JP3225878B2 - ポリマ導波路及びその製造方法 - Google Patents

ポリマ導波路及びその製造方法

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JP3225878B2
JP3225878B2 JP3460197A JP3460197A JP3225878B2 JP 3225878 B2 JP3225878 B2 JP 3225878B2 JP 3460197 A JP3460197 A JP 3460197A JP 3460197 A JP3460197 A JP 3460197A JP 3225878 B2 JP3225878 B2 JP 3225878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリマ材料を用いて
構成されるポリマ導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリマ導波路の研究開発が活発に
なってきた。これは、低コスト光デバイスを実現するの
に有望であると考えられているためである。図9はポリ
マ導波路の従来例を示す。同図に示すポリマ導波路は、
基板(Siガラス等)10の表面にポリマ材料からなる
クラッド層11−1,11−2を形成し、そのクラッド
層11−1,11−2の中にこれよりも高い屈折率を有
するポリマ材料からなるコア層12を埋め込んだ構造を
有している。コア層12及びクラッド層11−1,11
−2のポリマ材料としては、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)、ポリスチレン、ポリイミド、ポリガイ
ド、エポキシ樹脂、ポリシロキサン等がある。
【0003】図10(a),(b),(c)はポリマ導
波路の製造方法の従来例を示す。基板10の表面に紫外
線照射により屈折率が低くなる感光性のポリマ層15を
形成しておき、そのポリマ層15のの表面にマスク16
を配置し、マスク16の上から紫外線17を照射する
(図10(a))。ポリマ層15のうち、マスク16を
透過した紫外線17が照射された露光部15aは屈折率
が低くなり、マスク16で紫外線が照射されなかった末
露光部15bは屈折率が変化せず、そのままである(図
10(b))。このような末露光部15bを光の導波層
(すなわちコア層12)として用い、コア層12をクラ
ッド層11で被覆することによりポリマ導波路が形成さ
れる(図10(c))。
【0004】図11(a)〜図11(d)はポリマ導波
路の従来の他の製造方法を示す。基板10の表面に光の
伝搬するコア用ポリマ導波層19を形成しておき、その
表面にマスク16を置いて紫外線17を照射する(図1
1(a))。マスク16を透過した紫外線17が照射さ
れた露光部19aはエッチングにより除去され、マスク
16で紫外線17が照射されなかった末露光部19bは
略矩形断面形状のコア層12として残る(図11
(b),(c))。略矩形断面形状のコア層12をその
屈折率より低い屈折率のポリマから成るクラッド層11
で覆うことにより、ポリマ導波路が形成される(図11
(d))。
【0005】図12の(a)〜(d)はポリマ導波路の
製造方法の更に他の従来例を示す。基板10のの表面
に、光の伝搬するコア用ポリマ導波層19を形成し、そ
の表面にマスクパターン20を形成する。このマスクパ
ターン20の材質はレジスト材料、酸化膜材料或いはメ
タル材料が用いられる。ついで、マスクパターン20の
上から紫外線17を照射する(図12(a))。コア用
ポリマ導波層19の内、マスクパターン20が形成され
なかった部分は紫外線17が照射され、マスクパターン
20が形成された部分は紫外線17が照射されない。コ
ア用ポリマ導波層19の紫外線17が照射された露光部
をエッチングにより除去する(図12(b))。コア用
ポリマ導波層19の末露光部19bの表面に残ったマス
クパターン20を剥離し、コア層12及び基板10の表
面をコア層12の屈折率より低い屈折率のポリマからな
るクラッド層11で覆うことによりポリマ導波路が形成
される(図12(c))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のポリマ導波路によると、以下のような問題がある。 (1)図9に示したコア層12とクラッド層11−1,
11−2との界面14−1,14−2,14−3が不均
