JP3222314U - 音響機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型、高音質で、使い勝手の良いリケーブル式の音響機器を実現する。【解決手段】リケーブル式の音響機器(例えば、カナル型イヤホン)は、ケーブルユニット50、Lchイヤホン本体60L、及びRchイヤホン本体60Rを備えている。ケーブルユニット50は、ステレオ信号を入力して、同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rからそれぞれ出力する。Lchイヤホン本体60Lは、Lchプラグ53Lが挿脱自在に挿入されるLchジャック62Lを有し、このLchジャック62Lから入力されるステレオ信号を音波に変換して使用者の一方の耳へ出力する。Rchイヤホン本体60Rは、Rchプラグ53Rが挿脱自在に挿入される、Lchジャック62Lと同一形状のRchジャック62Rを有し、このRchジャック62Rから入力されるステレオ信号を音波に変換して使用者の他方の耳へ出力する。【選択図】図1

Description

本考案は、イヤホン又はヘッドホン等の音響機器において、元から付いているケーブルを取り外して別のケーブルに取り替える(これを「リケーブル」という。)ことが可能なケーブルユニットを有する広音場及び高音質の音響機器に関するものである。
イヤホン又はヘッドホンのような音響機器には、駆動方式として、ダイナミック型、マグネチック型、バランスド・アーマチュア型、ハイブリッド型、圧電型、クリスタル型、静電型等があり、形状として、インナイヤー型、カナル型、ヘッドバンド型、ネックバンド型、耳掛け型・クリップ型等がある。
特許文献1,2には、イヤーピースを耳孔に挿入するタイプのカナル型イヤホン又はヘッドホンが開示されている。
従来のカナル型イヤホンは、音声信号を音波に変換するドライバユニットを内蔵したハウジングと、このハウジングの前面に突設されてその音波を導出する筒状の音導管と、この音導管の先端部分に装着された耳孔挿入用のイヤーピースと、を有している。ドライバユニットは、ボイスコイル、永久磁石(マグネット)及び振動板(ダイヤフラム)等により構成されている。
図16は、従来のカナル型イヤホンを示す基本的な音響等価回路図である。
この音響等価回路では、音源1から送られてくる音声信号が、ドライバユニット2で音波に変換され、耳孔3へ放出される構成になっている。ドライバユニット2は、この質量、コンプライアンス及び機械抵抗に対応するインダクタLo、容量Co及び抵抗Roの直列回路からなる単振動系で表される。このドライバユニット2には、入力電圧Eoutが印加される。耳孔3は、音響容量Ceとして表される。
図17の(A)、(B)は、図16の音響等価回路に適切な回路定数を代入して周波数特性を計算した時の計算例を示す周波数特性図であり、横軸は周波数(Hz)、及び縦軸はドライバユニット2の入力電圧Eout(dB)である。
図17の実線の波形は、図16の音響等価回路に、回路定数(例えば、Lo=1mH、Co=10μF、Ro=15Ω、Ce=0.7μF)を代入した時の波形図である。一点鎖線の波形は、図16の音響等価回路に回路定数(例えば、Lo=0.6mH、Co=10μF、Ro=15Ω、Ce=0.7μF)を代入した時の波形図である。
図17から明らかなように、ドライバユニット2の共振周波数以下の低周波領域において、このドライバユニット2の等価回路が、図17の(A)に示すように、容量Coからなる弾性制御となり、周波数特性は平坦となる。
これに対して、ドライバユニット2の共振周波数以上の高周波領域において、このドライバユニット2の等価回路が、図17の(B)に示すように、インダクタLoからなる慣性制御となり、周波数特性はオクターブ当たり12dB減衰し、高周波領域の特性が劣化する。実際には、ドライバユニット2を収容しているハウジングの形状等による気柱共鳴等の影響で、実線の波形には、破線で示すようなピークが発生する。
図17の(B)に示すような高周波領域の特性の劣化を改善するには、ドライバユニット2の質量を小さくする必要があるが、実際には難しい。
この改善策として、例えば、特許文献1のカナル型イヤホンでは、ドライバユニットの入力側に接続された音声信号伝送用のケーブルに、インダクタL及び容量CのLC直列共振回路からなる高域増強回路を組み込み、高周波領域の音圧を向上させて高周波領域の特性を改善している。
図18は、特許文献1に記載された従来の高域増強回路の構成例を示す回路図である。
音声信号伝送用のケーブル5と図示しないドライバユニットとの間には、高域増強回路10が接続されている。ケーブル5は、左チャンネル(以下「Lch」という。)音声信号線5a、右チャンネル(以下「Rch」という。)音声信号線5b、及び接地線5cにより構成されている。高域増強回路10は、Lch音声信号線5aと接地線5cとの間に接続されたインダクタLl、容量切り替え用のスイッチSWl、及び容量値の異なる2つの容量C1l,C2lからなるLC直列共振回路と、Rch音声信号線5bと接地線5cとの間に接続されたインダクタLr、容量切り替え用のスイッチSWr、及び容量値の異なる2つの容量C1r,C2rからなるLC直列共振回路と、により構成されている。
図19は、ドライバユニットの入力側に図18の高域増強回路10が接続された周波数特性図であり、横軸は周波数(Hz)、及び縦軸は高域増強回路10の出力側に接続されたドライバユニットの入力電圧Eout(dB)である。
図19の回路条件1の実線の波形は、スイッチSWl,SWrを容量C1l,C1r側に切り替えた時の波形図、更に、図19の回路条件2の破線の波形は、スイッチSWl,SWrを容量C2l,C2r側に切り替えた時の波形図である。
図19から明らかなように、高域増強回路10を設けることにより、高周波領域におけるドライバユニットの入力電圧Eoutの音圧が向上している。
又、特許文献3,4には、ケーブルを交換可能にしたリケーブル式のイヤホン又はヘッドホンが開示されている。
イヤホンやヘッドホンでは、電気音響変換器であるイヤホン本体やヘッドホン本体に比べて、これに接続されたケーブル5の耐久性が低く、断線等の故障する可能性がある。そのため、特許文献3,4において、イヤホン本体やヘッドホン本体に対してケーブルを交換可能にしたリケーブル式のイヤホンやヘッドホンが提案されている。リケーブル式のイヤホンやヘッドホンでは、音質改善を図るために、元から付いているケーブルを取り外して別のケーブルに取り替えることも行われている。
図20は、例えば、特許文献1のカナル型イヤホンをリケーブル式に変更した場合の従来のリケーブル式のカナル型イヤホンの一例を示す構成図である。
このリケーブル式のカナル型イヤホンは、挿脱自在のケーブルユニット20と、第1電気音響変換器(例えば、Lchイヤホン本体)30Lと、第2電気音響変換器(例えば、Rchイヤホン本体)30Rと、により構成されている。
ケーブルユニット20は、例えば、携帯用音響装置に対して挿脱自在に挿入されて、左右一対の同位相の第1音声信号(例えば、Lch音声信号)及び第2音声信号(例えば、Rch音声信号)を有するステレオ信号を入力する共通プラグ21を有している。共通プラグ21は、例えば、導電部として左音声信号部(以下「L音声信号部」という。)、右音声信号部(以下「R音声信号部」という。)、及び接地部(以下「G部」という。)を有する3極の小型単頭プラグにより構成され、この共通プラグ21に、ケーブル22の一端が接続されている。ケーブル22の他端は2分岐して、同一形状の第1プラグ(例えば、Lchプラグ)23L及び第2プラグ(例えば、Rchプラグ)23Rがそれぞれ接続されている。
