜鉛(II)を製造するためのテトラフェ
ニルポルフィリンのβ,β′−ジヒドロキシル化 上記実施例1の化合物と類似の亜鉛金属化化合物の調
製は、金属化出発化合物である5,10,15,20−メソ−テト
ラフェニルポルフィリナト亜鉛(I)の高い溶解性に適
合させたこと以外は、実施例1の方法に基づいて行う。
この出発化合物520mg(7.37×10-4mol)を、新たに蒸留
したエタノール安定化CHCl3(20ml)に溶解し、そして
新たに蒸留したピリジン5.0mlおよびOsO4(225mg、8.84
×10-4mol、1.2当量)で処理した。その反応フラスコに
ストッパーを付け、そして暗所にて14時間、室温で撹拌
した。5分間にわたって、気体H2Sでパージすることに
より、この反応を停止した。メタノール3mlの添加に続
いて、沈殿した黒色のOsSを、ケイソウ土パッド(セラ
イトの商品名で市販されている)によって濾別した。こ
の濾液を、乾燥するまでエバポレートし、そして得られ
た残留物を、シリカゲルカラム(100g、280メッシュ〜4
00メッシュ)に充填し、そしてまず、ジクロロメタンで
溶出して、未反応の出発物質(55mg、11%)を除去し
た。所望のβ,β′−ジヒドロキシメタロクロリン生成
物(380mg、5.34×10-4mol、収率72%)を溶出するため
に、ジクロロメタン中の0.5%メタノールの混合物を使
用した。所望のβ,β′−ジヒドロキシメタロクロリン
を、CHCl3/メタノールで再結晶した(融点>350℃)。
このβ,β′−ジヒドロキシメタロクロリンのUV−可視
スペクトルは、メタロクロリンに典型的であり、図1に
示す。
RF=0.62(シリカゲル,CH2Cl2の15%メタノール;1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=5.30(s,2H,OH,D2Oと交換
可能);6.12(s,2H,ピロリジン−H);7.55−7.72(m,1
2H,フェニル−H);7.81(dd,J=1.4,7.5Hz,2H,フェニ
ル−H);7.97−8.06(m,4H,フェニル−H);8.08(d,J
=4.5Hz,2H,β−H),8.10−8.15(br m,2H,フェニル−
H);8.37(s,2H,β−H);8.48(d,J=4.5Hz,2H,β−
H);13 H NMR(75MHz,CDCl3):δ=50.633,126.482,126.58
5,126.629,127.226,127.351,127.479,127.684,127.766,
127.815,129.307,132.114,132.523,133.628,133.680,13
3.789,141.729,142.573,146.516,148.038,154.217,156.
279; UV−Vis(CH2Cl2−0.1%MeOH):λ[nm](logε)418
(5.41),614(4.71);蛍光(620nm)(励起波長(418
nm),1.18x10-6M(CH2Cl2中); LR−MS(+FAB,3−NBA)m/e(%):710(29.2,M+);693
(7.0、M+−OH);676(3.7,M+−2OH); HR−MS(+FAB,3−NBA):計算値:C44H33N4O2Zn:710.16
602;実測値:710.16595;元素分析の計算値:C44H30N4O2Zn
1/2H2O1/2C5H5N:C,73.42;H,44.44;およびN,8.29; 実測値:C,73.50;H,4.25;およびN,7.87. 実施例3:水溶性クロリン、2,3−ジヒドロキシ−5,10,1
5,20−テトラ(4−ピリジル)クロリナト亜鉛(II)の
合成 実施例2の一般方法と類似の様式で、実施例3の生成
物を調製した。
RF=0.12(シリカゲル,CH2Cl2/10.0%MeOH/2.0%ピリジ
ン); UV−Vis(CH2Cl2):λmax=408(sh),424(ソーレー
帯),526,570,598,629nm; MS(+FAB,チオグリセロール)m/e(%):715(56,M+
H),697(27,M++H−H2O); MS(+FAB,チオグリセロール)計算値:C40H26N802Zn:71
4.14702,実測値:714.15401. 実施例4:シス−2,3−ジヒドロキシ−5,10,15,20−テト
ラフェニルバクテリオクロリンの調製 実施例1の一般方法に従って、上記化合物を調製し
た。そのようにして、テトラフェニルポルフィリンを、
