JP3227921B2 - エステルからなる油分を含んだ排水の処理装置およびその処理方法 - Google Patents

エステルからなる油分を含んだ排水の処理装置およびその処理方法

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JP3227921B2 JP19581793A JP19581793A JP3227921B2 JP 3227921 B2 JP3227921 B2 JP 3227921B2 JP 19581793 A JP19581793 A JP 19581793A JP 19581793 A JP19581793 A JP 19581793A JP 3227921 B2 JP3227921 B2 JP 3227921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環境に放出されるべき
産業排水に含まれるエステルからなる油分を水から吸着
分離し、さらに加水分解してそれぞれ水溶性のアルコー
ルと酸として吸着材から分離して処理することによるエ
ステルからなる油分を含んだ排水の処理装置およびその
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学工学便覧,第11章,改定四版,丸
善株式会社,昭和53年は、以下のことを記載する。分
子構造内にP−O結合を持つ、燐酸−アルキルエステル
類,ホスホン酸−アルキルエステル類,ホスフィン酸ア
ルキルエステル類等は陽イオン交換機能があり、水溶液
から金属の抽出分離に利用される。燐酸−アルキルエス
テルの一種である燐酸トリブチルはウランの精製,使用
済燃料の再処理等において重金属イオンを水溶液から分
離する目的で抽出溶媒として広く実用されている。
【0003】ワイ・ノジマ,他,オペレーショナル エ
ックスペリエンス イン ザ ロウレベルリキュイド
ウエースト トリートメント アッツ トーカイ リプ
ロセシング プラント、プロシーディングス オブ フ
ューエル リプロセシングアンド ウェスト マネージ
メント,1984年8月26日−29日,第1巻,50
5−515頁(Y. Nojima, et al, Operational Experie
nce in the LowLevel Liquid Waste Treatment at Toka
i Reprocessing Plant, Proceedings ofFuel Reprocess
ing and Waste Management,August 26−29 198
4, Vol.1 pp.505−515)は、次のことを
記述する。燐酸トリブチルの常温の水に対する溶解度は
約400mg/lであり、また、蒸発缶では水の蒸気にと
もなって留出するため、これらの産業における排水には
燐酸トリブチルが僅かに含まれる可能性がある。排水中
に含まれる燐酸トリブチルはわが国の法規制上「n−ヘ
キサンに抽出される鉱油」と定義され、環境に放出され
る排水中においてはこのような鉱油の濃度を5mg/l以
下とすることが要求されている。わが国の使用済燃料再
処理工場においては、排水を活性炭と接触させて燐酸ト
リブチルを吸着除去して法規制に合致するようにした後
に環境に放出しており、燐酸トリブチルを吸着した使用
済活性炭は現状で貯蔵されており、別途に処理・処分さ
れることになっている。
【0004】水に含まれる油類を活性炭に吸着させて除
去する方法は一般的に行われており、充分に確立した技
術であり、油分を吸着した使用済活性炭は炉で1000
℃程度まで加熱し、最終的にガス化反応によって賦活し
て再生が可能であるため、再生の繰り返しによって吸着
性能が低下した廃活性炭のみが廃棄処理される。しか
し、燐酸トリブチルを加熱すれば熱分解して燐酸を生成
するために従来の方法で再生処理を行うことが困難であ
り、使用済活性炭が蓄積することになる。一般に使用済
活性炭は焼却処理によって灰分のみが廃棄処分される
が、燐酸トリブチルを吸着した活性炭は燐酸の含有量が
多く、焼却炉壁を保護するために石灰を添加して焼却処
理する必要があり、燐酸カルシウムを含んだ焼却残渣が
多くなる。
【0005】抽出溶媒として使用した燐酸トリブチルを
分解処理することを目的とした方法として、燐酸トリブ
チルを濃度が50%の苛性ソーダ水溶液と沸点である1
30℃に加熱してブタノールと水溶性の燐酸化合物に分
解してブタノールを留出して分離する方法がある(ダブ
リュー シュルツ,ジェー ナブラチル「サイエンスア
ンド テクノロジー オブ トリブチル フォスフェー
ト」第1巻,第5章,シー アール シー プレス,1
984年(W. W. Schulz, J. D. Navratil,“Science
