JP3227291B2 - データ符号化装置 - Google Patents

データ符号化装置

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JP3227291B2 JP31612993A JP31612993A JP3227291B2 JP 3227291 B2 JP3227291 B2 JP 3227291B2 JP 31612993 A JP31612993 A JP 31612993A JP 31612993 A JP31612993 A JP 31612993A JP 3227291 B2 JP3227291 B2 JP 3227291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、データ符号化装置に
関するもので、特に、人間の視覚特性や聴覚特性等の感
覚特性を利用したデータ圧縮に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタルオーディオの分野では、ま
ず、CD、DAT等といったものがあった。これらの機
器は、物理的データをそのまま記録するものである。し
かし、実際人間がこの物理的データ全部を認識している
わけではない。また、人間の耳はすべての周波数の音に
対して均一な感度を持っているわけでもなく、感度の良
い周波数もあれば感度の悪い周波数もあり、それぞれの
周波数で、聴こえなくなる音のレベルを最小可聴限と呼
ぶ。これは、標準的な人の聴覚特性では、4kHz近傍
がもっとも感度が良く、図14のような曲線になる。ま
た、任意の周波数の音が耳に入力された場合、その音の
自分自身の周波数を含む近傍の周波数の音を聴こえなく
するこの効果をマスキングと呼ぶ。これは図15の曲線
のようになる。この曲線をマスキングカーブと呼び、こ
の曲線よりも小さな音は聴こえない。この2つの作用に
より図16のような曲線よりも小さな音は聴こえなくな
るので、この部分のデータ成分は人間によって、存在し
てもしなくても認識できない。この曲線のことを最小可
聴限を考慮に入れたマスキングカーブと呼ぶ。この認識
できないデータ成分は削除しても何ら影響はでない性質
を利用してデータ成分を削除することで、高い圧縮率で
データ圧縮が可能である。この様なデータ圧縮を行う装
置として、MPEG(Moving Pictures
ExpertGroup)/AUDIO、MD(Mi
ni Disk)、DCC(Digital Comp
act Cassette)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法で
は、単一の感覚特性モデルを基に圧縮を行っているが、
人間の感覚のバラツキは非常に大きい。例えば、最小可
聴限を考えてみると、すべての人間の最小可聴限が図1
4の曲線で表されるわけではない。図17のように低い
周波数に対して感度の良い人間もいれば、高い周波数に
対して感度の良い人間もいるし、マスキングに関しても
図18のようにモデルとしているマスキングカーブと異
なった特性をもっている人間もいるので、図19のよう
に異なった最小可聴限を考慮に入れたマスキングカーブ
を持つ人もいることになる。そのため、この例で取り上
げた聴感特性を持つ人間は、図19で最小可聴限を考慮
したマスキングの値がモデルよりも小さな値をとる部分
において元の音と圧縮伸長した音との差を感知する。そ
して、高い圧縮率を実現しようとした時、モデルとした
感覚特性を持つ人間に差が判るか判らないかの境界あた
りで圧縮を行なうことになるため、より差を感知しやす
くなる。また、この感知できるかできないかと言うこと
については、心理的な側面もある。つまり、感覚器官そ
のものは感知できるような差であったとしても、人間が
その差に気がつかないという状況が生じ得る。これは、
音楽などで聞いている人間が低中域に精神を集中してい
る時に、高域で本来気がつくはずのノイズなどの異音が
生じているにも関わらず聞きのがす現象のことである。
また、実際に音楽データを単位時間あたりの圧縮率を一
定に保ったままあるいは、圧縮率の下限を定めて圧縮し
ようとすれば、削除が可能なデータ成分だけではなく削