一になり、これによる光の散乱損失を無視することがで
きなかった。このような界面の不整は、コア層12をエ
ッチングしたり、クラッド層11−1,11−2で被覆
する際に避けられないものであった。 (2)また、図9に示すように、クラッド層11−2の
上面の平坦性が悪いという問題があった。特に、図12
のように、略矩形断面形状のコア層12を形成した後
に、その上面をクラッド層11で覆う方法を用いている
限り、クラッド層11−2上面を平坦化することが困難
であることがわかった。このように、平坦度が悪いと図
13に示すように、クラッド層11−2の表面に薄膜ヒ
ータ21を設けるのが困難なことがわかる。なぜなら、
この薄膜ヒータ21は、まず、ポリマクラッド層11−
2の表面に金属膜を蒸着して形成し、その後、該金属膜
の表面にレジストパターンを形成し、このレジストパタ
ーンをマスクにしてエッチング加工を施すことにより形
成されるが、クラッド層11−2の上面が平坦でない
と、金属膜の蒸着が困難であり、また、レジスト膜を均
一な膜厚に塗布することも困難である。その結果、エッ
チングによって微細な薄膜ヒータ21のパターンを形成
することが困難になる。図13(a)は従来のポリマ導
波路の表面に薄膜ヒータ21を設けた場合の平面図であ
り、図13(b)は同図(a)のA−A線断面図であ
る。ここで、22は電源、23はスイッチ、24〜26
は信号光であり、他の引用数字は図9〜図12と共通す
る。 (3)製造工程数が多いため、ポリマ導波路の低コスト
化が困難である。 (4)高い寸法精度が要求される高性能のシングルモー
ド伝送用ポリマ導波路型光部品を実現することができな
い。例えば、Nチャンネル波長多重伝送用分波器、1×
M(或いは、N×M)型光スターカプラ等の光部品を高
性能(低損失性、中心波長の制御性、高アイソレーショ
ン特性、低分配偏差特性等)に実現することは困難であ
る。 (5)基板10の厚さを極めて薄くした(100μm以
下)いわゆるフレキシブルポリマ導波路型光部品を高性
能、高寸法精度で形成することは困難である。その理由
は、エッチング等の加工プロセスがあるため、薄い基板
では高寸法精度を保つことが困難なためである。
【0007】したがって本発明の目的は、低損失化、ク
ラッド層の上面の平坦化、高寸法精度化、基板の薄型化
が図れ、かつ製造プロセスを簡単にすることのできるポ
リマ導波路及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、第1の特徴として、基板と、前記基板の
表面に形成された屈折率nb のバッファ層と、PMMA
にDMAPNが分散されて光信号の伝搬が可能な屈折率
w (但し、nw >nb )のコア層、及び光エネルギー
の照射によってPMMA内のDMAPNが蒸発した屈折
率ni (但し、ni <nw )の側面クラッド層を有する
状態で前記バッファ層の表面に平坦に形成されたPMM
A層と、前記PMMA層の表面に形成される屈折率nc
(但し、nc <nw )の上部クラッド層を備えたことを
特徴とするポリマ導波路を提供する。
【0009】
【0010】更に、本発明は、第の特徴として、基板
の表面にバッファ層を形成し、DMAPNの分散された
PMMA層を前記バッファ層の表面に形成し、光透過部
と遮光部がパターニングされたフォトマスクで前記PM
MA層を覆い、このPMMA層に向けて光エネルギーを
照射し、前記光透過部を通して前記光エネルギーの照射
を受けた領域のPMMA層のDMAPNを蒸発させるこ
とにより当該領域の屈折率を低下させて側面クラッド層
を形成すると共に前記遮光部に対応する残りの領域の屈
折率を維持してコア層を形成し、前記PMMA層の表面
に上部クラッド層を形成することを特徴とするポリマ導
波路の製造方法を提供する。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明によるポリマ導波路
の第1の実施の形態を示す。基板101の表面に屈折率
b のPMMA層(以下、バッファ層という)102
(第1層)が数μmの厚さに形成されている。このバッ
ファ層102の表面にDMAPNの分散された屈折率n
w (但し、nw >nb )のPMMA層(以下、コア層と
いう)103が設けられる。このコア層103の外周に
はCO2 レーザ光の照射によりDMAPNが蒸発して屈
折率ni (但し、ni <nw )に変化したPMMA層
(側面のグランド層として機能するもので、以下、側面