and Technology of Tributyl Phosphate”,Vol.I,C
hapter 5,CRC Press Inc.,1984))。
【0006】また、燐酸トリブチル溶液を化学的に分解
する方法として、放射性廃有機燐酸エステル類を燐酸銅
の燐酸水溶液中で過酸化水素とともに加熱することによ
り酸化分解させることを特徴とする方法がある(特開昭
60−105997号公報)。
【0007】これらの処理方法は、多量の化学薬品を濃
厚な状態で、且つ加熱下に使用することが必要であるた
めに、燐酸トリブチルを僅かに含んだ大量の排水の処理
には直接適用できなかった。
【0008】燐酸トリブチルは化学的に安定な物質であ
るが、燐酸のエステルであるため水の存在下には加水分
解してブタノールと燐酸ジブチル,燐酸モノブチルある
いは燐酸を生成する傾向があり、これらの加水分解生成
物はいずれも水に可溶性であり「n−ヘキサンで抽出さ
れる鉱油」ではなくなる。
【0009】燐酸トリブチルの加水分解は下記の3段階
で進行し、ブタノールとともにまず燐酸ジブチルが生成
し、引き続いて燐酸モノブチル、最終的には燐酸が生成
する。
【0010】 (C49O)3PO+H2O → (C49O)2PO(OH)+C49OH 燐酸トリブチル 燐酸ジブチル ブタノール (C49O)2PO(OH)+H2O → C49OPO(OH)2+C49OH 燐酸ジブチル 燐酸モノブチル ブタノール C49OPO(OH)2+H2O → H3PO4+C49OH 燐酸モノブチル 燐酸 ブタノール 燐酸トリブチルの加水分解は酸またはアルカリによって
加速することが知られている。酸の存在下においては上
記の加水分解反応はそれぞれの濃度に関する1次反応と
して、平行して進行し、反応速度定数はほぼ4:2:1
である。1規定の硝酸水溶液に溶解した燐酸トリブチル
の加水分解反応速度定数は30℃で4×10-6/時であ
るが、60℃では1×10-4/時となる。硝酸濃度が1
規定と8規定の間で加水分解速度に及ぼす硝酸濃度の影
響は殆どない。1規定の硝酸溶液と接触しているTBP
(硝酸濃度0.86グラム分子/l)の30℃における加
水分解反応速度定数は3.3×10-6/時、60℃では
1.1×10-4/時であり水溶液の場合と差はない。
【0011】アルカリ水溶液と接触する燐酸トリブチル
の加水分解は水溶液中の燐酸トリブチルの濃度とアルカ
リの濃度に関する1次反応として進行し、かつ、燐酸ジ
ブチルの生成以降の段階には進み難いことが知られてい
る。1規定の苛性ソーダ水溶液中の燐酸トリブチルの加
水分解反応速度定数は30℃で5.5×10-3/時 であ
るが、60℃では6×10-2/時となる。アルカリ水溶
液中の燐酸トリブチルの加水分解反応速度は酸性水溶液
中と比較して約1000倍大きいが、処理すべき大量の
排水をアルカリ性に保つことは添加すべき薬品と発生す
る二次廃棄物が著しく多量となることから非現実的であ
る。
【0012】燐酸トリブチルの加水分解は放射線照射に
よって加速することが知られており、排水に放射線を照
射することによって、排水中に含まれる燐酸トリブチル
を燐酸ジブチルに分解して処理する方法がある(特開平3
−178392号公報)。しかし、多量の水に放射線エネルギ
ーを与えるためには多量の放射線源が必要となり、装置
が大型となる問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排水
中に存在するエステルからなる油分を低い濃度にまで吸
着材を使用して除去し、かつ、廃吸着材の発生を低減で
きるエステルからなる油分を含んだ排水の処理装置およ
びその処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の特徴は、大量の排水中に低い濃度で存在す
るエステルからなる鉱油を一旦吸着材に吸着して排水中
から除去すると同時に吸着材中の濃度を高めるための手
段(第1の手段)と、エステルからなる鉱油を加水分解
して吸着材から分離するための手段(第2の手段)とを
備えたことにある。
【0015】第1の手段は基本的には従来すでに実施さ
れている手段と等しいが、使用済吸着材をそのまま焼却
処分することを目的としてはいないので、吸着材の選択
は飽和吸着量の大きさではなく、第2の手段の適用にお
ける好適性に基づいて行われる。
【0016】第2の手段は本発明の本質的な部分である
が、第1の手段は第2の手段の効率を高めて実用的とす
るために不可欠である。第2の手段は、電気化学的に陰
極で生成する水酸化イオンを利用するエステルからなる
鉱油の加水分解の促進からなる。
【0017】電気化学的な反応条件が吸着材を陰極液に
浸漬することによって与えられる手段と、電極を吸着材
で構成することによって与えられる手段がある。
