JP3227865B2 - ブラシレス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視方法 - Google Patents

ブラシレス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視方法

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JP3227865B2
JP3227865B2 JP02586493A JP2586493A JP3227865B2 JP 3227865 B2 JP3227865 B2 JP 3227865B2 JP 02586493 A JP02586493 A JP 02586493A JP 2586493 A JP2586493 A JP 2586493A JP 3227865 B2 JP3227865 B2 JP 3227865B2
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小原  孝志
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同期機、特にブラシ
レス励磁機付同期機の界磁巻線温度の推定とその監視及
びブラシレス励磁機の電機子、整流器及び同期機の界磁
とからなる界磁回路の電気回路の内部状態の監視を行う
ブラシレス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス励磁機付同期機では、界磁巻
線と同じ回転軸に設けられた励磁機の電機子の電流を整
流器で整流して得られた直流を界磁電流として界磁巻線
に供給する方式であり、界磁電流を供給するためのスリ
ップリングが不要なので、保守が容易であるという特長
がある。一方、励磁機の電機子巻線、同期機の界磁巻線
及びこれらを接続する接続線と整流器などからなる界磁
回路の電流や電圧を直接測定することができないという
欠点がある。
【0003】同期機を効率良く運転するためには、電機
子巻線の温度だけではなく界磁巻線の温度も監視して過
度の温度上昇を避けるとともに、許される温度の範囲で
なるべく高負荷で運転できるように配慮される。前述の
ような界磁巻線の温度を測定するには、温度測定のため
のスリップリングを設けて電圧や電流を測定して抵抗値
を求める方法や、熱電対などの温度センサを界磁巻線に
埋め込んだり界磁回路にシャントを設けてその電圧、電
流を測定するテレメータ方式などもあるが、これらはブ
ラシレスにした意義がなくなり、構造変更が必要にな
り、また複雑になるなどの欠点があって実用的でない。
【0004】このような直接的な測定法ではなく、間接
的に界磁巻線の温度を求める方法がある。すなわち、励
磁機にピックアップコイルなどを埋め込んで同期機の界
磁電流を測定し、この界磁電流と界磁巻線の温度上昇値
とに一義的な関係があることを利用して冷却媒体の温度
にこの温度上昇値を加算して求める。この他に界磁電流
を求めるのは同じで、励磁電圧を直接測定する方法もあ
るが、いずれもこのような間接的な方法は精度が悪く実
用性に欠けるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ブラシ
レス励磁機付同期機の界磁巻線の温度を測定する適切な
方法がないために、前述のような界磁巻線の温度を監視
して効率のよい運転を行うことができないという問題が
ある。この発明の目的は、このような問題を解決し、従
来の構造で測定可能な値を用いて精度のよい界磁巻線の
温度を推定することのできるブラシレス励磁機付同期機
の界磁巻線温度監視方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、同期機の運転中の測定値を入力
データとして、あらかじめ定められたアルゴリズムに基
づいて同期機の界磁巻線の温度Tfrを計算するコンピュ
ータ、計算結果を出力する出力手段を備え、前記アルゴ
リズムが次の手順でなるものとする。 (a) 同期機の電機子電流Iam、電機子電圧Vam、負荷有
効電力P、負荷無効電力Qの測定値を基に、界磁電流計
算値Ifrを計算によって求める。 (b) ) 冷却媒体の温度Tcmの測定値を基に同期機界磁巻
線温度Tfrの初期推定値Tfr0を求め、この値と界磁電
流計算値Ifrを基に、Rfmを界磁巻線抵抗値の75℃換
