JP3223893B2 - 天井埋込カセット型熱交換換気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井面に開口する
グリルを介して室内と通じ、給気と排気の間で熱交換し
ながら換気する天井埋込カセット型熱交換換気装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】この種の
天井埋込カセット型（いわゆる天カセ型）の熱交換換気
装置は、ケーシングの一の面に形成された排気側吹出口
及び給気側吸込口をそれぞれダクトを介して屋外に連通
させている。また、ケーシングの下部には、天井面に配
置される化粧パネルが設けられており、この化粧パネル
に、室内に通ずる給気側吹出口と排気側吸込口が区画形
成されている。

【０００３】このため、室内に対する給気と排気を同一
の化粧パネル領域内で行うことになるが、室内空間が広
い場合、換気効率が悪く、室内に屋外からの新鮮な空気
が行き渡らなかったり、排気すべき室内の汚れた空気が
室内に滞留したりするおそれがある。そこで、従来、天
井面において、ケーシング下部のグリルの配置位置を変
更することが行われているが、同一のグリル領域での給
排気では、換気効率の向上があまり期待できなかった。

【０００４】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、室内の換気効率を高めて、室内空間の清浄度を向
上させることができる天井埋込カセット形熱交換換気装
置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項１記載の発明の態様は、
内部に給気風路及び排気風路を区画し、熱交換器を収容
するケーシングと、ケーシングの下部に設けられ、ケー
シング内の給気風路を室内に通じさせるために天井面に
配置される給気側吹出口が設けられた化粧パネルと、ケ
ーシングの第１の面に開口され、それぞれ屋外に通ずる
ダクトに連結される給気側吸込口及び排気側吹出口と、
ケーシングの第１の面に対向する第２の面に開口され、
ケーシング内の排気風路に通ずる延長ダクト接続口と、
この延長ダクト接続口に接続される延長ダクトと、この
延長ダクトの先端に設けられ、室内に開口する排気側吸
込口を有して天井面に配置される吸込ユニットとを備え
ることを特徴とするものである。ことを特徴とするもの
である。

【０００６】本態様では、延長ダクトを介してケーシン
グから離れた位置に吸込ユニットを配置することができ
る。したがって、ケーシングから離れた位置で室内空気
を吸い込んで排気することができる。これにより、室内
の空気分布を良好にして、換気効率を向上させ、室内空
気の清浄度を向上させることができる。また、ケーシン
グ下部の化粧パネルと吸込ユニットの位置関係をレイア
ウトする際の自由度が高く、確実に換気効率を向上させ
ることができる。

【０００７】請求項２記載の発明の態様は、請求項１に
おいて、上記延長ダクトが接続されない場合に延長ダク
ト接続口を閉じておく閉じ部材をさらに備えることを特
徴とするものである。本態様では、延長ダクトを使用し
ない場合に、閉じ部材で延長ダクト接続口を閉じておけ
ば、通常の天井埋め込み形熱交換換気装置として使用す
ることができる。延長ダクトを使用する場合と使用しな
い場合とで、熱交換換気装置の主要部分を兼用すること
ができ、部品の共通化を通じて全体としての製造コスト
を安くすることができる。

【０００８】請求項３記載の発明の態様は、請求項１又
は２において、上記化粧パネルに区画される排気側吸込
口とケーシング内の対応する風路との連通を絶つ連通遮
断部材をさらに備えることを特徴とするものである。本
態様では、延長ダクトを用いて排気する場合、これに応
じて、ケーシング下方の化粧パネルの排気側吸込口と対
応する風路との連通を遮断して、排気側吸込口が機能し
ないようにしておくことより、ケーシングから離れた位
置で排気することを実効あるものとすることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を添
付図面を参照しつつ説明する。本発明の一実施の形態の
天井埋込カセット型の熱交換換気装置は、ケーシングか
ら離れた位置にある吸込ユニットから室内空気を吸い込
んで屋外へ排出する第１の使用形態と、屋外からの空気
をケーシングから離れた位置にある吹出ユニットを介し
て室内に供給する第２の使用形態と、ケーシング下方の
化粧パネルで室内に対する給気、排気を行う第３の使用
形態（従来の使用形態に相当）とを択一的に選択して実
践することが可能なものである。