【0018】第1の手段と第2の手段は分離して別途に
適用し、または、第1の手段を実行する装置で第2の手
段を実行することも可能である。さらに、第1と第2の
手段を同時に平行して適用することが可能である。それ
ぞれの場合において本発明の効果を発揮するために好適
な適用条件が存在する。
【0019】第1の手段と第2の手段を分離して別途に
適用する場合には水に可溶性となったエステルからなる
鉱油の加水分解生成物は環境に放出してもよいが、吸着
材と分離して別途に処理することも可能である。第1の
手段と第2の手段と同時に平行して適用する場合には水
に可溶性となったエステルからなる鉱油の加水分解生成
物は排水に含まれて環境に放出されることになる。
【0020】
【作用】上水,飲料用用水,工業排水,下水などに対し
て、主として有機物を吸着除去する目的で活性炭が使用
される。高分子量有機物あるいは低分子量のアルコー
ル,ケトン,有機酸などは親水性のために吸着量が少な
い。一般に水に対する溶解度が低い有機物質ほど水中か
ら吸着分離しやすくなる。
【0021】排水の処理に使用される活性炭には、果実
殻系,木材系,石炭系,石油系,カーボンブラック系な
どの種類があり、それぞれ適当な大きさの粒状に成形し
たもの、あるいは無定形の破砕片からなるものがある。
活性炭は二元細孔構造で、ミクロン単位のマクロ孔と1
0オングストローム単位のミクロ孔からなり、気孔率は
約60%、比表面積は約1000m2/g である。活性
炭は層状に充填して使用されるが充填時の空間率は約4
0%である。
【0022】排水中の燐酸トリブチルの吸着材としては
活性炭に限らず、水より燐酸トリブチルとの親和力が強
い内部表面積の大きい多孔性の物質が適用できる。例え
ば、4フッ化エチレン重合体またはスチレン・ジビニル
ベンゼン共重合体あるいは網状ガラス性炭素または炭素
繊維,炭素繊維からなるフェルトさらには疎水性物質と
炭素との複合材料などで構成される吸着材がある。この
ようにして吸着材に吸着され、小さい体積の中に濃縮さ
れた燐酸トリブチルを対象とすれば、排水処理量に比較
して非常に少量の化学薬品、あるいは少ないエネルギー
の使用によって加水分解処理ができる可能性がある。
【0023】吸着材に吸着した燐酸トリブチルは吸着材
充填層中に最大1グラム分子/l程度の濃度で存在する
ため、燐酸トリブチルを炭化水素系溶剤で溶離し、従来
の化学的処理法すなわち苛性ソーダ煮沸による加水分解
法、あるいは燐酸溶液中で燐酸銅を触媒とする過酸化水
素分解法(特開昭60−105997号公報)を適用することが
可能である。しかし、本発明においては、吸着材から燐
酸トリブチルを溶離するための溶剤を使用せず、化学薬
品の使用量が少なく、従って二次的な廃棄物の発生量が
少なく、操作が容易である電気化学的加水分解法を提供
しようとする。電気化学的加水分解法は、燐酸トルブチ
ルを吸着した電気伝導性のある吸着材を陰極の一部とし
て電解槽中に置き、吸着材と電解質水溶液の界面に生成
する水酸化イオンによって以下の反応に従って燐酸トリ
ブチルを水に可溶性の燐酸ジブチルイオンとブタノール
に加水分解して吸着材から分離する原理による。
【0024】 (C49O)3PO+OH- → (C49O)2POO-+C49OH 燐酸トリブチル 水酸化 燐酸ジブチル ブタノール イオン イオン この方法の特徴は、一般の化学薬品による処理方法と異
なり、水酸化イオンの供給がアルカリ薬品の添加によら
ず、電子によって行われるため、一般の化学反応で反応
速度を高く維持するために必要な過剰の化学薬品の添加
は必要なく、化学薬品の添加は電解液に電気伝導性をあ
たえるために必要な最低限ですむことである。
【0025】本方法の適用において、重要な因子の一つ
は吸着材の電気伝導性である。活性炭の電気伝導性は原
料物質と熱処理温度に依存して異なるが、石油ピッチを
原料とし、1000℃程度に熱処理され、気孔率が60
%程度の活性炭の比電気抵抗は0.05オームcm であ
り、本発明の方法に使用する電気伝導性の吸着材として
は比電気抵抗が0.1オームcm 以下であることが望まし
い。
【0026】処理すべき排水には場合によって0.01
乃至1グラム当量の強電解質を含んでおり、この電解質
が解離したイオンによって水溶液に与えられる10オー
ムcm乃至1000オームcmの比抵抗は本方法を適用する
ための電極液として好適である。処理すべき排水に電解
質を含まない場合に、好適な電解液を調整するために水
に添加する強電解質としてはアルカリ金属あるいは第4
級アルキルアミンなどの鉱酸塩が好ましい。直接処理す
べき排水については必要に応じて電解質濃度を下げ、ま
たは強電解質を添加して比電気抵抗を調整することがで
きる。
【0027】吸着材粒子の表面で水溶液を電解して水酸