Lchプラグ23L及びRchプラグ23Gは、例えば、芯線の中心コンタクトと外皮(被覆)の外部コンタクトとを有する2端子仕様のMMCX形同軸コネクタにより、それぞれ構成されている。Lchプラグ23Lは、Lchイヤホン本体30Lに挿脱自在に挿着され、Rchプラグ23Rは、Rchイヤホン本体30Rに挿脱自在に挿着される。
Lchイヤホン本体30Lは、Lchハウジング31Lを有し、このLchハウジング31L内に、第1ジャック(例えば、Lchジャック)32L、及び第1ドライバユニット(例えば、Lchドライバユニット)33Lが収容されている。Lchハウジング31Lの前面側には、左耳挿入用のイヤーピース34Lが突設されている。Rchハウジング31Rの前面側にも、右耳挿入用のイヤーピース34Rが突設されている。
Lchジャック32Lは、Lchプラグ23Lが挿脱自在に挿入されてLch音声信号を入力するものであり、2極出力端子としてL端子及びG端子を有している。このL端子及びG端子には、Lchドライバユニット33Lが接続されている。Lchドライバユニット33Lは、入力されたLch音声信号を第1音波に変換してイヤーピース34Lへ送出するものである。Rchジャック32Rは、Rchプラグ23Rが挿脱自在に挿入されてRch音声信号を入力するものであり、2極出力端子としてR端子及びG端子を有している。このR端子及びG端子には、Rchドライバユニット33Rが接続されている。Rchドライバユニット33Rは、入力されたRch音声信号を第2音波に変換してイヤーピース34Rへ送出するものである。
図20のカナル型イヤホンでは、Lchプラグ23LをLchイヤホン本体30Lへ挿着すると共に、Rchプラグ23RをRchイヤホン本体30Rへ挿着する。そして、共通プラグ21を携帯用音響装置へ挿着すれば、その携帯用音響装置から出力されるステレオ信号の音波を、イヤーピース34L,34Rを通して両耳で聴くことができる。
特許第5997806号公報 特開2009−141880号公報 特開2011−234124号公報 特開2016−51950号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来のカナル型イヤホンや、図20に示された従来のリケーブル式のカナル型イヤホンでは、次の(A)、(B)のような課題がある。
(A) 特許文献1に記載された従来のカナル型イヤホンにおいて、図18の高域増強回路10を効果的に働かせるためには、インダクタLl,Lrの直流抵抗が小さい方が良い。ケーブル5の抵抗の影響を避けるため、高域増強回路10は、なるべく音源側に近く設置する必要がある。しかし、直流抵抗が小さく、必要なインダクタンス値を有するインダクタLl,Lrは、寸法(サイズ)が大きくなるので、イヤホンの小型化が難しい。そのため、小型で、広音場及び高音質のイヤホンやヘッドホン等の音響機器を実現することが困難である。
(B) 図20に示された従来のリケーブル式のカナル型イヤホンにおいて、Lchイヤホン本体30L内のLchジャック32Lには、Lchプラグ23Lを挿入し、Rchイヤホン本体30R内のRchジャック32Rには、Rchプラグ23Rを挿入することにより、左右の耳で、正しく、ステレオ信号の再生音を聴くことができる。しかし、Lchプラグ23LとRchプラグ23Rとは、同一形状なので、もし誤って2つのプラグ23L,23Rを逆に挿入した場合、正しい再生音の音場が得られない。そのため、Lchプラグ23L及びRchプラグ23Rを、誤りなく、正しくLchジャック32L及びRchジャック32Rに挿入しなければならず、不利不便で、使い勝手が悪い。
請求項1に係る考案の音響機器は、左右一対の同位相の第1音声信号及び第2音声信号を有するステレオ信号を、共通プラグを通してケーブルに入力し、前記ケーブルから送られてくる前記ステレオ信号を第1プラグ及び第2プラグからそれぞれ出力するケーブルユニットと、前記第1プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第1ジャックを有し、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号を第1音波に変換して使用者の一方の耳へ出力する第1電気音響変換器と、前記第2プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第2ジャックを有し、前記第2ジャックから入力される前記第2音声信号を第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2電気音響変換器と、を備えている。
請求項2に係る考案の音響機器は、左右一対の同位相の第1音声信号及び第2音声信号を有するステレオ信号を、共通プラグを通してケーブルに入力し、前記ケーブルから送られてくる前記ステレオ信号を第1プラグ及び第2プラグからそれぞれ出力するケーブルユニットと、前記第1プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第1ジャックを有し、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号及び前記第2音声信号を第1音波に変換して使用者の一方の耳へ出力する第1電気音響変換器と、前記第2プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第2ジャックを有し、前記第2ジャックから入力される前記第1音声信号及び前記第2音声信号を第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2電気音響変換器と、を備えている。
請求項3に係る考案の音響機器は、請求項2に係る考案において、前記第1電気音響変換器は、前記第1ジャックと、抵抗及び容量の第1並列回路により構成され、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号の周波数特性を変更して第1変更音声信号を生成する第1イコライザと、抵抗及び容量の第1直列回路により構成され、前記第1ジャックから入力される前記第2音声信号を逆位相で前記第1変更音声信号に加える第2イコライザと、前記第1変更音声信号と前記逆位相の第2音声信号との合成信号を前記第1音波に変換して前記使用者の一方の耳へ出力する第1ドライバユニットと、を有している。更に、前記第2電気音響変換器は、前記第2ジャックと、抵抗及び容量の第2並列回路により構成され、前記第2ジャックから入力される前記第2音声信号の周波数特性を変更して第2変更音声信号を生成する第3イコライザと、抵抗及び容量の第2直列回路により構成され、前記第2ジャックから入力される前記第1音声信号を逆位相で前記第2変更音声信号に加える第4イコライザと、前記第2変更音声信号と前記逆位相の第1音声信号との合成信号を前記第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2ドライバユニットと、を有している。
請求項4に係る考案の音響機器は、請求項1〜3のいずれか1項記載の音響機器が、例えば、イヤホン又はヘッドホンである。