【００１０】まず、図１及び図２を参照して、第１の使
用形態について説明する。図１は本発明の一実施の形態
の天井埋込カセット型熱交換換気装置の概略構成を示す
一部破断斜視図であり、図２は熱交換換気装置の断面図
である。図１を参照して、熱交換換気装置１は、天井裏
空間２に吊り具３により四隅部を（図１では一の隅部の
吊り具３のみを示してある）吊り下げて配置されるケー
シング４を備えている。図２に示すように、ケーシング
４の下部には天井面５に配置される化粧パネル６が接続
チャンバ２１を介して接続されている。図１を参照し
て、ケーシング４の第１の面７には、それぞれ屋外２２
に通ずるダクト８，９に連結される給気側吸込口１０及
び排気側吹出口１１が形成されている。２３，２４は各
ダクト８，９のベント口である。ケーシング４の上記第
１の面７に対向する第２の面１２には、排気Ｅ（ハッチ
ングを施した矢符で示してある）のための延長ダクト接
続口１４が形成されており、この排気Ｅ用の延長ダクト
接続口１４に、ダクト継手１６を介して延長ダクト１３
が接続されている。延長ダクト１３の先端には通風ユニ
ットとしての排気の吸込ユニット１７が取り付けられて
いる。この吸込ユニット１７はケーシング４から距離を
隔てた位置で天井面５に配置され、室内に開口する排気
側吸込口５１を有している。

【００１１】本熱交換換気装置１においては、屋外から
の給気Ｓ（白抜き矢符で示す）は、ケーシング４内に収
容された公知の構成（例えば特開平３−２７４３４４号
公報参照）の熱交換器１８を水平に通過し、室内からの
排気Ｅ（ハッチングを施した矢符で示す）は、熱交換器
１８を垂直に通過するようにされている。すなわち、熱
交換器１８の排気側吸込面１９は真下に向けられてお
り、給気側吹出面２０は真横に向けられている。

【００１２】給気Ｓの流れは給気ファン室２５に配置さ
れた給気ファン２６によって生成され、排気Ｅの流れは
排気ファン室２７に配置された排気ファン２８により生
成される。図２を参照して、ケーシング４内において、
熱交換器１８の上下左右のそれぞれに、室２９，３０，
３１，３２が区画されている。室２９は熱交換器１８の
上面、ケーシング１の天壁３３及び一対の仕切り部材３
４，３５によって区画されている。この室２９は図１に
示すように排気ファン室２７に連通する開口３６を形成
している。図２を参照して、室３１は化粧パネル６に形
成された給気側吹出口５０に連通している。

【００１３】室３０は給気ファン室２５と開口３７を介
して連通している。仕切り部材３９を介して室３０と仕
切られる室３２は、化粧パネル６に形成される排気側吸
込口３８を通して室内に連通しているが、この化粧パネ
ル６の排気側吸込口３８は機能していない。というの
は、熱交換器１８の排気側吸込面１９と化粧パネル６の
排気側吸込口３８との連通が連通遮断部材としての仕切
り部材４０によって遮断されているからである。

【００１４】仕切り部材４０は、図２に示すようにチャ
ンネル形状をしており、熱交換器１８の一対の下縁部に
それぞれ沿う仕切り部材４１，４２にねじ止めされる。
連通遮断部材としての仕切り部材４０によって、熱交換
器１８の排気側吸込面１９に面する室４３が仕切られて
いる。この室４３は図１及び図２に示すように開口４４
を介して室４５に連通している。図１を参照して、室４
５は給気ファン室２５と仕切り部材４６を介して仕切ら
れている。また、室４５は上記の延長ダクト接続口１
４、ダクト１３及び吸込ユニット１７を介して室内に連
通している。

