JP3225618B2 - 振動検査装置 - Google Patents

振動検査装置

Info

Publication number
JP3225618B2
JP3225618B2 JP23282292A JP23282292A JP3225618B2 JP 3225618 B2 JP3225618 B2 JP 3225618B2 JP 23282292 A JP23282292 A JP 23282292A JP 23282292 A JP23282292 A JP 23282292A JP 3225618 B2 JP3225618 B2 JP 3225618B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
frequency
vibration
rolling
amplitude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23282292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0658849A (ja
Inventor
博之 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP23282292A priority Critical patent/JP3225618B2/ja
Publication of JPH0658849A publication Critical patent/JPH0658849A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3225618B2 publication Critical patent/JP3225618B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受の真円度・形状、
うねり(ウェービネス)を評価するのに好適な振動検査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受を構成する外輪、内輪、転動
体(玉、ころ)などの転動部品(軸受部品)の真円度・
形状、うねりを評価する装置として、従来、真円度測定
機、ウェービネス・メータが知られている。
【0003】真円度測定機は、転動部品の軌道面の凹凸
を示す形状信号を測定子により検出し、検出した形状信
号の中からローパスフィルタにより所定角数範囲(うね
りの山数)に対応する周波数成分を抽出することによ
り、軸受部品の軌道面の円周方向の半径の変化、すなわ
ち真円度を評価している。
【0004】また、ウェービネス・メータは、各軸受部
品を単体で一定速度で回転させ、速度型センサにより軌
道面の凹凸をピックアップし、一定の角数範囲の速度振
幅、または変位振幅の実効値(例えば2乗平均値)とし
て、通常2バンド(LowBand、High Ban
d)で角数(うねりの山数)を評価している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、完成軸受に
おいて、各軸受部品の全ての角数成分が振動を励起する
のではなく、各軸受部品の特定の角数成分だけが振動を
励起し、その特定の角数成分に対応する振動数も知られ
ている。また、軸受の振動特性では、軸受が組み込まれ
るハウジング等との共振を回避することが要求されてい
る。
【0006】しかし、従来の真円度測定機、ウェービネ
ス・メータは、いずれも一定角数範囲内の全ての角数成
分のトータル値で評価しており、軸受振動、或いは共振
を励起する特定の角数成分だけを抽出して評価すること
ができないため、各軸受部品の出来ばえが完成軸受にお
いてどの程度振動・騒音に影響を及ぼすか、さらに完成
軸受のどの軸受部品が悪いのか、すなわちどの軸受部品
が軸受振動の発生原因となるのかを判定することができ
ず、更に、たとえ軸受が組み込まれるハウジング等との
共振周波数が与えられたとしても、共振を回避するため
の各軸受部品の加工情報を得ることができななった。
【0007】本発明は、このような事情の下になされた
もので、その目的は、軸受単品の段階で軸受振動の発生
原因となるうねりの山数成分のレベルを正確に把握し
て、完成軸受の振動を大幅に低減することができ、かつ
完成軸受の振動から振動発生源となる軸受部品を特定す
ることができ、かつ、軸受と他の構造体との共振を回避
するための各軸受部品の加工情報を得ることができる振
動検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、外輪、内輪、転動体等の転動部品を単体
で回転させて軌道表面の凹凸による振動波を検知するセ
ンサと、該センサにより検知された振動波の強度を周波
