JP3222378B2 - 工具ホルダ - Google Patents

工具ホルダ

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JP3222378B2
JP3222378B2 JP08684096A JP8684096A JP3222378B2 JP 3222378 B2 JP3222378 B2 JP 3222378B2 JP 08684096 A JP08684096 A JP 08684096A JP 8684096 A JP8684096 A JP 8684096A JP 3222378 B2 JP3222378 B2 JP 3222378B2
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正義 田中
正康 木戸岡
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株式会社アルプスツール
日本ニユクリア・フユエル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マシニングセンタ
等の工作機械に装着される工具ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタによりワークの貫通孔
の裏面側(主軸側からワークを見た状態を基準に表裏を
区別する。)に例えば座ぐり部や面取り部を形成する場
合、次の手順にて加工が行われている。まず、裏座ぐり
や裏面取り用の工具が固定された工具ホルダをマシニン
グセンタの主軸に装着し、次いで、工具がワークの貫通
孔から偏芯した状態で貫通孔に挿入されるようにマシニ
ングセンタの主軸頭とワークとを相対移動させ、それに
より工具の切刃部分を貫通孔の反対側に突出させる。こ
の後、工具と貫通孔との芯を合わせて工具を回転させ、
さらに工具を貫通孔側に引き戻してその切刃により貫通
孔の裏側の口元を加工する。
【0003】この種の加工に用いる工具ホルダは、工具
をその軸方向及び周方向のいずれの方向にも固定するも
のであり、工具ホルダと工具とは相対移動不可能であ
る。そのため、ワークに対して工具ホルダを移動させる
と、それと等しく工具がワークに対して移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した裏座ぐり加工
や裏面取り加工では、ワークが鋳造品でその裏面側が鋳
肌(鋳造段階で形成される面)のまま何ら面加工が施さ
れていないときがある。鋳肌面は切削加工された面と比
較して遥かに大きい寸法誤差を伴うため、従来の工具ホ
ルダを用いる加工では、マシニングセンタに予め指定さ
れた座標値や移動量に従って工具ホルダやワークを移動
させると、鋳肌面の誤差に応じて座ぐり量や面取り量が
変化し、加工品質を一定に保てない。加工精度を維持す
べく鋳肌面を面加工すると、加工工数が増加してコスト
増を招く。ワークの形状によっては、裏面側の面加工が
不可能なこともある。
【0005】本発明は、ワークに寸法誤差があっても、
座ぐり加工や面取り加工等を一定の品質で行なうことが
可能な工具ホルダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の実施形態
を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発
明は図示の形態に限定されない。
【0007】請求項1の発明は、工作機械の主軸(S
P)に対する取付部(100、101、102)が後端
に設けられたホルダ本体(10)と、主軸(SP)の軸
線方向(中心線CLの方向)に移動可能な状態でホルダ
本体(10)に支持され、先端には工具(TL)が装着
可能な可動体(11)と、ホルダ本体(10)と可動体
(11)とを周方向に係合させる係合手段(12C、1
12)と、可動体(11)を前記軸線方向の任意の位置
で拘束可能な拘束手段とを備えた工具ホルダにおいて、
可動体(11)をホルダ本体(10)の取付部側に向か
って付勢する可動体付勢手段(13)を備え、前記拘束
手段が、前記軸線方向に移動可能な状態で前記可動体
(11)の外周側に設けられ、前記軸線方向に対して傾
斜するテーパ面(170)が内周側に設けられた駆動体
(17)と、前記可動体(11)の半径方向に移動可能