2日間にわたって、1.22当量のOsO4で酸化した。この酸
化反応をH2Sで停止し、その生成物を、クロマトグラフ
ィーで精製した。
収率:53%。
RF=0.78(シリカゲル,2.5%MeOH/CH2Cl2); 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=−1.58(s,2H,NH);3.00
(s,2H,OH);3.94−4.21(m,4H,ピロリン−2,3−H);
6.13(s,2H,ピロリン−12,13−H);7.58−7.73(m,12
H,フェニルA,B−(m,p)−H);7.79(br tr,J=6.8Hz,
4H,フェニル−o−H);7.86(br d,J=4.4Hz,2H,フ
ェニル−o−H);7.97(dd,J=4.8,2Hz,2H,フェニル
−o′−H);8.13(2つの重なっているd−2次,4
H,(β′,β″)−H); UV−Vis(CH2Cl2−0.5%MeOH):λ[nm](logε)378
(4.96),524(4.49),724(4.71); LR−MS(+FAB,3−NBA)m/e(%):650(100,M+),633
(19.2、M+−OH). HR−MS(+FAB,3−NBA):計算値:C44H34N4O2:650.2681
8;実測値:650.27118. 実施例5:2種の異性体テトラヒドロキシテトラフェニル
バクテリオクロリン、2R、3S、12R、13S−テトラヒドロ
キシ−5,10,15−20−テトラフェニルバクテリオクロリ
ンおよび2R、3S、12S、12R−テトラヒドロキシ−5,10,1
5−20−テトラフェニルバテリオクロリンの調製 上記出発化合物100mg(1.54×10-4)を、10%ピリジ
ンを含む最小量(約4ml)のCHCl3に溶解した。OsO4(51
mg、1.3当量)を添加し、そして644nmのクロリンのピー
クが708nmのバクテリオクロリンのピークで大きく置き
換えられるまで(16時間)、ストッパーを付けた溶液を
室温で撹拌した。この反応混合物に気体H2Sを泡立たせ
ることにより、この酸化反応を停止した。この溶液を濾
過して、得られた沈殿物を除去した後、この濾液から、
エバポレーションにより、その溶媒を除去した。得られ
た混合物を、用意したTLC板(シリカゲル、2mm、溶出液
としてCH2Cl2中の5%MeOH、2個展開)上で分離した。
紫がかった出発化合物は、前方の溶媒とほとんど同時
に、素早く移動し、これに対して、暗桃色のバクテリオ
クロリンがそれに続く: E−異性体:Rf(シリカゲル、CH2Cl2中の5%MeOH) =0.51 Z−異性体:Rf(シリカゲル、CH2Cl2中の5%MeOH) =0.30 CH2Cl2/ヘキサン中での単離および再結晶後、合計した
収率は、40%であった。2個の異性体は、1:1の比(各2
1mg)で生じた。
この2個の異性体の対称群、C2vおよびC2hは、それぞ
れ、NMR、UV−可視またはMSに基づいた区別ができず、
それらのクロマトグラフィー挙動に基づいて、このE−
異性体構造またはZ−異性体構造を個々のバクテリオク
ロリンに一時的にアサインした。このポルフィリン平面
の同じ側に、両方の組のヒドロキシ官能性を有する化合
物(「Z関係」)は、2組のヒドロキシ官能性が「E関
係」にある場合よりも、極性が高いと推測した。
E−異性体: RF=0.51(シリカゲル,CH2Cl2/5.0%MeOH); 1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=−1.65(s,2H,N
H);4.99(d,J=4.9Hz,4H,OH);5.87(d,J=4.9Hz,4H,
ピロリジン−H);7.6(br m,12H,フェニルm−,p−
H);7.86(br(s),4H,β−H);7.96(d,J=1.8Hz,8
H,フェニル−o−H); 13C NMR(75MHz,DMSO−d6):δ=73.112、115.631,1
22.879,127.100、131.537,133.852,136.223,141.217,16
0,067; UV−Vis(CH2Cl2−0.5%MeOH):λ[nm](logε)3
76(5.42),528(5.08,708(4.89); LR−MS(+FAB,3−NBA)m/e(%):682(100,M+),66
5(31.1,M+−OH),648(5.8,M+−2OH),613(6.4,M+−4
OH −H); HR−MS(+FAB,3−NBA)計算値:C44H34N4O4:682.258?