クラッド層という)104が設けられ(コア層103及
び側面クラッド層104が第2層を構成)、そして、コ
ア層103及び側面クラッド層104を覆うようにして
屈折率nc (但し、n c <nw )のPMMA層(以下、
上部クラッド層という)105(第3層)が形成されて
いる。基板101の材料には、ガラス、半導体、強誘電
体、磁性体、プラスチック等を用いることができる。
【0013】コア層103として、例えば、DMAPN
が10%分散されたPMMAを用いた場合、波長0.6
328μmにおける屈折率は1.513になる。また、
側面クラッド層104はCO2 レーザ光の照射エネルギ
ー(照射時間と照射パワーに依存する)によって波長
0.6328μmでの屈折率は1.513〜1.486
5まで変えることができる。すなわち、照射エネルギー
によってDMAPNの蒸発量を調節し、屈折率を制御す
ることができる。バッファ層102と上部クラッド層1
05の屈折率は、波長0.6328μmで約1.486
5である。
【0014】図1のポリマ導波路において、シングルモ
ード伝送用導波路を実現しようとすると、コア層103
の厚み及び幅は数μmとなり、コア層103と側面クラ
ッド層104及び上部クラッド層105(或いはバッフ
ァ層102)との比屈折率Δは、0.数%〜1.数%の
範囲から選ばれる。また、マルチモード伝送用導波路を
実現しようとすると、コア層103の厚み及び幅は数μ
m以上(10μmに近い値〜数十μmの範囲)となり、
比屈折率Δも1%近傍の値よりも大きい値に選ばれる。
【0015】コア層103と側面クラッド層104との
間の比屈折率Δは、CO2 レーザ光を側面の側面クラッ
ド層104に照射することによって最大1.75%程度
まで変えることができる。コア層103と上部クラッド
層105(或いはバッファ層102)との間の比屈折率
Δも、コア層103と側面クラッド層104間の比屈折
率Δに合わせようとすると、上部クラッド層105及び
バッファ層102のポリマ材料をそれに合わせて変える
ことにより、容易に所望の比屈折率Δを実現することが
できる。例えば、PMMA相溶性のあるポリマ材料を組
み合わせたものとして、4-alkoxy-4′-alkyl- sulfone
-stilbend PMMA side-chain 、或いはPMMAにP
MMAよりも屈折率の高いポリマ材料を分散させたも
の、更には、PMMA以外のポリマ材料、例えば、脂環
式PMMA材料等を用いることができる。
【0016】また、上記比屈折率Δの値よりも更に大き
な値を実現するには、PMMAにFを添加したポリマ材
料を上部クラッド層105及びバッファ層102に用い
ればよい。更に、コア層103の屈折率をもう少し低く
したい場合、後記するように、コア層103及び側面ク
ラッド層104に紫外線(波長365μm帯)を照射す
れば、コア層103及び側面クラッド層104の屈折率
を低くすることができる。例えば、紫外線を75mJ/
cm2 の強度で照射し、その後、50℃〜80℃の温度
範囲で約60分間加熱すれば、コア層103の屈折率は
1.513〜1.4964に変化し、又、側面クラッド
層104の屈折率も1.4964からCO2 レーザ光照
射によって1.4865まで変えられる。逆に、コア層
103の屈折率を高くした場合、DMAPNの分散濃度
を高めればよい。例えば、DMAPNの分散濃度を30
%に高めると、屈折率は1.53程度に高くすることが
できる。このように、ポリマ材料の種類を適切に選択
し、また紫外線照射を及び照射することにより、比屈折
率Δを広範囲に制御することができる。
【0017】図2は本発明によるポリマ導波路の第2の
実施の形態を示す。図2においては、バッファ層102
と上部クラッド層105の材料として、ポリマ材料の代
わりに酸化膜102a,105aを用いている。この酸
化膜には、SiO2 、或いはSiO2 にP(リン)、B
(ホウ素)、Ti(チタン)、Ge(ゲルマニウム)、
Al(アルミニウム)等の屈折率制御用添加物を少なく
とも1種以上含んだものを用いることができる。
【0018】図3は図1のポリマ導波路の製造方法にお
ける製造工程を示している。まず、(a)に示すよう
に、基板101の表面にPMMA層によりバッファ層1
02を形成する。このバッファ層102の形成方法は、
PMMAを有機溶剤に溶かした溶液をスピンコーティン
グ法により基板101の表面に塗布し、その後、プリベ