除すると削除したことがわかるようなデータ成分をも削
除する必要が生じることもある。このような時には、音
楽性や、高域部の伸びが欲しい、中低域のザラつきがな
い方がいい等といった個人の嗜好などを重視した方が、
聴く人にとっては、聴きやすいものになる。というの
は、普通音楽を聞く場合に原音と比較しながら聴くとい
うことはあまりないため、再生音が聴きやすい方が良い
からである。ところで、この個人の嗜好はバラツキが大
きいため、一つの感覚特性に基づいて圧縮を行うことは
できない。
【0004】このようなアルゴリズムでは、再生状況に
よって、削除できるデータ成分が異なってくる。たとえ
ば、再生音場に定常的なノイズがあれば、そのノイズに
マスクされる音の成分は人間の耳には聴こえないので、
このようなデータ成分は削除できる。さらに、再生音場
によっては、反響、共鳴等の影響により、各周波数成分
の信号に変化が生じる。このように、再生時の信号成分
の大きさが変化するとマスクされるデータ成分が異なっ
てくる。信号成分と最小可聴限を考慮したマスキングの
値が異なると、すでに感覚特性に基づいているとは言い
難くなり、再生音として必要なデータ成分を削除してし
まうと言うことが生じる。また、再生時の信号成分の大
きさの変更は、聴く人の嗜好で低域周波数信号を大きく
したり、中域周波数信号を小さくしたりすることによっ
ても変化する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディジタルデ
ータを人間の感覚特性に基づいて認識できないデータ成
分を削除することによって圧縮を行なうデータ符号化装
置に於いて、感覚特性に基づいてデータ成分を削除する
機能を有する複数の圧縮手段と、個別の具体的な使用者
の感覚特性を抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽
出された結果に基づいて上記複数の圧縮手段のうちから
上記個別の具体的な使用者の感覚特性に合致する圧縮手
段を選択する選択手段とを備えたことを特徴とするデー
タ符号化装置を提供する。
【0006】本発明は、ディジタルデータを人間の感覚
特性に基づいて認識できないデータ成分を削除すること
によって圧縮を行なうデータ符号化装置に於いて、感覚
特性に基づいてデータ成分を削除する機能を有する複数
の圧縮手段と、個別の具体的な再生状況を解析する解析
手段と、該解析手段により解析された結果に基づいて上
記複数の圧縮手段のうちから上記個別の具体的な再生状
況に合致する圧縮手段を選択する選択手段とを備えたこ
とを特徴とするデータ符号化装置を提供する。
【0007】本発明は、ディジタルデータを人間の感覚
特性に基づいて認識できないデータ成分を削除すること
によって圧縮を行なうデータ符号化装置に於いて、感覚
特性に基づいてデータ成分を削除する機能を有する複数
の圧縮手段と、個別の具体的な使用者の嗜好を抽出する
抽出手段と、該抽出手段により抽出された結果に基づい
て上記複数の圧縮手段のうちから上記個別の具体的な使
用者の嗜好に合致する圧縮手段を選択する選択手段とを
備えたことを特徴とするデータ符号化装置を提供する。
【0008】
【0009】
【作用】本発明の符号化装置は、それぞれ異なった感覚
特性に基づく複数の圧縮方法を切替えることが可能とな
っており、それら圧縮方法のうちから1つを選択を行う
選択装置を持っている。入力のディジタル信号は、選択
装置で選択された圧縮方法に従って圧縮され、圧縮デー
タを生成する。これによって、圧縮の際に削除するデー
タ成分を変更することが可能となるので、個々人の聴覚
特性、嗜好の差異や再生状況の差異等による削除可能な
データ成分の変化に対応することが可能となる。
【0010】
【実施例】実施例1 本発明になる人間の感覚特性に基づくディジタルデータ
の符号化装置を音楽圧縮に応用した実施例を図面と共に
詳細に説明する。図1に、符号化装置の構成を示す。図
2に、図1の圧縮装置の構成を示す。図3に、圧縮装置
に対する伸長装置の構成を示す。
【0011】図1において、ディジタル音楽データは、
選択装置1に送られる。選択装置1では、複数の圧縮装
置2のうちどの圧縮装置1〜nを使用するかの選択が行