な状態で、前記駆動体(17)の前記テーパ面(17
0)と前記可動体(11)の外周面との間に配置された
拘束体(15、16)と、前記可動体(11)が拘束さ
れる方向に前記駆動体(17)を付勢する駆動体付勢手
段(19)と、前記可動体(11)の拘束が解除される
方向に前記駆動体(17)を駆動可能な流体圧シリンダ
(30)とを備えている工具ホルダにより上述した目的
を達成する。
【0008】この発明では、工具ホルダを主軸(SP)
に装着して拘束手段による可動体(11)の拘束を解除
し、その状態で工作機械の主軸(SP)とワーク(W)
(図6参照)とを前記軸線方向に漸次接近させると、そ
の動作途中で工具(TL)がワーク(W)に突き当た
り、それ以降は工具(TL)及び可動体(11)がワー
ク(W)に対して一定位置(ワークに突き当たったとき
の位置)に静止しつつ、ホルダ本体(10)と主軸(S
P)とがワーク(W)に対して一体的に移動する。この
ときの可動体(11)に対するホルダ本体(10)の移
動量をワーク(W)の加工対象個所(W2)の位置誤差
に応じて設定すれば、誤差の大小に拘りなく工具(T
L)をワーク(W)への切り込み開始位置(前記軸線方
向への切り込み深さが零の位置)に一旦停止させ、その
状態で拘束手段により可動体(11)を拘束できる。こ
の状態から主軸(SP)にてホルダ本体(10)を回転
させつつホルダ本体(10)と可動体(11)とを前記
軸線方向に一体に移動させることにより、ワーク(W)
に所望量の加工を施すことができる。
【0009】また、前記軸線方向に移動可能な状態で可
動体(11)の外周側に設けられ、内周側には前記軸線
方向に対して傾斜するテーパ面(170)が設けられた
駆動体(17)と、可動体(11)の半径方向に移動可
能な状態で駆動体(17)のテーパ面(170)と可動
体(11)の外周面との間に配置された拘束体(15、
16)とを拘束手段が備えているので、駆動体(17)
を前記軸線方向に移動させると、その変位がテーパ面
(170)によって拘束体(15、16)の前記半径方
向への変位に変換される。拘束体(15、16)が可動
体(11)の半径方向中心側に変位したときは、可動体
(11)の外周面が拘束体(15、16)で押圧されて
前記軸線方向に拘束される。拘束体(15、16)が可
動体(11)の半径方向外側に変位したときは、拘束体
(15、16)による可動体(11)の押圧が解除され
て可動体(11)が前記軸線方向に移動可能となる。
【0010】また、可動体(11)が拘束される方向に
駆動体(17)を付勢する駆動体付勢手段(19)を拘
束手段が備えているので、可動軸(11)を拘束するた
めの駆動力を工具ホルダの外部から供給する必要がな
い。
【0011】また、可動体(11)の拘束が解除される
方向に駆動体(17)を駆動可能な流体圧シリンダ(3
0)を拘束手段が備えているので、マシニングセンタが
備える空気圧、油圧等を利用して、可動体(11)の拘
束または拘束解除を行なえる。
【0012】また、可動体(11)をホルダ本体(1
0)の取付部側に向かって付勢する可動体付勢手段(1
3)を設けたので、拘束手段による可動体(11)の拘
束を解除すると、可動体付勢手段(13)によって可動
体(11)がホルダ本体(10)の後端側へ後退させら
れる。この状態から工具(TL)をワーク(W)の裏面
側に突き当てつつ主軸(SP)をワーク(W)に対して
後退させると、ホルダ本体(10)と可動体(11)と
が可動体付勢手段(13)に抗して前記軸線方向に相対
移動する。請求項2の発明では、請求項1の工具ホルダ
において、テーパ面(170)の前記軸線方向に対する
傾き(θ)を45°よりも小さく設定した。この発明に
よれば、駆動体(17)を前記軸線方向に駆動する力
(F1)がテーパ面(170 )により拡大されて拘束体
(15、16)に伝達される(図5参照)。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明が適用された工具ホルダの
一例を図1に示す。図1の中心線CLよりも上側は工具
ホルダの外観を、下側は断面をそれぞれ示し、同図の右
側が工具ホルダの先端側、左側が工具ホルダの後端側で
ある。なお、工具ホルダを先端側からみた状態(矢印I
I方向からみた状態)を図2に示す。
【0014】図1から明らかなように、工具ホルダは、
