JP3226971B2 - イオン交換装置の採水−再生サイクル制御装置 - Google Patents

イオン交換装置の採水−再生サイクル制御装置

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JP3226971B2
JP3226971B2 JP20762592A JP20762592A JP3226971B2 JP 3226971 B2 JP3226971 B2 JP 3226971B2 JP 20762592 A JP20762592 A JP 20762592A JP 20762592 A JP20762592 A JP 20762592A JP 3226971 B2 JP3226971 B2 JP 3226971B2
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water
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ion
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卓 御子柴
晋 福江
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  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン交換装置の採水−
再生サイクル制御装置に関し、更に詳しくは、用いてい
るイオン交換樹脂の能力を最大限に発揮させることを可
能にし、リアルタイムでイオン交換装置の採水可能量を
推定することができるイオン交換装置の採水−再生サイ
クル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】純水もしくは超純水の製造や、加圧水型
原子炉の復水脱塩にはイオン交換装置が使用されてい
る。例えば、加圧水型原子炉の復水脱塩には、図2で示
したように、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを
所定の割合で混合して収納した混床式イオン交換装置1
が用いられている。そして、このイオン交換装置1の上
流側には復水ポンプ2,復水器3が配置され、また下流
側には復水ブースタポンプ4が配置され、これらの間で
は図示しないクローズド通水経路が形成され、イオン交
換装置1には図の矢印のように処理すべき復水が通水さ
れ、ここで復水中のカチオン,アニオンを除去して精製
され、処理水は再び蒸気発生用として利用される。
【0003】この通水経路においては、経路内を循環す
る復水のpH調節や脱酸素のために、通常、イオン交換
装置1と復水ブースタポンプ4の途中にヒトラジン注入
器5とアンモニア注入器6を介装してこれら注入器から
精製した処理水中に所定濃度のヒトラジン(N2 4
とアンモニア(NH3 )が注入される。注入されたN2
4 はN2 5 + イオン、また注入されたNH3 はNH
4 + イオンの形で通水中に存在して通水経路を流れて消
費されるが、消費されなかった残存量は再びイオン交換
装置1に還流してくる。
【0004】ところで、前記したイオン交換装置1は通
常複数基を並設して構成され、あるイオン交換装置のイ
オン交換樹脂が飽和に達して処理能力を喪失する前に、
別のイオン交換装置に通水動作を切換えるか、または再
生処理済みの樹脂と入れ替えて飽和に達したイオン交換
樹脂に対しては再生処理が施される。この再生処理に
は、一般に、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の比
重差を利用してイオン交換装置内のイオン交換樹脂を逆
洗分離し、ついで、例えばアニオン交換樹脂を別置の再
生塔に移送し、カチオン交換樹脂にはHCl水溶液を通
水し、またアニオン交換樹脂にはNaOH水溶液を通水
するという方法が適用されている。
【0005】しかしながら、現状では、カチオン交換樹
脂とアニオン交換樹脂を完全に逆洗分離することは事実
上不可能であって、カチオン交換樹脂にアニオン交換樹
脂が、微量ではあるが、必ず残留してしまう。そのた
め、このカチオン交換樹脂にHCl水溶液を通水する
と、残留しているアニオン交換樹脂が逆再生され、逆再
生された樹脂からCl- が溶出したり、また主として経
済的見地から90%程度の再生率で再生を実施している