数分析する周波数分析手段とを有する振動検査装置にお
いて、前記周波数分析手段の分析対象としての強度を変
位振幅、速度振幅、加速度振幅のいずれの評価量にする
かを選択する評価量選択手段と、前記評価量選択手段に
よる選択に基づいて前記周波数分析手段により周波数分
析された変位振幅、速度振幅、加速度振幅のいずれかの
振幅スペクトルを得て、測定対象の前記転動部品の測定
すべきうねりの山数の範囲の変位スペクトルから前記転
動部品の変位に係る形状・精度を演算する真円度形状演
算手段か、或いは測定対象の前記転動部品が使用される
完成軸受の諸元データを設定する軸受諸元設定部と、前
記軸受諸元設定部に設定された測定対象の前記転動部品
が使用される完成軸受の諸元データに基づいて、測定す
べき転動部品に励起される振動の振動数の抽出範囲を決
定する振動数決定部と、前記振動数決定部により決定さ
れた振動数における速度スペクトル、又は加速度スペク
トルの統計量を演算する統計量演算部とを有する抽出演
算手段かのいずれか一方の手段を少なくとも備えてい
る。また、本発明では、前記軸受諸元設定部に設定され
る前記完成軸受の諸元データは、転動体数、内輪回転速
度、保持器回転速度、転動体自転速度等のパラメータを
用いて前記測定すべきうねりの山数、及び各転動部品に
励起される振動の振動数を表現した演算式データにより
構成されてメモリに記憶されている。また、本発明で
は、前記真円度形状演算手段は、測定対象の前記転動部
品の軸方向に前記センサを走査するセンサ走査部を有し
ている。また、本発明では、前記周波数分析手段は、F
FTアナライザにより構成され、前記センサは、速度型
振動検知センサにより構成されている。
【0009】
【作用】センサは、外輪、内輪、転動体からなる転動部
品により構成された転がり軸受を回転させ、或いは前記
転動部品を単体で回転させて軌道表面の凹凸による振動
波を検知する。
【0010】周波数分析手段は、前記センサにより検知
された振動波の強度を周波数分析する。
【0011】評価量選択手段は、前記周波数度分析手段
の分析対象としての強度を変位振幅、速度振幅、加速度
振幅のいずれの評価量にするかを選択する。
【0012】前記真円度形状演算手段は、前記評価量選
択手段による選択に基づいて前記周波数分析手段により
周波数分析された変位振幅、速度振幅、加速度振幅のい
ずれかの振幅スペクトルを得て、測定対象の前記転動部
品の測定すべきうねりの山数の範囲の変位スペクトルか
ら前記転動部品の変位に係る形状・精度を演算する。
【0013】前記抽出演算手段の軸受諸元設定部は、測
定対象の前記転動部品が使用される完成軸受の諸元デー
タを設定する。
【0014】前記抽出演算手段の振動数決定部は、前記
軸受諸元設定部に設定された測定対象の前記転動部品が
使用される完成軸受の諸元データに基づいて、測定すべ
き転動部品に励起される振動の振動数の抽出範囲を決定
する。
【0015】前記抽出演算手段の統計量演算部は、前記
振動数決定部により決定された振動数における速度スペ
クトル、又は加速度スペクトルの統計量を演算する。
【0016】すなわち、本発明では、軸受単品の段階で
軸受振動の発生原因となるうねりの山数成分のレベルが
把握され、或いは、軸受単品の段階で軸受として完成さ
れた場合に軸受振動の発生源となる軸受部品が特定され
る。
【0017】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例による振動検査
装置の概要を示すブロック図であり、速度型振動検知セ
ンサ1、ロータリーエンコーダ2、アンプ3、ローパス
フィルタ4、A/D変換器5、同期加算器6、時間軸波
形表示制御部7、FFTアナライザ8、評価量選択部
9、角数範囲設定部10、真円度・形状演算部11、セ
ンサー走査部12、軸受部品選択部13、軸受諸元設定
部14、抽出角数成分決定部15、および統計量演算部
16を有している。なお、FFTアナライザ8は、FF
T演算部81、およびパワースペクトル演算部82を有
している。また、時間軸波形表示制御部7、評価量選択
部9、角数範囲設定部10、真円度・形状演算部11、
センサー走査部12、軸受部品選択部13、軸受諸元設
定部14、抽出角数成分決定部15、および統計量演算
部16は、パーソナルコンピュータPCにより構成され
ている。
【0019】速度型振動検知センサ1は、完成軸受、或
いは軸受部品単体を回転させたときのたの振動速度を検
知するために設けられ、例えば接触式のムービングコイ
ル型のセンサが採用されている。完成軸受の振動速度を
検知する場合は、触針(図示省略)を完成軸受の外周に
接触させ、軸受部品単体の振動速度を検知する場合は、
軌道面に触針を接触させて検知を行う。速度型振動検知
センサ1の触針は、検査対象のワークWとしての完成軸