われ、ディジタル音楽データを選択した圧縮装置1〜n
のいづれかに転送する。それぞれの圧縮装置は、単体で
も圧縮が可能な前述の図2に示すような装置である。次
に、図2を用いて、この圧縮装置の動作を説明する。デ
ィジタル音楽データをサブバンド解析部3で、周波数サ
ブバンドデータを生成する。スケールファクタ計算部4
では、各サブバンドのデータの大きさから各サブバンド
のスケールファクタを算定する。マスキング計算部5で
は、サブバンドのデータと圧縮装置がモデルとした人間
の聴感特性に基づいて最小可聴限を考慮に入れたマスキ
ングの値を計算する。必要ビット数計算部6では、サブ
バンドデータとマスキングの値から、モデルとした人間
が圧縮伸長した音と原音とが区別できないようにするた
めには、各サブバンドに必要なビット数を計算する。こ
のビット数のことを必要ビット数と呼ぶ。ビット配分部
7では、各サブバンドの必要ビット数とシステム上の総
ビット数制限等から、モデルとした人の聴感特性に適す
るように実際に各サブバンドに割り当てるビット数を決
定する。量子化部8では、サブバンドデータ、スケール
ファクタ、割り当てビット数から各サブバンドデータの
量子化を行ない、圧縮データを作成する。そして、圧縮
データを図3のような伸長装置を用い伸長する。図3に
おいて、圧縮データは逆量子化部9で、各サブバンドデ
ータに戻される。そのサブバンドデータを、サブバンド
合成部10で合成し、再生音を生成する。尚、ここでの
サブバンドの圧縮装置の詳細については、特開平4ー2
50723に詳述されている。
【0012】従来技術で述べたように、人間の聴覚特性
は、最小可聴限やマスキングによって表され圧縮装置に
はモデルの最小可聴限やマスキング等のデータを持って
おり、それに基づいて圧縮を行っている。この符号化装
置は、複数の圧縮装置はそれぞれ異なった聴覚特性に基
づいている。ここで、説明のために、A氏という人を例
にとることにする。まず最小可聴限について述べる。A
氏の最小可聴限のカーブが図4の周波数特性を持つとす
る。この時、符号化装置が図5の(a)〜(d)の様な
異なる最小可聴限の特性の圧縮装置を持つとする。ここ
では、説明の簡単のため4種類のみを記す。この(a)
〜(d)の最小可聴限のカーブのうちから、A氏のカー
ブに近いものを選ぶ。同様に、マスキングカーブについ
ても適切なものを選択する。そうすると、図6のように
A氏の最小可聴限を考慮したマスキングカーブに近い最
小可聴限を考慮したマスキングカーブに基づいた圧縮装
置を用いて圧縮を行うことになる。つまり、同じ入力デ
ータに対して、それぞれの圧縮装置はモデルとする聴感
特性が異なっているため、それぞれの圧縮装置が作成す
る圧縮データも異なることになる。この圧縮データを図
3のような伸長装置を用いて伸長したデータは、使用し
た圧縮装置によって異なる。ここで、伸長したデータを
聴く人が自分の聴感特性に近い聴感特性モデルに基づく
圧縮装置を用いて圧縮を行なえば、削除されたデータ成
分と聴く人にとって聴こえないデータ成分が一致するこ
とになり、聴く人にとって非常に元データと識別しにく
い圧縮伸長音を得ることができる。
【0013】ここでは、音楽の圧縮について述べたが、
音楽を画像に置き換えても同様の効果を持つ符号化装置
を作る事ができる。
【0014】実施例2 実施例1に於いては、いくつかの感覚特性等を表現する
ために複数の圧縮装置を用いたが、これらの圧縮装置間
で共通の部分が存在し、それを共通化することによりコ
ンパクトな符号化装置を構成することができる。この装
置に関する実施例を図面と共に詳細に説明する。図7
に、本実施例での符号化装置の構成を示す。
【0015】図7において、デジタル音楽データは、符
号化装置のサブバンド解析部11に入力される。サブバ
ンド解析部11では、デジタル音楽データからサブバン
ドデータを生成する。スケールファクタ計算部12では
各サブバンドのデータの大きさからスケールファクタを
算定する。選択装置13では、複数のマスキング計算部
14のうちからどれを使用するかを選択し、サブバンド
データを選択したマスキング計算部に転送する。選択さ
れたマスキング計算部では、サブバンドデータ符号化装