?、実測値:682.25470. Z−異性体: RF=0.30(シリカゲル,CH2Cl2/5.0%MeOH); 1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=−1.75(s,2H,N
H);5.05(br s,4H,OH);5.95(s,4H,ピロリジン−
H);7.65(br s,12H,フェニル−p,−m−H);7.93(b
r s,4H,β−H);8.09(s,8H,フェニル−o−H); UV−Vis(CH2Cl2−0.5%MeOH):λ[nm](logε)3
76(5.42),528(5.08),708(4.89); LR−MS(+FAB,3−NBA)m/e(%):682(19.4,M+);6
65(7.4,M+−OH);649(9.4);648(7.5,M+−2OH);613
(1.5,M+−4OH −H). HR−MS(+FAB,3−NBA)計算値:C44H34N4O4:682.2579
7,実測値:682.25518; 実施例6:β−オキソ−テトラフェニルポルフィリン(化
合物3)およびβ−オキソ−テトラフェニルメタロポル
フィリン(Zn−3)を形成するためのピナコール型転位 化合物3:2−オキシ−5,10,15,20−テトラフェニルポル
フィリン 出発物質である3,4−ジヒドロキシ−5,10,15,20−テ
トラフェニルクロリン(化合物2)100mg(1.54×10-4m
ol)を、CH2Cl2(10ml)に溶解し、そしてHClO4(3
滴、70%水溶液)を添加した。この混合物を3分間還流
した。この反応の完結は、約3分間後、Et3Nで中和した
アリコートのUV−可視スペクトルにおいて、520nmの鋭
いピークにより、示された。得られた明緑色の混合物を
冷却し、NH3水溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、乾
燥するまでエバポレートし、そして溶出液としてCH2Cl2
を用いたシリカ(10g、280メッシュ〜400メッシュ)に
てクロマトグラフィーにかけた。この生成物である化合
物3を、CH2Cl2/ヘキサンから結晶化した。収率:92mg
(95%)。
他方、その亜鉛クロリンであるZn−2を、出発化合物
として使用した。脱水条件下(濃HClO4を1滴用いたCHC
l3の還流)にて、この生成物を脱金属化すると、化合物
3が得られた。Ni−2またはCu−2のような、酸で不安
定化することの少ない化合物2の錯体は、付随する脱金
属化を起こすことなく、これらの条件下にて、脱水され
た。それほど過酷でない条件下(室温にて、濃HClを1
滴含むCHCl3)では、脱水することなく、Zn−2が脱金
属化された。
Zn−3:(2−オキシ−5,10,15,20−テトラフェニル−ポ
ルフィリナト亜鉛(II)) 化合物3を、ピリジン/CHCl3中にて、Zn(II)−酢酸
塩で金属化して、Zn−3を形成した。
β−オキソポルフィリン(化合物3)およびβ−オキ
ソメタロポルフィリン(Zn−3)は、Crossleyら、J.Or
g.Chem.53:1132−37(1988年)に記述の化合物と同じで
あることが分かった。
実施例7:イソプロピリデンアセタール [2,3−ビシナル−ジヒドロキシ−テトラフェニル−
ポルフィリナト]Zn(II)20mgを、新たに溶解したZnCl
2(100mg)と共に、乾燥アセトン10ml中にて、20分間に
わたり還流した。乾燥するまでエバポレートし、そして
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/CH2Cl2)にか
けると、[(2,2−ジ−O−イソプロピリデン)−5,10,
15,20−テトラフェニルクロリナト]亜鉛(II)12.5mg
(60%)が得られた。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=0.61(s,3H,CH3−a);1.3
7(s,3H,CH3−b);6.46(s,2H,ピロリン−H);7.55−
7.76(m,12H,フェニルA,B−(m,p)−H);8.05(dd,J
=8.0,2.1Hz,4H,フェニル−o);8.12(かくれたm,4H,
フェニル−o);8.16(d,J=6.0Hz,4H,β″−H);8.41
(s,2H,β−H);8.53(d,J=6.0Hz,2H,β′−H); UV−Vis(CH2Cl2):λ=418(Soret),520,564,594(s
h),612nm; LR−MS(+FAB,3−NBA)m/e(%)=750(11,M+);693
(23,M+−C3H6O); HR−MS(+FAB,3−NBA))m/e計算値:C47H34N4O2Zn:75
0.19732,実測値:750.19422.