請求項1及び2に係る考案の音響機器によれば、ケーブルユニットの第1プラグと第2プラグとから、第1音声信号及び第2音声信号を有するステレオ信号がそれぞれ出力され、その第1プラグが挿入される第1ジャックを有する第1電気音響変換器側で、入力された第1音声信号が選択されて第1音波に変換されて一方の耳へ出力され、その第2プラグが挿入される第2ジャックを有する第2電気音響変換器側で、入力された第2音声信号が選択されて第2音波に変換されて他方の耳へ出力される。そのため、第1プラグ及び第2プラグの左右を気にすることなく、第1ジャック及び第2ジャックへ挿入しても、第1電気音響変換器及び第2電気音響変換器において音声信号が正しく再生される。これにより、使い勝手を向上できる。
請求項3に係る考案の音響機器によれば、第1電気音響変換器において、第1音声信号から、第1イコライザにより生成された第1変更音声信号に対し、第2イコライザにより、第2音声信号を逆位相で加え、更に、第2電気音響変換器において、第2音声信号から、第3イコライザにより生成された第2変更音声信号に対し、第4イコライザにより、第1音声信号を逆位相で加えるようにしているので、音場を調整することができる。この音場の調整量や周波数特性も、第1、第2イコライザの容量及び抵抗の値と、第3、第4イコライザの容量及び抵抗の値と、で容易に変更及び調整ができる。そのため、従来のインダクタ及び容量の値による変更及び調整に比べ、小型及び安価である。
本考案の実施例1の音響機器(例えば、リケーブル式のカナル型イヤホン)を示す構成図 図1の回路部分の拡大図 スピーカによるステレオ聴取を示す図 スピーカによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図 スピーカによるステレオ信号再生の音像の定位と信号の関係を説明するための図 イヤホンによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図 実際のイヤホンによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図 図2のLchイヤホン本体60L内の回路部分においてLch音声信号SinLによるLchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutを計算するための回路図 図2のLchイヤホン本体60L内の回路部分においてRch音声信号SinRが加えられた時のLchドライバユニット67Lへの逆位相入力電圧Eoutを計算するための回路図 図8のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図 図9のLchドライバユニット67Lに逆位相で加えられるRch音声信号SinRの電圧(dB)の周波数特性を示す図 図8及び図9のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図 図8及び図9のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図 本考案の実施例2におけるリケーブル式のカナル型イヤホンを示す概略の構成図 本考案の実施例3におけるバランス駆動対応のリケーブル式のカナル型イヤホンを示す概略の構成図 従来のイヤホンを示す基本的な音響等価回路図 図16の音響等価回路の計算例を示す周波数特性図 従来の高域増強回路の構成例を示す回路図 ドライバユニットの入力側に図18の高域増強回路が接続された周波数特性図 従来のリケーブル式のカナル型イヤホンの構成図
本考案を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本考案の範囲を限定するものではない。
(実施例1の参考例)
図3は、特許文献2等に記載されたスピーカによるステレオ聴取を示す図である。
図3では、使用者35の左右前方に置かれたLchスピーカ40LとRchスピーカ40Rとからステレオ信号を聴取する状態が示されている。
使用者35の左耳35lには、Lchスピーカ40Lからの直接の音波S40Lと、Rchスピーカ40Rからの、右耳35rよりやや遅れた音波S40R1が入る。使用者35の右耳35rについても同様、Rchスピーカ40Rからの直接の音波S40Rと、Lchスピーカ40Lからの、左耳35lよりやや遅れた音波S40L1が入る。この空間クロストークと呼ばれる現象を利用して、ステレオ信号再生では立体的な音像空間を作り出している。
ここで、空間クロストークとは、スピーカ再生で音を聴く場合、Lchスピーカ40Lの再生音である音波S40Lは、左耳35lと共に遅れて右耳35rにも到達し、又、Rchスピーカ40Rの再生音である音波S40Rは、右耳35rと共に遅れて左耳35lにも到達するので、これが両耳間のクロストークと言われる。又、音像空間とは、方向や距離を持った音の空間を言う。
図4は、スピーカによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図である。
ここで、音像定位とは、音の聞こえた方向や距離を知覚する能力を音像定位能と言い、この音像(方向や距離を持った音)の位置を定めることである。この音像定位では、左右の耳35l,35rに聞こえる音の時間差を利用している。
図3のステレオ信号再生では、左右前方のスピーカ40L,40Rの位置だけでなく、図4に示すように、スピーカ40L,40Rの中央(Fc)や左側面(Ls)及び右側面(Rs)にも音像Fc,Ls、Rsを感じることができる。
この時のLch及びRchの音波S40L,S40L1,−40L1について考えてみる。
LchとRchのスピーカ40L,40Rから同レベル及び同位相の音波S40L,S40Rを出せば、それは正中面の音像Fcからの音波と同じなので、正中面の音像Fcを感じる。Lchスピーカ40Lからだけの音波S40Lは、当然Lchスピーカ40Lの位置に音像を感じる。又、Lchスピーカ40Lから右耳35rに入る音波S40L1に対し、Rchスピーカ40Rから、音波S40Lに適切な遅延をかけ位相を反転した音波−40L1を再生すれば、右耳35r付近では音波S40L1が打ち消され、左耳35lの音波S40Lだけが知覚される。これはあたかも左側の音像Lsからの音波(S40L)と同じなので、左側の音像Lsを感じる。
Rchスピーカ40Rや右側の音像Rsについても同様である。
図5は、スピーカによるステレオ信号再生の音像の定位と信号の関係を説明するための図である。
図3及び図4の説明から、図5に示すように、Lchスピーカ40L及びRchスピーカ40Rに反対側のチャンネルの音波S40R,S40Lを適切なレベル且つ同位相で加えた時は(S40L+α1・S40R,S40R+α2・S40L)、Lchスピーカ40LとRchスピーカ40Rとの間に音像Fcを定位できる。同じく、Lchスピーカ40L及びRchスピーカ40Rに、反対側のチャンネルの音波を適切なレベルで遅延させて逆位相で加えた時は(S40L−β1・S40R,S40R−β2・S40L)、Lchスピーカ40LとRchスピーカ40Rとの外側に音像Ls,Rsを定位できる。
以上から、Lchの音波S40Lには、Rchの同相成分や遅延された逆相成分も含んでいると考えられる。録音技術者は、これらの比率、遅延時間、及び位相、更には周波数特性等を調整して、所望の再生音場を作っている。
図6は、イヤホンによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図である。
図6に示すようなステレオ信号をイヤホンで聴いた時の音像の定位を考える。
