JP3227160B2 - コネクタを同軸ケーブルに現場で取付けるための装置 - Google Patents

コネクタを同軸ケーブルに現場で取付けるための装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコネクタを同軸ケーブルに現場で取付けるた
めに用いる装置に関するものである。本発明の用途は、
特にデジタル電気通信の分野にある。
電気通信網内のリンクはケーブルおよび指向性無線通
信を用いて形成される。指向性無線通信は1GHz〜50GHz
の範囲のマイクロ波を伝送媒体として用いる二地点間リ
ンクである。無線通信リンクは2つのターミナル局間の
双方向の通信を確立することができ、この場合この通信
は互いに約50km離れた中間局を経て送信することができ
る。各局はこの場合電気通信地上線網に接続されてい
る。
これらの局の設備は主にアンテナとトランスミッタ/
レシーバとで構成されている。このアンテナは一般に、
導波管によって伝搬される電波を放射するホーン型の開
口部と、一般的には放物形の1つまたは複数の偏向器と
で形成されている。この放射開口部は常にこの放物線
(パラボラ)の焦点に位置している。この導波管はその
他端で、アンテナに近い室内に置かれたトランスミッタ
/レシーバに接続されている。
しかし、この導波管は極めて高価な伝送媒体である。
したがって、この導波管の長さを制限するために、数年
来このトランスミッタ/レシーバはこのアンテナに直接
取付けられている。このトランスミッタ/レシーバはこ
の場合短い導波管によってこのアンテナに接続され、こ
の導波管に比べて安価な同軸ケーブルによって電気通信
地上線網に接続されている。
この同軸ケーブルは、銅製の内部導体で構成される高
周波媒体であって、銅またはアルミニウムで作られた原
則として接地電位の同心スクリーン(外部導体)によっ
て囲まれている。これらはポリエチレン誘電体によって
隔離されている。このケーブルはさらに絶縁シースで被
覆されている。
このアンテナを支持するパイロンにこの同軸ケーブル
を取付けるのを容易にするためと、この同軸ケーブルを
最適な長さに調節するために、ケーブルを定位置にし
て、この同軸ケーブルをこのトランスミッタ/レシーバ
に接続するこのコネクタが取付けられる。このコネクタ
は主に1つのコアと1つのフェルールを備える。このコ
アは内部にこの同軸ケーブルの中心導体が挿入されはん
だ付けされる中空の金属ロッドである。このフェルール
は同軸ケーブルのスクリーンの周りに配置される金属リ
ングである。
このコネクタを同軸ケーブルに取付けるときにこの同
軸ケーブルに対して行う必要のある操作は主に、このケ
ーブルを切断してこの絶縁シースをはがす操作である。
このケーブルのこの準備処理の後には、この導体の要素
を位置決めしてこの同軸ケーブルに溶接する段階が続
く。
図1Aおよび図1Bは、同軸ケーブルに対する径の異なる
2つの型のコネクタの位置決めを示している。両図で
は、コア1とフェルール2とで構成されているコネクタ
が同軸ケーブル3に取付けられている。孔5および6が
このコア1およびこのフェルール2にそれぞれ設けら
れ、これらの孔を使ってこのコア1をこの同軸ケーブル
3のこの中心導体4に、およびフェルール2をこの同軸
ケーブル3のスクリーンにはんだ付けする。図1Aに図示
されたコネクタはN型であり、図1Bに図示されたのはTN
C型である。このコネクタの要素の寸法はこのコネクタ
の型によって異なる。この同軸ケーブル3に対するこの
コア1の位置は図1Aでは値dによって、図1Bでは値d′
によって示されている。これらの値は、このコアの先端
近くにある肩部と、ポリエチレン誘電体の末端との間の
距離を示している。この値dおよびd′はそれぞれ15mm
および6mmである。
このコネクタの同軸ケーブルへの取付けの質は、デジ
タル電気通信の分野では極めて重要である。これは、デ
ジタルデータの伝送がこのコネクタにおいて生じ得る接
触不良を許容できないことによる。このような接触不良
は同期を失わせたり、接続切れを引き起こすことが多
い。
しかし、このコネクタの取付けは極めて困難な場合が
ある。これは、この操作が一般に現場で、風の強い場所
およびあらゆる天候で行われることによる。メンテナン
スの場合は、電気通信網の活動が減る夜間の作業が慣例
になっているため、これらの不都合な作業条件はさらに
増す。
これら全ての条件は接続の障害をまねく危険があるこ
とは理解できよう。
本発明の1つの目的は同軸ケーブルにコネクタを現場
で取付けるための人間工学的な工具を提供することにあ
る。
このために、本発明は、同軸ケーブルにコネクタを現
場で取付けるために用いる装置において、この同軸ケー
ブルの径に適合させてこの同軸ケーブルを固定すること
ができるポータブルクリップを有することを特徴とする
装置からなる。
この同軸ケーブルを切断して被覆をはがす装置のため