【００１５】図１を参照して、熱交換器１８の長手方向
の端部には、バイパス室４７が設けられている。このバ
イパス室４７は、下面の開口４８から導入した室内空気
を、側面の開口４９を通して排気ファン室２７に排出さ
せることにより、排気Ｅが熱交換器１８をバイパスする
ようにする。室２９に通ずる開口３６と、バイパス室４
７に通ずる開口４９とは、上下に並んでおり、図示しな
いアングル状をなす公知のダンパによって択一的に開放
されるようになっている。ダンパは図示しない電動モー
タによって駆動される。

【００１６】本熱交換換気装置１では、熱交換器１８を
用いた熱交換換気においては、ダンパによって開口４９
が閉じられた状態で開口３６が開放される。そして、こ
の状態で、各ファン２６，２８が運転されることによ
り、室外空気は、ベント口２３→ダクト８→ケーシング
４の給気側吸込口１０→給気ファン室２５→室３０→熱
交換器１８→室３１→化粧パネル６の給気側吹出口５０
に至る給気風路を通り、室内に給気される。上記の給気
側吸込口１０から給気ファン室２５、室３０、熱交換器
１８及び室３１を介して化粧パネル６の給気側吹出口５
０に至る風路が、ケーシング４内における給気風路Ｓ１
を構成している。

【００１７】また、室内空気は、吸込ユニット１７の排
気側吸込口５１→延長ダクト１３→ケーシング４のダク
ト接続口１４→室４５→開口４４→室４３→熱交換器１
８→室２９→開口３６→排気ファン室２７→ケーシング
４の排気側吹出口１１→ダクト９→ベント口２４に至る
排気風路を通り、屋外２２へ排気される。上記のケーシ
ング４のダクト接続口１４から、室４５、開口４４、室
４３、熱交換器１８、室２９、開口３６及び排気ファン
室２７を介して排気側吹出口１１に至る風路が、熱交換
換気モードの延長排気でのケーシング４内における排気
風路Ｅ１を構成している。

【００１８】一方、春秋等の冷暖房を必要としない中間
期には、熱交換を行わない普通換気が行われる。すなわ
ち、ダンパによって開口３６を閉塞し開口４９を開放し
た状態で、室内空気が、吸込ユニット１７の排気側吸込
口５１→延長ダクト１３→ケーシング４のダクト接続口
１４→室４５→開口４４→室４３→開口４８→バイパス
室４７→開口４９→排気ファン室２７→ケーシング４の
排気側吹出口１１→ダクト９→ベント口２４に至るバイ
パス風路を通り、室外に排気される。ケーシング４のダ
クト接続口１４から、室４５、開口４４、室４３、開口
４８、バイパス室４７、開口４９及び排気ファン室２７
を介してケーシング４の排気側吹出口１１に至る風路
が、ケーシング４内におけるバイパス風路Ｅ２である。
室外空気の流れは熱交換換気の場合と同様である。

【００１９】本実施の形態では、延長ダクト１３を介し
てケーシング４から離れた位置に給気の吸込ユニット１
７を配置することができるので、ケーシング４から離れ
た位置で室内空気を吸い込んで排気することができる。
これにより、室内の空気分布を良好にして、換気効率を
向上させ、室内空気の清浄度を向上させることができ
る。室内に喫煙場所がある場合に、この喫煙箇所の汚れ
た空気をスポット的に屋外へ排出することも可能であ
る。

【００２０】なお、延長ダクト１３を用いた排気を実施
しないで従来の熱交換換気装置と同様の使用形態とする
場合には、図３に示すように第２の面１２にねじ止めさ
れる板状の閉じ部材１５によりダクト接続口１４を閉じ
る。また、仕切り部材４０を取り外して、代わりに図４
に示すように樹脂部材等を含む可撓性の仕切り部材５２
の上縁５３を熱交換器１８の一方の下縁部に沿う仕切り
部材４１に取り付け、上記可撓性の仕切り部材５２の下
縁５４を化粧パネル６中央のメンテナンス蓋５５上に垂
らして、室３１と室３２との間を仕切り部材５２により
仕切るようにしている。また、開口４４をねじ止めされ
る閉じ部材５６により閉じる。このように一部の部品を
交換することにより、本熱交換換気装置１を、化粧パネ
ル６の排気側吸込口３８及び給気側吹出口５０をともに
用いる従来の熱交換換気装置として機能させることがで
きる。排気Ｅは化粧パネル６の排気側吸込口３８を介し
て熱交換器１８の排気側吸込面１９に直接入る排気風路
Ｅ３を通して屋外へ排気される。図３及び図４におい
て、図１，図２及び図３と同様の構成について、図に同
一符号を付してその説明を省略する。