イヤホンでの聴取では、図3のような空間クロストークは起こらず、耳たぶや身体からの反射の影響(周波数特性の変化)もない。又、直接、左右の耳35l,35rに音波が届くので、身体を動かした時の音質及び位相等の変化もない。従って、音圧差、位相差、及び遅延時間等の情報から、音源の位置を判断しようとするが、脳が混乱し、図5の再生音場は、図6のようになる。この音像Fcのような頭内定位は、日常経験しない現象で、イヤホン聴取時の欠点の一つである。
ここで、頭内定位とは、イヤホンやヘッドホンを使って音楽を再生した時、左右の耳35l,35rの横で音が鳴っているはずなのに、使用者35の頭の中で再生されているように感じることを言う。この反対の概念は、頭外定位である。使用者35は、左右の耳35l,35rへの到達時間差によって音源までの距離や方向を判断している。
音像Lsは、図4から音波S40Lが先に聞こえ、遅れて音波−40L1が聞こえる。この際、先行音効果により、先に聞こえる左方向に音源Lsを感じる。又、その時に、遅延時間だけ遠方にあると判断すると思われる。従って、音像Lsは、Lchスピーカ40Lよりも遠くに聞こえる。
ここで、先行音効果とは、数ミリから数十ミリ秒の時間差で到来した2つの音源の音像が、最初に到来した音の音源方向にまとめて知覚される現象(precedence effert)を言う。この先行音効果は、ハース効果(Haas effect)や第1波面の法則(the law of the first wave front)と言われることもある。
図7は、実際のイヤホンによるステレオ信号再生の音像の定位を説明するための図である。
実際のイヤホンでの聴取では、図6のように小さくまとまって聞こえるわけではない。図5のような信号処理や残響の付加によって、概ね図6のような配列ではあるが、図7に示すように、水平面や上下方向にも広がって聞こえる。
それぞれの音像領域は分離しているわけではなく、お互いに重なり合って再生音場を形成している。脳が日常の聴取状態に近づけるためか、全体はやや前方の音像Fcに定位することが多い(但し、これはモデルにより異なる)。正面中央の音像Fcは、モデルによっては、後頭部に音像Fc1が定位するものもある。
(実施例1の構成)
図1は、本考案の実施例1の音響機器(例えば、リケーブル式のカナル型イヤホン)を示す概略の構成図である。更に、図2は、図1の回路部分の拡大図である。
図1に示すリケーブル式のカナル型イヤホンは、挿脱自在のケーブルユニット50と、第1電気音響変換器(例えば、Lchイヤホン本体)60Lと、第2電気音響変換器(例えば、Rchイヤホン本体)60Rと、により構成されている。
ケーブルユニット50は、例えば、携帯用音響装置に対して挿脱自在に挿入されて、左右一対の同位相の第1音声信号(例えば、Lch音声信号)SinL及び第2音声信号(例えば、Rch音声信号)SinRを有するステレオ信号を入力する共通プラグ51を有している。共通プラグ51は、例えば、挿入部の口径が3.5φ(mm)の3極小形単頭プラグであり、Lチップ、Rリング及びGスリーブからなる略円柱状の導電部51aと、Lチップ及びRリング間とRリング及びGスリーブ間とを絶縁する絶縁カラーからなる絶縁部51bと、つまみ51cと、により構成されている。つまみ51c内の端子部には、3線式ケーブル52の一端が接続されている。このケーブル52の2分岐した2つの他端には、同一形状の第1プラグ(例えば、Lchプラグ)53L及び第2プラグ(例えば、Rchプラグ)53Rがそれぞれ接続されている。
ここで、一般のイヤホンのケーブルは、共通プラグ51からL線/R線/G線の3本の信号線が延びて、分岐部から先はLch用にはL線とG線、Rch用にはR線とG線の各2本の信号線になっている。
これに対して、本実施例1の3線式ケーブル52では、共通プラグ51から、L線/R線/G線の3本の信号線からなるケーブル本体52aが延びて、分岐部52bから先が、L線/R線/G線の3本の信号線からなるLch側分岐ケーブル52cと、L線/R線/G線の3本の信号線からなるRch側分岐ケーブル52dと、になっている。Lch側分岐ケーブル52cには、Lchプラグ53Lが接続され、更に、Rch側分岐ケーブル52dには、Rchプラグ53Rが接続されている。
このように、本実施例1の3線式ケーブル52では、分岐ケーブル52c,52dとして、片側各3本の信号線が必要になる。しかし、このような3線式ケーブル52の製造は、困難ではない。その理由は、従来のケーブルでも、分岐部以降も3芯のケーブルを使っているが、必要な2本しか接続していないから、本実施例1の3線式ケーブル52を容易に製造できる。
分岐ケーブル52cに接続されたLchプラグ53Lは、例えば、挿入部の口径が2.5φ(mm)の3極超小形単頭プラグであり、Lチップ、Rリング及びGスリーブからなる略円柱状の導電部53Laと、Lチップ及びRリング間とRリング及びGスリーブ間とを絶縁する絶縁カラーからなる絶縁部53Lbと、つまみ53Lcと、により構成されている。つまみ53Lc内の端子部は、Lch側分岐ケーブル52cの他端に接続されている。同様に、分岐ケーブル52dに接続されたRchプラグ53Rは、挿入部の口径が2.5φ(mm)の3極超小形単頭プラグであり、Lチップ、Rリング及びGスリーブからなる略円柱状の導電部53Raと、Lチップ及びRリング間とRリング及びGスリーブ間とを絶縁する絶縁カラーからなる絶縁部53Rbと、つまみ53Rcと、により構成されている。つまみ53Rc内の端子部は、Rch側分岐ケーブル52dの他端に接続されている。これらのLchプラグ53Lは、Lchイヤホン本体60Lに挿脱自在に挿着され、Rchプラグ53Rは、Rchイヤホン本体60Rに挿脱自在に挿着される。
Lchイヤホン本体60Lは、Lchハウジング61Lを有し、このLchハウジング61L内に、第1ジャック(例えば、3極Lchジャック)62L、図2の回路部分、及び第1ドライバユニット(例えば、Lchドライバユニット)67Lが収容されている。Lchハウジング61Lの前面側には、音導部材を構成する筒状の音導管68Lが突設されている。音導管68Lの外周には、音導部材を構成する左耳孔挿入用のイヤーピース69Lが着脱自在に装着されている。
同様に、Rchイヤホン本体60Rは、Rchハウジング61Rを有し、このRchハウジング61R内に、3極Lchジャック62Lと同一形状の第2ジャック(例えば、3極Rchジャック)62R、図2の回路部分、及び第2ドライバユニット(例えば、Rchドライバユニット)67Rが収容されている。Rchハウジング61Rの前面側には、音導部材を構成する筒状の音導管68Rが突設されている。音導管68Rの外周には、音導部材を構成する右耳孔挿入用のイヤーピース69Rが着脱自在に装着されている。
Lchジャック62Lは、ハウジング61L内の後部に収容され、Lchプラグ53Lが挿脱自在に挿入されてLch音声信号SinL及びRch音声信号SinRを入力するものである。Lchジャック62L内には、Lchプラグ53Lの導電部に接触する3極接触部が設けられ、この3極接触部に、L端子、R端子及びG端子からなる3極出力端子62Laが接続されている。この3極出力端子62Laには、図2の回路部分を介して、Lchドライバユニット67Lが接続されている。
同様に、Rchジャック62Rは、ハウジング61R内の後部に収容され、Rchプラグ53Rが挿脱自在に挿入されてLch音声信号SinL及びRch音声信号SinRを入力するものである。Rchジャック62R内には、Rchプラグ53Rの導電部に接触する3極接触部を有し、この3極接触部に、L端子、R端子及びG端子からなる3極出力端子62Raが接続されている。この3極出力端子62Raには、図2の回路部分を介して、Rchドライバユニット67Rが接続されている。