にこの同軸ケーブルを手で把持することができるよう
に、このクリップは適当な径の円筒形の外側形状を有す
ることができる。好ましい実施例では、この径は約4cm
である。そして、このクリップは同軸ケーブルの末端を
片手で保持するのを容易にする装置を構成している。
コネクタのコアおよびフェルールをはんだ付けする操
作のために、同軸ケーブルを受けるための少なくとも1
つの管路を有するクリップ、およびこの同軸ケーブルへ
の組み付けのためにコネクタ要素を定位置に置くための
位置決め手段を含むことを特徴とする別の装置を設ける
ことができる。
このクリップは径の異なる同軸ケーブルをそれぞれが
受けるための2つの管路を有するのが好ましい。
さらに、この装置を現場の特定の位置、例えばパイロ
ン要素に固定するために固定手段が設けられる。
本発明の他の特徴および利点は添付図面を参照した以
下の説明からより良く理解できよう。
図1Aおよび1Bは2本の同軸ケーブルに対する径の異な
る2つの型のコネクタの位置決めを示す図であり; 図2Aおよび2Bは、それぞれ同軸ケーブルを手で把持す
るための本発明の装置の分解組立図および断面図であ
り; 図3Aから3Cは、それぞれ本発明のコネクタに対して同
軸ケーブルの末端を保持して位置決めするための装置の
正面図、端面図および側面図である。
図1Aおよび図1Bはこの明細書のプレアンブルで既に説
明されている。
図2Aおよび図2Bはそれぞれ同軸ケーブルを手で把持す
るための本発明の装置10の分解組立図および断面図であ
る。これら2つの図は互いに補完しあうので、一緒に説
明する。この装置10はケーブルクランプによってケーブ
ルの径に適合するポータブルクリップである。このポー
タブルクリップは3つの要素、すなわち雌型部11、雄型
部12およびケーブルクランプ13で形成されている。
この雌型部11は主として円筒形本体を備え、この径お
よび外面の状態は手で容易に把持することができるよう
に設計されている。この円筒形本体の径は約4〜5cmで
ある。この雄型部12の末端部15を受けるための内孔14は
この本体を軸方向に通っている。この内孔14は同軸ケー
ブルを通るための管路16に続いている。この内孔14はそ
の入口近くにネジが切られ、一方、その奥側端は、管路
16との接合部を形成する円錐受面17になっている。この
円錐受面17はこのケーブルクランプ13とはめ合うように
なっている。
このケーブルクランプ13はこの雌型部11のこの内孔14
内にピストンのように挿入される。このケーブルクラン
プ13は一組の顎型部材19に続いている円筒形リング18で
構成され、この顎型部材19の端部は円錐形になっていて
雌型部11の円錐受面17とはめ合っている。この雄型部12
はこのケーブルクランプ13と当接している。
この雄型部12はこの雌型部11と同じ径および同じ外側
状態を有する円筒形部材で構成されている。この円筒部
材はネジが切られた末端部15に続いており、この末端部
15はこの雌型部11のこの内孔14のネジが切られた部分に
螺合される。
さらに、内部をケーブルが通る管路20はこの雄型部12
を貫通して軸方向に延びる。雄型部12が雌型部11と係合
すると、この管路20は雌型部11の管路16の延長にくる。
同軸ケーブルを保持するためにこの工具を用いるのは
極めて単純である。まず、雄型部12を回して雌型部11か
ら外し、一組の顎型部材19が開く位置に来るようにす
る。第2に、この同軸ケーブルをこの管路20、このリン
グ18およびこの管路16に通してこの雄型部12を螺合す
る。
末端部15が内孔14内を移動するにつれて、一組の顎型
部材19はケーブル上で閉じ、このケーブルをその位置に
ロックする。
この工具によってこの同軸ケーブルは手でかなりうま
く把持することができる。特に、これによって同軸ケー
ブルの被覆をはがす操作を行うとき、手袋を着けたまま
でいることができる。
図3A〜図3Cはそれぞれ、同軸ケーブルおよびコネクタ
を組み立てるためにこれらを保持して位置決めするのに
用いられる本発明の位置決め装置21の平面図、端面図お
よび側面図である。
図2Aおよび図2Bと同様に、図3A〜図3Cも一緒に説明す
る。図を明瞭にするために、符号39が付けられた要素は
図3Bには示されていない。さらに、コネクタを備えた同
軸ケーブルがこの位置決め装置21内に配置され、この装
置の使い方を示している。
この位置決め装置21は一方の側で第1の端部23に、そ
の反対側で第2の端部24に垂直方向に続いているベース
22を有している。この第1の端部23の上部には、同軸ケ
ーブル26を定位置にロックするためのクリップを形成す
る締付けブロック25がある。このクリップは同軸ケーブ
ルを受けるための2つの管路27および28を有する。各管
路は端部23および締付けブロック25の互いに対向する面
に横方向に形成された2つの溝で構成されている。各管
路の横断面は同軸ケーブルの各径に適合させるのが好ま
