JP3226325B2 - 血行促進剤 - Google Patents

血行促進剤

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JP3226325B2 JP12923592A JP12923592A JP3226325B2 JP 3226325 B2 JP3226325 B2 JP 3226325B2 JP 12923592 A JP12923592 A JP 12923592A JP 12923592 A JP12923592 A JP 12923592A JP 3226325 B2 JP3226325 B2 JP 3226325B2
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光雄 村山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は血行促進のために使用する新規な
医薬に関するものであり、さらに詳しく言えば、トリカ
ブトの根より得られる非アコニチン型アルカロイド成分
を含有する画分、即ち、トリカブトの根のエキスからア
コニチン型アルカロイドを除去した画分を用いることを
特徴とする血行促進のために使用する医薬に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】血行不良は人体において、末梢臓器の機能
低下、機能不全、壊死化の基因ともなり、また、四肢の
冷え、疼痛、皮膚のうるおいの低下などをもたらすもの
であり、中枢神経系においては記憶力や思考力の低下等
の原因ともなるものである。血行不良を起すその原因と
しては、慢性心不全による血液のうっ血、動脈硬化によ
る血管内腔の硬化、狭窄、血栓の形成、内因性又は外因
性の交感神経興奮に基づく血管の収縮等があげられてい
る。種々の原因に基づく、血行不良の状態を緩解するた
めに血行促進剤は有用な役割を果す。
【0003】本発明者は、血行促進作用を有する有用な
薬物の探索を行ったところ、トリカブトの根より得られ
る非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分が顕
著な末梢血流増大作用を有することを見出した。本発明
はかかる知見に基づくものである。
【0004】従来、トリカブトの根の非アコニチン型ア
ルカロイド成分が、血流増大作用を有することは知られ
ていない。本発明はトリカブトの根の非アコニチン型ア
ルカロイド成分を含有する画分を有効成分として用いる
ことを特徴とする新規な末梢血流の血行促進のために使
用する医薬を提供するものである。
【0005】
【発明の開示】本発明は、トリカブトの根のエキスを含
む末梢血流の血行促進剤の製造方法であって、トリカブ
トの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた水エ
キス又はアルコールエキスから、固相−液相間又は液相
−液相間の物質分配による分離操作によってアコニチン
型アルカロイド成分を除去し、得られた非アコニチン型
アルカロイド成分を含有する画分を有効成分として用い
ることを特徴とする、前記方法に関する。また本発明
は、分離操作をポリアミド、活性炭、活性シリカゲル、
活性アルミナ及びセファデックスからなる群から選択さ
れる担体を用いて行うことを特徴とする、前記方法に関
する。さらに本発明は、トリカブトの根のエキスの非ア
コニチン型アルカロイド成分を有効成分として含み、ア
コニチン型アルカロイド成分を実質的に含まない末梢血
流の血行促進剤であって、前記の方法によって製造され
ることを特徴とする、前記促進剤に関する。以下に、本
発明を詳細に説明する。本発明で用いる原料のトリカブ
トはキンポウゲ科(Ranunclaceae)トリカブト属植物(Aco
nitum ) であり、主な種としては、オクトリカブト(Ac
onitum japonicumTHUNB., Aconitum subcuneatum
NAKAI) 、ヤマトリカブト(Aconitum japonicumTHUNB.