マシニングセンタの主軸SPに装着されるホルダ本体1
0と、可動軸11とを有する。ホルダ本体10の後端側
には、主軸SPのテーパ孔THに挿入されるテーパシャ
ンク100と、主軸SPの前面に取り付けられた回転伝
達用の主軸キーKYと噛み合うキー溝101と、マシニ
ングセンタの工具交換装置(不図示)にて把持されるグ
リップフランジ102とが設けられる。これらの要素1
00〜102はマシニングセンタ用の工具ホルダに共通
して設けられる周知のものであり、詳細は省略する。
【0015】ホルダ本体10の内部には工具ホルダの先
端側に開口する中空部103が設けられる。中空部10
3には、直動型のボール軸受け12A及びメタル軸受け
12Bが中心線CLと同軸に取り付けられる。可動軸1
1は、その外周面をボール軸受け12A及びメタル軸受
け12Bに嵌め合わせつつ中空部103に挿入されて中
心線CL上を移動可能に支持される。図3に示したよう
に、ホルダ本体10には、その外周側からねじ付ピン1
2Cがねじ込まれ、そのピン12Cの先端は可動軸11
のキー溝112に挿入される。これによりホルダ本体1
0から可動軸11への回転伝達が可能となる。なお、キ
ー溝112はピン12Cの直径よりも中心線CLの方向
に十分に長く形成される。ボール軸受け12Aをボール
スプラインに変更してねじ付ピン12C及びキー溝11
2を省略してもよい。
【0016】可動軸11の後端にはフランジ111が設
けられ、そのフランジ111とホルダ本体10のストッ
パ104との間にはコイルばね13が取り付けられる。
このコイルばね13の反発力によって可動軸11は工具
ホルダの後端側へ付勢され、ストッパ104に突き当て
られる。可動軸11の先端側には、工具TLが着脱自在
に装着されるスリーブ14が取り付けられる。なお、工
具TLはその刃体CBに形成された切刃CEを中心線C
Lに対して45°に傾斜させた面取り工具であり、しか
も切刃CEを工具ホルダ側に向けて装着することにより
裏面取り工具として構成されている。スリーブ14はス
トレートシャンク用のサイドロック式のものである。装
着可能な工具TLやスリーブ14が図示の態様に限らな
いことは勿論である。
【0017】図3及び図4に詳しく示したように、ホル
ダ本体10には、これを半径方向に貫く貫通孔105が
工具ホルダの周方向に等しいピッチで適宜数(図では3
個)形成されている。各貫通孔105にはクランパ15
が貫通孔105の軸線方向に移動自在に挿入され、それ
らのクランパ15の外側には鋼球16が配置されてい
る。各鋼球16は、ホルダ本体10の外周に嵌め合わさ
れたクランプリング17と当接する。クランプリング1
7は中心線CLの方向に移動可能であり、各鋼球16と
の接触部分には、工具ホルダの先端側に向かうほど中心
線CL側に接近するテーパ面170が形成されている。
従って、クランプリング17が工具ホルダの後端側(図
1及び図4の左側)に移動すると、鋼球16を介してク
ランパ15が半径方向中心側へ押し込まれ、それにより
可動軸11の外周面がクランパ15で押圧されて可動軸
11が拘束される(図4(a)参照)。一方、クランプ
リング17が上記と逆方向に移動したときは鋼球16に
対してテーパ面170が半径方向外側へ後退し、クラン
パ15による可動軸11の拘束が解除される(図4
(b)参照)。
【0018】クランプリング17を工具ホルダの後端側
に駆動するために、ホルダ本体10の先端に固定された
フランジ18とクランプリング17との間にはコイルば
ね19及びリング押さえ20が設けられる。コイルばね
19は中心線CLの廻りに適当なピッチで複数設けられ
る。リング押さえ20は、中心線CLの方向に移動可能
な状態でホルダ本体10の外周に嵌め合わされ、各コイ
ルばね19の反発力を受けてクランプリング17を工具
ホルダの後端側に押さえ込む。
【0019】図5はクランプリング17がリング押さえ
20にて押されたときの荷重状態を示したものである。
中心線CLの方向に対するテーパ面170の傾斜角θが
十分に小さい値(例えば10〜15°程度)に設定され
ているため、リング押さえ20がクランプリング17を
押す力F1に対してテーパ面170の法線方向に極めて
大きな力F2が作用し、そのためクランパ15を工具ホ
ルダの半径方向に押す力F3も元の力F1に対して十分
に拡大される。これにより、可動軸11をクランパ15
にて強固に拘束できる。なお、このようなクランプ力の