置がモデルとしている聴覚特性から、マスキング値を計
算する。ここでは、図を簡単化するためにマスキング計
算部を3つ描いているが、このマスキング計算部は必要
な数だけ存在する。必要ビット長計算部15では、サブ
バンドデータとマスキングの値から各サブバンドデータ
がどの程度ビット数があれば、人間の聴感上問題無いか
を計算する。このビット数を必要ビット数という。ビッ
ト配分部16では、必要ビット数とシステム上の総ビッ
ト数制限等から実際に各サブバンドに割り当てるビット
数を決定する。量子化部17では、サブバンドデータ、
スケールファクタ、割り当てビット数から各サブバンド
データの量子化を行ない圧縮データを作成する。ところ
で、マスキング計算部14が複数あるが、同じ入力デー
タに対して、それぞれのマスキング計算部は異なった聴
感特性を基にして最小可聴限を考慮したマスキングの値
を計算するため、実際に選択されたマスキング計算部が
モデルとしている聴感特性に基づいてデータ成分の削除
が行われることになる。これによって、実施例1で複数
の圧縮装置を用いた時と同じように、同じ入力に対して
複数の最小可聴限を考慮したマスキングカーブを実現す
ることができる。この圧縮データを伸長したデータを聴
く人の聴感特性に近い聴感特性をモデルとしたマスキン
グ計算部を用いて圧縮を行なえば削除されたデータ成分
と聴く人にとって聴こえないデータ成分が良く一致する
ことになり、聴く人にとって非常に元データと識別しに
くい圧縮伸長音を得ることができる。
【0016】ここでは、マスキング計算部のみを選択す
るようにしたが、他の部分を選択するようにしても良い
し、また、各装置で演算で使用する変数の値を修正する
という方法を使う事も可能である。また、音楽の圧縮に
ついてのべたが、音楽を画像等に置き換えても同様の効
果を持つ符号化装置を作る事ができる。
【0017】実施例3 実施例1、実施例2においては、選択装置の選択を手動
で行なっていたが、この選択は圧縮の基礎となっている
感覚特性のモデルが人間の感覚の曖昧さを含んでいるた
め難しい。そこで人間の感覚特性を抽出し、自動的に選
択する装置を付加することによって、効果のある圧縮を
選択することのできる装置を構成できる。図8に、付加
装置を含む本実施例での符号化装置の構成を示す。図9
に、感覚特性抽出装置を示す。また、実施例1、実施例
2と同様に音楽を対象にして説明を行う。
【0018】個々の人間18は、感覚器官の特性や心理
的情報等の圧縮の基になる感覚特性の情報を持ってい
る。この個々人の感覚特性の情報を感覚特性抽出装置1
9で抽出する。この感覚特性抽出装置のを図9に示す。
この装置では正弦波音源生成器22で様々な正弦波等の
テスト用データを作成、あるいは蓄積データから選択使
用する。そのテスト音を音響装置23を用いて対象とな
る人間24に聴かせる。人間24はこのテスト音がどの
ように聞こえるかを入力装置25に入力する。このデー
タを基に最小可聴限データ作成部26で、最小可聴限を
考慮したマスキングデータを作成する。ここで、テスト
音を周波数の正弦波とし、それぞれの周波数で、どの程
度の大きさの音まで聴こえるかを調べれば、最小可聴限
の値を調べることができる。また2つの周波数のことな
る正弦波をテスト音とすることによっておおよそのマス
キングの値を調べることができる。そして、その最小可
聴限やマスキング等の抽出された情報を基に最適圧縮装
置選択装置20で、切替え装置付符号化器21が持って
いる圧縮方法のうち最適なものを選択する。この選択方
法の例としては、聴く人間とそれぞれの圧縮装置がモデ
ルとしている感覚特性の最小可聴限やマスキングのそれ
ぞれの周波数における誤差の緩和がもっとも小さいもの
を選ぶことで選択を行う。切替え装置付符号化器は、実
施例1、実施例2等に示した符号化装置で、最適圧縮装
置選択装置が選択した圧縮に基づいて入力のデジタル音
楽データの圧縮を行ない、圧縮データを出力する。
【0019】ここでは、音楽の圧縮について述べたが、
音楽を画像等に置き換えても同様の効果を持つ符号化装
置を作る事ができる。
【0020】実施例4 本発明になる人間の感覚特性に基づくディジタルデータ