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07F 5/00 C07F 5/00 D H J 5/06 5/06 E 7/10 7/10 U 7/22 7/22 U 7/30 7/30 Z 13/00 13/00 A 15/04 15/04 (72)発明者 ブラックナー, クリスチャン カナダ国 ブイ6ジェイ 2イー7 ブ リティッシュ コロンビア,バンクーバ ー, ウエスト 12ティーエイチ アベ ニュー 1865 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/22 A61K 31/40 C07F 1/08 C07F 3/06 C07F 5/00 C07F 5/06 C07F 7/10 C07F 7/22 C07F 7/30 C07F 13/00 C07F 15/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (51)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)、(I′)、(II)、または(I
    I′)を有するβ,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリ
    ン、バクテリオクロリンまたはイソバクテリオクロリン
    化合物: 【化1】 ここで、Mは、Ni(II)、Cu(II)、Zn、Sn、Ge、Si、
    Ga、Al、Mn(III)、Gd(III)、InおよびTcからなる群
    から選択される金属であり; 式(I)においてAは、以下の構造を有する環であり: 【化2】 式(I′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化3】 式(II)においてAは、以下の構造を有する環であり: 【化4】 式(II′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化5】 式(I)および(II)においてDは、以下の構造を有す
    る環であり: 【化6】 式(I′)および(II′)においてDは、以下の構造を
    有する環であり: 【化7】 R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
    ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
    たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
    環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、置換ま
    たは非置換シクロアルキル基、あるいは置換または非置
    換芳香環であり、これらは、同一または異なっていても
    よいが、但し、S1からS4の少なくとも1個は、Hではな
    い。
  2. 【請求項2】MがZnである、式(I)を有する請求項1
    に記載の化合物。
  3. 【請求項3】式(II)を有する、請求項1に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】Aが、以下の構造を有する環であり: 【化8】 または、Dが以下の構造: 【化9】 を有する環である、請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1からR6が、独立して、水素、メチル、エ
    チル、または低級アルキルエステルである、請求項1に
    記載の化合物。
  6. 【請求項6】S1からS4が、フェニル、ナフチル、ピリジ
    ニル、および低級N−アルキルピリジニウム塩からなる
    群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】S1からS4の少なくとも1個が、以下の構造
    を有する、請求項1に記載の化合物: 【化10】 ここで、X、X′、Y、Y′およびZは、独立して、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロ
    キシ、カルボン酸またはその酸塩、カルボン酸エステ
    ル、スルホン酸またはその酸塩、スルホン酸エステル、
    置換または非置換アミノ、シアノ、ニトロ、あるいは生
    理活性基であり、そしてZ′は、水素または低級アルキ
    ルである。
  8. 【請求項8】X、X′、Y、Y′およびZが、水素、メ
    チル、エチル、t−ブチル、メトキシ、ヒドロキシ、O
    R、フルオロ、クロロ、ヨード、ブロモ、−C(O)−O
    CH3、シアノ、ニトロ、または生物学的レセプターに特
    異的なリガンドからなる群から選択され、ここでRが、
    6個〜18個の炭素原子を有するアルキル基または脂肪酸
    基である、請求項7に記載の化合物。
  9. 【請求項9】X、X′、YおよびY′が、それぞれ、水
    素であり、そしてZが、水素、ハロゲン、低級アルキ
    ル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボン酸またはそ
    の酸塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、ス
    ルホン酸またはその酸塩、ニトロ、アミノ、シアノ、お
    よび生理活性基からなる群から選択される、請求項7に
    記載の化合物。
  10. 【請求項10】X、X′、Y、Y′およびZの少なくと
    も1個が、生理活性基、またはこの分子の両親媒性を高
    める置換基である、請求項7に記載の化合物。
  11. 【請求項11】S1からS4のそれぞれが、フェニル、ピリ
    ジニル、および低級N−アルキルピリジニウム塩からな
    る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】S1からS4が、同一である、請求項11に記
    載の化合物。
  13. 【請求項13】下式(I)または(I′)を有するβ,