ーク、ポストベークの乾燥工程を経て有機溶剤を蒸発さ
せ、PMMAを固化させる。
【0019】次に、図3の(b)に示すように、バッフ
ァ層102の表面にDMAPNの分散されたPMMA層
(コア層103)を形成する。このコア層103も有機
溶剤にDMAPNの分散されたPMMAを溶かし、スピ
ンコーティング、プリベーク、ポストベークの工程を経
て形成する。その後、図3の(c)に示すように、コア
層103の表面にCO2 レーザ用マスク106を載置
し、このCO2 レーザ用マスク106上からCO2 レー
ザ光107の透過しないパターン部106a(遮光部)
とCO2 レーザ光107の透過するパターン部106b
(光透過部)がパターニングされている。CO2 レーザ
光107の透過したパターン部106bの下のDMAP
Nの分散されたPMMA層は、CO2 レーザ光107の
エネルギー量に応じてDMAPNが蒸発し、その蒸発量
に応じて屈折率を変化させることができる。一方、CO
2 レーザ光107の透過しなかったパターン部106a
の下のDMAPNの分散されたPMMA層は屈折率変化
を起こさせない。
【0020】ついで(d)に示すように、CO2 レーザ
用マスク106を取り除き、CO2レーザ光107が末
照射のDMAPNの分散されたPMMA層(コア層10
3)とCO2 レーザ光107が照射されたPMMA層
(側面クラッド層104)を得る。側面クラッド層10
4中のDMAPNの含有量は、CO2 レーザ光107の
照射エネルギーに依存する。最後に、(e)に示すよう
に、コア層103及び側面クラッド層104の表面は一
ように平坦であるので、それらの上を覆うようにPMM
Aによる上部クラッド層105を形成する。以上によ
り、図1に示した構成のポリマ導波路を得ることができ
る。こうして得られたポリマ導波路の上部クラッド層1
05は、その表面が極めて平坦になっている。
【0021】次に、図3を参照して、DMAPNの分散
されたPMMA層に波長365μm帯の紫外線を照射し
て屈折率を低下させたコア層を持つポリマ導波路の製造
方法を説明する。この製造方法においては、図3の
(b)と(c)の間にDMAPNを分散させたPMMA
層(コア層103)の表面に波長365μm帯の紫外線
を照射する工程が挿入される。紫外線照射後、上記表面
を加熱炉内に入れてベーキング(50℃〜80℃で1時
間)を行う。その後、図3の(c)〜(e)に示す工程
を順次実行する。
【0022】図4は図3の(c)のDMAPNの分散さ
れたコア層103にCO2 レーザ光を照射することによ
って屈折率が変化する結果を示したものである。CO2
レーザ光の照射時間が増える(すなわち照射エネルギー
が増える)に従ってコア層103の屈折率が変化する一
例を示したものである。図5はDMAPNが分散された
コア層103に紫外線を照射した後、そのコア層103
の表面にCO2 レーザ光を照射することによってコア層
103の屈折率の変化の様子を示したものである。但
し、紫外線(波長365μm帯)の光量は75mJ/c
2 であり、紫外線照射後に50℃〜80℃で約60分
のベーキングが施されている。
【0023】次に、図2のポリマ導波路の製造方法を図
3をもとに説明する。図3の(a)のバッファ層102
の形成に代えて酸化膜102aを形成する。この酸化膜
102aの成膜は、CVD法(chemical vapor deposit
ion )、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲ
ル法等の在来の方法を用いて形成することができる。そ
の後、図3の(b)〜(d)の工程に従って製造する。
最後に、図3の(e)の上部クラッド層105を形成す
る代わりに酸化膜105aを形成する。但し、この最後
の酸化膜105aの形成に対しては、80℃以下の成膜
温度で形成する必要があり、低温CVD法、低温スパッ
タリング法、或いはアルコールに溶けたSiO2 系溶液
のスピンコーティング法等を用いる。
【0024】なお、図2の構成において、酸化膜の代わ
りにポリマ材料を用いることができる。また、PMMA
中に分散させる材料として、DMAPNの他、dyepolym
er、4-dialkylamino-4′-nitro-stilbene 等を用いるこ
とができる。図6は本発明によるポリマ導波路の第3の
実施の形態を示す。図6では図1と同一であるものには
同一引用数字を用いており、重複する説明は省略する。