化イオンを生成するためには陰極の一部をなす電気伝導
性吸着粒子と水溶液の間に水素発生の過電圧を越える電
位差が存在する必要があり、吸着材粒子の充填層内で電
解反応を均一に起こさせるためには充填層厚さに限界が
存在する。吸着粒子の充填層を厚くすれば単一の電解槽
に充填できる吸着材の量が増加するが、電流効率が低下
することになる。吸着粒子の充填層における電流通過面
積を大きくすることは電極と隔膜あるいは電解槽の機械
的構成条件で制限があるため、この構成の電解槽は単機
容量を100〜200l以上に大きくすることは困難で
あり、このような大きさのモジュールを組み合わせて必
要な大きさの装置を構成することになる。1陰極に対し
て2陽極、あるいは1陽極に対して2陰極の構成、さら
には陰極と陽極の繰り返し構成は充填層の厚さと電流通
過面積の制限の中で単一の電解槽に充填できる吸着材の
量を大きくできる。
【0028】陰極の一部をなす吸着材の充填層は多孔性
の隔膜によって構成される陰極室内に保持され、陽極と
隔離される。多孔性隔膜はガラス粉末焼結体,素焼き陶
板,アスベスト板,多孔性合成樹脂板等の電気絶縁性の
材料で製作される。
【0029】陰極と陽極は一般の電解槽に使用される白
金メッキチタン,ニッケル,ステンレス鋼等の材料を使
用することが可能であるが電気伝導性炭素板が性能,耐
食性,価格の点で好適である。
【0030】電解質を構成する陽イオンは陰極で生成し
た燐酸ジブチルと化合して溶解度を高め、電極液中に排
出する機能を果たす。陽極室では水の電気分解により生
成する水素イオンによって多孔性隔膜を透過した鉱酸の
陰イオンから鉱酸が生成し、また、陰極室内で生成した
燐酸ジブチルイオンが多孔性隔膜を透過して燐酸ジブチ
ルとなる。ブタノールは極性がないため陰極液中に止ま
るが陽極液中にも拡散する。
【0031】最初は均一で中性であった電極液は多孔性
隔膜を通過して陰イオンが陽極液中に移行して酸性とな
り、陽イオンが陰極液に移行してアルカリ性となる。多
孔性隔膜によって陽極から発生する酸素ガスと陰極から
発生する水素ガスの混合が防止され、電解槽の外に放出
される。陰極液中には燐酸ジブチルの可溶性塩として溶
出するが、解離した燐酸ジブチル陰イオンは多孔性隔膜
と透過して陽極に移行する。結果的に陰極液は常にアル
カリ性に保たれて加水分解反応が進行する。
【0032】吸着材に吸着した燐酸トリブチルが残って
おり、加水分解が進行している間は水酸化イオンが消費
されるているが、加水分解が終了すると水酸化イオンは
過剰となるため急激にpHが高くなる。
【0033】電極液の有する電気抵抗に依存して電極液
中ではジュール熱が発生し、電極液の温度が上昇するた
め電極液はそれぞれ熱交換器を通して循環して温度を一
定に保つ必要がある。処理すべき排水を電解液として流
通させる場合には原則として発熱を考慮する必要がなく
装置は単純になる。
【0034】電解質水溶液の比電気抵抗は10℃の温度
上昇で約30%低下するため、電解液の温度を高く保つ
と同じ電圧で多くの電流を流すことができる。一方、ア
ルカリ水溶液中の燐酸トリブチルの加水分解速度は10
℃の温度上昇で約3倍に増加するため、電解液の温度を
高く保つと加水分解に関する電流効率が高くなる傾向が
ある。
【0035】電極液の循環量が多くなって吸着材粒子の
充填層体積が膨張すると吸着材充填層の実効比抵抗が増
加して電極液との電位差が低下して電気化学反応の進行
を妨げる。従って、電極液の循環速度は吸着材充填層の
体積膨張がない程度に管理する必要がある。
【0036】本発明の適用には、燐酸トリブチルを吸着
した後に加水分解処理する方法と吸着装置内で吸着材に
濃縮した燐酸トリブチルをその場で加水分解する方法が
ある。
【0037】吸着材に吸着された燐酸トリブチルの加水
分解処理は、吸着材を加水分解装置に移送して、また
は、吸着装置を加水分解装置として用いて行い、水溶性
となった加水分解生成物を吸着材から分離して吸着材を
再生して繰り返して吸着処理を可能とし、さらに加水分
解生成物を処分が容易な化学形態にまで処理を行うこと
ができる。この場合には、吸着材の飽和吸着容量が高い
ほうが移送操作あるいは装置機能の切替え操作の頻度が
少なくてよい利点がある。しかし、吸着材は再生して利
用するため、飽和吸着容量の大きさよりも特定の加水分
解処理を行った後において吸着容量が一定に保たれる性
能が有利となる。加水分解装置と吸着装置が独立してい
る場合には、加水分解処理操作は回分式あるいは連続式
のいずれによっても可能である。加水分解装置を吸着装
置と共用する場合には回分式で運転することになる。
【0038】電気化学的加水分解処理によって吸着材と
分離した電極液中には燐酸ジブチル,ブタノールおよび