受、軸受部品の軌道面のうねり等により変位するが、そ
の際、1.778m/secの変位速度あたり1Vの電
圧信号、すなわち速度振幅信号を発生する。なお、ワー
クWの回転速度は任意に変更可能であるが、以下の説明
では、480rpm、すなわち8回転/secの回転速
度で回転されるものとして説明する。
【0020】ロータリーエンコーダ2は、ワークWの回
転に連動して回転し、ワークWが1回転する間に204
8個のパルスを発生し、そのパルスをA/D変換器5に
出力する。
【0021】速度型振動検知センサ1により検知された
速度振幅信号(電圧信号)は、アンプ3により増幅さ
れ、ローパスフィルタ4により7.5KHz以上の高周
波成分が低減されて、A/D変換器5に出力される。そ
こで、A/D変換器5は、ロータリーエンコーダ2から
のパルスに基づいて、1回転当たりの速度振幅信号を2
048区画に分割した形でサンプリングしてA/D変換
を行い、デジタルの速度振幅信号を同期加算器6と時間
軸波形表示制御部7とに出力する。
【0022】同期加算器6は、A/D変換器5により1
回転当たり2048個出力されるデジタルの速度振幅信
号について、S/N比の少ない速度振幅信号にするため
に、同一区画に対応する速度振幅信号を所定個数ずつ加
算して、FFTアナライザ8のFFT演算部81に出力
する。
【0023】なお、完成軸受では、同期加算は行なわ
ず、A/D変換後の速度振幅信号をそのままFFT演算
部81に出力することができる。
【0024】時間軸波形表示制御部7は、速度振幅信号
の波形(時間軸波形)をモニタ表示させるものであり、
ワークWに傷がある場合には、FFTアナライザ8によ
り得られるパワースペクトルが角数(うねりの山数)を
忠実に反映しなくなるため、この傷を見つけだすために
設けられている。
【0025】FFTアナライザ8のFFT演算部81
は、同期加算器6から出力された速度振幅信号(時間軸
上の信号)を周波数軸上の信号に変換するための演算
を、高速フーリエ変換の手法により行う。この際、FF
T演算部81は、2048ポイントの速度振幅信号を取
り込んで演算を行い、パワースペクトルを求める(図2
参照)。すなわち、FFTアナライザ8は、ワークWの
1回転分に対応する速度振幅信号の周波数を分析し、パ
ワースペクトルを求める。なお、FFTアナライザ8
は、次に説明するように、評価量選択部9により変位振
幅、或いは加速度振幅が選択されたときは、速度振幅ス
ペクトルを変位振幅スペクトル、或いは加速度振幅スペ
クトルに変換する。また、パワースペクトル演算部82
は、最高8192Hzまで演算可能となっている。
【0026】評価量選択部9は、変位振幅、速度振幅、
加速度振幅の評価量のうちのいずれかを目的に応じて選
択する。パワースペクトル演算部82は、評価量選択部
9により変位振幅が選択されたときは、速度振幅スペク
トルを積分して変位振幅スペクトルに変換し、加速度振
幅が選択されたときは、速度振幅スペクトルを微分して
加速度振幅スペクトルに変換する。
【0027】角数範囲設定部10は、評価量選択部9に
より変位振幅が選択された場合に、任意に角数範囲(周
波数範囲)を設定する。この場合、上限の角数と下限の
角数を設定することにより角数範囲を設定する。
【0028】軸受部品単体に対しては、真円度・形状演
算部11は、角数範囲設定部10により設定された範囲
の角数成分(周波数成分)について、パワースペクトル
演算部82により演算された変位振幅スペクトルに基づ
いて真円度・形状を演算する。真円度・形状演算部11
により演算された真円度・形状は、例えば図3に示した
ように2次元的にパーソナルコンピュータPCの表示部
に表示される。なお、図3は、角数範囲設定部10によ
り角数範囲として150角〜300角が設定された場合
を示し、12本のスケールの1目盛りは、0.2nmを
示している。
【0029】センサー走査部12は、ワークWの検査位
置をスラスト方向にシフトすべく速度型振動検知センサ
1の触針を走査する。例えば、外輪の軌道面の真円度・
形状を検査する場合は、図4(a)に矢印で示したよう
に、外輪の軌道面上でスラスト方向に所定間隔で速度型
振動検知センサ1の触針を走査する。センサー走査部1
2により速度型振動検知センサ1の触針が走査される
と、その走査位置に対応するラインでの速度振幅が検知
され、FFTアナライザ8により変位振幅スペクトルが
演算され、真円度・形状演算部11により真円度・形状
が演算される。そして、全てのスキャニングラインにお
ける真円度・形状は、図4(b)に示したように、3次
元的に表示される。なお、図4は、外輪の軌道面の真円
度・形状を測定した測定データを1万倍した図であり、
角数範囲設定部10により角数範囲として2角〜50角