拡大作用を得るためには、傾斜角θを45°未満に設定
すればよい。
【0020】クランプリング17を工具ホルダの先端側
に駆動して可動軸11の拘束を解除するために、クラン
プリング17よりも工具ホルダの後端側にはピストン2
1が設けられている。ホルダ本体10にベアリング22
を介して回転自在に取り付けられた円筒状のシリンダチ
ューブ23により、ピストン21はホルダ本体10やク
ランプリング17と同軸かつ中心線CLの方向に移動可
能に支持される。ピストン21の内周とホルダ本体10
の外周との間には幾らか隙間が設けられ、それによりホ
ルダ本体10の回転に対してピストン21は周方向に静
止可能である。シリンダチューブ23の内周面とピスト
ン21の外周面との間は、ピストン21に装着されたリ
ングシール24にて気密にシールされる。
【0021】ピストン21は、シリンダチューブ23に
保持されたコイルばね25により工具ホルダの後端側へ
付勢されてリング状のシリンダヘッド26に突き当てら
れる。シリンダヘッド26は、ベアリングケース27及
び一対のベアリング28を介してホルダ本体10に回転
自在に支持される。従って、シリンダヘッド26はホル
ダ本体10の回転に対して周方向に静止可能、かつ中心
線CLの方向にはホルダ本体10に対して相対移動不可
能である。シリンダヘッド26の内周面とピストン21
との間は、シリンダヘッド26に装着されたリングシー
ル29にて気密にシールされる。
【0022】シリンダヘッド26には、ピストン21に
向かって開口するようにエアー供給孔260が形成され
ている。エアー供給孔260に圧縮空気を導くと、その
圧力でピストン21がクランプリング17側に押し出さ
れ、それによりクランプリング17が工具ホルダの先端
側へ移動してクランパ15による可動軸11の拘束が解
除される(図4(b)参照)。エアー供給孔260から
の空気圧が低下するとコイルばね25の力でピストン2
1がシリンダヘッド26側へ押し戻され、それによりク
ランプリング17が図4(a)の位置に復帰して可動軸
11が拘束される。以上から明らかなように、ピストン
21、シリンダチューブ23、コイルばね25、シリン
ダヘッド26、リングシール24、29によって単動型
のエアーシリンダ30が構成される。
【0023】マシニングセンタ側からエアー供給孔26
0へ圧縮空気を供給するため、シリンダヘッド26及び
ベアリングケース27の外周上の一個所にはブロック3
1が固定され(図2参照)、そのブロック31にはエア
ー導入管32が取り付けられる。エアー導入管32は中
心線CLの方向に移動可能であり、コイルばね33によ
り工具ホルダの後端側へ付勢される。工具ホルダが主軸
SPに装着されると、エアー導入管32の後端がマシニ
ングセンタの主軸ハウジング(不図示)に固定されたブ
ロックBLに突き当てられる。それにより、ブロックB
Lのエアー供給孔ASが、エアー導入管32の中心孔3
20、ブロック31のチャンバ310及び内部流路31
1を介してエアーシリンダ30のエアー供給孔260に
接続され、マシニングセンタからエアーシリンダ30へ
の圧縮空気の供給が可能となる。
【0024】エアー導入管32の外周にはドッグ34が
中心線CLの方向に移動可能に装着される。工具ホルダ
が主軸SPから取り外された状態では、ドッグ34がコ
イルばね35にて工具ホルダの後端側へ付勢され、その
キー部340がホルダ本体10のキー溝106に嵌入す
る。この状態ではホルダ本体10とドッグ34とが周方
向に相互に係合し、そのため、ホルダ本体10に対して
エアー導入管32、ブロック31及びエアーシリンダ3
0は回転不可能となり、ホルダ本体10のキー溝101
の形成位置とブロック31及びエアー導入管32の取付
位置との角度φは一定値に保たれる(図2参照)。
【0025】ここで、マシニングセンタにて工具交換を
行なうときは、主軸SPが回転して主軸キーKYが周方
向の一定位置に割り出されるが(この回転は主軸オリエ
ンテーション動作として周知である。)、そのときの主
軸キーKYとブロックBLとは、上述したキー溝101
とエアー導入管32の位置関係と同じく、同一方向に同
一角度φだけ互いにずれている。これにより、工具ホル
ダの装着時にエアー導入管32をブロックBLに位置合
わせして両者を確実に突き当てることができる。