少量の電解質が残る。この廃液は処理済排水で希釈して
環境に放出が可能であるが、陽イオン交換膜で区画した
電解槽の陽極室内に供給して電解して陰極室でアルカリ
金属水酸化物または第4級アルキルアミンを回収し、陽
極液は加熱してブタノールを凝縮水と一緒に留出させ、
最終的に燐酸を回収することができる。
【0039】電気化学的加水分解処理によって燐酸トリ
ブチルを分離除去した廃活性炭は燐酸の含有量が少ない
ので容易に焼却処分が可能である。
【0040】アルカリ性水溶液中における燐酸トリブチ
ルの加水分解反応は燐酸トリブチルとアルカリのそれぞ
れの濃度に関する1次反応であるため、一定のアルカリ
濃度下において反応速度は燐酸トリブチルの濃度に比例
する。従って、電解槽の運転が可能である程度に排水の
電気伝導度があれば、排水に接触する吸着材からなる陰
極の表面に濃縮された燐酸トリブチルはその場で直ちに
電気化学的に加水分解し、可溶性の加水分解生成物は処
理排水とともに放出することが可能である。
【0041】この場合には、当初は吸着材充填層内に燐
酸トリブチル吸着帯が発生するが、加水分解の進行帯で
は燐酸ジブチルとブタノールが生成して吸着が抑制され
るため次第に吸着帯が拡散して加水分解速度と吸着速度
が平衡して効率良く加水分解処理が行えるようになる。
【0042】粒状の吸着材である活性炭の代わりに電気
伝導性のある多孔性炭素繊維である(米国特許第4,330,
387 号明細書)をフェルト化シート状に加工した電極を
使用して燐酸トリブチルの吸着と電気加水分解を同時に
平行して行うことが可能である。2枚のフェルト化シー
ト状多孔性炭素繊維を2枚の多孔性絶縁材でなる隔離膜
とを交互に組み合わせて渦巻きとした(米国特許第4,04
0,938 号公報)の形状に構成するのが適当である。この
方法を用いる場合には、陽極と陰極の極性を定期的に逆
転して両方の電極に吸着した燐酸トリブチルを平均的に
加水分解することができる。
【0043】この方法の特徴は、粒状吸着材を陰極とし
た場合と異なって、フェルト化シート状炭素繊維電極の
渦巻きは大きさに原理的な制限がなく、吸着装置の単機
容量を容易に大きくできることである。
【0044】以上は本発明の作用を燐酸トリブチルを例
にとって説明したが、本発明は燐酸トリブチルと同様に
加水分解によって水溶性の物質を生成する一般的なエス
テルからなる鉱油分を含んだ排水の処理方法として有効
である。
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕図1は本発明の実施例の構成を示してい
る。ここで、1は吸着装置、2は粒状吸着材、3は排水
供給口、4は排水出口、5は移送水供給口、6は吸着材
スラリー出口、7は吸着材スラリー移送装置、8は電解
加水分解槽、9は陰極、10は陽極、11は多孔性隔
膜、12は吸着材スラリー移送管、13は陰極液循環
槽、14は陽極液循環槽、15は陰極液抜き出し口、1
6は陽極液抜き出し口、17は水素ガス抜き出し口、1
8は酸素ガス抜き出し口である。
【0046】石油系ピッチを原料とし、粒子が球状で粒
径が0.4〜1mm,充填密度0.6g/cc,比表面積12
00m2/g,比電気抵抗0.1オームcmの粒状吸着材2
である活性炭を吸着装置1に60kg充填し、燐酸トリ
チルを40mg/lを含む水を660m3処理した実施例
において、燐酸トリブチルの吸着容量が0.44g/g
に達するまで処理水の燐酸トリブチル濃度は検出限界以
下であった。この吸着容量を限界吸着容量とすれば、吸
着装置1内の吸着材充填層体積あたりに燐酸トリブチル
濃度は266g/lとなり、排水中の燐酸トリブチルは
吸着操作によって66650分の一の体積に濃縮された
ことになる。
【0047】電解加水分解槽8の陰極室31は電気伝導
性炭素製で1m2 の表面積を有する陰極9と1m2 の投
影面積を有する厚さ5mm,空隙率が50%の合成樹脂製
多孔性隔膜11が10cmの間隔で区画しており、有効体
積は100lである。電気加水分解槽8の陽極室32は
黒鉛製で1m2 の表面積を有する陽極10と多孔性隔膜
11が1cmの間隔で区画しており、有効体積は10lで
ある。
【0048】燐酸トリブチルを吸着した吸着材は、水の
スラリーとして、吸着材スラリー移送装置7により、吸
着材スラリー移送管12を介して、水力移送によって電
解加水分解槽8の陰極室31に移送される。電気加水分
解槽8の陰極室31における吸着材の重量は60kgとな
っており、含まれる燐酸トリブチル量は26600gで
あった。
【0049】電気加水分解槽8の陽極室32と陰極室3
1に、前者は陽極液循環槽14を、後者は陰極液循環槽
13を介してそれぞれ0.025 グラム分子/lの硫酸
ソーダ水溶液200lを循環し、電極液温度を30℃に