    β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロ
    リンまたはイソバクテリオクロリンの合成方法であっ
    て: 【化11】 ここで、Mは、Ni(II)、Cu(II)、Zn、Sn、Ge、Si、
    Ga、Al、Mn(III)、Gd(III)、InおよびTcからなる群
    から選択される金属であり; 式(I)においてAは、以下の構造を有する環であり: 【化12】 式(I′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化13】 式(I)においてDは、以下の構造を有する環であり: 【化14】 式(I′)においてDは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化15】 R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
    ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
    たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
    環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、置換ま
    たは非置換シクロアルキル基、あるいは置換または非置
    換芳香環であり、これらは、同一または異なっていても
    よいが、但し、S1からS4の少なくとも1個は、Hではな
    い; 以下の工程を包含する、方法: a.下式(III)または(III′)を有するメソ置換メタロ
    ポルフィリンをオスミル化して、そのβ,β′−位に
    て、オスミウム酸エステルを形成する工程; 【化16】 および、 b.該オスミウム酸エステルを還元して、式(I)または
    (I′)の対応する該β,β′−ジヒドロキシメソ置換
    クロリンまたはバクテリオクロリンを形成する工程。
  14. 【請求項14】Mが、Znである、請求項13に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】Aが、以下の構造を有する環であり: 【化17】 または、Dが、以下の構造: 【化18】 を有する環である、請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】R1からR6が、独立して、水素、メチル、
    エチルまたは低級アルキルエステルである、請求項13に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】S1からS4の少なくとも1個が、以下の構
    造を有する、請求項13に記載の方法: 【化19】 ここで、X、X′、Y、Y′およびZは、独立して、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロ
    キシ、カルボン酸またはその酸塩、カルボン酸エステ
    ル、スルホン酸またはその酸塩、スルホン酸エステル、
    置換または非置換アミノ、シアノ、ニトロ、あるいは生
    理活性基であり、そしてZ′は、水素または低級アルキ
    ルである。
  18. 【請求項18】X、X′、Y、Y′およびZの少なくと
    も1個が、生理活性基、またはこの分子の両親媒性を高
    める基である、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記オスミル化工程「a.」が、塩基の存
    在下にて、式(III)の前記メソ置換メタロポルフィリ
    ンを、少なくとも1当量のOsO4で処理する工程を包含す
    る、請求項13に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記オスミル化工程「a.」において、式
    (III)の前記メソ置換メタロポルフィリンが、約10時
    間〜約5日間の時間にわたって、前記OsO4と反応させら
    れる、請求項13に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記オスミル化工程「a.」が、暗所に
    て、室温で起こる、請求項13に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記還元工程が、H2SO3およびH2Sからな
    る群から選択される還元剤で前記オスミウム酸エステル
    を処理する工程を包含する、請求項13に記載の方法。
  23. 【請求項23】下式(II)または(II′)を有するβ,
    β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロ
    リンまたはイソバクテリオクロリンの合成方法であっ
    て: 【化20】 ここで、式(II)においてAは、以下の構造を有する環
    であり: 【化21】 式(II′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化22】 式(II)においてDは、以下の構造を有する環であり: 【化23】 式(II′)においてDは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化24】 R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
    ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
    たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
    環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、置換ま
    たは非置換シクロアルキル基、あるいは置換または非置
    換芳香環であり、これらは、同一または異なっていても
    よいが、但し、S1からS4の少なくとも1個は、Hではな