基板101の表面には、屈折率nb のバッファ層102
が5μm〜数十μmの厚さに形成されている。バッファ
層102の上面には屈折率nc1(但し、nc1<nw )の
側面クラッド層109が形成され、その所定位置には屈
折率nw (但し、nw>nb )のコア層110が形成さ
れている。このコア層110及び側面クラッド層109
の表面には屈折率nc2(但し、nc2<nw )の上部クラ
ッド層111が設けられ、この上部クラッド層111の
上面にUVカット層112が形成されている。側面クラ
ッド層109及びコア層110は、後記するように、バ
ッファ層102の表面にフォトブリーチング材料層を設
け、このフォトブリーチング材料層に選択的に紫外線を
照射することにより形成することができる。
【0025】バッファ層102の材料にはガラス、ポリ
マ等を用いることができる。すなわち、SiO2 、或い
はSiO2 にP、B、Ti、Ge、Al、F等の屈折率
制御用添加物を少なくとも1種以上含んだもの、ポリマ
にあってはPMMA等を用いることができる。側面クラ
ッド層109及びコア層110の形成するためのフォト
ブリーチング材料には、例えば、DMPAN{α−(4-
dimethlaminophenyl)-N-phenylnitron}を用いることが
できる。このポリマ材料の光化学的転位は、波長380
nmでフォトブリーチングされ、波長270nmにオキ
ナジリデン光生成物の新しい吸収が行われる。紫外線の
照射される側面クラッド層109(その屈折率はnc1
は、波長380nmの紫外線を100mJ/cm2 で照
射すれば、屈折率が低下する。
【0026】ここでは、側面クラッド層109及びコア
層110には、DMAPNが10%分散されたPMMA
を用い、側面クラッド層109には波長365nmの紫
外線を約80mJ/cm2 で照射し、波長0.6328
μmでの屈折率を1.513に保った。なお、コア層1
10の厚み及び幅は、シングルモード伝送用導波路にす
る場合、数μm〜10μmの範囲であり、マルチモード
伝送用導波路にする場合は10μm〜数十μmの範囲に
選ばれる。なお、側面クラッド層109の厚みはコア層
110の厚みに等しくする。
【0027】上部クラッド層111の屈折率nc2はバッ
ファ層102の値にほぼ等しく、したがって上部クラッ
ド層111の材料にはバッファ層102と同一材料を用
いることができる。上部クラッド層111の厚みは、1
0μm〜数十μmの範囲が好ましい。UVカット層11
2には、Ce3+が添加されたガラス(例えば、CeO2
の添加されたソーダ石灰系ガラス)やTi4+、V5+、C
6+、U6+、Pb2+等の添加されたガラスを用いること
ができる。或いは、ベンゾフェノン系、ケイ皮酸系、P
ABA系(P−アミノ安息香酸系)、サルチル酸系、ジ
ベンゾイルメタン系等の紫外線吸収剤を用いることがで
きる。このUVカット層112の厚みは厚い方が好まし
く、数μm〜100μmの範囲の中から選ぶことができ
る。
【0028】このように、UVカット層112を設ける
理由は、ポリマ導波路を使用する室内外の紫外線が上部
クラッド層111を透過してコア層110に照射され、
コア層110の屈折率が徐々に低下するのを防止するた
めである。この対策により、長期にわたって比屈折率を
一定に保持することが可能になり、かかるポリマ導波路
を用いた光分岐回路、光スターカプラ、光フィルタ等の
光信号処理回路を長期にわたり安定な特性を維持するこ
とができる。
【0029】図7は本発明によるポリマ導波路の第4の
実施の形態を示す。図7では図6と同一であるものには
同一引用数字を用いており、重複する説明は省略する。
図7の構成が図6と異なるところは、図6の上部クラッ
ド層111とUVカット層112の代わりに、UVカッ
ト材を含むクラッド層113を設けたことにある。この
UVカット材を含んだクラッド層113は、上記したよ
うにUVカット材を含んだガラス材料はポリマ材料を用
いることができる。
【0030】本実施の形態において、UVカット材を含
んだクラッド層113を設ける理由は、ポリマ導波路を
使用する室内外の紫外線がクラッド層113を透過して
コア層110に照射され、コア層110の屈折率が徐々
に低下するのを防止するためである。図8は図7のポリ
マ導波路の製造工程を示す。まず、(a)に示すよう
に、基板101の表面にバッファ層102をプラズマC
