JP3219754B2 - ヒト乳頭腫ウイルスの核酸のハイブリダイゼーシヨンプローブおよびそれを使用する方法 - Google Patents

ヒト乳頭腫ウイルスの核酸のハイブリダイゼーシヨンプローブおよびそれを使用する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ、とくにヒト
乳頭腫ウイルスのタイプ35(以後「HPV 35」)、ヒト
乳頭腫ウイルスのタイプ43(以後「HPV 43」)、ヒト
乳頭腫ウイルスのタイプ44(以後「HPV 44」)および
ヒト乳頭腫ウイルスのタイプC57(以後「HPV C57」)
のための核酸ハイブリダイゼーションプローブ、および
それを使用する方法に関する。
(A)ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ ヒト乳頭腫ウイルス(以後「HVP」)は、種々の上皮
の病変、例えば、いぼ、コンジロームおよび異形性の原
因であるとして認められている[参照、ギッスマン(Gi
ssman)、L.、キャンサー・サーベイズ(Cancer Sur
v.)、:161(1984);プフィスター(Pfister)、H.
バイオケルミカル・ファーマコロジー(Biochem.Pharma
col.)、99:111(1983);ダースト(Durst)、M.ら、
プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、80:3
812(1983)およびボシャート(Boshart)、M.ら、EMBO
J.、:1151(1984)]。頚の異形性[頚の上皮内新
形成(CIN)としても知られている]は、頚の癌への進
行;穏和な異形性(CIN I)から、中程度の異形性(C
IN II)、重度の異形性、その場の癌(集合的にCIN I
II)、および侵入性の癌への進行において、早期の事象
であると信じられている。
HPVのタイプと頚の異形性および頚の癌との関連を検
査する研究は、HPVのタイプ6、11、16、18、31および3
3が性器の病変と関連することを示した[参照、ギッス
マン(Gissman)、L.、キャンサー・サーベイズ(Cance
r Surv.)、:161(1984);プフィスター(Pfiste
r)、H.バイオケルミカル・ファーマコロジー(Bioche
m.Pharmacol.)、99:111(1983);ダースト(Durs
t)、M.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)USA、80:3812(1983);ポシャート(Boshart)、
M.ら、EMBO J.、3:1151(1984);デ・ヴィリアース
(de Villiers)、E.−M.ら、ウイルス学誌(J.Viro
l.)、40:932(1981);ギッスマン(Gissman)、L.
ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、58:225(1986)および
ベウデノン(Beaudenon)、S.、ネイチャー(Natur
e)、321、246(1986)]。
HPVはそれらのDNA配列の類似性に基づいてタイプに分
けられる。2つのHPVは、それらのDNAが50%より多く交
差ハイブリダイゼーションする場合、同一のタイプであ
ると分類学的に分類される。その測定は、適度にストリ
ンジエントなハイブリダイゼーション条件下に溶液中で
ハイブリダイゼーションし、引続いてヒドロキシアパタ
イトのクロマトグラフィーによって前記DNAから二本鎖D
NAを分離することによって実施し、前記条件は完全に塩
基対の二本鎖DNAの融点よりほぼ25℃低い(便利にはTm
−25℃と記載される)と定義される。完全に塩基対の二
本鎖DNAの融点(Tm)は、次のよく確立された式を使用
して精確に予測することができる: Tm=16.6×log[Na+]+0.4 1×%G:C+81.5−0.72×(%) (v/v)ホルムアルデヒド 上の式は、各ハイブリダイゼーションの条件において
各個々のDNAのためのTmを実験的に測定する必要なし
に、変化する塩およびホルムアルデヒドの濃度を有する
溶液中の種々のDNAについて、ストリンジエントでない
ハイブリダイゼーション条件およびストリンジエントな
ハイブリダイゼーション条件を決定するための酸焦点を