算値として、次式により界磁電圧計算値Vfrを計算によ
って求める。 Vfr=Rfm[(235+Tfr0)/310]Ifr (c) ) 界磁電流計算値Ifrと界磁電圧計算値を基に、α
を電機子電圧、電流の力率角、Ifkを励磁機の界磁電流
計算値の励磁機の電機子電流Ieaに対応する成分、If0
を励磁機の電機子電圧Veaに対応する成分として、次式
により励磁機の界磁電流計算値Iefrを計算によって求
める。 Iefr=√(Ifk 2+If0 2+2Ifkf0sinα) (d) この励磁機の界磁電流計算値Iefr とその測定値I
efm とを比較する。 (e) 比較した結果、近似的に等しいと判断されたとき
に、VfrとIfrとに所定の係数を乗じて、測定値Iefm
と比較して最もその差が小さなVfrとIfrとの組み合わ
せに修正した上で、この値を用いて、次式により界磁巻
線温度計算値Tfrを計算する。 Tfr=310×[(Vfr/Ifr)/Rfm]−235 (f) 比較した結果、近似的にも等しくないと判断された
ときに、界磁回路に異常があったとして異常処理する。
【0007】また、手順(a) で求められた界磁電流計算
値のIfrを基準値Ifr0 として、この基準値Ifr0 に1
に近い複数の所定の係数を掛けた値をIfrt としてこれ
を基に手順(b) と同じ手順でVfrt を計算し、このV
frt を基準値Vfr0 として、この基準値Vfr0 に1に近
い複数の所定の係数を掛けた値をVfrttとして手順(c)
と同じ手順でIefrtを計算し、手順(d) と同じ手順でこ
のIefrtと前述のIefmと比較して、近似的に等しいと
判断されたときに、このときのVfrt とIfrt を手順
(e) における修正されたVfrとIfrにするものとし、又
は、手順(a) で求められた界磁電流計算値Ifrと、手順
(b) で求められた界磁電圧計算値Vfrを初期値として、
手順(b) と手順(c) によって求められる界磁電流計算値
frが測定値Ifmに等しいとする方程式との、VfrとI
frを未知数とする二元連立方程式を解いて得られたVfr
とIfrの値を手順(e) における修正されたVfrとIfr
するものとし、又は、手順(a) で求められた界磁電流計
算値Ifrと、手順(b) で求められた界磁巻線温度初期推
定値Tfr0 と、界磁電圧計算値Vfrとを初期値として、
手順(b) と手順(c) によって求められる界磁電流計算値
frが測定値Ifmに等しいとする方程式との、VfrとI
frとTfrとを未知数とする三元連立方程式を解いて得ら
れたVfrとIfrの値を手順(e) における修正されたVfr
とIfrにするともに、これらに対応するTfrを手順(e)
で求められる界磁巻線温度計算値Tfrとするものとす
る。
【0008】
【作用】この00明の構成において、同期機の運転中の測
定値を入力データとして、あらかじめ定められたエルゴ
リズムに基づいてコンピュータに同期機の界磁巻線の温
度Tfrを計算させることによって、複雑な計算式も容易
かつ高速に計算し、計算結果を出力手段で出力すること
によって操作者が容易に計算結果を確認することができ
る。
【0009】あらかじめ定められたアルゴリズムは前述
のように、励磁機の界磁電流計算値Iefr を求めて、測
定値Iefm と比較する。これらの値が近似的に等しいと
きには、Iefr が測定値Iefm により近い値になるよう
にVfrとIfrを修正した上でこれを用いて界磁巻線温度
計算値TRTを計算する。等しくないと見なされたときに
は、界磁回路に異常があったとして異常処理することに
よって、界磁回路の監視機能を持たせることできる。ま
た、前述のようにVfrとIfrを修正することによってよ
り精度の高いTRTを得ることができる。
【0010】VfrとIfrを修正する方法として、最初に
計算された界磁電流計算値Ifrを基準値Ifr0 として、
これに複数の1に近い所定の係数を掛けた値を界磁電流
計算値Ifrt としてこれを基に界磁電圧計算値Vfrt
計算し、このVfrt を基準値Vfr0 として、この基準値
fr0 に複数の1に近い所定の係数を掛けた値をVfr tt
して、Ifrt とVfrttの組み合わせに対応する励磁機の
界磁電流Iefrtを計算して測定値Iefm と比較し、近似
的に等しいときに、このときのIfrt とVfrttを修正さ
れたVfrとIfrとにする方法があり、又は、最初に求め