var.montanum ) 、ハナトリカブト(Aconitum carmicha
eli DEBX.) 、エゾトリカブト(Aconitum yesoense N
AKAI) などがあげられる。
【0006】本発明に係る血行促進剤において、有効成
分として使用する上記の画分を製造する方法としては、
前記のトリカブトの根を、好ましくは細切し、これに、
水又はアルコール、例えばメタノール又はエタノールを
加え、室温で、又は加熱下に、抽出処理し、得られた水
エキス又はアルコールエキスを固相−液相間又は液相−
液相間の物質分配による分離操作により処理し、アコニ
チン型アルカロイド成分を除去して、非アコニチン型ア
ルカロイド成分を含有する画分を得るという方法が用い
られる。
【0007】一般に、トリカブトの根は猛毒性アルカロ
イドを含んでいるため、その水又はアルコールの抽出物
は特に取り扱いに注意を要する。その点から見た場合、
トリカブトの根に加熱等の処理を施し、減毒したものを
用いるのが好ましい。そのような処理の例としては、
(1)トリカブトの根をオートクレーブにて加圧・加熱
処理する、(2)蒸籠で蒸す、(3)鍋で煮るなどをあ
げることができる。
【0008】前記のトリカブトの根の抽出を行う場合に
は、抽出溶媒として水とアルコールの混合溶媒を用いて
もよい。アルコールを用いて加熱抽出する場合は、還流
により行うことが好ましい。抽出操作は、撹拌機を用い
て撹拌しながら行ってもよく、また、超音波を用いて行
ってもよい。
【0009】前記の固相−液相、液相−液相等の二相間
の物質の分配又は吸着性の差を利用した分離操作として
は、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ
フィー、分配クロマトグラフィー等の各種のクロマトグ
ラフィーを用いることができる。また、この分離操作と
しては、分子の大きさの相違により物質を分離する方法
であるゲルろ過等を用いることができる。これらの方法
を用いて、前記の水エキス又はアルコールエキスを処理
し、アコニチン型アルカロイド成分を除去することによ
り、非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分を
得ることができる。
【0010】前記の吸着クロマトグラフィーは、通常カ
ラムクロマトグラフィーで用いられる吸着剤、例えばポ
リアミド、活性炭、活性シリカゲル、活性アルミナ等の
担体を用いて行うことができる。担体としてポリアミド
を用いる場合は、トリカブトの根を水又はアルコールで
抽出処理し、得られた抽出物について、水抽出物の場合
は、そのまま、アルコール抽出物の場合は、それを濃縮
乾固して得られたアルコールエキスを一旦、水に懸濁し
て、その水抽出物又はアルコール抽出物の水懸濁液をそ
れぞれポリアミドを充填したカラムに通し、水にて洗浄
し、アコニチン型アルカロイド成分を除去した後、適当
な溶媒、例えばアンモニアアルカリ性のエタノールを用
いて溶出することにより、非アコニチン型アルカロイド
成分を含有する画分を得ることができる。
【0011】担体として活性炭を用いる場合は、トリカ
ブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽
出物について、水抽出物の場合は、そのまま、アルコー
ル抽出物の場合は、それを濃縮乾固して得られたアルコ
ールエキスを水に懸濁して、その水抽出物又はアルコー
ル抽出物の水懸濁液をそれぞれ活性炭を充填したカラム
に通し、適当な溶媒、例えば20%メタノールにて洗浄
した後、適当な溶媒、例えばアンモニアアルカリ性のメ
タノールを用いて溶出することにより、非アコニチン型
アルカロイド成分を含有する画分を得ることができる。
【0012】担体としてシリカゲルを用いる場合は、ト
リカブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られ
た抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコー
ルエキスを少量のメタノールに懸濁し、それぞれシリカ
ゲルを充填したカラムに通し、適当な混合溶媒、例えば
クロロホルム・メタノール・アンモニア水(50:1
0:1)にて洗浄し、アコニチン型アルカロイド成分を
除去した後、適当な混合溶媒、例えばクロロホルム・メ
タノール・水(6:4:1)にて溶出することにより、
非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分を得る
ことができる。
【0013】担体としてアルミナを用いる場合は、トリ
カブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた
抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコール
エキスを少量のメタノールに懸濁し、それぞれアルミナ
を充填したカラムに通し、適当な混合溶媒、例えばクロ
ロホルム・メタノール(4:1)にて洗浄し、アコニチ
ン型アルカロイド成分を除去した後、適当な混合溶媒、
例えばクロロホルム・メタノール・水(12:10:
3)にて溶出することにより、非アコニチン型アルカロ
イド成分を含有する画分を得ることができる。
【0014】前記のイオン交換クロマトグラフィーは、
交換体として、例えばイオン交換樹脂、イオン交換セル
ロース、イオン交換デキストラン等を用いて行うことが
できる。例えば、イオン交換デキストランのCM−セフ
ァデックスC−25を用いる場合は、トリカブトの根を
水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物につい
て、水抽出物の場合は、そのまま、アルコール抽出物の
場合は、それを濃縮乾固して得られたアルコールエキス
を水に懸濁して、その水抽出物又はアルコール抽出物の
水懸濁液をそれぞれCM−セファデックスC−25を充
填したカラムに通し、水にて溶出することにより非アコ
ニチン型アルカロイド成分を含有する画分を得ることが
できる。
【0015】前記の分配クロマトグラフィーでは、カラ