保ちながら電極間に8vの直流電圧を負荷して電解を行
ったところ125Aの電流が流れて陰極からは水素ガス
が、陽極からは酸素ガスが発生した。
【0050】21.4 時間経過して、100ファラディ
の電気量が流れた後に電気負荷を停止して電極液を抜き
出した。回収された電極液は190lであり、1470
0gの燐酸ジブチル,5180gのブタノール,340
gの硫酸ソーダが見出された。この実施例において、回
収された燐酸ジブチルの量から吸着材を吸着していた燐
酸トリブチルは70%の電流効率で減少していることに
なる。
【0051】回収された電極液は当初燐酸トリブチルを
吸着処理した排水量660m3 の3500分の一であ
り、処理済排水によって希釈したところ硫酸ソーダは
0.5mg/l、燐酸ジブチルは22mg/l、ブタノール
は8mg/l、燐酸トリブチルは検出限界以下であった。
【0052】本実施例によれば、従来は吸着材に吸着し
て分離し、使用済吸着材の再生は行われず、廃吸着材の
処理処分に技術的・経済的な負担があったエステルから
なる鉱油分を含んだ排水の処理方法および処理装置に関
して下記の効果がある。
【0053】(1)排水から燐酸トリブチルを吸着分離し
た使用済吸着材を再生処理することが可能となり、廃吸
着材の発生量を著しく低減できる。また、廃吸着材から
燐酸トリブチルを除去して焼却処理を容易に行えるよう
になる。
【0054】(2)使用済吸着材使用時間より著しく短い
時間で再生処理が可能である。
【0055】(3)再生処理で使用するものは電力のみで
あり、薬品は少量または皆無であり、発生する廃棄物を
含めて環境に放出することが可能となる。
【0056】(4)本方法は全ての操作が常温,常圧化に
行われ、装置は小型で単純であり、電気加水分解処理は
反応制御因子が単純であって遠隔操作が容易である。
【0057】(5)排水の処理に必要な電力は、排水の処
理量あたりに僅かであり、実施例においては、使用済吸
着材を別途処理した場合約0.05kW時/m3であり、
吸着と加水分解を同時に平行して行った場合約0.25
kW時/m3である。
【0058】(6)必要に応じて、燐酸トリブチルの加水
分解生成物を最終的に燐酸とブタノールにまで分解処理
することができ、使用した薬品を回収できる。
【0059】(7)排水中から燐酸トリブチルの吸着分離
と加水分解の処理を同時に平行して行うことが可能とな
る。
【0060】(8)微生物に起因するような吸着材の汚れ
を電極の極性を逆転することによって容易に除去するこ
とが可能となる。
【0061】〔実施例2〕図1に示し、実施例1に説明
した電解加水分解槽8の陰極室31に実施例1に説明し
た燐酸トリブチルを吸着した活性炭を60kg充填した。
【0062】電気加水分解槽8の陽極室32及び陰極室
31に0.01グラム分子/l の硝酸ソーダと40mg/
lの燐酸トリブチルを含む排水を0.2m3/時の流速で
通過させながら電極間に8Vの直流電圧を負荷して電解
を行ったところ25アンペアの電流が流れて陰極9から
水素ガスを発生し、陽極10から酸素ガスが発生した。
【0063】153時間経過して、143ファラディの
電気量が流れた後に電気負荷を停止して活性炭中の燐濃
度を測定した。活性炭の燐濃度は電気加水分解処理前と
比較して5%に相当して、0.3% であった。電極液の
総量は21.4m3であり、平均的に硝酸ソーダ850mg
/l,燐酸ジブチル980mg/l,ブタノール345mg
/lを含んでいたが、燐酸トリブチルは検出されなかっ
た。
【0064】本実施例において、吸着材の使用時間であ
る825時間に対して、吸着材の再生時間は153時間
であった。
【0065】本実施例も、実施例1と同様な効果を得る
ことができる。
【0066】〔実施例3〕図1に装置を示し、実施例1
に方法を説明した電解加水分解槽8の陰極室31に実施
例1に説明した活性炭を60kg充填し、燐酸トリブチル
を40mg/l含む水を8m/時(0.8m3/l)の流速
で陰極室31内を34日通過させた。処理排水中の燐酸
トリブチル濃度は最終的に5mg/lとなったところで排
水の供給を停止した。
【0067】電気加水分解槽8の陽極室32と陰極室3
1に0.01グラム分子/l のテトラメチルアンモニウ
ムと0.005グラム分子/l の硫酸を含む200lの
水溶液を循環し、電極液温度を30℃に保ちながら電極
間に8Vの直流電圧を負荷しながら電解を行ったところ
100アンペアの電流が流れて陰極9から水素ガスを発
生し、陽極10から酸素ガスを発生した。
【0068】38.3 時間経過して、143ファラディ
の電気量が流れ、陰極液のpHが急激に上昇した後に電
気負荷を停止して電極液を抜き出した。回収された電極
液は1901であり、18900gの燐酸ジブチル,6