られた界磁電流計算値Ifrと、これに対応する界磁電圧
計算値Vfrを初期値として、VfrとIfrとを未知数とす
る非線形二元連立方程式を解いて得られたVfrとIfr
値を修正されたVfrとIfrとにする方法、更には、未知
数にTfrを加えた3つの未知数に対する三元連立方程式
を解き、その結果としてのVfrとIfrの値を修正された
frとIfrにするとともに、Tfrを最終的に求められた
同期機の界磁巻線の温度とすることによっても初期の目
的を達成することができる。
【0011】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示すブロック図である。この
図において、同期機1で測定される電気量などがコンピ
ュータ2に入力されて後述するあらかじめ設定されてい
るアルゴリズムに基づいて演算処理を行って界磁巻線の
温度を求め、その結果を関係する値とともに出力手段と
してのディスプレー22に出力する。操作者はその値を
観察して監視を行う。演算処理の実施などの指令は入力
手段としてのキーボード21による。
【0012】図2は図1のコンピュータ2で処理される
アルゴリズムを示すフローチャートである。この図の各
手順を順を追って説明する。なお、計算で求められた値
には添字rを、測定によって求められた値には添字mを
付けることにする。これらの添字を付けない値はこれら
の区別をしない場合である。 手順101〔データ入力〕 後の手順で必要とする同期機2で測定される電気量や温
度などがコンーュータ2に入力される。こんれらのデー
タはコンピュータ2の内部記憶に記憶させる。 手順102〔If の計算〕 同期機界磁電圧If の計算法は、電気学会 電気規格調
査会標準規格JEC−114 第2編2.5界磁電流算
定法に基づく。この算定法によれば、同期機の電機子電
圧Vam、同電流Iam、同力率φa の測定値を基に同期機
界磁電圧If を求めることができる。力率φは有効電力
Pと無効電力Qとから計算される。もちろん、無負荷特
性や短絡特性などの同期機の特性及び巻線抵抗などに関
するデータがあらかじめコンピュータ2の内部記憶に記
憶させてある。 手順103〔Vf の計算〕 界磁電流If は直流なので、界磁電圧Vf は界磁電流I
f と界磁巻線の抵抗R f との積として求められる。た
だ、抵抗Rf は界磁巻線の温度Tf によって変化し、そ
の温度Tf が最終的に求めるものであるから、この手順
では次式で求められる近似的な温度が用いられる。
【0013】
【数1】 Tfr=TCm+K1 fr 2 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) ここで、TCO;界磁巻線を冷却する冷却媒体の温度の測
定値、K1 ;比例係数なお、このTfrが界磁巻線温度と
して充分の精度があるならば以降の計算は不要である
が、実際にはこの時点でのIfrの値は必ずしも精度が良
いとは言えず、後述するように値を修正することにな
る。
【0014】
【数2】 Vfr=Rfm{(235 +Tfr)/310 }Ifr ‥(2) ここで、Rfm;界磁巻線抵抗値の75℃換算値 このVfrも前述のIfrと同様に値が修正される。 手順104〔Iefの計算〕 励磁機の界磁は固定子側なので、その電流Iefを実測し
て実測値Iefm を得ることができる。一方、同期機の界
磁電流If は励磁機の電機子電流Ieaを整流器によって
整流して得られることから、同期機の界磁電圧Vfrと界
磁電流Ifrから励磁機の電機子電圧Veaと電機子電流I
eaとを整流理論に基づいて計算で求めることができ、こ
れらVeaとIeaとから同期機の理論に基づいて励磁機の
界磁電流Iefを求めることができる。励磁機の界磁電流
の実測値Iefm と前述の方法で計算される計算値Iefr
とを比較することによって、これらの計算に使用した同
期機の界磁電流IfrとVfrの精度の検証と修正が可能に
なる。
【0015】整流理論及び同期機理論に基づいた励磁機
の界磁電流計算値Iefr の誘導式は次の通りである。な
お、式の中で√(・・)とあるのは、括弧の中の値を平
方根した値を示す。また、θは転流角、ψd は電機子電
流の基本成分算出用のパラメータ、Ketは電機子電流実
効値成分計算用のパラメータ、αは電機子電圧、電流の
力率角、IfkはIefr のIeaに対応する成分、IfoはV