    い; 以下の工程を包含する、方法: a.下式(III)または(III′)を有するメソ置換メタロ
    ポルフィリンをオスミル化して、そのβ,β′−位に
    て、オスミウム酸エステルを形成する工程: 【化25】 ここで、Mは、Ni(II)、Cu(II)、Zn、Sn、Ge、Si、
    Ga、Al、Mn(III)、Gd(III)、InおよびTcからなる群
    から選択される金属である; b.該オスミウム酸エステルを還元して、式(I)または
    (I′)の対応する該β,β′−ジヒドロキシメソ置換
    クロリンまたはバクテリオクロリンを形成する工程: 【化26】 および、 c.該還元工程後、式(I)または(I′)の該β,β′
    −ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロリン
    またはイソバクテリオクロリンを脱金属化して、式(I
    I)または(II′)の該脱金属化したβ,β′−ジヒド
    ロキシメソ置換クロリンを形成する工程。
  24. 【請求項24】Mが、Znである、請求項23に記載の方
    法。
  25. 【請求項25】Aが、以下の構造を有する環であり: 【化27】 または、Dが、以下の構造: 【化28】 を有する環である、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】R1からR6が、独立して、水素、メチル、
    エチルまたは低級アルキルエステルである、請求項23に
    記載の方法。
  27. 【請求項27】S1からS4の少なくとも1個が、以下の構
    造を有する、請求項23に記載の方法: 【化29】 ここで、X、X′、Y、Y′およびZは、独立して、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロ
    キシ、カルボン酸またはその酸塩、カルボン酸エステ
    ル、スルホン酸またはその酸塩、スルホン酸エステル、
    置換または非置換アミノ、シアノ、ニトロ、あるいは生
    理活性基であり、そしてZ′は、水素または低級アルキ
    ルである。
  28. 【請求項28】X、X′、Y、Y′およびZの少なくと
    も1個が、生理活性基、またはこの分子の両親媒性を高
    める基である、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記オスミル化工程「a.」が、塩基の存
    在下にて、式(III)の前記メソ置換ポルフィリンを、
    少なくとも1当量のOsO4で処理する工程を包含する、請
    求項23に記載の方法。
  30. 【請求項30】前記オスミル化工程「a.」において、式
    (III)の前記メソ置換ポルフィリンが、約10時間〜約
    5日間の時間にわたって、前記OsO4と反応させられる、
    請求項23に記載の方法。
  31. 【請求項31】前記オスミル化工程「a.」が、暗所に
    て、室温で起こる、請求項23に記載の方法。
  32. 【請求項32】前記還元工程が、H2SO3およびH2Sからな
    る群から選択される還元剤で前記オスミウム酸エステル
    を処理する工程を包含する、請求項23に記載の方法。
  33. 【請求項33】前記脱金属化工程において、式(I)の
    前記メソ置換メタロポルフィリンが、CH3COOH、CF3COO
    H、H2SO4、HCl、H2S、1,3−プロパンジチオール、およ
    びそれらの混合物からなる群から選択される脱金属化剤
    で処理される、請求項23に記載の方法。
  34. 【請求項34】下式(II)または(II′)を有するβ,
    β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロ
    リンまたはイソバクテリオクロリンの合成方法であっ
    て: 【化30】 ここで、式(II)においてAは、以下の構造を有する環
    であり: 【化31】 式(II′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化32】 式(II)においてDは、以下の構造を有する環であり: 【化33】 式(II′)においてDは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化34】 R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
    ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
    たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
    環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、置換ま
    たは非置換シクロアルキル基、あるいは置換または非置
    換芳香環であり、これらは、同一または異なっていても
    よいが、但し、S1からS4の少なくとも1個は、Hではな
    い; 以下の工程を包含する、方法: a.下式(III)または(III′)を有するメソ置換メタロ
    ポルフィリンをオスミル化して、そのβ,β′−位に
    て、オスミウム酸エステルを形成する工程: 【化35】 ここで、Mは、Ni(II)、Cu(II)、Zn、Sn、Ge、Si、
    Ga、Al、Mn(III)、Gd(III)、InおよびTcからなる群
    から選択される金属である; b.該金属化したオスミウム酸エステルを脱金属化して、
    対応する該β,β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、
    バクテリオクロリンまたはイソバクテリオクロリンのオ
    スミウム酸エステルを形成する工程;および c.該脱金属化したオスミウム酸エステルを還元して、式
    (II)または(II′)の該脱金属化したβ,β′−ジヒ
    ドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロリンまたは
    イソバクテリオクロリンを形成する工程。
  35. 【請求項35】Mが、Znである、請求項34に記載の方
    法。
  36. 【請求項36】Aが、以下の構造を有する環であり: 【化36】 または、Dが、以下の構造: 【化37】 を有する環である、請求項34に記載の方法:
  37. 【請求項37】R1からR6が、独立して、水素、メチル、
    エチルまたは低級アルキルエステルである、請求項34に
    記載の方法。
  38. 【請求項38】S1からS4の少なくとも1個が、以下の構
    造を有する、請求項34に記載の方法: 【化38】 ここで、X、X′、Y、Y′およびZは、独立して、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロ
    キシ、カルボン酸またはその酸塩、カルボン酸エステ
    ル、スルホン酸またはその酸塩、スルホン酸エステル、
    置換または非置換アミノ、シアノ、ニトロ、あるいは生
    理活性基であり、そしてZ′は、水素または低級アルキ
    ルである。
  39. 【請求項39】X、X′、Y、Y′およびZの少なくと
    も1個が、生理活性基、またはこの分子の両親媒性を高
    める基である、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】前記オスミル化工程「a.」が、塩基の存
    在下にて、式(III)の前記メソ置換ポルフィリンを、
    少なくとも1当量のOsO4で処理する工程を包含する、請
    求項34に記載の方法。
  41. 【請求項41】前記オスミル化工程「a.」において、式
    (III)の前記メソ置換ポルフィリンが、約10時間〜約
    5日間の時間にわたって、前記OsO4と反応させられる、
    請求項34に記載の方法。
  42. 【請求項42】前記オスミル化工程「a.」が、暗所に
    て、室温で起こる、請求項34に記載の方法。
  43. 【請求項43】前記還元工程が、H2SO3およびH2Sからな
    る群から選択される還元剤で前記オスミウム酸エステル
    を処理する工程を包含する、請求項34に記載の方法。
  44. 【請求項44】前記脱金属化工程において、式(I)の
    前記メソ置換メタロポルフィリンが、CH3COOH、CF3COO
    H、H2SO4、HCl、H2S、1,3−プロパンジチオール、およ
    びそれらの混合物からなる群から選択される脱金属化剤
    で処理される、請求項34に記載の方法。
  45. 【請求項45】式(II)または(II′)を有するβ,
    β′−ジヒドロキシメソ置換クロリン、バクテリオクロ
    リンまたはイソバクテリオクロリンの合成方法であっ
    て: 【化39】 ここで、式(II)においてAは、以下の構造を有する環
    であり: 【化40】 式(II′)においてAは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化41】 式(II)においてDは、以下の構造を有する環であり: 【化42】 式(II′)においてDは、以下の構造を有する環であ
    り: 【化43】 R1からR6は、独立して、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルキルカルボン酸または酸エステル基、ケト、ヒド
    ロキシ、ニトロ、アミノ、あるいは他の環、環置換基ま
    たはメソ置換基と一緒になって、縮合5員環または6員
    環を形成する基であり;そして S1からS4は、H、置換または非置換アルキル基、置換ま
    たは非置換シクロアルキル基、あるいは置換または非置
    換芳香環であり、これらは、同一または異なっていても
    よいが、但し、S1からS4の少なくとも1個は、Hではな
    い; 以下の工程を包含する、方法: a.式(IV)または(IV′)を有するメソ置換ポルフィリ
    ノーゲン化合物をオスミル化して、そのβ,β′−位に
    て、オスミウム酸エステルを形成する工程: 【化44】 および、 b.該オスミウム酸エステルを還元して、式(II)または
    (II′)の対応する該β,β′−ジヒドロキシメソ置換
    クロリン、バクテリオクロリンまたはイソバクテリオク
    ロリン化合物を形成する工程。
  46. 【請求項46】R1からR6が、独立して、水素、メチル、
    エチルまたは低級アルキルエステルである、請求項45に
    記載の方法。
  47. 【請求項47】S1からS4の少なくとも1個が、以下の構
    造を有する、請求項45に記載の方法: 【化45】 ここで、X、X′、Y、Y′およびZは、独立して、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロ
    キシ、カルボン酸またはその酸塩、カルボン酸エステ
    ル、スルホン酸またはその酸塩、スルホン酸エステル、
    置換または非置換アミノ、シアノ、ニトロ、生理活性
    基、あるいはその分子の両親媒性を高める基である。
  48. 【請求項48】前記オスミル化工程「a.」が、塩基の存
    在下にて、式(IV)の前記メソ置換ポルフィリノーゲン
    化合物を、少なくとも1当量のOsO4で処理する工程を包
    含する、請求項45に記載の方法。
  49. 【請求項49】前記オスミル化工程「a.」において、式
    (IV)の前記メソ置換ポルフィリノーゲン化合物が、約
    10時間〜約5日間の時間にわたって、前記OsO4と反応さ
    せられる、請求項45に記載の方法。
  50. 【請求項50】前記オスミル化工程「a.」が、暗所に
    て、室温で起こる、請求項45に記載の方法。
  51. 【請求項51】前記還元工程が、H2SO3およびH2Sからな
    る群から選択される還元剤で前記オスミウム酸エステル
    を処理する工程を包含する、請求項45に記載の方法。
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