設定する、便利な手段を提供する。
それぞれのHPV DNAの50%より少なくが、ヒドロキシ
アパタイトへ結合する能力によって測定しかつ定義し
て、溶液中で適度の厳格な条件下に交差ハイブリダイゼ
ーションして完全にまたは部分的に二本鎖の構造を形成
することができる場合、HPV DNAは同一のタイプである
と分類学的に分離するために十分な関連性をもたない。
この方法を用いる50%の交差ハイブリダイゼーションの
カットオフは、命名の目的で新規なHPVのタイプの割当
てについてのコンセンサスな基準として用いられる。HP
V DNAの間の交差ハイブリダイゼーションの程度を測定
するこの方法は、2つのHPV DNAが共通のタイプの異な
る分離物を表わすか、あるいは異なるタイプの分離物を
表わすかどうかを決定するために使用される方法とし
て、歴史的に応用されてきている。この基準の使用は、
HPVのタイプを決定および定義するための臨床的基準の
確立に先行する。下により詳述するように、HPVのタイ
プを決定および定義するための臨床的基準は性器の病変
の間のHPVのタイプの疫学的分布に基づく。
交差ハイブリダイゼーションの程度を測定する前述の
方法は、ハイブリダイゼーション反応後、完全にまたは
部分的に二本鎖のDNA分子の形成の程度を評価すること
に基づく。しかしながら、完全にまたは部分的に二本鎖
のDNA分子へのDNAの50%の転化は、DNAのヌクレオチド
配列が50%相同性であることを意味しなことに注意すべ
きである。
前述のように、HPVは、また、臨床的基準に基づいて
タイプに分けることができる。すなわち、前述の交差ハ
イブリダイゼーションの基準によって定義して、異なる
タイプのHPVが、異なる厳しさの性器の病変の間および
異なる配置的な固体数の間の明確な疫学的分布を示すこ
とが観測された。
例えば、HVP 6およびHVP 11は、両性の病変、例え
ば、外方に増殖するコンジロームにおよび少ない程度に
平担なコンジロームと主として関連づけられる[参照、
ギッスマン(Gissman)、L.ら、プロシーディングス・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、80:560(1983)]。HVP
6およびHVP 11は、また、悪性の上皮の癌のある種
の稀なタイプにおいて検出される[参照、ザショウ(Za
chow)、K.R.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、57:353
(1986)]。対照的に、HVP 16、HVP 31およびHVP 3
3は、頚の癌および他の肛門性器の癌ならびにそれらの
前駆体病変において変化する頻度で検出される[参照、
ダースト(Durst)、M.ら、プロシーディングス・オブ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Pro
c.Natl.Acad.Sci.)USA、80:3812(1983)、ボシャート
(Boshart)、M.ら、EMBO J.、3:115(1984)、ロリン
クズ(Lorincz)、A.T.ら、ウイルス学誌(J.Viro
l.)、58:225(1986)およびベウデノン(Beaudeno
n)、S.、ネイチャー(Nature)、321、246(198
6)]。HVP 16、HVP 18、HVP 31およびHVP 33のこ
の分布は、HVP 6およびHVP 11で感染された病変に比
較して、HVP 16、HVP 18、HVP 31およびHVP 33で感
染した頚の癌のより大きい危険またはより急速なそれへ
の進行を反映すると信じられる。結局、HPVのタイプの
決定は臨床的−診断的価値を有する。すなわち、それ
は、HPVの感染の証拠を示す患者における癌の発生の危
険の評価において、重要な因子である。評価された癌の
発生の危険に基づいて、適当は治療的処置を選択するこ
とができる。
さらに、HVP 16はアフリカよりヨーロッパにおいて
広く流布し[ダースト(Durst)、M.ら、プロシーディ
ングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、80:3812(198
3)]、これに対してHVP 18はヨーロッパよりアフリカ
において広く流布する[ボシャート(Boshart)、M.