ために、Cl- 濃度をppt のオーダに保持しなければな
らない加圧水型原子炉の冷却水においては、許容値を超
えるCl- が漏洩することがあり、非常に不都合であ
る。
【0006】そのため、従来は、所定日数で所定量(例
えば20万トン)の採水により復水脱塩を行ったのち
は、用いたイオン交換樹脂のイオン交換能力が消失して
いない場合であっても、早期に無条件で再生処理が施さ
れている。そして、このような採水−再生サイクルを所
定の回数反復すると、イオン交換樹脂は劣化して寿命が
尽きたものと判断され、新しいイオン交換樹脂に交換さ
れる。
【0007】イオン交換装置の1基当りの通水サイクル
の通常の実施例は12日程度であり、イオン交換樹脂の
再生処理は2日に1回となり、それに対応して全体のイ
オン交換装置の運転計画表が組まれている。しかしなが
ら、例えば、発電所全体の出力調整時や、復水器の冷却
用海水がリークして通水経路に混入したとき、またはイ
オン交換樹脂の再生処理システムが不調に陥ったときに
は、上記したルーチンの運転計画表を変更してそれぞれ
の状況に対応することが必要になる。
【0008】その計画変更を行なう場合には、イオン交
換樹脂の交換容量、イオン交換装置の入口における復水
中のイオン濃度、出口側におけるイオン濃度、その時点
における各イオン交換樹脂の存在割合、および復水の瞬
間流量などのデータを基にして、イオン交換装置の今後
における採水可能量を算出することが必要になる。その
算出時には、陽イオンと陰イオンにつき別々に計算する
ことが必要であり、また、イオン交換樹脂の交換容量の
安全係数、海水がリークしている場合にはそれに対応し
た見込み交換容量,再生率,樹脂の劣化率など他の要素
もまた考慮にいれ、要は、イオン交換装置の入口側にお
ける水質をリアルタイムで正確に把握しなければならな
いことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常の原子
力発電所におけるイオン交換装置への復水の水質は、全
イオン導電率:5.0μs/cm程度,カチオン除去導電率:
約0.1μs/cm,pH:約9.2,NH4 + 濃度:NH3
算で約540ppb ,N2 5 + 濃度:N2 4 換算で約
100ppb ,Na+ 濃度:約0.005ppb ,Cl-
度:約0.02ppb である。
【0010】そして、上記した各特性項目を測定するこ
とにより、イオン交換装置への復水の水質管理が行なわ
れているが、これら項目のうち、一般に、導電率とpH
に関しては連続的にモニタリングされ、N2 4 濃度に
関しては、1日に1回程度のサンプリングで分析が行な
われ、NH3 濃度は1週に1回程度のサンプリングで分
析が行なわれている。また、Na+ 濃度とCl- 濃度
は、復水器における海水リークが起こらない限りは異常
値を示すことがないので、ルーチン作業としての分析は
ほとんど行なわれない。
【0011】ここで、上記した全イオン導電率やpHの
測定値は、復水の水質をリアルタイムで表示する特性値
である。しかしながら、復水中には多くのイオン種が存
在し、それぞれのイオン種の当量伝導度は全て同一では
なく、各イオン種に応じて異なっているため、復水の導
電率の測定値それ自体を基にして、復水中における全て
の特定イオンのイオン濃度を確定することはできない。
【0012】したがって、復水中の導電率をリアルタイ
ムで測定したとしても、単純に、その測定値を基準にし
て復水中の総イオン負荷を正確に算出することはできな
い。すなわち、換言すれば、導電率の測定値だけでは各
イオン交換装置の採水可能量をリアルタイムで推定する
ことはできない。本発明は、イオン交換装置の運転時に
おける上記した問題を解決し、イオン交換装置の入口側
水質に対応してリアルタイムで採水−再生サイクルを制
御することができ、しかも、用いているイオン交換樹脂
の能力を最大限発揮させることができるイオン交換装置
の採水−再生サイクル制御装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、イオン交換装置の前段に配
置され、採水した原水の少なくとも導電率を測定する入
口水質測定手段;前記入口水質測定手段からの導電率信
号と原水中の特定イオンの濃度信号とに基づいて、前記
原水の総イオン負荷を計算し、その計算値から再生処理
すべきイオン交換樹脂の樹脂組成を計算し、その樹脂組
成計算値から前記イオン交換樹脂を再生した場合の樹脂