しい。締め付けネジ29はブロック25を垂直方向に通って
端部23と係合し、この同軸ケーブル26をこれらの各管路
内の定位置に固定することができる。
ベース22はさらに、同軸ケーブル26がその上に配置さ
れる基準面30を有する。この基準面30はクリップの管路
27および28の延長上にあり、片側では、この端部23によ
って、この反対側では溝31によって規定されている。こ
の溝31によってこのコネクタのフェルールを、予め切断
され被覆がはがされたこの同軸ケーブルのスクリーン上
に位置決めすることができる。この溝31の幅および深さ
はこの溝31内にフェルールが最適な状態にはまって固定
されるように設計されている。この溝31の縁部32はこの
同軸ケーブルの誘電体がこの縁部と当接するようにわず
かに高くしてある。
さらに、この装置21は同軸ケーブルの中心導体に対し
てコネクタのコアを位置決めして保持するための手段も
有する。このように、この第2の端部24はこれを貫通す
る2つの刻み付ネジ33および34を有し、これらのネジは
それぞれクリップの管路27および28の軸と整合して位置
決めされている。この刻み付ネジのステムはそれらの自
由端の近傍で軸方向に穿孔され、コネクタのコアを受け
るようになっており、この場合同軸ケーブルの内部導体
はこのコネクタのコアに既に挿入されている。この刻み
付ネジのステムの長さはこの同軸ケーブルに取付けられ
るコネクタの型によって決まる。
2つの型のコネクタを同じ型の同軸ケーブルに取付け
ることができるように、ハンマーヘッド形のストッパー
35が設けられている。このストッパー35は、端部24から
出るネジ34のステムの長さを調節することができる。こ
のストッパー35は端部24に沿って移動できるように作ら
れ、刻み付ネジ36によってこの端部に固定される。端部
24上の複数のノッチ37、およびストッパー35上の1つの
ノッチ38によって、ストッパー35は刻み付ネジ34に対し
て正確に位置決めすることができる。
また、位置決め装置21をパイロン要素に固定するため
の手段を取付けるために1つの支持部材39が設けられ
る。この固定手段は、例えばこの装置21をコーナー部材
に固定する場合には万力グリップにすることができ、こ
の装置21を円筒管に取付ける場合にはクランプカラーに
することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−51492(JP,A) 実開 昭62−135391(JP,U) 実開 昭60−194890(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 24/02 H01R 43/00 H01R 43/027

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア(1)とフェルール(2)とで構成さ
    れるコネクタを同軸ケーブルに現場で取付けるために用
    いる装置において、同軸ケーブルを固定するためにこの
    同軸ケーブルの径に適合させることができるポータブル
    クリップ(23,25)と、同軸ケーブルへコネクタ要素を
    組み付けるためにコネクタ要素を定位置に固定するため
    の位置決め手段とを含み、前記クリップ(23,25)が、
    同軸ケーブル(26)を受けるための少なくとも1つの管
    路(27,28)を含み、前記位置決め手段が、同軸ケーブ
    ルを支持するための基準面(30)と、前記コネクタのフ
    ェルール(2)をこの同軸ケーブルの外部導体に対して
    位置決めするための溝(31)と、前記コネクタのこのコ
    ア(1)をこの同軸ケーブルの中心導体に対して位置決
    めして保持するための手段(33,34)とを含むことを特
    徴とする装置。
  2. 【請求項2】前記位置決め手段が、2つの型のコネクタ
    を同じ型の同軸ケーブルに取付けることができるようス
    トッパー(35)を含むことを特徴とする請求項3〜5の
    いずれか一項に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記装置を現場の特定の場所、例えばパイ
    ロン要素に固定することができる固定手段(39)を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 【請求項4】前記固定手段が、前記装置をコーナー部材
    に固定するための万力グリップであることを特徴とする
    請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記固定手段が、前記装置を円筒形の支持
    部材に固定するためのクランプカラーであることを特徴
    とする請求項3に記載の装置。
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