図2のハウジング61L内の回路部分は、Lch音声信号SinLを入力する入力端子63L、Rch音声信号SinRを入力する入力端子63LR、及び接地端子63LGを有している。入力端子63Lには、Lchドライバユニット67Lの+側入力端子が接続されている。接地端子63LGには、第1イコライザ65L及び接続点NLを介して、Lchドライバユニット67Lの−側入力端子が接続されている。更に、入力端子63LRには、第2イコライザ66L及び接続点NLを介して、Lchドライバユニット67Lの−側入力端子が接続されている。
第1イコライザ65Lは、接地端子63LGと、Lchドライバユニット67Lの−側入力端子に接続された接続点NLと、の間に接続され、入力されるLch音声信号SinLの特定の周波数帯域を強調又は減少させるために、そのLch音声信号SinLの周波数特性を変更して第1変更音声信号を接続点NLに生成する回路であり、例えば、抵抗R1及び容量C1の第1並列回路により構成されたインピーダンスZ1を有している。第2イコライザ66Lは、接地端子63LRと接続点NLとの間に接続され、入力されるRch音声信号SinRを、接続点NLからLchドライバユニット67Lに逆位相で加える回路であり、例えば、抵抗R2及び容量C2の第1直列回路により構成されたインピーダンスZ2を有している。
Lchドライバユニット67Lは、接続点NL上における第1変更音声信号と、接続点NLからLchドライバユニット67Lに逆位相で流れるRch音声信号SinRと、の合成信号を、第1音波に変換して音導管68Lへ出力するものである。このLchドライバユニット67Lは、例えば、ボイスコイル、マグネット及びダイヤフラム等により構成され、抵抗で表されたインピーダンスZdを有している。
音導管68Lは、Lchドライバユニット67Lから出力された第1音波をイヤーピース69Lへ放出するものである。イヤーピース69Lは、音導管68Lから放出された第1音波を左耳孔へ導くものであり、例えば、シリコーンゴム等の弾性部材により形成された略傘形をしている。
同様に、図2のハウジング61R内の回路部分は、Rch音声信号SinRを入力する入力端子63R、Lch音声信号SinLを入力する入力端子63RL、及び接地端子63RGを有している。入力端子63Rには、Rchドライバユニット67Rの+側入力端子が接続されている。接地端子63RGには、第3イコライザ65R及び接続点NRを介して、Rchドライバユニット67Rの−側入力端子が接続されている。更に、入力端子63RLには、第4イコライザ66R及び接続点NRを介して、Rchドライバユニット67Rの−側入力端子が接続されている。
第3イコライザ65Rは、接地端子63RGと、Rchドライバユニット67Rの−側入力端子に接続された接続点NRと、の間に接続され、入力されるRch音声信号SinRの特定の周波数帯域を強調又は減少させるために、そのRch音声信号SinRの周波数特性を変更して第2変更音声信号を接続点NRに生成する回路であり、例えば、抵抗R1及び容量C1の第2並列回路により構成されたインピーダンスZ1を有している。第4イコライザ66Rは、接地端子63RGと接続点NRとの間に接続され、入力されるLch音声信号SinLを、接続点NRからRchドライバユニット67Rに逆位相で加える回路であり、例えば、抵抗R2及び容量C2の第2直列回路により構成されたインピーダンスZ2を有している。
Rchドライバユニット67Rは、接続点NR上における第2変更音声信号と、接続点NRからRchドライバユニット67Rに逆位相で流れるLch音声信号SinLと、の合成信号を、第2音波に変換して音導管68Rへ出力するものである。このRchドライバユニット67Rは、例えば、ボイスコイル、マグネット及びダイヤフラム等により構成され、抵抗で表されたインピーダンスZdを有している。
音導管68Rは、Rchドライバユニット67Rから出力された第2音波をイヤーピース69Rへ放出するものである。イヤーピース69Rは、音導管68Rから放出された第2音波を右耳孔へ導くものであり、例えば、シリコーンゴム等の弾性部材により形成された略傘形をしている。
(実施例1の全体の概略の動作)
本実施例1のカナル型イヤホンを使用する場合、ユーザは、ケーブルユニット50における同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rを、Lchイヤホン本体60L内のLchジャック62L及びRchイヤホン本体60R内のRchジャック62Rに、それぞれ挿着する。この際、同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rは、左右を気にすることなく、同一形状のLchジャック62L及びRchジャック62Rへ挿入しても、Lchイヤホン本体60L及びRchイヤホン本体60R内の回路部分と正しく接続される。
図示しない携帯用音響装置から出力されるステレオ信号を聴くには、ケーブルユニット50の共通プラグ51を携帯用音響装置へ挿着し、Lch側のイヤーピース69Lを左耳孔へ挿入すると共に、Rch側のイヤーピース69Rを右耳孔へ挿入する。
すると、ケーブルユニット50を通して送られてくるステレオ信号のLch音声信号SinL及びRch音声信号SinRが、Lchイヤホン本体60L内のLchジャック62L及びRchイヤホン本体60R内のRchジャック62Rを通して、回路部分のLch側の入力端子63L,63LRとRch側の入力端子63R,63RLとに入力される。
Lchイヤホン本体60L内の回路部分において、入力端子63Lに入力されたLch音声信号SinLは、イコライザ65Lにより、高周波領域の周波数特性が変更され、この第1変更音声信号が接続点NLに生成される。更に、入力端子63LRに入力されたRch音声信号SinRが、イコライザ66Lへ入力される。イコライザ66Lでは、入力されたRch音声信号SinRを、接続点NLからLchドライバユニット67Lの−側入力端子へ供給する。すると、第1変更音声信号と逆位相のRch音声信号SinRとが合成され、合成信号が生成される。生成された合成信号は、Lchドライバユニット67Lによって第1音波に変換され、音導管68Lを経由してイヤーピース69Lから左耳孔へ放出される。
同様に、Rchイヤホン本体60R内の回路部分において、入力端子63Rに入力されたRch音声信号SinRは、イコライザ65Rにより、高周波領域の周波数特性が変更され、この第2変更音声信号が接続点NRに生成される。更に、入力端子63RLに入力されたLch音声信号SinLが、イコライザ66Rへ入力される。イコライザ66Rでは、入力されたLch音声信号SinLを、接続点RLからRchドライバユニット67Rの−側入力端子へ供給する。すると、第2変更音声信号と逆位相のLch音声信号SinLとが合成され、合成信号が生成される。生成された合成信号は、Rchドライバユニット67Rによって第2音波に変換され、音導管68Rを経由してイヤーピース69Rから右耳孔へ放出される。
(実施例1の詳細な動作)
図8は、図2のLchイヤホン本体60L内の回路部分においてLch音声信号SinLによるLchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutを計算するための回路図である。