【0026】工具ホルダが主軸SPに装着されるとき、
ドッグ34に取り付けられたボルト36がブロックBL
(主軸廻りの他の構成要素に置き換えてもよい。)に突
き当てられ、それによりドッグ34のキー部340がキ
ー溝106から外れてホルダ本体10とエアー導入管3
2との周方向の係合が解除される。これと同時に、ブロ
ックBLとエアー導入管32とが主軸SPの周方向に相
互に係合し(係合状態の図示は省略する。)、それによ
りエアー導入管32、ブロックBL及びエアーシリンダ
30が周方向に拘束される。従って、上記の各要素30
〜32は、主軸SP及びホルダ本体10の回転から切り
離されて周方向に静止する。
【0027】なお、上記の構成では、コイルばね19の
力を利用して可動軸11を拘束し、その拘束解除を空気
圧で行なうようにしたので、工具ホルダが主軸SPから
取り外された状態では可動軸11が中心線CLの方向に
移動できない。従って、工具ホルダが工具交換装置や工
具マガジンに保持されているときに可動軸11が遊動す
るおそれはない。しかも、主軸SPに装着された状態で
停電等により不所望に圧縮空気の供給が断たれた場合に
は可動軸11が直ちにコイルばね19の力で拘束され
る。従って、安全性が高い。但し、可動軸11の拘束を
空気圧や油圧等で行なってもよい。
【0028】次に、図6を参照して上記の工具ホルダを
用いた加工手順の一例を説明する。なお、図6は、図1
に示した裏面取り用の工具TLを工具ホルダに装着して
裏面取り加工を行なう例である。工具ホルダをマシニン
グセンタの主軸SPに取り付けたときの工具ホルダの中
心線CLは工具TLの軸線と一致するため、以下では、
中心線CLを工具軸線と呼び代えて説明する場合もあ
る。
【0029】図6の加工手順では、まず工具ホルダをワ
ークWに対して前進させて可動軸11に取り付けた工具
TLを貫通孔W1に挿入し、図6(a)に示すように工
具TLの刃体CBを貫通孔W1の反対側へ突出させる。
このとき、工具軸線CLを貫通孔W1の中心線AXに対
して切刃CEの反対側に偏芯させておく。次に、図6
(b)に示すように工具軸線CLを貫通孔W1の中心線
AXと一致させ、さらに、工具軸線CLに沿って貫通孔
W1側へ工具ホルダを後退(矢印R方向の動作)させ
る。このとき、クランパ15による可動軸11の拘束を
解除しておく。
【0030】上述した工具ホルダの後退動作により、図
6(c)に示すように工具TLの切刃CEが貫通孔W1
の裏面側の口元W2に突き当たるが、それ以降もホルダ
本体10を継続して後退させる。このとき、図6(d)
に示したように、工具TLがワークWに係止されている
ために可動軸11も工具軸線CLの方向に静止し、その
一方でホルダ本体10はコイルばね13を押し縮めなが
らワークWから離れる方向へ後退する。従って、ワーク
Wの口元W2の位置に誤差があっても、その誤差量を超
えてホルダ本体10を図6(c)の位置よりも大きく後
退させるようにすれば、ホルダ本体10の後退動作の途
中で切刃CEが必ず口元W2に突き当たる。
【0031】ホルダ本体10を所定位置まで後退させた
時点でクランパ15により可動軸11を拘束する。この
後、工具TLを回転させつつホルダ本体10を工具軸線
CLの方向に後退させて貫通孔W1の口元W2を面取り
加工する。このときの移動量をマシニングセンタセンタ
側で制御すれば、ワークWの裏面側が鋳肌面等の寸法精
度の低い面であっても、面取り量Cを一定に保つことが
できる。加工完了後は、図6(a)と同様に工具軸線C
Lを貫通孔W1の中心線から偏芯させて工具TLを貫通
孔W1から抜き取る。なお、以上ではワークWに対して
工具ホルダを工具軸線CLの方向に移動させるように説
明したが、マシニングセンタの構成によってはワークW
側を移動させることもある。
【0032】本発明はワークの裏面側を加工する場合に
限らず、表面側を加工する場合でも適用できる。この場
合は、図1のコイルばね13による可動軸11の付勢方
向を反転させ、工具がワークWの表面側に突き当てられ
た状態から主軸をさらにワーク側に前進させて可動軸1
1を工具ホルダの先端側に押し込むようにすればよい。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
工具ホルダに装着された工具を工作機械の主軸に対して
軸線方向に相対移動させて任意の位置で拘束できるの