660gのブタノール,231gのテトラメチルアンモ
ニウム硫酸塩が見出された。この実施例において、回収
された燐酸ジブチルの量から吸着材に吸着していた燐酸
トリブチルは95%の効率で減少していたことになる。
【0069】回収された電解液を陽イオン交換膜で隔離
された別の電解槽の陽極室に循環し、0.1グラム分子
/l の硫酸水溶液を陰極液として電解加水分解を行っ
た。陰極にはテトラメチルアンモニウム硫酸塩が回収さ
れ、次の電気加水分解処理に使用された。陽極液には燐
酸を添加してから加熱して加水分解を進行せしめ生成し
たブタノールを凝縮水にともなって回収しながら最終的
には燐酸の濃縮溶液とした。
【0070】電気加水分解槽には燐酸トリブチルを40
mg/l含む水を再び通過させたところ30日後に処理排
水中の燐酸トリブチル濃度が5mg/lに増加した。この
実施例から電気加水分解処理によって活性炭の吸着能力
が約90%回復していたことが判った。
【0071】本実施例も、実施例1と同様な効果を得る
ことができる。
【0072】〔実施例4〕図2は本発明に係わる実施例
4を説明する図であって、2は粒状吸着材、3は排水供
給口、4は排水出口、8は電解加水分解槽、9は陰極、
10は陽極、11は多孔性隔膜、20は酸素ガス出口、
21は陽極液出口である。電解加水分解槽8の陰極室3
1に実施例1に説明した活性炭を60kg充填し、燐酸ト
リブチルが40mg/l,硝酸ソーダが0.01グラム分
子/l含む排水を8m/時(0.8m3/時)の流速で陰
極室31内を通過しながら陰極電流供給板と陽極10の
間に8Vの直流電圧を負荷したところ25Aの電流が流
れた。
【0073】陰極室31から多孔性隔膜11を透過して
陽極室32に排水が流れこみ、陽極液抜き出し管21を
経由して排水出口4に入る。陽極10で発生する酸素は
陽極室32の上部に集まって酸素ガス出口20放出され
る。陰極9および粒状吸着材2から発生する水素ガスは
流速の早い供給排水とともに排水出口4から排出され
る。
【0074】最初の24時間後に処理済排水中には燐酸
ジブチルが16mg/1,ブタノールが5mg/1,硝酸ソ
ーダが850mg/l検出されたが燐酸トリブチルは検出
されなかった。この間の燐酸トリブチル加水分解反応に
対する電流効率は7%であった。
【0075】35日間経過し、672m3 の排水を処理
した後に処理済排水中には燐酸ジブチルが32mg/l,
ブタノールが11mg/l,硝酸ソーダが850mg/l検
出されたが燐酸トリブチルが検出されなかった。
【0076】排水中に存在した燐酸ジブチルの濃度から
燐酸トリブチルの加水分解反応に対する電流効率を判断
すると14%になっていた。
【0077】本実施例も、実施例1と同様な効果を得る
ことができる。
【0078】〔実施例5〕図3は本発明に係わる実施例
5を説明する図であって、8は電解加水分解槽、2は粒
状吸着材、9は陰極、10は陽極、11は多孔性隔膜、
19は陰極液供給管、20は陰極液抜き出し管、21は
陽極液抜き出し管、22は陽極液供給管である。
【0079】本実施例の特徴は、単一の電解槽8に複数
対の陰極9と陽極10を組み入れることによって単一の
電解槽8の電極当たりの処理能力を増やすことが可能と
なることである。
【0080】本実施例も、実施例1と同様な効果を得る
ことができる。
【0081】〔実施例6〕図4は本発明に係わる実施例
6を説明する図であって、3は排水供給口、4は排水出
口、8は電解加水分解槽、23は吸着性電極である。
【0082】図5および図6は図4における吸着性電極
23の詳細を説明する図であって、24はフェルト化シ
ート状多孔性繊維で構成された電極、25は多孔性合成
樹脂製の絶縁シート、26はそれぞれ電極に電圧を負荷
するための導線である。渦巻きの中心に沿って排水を流
通させながら電極の一方を陽極に、他方を陰極にして電
圧を負荷して運転される。
【0083】陽極と隣接する陰極の間隔は薄い多孔性絶
縁シートで隔てられているのみであるため排水の電気抵
抗が大きくても低い電圧で電流を流すことが可能であ
る。
【0084】この電極形状には本質的な形状制限がない
ので、廃棄物となったときを考慮して規格のドラム缶に
収納できることが望ましい。
【0085】広い陽極表面で発生する微細な酸素ガスの
気泡は排水に容易に溶解するが、水素ガスは排水に伴わ
れて排出されるので最終的に水素ガスを希釈するなどし
て安全に処理する必要がある。燐酸トリブチルを40mg
/l含む排水を定量的に電気化学的に処理するものとす
れば、1m3 の排水処理あたりに発生する水素ガス容積
は約1.61lである。
【0086】排水を流通させながら電極の極性を定期的
に逆転させることによって、陽極に吸着された燐酸トリ
ブチルを加水分解処理することができる。また、陰極に