ムクロマトグラフィーを用いる場合、固定相を保持する
物質として、シリカゲル、セファデックス等を用いるこ
とができる。例えば、固定相を保持する物質としてCM
−セファデックスC−25を用いる場合は、トリカブト
の根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物
について、水抽出物の場合は、そのまま、アルコール抽
出物の場合は、それを濃縮乾固して得られたアルコール
エキスを水に懸濁して、その水抽出物又はアルコールエ
キスの水懸濁液をそれぞれCM−セファデックスC−2
5を充填したカラムに通し、水にて溶出することにより
非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分を得る
ことができる。水−有機溶媒系の分配を用いる場合は、
水系の溶媒として、例えば酸性又はアルカリ性の水溶液
を、有機系の溶媒として、例えばエーテル及びn−ブタ
ノール等を用いることができる。 例えば、トリカブト
の根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた抽出物
を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコールエキス
を1Nアンモニア水に溶解し、エーテルを用いて洗浄
し、水層に塩酸を加えて酸性にした後、水層をn−ブタ
ノールを用いて抽出し、n−ブタノール抽出液を塩酸に
て洗浄することにより、非アコニチン型アルカロイド成
分を含有する画分を得ることができる。
【0016】前記のゲルろ過では、網目構造を有する適
当なゲル粒子を担体として用いることができる。例え
ば、市販のトヨパールHW40Fを用いる場合は、トリ
カブトの根を水又はアルコールで抽出処理し、得られた
抽出物を濃縮乾固して得られる水エキス又はアルコール
エキスを、適当な溶媒、例えば50%メタノールに懸濁
し、それぞれトヨパールHW40Fを充填したカラムに
通し、適当量の50%メタノールで洗浄後、50%メタ
ノールにて溶出することにより非アコニチン型アルカロ
イド成分を含有する画分を得ることができる。
【0017】本発明において用いられるトリカブトの根
から得られる非アコニチン型アルカロイド成分を含有す
る画分は、液状のまま、あるいは濃縮乾固して、適当な
基剤を使用して、その基剤に対し希釈して使用する。基
剤としては、化粧品、医薬品等の業界で通常用いられる
任意所要の担体、乳化剤、懸濁化剤、芳香剤等の添加剤
が用いられ、慣用の方法で製剤化する。局所適用のため
の製剤としては、軟膏剤用組成物あるいは硬膏剤用組成
物あるいはハップ剤用組成物あるいは化粧水あるいはク
リーム等の形で提供され、当該技術分野において周知の
製剤用担体、例えばワセリン、パラフィン、加水ラノリ
ン、プラスチベース、カオリン、ベントナイト、タル
ク、ケイ酸アルミニウム、プロピレングリコール、ソル
ビトール、親水ワセリン、マクロゴール類、ロウ、樹
脂、精製ラノリン、ゴム、グリセリン、ゼラチン、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、
ミツロウ、カカオ脂、カルナバロウ、ステアリルアルコ
ール、オリブ油、ヒマシ油、エタノール、オレイン酸、
セチルアルコール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースな
どを含有していてもよい。これ等外用剤に含有させるト
リカブトの根の非アコニチン型アルカロイド成分を含有
する画分は、その画分の濃縮乾固物として、含量は約
0.05〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
【0018】本発明に係る血行促進剤の剤形は、また、
経口投与用の錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤あるいは
直腸内投与用製剤であっても良い。この場合の臨床投与
量は、トリカブトの根の非アコニチン型アルカロイド成
分を含有する画分の濃縮乾固物の含量として、成人10
〜1000mg/日、好ましくは、100〜600mg
/日である。経口投与用の錠剤、散剤、顆粒剤、カプセ
ル剤等は慣用の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸カルシウム、とうもろこしでんぷ
ん、ばれいしょでんぷん、砂糖、ラクトース、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、アラビアゴム等を含有して
いてもよい。錠剤は周知の方法でコーティングしてもよ
い。経口用液体製剤は水性または油性の懸濁液、溶液、
シロップ、エリキシル剤などであってもよい。
【0019】直腸内投与のための製剤としては、坐剤用
組成物の形で提供することができ、この場合、当該技術
分野において周知の製剤用担体、例えばポリエチレング
リコール、ラノリン、ココナット油等を含有させること
ができる。
【0020】注射用製剤は、懸濁化剤、安定剤または分
散剤のような各種の処方剤を含有させることができ、滅
菌蒸留水、精油、例えばピーナッツ油、とうもろこし油
あるいは非水溶媒、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等を含有させることができる。
【0021】以下に、本発明に用いるトリカブトの根の
非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分の製造
例、純度試験(アコニチン型アルカロイドの確認)、薬
理作用試験、安全性試験及び本発明に係る血行促進剤の
処方例について述べる。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕 トリカブトの根をオートクレーブにて110℃で4
0分間処理し、乾燥後粉砕する。 得られた粉砕物1kgにメタノール4リットルを加
え、水浴上30分間加熱還流抽出を行う。抽出後、静置
し、上澄液をろ過する。残留物にメタノール4リットル
