JP3221896B2 - 黒鉛と金属部材の接合構造および接合方法 - Google Patents

黒鉛と金属部材の接合構造および接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒鉛と金属部材とを備
えた複合材において適用される黒鉛と金属部材の接合構
造と接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒鉛を利用する機器において、例えばメ
カニカルシールのように耐摩耗性を要求される機械部品
や水冷炉壁のような耐熱性が要求される構造材、あるい
はスパッタリングターゲットやX線ターゲットのように
黒鉛を使いかつ冷却することが要求される部材におい
て、黒鉛にCu系あるいはNi系などの金属部材を積層
した複合材が用いられることがある。
【0003】このような複合材においては、黒鉛と金属
部材との接合部の良否が複合材の品質を左右する要因と
なる。一般に黒鉛と金属部材を接合するには、ろう付け
および液相拡散接合が適していると言われているが、い
ずれにしても接合部の品質が問題になる。
【0004】例えば図5に示される複合材1は、黒鉛2
とCu製のバッキングプレート3がインサート材4を介
して接合されている。この複合材1は、例えばスパッタ
リングターゲットとして使用され、スパッタリング中に
発生する熱を冷却するためにバッキングプレート3側が
水冷される。
【0005】また、図6に示される複合材5は、Cu製
のカップ状金属部材6の外側に、インサート材7を介し
て円筒状の黒鉛8を取付けたものであり、この黒鉛8は
Cの特性X線を発生させるためのX線ターゲットとして
使用される。この複合材5の場合、真空中で黒鉛8に電
子ビームを照射する際に高温となるため、カップ状金属
部材6の内側が水冷される。
【0006】上述した複合材1,5を始めとして、黒鉛
と金属部材を接合する場合に接合界面に介在されるろう
材あるいは接合用のインサート層(この明細書では両者
を合わせてインサート材と呼ぶ)として、黒鉛と反応す
る金属(例えばTi,Zr,Cr,Si,Mo,W,
V,Ta等)を含む箔を用いることが知られている。特
に、Ti,Zrを含む活性金属ろうが多用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしTi,Zrは黒
鉛との反応が激し過ぎて、Cへの侵食性が強く、そのた
め黒鉛にクラックを生じやすいなど、接合部の品質に問
題がある。一方、Mo,W,V,Taは、実用的な反応
速度が得られる温度が一般には1300℃以上必要であ
ることから、利用しにくく、接合に要するコストが高く
つくといった問題がある。
【0008】従って本発明の目的は、強度が高くかつ品
質の優れた接合部が得られるとともに、比較的低い温度
でも実用的な反応速度が得られるような黒鉛と金属部材
の接合構造と接合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために
開発された本発明の接合構造は、黒鉛と金属部材との間
にCrを含むインサート材を有し、かつ上記インサート
材と上記黒鉛との界面に、厚さ0.5μmから20μm
のクロム炭化物反応層が存在しかつ上記インサート材と
金属部材との界面が互いに接合されていることを特徴と
する。上記金属部材として、例えばCuまたはCu合
金、あるいはNiまたはNi合金などが使われる。
【0010】また本発明による接合方法は、黒鉛と金属
部材との間にCrを含有する合金からなるインサート材
を配置し、上記黒鉛と金属部材とを互いに加圧した状態
で上記金属部材とインサート材が互いに接合する温度ま
で加熱するとともに、この加熱処理に伴って上記インサ
ート材と黒鉛との界面に厚さが0.5μmから20μm
のクロム炭化物反応層を生成させることを特徴とする。
【0011】上記インサート材は、Crを含む合金の箔
を使用したり黒鉛との接合面にP.V.D(蒸着,スパ
ッタリング)などによるコーティングで供給する。この
状態で、相手側の金属部材とろう付けや拡散接合を行
い、この接合時の加熱により、CrとCが反応して、接
合に適当なクロム炭化物反応層が生成される。