が設定され、スキャニングピッチは0.2mmの場合の
例を示している。
【0030】次に、軸受部品選択部13、軸受諸元設定
部14、抽出角数成分決定部15、および統計量演算部
16について説明するが、その前に、角数と振動数との
関係を説明しておく。
【0031】一定のスラスト荷重が加わり、内輪が回転
する転がり軸受の外輪の半径方向、角方向(傾き方
向)、および軸方向の振動に影響する正弦波状のうねり
の山数(角数)と、外輪に発生する振動の振動数との関
係は、図5に示したようになることが理論的に知られて
いる。図5は、特定の山数(角数)をもったうねりだけ
が外輪振動の発生原因となり、それ以外の山数(角数)
をもったうねりは外輪振動の発生原因とはならないこと
を示している。たとえば、転動体の数(Z)が8個の場
合は、内輪の半径方向の(nZ±1)山、すなわち8±
1山、16±1山、24±1山…の山数(角数)をもっ
たうねりだけが外輪の半径方向の振動を励起し、その場
合の内輪のうねりによる外輪の振動数は、fi=fr
(内輪回転速度)−fc(保持器回転速度:転動体の公
転速度)とすると、(n8fi±1)となる。また、同
様に転動体の場合は、偶数角のみが軸受振動を誘起する
ので、奇数成分は除外した統計量、例えば2山、4山…
10山までの成分の総和や最大量を算出する。これら軌
道輪、転動体の測定対象とする山数は、製品の共振特性
回避、NRRO低減など、評価の目的に応じて選択され
る。なお、図5の情報は、図示省略したメモリにプリセ
ットされている。
【0032】軸受部品選択部13、軸受諸元設定部1
4、抽出角数成分決定部15、統計量演算部16では、
このような振動発生原理を利用して、FFTアナライザ
8により分析されたパワースペクトルについて、振動発
生に関与する周波数成分(角数成分)のみを抽出してい
る。
【0033】軸受部品選択部13は、評価量選択手段9
により速度振幅、または加速度振幅のいずれかが選択さ
れた場合に、外輪、内輪、転動体のいずれかを選択す
る。この場合、速度型振動検知センサ1の検知対象とし
てのワークWが軸受部品単体、すなわち外輪、内輪、転
動体のいずれか1つである場合は、その検知対象となっ
ている外輪、内輪、或いは転動体のいずれか1つを選択
し、完成軸受が検知対象となっている場合は、外輪、内
輪、転動体を順次1つずつ選択する。また、軸受部品選
択部13は、軌道輪(外輪、または内輪)を選択した場
合は、うねりの方向(半径方向、角方向、或いは軸方
向)をも選択する。
【0034】完成軸受については軸受諸元設定部14
は、軸受部品選択部13により選択された軸受部品の軌
道面のうねりに起因する外輪振動の振動数に関与する転
動体数(Z)、内輪回転速度(fr)、保持器回転速度
(転動体公転速度:fc)、転動体自転速度(fb)など
の諸元データを、図5の振動発生原理に従って設定す
る。この際、軸受諸元設定部14は、最高次数(nの
値)をも設定する。たとえば、軸受部品選択部13によ
り外輪、および半径方向が選択された場合は、図5にお
いて外輪のうねりに起因する外輪の半径方向の振動数は
nZfcとなっているので、軸受諸元設定部14は、諸
元データとして転動体数(Z)、保持器回転速度(f
c)、および最高次数(n)を設定する。また、軸受部
品選択部13により転動体、および軸方向が選択された
場合は、図5において転動体のうねりに起因する外輪の
軸方向の振動数は2nfbとなっているので、軸受諸元
設定部14は、諸元データとして転動体自転速度(f
b)、および最高次数(n)を設定する。なお、図5に
おいて振動数の式にfiが含まれている場合は、fi=
(fr:内輪回転速度)−(fc:保持器回転速度)であ
り、fiは内輪回転速度(fr)と保持器回転速度(f
c)により求められるので、軸受諸元設定部14は、fi
の代わりに内輪回転速度(fr)と保持器回転速度(f
c)を設定する。
【0035】抽出角数成分決定部15は、軸受部品選択
部13により選択された軸受部品、うねりの方向と、軸
受諸元設定部14により設定された諸元データ、最高次
数とに基づいて、対応する振動数成分(角数成分)を図
5の振動発生原理に従って決定する。
【0036】統計量演算部16は、パワースペクトル演
算部82により演算された速度振幅スペクトル、或いは
加速度振幅スペクトルから、抽出角数成分決定部15に
より決定された抽出周波数に対応するパワースペクトル
を切り出して、2乗平均値の平方根、算術平均値、最大
値などの統計量を演算し、表示部に表示する。たとえ
ば、外輪単体でZ=6,n=3とすると、半径方向振動
に関与する成分として、5角、7角、11角、13角、
17角、19角成分を抽出する。このように、外輪の振
動に関与するパワースペクトルのみを切り出して統計量
を演算することにより、各軸受部品、或いは完成軸受の