を加え、さらに同様に加熱還流抽出の操作を繰返し行
い、得られたろ液を前のろ液と合わせ、減圧下に濃縮乾
固し、メタノールエキス100gを得る。 上記のメタノールエキス16gを水10mlに懸濁
した後、この懸濁液をポリアミド75gを充填したカラ
ムに吸着させ、水1リットルにて洗浄後、3%アンモニ
アアルカリ性エタノール1リットルにて溶出する。溶出
液を減圧下に濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド
成分含有画分1.8gを得る。 [純度試験]前記の操作により得られた非アコニチン型
アルカロイド成分含有画分10mgをメタノール1ml
に溶解し、ポリアミド0.5gを加え、よくかき混ぜた
後、メタノールを留去する。残留物をポリアミド2gを
充填したカラムに付し、水40mlにて溶出する。溶出
液を減圧下に濃縮乾固し、得られた残留物をメタノール
1mlに溶解し、試料溶液とする。試料溶液の3μlを
薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層
板にスポツ卜する。次に、アンモニア飽和クロロホルム
・メタノール混液(15:1)を展開溶媒として展開し
た後、薄層板を風乾する。これにドラーゲンドルフ試液
(注1)を均一に噴霧する。橙色のスポットを認めな
い。 (注1)次硝酸ビスマス0.85gを氷酢酸10mlに
溶かした溶液2mlに、ヨウ化カリウム8gを水20m
lに溶かした溶液2ml及び20%酢酸溶液20mlを
加えて調製する。
【0023】[前記純度試験における標品添加回収実
験] (実験1)本試験:アコニチン約3mgを精密に量り
(a)、メタノール1mlに溶解し、ポリアミド0.5
gを加え、よくかき混ぜた後、メタノールを留去し、ポ
リアミド2gを充填したカラムに付す。次に、水40m
lにて溶出し、溶出液を濃縮乾固した後、残留物の重量
(b)を測定した。空試験:前記本試験のアコニチンの
メタノール溶液1mlの代わりに、メタノール1mlを
用い、他は前記と同様の操作を行い、残留物の重量
(c)を測定した。尚、メサコニチン、ヒパコニチン、
ジェサコニチンのそれぞれについて、アコニチンの場合
と同様の試験を行った。各標品につき、それぞれ3回試
験を繰り返した。結果を下記の表1に示す。表1中の
「回収した標品の重量」及び「回収率」は、下記の式に
より求めた。 (回収した標品の重量)=b−c (回収率)=(b−c)×100/a
【0024】
【表1】
【0025】(実験2)本試験:前記の実施例1で得ら
れた非アコニチン型アルカロイド成分含有画分20mg
をメタノール2mlに溶解し、その1mlをA液、残り
の1mlをB液とする。アコニチン約3mgを精密に量
り(a)、A液に溶解し、ポリアミド0.5gを加え、
よくかき混ぜた後、メタノールを留去し、ポリアミド2
gを充填したカラムに付す。次に、水40mlにて溶出
し、溶出液を濃縮乾固した後、残留物の重量(b)を測
定した。 空試験:前記本試験のアコニチンを溶解したA液の代わ
りにB液を用い、他は前記本試験と同様の操作をするこ
とにより行い、残留物の重量(c)を測定した。尚、メ
サコニチン、ヒパコニチン、ジェサコニチンのそれぞれ
について、アコニチンの場合と同様の試験を行った。各
標品につき、それぞれ3回試験を繰り返した。結果を下
記の表2に示す。表2中の「回収した標品の重量」及び
「回収率」は、下記の式により求めた。 (回収した標品の重量)=b−c (回収率)=
(b−c)×100/a
【0026】
【表2】
【0027】以上、(実験1)及び(実験2)の結果か
らこの純度試験は、アコニチン型アルカロイドの高い回
収率が得られており、また相対標準偏差の値から判断し
て、再現性の高い純度試験であることが確認された。以
下の実施例での純度試験は上記の純度試験法と同様にし
て行ったものである。
【0028】〔実施例2〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス4gを水10mlに懸濁した後、活性炭20
gを充填したカラムに吸着させる。次に、20%メタノ
ール600mlにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性
メタノール600mlにて溶出する。溶出液を濃縮乾固
し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分766m
gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポツトは認められなかった。
【0029】〔実施例3〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁し
た後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層に
10N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100ml
にて2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回洗
浄後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含
有画分424mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0030】〔実施例4〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.9gを水5mlに懸濁した後、CM−セ
ファデックスc−25(Pharmacia Fine
Chemicals)45gを充填したカラムに吸着
させる。次に水450mlにて溶出した画分を濃縮乾固
し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分630m
gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0031】〔実施例5〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス1gをメタノール1mlに懸濁し、アルミナ
100gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホ
ルム・メタノール混液(4:1)400mlにて洗浄
後、クロロホルム・メタノール・水混液(12:10:
3)300mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド成分含有画分60mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0032】〔実施例6〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.2gをメタノール0.5mlに懸濁した
後、シリカゲル20gを充填したカラムに吸着させる。
次にクロロホルム・メタノール・アンモニア水混液 (50:10:1)300mlにて洗浄後、クロロホル
ム・メタノール・水混液(6:4:1)150mlにて
溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイ
ド成分含有画分42mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0033】〔実施例7〕実施例1に記載した及び
と同様の操作を行い、メタノールエキスを得る。メタノ
ールエキス0.38gを50%メタノール0.5mlに
懸濁した後、トヨパールHW40F 70mlを充填し
たカラムに吸着させる。次に50%メタノール45ml
にて洗浄後、50%メタノール120mlにて溶出した
画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含
有画分228mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0034】〔実施例8〕 トリカブトの根を細切したもの1kgにメタノール
4リットルを加え、水浴上30分間加熱還流抽出を行
う。抽出後、静置し、上澄液をろ過する。残留物にメタ
ノール4リットルを加え、上記の抽出の操作を繰返し行
い、ろ液を前記のろ過のろ液と合わせ、減圧下に濃縮乾
固し、メタノールエキス150gを得る。 得られたメタノールエキス16gを水10mlに懸
濁した後、この懸濁液をポリアミド75gを充填したカ
ラムに吸着させ、水1リットルにて洗浄後、3%アンモ
ニアアルカリ性エタノール1リットルにて溶出する。溶
出液を減圧下に濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイ
ド成分含有画分1.8gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポツトは認められなかった。
【0035】〔実施例9〕実施例8と同様の抽出操作
により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエキ
ス4gを水10mlに懸濁した後、活性炭20gを充填
したカラムに吸着させる。次に、20%メタノール60
0mlにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性メタノー
ル600mlにて溶出する。溶出液を濃縮乾固し、非ア
コニチン型アルカロイド成分含有画分770mgを得
る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0036】〔実施例10〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁した後、
エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層に10N
塩酸17mlを加え、n−ブタノール100mlにて2
回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回洗浄後、
濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分
421mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0037】〔実施例11〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.9gを水5mlに懸濁し、CM−セファデック
スC−25(Pharmacia Fine Chem
icals)45gを充填したカラムに吸着させる。次
に水450mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド成分含有画分625mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0038】〔実施例12〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス1gをメタノール1mlに懸濁し、アルミナ100
gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホルム・
メタノール混液(4:1)400mlにて洗浄後、クロ
ロホルム・メタノール・水混液(12:10:3)30
0mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型
アルカロイド成分含有画分62mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0039】〔実施例13〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.2gをメタノール0.5mlに溶解した後、シ
リカゲル20gを充填したカラムに吸着させる。次にク
ロロホルム・メタノール・アンモニア水混液(50:1
0:1)300mlにて洗浄後、クロロホルム・メタノ
ール・水混液(6:4:1)150mlにて溶出した画