組成を予測計算し、その予測計算値に基づいて次の採水
時における前記イオン交換装置の出口水質および採水可
能量を予測計算する計算手段;ならびに、前記計算手段
からの予測採水可能量の信号に基づいて前記イオン交換
装置への採水動作を指示する採水操作手段;を備えてい
ることを特徴とするイオン交換装置の採水−再生サイク
ル制御装置が提供される。
【0014】
【作用】本発明の制御装置においては、まず、採水した
原水の導電率が入口水質測定手段で連続的にモニタリン
グされる。測定する導電率は、全イオン導電率であれば
よく、また、復水器における海水リークに対処すること
を考慮して、カチオン除去導電率も測定することが好ま
しい。
【0015】ところで、復水器における海水リークがな
い場合には、イオン交換装置の入口側における復水中の
イオンは、主要には、H+ ,OH- ,NH4 + ,N2
5 +であり、これら各イオンと復水の全イオン導電率A
(μs/cm)の間には、Kohlrauschの法則に基づき、次
式: A=ΛH ・〔H+ 〕+ΛOH・〔OH- 〕+ΛNH4 ・〔NH4 + 〕 +ΛN2H5・〔N2 5 + 〕 …(1) ΛH :H+ の当量イオン伝導度(349.81cm2
Ω-1) ΛOH:OH- の当量イオン伝導度(198.30cm2 ・Ω
-1) ΛNH4 :NH4 + の当量イオン伝導度(73.55cm2
Ω-1) ΛN2H5:N2 5 + の当量イオン伝導度(58.70cm2
・Ω-1) 〔H+ 〕:H+ のモル濃度(g当量/l) 〔OH- 〕:OH- のモル濃度(g当量/l) 〔NH4 + 〕:NH4 + のモル濃度(g当量/l) 〔N2 5 + 〕:N2 5 + のモル濃度(g当量/l) が成立する。
【0016】式(1)において、〔H+ 〕と〔OH-
は、復水の日常的な水質管理項目であるpH値から算出
することができる。そして、NH3 ,N2 4 の濃度
は、前記したように、定期的な分析作業により把握する
ことができる。水中におけるNH3 とN2 4 の解離定
数は、それぞれ、1.8×10-5,8.5×10-7と既知で
あるため、例えば、対象復水のN2 4 濃度の分析値か
ら〔N 2 5 + 〕を算出することができ、更に式(1)
に基づき、導電率Aを知れば、〔NH4 + 〕を算出する
ことができる。逆に、定期的な分析対象をNH3 濃度と
すれば、〔NH4 + 〕,〔N2 5 + 〕を式(1)から
算出することができる。
【0017】このように、復水の導電率を測定し、かつ
定期的分析により例えばN2 4 濃度を測定することに
より、式(1)に基づいて、復水中の全てのイオン種の
イオン濃度を確認することができる。本発明の制御装置
においては、上記した導電率の測定信号と定期分析によ
るNH3 またはN2 4 の濃度信号が計算手段に入力さ
れる。
【0018】そして、この計算手段では、まず、式
(1)に基づいて各イオン種のイオン濃度が算出され、
これらイオン濃度とイオン交換装置の入口側における通
水量との積が計算されてイオン交換樹脂の総イオン負荷
が算出される。また、計算手段には、イオン交換装置の
イオン交換樹脂における有効樹脂と貫流交換容量とに関
する信号が入力され、両者の積を計算してそのイオン交
換樹脂の総交換容量が算出される。
【0019】そして、この総交換容量と前記総イオン負
荷の差を計算して残留交換容量が計算され、この残留交
換容量を総イオン負荷で除算してイオン交換樹脂の採水
可能量が予測計算され、更にはその値を入口側の通水量
で除算して採水可能時間が予測計算される。また、イオ
ン交換樹脂の総イオン負荷に基づいて、イオン交換樹脂
の樹脂組成が計算される。すなわち、用いているイオン
交換樹脂における、例えば、OH型イオン交換樹脂やN
3 型イオン交換樹脂などの各イオン交換樹脂の量比関
係の情報信号が得られる。
【0020】そして、この各イオン交換樹脂の樹脂組成
の計算値に基づき、つぎに前記イオン交換樹脂に再生処
理を施したことを仮定して、そのときの再生イオン交換
樹脂の樹脂組成が公知の計算式に基づいて予測計算さ
れ、更にこの予測計算値に基づいて、その再生イオン交
換樹脂を用いたときに通水可能な採水量Vが公知の計算
式によって予測計算され、かつ、イオン交換装置の出口
水質が予測計算される。この出口水質は、例えば処理水
塩化物イオン濃度Cとして表示される。
【0021】この処理水塩化物イオン濃度Cが規定値C