良否を判断することが可能となる。
【0037】また、統計量演算部16は、パワースペク
トル演算部82により演算された速度振幅スペクトル、
或いは加速度振幅スペクトルから、角数範囲設定手段1
0により設定された角数範囲(角数成分)に対応するパ
ワーペクトルを切り出して、2乗平均値の平方根、算術
平均値、最大値などの統計量を演算し、表示部に表示す
る。この場合の統計量は、次のような場合に利用する。
すなわち、軸受と他の構造体との共振を励起する角数成
分(周波数成分)が予め分かっているような場合、その
角数成分を角数範囲設定手段10により設定する。する
と、統計量演算部16は、共振を励起する角数成分に対
応するパワーペクトルを切り出して、2乗平均値の平方
根、算術平均値、最大値などの統計量を演算し、表示部
に表示する。そこで、その表示内容に基づいて、軸受と
他の構造体との間で共振を発生する恐れがあるか否かを
判断し、共振を発生する恐れがあれば、それを回避する
ための各軸受部品の加工条件を決定したり、或いは転動
体数の変更を決定したりすることができる。
【0038】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ことなく、たとえば、角数範囲設定手段10により、低
次の角数範囲内で各角数を1つずつ設定し、図6に示し
たように、変位振幅スペクトル、速度振幅スペクトル、
加速度振幅スペクトルのいずれかについて、各角数ごと
の成分の大きさを得るハーモニック解析を行うことも可
能である。なお、図6(a)は、鋼玉(転動体)の1回
転当たりの変位振幅についてハーモニック解析した場合
の生のデータ例を示しており、図6(b)は図6(a)
の生のデータをグラフ化したものである。
【0039】また、従来のウェービネス・メータは、評
価する周波数帯域を2区分としているが、これを3区
分、6区分…、または1/Nオクターブバンドに分割
し、その区分ごとの実効値、最大値等を得るようにして
も良い。
【0040】なお、軸受または軸受単体部品について説
明したが、歯車、プーリなど周期的振動を生じるものに
ついても、本発明は同様に適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の振動検査
装置によれば、軸受単品段階で軸受振動の発生原因とな
る角数成分の程度を把握することで完成軸受の振動を大
幅に低減することができ、又、完成軸受については、軸
受振動の発生源となる軸受部品を特定することができ、
かつ、軸受と他の構造体との共振を回避するための各軸
受部品の加工情報を得ることができる振動検査装置を実
現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による振動検査装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】速度振幅スペクトルを例示した図である。
【図3】測定した真円度・形状を2次元的に表示した図
である。
【図4】測定した真円度・形状を3次元的に表示した図
である。
【図5】軸受振動の発生原理を示した図である。
【図6】本発明の一実施例による振動検査装置をハーモ
ニック解析に応用した応用例を示す図である。
【符号の説明】
1 速度型振動検知センサ 2 ロータリーエンコーダ 4 ローパスフィルタ 5 A/D変換器 6 同期加算器 8 FFTアナライザ 9 評価量選択部 10 角数範囲設定部 11 真円度・形状演算部 12 センサー走査部 13 軸受部品選択部 14 軸受諸元設定部 15 抽出角数成分決定部 16 統計量演算部 81 FFT演算部 82 パワースペクトル演算部 PC パーソナルコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 13/04 F16C 19/52 G01H 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪、内輪、転動体等の転動部品を単体
    で回転させて軌道表面の凹凸による振動波を検知するセ
    ンサと、該センサにより検知された振動波の強度を周波
    数分析する周波数分析手段とを有する振動検査装置にお
    いて、 前記周波数分析手段の分析対象としての強度を変位振
    幅、速度振幅、加速度振幅のいずれの評価量にするかを
    選択する評価量選択手段と、前記 評価量選択手段による選択に基づいて前記周波数分
    析手段により周波数分析された変位振幅、速度振幅、加
    速度振幅のいずれかの振幅スペクトルを得て、測定対象
    の前記転動部品の測定すべきうねりの山数の範囲の変位
    スペクトルから前記転動部品の変位に係る形状・精度を