図8において、ZdはLchドライバユニット67Lのインピーダンス(抵抗で近似したもの)、インピーダンスZ1はイコライザ65Lのインピーダンス、Z2はイコライザ66Lのインピーダンスである。Lch音声信号SinL側の音源の内部抵抗及び導線抵抗の値は0とする。接地端子63LGと入力端子63LRとの間の破線は、Rch音源インピーダンス値=0による仮想ショートを示す。
回路定数は、例えば、以下の通りである。
Zd=32Ω
C1=4.7μF
R1=22Ω
C2=10μF
R2=33Ω
図8に示すように、Lch音声信号SinLによるLchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutについて説明する。
Lch音声信号SinLは、イコライザ65LのインピーダンスZ1により、高周波領域が増強の特性となる。Rch音声信号源のインピーダンスを0と仮定すれば、図8に示すように、入力端子63LRと接地端子63LGは、破線のように短絡される。そのため、イコライザ66LのインピーダンスZ2は、イコライザ65Lに対して並列接続となる。従って、Lch音声信号SinLの電圧をElin、イコライザ65LのインピーダンスZ1とイコライザ66LのインピーダンスZ2との並列接続をZ1//Z2と表せば、Lchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutは、次式(1)のようになる。
Eout=[Zd/(Zd+(Z1//Z2))]*Elin (1)
図9は、図2のLchイヤホン本体60L内の回路部分においてRch音声信号SinRが加えられた時のLchドライバユニット67Lへの逆位相入力電圧Eoutを計算するための回路図である。
図9において、Rch音声信号SinRによるLchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutについて説明する。
Rch音声信号SinRは、イコライザ66Lを介して接続点NLに至る。Lch音声信号源のインピーダンスを0と仮定すれば、図9に示すように、入力端子63Lと接地端子63LGは、破線のように短絡される。そのため、イコライザ65LのインピーダンスZ1は、Lchドライバユニット67LのインピーダンスZdに対して並列接続となる。従って、Rch音声信号SinRの電圧をErin、イコライザ65LのインピーダンスZ1とLchドライバユニット67LのインピーダンスZdの並列接続をZ1//Zdと表せば、Lchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutは、次式(2)のようになる。
Eout=[Z1//Zd)/(Z2+(Z1//Zd))]*Erin (2)
ここで、Rch音声信号SinRの電圧Erinが、Lch音声信号SinLの電圧Elinに対して同相であっても、Lchドライバユニット67Lの入力電圧Eoutとしては逆相で加わる。
図10は、図8のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図であり、横軸は周波数(Hz)、及び縦軸は入力電圧Eout(dB)である。この図10では、式(1)の計算結果が示されている。
図10において、矢印71の波形では、図8中の入力端子63LにLch音声信号SinLを加えた時の、Lchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性が示されている。ここで、入力端子63Lに加わるLch音声信号SinLに対して、入力端子63LRと接地端子63LGとの間のインピーダンスは0Ωと仮定する。
入力電圧Eoutは、周波数20Hzを基準とした時、矢印71で示すように、周波数10kHz以上が相対的に4.5dB上昇している(即ち、相対的に高周波領域の感度が4.5dB上昇する)。これは、Lchドライバユニット67Lの振動系の質量が約60%になった状態に相当し、従来のようなドライバユニット側の改善では、現在のところでは略実現不可能な性能と言える。最近は大容量の積層セラミックコンデンサ等が開発され、図2中のRCのイコライザ65Lは、図18のLCのイコライザに比べ、十分に小さくできる。
つまり、図10の周波数特性では、矢印71に示すように、高周波領域が増強特性になっている。これは、図4のLchスピーカ40L(又はRchスピーカ40R)付近に定位する音波へのイコライザ特性となる。
図11は、図9のLchドライバユニット67Lに逆位相で加えられるRch音声信号SinRの電圧(dB)の周波数特性を示す図である。この図11では、式(2)の計算結果が示されている。
図11において、矢印72で示すように、主に、中周波領域が増強特性になっている。
図12は、図8及び図9のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図であり、横軸は周波数(Hz)、及び縦軸は入力電圧ELout(dB)である。
図12において、矢印71の実線の波形は、図10と同一の波形である。矢印73の破線の波形は、図9中の入力端子63L,63LRに同位相同レベルの音声信号SinL,SinRを加えた時の、Lchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性を示す図である。ここで、入力端子63LRに加わる音声信号SinRに対して、入力端子63Lと接地端子63LGとの間のインピーダンスは0Ωと仮定する。
即ち、矢印73の波形は、矢印71の波形と図11の矢印72の波形とを、(矢印71−矢印72)で合成した波形である。矢印73の波形は、入力端子63L,63LRに、同相同レベルの音声信号SinL,SinRが加えられた状態で、図4の正面中央の音像Fcに定位する音波へのイコライザ特性となる。この時、上述したように、Lchドライバユニット67において、音声信号SinLに対して音声信号SinRが逆位相で加わっている。
低周波領域及び高周波領域への影響は少ないが、中周波領域が弱められる特性となっている。これにより、正面中央に定位する成分のうち、中周波領域(例えば、ボーカル域)が弱められる。
つまり、矢印73の波形は、正面中央に定位する音像Fcの低音(主にベース等)や高音(主にシンバル等)への影響は少なく、1kHz付近を弱めている。これは、正面中央の音像Fcの前方定位を狙っている。
図13は、図8及び図9のLchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性図であり、横軸は周波数(Hz)、及び縦軸は入力電圧Eout(dB)である。
図13において、矢印71の実線の波形は、図10と同一の波形である。矢印74の破線の波形では、図9中の2入力端子63L,63LRに、逆位相同レベルの音声信号SinL,SinRを加えた時の、Lchドライバユニット67Lに掛かる入力電圧Eoutの周波数特性が示されている。ここで、入力端子63LRに加わる音声信号SinRに対して、入力端子63Lと接地端子63LGとの間のインピーダンスは0Ωと仮定する。
即ち、矢印74の波形は、矢印71の特性に、図11の矢印72の信号を(矢印73+矢印72)で加えた時の合成特性の波形である。この矢印74の波形は、図2で説明したように、音声信号SinLと音声信号SinRとに逆相で振り分けられる成分、つまり、図5中のLchスピーカ40Lの外側に定位する成分の特性となる。この時、上述したように、ドライバユニット67Lにおいて、音声信号SinLに対して逆位相の音声信号SinRが加わるため、矢印74の波形のように音圧が上がっている。