0 (例えば20ppt)より高い場合は、その規定値を満足
させる採水可能量V1 (V1 <V)が計算手段によって
再度計算され、また、処理水塩化物イオン濃度Cが規定
値C0 より低い場合は、その規定値C0 に達するまでの
採水可能量V2 (V<V2 )が同じく計算手段によって
再度計算される。いずれの場合にしても、この計算手段
によって、出口水質の規定値を満足させる予測採水可能
量が予測計算される。
【0022】この採水可能量に関する情報信号は採水操
作手段(シーケンサ)に入力され、その入力信号でシー
ケンサが作動して、イオン交換装置には前記した予測採
水可能量が通水される。実際の採水量がこの予測採水可
能量よりも多くなった時点で、シーケンサの指示によ
り、採水は中止されてイオン交換樹脂に再生処理が施さ
れる。
【0023】また、計算手段が計算した予測採水可能量
が、イオン交換装置の設計時に設定されている最少採水
量よりも少ない場合は、シーケンサによる採水動作に移
ることなく、再びイオン交換樹脂の再生処理を行なっ
て、再び同様の計算を行い新たな予測採水可能量を決定
する。このような処理によっても、予測採水可能量がイ
オン交換樹脂の最少採水量より少ない場合は、イオン交
換樹脂の寿命が尽き、交換時期がきたものと判断し、そ
のことを警報などの手段で表示する。
【0024】ところで、復水器で仮に海水リークが起こ
ると、イオン交換装置への復水中におけるNa+ 濃度や
Cl- 濃度が上昇するので、式(1)で算出される総イ
オン負荷における誤差が大きくなる。このような問題を
解決するためには、まず、イオン交換装置への復水の一
部をカチオン交換樹脂が充填されているカラムに導入し
てNa+ を除去したのち、そのカチオン除去導電率A’
(μs/cm)を測定する。測定された導電率と各イオン種
との間では、次式: A’×10-3=ΛH ・〔H+ 〕+ΛOH・〔OH- 〕+ΛCl・〔Cl- 〕…(2) ΛCl:Cl- の当量イオン伝導度(76.35cm2
Ω-1) 〔Cl- 〕:Cl- のモル濃度(g当量/l) が成立する。そして、式(1)の場合と同じように、
〔H+ 〕,〔OH- 〕をpH値から求めることにより、
〔Cl- 〕を算出し、この信号を計算手段に入力して、
総イオン負荷を補正すればよい。
【0025】
【実施例】混床式イオン交換装置を用いた場合を例にし
て、図1に基づいて本発明の制御装置を説明する。図1
において、カチオンおよびアニオン交換樹脂が混合され
収容されているイオン交換装置1の上流側には復水ポン
プ2,復水器3が配置され、下流側には復水ブースタポ
ンプ4が配置され、これらは全体として図示しない蒸気
発生器に接続する閉じた通水経路pに配設される。イオ
ン交換装置1で精製された処理水は復水ブースタポンプ
4で通水経路pに送水され、再び、復水器3で補給水が
供給されたのちイオン交換装置1に復水として還流して
くる。イオン交換樹脂1と復水ブースタポンプ4の途中
にはヒドラジン注入器5,アンモニア注入器6が介装さ
れ、ここからN2 4 ,NH3 がそれぞれ循環する原水
に供給される。
【0026】イオン交換装置1と復水ポンプ2の途中に
はバイパスp1 が設けられ、そのバイパスp1 は水質測
定手段7と接続している。この水質測定手段7には、導
電率計が装着されていて、還流してくる復水の全イオン
導電率が常時測定されている。また、この水質測定手段
には、復水器における海水リーク発生の場合も想定し
て、カチオン交換樹脂が充填されたカラムを介して復水
のカチオン除去導電率を測定するための別の導電率計が
装着されていることが好ましい。更には、例えば、〔N
4 + 〕や〔N2 5 + 〕を自動分析する装置が付加さ
れていてもよい。
【0027】この入口水質測定手段7で測定された全イ
オン導電率の測定値は、例えば信号変換器で標準電気信
号S1 に変換されたのちコンピュータ(計算手段)8に
入力される。そして、コンピュータ8には、更に、例え
ば1日1回定期的に分析されているN2 4 濃度(また
はNH3 濃度)が信号S2 として入力される。なお、入
口水質測定手段に〔NH4 + 〕や〔N2 5 + 〕の自動
分析装置が付加されている場合は、その分析値を信号S
2 としてコンピュータ8に入力すればよい。
【0028】コンピュータ8は、入力された信号S1
信号S2 から、式(1)に基づいて、全てのイオン種の
イオン濃度を計算し、更に復水の総イオン負荷を計算す