分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含有
画分44mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0040】〔実施例14〕実施例8と同様の抽出操
作により、メタノールエキスを得る。そのメタノールエ
キス0.38gを50%メタノール0.5mlに懸濁し
た後、トヨパールHW40F 70mlを充填したカラ
ムに吸着させる。次に50%メタノール45mlにて洗
浄後、50%メタノール120mlにて溶出した画分を
濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分
230mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0041】〔実施例15〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。得られた抽出液を
室温にて放冷した後、遠心分離し、上清をポリアミド1
50g充填したカラムに吸着させ、水2リツトルにて洗
浄後、3%アンモニアアルカリ性エタノール2リットル
にて溶出する。溶出液を減圧下に濃縮乾固し、非アコニ
チン型アルカロイド成分含有画分1.5gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0042】〔実施例16〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて
放冷した後、遠心分離し、上清を活性炭150gを充填
したカラムに吸着させる。次に、20%メタノール5リ
ットルにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ性メタノー
ル4.5リットルにて溶出する。溶出液を濃縮乾固し、
非アコニチン型アルカロイド成分含有画分2.8gを得
る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0043】〔実施例17〕 トリカブトの根をオートクレーブにて110℃で4
0分間処理し、乾燥後粉砕する。得られた粉砕物100
gに水1リットルを加え、約100℃で1.5時間加熱
抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠心分離し、
上清を減圧下に濃縮乾固し、水エキスを得る。 水エキス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁
した後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層
に10N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100m
lにて2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回
洗浄後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分
含有画分200mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0044】〔実施例18〕トリカブトの根をオートク
レーブにて110℃で40分間処理し、乾燥後粉砕す
る。得られた粉砕物100gに水1リットルを加え、約
100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて
放冷した後、遠心分離し、上清を水にて1リットルに調
製し、その100mlをCM−セファデックスC−25
(Pharmacia Fine Chemical
s)80gを充填したカラムに吸着させる。次に水80
0mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型
アルカロイド成分含有画分800mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0045】〔実施例19〕実施例17のと同様の抽
出操作により、水エキスを得る。その水エキス1gをメ
タノール1mlに懸濁し、アルミナ100gを充填した
カラムに吸着させる。次にクロロホルム・メタノール混
液(4:1)400mlにて洗浄後、クロロホルム・メ
タノール・水混液(12:10:3)300mlにて溶
出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド
成分含有画分25mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0046】〔実施例20〕実施例17のと同様の抽
出操作処理により、水エキスを得る。その水エキス0.
2gをメタノール0.5mlに懸濁した後、シリカゲル
20gを充填したカラムに吸着させる。次にクロロホル
ム・メタノール・アンモニア水混液(50:10:1)
300mlにて洗浄後、クロロホルム・メタノール・水
混液(6:4:1)150mlにて溶出した画分を濃縮
乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分19
mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0047】〔実施例21〕実施例17と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス0.4gを
50%メタノール0.5mlに懸濁した後、トヨパール
HW40F70mlを充填したカラムに吸着させる。次
に50%メタノール45mlにて洗浄後、50%メタノ
ール120mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド成分含有画分100mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0048】〔実施例22〕トリカブトの根を細切した
もの100gに水1リットルを加え、約100℃で1.