eaに対応する成分である。これらは計算の途中経過の値
なので添字による計算値であることの区別はしていな
い。また、励磁機の電機子電圧VeaとIeaは実際の値の
計算値ではなく、励磁機と電機子との巻数を等しいとし
た基準的な値である。これらの巻数比は係数K4 とK5
の中に含まれている。
【0016】
【数3】 Vea ={(π/3)Vfm+K3 fm}/√(2)‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥(3)
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】
【数7】 cosα=cos(θ/2) /ψd ‥‥‥‥‥‥‥‥(7)
【0021】
【数8】 Iea =Ketfm ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(8)
【0022】
【数9】 Ifk =K4ea ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(9)
【0023】
【数10】 IfO =K5 ea ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(10)
【0024】
【数11】 Iefr =√(Ifk 2 +IfO 2 +2IfkfO sinα)‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥(11) 手順105〔Iefの判定〕 励磁機界磁電流Iefの実測値Iefm と手順105で計算
された計算値Iefr とを比較し、その差の絶対値の比率
があらかじめ設定した1よりもはるかに小さな値δ1
りも小さいとき近似等号が成立したと見なして「Yes」
に分岐して手順108以下を実行し、そうでないときに
「No 」に分岐して手順106を実行する。実際の手順
105のアルゴリズムでは、Iefr −Iefm の絶対値の
efm に対する比とδ1 とを比較するという最も一般的
なものばかりではなく、後述の手順107も含めて近似
等号の判定とIfr,Vfrの修正を同時に行うアルゴリズ
ムを使用することもできる。 手順106〔異常処理〕 計算値Iefm は実測値Iefr とは大きく違わないのが実
際であり、もし手順105で「No 」に分岐するときは
何らかの異常があったと考えるべきであり、また、そう
考えて良い程度にδ1 が設定される。すなわち、励磁機
の電機子と同期機の界磁とこれらの間に挿入される整流
器を含めた回路で何らかの異常が発生したと考えるべき
である。例えば、整流器の素子の故障、回路の断線・短
絡などである。このような異常が発生していると見なせ
る場合に手順106で適切な異常処理を行う。例えば、
ディスプレー上に警報の表示をするなどである。 手順107〔Vfr, Ifrの修正〕 手順105で「Yes」に分岐してもIefr は厳密にI
efm に一致しないのが普通であり、当然Iefm の方が精
度が良いから、Iefr が実質的にIefm に一致するよう
に修正したVfr, Ifrを使用して後述の界磁巻数温度T
frを求める方が精度が良いことになる。前述の(3)〜
(11)式は結局IerがVfrとIfrとの関数であること
を表しており、これを次式で表す。
【0025】
【数12】 Ier=f(Vfr,Ifr) ‥‥‥‥‥‥‥‥(12) このIerがIemに一致するためには次式と前述の(2)
式との二元連立非線形方程式を解くことと一致する。
【0026】
【数13】 Iem=f(Vfr,Ifr) ‥‥‥‥‥‥‥‥(13) この方程式を解く過程の中には、前述の手順103、1
04及び105も含まれるので実際の図2に相当するフ
ローチャートは手順107が図2のように単独に存在す
るのではなく全体のフローチャートの中で手順107の
機能が実現されることになる。なお、非線形多元連立方
程式の解法には例えばニュートンラプソン法などが有名
であり、実際には(2)式と(13)式の特殊性を利用
したより簡単、高速なアルゴリズムが使用される。
【0027】また、VfrとIfrを修正する方法として、
手順102で計算されたIfrに、例えば、このIfrを基
準値Ifr0 として、これにe=(1,1±0.0025, 1±
0.005 )の5種類の係数を掛けて得られる値Ifrt のそ
れぞれごとにVfrを計算し、これをこのときのIfrt