低周波領域及び高周波領域への影響は少ないが、中周波領域が強められる特性となっている。Rchドライバユニット67Rも同様である。これにより、広がり感が増す。
このように、図1及び図2のカナル型イヤホンによれば、イコライザ65L,65Rにより、相対的な高周波領域の特性が改善される。更に、イコライザ66L,66Rにより、反対側のチャンネルの音声信号が逆位相で加えられるので、図4(図5も同じ)中の正面に定位する音像Fcのレベルが弱まるが、左側の音像Lsや右側の音像Rsのレベルは上がり、広がり感が増す。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)〜(d)のような効果がある。
(a) ケーブルユニット50における同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rの左右を気にすることなく、同一形状のLchジャック62L及びRchジャック62Rへ挿入しても、Lchイヤホン本体60L及びRchイヤホン本体60R内の回路部分と正しく接続され、入力されたステレオ信号が正しく再生される。これにより、使い勝手を向上できる。
(b) 従来の図18のイヤホンでは、ハウジング、ドライバユニット及び高域増強回路10等により音質を改善しているが、イヤホンは原理的に高周波領域の特性が低下する。これを従来のように、ドライバユニットで改善するのは、非常に難しい。これに対して本実施例1よれば、抵抗R1及び容量C1の並列回路により構成されたイコライザ65L,65Rを設けているので、相対的ではあるが、高周波領域の特性を簡単に改善できる。改善量や改善特性も、容量C1及び抵抗R1の値で容易に変更及び調整ができる。
(c) 従来のイヤホンでは、Lchイヤホン本体には、Lch音声信号だけを供給し、Rchイヤホン本体には、Rch音声信号だけを供給している。これに対して、本実施例1では、Lchイヤホン本体60Lに、逆位相のRch音声信号を加え、Rchイヤホン本体60Rに、逆位相のLch音声信号を加えているので、音場を調整することができる。この音場を調整する機能は、従来にはないものである。
(d) 音場の調整量や周波数特性も、イコライザ65L,65R,66L,66Rの容量C1,C2と抵抗R1,R2の値で、容易に変更及び調整ができる。このように、容量C1,C2と抵抗R1,R2の値で変更及び調整できるので、従来のインダクタLと容量Cの値による変更及び調整に比べ、小型及び安価である。抵抗R1,R2及び容量C1,C2は、受動部品なので電源等を必要とせず、現在のモデルの性能(特性)改善が容易である。この場合、3線式のケーブルユニット50が必要になるが、この製造も容易である。
(実施例2の構成)
図14は、本考案の実施例2におけるリケーブル式のカナル型イヤホンを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には、共通の符号が付されている。
本実施例2のリケーブル式のカナル型イヤホンは、実施例1と同様のケーブルユニット50を、実施例1とは異なる構成のLchイヤホン本体80L及びRchイヤホン本体80Rに対して挿脱自在に挿着する構成になっている。
本実施例2のLchイヤホン本体80Lは、実施例1と同様のハウジング61Lを有している。ハウジング61L内には、実施例1と同様のLchジャック62L及びLchドライバユニット67Lが設けられているが、回路部分は除去されている。Lchジャック62Lの出力端子62Laにおいて、L端子が、ドライバユニット67Lの+側入力端子に接続され、G端子が、ドライバユニット67Lの−側入力端子に接続されている。
同様に、Rchイヤホン本体80Rは、実施例1と同様のハウジング61Lを有している。ハウジング61L内には、実施例1と同様のRchジャック62R及びRchドライバユニット67Rが設けられているが、回路部分は除去されている。Rchジャック62Rの出力端子62Raにおいて、R端子が、ドライバユニット67Rの+側入力端子に接続され、G端子が、ドライバユニット67Rの−側入力端子に接続されている。
(実施例2の動作)
本実施例2のカナル型イヤホンを使用する場合、ユーザは、ケーブルユニット50における同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rを、Lchイヤホン本体80L内のLchジャック62L及びRchイヤホン本体80R内のRchジャック62Rに、それぞれ挿着する。この際、同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rは、左右を気にすることなく、同一形状のLchジャック62L及びRchジャック62Rへ挿入しても、Lchドライバユニット67L及びRchドライバユニット67Rと正しく接続される。そのため、入力されたステレオ信号のうちのLch音声信号SinLが、Lchドライバユニット67Lにて再生され、そのステレオ信号のうちのRch音声信号SinRが、Rchドライバユニット67Rにて再生される。
(実施例2の効果)
ケーブルユニット50における同一形状のLchプラグ53L及びRchプラグ53Rの左右を気にすることなく、同一形状のLchジャック62L及びRchジャック62Rへ挿入しても、Lchドライバユニット67L及びRchドライバユニット67Rと正しく接続され、入力されたステレオ信号が正しく再生される。これにより、使い勝手を向上できる。
(実施例3の構成)
図15は、本考案の実施例3におけるバランス駆動対応のリケーブル式のカナル型イヤホンを示す概略の構成図であり、実施例2を示す図14中の要素と共通の要素には、共通の符号が付されている。
バランス駆動対応のイヤホンとは、ステレオ信号を構成するLch音声信号及びRch音声信号において、Lch音声信号の接地電位とRch音声信号の接地電位とを分離し、Lch音声信号とRch音声信号との相互干渉を防止して再生音の音質向上を図ったイヤホンである。
本実施例3におけるバランス駆動対応のリケーブル式のカナル型イヤホンは、実施例2とは異なる構成のケーブルユニット50A、Lchイヤホン本体80LA、及びRchイヤホン本体80RAを有している。
本実施例3のケーブルユニット50Aは、4極共通プラグ51Aを有し、この4極共通プラグ51Aに、4線式ケーブル52Aの一端が接続されている。4線式ケーブル52Aの他端側は2本に分岐しており、この2本の分岐ケーブルの他端に、同一形状の2つの4極Lchプラグ53LA及び4極Rchプラグ53RAがそれぞれ接続されている。
4極共通プラグ51Aは、例えば、口径4.4φ(mm)の小形単頭プラグで構成され、導電部として、L正相(L+)音声信号部、L逆相(L−)音声信号部、R正相(R+)音声信号部、R逆相(R−)音声信号部、及び、無接続(NC)部を有している。4極Lchプラグ53LA及び4極Rchプラグ53RAは、例えば、口径2.5φ(mm)の超小形単頭プラグでそれぞれ構成されている。この超小形単頭プラグは、導電部として、L+音声信号部、L−音声信号部、R+音声信号部、及び、R−音声信号部を有している。
本実施例3のLchイヤホン本体80LAは、実施例2と同様のハウジング61Lを有している。ハウジング61L内には、4極Lchジャック62LA及びLchドライバユニット67Lが設けられている。4極Lchジャック62LAの4つの出力端子L+,L−,R+,R−のうち、L+端子が、ドライバユニット67Lの+側入力端子に接続され、L−端子が、ドライバユニット67Lの−側入力端子に接続されている。