5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠
心分離し、上清をポリアミド150gを充填したカラム
に吸着させ、水2リットルにて洗浄後、3%アンモニア
アルカリ性エタノール2リットルにて溶出する。溶出液
を減圧下に濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成
分含有画分1.6gを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0049】〔実施例23〕 トリカブトの根を細切したもの100gに水1リットル
を加え、約100℃で1.5時間加熱抽出する。抽出液
を室温にて放冷した後、遠心分離し、上清を活性炭15
0gを充填したカラムに吸着させる。次に、20%メタ
ノール5リットルにて洗浄後、3%アンモニアアルカリ
性メタノール4.5リットルにて溶出する。溶出液を濃
縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分含有画分
2.9gを得る。 [純度試験] 実施例1の純度試験と同様の操作を行い、橙色のスポッ
トは認められなかった。
【0050】〔実施例24〕 トリカブトの根を細切したもの100gに水1リッ
トルを加え、約100℃で1.5時間加熱抽出する。抽
出液を室温にて放冷した後、遠心分離し、上清を減圧下
に濃縮乾固し水エキスを得る。 水エキス4gを1Nアンモニア水100mlに懸濁
した後、エーテル100mlにて5回洗浄した後、水層
に10N塩酸17mlを加え、n−ブタノール100m
lにて2回抽出し、抽出液を1N塩酸20mlにて5回
洗浄後、濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成分
含有画分197mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0051】〔実施例25〕トリカブトの根を細切した
もの100gに水1リットルを加え、約100℃で1.
5時間加熱抽出する。抽出液を室温にて放冷した後、遠
心分離し、上清をCM−セファデックスC−25(Ph
armacia Fine Chemicals)80
gを充填したカラムに吸着させる。次に水800mlに
て溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロ
イド成分含有画分795mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0052】〔実施例26〕実施例24と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス1gをメタ
ノール1mlに懸濁し、アルミナ100gを充填したカ
ラムに吸着させる。次にクロロホルム・メタノール混液
(4:1)400mlにて洗浄後、クロロホルム・メタ
ノール・水混液(12:10:3)300mlにて溶出
した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロイド成
分含有画分25mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0053】〔実施例27〕 実施例24と同様の抽出操作により、水エキスを得
る。その水エキス0.2gをメタノール0.5mlに懸
濁した後、シリカゲル20gを充填したカラムに吸着さ
せる。次にクロロホルム・メタノール・アンモニア水混
液(50:10:1)300mlにて洗浄後、クロロホ
ルム・メタノール・水混液(6:4:1)150mlに
て溶出した画分を濃縮乾固し、非アコニチン型アルカロ
イド成分含有画分20mgを得る。 [純度試験] 実施例1の純度試験と同様の操作を行い、橙色のスポッ
トは認められなかった。
【0054】〔実施例28〕実施例24と同様の抽出
操作により、水エキスを得る。その水エキス0.4gを
50%メタノール0.5mlに懸濁した後、トヨパール
HW40F70mlを充填したカラムに吸着させる。次
に50%メタノール45mlにて洗浄後、50%メタノ
ール120mlにて溶出した画分を濃縮乾固し、非アコ
ニチン型アルカロイド成分含有画分105mgを得る。 [純度試験]実施例1の純度試験と同様の操作を行い、
橙色のスポットは認められなかった。
【0055】以下に、本発明に係る血行促進剤に使用す
るトリカブトの根の非アコニチン型アルカロイド成分含
有画分の薬理作用、急性毒性及び安全性についての実験
例を示す。
【0056】〔実験例1〕(血流増大作用) この実験においては、Std:ddY系雄性マウス(2
0〜25g)を1群5匹として使用した。動物は室温2