対する基準値Vfrt0として、前述の係数e又は異なる1
に近い複数の係数を掛けた値Vfrttとして、(Ifrt
frtt)の組み合わせに対するIefrtを計算し、これと
efm とを比較して最もその差が小さな(Ifr t ,V
frtt)の組み合わせを修正された値とする方法も採用す
ることができる。 手順108〔Tfrの計算〕 修正された結果としてのVfrとIfrを基に次式から界磁
巻数温度Tf の計算値Tfrを求める。
【0028】
【数14】 Tfr= 310×{(Vfr/Ifr)/Rfm}−235‥‥‥‥
‥‥‥‥(14) この式は前述の(2)式の変形式である。したがって、
frとIfrを修正せずに手順102と103で求めた値
をそのまま(12)式に代入すれば得られるT frの値は
(1)式で求めたTfrに一致する。
【0029】これまでの記載ではIfrからVfrを求める
ときは(2)式によるとしているので、そのときのTfr
の値は(1)式で求められた値のままということにな
る。実際には、手順107のVfr,Ifrの値を修正する
過程でより精度のよいTfrを使用することによって、よ
り精度の高いVfr,Ifrを求めることができる。同時に
この手順108の機能としてのTfrの計算結果も同時に
得られることになる。このことは、前述の(11)式と
(2)式との連立方程式に(14)式を追加して、
fr,Ifr,Tfrの3つを未知数とする非線形三元連立
方程式を解くことに帰着するといってもよい。
【0030】いずれにしても図2のフローチャートは界
磁巻線温度Tfrを求めるエアルゴリズムの基本を示して
いるものであって実用に当たっては種々の工夫が盛り込
まれるのが実際である。 手順109 手順108で求められた界磁巻線温度Tfrの値はディス
プレー4に表示される。このとき、手順101で同期機
1から入力されたデータや途中の手順で計算された
fr,Ifrなども同時に出力することによって、操作者
は表示された全体のデータを把握することができる。前
述の手順106での異常処理の際は、異常である旨の表
示の他にこれらのデータを例えば正常では白の文字で表
示するのに対して赤で表示して注意を喚起するというこ
とも可能である。また、単にディスプレーに表示するだ
けではなく、プリンターに印字させたり、計算結果を同
期機の制御系にフィードバックしてより効率的な運転の
ためのデータとして活用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】この発明は前述のように、同期機の運転
中の測定値を入力データとして、あらかじめ定められた
手順に基づいてコンピュータに同期機の界磁巻線の温度
frを計算させることによって、複雑な計算式も容易か
つ高速に計算し、計算結果を出力手段で出力することに
よって操作者が容易に計算結果を確認することができ
る。また、前述のような手順に基づいてTfrを計算し、
計算過程で励磁機界磁電流の計算値Iefr と測定値I
efm とを比較し近似的に等しいかどうかの判定を行い、
等しくないと判定されたときには、界磁回路に異常があ
ったと見なすことによって界磁回路の監視機能を持たせ
ることできる。また、等しいと判定されたときには、I
efr がIefm 一致するようにVfrとIfrを修正してその
値を基にTfrを計算することによって精度がより向上す
るという効果が得られる。
【0032】また、VfrとIfrを修正する方法として、
frとIfrとのそれぞれの値を少しずつ変化させて得ら
れるVfrttとIfrt の組み合わせのそれぞれに対応する
ef r を求め、これとIefm とを比較して最もその差が
小さなVfrttとIfrt の組み合わせを修正された値とす
ることでもよく、VfrとIfrとを未知数とした非線形二
元連立方式を数値解析的に解くことでもよい。更に、未
知数にTfrも加えた非線形三元連立方程式を解く方法を
採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すブロック図
【図2】図1のコンピュータで処理される手順を示すフ
ローチャート
【符号の説明】
1 同期機 2 コンピュータ 21 キーボード(入力手段) 22 ディスプレー(出力手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同期機の運転中の測定値を入力データとし