る。そして、その計算値を基にして、まず、用いている
アニオン交換樹脂の使用後の樹脂組成が計算される。更
に、コンピュータ8では、前記樹脂組成の計算値と予め
コンーピュータ8に記憶されている各イオン交換樹脂の
それぞれに設定された再生率および逆再生率とを基にし
て、再生処理を施したと仮定したときに予測されるアニ
オン交換樹脂の樹脂組成が計算され、OH型交換樹脂と
Cl型交換樹脂の割合が把握される。
【0029】そして、再生後の予測樹脂組成に基づい
て、そのイオン交換樹脂による採水可能量が予測値とし
て計算され、同時に、次式に基づいて、イオン交換装置
1の出口における処理水の塩化物イオン濃度Cが計算さ
れる。
【0030】
【数1】
【0031】(式中、1:新品樹脂、A:塩化物イオン
の選択係数、R−Cl(%):再生した場合の予測塩素
イオン交換樹脂の割合、R−OH(%):再生した場合
の予測水酸イオン交換樹脂の割合、35.5:塩素の原子
量、106 :単位換算係数、10-7:水素イオン濃度を
表す)。なお、コンピュータ8には、処理水における処
理水塩化物イオン濃度の規定値C0 が記憶されていて、
式(3)で計算した処理水塩化物イオン濃度Cと規定値
0 が比較演算され、C0 <Cの場合には、あらためて
0 を満足させる採水可能量が計算される。また、C<
0 の場合には、あらためてC0 に達するまでに必要な
採水可能量が計算される。いずれにしても、予測計算値
Cと規定値C0 との関係で、予測採水可能量Vが計算さ
れ、それは信号S3 としてシーケンサ9に入力される。
【0032】シーケンサ9は、コンピュータ8からの入
力信号S3 に基づいて作動し、イオン交換装置1に前記
した予測採水可能量Vの通水を信号S4 によって動作指
示する。実採水量が上記V値を超えた場合には、イオン
交換装置1への採水を停止して装置内のイオン交換樹脂
に再生処理を施すように指示する。また、コンピュータ
8で計算した予測処理水塩化物イオン濃度を満足する予
測採水可能量が、イオン交換装置1に設定されている最
少採水量よりも少ない場合は、シーケンサ9の指示によ
る採水操作は行わず、イオン交換樹脂の再生処理を行な
って再び同様の計算を行い新たな予測採水可能量を決定
する。このような処理によっても、予測採水可能量がイ
オン交換樹脂の最少採水量より少ない場合は、イオン交
換樹脂の寿命が尽き、交換時期がきたものと判断し、そ
のことを警報などの手段で表示する。
【0033】このようにして、本発明の制御装置を用い
れば、イオン交換装置の出口水質を、正確に予測計算す
ることができ、その予測計算値に基づいて採水可能量を
計算して、イオン交換樹脂の能力を最大限有効に利用す
ることができる。そして、計算された予測採水可能量と
実採水量との比較から、イオン交換樹脂の交換時期を定
量的に把握することができる。
【0034】また、本発明の制御装置は、還流してきた
復水の導電率を常時測定してその測定信号を自動的に計
算手段に入力すると同時に、定期分析している例えばN
2 4 濃度をも計算手段に入力することにより、常時、
復水の最新水質情報に基づいて、イオン交換装置の予測
採水可能量、イオン交換樹脂の交換予定時間と再生予定
時期をリアルタイムで把握することができる。
【0035】また、イオン交換装置1にイオン交換樹脂
の劣化度測定手段10を付設し、この劣化度測定手段1
0でイオン交換樹脂の劣化の状態を監視し、その情報S
5 をコンピュータ8に入力して前記した処理水塩化物イ
オン濃度を補正計算し、その予測計算値に基づいて採水
可能量を決めることで、更に正確な採水可能量を決める
ことができる。
【0036】この場合の劣化度測定手段10としては例
えば特開平2−36340号、特願平3−97292号
などに記載されているような装置をあげることができ
る。これらの手段は、イオン交換樹脂が劣化するとその
比抵抗は低下するという関係を利用するものである。こ
のような劣化度測定手段10によってイオン交換樹脂の
比抵抗の低下状態を測定し、その測定値から樹脂劣化指
標を計算し、その情報を信号S5 としてコンピュータ8
に入力する。
【0037】コンピュータ8では、この入力信号S5
加味して前記式(3)に基づいて出口塩素濃度を予測計
算する。この場合、式(3)における1/Aの分子1に
とって代わって劣化指標が代入され計算される。この予
測計算値は、イオン交換樹脂の劣化度合に対応した処理