VD法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、又はス
ピンコーティング法等を用いて形成する。ついで、
(b)に示すように、バッファ層102の表面にフォト
ブリーチング用ポリマ層114をスピンコーティング法
により形成する。このポリマ層114は有機溶剤に溶か
したフォトブリーチング用ポリマをスピンコーティング
法によってバッファ層102の表面に塗布し、その後、
ベーキングにより有機材料を蒸発させ、ポリマ層を固化
することで形成できる。
【0031】次に、図8の(c)に示すように、フォト
ブリーチング用ポリマ層114の表面にマスク115を
設置する。このマスク115は紫外線を透過させる透光
部115aと非透過の遮光部115bを有している。こ
のマスク115の上方から波長360nmの紫外線11
6を照射する。この紫外線照射によって、(d)に示す
ように、フォトブリーチング用ポリマ層114は、紫外
線の照射されたフォトブリーチング部がコア層110と
なり、紫外線の照射されなかった非フォトブリーチング
部が側面クラッド層109となる。コア層110の屈折
率は側面クラッド層109よりも低くなる。
【0032】最後に図8の(e)に示すように、側面ク
ラッド層109及びコア層110の上面にUVカット材
を含んだ上部クラッド層111を設ける。この上部クラ
ッド層111はバッファ層102の形成方法と同じ方法
で形成する。以上により、図6の構成のポリマ導波路が
完成する。以上は図7のポリマ導波路の製造方法であっ
たが、図6のポリマ導波路の場合、図8の(e)の工程
に代え、フォトブリーチング部及び非フォトブリーチン
グ部の上面に上部クラッド層111を設ける工程、及び
UVカット層112を設ける工程にすればよい。
【0033】なお、図6、図7の構成において、基板1
01にUVカット層又はUVカット材を設け、また、バ
ッファ層102にUVカット層又はUVカット材を用い
ることもできる。この構成により、ポリマ導波路を使用
する室内外の紫外線が基板101やバッファ層102を
通してコア層110に達し、コア層110の屈折率が徐
々に低下するのを防止することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のポリマ導波
路によれば、DMAPNを分散したPMMA層を平坦に
バッファ層上に設け、PMMA層に選択的に光エネルギ
ーを照射して、コア層及び側面クラッド層を形成するよ
うにしたので、平坦なクラッド層を形成することがで
き、それにより高機能の光回路が実現でき、更に、基板
の厚さが薄くても容易に光回路を作成できる。この結
果、コア層の寸法変動や、コアとクラッド層の界面の構
造不整に伴う光損失の増大を抑えることができる。
【0035】更に、本発明のポリマ導波路の製造方法に
よれば、DMAPNの分散されたPMMA層をバッファ
層の表面に形成し、PMMA層を光透過部と遮光部を有
するマスクで覆い、PMMA層に向けて照射した光エネ
ルギーの透過の有無による屈折率の変化によってコア層
と側面クラッド層を形成するようにしたので、簡単なプ
ロセスにより平坦なクラッド層を形成することができ、
それにより高機能の光回路が実現でき、更に、基板の厚
さが薄くても容易に光回路を作成できる。したがって、
コア層の寸法変動や、コアとクラッド層の界面の構造不
整に伴う光損失の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリマ導波路の第1の実施の形態
を示す断面図。
【図2】本発明によるポリマ導波路の第2の実施の形態
を示す断面図。
【図3】図1のポリマ導波路の製造方法における製造工
程を示す説明図。
【図4】図3に示すコア層にCO2 レーザ光を照射して
屈折率を変化させた結果を示す屈折率特性図。
【図5】図3に示すコア層紫外線を照射した後、そのコ
ア層上にCO2 レーザ光を照射して屈折率を変化させた
結果を示す屈折率特性図。
【図6】本発明によるポリマ導波路の第3の実施の形態
を示す断面図。
【図7】本発明によるポリマ導波路の第4の実施の形態
を示す断面図。
【図8】図7のポリマ導波路の製造工程を示す説明図。
【図9】ポリマ導波路の従来例を示す断面図。
【図10】ポリマ導波路の製造方法の従来例を示す工程
図。
【図11】ポリマ導波路の従来の他の製造方法を示工程
図。
【図12】ポリマ導波路の従来の更に他の製造方法を示
す示工程図。