    て、あらかじめ定められたアルゴリズムに基づいて同期
    機の界磁巻線の温度Tfrを計算するコンピュータ、計算
    結果を出力する出力手段を備え、 前記アルゴリズムが次の手順でなることを特徴とするブ
    ラシレス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視方法。 (a) 同期機の電機子電流Iam、電機子電圧Vam、負荷有
    効電力P、負荷無効電力Qの測定値を基に、界磁電流計
    算値Ifrを計算によって求める。 (b) 冷却媒体の温度Tcmの測定値を基に同期機界磁巻線
    温度Tfrの初期推定値Tfr0を求め、この値と界磁電流
    計算値Ifrを基に、Rfmを界磁巻線抵抗値の75℃換算
    値として、次式により界磁電圧計算値Vfrを計算によっ
    て求める。 Vfr=Rfm[(235+Tfr0)/310]Ifr (c) 界磁電流計算値Ifrと界磁電圧計算値を基に、αを
    電機子電圧、電流の力率角、Ifkを励磁機の界磁電流計
    算値の励磁機の電機子電流Ieaに対応する成分、If0
    励磁機の電機子電圧Veaに対応する成分として、次式に
    より励磁機の界磁電流計算値Iefrを計算によって求め
    る。 Iefr=√(Ifk 2+If0 2+2Ifkf0sinα) (d) この励磁機の界磁電流計算値Iefr とその測定値I
    efm とを比較する。 (e) 比較した結果、近似的に等しいと判断されたとき
    に、VfrとIfrとに所定の係数を乗じて、測定値Iefm
    と比較して最もその差が小さなVfrとIfrとの組み合わ
    せに修正した上で、この値を用いて、次式により界磁巻
    線温度計算値Tfrを計算する。 Tfr=310×[(Vfr/Ifr)/Rfm]−235 (f) 比較した結果、近似的にも等しくないと判断された
    ときに、界磁回路に異常があったとして異常処理する。
  2. 【請求項2】手順(a) で求められた界磁電流計算値のI
    frを基準値Ifr0 として、この基準値Ifr0 に1に近い
    複数の所定の係数を掛けた値をIfrt としてこれを基に
    手順(b) と同じ手順でVfrt を計算し、このVfrt を基
    準値Vfr0 として、この基準値Vfr0 に1に近い複数の
    所定の係数を掛けた値をVfrttとして手順(c) と同じ手
    順でIefrtを計算し、手順(d) と同じ手順でこのIefrt
    と前述のIefm と比較して、近似的に等しいと判断され
    たときに、このときのVfrt とIfrt を手順(e) におけ
    る修正されたVfrとIfrにすることを特徴とする請求項
    1記載のブラシレス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視
    方法。
  3. 【請求項3】手順(a) で求められた界磁電流計算値Ifr
    と、手順(b) で求められた界磁電圧計算値Vfrを初期値
    として、手順(b) と手順(c) によって求められる界磁電
    流計算値Ifrが測定値Ifmに等しいとする方程式との、
    frとIfrを未知数とする二元連立方程式を解いて得ら
    れたVfrとIfrの値を手順(e) における修正されたVfr
    とIfrにすることを特徴とする請求項1記載のブラシレ
    ス励磁機付同期機の界磁巻線温度監視方法。
  4. 【請求項4】手順(a) で求められた界磁電流計算値Ifr
    と、手順(b) で求められた界磁巻線温度初期推定値T
    fr0 と、界磁電圧計算値Vfrとを初期値として、手順
    (b) と手順(c) によって求められる界磁電流計算値Ifr
    が測定値Ifmに等しいとする方程式との、VfrとIfr
    frとを未知数とする三元連立方程式を解いて得られた
    frとIfrの値を手順(e) における修正されたVfrとI
    frにするともに、これらに対応するTfrを手順(e) で求
    められる界磁巻線温度計算値Tfrとすることを特徴とす
    る請求項1記載のブラシレス励磁機付同期機の界磁巻線
    温度監視方法。
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