    演算する真円度形状演算手段か、 或いは測定対象の前記転動部品が使用される完成軸受の
    諸元データを設定する軸受諸元設定部と、前記軸受諸元
    設定部に設定された測定対象の前記転動部品が使用され
    る完成軸受の諸元データに基づいて、測定すべき転動部
    品に励起される振動の振動数の抽出範囲を決定する振動
    数決定部と、前記振動数決定部により決定された振動数
    における速度スペクトル、又は加速度スペクトルの統計
    量を演算する統計量演算部とを有する抽出演算手段かの
    いずれか一方の手段を少なくとも備えたことを特徴とす
    る振動検査装置。
  2. 【請求項2】 前記軸受諸元設定部に設定される前記完
    成軸受の諸元データは、転動体数、内輪回転速度、保持
    器回転速度、転動体自転速度等のパラメータを用いて前
    記測定すべきうねりの山数、及び各転動部品に励起され
    る振動の振動数を表現した演算式データにより構成され
    てメモリに記憶されていることを特徴とする請求項1記
    載の振動検査装置。
  3. 【請求項3】 前記真円度形状演算手段は、測定対象の
    前記転動部品の軸方向に前記センサを走査するセンサ走
    査部を有することを特徴とする請求項1記載の振動検査
    装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数分析手段は、FFTアナライ
    ザにより構成され、前記センサは、速度型振動検知セン
    サにより構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の振動検査装置。
JP23282292A 1992-08-07 1992-08-07 振動検査装置 Expired - Lifetime JP3225618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23282292A JP3225618B2 (ja) 1992-08-07 1992-08-07 振動検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23282292A JP3225618B2 (ja) 1992-08-07 1992-08-07 振動検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0658849A JPH0658849A (ja) 1994-03-04
JP3225618B2 true JP3225618B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=16945326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23282292A Expired - Lifetime JP3225618B2 (ja) 1992-08-07 1992-08-07 振動検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3225618B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3373718B2 (ja) * 1996-03-21 2003-02-04 松下電工株式会社 軸受の傷検出方法
JP2000171351A (ja) * 1998-12-07 2000-06-23 Ntn Corp 転がり軸受の音響検査装置
JP3975657B2 (ja) * 1999-07-09 2007-09-12 日本精工株式会社 転がり軸受
JP3823635B2 (ja) 1999-09-21 2006-09-20 日本精工株式会社 玉軸受用玉の表面形状評価方法及び評価装置
JP4753654B2 (ja) * 2005-08-03 2011-08-24 Ntn株式会社 転がり軸受部品の評価法
JP4969124B2 (ja) * 2006-03-27 2012-07-04 Ntn株式会社 転がり軸受の分別方法
JP4912017B2 (ja) * 2006-04-11 2012-04-04 Ntn株式会社 転がり軸受の回転振れ信号分析装置および転がり軸受生産システム
JP4929810B2 (ja) * 2006-04-17 2012-05-09 日本精工株式会社 異常診断装置及び異常診断方法
KR101429952B1 (ko) * 2008-01-30 2014-08-13 제이에프이 어드밴테크 가부시키가이샤 베어링의 진단 시스템
JP4787904B2 (ja) * 2010-03-17 2011-10-05 中国電力株式会社 転がり軸受の余寿命診断方法