の符号化装置に、再生状況を考慮に入れた装置を付加し
た装置を音楽の圧縮に応用した実施例を図面と共に詳細
に説明する。図10に、本実施例での符号化装置の構成
を示す。
【0021】図10において、テスト音生成装置27で
は、再生状況を調べるための様々な周波数の正弦波等の
テスト音を生成する。このテスト音を音響装置28を用
いて空間音波に変換する。この空間音波を音場29に伝
送する。この音場29では、聴く人間再生状況を表すも
ので、部屋でスピーカーシステムを用いる場合、部屋の
空間的広がりや形状、壁材による反響、外部からのノイ
ズ等の要素について考える必要がある。ヘッドホンを用
いるならば、ヘッドホンの形状、耳や顔の形状、外部か
らのノイズ等の要素に加え、他人がいる所で使うことも
考えられるので、音の漏洩についても留意する必要があ
る。また、聴く音はこの音場の状況だけではなく音響装
置そのものの特性にも影響される。そこで、音場解析部
30では、音響装置の物理的特性と従来ホールの設計な
どで用いられている音線法、鏡像法、有限要素法等を用
いた解析結果から再生状況をデータ化する。また、テス
ト音がどのような音に聴こえるかを実際にマイクロフォ
ン31で音を拾う。最適圧縮装置選択部32では、マイ
クロフォン31で拾った音と元のテスト音の違いと、音
場解析部30のデータから物理的に聴こえ難くなる音あ
るいは聴こえなくなる音、逆に強調される音等を調べ、
切替え装置付符号化装置33の持つ圧縮装置のうちもっ
とも適したものを選択する。この選択方法の例として
は、再生状況で物理的に聴こえないデータ成分があるな
らば、最小可聴限の値を、再生状況を考慮せずに選択し
た最小可聴限の値と聴こえないデータ成分の値のうち大
きい方を選択して作成した最小可聴限のデータに近い最
小可聴限のデータを持つ圧縮装置を選択する等といった
方法がある。切替え装置付符号化装置33は、実施例
1、実施例2に示した符号化装置で、最適圧縮装置選択
装置が選択した圧縮に基づいて入力のデジタル音楽デー
タの圧縮を行ない、圧縮データを出力する。
【0022】ここで、再生音場に図11のような定常ノ
イズが発生しているとすると、その定常ノイズによって
マスクされる部分が生じる。そのため、図11のマスキ
ングカーブよりも小さな音は聴こえなくなる。これは、
聴覚特性で聴こえないものとは別に考えることができる
ので、図12のように最小可聴限を考慮したマスキング
カーブよりもこの定常ノイズによるマスキングカーブの
方が大きい部分では、さらに削除しても良いデータ成分
が生じる。また、再生音場における共鳴や音響装置など
で、人為的に各周波数の信号の大きさを変更した時、各
周波数の信号成分の大きさが変化する。ところで、圧縮
に用いるマスキングカーブというのは信号に応じて変化
するため、図13のようにカーブが変わってしまう。こ
れを考慮せずに圧縮伸長してしまうと、圧縮時のマスキ
ングカーブと再生時のマスキングカーブとずれているた
め、再生時に必要なデータ成分が圧縮時に削除されてし
まう。このとき、この変更されたマスキングカーブに近
い特性を持つ圧縮装置を選択して、圧縮を行ってやれば
再生時に必要なデータ成分が削除されることがなくな
る。
【0023】ここでは、音楽の圧縮について述べたが、
音楽を画像等に置き換えても同様の効果を持つ符号化装
置を作る事ができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮装置を選択するこ
とによって、圧縮率を下げることなく、人間の感覚の個
体差を吸収することができる。これにより、現在の人間
の感覚特性を利用した圧縮方法では、元のデータと圧縮
伸長されたデータとを比較して違和感を感じている人間
の個体数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る符号化装置の構成を示す図であ
る。
【図2】実施例1に係る圧縮装置の構成を示す図であ
る。
【図3】実施例1に係る伸長装置の構成を示す図であ
る。
【図4】実施例1に係る人間A氏の最小可聴限特性を示
す図である。
【図5】実施例1に係る圧縮装置が持つ最小可聴限のモ
デル例を示す図である。
【図6】実施例1において最終的に選択されたモデルの