【0012】上記のように黒鉛とCrとを接触させた状
態で、700℃以上に加熱すると、黒鉛とCrの界面に
おいて反応が自発的に進む。従って上記反応層を生成さ
せるためには、Crを何らかの手段でインサート材に適
当量含有させること、および黒鉛と相手金属部材とに良
好に接触させることが必要である。
【0013】これを実現するために、本発明では、イン
サート材としてCrを適当量含んだ合金、例えばNi−
Cr系あるいはCu−Cr系合金などを使用したり、
P.V.Dで必要量をコーティングする。但し、安定し
た反応層を得るには、Crの含有量を0.5%から30
%程度にすると良い。
【0014】接合時の条件としては、CrとCを反応さ
せるために700℃から1200℃程度の温度に加熱す
る必要がある。更には、接触界面の密着性を良くするた
めに0.01kgf/mm2 ないし5kgf/mm2 程度の荷重
を負荷しておくとよい。CrとCは1200℃以下の温
度で反応し、所定の反応層が得られる。この反応層が黒
鉛と金属部材の仲介層として存在する。
【0015】
【作用】黒鉛と反応する金属は数多く知られているが、
Crは反応の進み方が適当で、しかも反応層の強度が高
い。CrとCの反応をインサート材の種類および厚さや
接合時の負荷荷重あるいは接合温度等によって制御し、
インサート材と黒鉛との界面に厚さ0.5μmから20
μm、より望ましくは5μmから10μmのクロム炭化
反応層を生成させることにより、安定した接合状態
と、実用上十分な接合強度が得られる。
【0016】上述したように本発明による接合構造は、
黒鉛とインサート材との接合界面にクロム炭化物反応層
(Cr3 2 ,Cr73 ,Cr236 等)をもってい
る。すなわち(C−Cr)間は反応により接合され、こ
の反応層はインサート材の合金に対して拡散と複雑形状
によるアンカー効果により強固に接合された状態とな
る。インサート材と金属部材同志は原子の相互拡散など
により接合される。
【0017】
【実施例】以下に本発明の一実施例について、図1ない
し図4を参照して説明する。図1に示すように、黒鉛1
1と、CuまたはCu合金からなる金属部材12との間
に、(Ni−Cr−Si)の合金箔からなるインサート
材13を配置し、荷重を負荷するとともに、真空中で9
00℃以上、1200℃以下に加熱する。真空度は10
-4Torr〜10-5Torr程度である。
【0018】上記熱処理を行うことによって、図2に模
式的に示すような複合材15が得られる。この複合材1
5の接合構造においては、黒鉛11と金属部材12との
間の接合部16に、仲介層としての反応層20が存在し
ている。すなわち母材である黒鉛とインサート材13の
Crとが反応により接合され、その界面にCとCrの化
合物であるクロム炭化物(Cr3 2 ,Cr7 3 ,C
236 等)の反応層20をもっている。
【0019】上記反応層20は、インサート材13のN
i−Cr系合金に対し、拡散と複雑形状によるアンカー
効果により、強固に接合がなされた状態となる。インサ
ート材13に含まれているNiと金属部材12のCuと
の界面は、原子の相互拡散による拡散層21を介して接
合されている。
【0020】上記接合部16を得る場合、反応層20の
厚さを0.5μmないし10μmに制御するために、以
下の条件で接合を行った。 インサート材13の厚さ 50μm 接合荷重 0.5kgf/mm2 (5.1M
pa) 接合温度 950℃〜1050℃ 以上の条件で接合された接合部16の接合強度は、3点
曲げ抗折試験において抗折強度が8kgf/mm2 であっ
た。3点曲げ抗折試験は、図3に示されるように複合材
15の両端側を2か所の支持部25,26で支持した状
態で、複合材15の長手方向中央部に押圧子27によっ
て荷重を負荷して行われる。
【0021】上記実施例の複合材15の曲げ破断強度は
8〜9kgf/mm2 であり、破断は接合部16近傍の黒鉛
11側に生じた。ちなみに、高強度黒鉛の曲げ強度は8
ないし10kgf/mm2 であるから、本実施例の接合部1
6は母材(黒鉛)に匹敵する強度を有している。耐熱性
に関しては、N2 中または真空中で、室温→800℃→
炉冷(室温)の熱サイクルを10回繰返しても、接合部