WO2018193617A1 (ja) 2017-04-21 2018-10-25 三菱電機エンジニアリング株式会社 振動検出装置および異常判定システム
JP2020134310A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 株式会社竹田技研 振動分析装置、振動分析方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0658849A (ja) 1994-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3225618B2 (ja) 振動検査装置
Tse et al. Wavelet analysis and envelope detection for rolling element bearing fault diagnosis—their effectiveness and flexibilities
EP0693176B1 (en) Method and apparatus for analyzing and detecting faults in bearings and other rotating components that slip
JP3648919B2 (ja) 軸受の予圧測定方法および測定装置
US4751657A (en) Method and apparatus for detecting axial cracks in rotors for rotating machinery
US5258923A (en) System and method for detecting the occurrence, location and depth of cracks in turbine-generator rotors
JPH05284689A (ja) 回転体連結部の調整支援装置
US11519930B2 (en) Determination of rpm from vibration spectral plots based on percentage RPM
JP2567519B2 (ja) 軸受ころゲージ
JP4753654B2 (ja) 転がり軸受部品の評価法
JPH03218421A (ja) 振動モード測定装置
JP2006189333A (ja) 軸受の異常診断装置
RU2432560C1 (ru) Способ диагностики радиального зазора в шарикоподшипниках
JP2006214901A (ja) 軸受損傷評価装置、軸受損傷評価方法、軸受損傷評価プログラム、およびこのプログラムを記録した記憶媒体
RU2757974C2 (ru) Установка для вибрационных испытаний быстровращающихся роторов
JPH10221161A (ja) 振動検査方法及び検査装置
JP2004020429A (ja) 軸受の表面性状検査方法及び装置
RU2104510C1 (ru) Способ комплексной вибродиагностики подшипников качения и устройство для его осуществления
JPH0752119B2 (ja) 転がり軸受の転動体表面の粗さ推定方法
JPH0730787B2 (ja) ころがり軸受の故障検出方法
JP4912017B2 (ja) 転がり軸受の回転振れ信号分析装置および転がり軸受生産システム
JPH07270229A (ja) 回転機器試験装置
JP3997936B2 (ja) 回転精度測定方法及び回転精度測定装置
JP4943016B2 (ja) 超音波による焼入深さ測定方法および測定装置
Adamczak et al. Evaluation of a non-contact method for measuring vibration of rolling bearings in industrial conditions

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070831

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080831

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080831

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090831

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term