【図13】従来のポリマ導波路の構成例を示し、(a)
は上面に薄膜ヒータを設けたポリマ導波路の平面図、
(b)は(a)のA−A線断面図。
【符号の説明】
101 基板 102 バッファ層 103,110 コア層 104,109 側面クラッド層 105,111 上部クラッド層 102a,105a 酸化膜 106 CO2 レーザ用マスク 107 CO2 レーザ光 112 UVカット層 113 クラッド層 114 フォトブリーチング用ポリマ層 115 マスク 115a 透光部 115b 遮光部 116 紫外線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−15537(JP,A) 特開 平10−48443(JP,A) 特開 平3−154006(JP,A) 特開 昭62−69207(JP,A) 特開 昭52−138146(JP,A) 特開 平3−288103(JP,A) 特開 平9−178901(JP,A) 特開 平2−113210(JP,A) 特開 平6−16720(JP,A) 特開 平10−60007(JP,A) 特開 平6−18739(JP,A) 特開 昭56−80008(JP,A) 特開 平1−134311(JP,A) Applied Optics Vo l.34,No.9(1995)p.1554− 1561 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 G02F 1/29 - 7/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板の表面に形成された屈折率nbのバッファ層
    と、 PMMAにDMAPNが分散されて光信号の伝搬が可能
    な屈折率nw (但し、nw >nb )のコア層、及び光エ
    ネルギーの照射によってPMMA内のDMAPNが蒸発
    した屈折率ni (但し、ni <nw )の側面クラッド層
    を有する状態で前記バッファ層の表面に平坦に形成され
    たPMMA層と、 前記PMMA層の表面に形成される屈折率nc (但し、
    c <nw )の上部クラッド層を備えることを特徴とす
    るポリマ導波路。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層は、ポリマ材料又は無機
    材料を用いることを特徴とする請求項1記載のポリマ導
    波路。
  3. 【請求項3】 前記コア層は、DMAPNの分散率が1
    0%であることを特徴とする請求項1記載のポリマ導波
    路。
  4. 【請求項4】 前記上部クラッド層は、ポリマ材料又は
    無機材料を用いることを特徴とする請求項1記載のポリ
    マ導波路。
  5. 【請求項5】 基板の表面にバッファ層を形成し、 DMAPNの分散されたPMMA層を前記バッファ層の
    表面に形成し、 光透過部と遮光部がパターニングされたフォトマスクで
    前記PMMA層を覆い、このPMMA層に向けて光エネ
    ルギーを照射し、前記光透過部を通して前記光エネルギ
    ーの照射を受けた領域のPMMA層のDMAPNを蒸発
    させることにより当該領域の屈折率を低下させて側面ク
    ラッド層を形成すると共に前記遮光部に対応する残りの
    領域の屈折率を維持してコア層を形成し、 前記PMMA層の表面に上部クラッド層を形成すること
    を特徴とするポリマ導波路の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光エネルギーの照射は、CO2 レー
    ザ光を用いて行うことを特徴とする請求項記載のポリ
    マ導波路の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記DMAPNは、PMMAよりも蒸発
    温度が少なくとも10℃低い分散用ポリマ材料によって
    置換されることを特徴とする請求項記載のポリマ導波
    路の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記PMMA層は、前記フォトマスクを
    設置する前に、紫外線が照射されることを特徴とする請
    求項記載のポリマ導波路の製造方法。
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