4〜25℃、自由な摂食、摂水および12時間周期の明
暗条件下で飼育した。各試料はそれぞれ適量を用いてジ
メチルスルホキシドに溶解して用いた。マウスは、試験
実施の前日、背部を脱毛クリームにて除毛したものを用
いた。マウスをウレタンにて麻酔した後、除毛した背部
にレーザードップラー血流計(ALF21,アドバンス
社製)のプローブを貼付し、試料溶液投与前の血流量を
測定した。次に、試料溶液0.05mlをマウスの尾静
脈内に投与し、その10分後から25分間の血流量(m
l/分/100g)を測定した。結果は、試料溶液投与
前の血流量に対して、試料溶液投与後10分から25分
間に増大した累積血流量にて示した。陰性対照群ではジ
メチルスルホキシド液のみを投与した。群間比較による
薬物投与群の有意差検定は、ステューデントのt−検定
により行った。結果を表3に示す。表3に見られるよう
に、上記のトリカブトの根の非アコニチン型アルカロイ
ド成分含有画分は、陰性対照群に対してP<0.01の
有意な血流促進作用を示すことが認められた。
【0057】
【表3】
【0058】〔実験例2〕(血流増大作用) 実施例1で得られるトリカブトの根の非アコニチン型ア
ルカロイド成分を含有する画分を用いて、処方例1に基
づく軟膏を製造し、成人男子を被検者として血流を測定
した。試験条件を以下に示す。
【0059】被検者を仰臥位に寝かせ、手の甲にレーザ
ードップラー血流計(ALF21,アドバンス社製)の
プローブを貼付し、軟膏塗布前の血流量を約30分間測
定した。次に、貼付したプローブの周囲に、前記に示し
た軟膏を塗布し、約1時間血流量を測定した。結果は、
軟膏塗布前30分間及び塗布後15分から1時間までの
それぞれの最小血流量及び最大血流量で示した。結果を
表4に示す。表4に見られるように、上記のトリカブト
の根の非アコニチン型アルカロイド成分含有画分を含む
軟膏の塗布により、格別の血流の増大が認められた。
【0060】
【表4】
【0061】〔実験例3〕(急性毒性) この実験においては、Std:ddY系雄性マウス(2
0〜25g)を使用した。各試料はそれぞれ適量を用い
て水に懸濁し、表5に示す投与量で被検動物に経口投与
し、投与後72時間の致死数を求めた。その結果を表5
に示す。表5に見られるように、本発明の血行促進剤に
使用するトリカブトの根の非アコニチン型アルカロイド
成分含有画分は、3g/kgの経口投与で死亡例は認め
られず、低毒性であることが認められた。
【0062】
【表5】
【0063】〔実験例4〕(安全性) 試験方法は24時間人体前腕クローズドバッチテストを
用いた。被試験者は成人男子3名、成人女子1名であ
る。判定は下記の基準に従った。試料は、実施例1で得
られた非アコニチン型アルカロイド成分含有画分を用
い、処方例1に従って調製したものを用いた。 ++:強紅斑 ± :微かな紅斑 + :紅斑 − :陰性 結果を表6に示す。表6に見られるように、この試料溶
液には皮膚刺激性、アレルギー性は全く認められず、皮
膚に対する安全性は極めて高いものであった。また、被
検者において、試験中、副作用は特に認められなかっ
た。
【0064】
【表6】
【0065】以下に本発明に係る血行促進剤の処方例を
示す。
【0066】
【0067】
【0068】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 F A61P 9/00 A61P 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリカブトの根のエキスを含む末梢血流
    の血行促進剤の製造方法であって、トリカブトの根を水
    又はアルコールで抽出処理し、得られた水エキス又はア
    ルコールエキスから、固相−液相間又は液相−液相間の
    物質分配による分離操作によってアコニチン型アルカロ
    イド成分を除去し、得られた非アコニチン型アルカロイ
    ド成分を含有する画分を有効成分として用いることを特
    徴とする、前記方法。
  2. 【請求項2】 分離操作をポリアミド、活性炭、活性シ
    リカゲル、活性アルミナ及びセファデックスからなる群
    から選択される担体を用いて行うことを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 トリカブトの根のエキスの非アコニチン
    型アルカロイド成分を有効成分として含み、アコニチン
    型アルカロイド成分を実質的に含まない末梢血流の血行
    促進剤であって、請求項1又は2に記載の方法によって
    製造されることを特徴とする、前記促進剤。
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