【００２１】

【００２２】

【００２３】

【００２４】

【００２５】

【００２６】本発明は上記実施の形態に限定されるもの
ではなく、上記の実施の形態では延長排気及び従来の給
排気の２つの使用態様を択一的に選択できるものとした
が、延長排気の専用となる熱交換換気装置としても良
い。その他、本発明の範囲で種々の変更を施すことがで
きる。

【００２７】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、延長ダクトを
介してケーシングから離れた位置に吸込ユニットを配置
することができる。したがって、ケーシングから離れた
位置で室内空気を吸い込んで排気することができる。こ
れにより、室内の空気分布を良好にして、換気効率を向
上させ、室内空気の清浄度を向上させることができる。

【００２８】請求項２記載の発明では、延長ダクトを使
用しない場合に、閉じ部材で延長ダクト接続口を閉じて
おけば、通常の天井埋め込み形熱交換換気装置として使
用することができる。延長ダクトを使用する場合と使用
しない場合とで、熱交換換気装置の主要部分を兼用する
ことができ、部品の共通化を通じて全体としての製造コ
ストを安くすることができる。

【００２９】請求項３記載の発明では、延長ダクトを用
いて排気する場合、これに応じて、ケーシング下方の化
粧パネルの排気側吸込口が機能しないようにしておくこ
とより、ケーシングから離れた位置で排気することを実
効あるものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の天井埋込カセット型熱
交換換気装置の概略構成を示す一部破断斜視図であり、
排気の延長ダクトを用いる場合を示している。

【図２】図２は図１の熱交換換気装置の断面図である。

【図３】図３は図１の熱交換換気装置において延長ダク
トを用いず、従来の熱交換換気装置として機能させる場
合を示す熱交換換気装置の一部破断斜視図である。

【図４】従来の熱交換換気装置として機能させる場合の
熱交換換気装置の断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 7/08 101 F24F 1/00 441

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に給気風路(S1)及び排気風路(E1)を区
   画し、熱交換器(18)を収容するケーシング(4) と、 ケーシング(4) の下部に設けられ、ケーシング(4) 内の
   給気風路(S1)を室内に通じさせるために天井面(5) に配
   置される給気側吹出口(50)が設けられた化粧パネル(6)
   と、 ケーシング(4) の第１の面(7) に開口され、それぞれ屋
   外(22)に通ずるダクト(8) (9) に連結される給気側吸込
   口(10)及び排気側吹出口(11)と、 ケーシング(4) の第１の面(7) に対向する第２の面(12)
   に開口され、ケーシング(4) 内の排気風路(E1)に通ずる
   延長ダクト接続口(14)と、 この延長ダクト接続口(14)に接続される延長ダクト(13)
   と、 この延長ダクト(13)の先端に設けられ、室内に開口する
   排気側吸込口(51)を有して天井面(5) に配置される吸込
   ユニット(17)とを備えることを特徴とする天井埋込カセ
   ット型熱交換換気装置。
2. 【請求項２】上記延長ダクト(13)が接続されない場合に
   延長ダクト接続口(14)を閉じておく閉じ部材(15)をさら
   に備えることを特徴とする請求項１記載の天井埋込カセ
   ット型熱交換換気装置。
3. 【請求項３】上記化粧パネル(6) に区画される排気側吸
   込口(38)とケーシング(4) 内の対応する風路(E1)との連
   通を絶つ連通遮断部材(40)をさらに備えることを特徴と
   する請求項１又は２記載の天井埋込カセット型熱交換換
   気装置。