最小可聴限を考慮に入れたマスキングカーブと人間A氏
の最小可聴限を考慮に入れたマスキングカーブを示す図
である。
【図7】実施例2に係る符号化装置の構成を示す図であ
る。
【図8】実施例3に係る符号化装置の構成を示す図であ
る。
【図9】実施例3に係る感覚特性抽出装置の構成を示す
図である。
【図10】実施例4に係る符号化装置の構成を示す図で
ある。
【図11】音場における定常ノイズの一例とそれに基づ
くマスキングカーブの一例を示す図である。
【図12】ノイズのある音場におけるマスキングカーブ
と最小可聴限を考慮に入れたマスキングカーブの一例を
示す図である。
【図13】信号が変化した時の最小可聴限を考慮に入れ
たマスキングカーブの変化を表すマスキングカーブの一
例を示す図である。
【図14】最小可聴限を示す図である。
【図15】マスキングカーブを示す図である。
【図16】最小可聴限を考慮に入れたマスキングカーブ
を示す図である。
【図17】最小可聴限の特性の変動の一例を示す図であ
る。
【図18】モデルのマスキングカーブと聴く人のマスキ
ングカーブの一例を示す図である。
【図19】モデルの最小可聴限を考慮に入れたマスキン
グカーブと聴く人のマスキングカーブの一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 選択装置 2 圧縮装置 3 サブバンド解析部 4 スケールファクタ計算部 5 マスキング計算部 6 必要ビット長計算部 7 ビット配分部 8 量子化部 9 逆量子化部 10 サブバンド合成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−7023(JP,A) 特開 昭63−200633(JP,A) 特開 平2−34038(JP,A) 特開 平3−80713(JP,A) 特開 平2−108119(JP,A) 特開 平3−116197(JP,A) 特開 平1−221100(JP,A) 実開 平2−35362(JP,U) 実開 昭62−127175(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 G10L 19/00 G11B 20/10 341

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタルデータを人間の感覚特性に基
    づいて認識できないデータ成分を削除することによって
    縮を行なうデータ符号化装置に於いて、 感覚特性に基づいてデータ成分を削除する機能を有する
    複数の圧縮手段と、個別の具体的な 使用者の感覚特性を抽出する抽出手段
    と、 該抽出手段により抽出された結果に基づいて上記複数の
    圧縮手段のうちから上記個別の具体的な使用者の感覚特
    性に合致する圧縮手段を選択する選択手段とを備えたこ
    とを特徴とするデータ符号化装置。
  2. 【請求項2】 ディジタルデータを人間の感覚特性に基
    づいて認識できないデータ成分を削除することによって
    縮を行なうデータ符号化装置に於いて、感覚特性に基づいてデータ成分を削除する機能を有する
    複数の圧縮手段と、 個別の具体的な再生状況を解析する解析手段と、 該解析手段により解析された結果に基づいて上記複数の
    圧縮手段のうちから上記個別の具体的な再生状況に合致
    する圧縮手段を選択する選択手段とを備えたことを特徴
    とするデータ符号化装置
  3. 【請求項3】 ディジタルデータを人間の感覚特性に基
    づいて認識できないデータ成分を削除することによって
    圧縮を行なうデータ符号化装置に於いて、 感覚特性に基づいてデータ成分を削除する機能を有する
    複数の圧縮手段と、 個別の具体的な使用者の嗜好を抽出する抽出手段と、 該抽出手段により抽出された結果に基づいて上記複数の
    圧縮手段のうちから上記個別の具体的な使用者の嗜好に
    合致する圧縮手段を選択する選択手段とを備えたことを
    特徴とするデータ符号化装置
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