同様に、Rchイヤホン本体80RAは、実施例2と同様のハウジング61Rを有している。ハウジング61R内には、4極Lchジャック62LAと同一形状の4極Rchジャック62RAとRchドライバユニット67Rとが設けられている。4極Rchジャック62RAの4つの出力端子L+,L−,R+,R−のうち、R+端子が、ドライバユニット67Rの+側入力端子に接続され、R−端子が、ドライバユニット67Rの−側入力端子に接続されている。
(実施例3の動作)
本実施例3のバランス駆動対応のカナル型イヤホンを使用する場合、ユーザは、ケーブルユニット50Aにおける同一形状の4極Lchプラグ53LA及び4極Rchプラグ53RAを、Lchイヤホン本体80LA内の4極Lchジャック62LA及びRchイヤホン本体80RA内の4極Rchジャック62RAに、それぞれ挿着する。この際、同一形状の4極Lchプラグ53LA及び4極Rchプラグ53RAは、左右を気にすることなく、同一形状の4極Lchジャック62LA及び4極Rchジャック62RAへ挿入しても、Lchドライバユニット67L及びRchドライバユニット67Rと正しく接続される。そのため、入力されたステレオ信号のうちのL+,L−音声信号が、Lchドライバユニット67Lにて再生され、そのステレオ信号のうちのR+,R−音声信号が、Rchドライバユニット67Rにて再生される。
(実施例3の効果)
ケーブルユニット50Aにおける同一形状のLchプラグ53LA及びRchプラグ53RAの左右を気にすることなく、同一形状のLchジャック62LA及びRchジャック62RAへ挿入しても、Lchドライバユニット67L及びRchドライバユニット67Rと正しく接続され、入力されたステレオ信号が再現性良く高音質にて再生される。これにより、使い勝手を向上できる。
(実施例1〜3の変形例)
本考案は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(1)〜(4)のようなものがある。
(1) 実施例1では、カナル型イヤホンのハウジング61L,61R内にイコライザ65L,65R,66L,66Rを設けているが、このイコライザ65L,65R,66L,66Rを、ハウジング61L,61Rの外部に設けても良い。これにより、実施例1の(a)〜(d)と略同様の効果が得られる。
(2) 実施例1のカナル型イヤホンは、図1及び図2以外の構成及び電気回路に変更しても良い。例えば、イコライザ65L,65R,66L,66Rには、他の回路要素等を付加しても良い。又、イコライザ66L,66Rは、抵抗R2及び容量C2の直列回路に代えて、他の回路構成の位相反転回路により構成しても良い。
(3) 実施例1〜3のケーブルユニット50,50Aは、他の極性のプラグ51,51A,53L,53R,53LA,53RAやケーブル52,52Aの構成に変更しても良い。
(4) 本考案は、実施例1〜3のカナル型イヤホンの他に、インナイヤー型イヤホン等の他の形状のイヤホンや、ヘッドホン等の音響機器にも適用でき、実施例1〜3と略同様の作用効果を奏することができる。
50,50A ケーブルユニット
51,51A 共通プラグ
52,52A ケーブル
53L,53LA Lchプラグ
53R,53RA Rchプラグ
60L,60R,80L,80R,80LA,80RA イヤホン本体
61L,61R ハウジング
62L,62LA Lchジャック
62R,62RA Rchジャック
65L,65R,66L,66R イコライザ
67L,67R ドライバユニット

Claims (4)

  1. 左右一対の同位相の第1音声信号及び第2音声信号を有するステレオ信号を、共通プラグを通してケーブルに入力し、前記ケーブルから送られてくる前記ステレオ信号を第1プラグ及び第2プラグからそれぞれ出力するケーブルユニットと、
    前記第1プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第1ジャックを有し、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号を第1音波に変換して使用者の一方の耳へ出力する第1電気音響変換器と、
    前記第2プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第2ジャックを有し、前記第2ジャックから入力される前記第2音声信号を第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2電気音響変換器と、
    を備えることを特徴とする音響機器。
  2. 左右一対の同位相の第1音声信号及び第2音声信号を有するステレオ信号を、共通プラグを通してケーブルに入力し、前記ケーブルから送られてくる前記ステレオ信号を第1プラグ及び第2プラグからそれぞれ出力するケーブルユニットと、
    前記第1プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第1ジャックを有し、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号及び前記第2音声信号を第1音波に変換して使用者の一方の耳へ出力する第1電気音響変換器と、
    前記第2プラグが挿脱自在に挿入されて前記第1音声信号及び前記第2音声信号を入力する第2ジャックを有し、前記第2ジャックから入力される前記第1音声信号及び前記第2音声信号を第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2電気音響変換器と、
    を備えることを特徴とする音響機器。
  3. 前記第1電気音響変換器は、
    前記第1ジャックと、
    抵抗及び容量の第1並列回路により構成され、前記第1ジャックから入力される前記第1音声信号の周波数特性を変更して第1変更音声信号を生成する第1イコライザと、
    抵抗及び容量の第1直列回路により構成され、前記第1ジャックから入力される前記第2音声信号を逆位相で前記第1変更音声信号に加える第2イコライザと、
    前記第1変更音声信号と前記逆位相の第2音声信号との合成信号を前記第1音波に変換して前記使用者の一方の耳へ出力する第1ドライバユニットと、を有し、
    前記第2電気音響変換器は、
    前記第2ジャックと、
    抵抗及び容量の第2並列回路により構成され、前記第2ジャックから入力される前記第2音声信号の周波数特性を変更して第2変更音声信号を生成する第3イコライザと、
    抵抗及び容量の第2直列回路により構成され、前記第2ジャックから入力される前記第1音声信号を逆位相で前記第2変更音声信号に加える第4イコライザと、
    前記第2変更音声信号と前記逆位相の第1音声信号との合成信号を前記第2音波に変換して前記使用者の他方の耳へ出力する第2ドライバユニットと、を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の音響機器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の音響機器は、
    イヤホン又はヘッドホンである、
    ことを特徴とする音響機器。
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