16に異常が認められなかった。
【0022】図4は、上記実施例によって得られた黒鉛
とインサート材との接合界面を示す電子顕微鏡写真であ
る。図中の右側が黒鉛、左側がCrを含むNi合金から
なるインサート材であり、インサート材と黒鉛との界面
に、Cr−C反応層としてのCr3 2 が厚さ約1μm
ないし5μmの範囲で生成されている。
【0023】下記表1は、インサート材13の厚さと接
合条件を下記のように変化させることにより、種々の厚
さのクロム炭化物反応層20を生成させ、それぞれの接
合界面を走査型電子顕微鏡で観察しかつ接合強度を3点
曲げ抗折試験で求めた結果である。
【0024】接合条件として、インサート材13の厚さ
は20μm,50μm,100μmの3種類であり、い
ずれも(Ni−Cr−Si)合金箔を用いた。加熱温度
は、900℃,1000℃,1100℃で、30分また
は60分間加熱を行い、加圧条件は0.5kgf /mm
2 (5.1Mpa)、真空雰囲気10-4Torr〜10-5To
rrとした。
【0025】
【表1】 上記表1において、No.4からNo.9まで、すなわ
ちクロム炭化物反応層の厚さが0.5μmから20μm
の範囲の時に、接合界面の状態および接合強度が共に良
好であることが確認された。特に、反応層の厚さが5〜
10μmの範囲が最も安定している。なお、0.1μm
未満では未接合の部分を生じるため、使用不可である。
また反応層の厚さが40μm以上になると、反応層が脆
くなり接合強度が低下するため好ましくない。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、黒鉛と金属部材との接
合界面において安定した強度の高品質の接合部が得ら
れ、かつ接合時の反応の進み方が適当で加熱温度も比較
的低くてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する部材の概略を示す断面
図。
【図2】本発明方法によって接合された接合部を拡大し
て模式的に示す断面図。
【図3】3点曲げ抗折試験を実施する装置を模式的に示
す側面図。
【図4】本発明の一実施例方法によって接合された接合
部の金属組織を5000倍に拡大して示す顕微鏡写真。
【図5】黒鉛と金属部材とからなる複合材の一例を示す
断面図。
【図6】黒鉛と金属部材とからなる複合材の他の例を示
す断面図。
【符号の説明】
11…黒鉛、12…金属部材、13…インサート材、1
5…複合材、16…接合部、20…反応層、21…拡散
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒鉛と金属部材との間にCrを含むインサ
    ート材を有し、かつ上記インサート材と上記黒鉛との界
    面に、厚さ0.5μmから20μmのクロム炭化物反応
    層が存在しかつ上記インサート材と金属部材との界面が
    互いに接合されていることを特徴とする黒鉛と金属部材
    の接合構造。
  2. 【請求項2】上記クロム炭化物反応層の厚さが5μmか
    ら10μmである請求項1記載の黒鉛と金属部材の接合
    構造。
  3. 【請求項3】上記インサート材にNi−Cr系の合金を
    用いた請求項1記載の黒鉛と金属部材の接合構造。
  4. 【請求項4】上記クロム炭化物反応層がCr を主
    成分とする反応層であることを特徴とする請求項3記載
    の黒鉛と金属部材の接合構造。
  5. 【請求項5】上記インサート材にCu−Cr系の合金を
    用いた請求項1記載の黒鉛と金属部材の接合構造。
  6. 【請求項6】黒鉛と金属部材との間にCrを含有する合
    金からなるインサート材を配置し、上記黒鉛と金属部材
    とを互いに加圧した状態で上記金属部材とインサート材
    が互いに接合する温度まで加熱するとともに、この加熱
    処理に伴って上記インサート材と黒鉛との界面に、厚さ
    0.5μmから20μmのクロム炭化物反応層を生成さ
    せることを特徴とする黒鉛と金属部材の接合方法。
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