で、ワークの加工対象部分に寸法誤差があっても、それ
に拘りなくワークに所定寸法の加工を施すことができ
る。これにより、目的とする加工(例えば面取り加工や
座ぐり加工)に先立ってワークの加工対象部分を面加工
する必要がなくなり、そのため加工工数を減らしてコス
トダウンを達成できる。しかも、可動体の外周側に配置
された駆動体を主軸の軸線方向に駆動するだけで可動体
を軸線方向任意の位置に拘束できるので、マシニングセ
ンタ等の工作機械の主軸先端に導かれる圧縮空気や油圧
等を利用して可動体の拘束及び拘束解除の少なくとも一
方を実行できる。また、可動体を拘束するための駆動力
を工具ホルダの内部で発生させることができるから、工
具ホルダが主軸に装着されていないときに可動体を拘束
でき、また、可動体の拘束を解除する力が不所望に失わ
れたときに直ちに可動体を拘束して安全性を高められ
る。また、マシニングセンタの主軸の先端側に供給され
る空気圧や油圧を利用して可動体を拘束し、あるいは拘
束を解除できるから、拘束及び拘束解除の両者の駆動力
を工具ホルダ内で発生させる場合と比較して、工具ホル
ダ内の機構が簡素化される。また、可動体を予めホルダ
本体の後端側へ移動させておくことができるので、ワー
クの裏面側に座ぐり加工や面取り加工を施す際の手順が
簡素化される。請求項2の発明では、駆動体を主軸の軸
線方向に駆動する力を拡大して拘束体に伝達できるの
で、可動体を強固に拘束して高負荷の加工に耐えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る工具ホルダを一部断面
にて示した図。
【図2】図1の矢印II方向からの矢視図。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図。
【図4】図1の工具ホルダの要部の動作を拡大して示す
図。
【図5】図3のV−V線に沿った断面図。
【図6】図1の工具ホルダを用いた加工手順の一例を示
す図。
【符号の説明】
10…ホルダ本体 11…可動軸(可動体) 13…コイルばね(可動体付勢手段) 12C…ねじ付ピン(係合手段) 15…クランパ 16…鋼球 17…クランプリング(駆動体) 19…コイルばね(駆動体付勢手段) 20…リング押さえ 21…ピストン 23…シリンダチューブ 24、29…リングシール 25…コイルばね 26…シリンダヘッド 30…エアーシリンダ(流体圧シリンダ) 112…キー溝(係合手段) SP…マシニングセンタの主軸 W…ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−172506(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 3/12 B23B 29/03 B23B 29/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の主軸に対する取付部が後端に
    設けられたホルダ本体と、前記主軸の軸線方向に移動可
    能な状態で前記ホルダ本体に支持され、先端には工具が
    装着可能な可動体と、前記ホルダ本体と前記可動体とを
    周方向に係合させる係合手段と、前記可動体を前記軸線
    方向の任意の位置で拘束可能な拘束手段とを備えた工具
    ホルダにおいて、前記可動体を前記ホルダ本体の前記取
    付部側に向かって付勢する可動体付勢手段を備え、前記
    拘束手段が、前記軸線方向に移動可能な状態で前記可動
    体の外周側に設けられ、前記軸線方向に対して傾斜する
    テーパ面が内周側に設けられた駆動体と、前記可動体の
    半径方向に移動可能な状態で、前記駆動体の前記テーパ
    面と前記可動体の外周面との間に配置された拘束体と、
    前記可動体が拘束される方向に前記駆動体を付勢する駆
    動体付勢手段と、前記可動体の拘束が解除される方向に
    前記駆動体を駆動可能な流体圧シリンダとを備えている
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記テーパ面の前記軸線方向に対する傾
    きが45°よりも小さいことを特徴とする請求項1記載
    の工具ホルダ。
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