水塩化物イオン濃度を意味している。そして、この予測
計算値に基づいて、コンピュータ8では採水可能量が予
測計算されるが、この予測計算値は、イオン交換樹脂の
劣化状態をも加味している採水可能量になっている。し
たがって、樹脂を新品として固定し、予測計算した前述
のものより、運転サイクルに見合った採水可能量が計算
可能となる。
【0038】なお、説明はアニオン交換樹脂を例にして
行ったが、カチオン交換樹脂の場合も同様に行う。その
場合、出口水質は、次式:
【0039】
【数2】
【0040】に基づいてコンピュータ8に予測計算させ
ればよい。また、前記実施例のような混床式の脱塩塔の
場合は、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合し
て稼動させるが、それらアニオン交換樹脂とカチオン交
換樹脂のそれぞれについての予測採水可能量をコンピュ
ータで計算し、その予測計算値のうち、低い方の予測計
算値をもって本発明制御装置の予測採水可能量とする。
【0041】更に、本発明の制御装置は、上記したよう
な復水脱塩の混床式イオン交換装置に限ることなく、純
水や超純水の混床式に適用してもよく、また単床式に適
用してもよい。その場合、出口水質として用いるイオン
の種類は適宜最適なものが用いられることはいうまでも
ない。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
イオン交換装置の採水−再生サイクル制御装置は、イオ
ン交換樹脂の能力を最大限に利用した状態でイオン交換
装置の運転を可能にする。また、還流してきた復水の全
てのイオン種のイオン濃度を把握してその総イオン負荷
を正確にかつリアルタイムで測定することができ、その
測定値に基づいてイオン交換装置の予測採水可能量をリ
アルタイムで推定することができるので、イオン交換装
置の運転計画の変更に対しても迅速に対応することがで
き、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置例を示す基本構成図である。
【図2】発電所の復水脱塩機構の一部を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 イオン交換装置 2 復水ポンプ 3 復水器 4 復水ブースタポンプ 5 ヒドラジン注入器 6 アンモニア注入器 7 入口水質測定手段 8 計算手段(コンピュータ) 9 採水操作手段(シーケンサ) 10 イオン交換樹脂の劣化度測定手段 p 通水経路 p1 バイパス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福江 晋 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 依田 修二 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 鶴見 武 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−203094(JP,A) 特公 昭61−48679(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/42 B01J 47/14 G21C 19/307 G21F 9/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換装置の前段に配置され、採水
    した原水の少なくとも導電率を測定する入口水質測定手
    段;前記入口水質測定手段からの導電率信号と原水中の
    特定イオンの濃度信号とに基づいて、前記原水の総イオ
    ン負荷を計算し、その計算値から再生処理すべきイオン
    交換樹脂の樹脂組成を計算し、その樹脂組成計算値から
    前記イオン交換樹脂を再生した場合の樹脂組成を予測計
    算し、その予測計算値に基づいて次の採水時における前
    記イオン交換装置の出口水質および採水可能量を予測計
    算する計算手段;ならびに、前記計算手段からの予測採
    水可能量の信号に基づいて前記イオン交換装置への採水
    動作を指示する採水操作手段;を備えていることを特徴
    とするイオン交換装置の採水−再生サイクル制御装置。
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