付着する微生物などに起因する有機物汚染を陽極として
作動している間に陽極で発生する酸素によって酸化分解
して除去することができる。
【0087】本実施例も、実施例1と同様な効果を得る
ことができる。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、排水中に含まれたエス
テルからなる鉱油分の濃度を著しく低下でき、かつ廃吸
着材の発生量を著しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例であるエステルからな
る鉱油分を含んだ排水の処理装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例4であるエステルからなる鉱油
分を含んだ排水の処理装置の構成図である。
【図3】本発明の実施例5であるエステルからなる鉱油
分を含んだ排水の処理装置の構成図である。
【図4】本発明の実施例6であるエステルからなる鉱油
分を含んだ排水の処理装置の構成図である。
【図5】図4の吸着性電極の一部を詳細に示す平面図で
ある。
【図6】図5の吸着性電極の斜視図である。
【符号の説明】
1…吸着装置、2…粒状吸着材、3…排水供給口、4…
排水出口、5…移送水供給口、6…吸着材スラリー出
口、7…吸着材スラリー移送装置、8…電解加水分解装
置、9…陰極、10…陽極、11…多孔性隔膜、12…
吸着材スラリー移送配管、13…陰極液循環槽、14…
陽極液循環槽、15…陰極液抜き出し口、16…陽極液
抜き出し口、17…水素ガス抜き出し口、18…酸素ガ
ス抜き出し口、19…陽極液抜き出し管、20…陰極液
供給管、21…陰極液抜き出し管、22…陽極液供給
管、23…吸着性電極、24…フェルト化シート状多孔
性炭素繊維、25…多孔性合成樹脂性絶縁シート、26
…導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/28 B01J 20/00 - 20/34 B01D 15/00 - 15/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排水中に含まれるエステルからなる鉱油を
    吸着する吸着材が内部に充填された吸着装置と、エステ
    ルからなる鉱油を加水分解により吸着材から分離するた
    めの電解装置と、エステルからなる鉱油を吸着した吸着
    材を、前記吸着装置から前記、電解装置に供給する手段
    とを備えたことを特徴とするエステルからなる油分を含
    んだ排水の装置。
  2. 【請求項2】前記電解装置内に、1つまたは1つ以上の
    陰極を2つ以上の陽極と交互に配置し、または、1つま
    たは1つ以上に陽極を2つ以上の陰極と交互に配置する
    請求項1のエステルからなる油分を含んだ排水の処理装
    置。
  3. 【請求項3】エステルからなる油分を含む水を固体吸着
    材と接触させた後に吸着材に吸着された油分をそれぞれ
    水に可溶性のアルコールと酸に加水分解して吸着材から
    分離することを特徴とするエステルからなる油分を含ん
    だ排水の処理方法であって、 前記吸着材が比抵抗0.1 オームcm以下の電気伝導性で
    あり、油分を吸着した前記吸着材を電解質を含んだ水溶
    液である電解槽の陰極液中に浸漬し、多孔性隔膜を介し
    て前記電解質を含んだ水溶液である前記電解槽の陽極液
    との間に直流電流を流すことにより、吸着された油分を
    それぞれ水に可溶性のアルコールと酸に加水分解して吸
    着材から分離し、前記吸着材を再生することを特徴とす
    るエステルからなる油分を含んだ排水の処理方法。
  4. 【請求項4】電解液に含まれる前記電解質がアルカリ金
    属あるいは第4級アルキルアミンの鉱酸塩であり比電気
    抵抗が室温で10オームcm乃至1000オームcmである
    請求項3のエステルからなる油分を含んだ排水の処理方
    法。
  5. 【請求項5】前記電解質を含む電解液が処理すべき排水
    であり、排水が前記電解槽に電極液として流通する請求
    項4のエステルからなる油分を含んだ排水の処理方法
  6. 【請求項6】陽極液に当該エステルの構成酸を集め、陰
    極液に当該エステルの構成アルコールを残し、それぞれ
    を別にあるいは併せて処理する請求項3のエステルから
    なる油分を含んだ排水の処理方法。
  7. 【請求項7】吸着と電解を同時に平行して行う請求項
    のエステルからなる油分を含んだ排水の処理方法。
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