ら、EMBO J.、:1115(1984)]。
したがって、本発明の関係する範囲内で、2つのHPV
は、(1)それらが前述の交差ハイブリダイゼーション
の程度についての基準を満足する場合、あるいは(2)
それらが性器の病変の間で交差ハイブリダイゼーション
の実質的に同一の疫学的分布を示しかつ、疫学的分布を
構成する同一の性器の病変と、両者とも、交差ハイブリ
ダイゼーションする場合、同一のタイプであると考えら
れる。
頚の癌および頚の癌に進行する可能性を有する性器の
病変の有意のパーセントが、既知のHPVのタイプのいず
れにも相当しない「新しい」HPVのタイプを含有するこ
とが発見された。こうして、特定のHPVのタイプと、頚
の癌への進行の高い危険を有する性器の病変との既知の
関連に照して、これらの「新しい」HPVのタイプを検出
しかつ分類することができることによって、HPVの感染
の証拠を有しかつこれらの「新しい」HPVのタイプで感
染しうる患者において、これらの「新しい」HPVのタイ
プと関連する頚の癌の危険を確証することができる。
(B)HPVのタイプのクローニング この分野における長い停滞した努力にかかわらず、HP
Vを生体外で細胞培養において増殖することは不可能で
あった。しかしながら、組換えDNAクローニング技術
は、多くのHPVのタイプ、例えば、HPVのタイプ6、11、
16、18、31および33、のDNAを分離しかつ精製すること
を可能にした[参照、ダースト(Durst)、M.ら、プロ
シーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、80:3812
(1983)、ボシャート(Boshart)、M.ら、EMBO J.、
3:1151(1984)、デ・ヴィリアース(de Villiers)、
E.−M.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、40:932(198
1)、ギッスマン(Gissman)、L.ら、ウイルス学誌(J.
Virol.)、58:225(1986)、ロリンクズ(Lorincz)、
A.T.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、58:225(1986)、
およびベウデノン(Beaudenon)、S.、ネイチャー(Nat
ure)、321、246(1986)]。HPVに関する知識の大部分
は、このような組換えDNAにおけるDNA配列の研究および
組織の試料中のHPVの検出のために、核酸のハイブリダ
イゼーションプローブを調製するために、これらのDNA
配列を使用することによって誘導された。
(C)ハイブリダイゼーションプローブ 前述のように、HPV DNAは異なるHPVのタイプに対す
るハイブリダイゼーションプローブとして使用された。
異なるタイプの2つのHPV DNAは、このようなハイブリ
ダイゼーションプローブを使用する、ストリンジエント
なハイブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼーシ
ョンによって容易に区別することができ、そしてストリ
ンジエントなハイブリダイゼーション条件は完全に塩基
対の二本鎖DNA雑種の融点よりほぼ10℃低い(便利にはT
m−10℃と記載される)と定義される。同様に、このよ
うなハイブリダイゼーションプローブを使用する、スト
リンジエントなハイブリダイゼーション条件下のハイブ
リダイゼーションによって容易に区別することができ、
そしてストリンジエントなハイブリダイゼーション条件
は完全に塩基対の二本鎖DNA−RNA雑種の融点よりほぼ10
℃低い(便利にはTm−10℃と記載される)と定義され
る。さらに、異なるタイプの2つのHPV RNAは、このよ
うなハイブリダイゼーションプローブを使用する、スト
リンジエントなハイブリダイゼーション条件下のハイブ
リダイゼーションによって容易に区別することができ、
そしてストリンジエントなハイブリダイゼーション条件
は完全に塩基対の二本鎖RNA−RNA雑種の融点よりほぼ10
℃低い(便利にはTm−10℃と記載される)と定義され
る。上の基準を使用して異なるタイプとして表示される
HPV DNAまたはRNAは、事実、それらのヌクレオチド配
列の80%程度に多くが共通しうることに注意すべきであ
る。
さらに、2つの異なるタイプのHPV DNAは、このよう
なハイブリダイゼーションプローブを使用して、ストリ
ンジエントでないハイブリダイゼーション条件に交差ハ
イブリダイゼーションすることができ、そしてストリン
ジエントでないハイブリダイゼーション条件は完全に塩
基対の二本鎖DNA−DNA雑種の融点よりほぼ35℃以上低い
(便利にはTm−35℃以上と記載される)と定義される。
同様に、1つのタイプのHPV DNAは、このようなハイブ
リダイゼーションプローブを使用して、ストリンジエン
トでないハイブリダイゼーション条件に、他のタイプの
HPV RNAと交差ハイブリダイゼーションすることがで
き、そしてストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件は完全に塩基対の二本鎖DNA−RNA雑種の融点よ
りほぼ35℃以上低い(便利にはTm−35℃以上と記載され
る)と定義される。さらに、2つの異なるタイプのHPV
RNAは、このようなハイブリダイゼーションプローブ
を使用して、ストリンジエントでないハイブリダイゼー
ション条件に交差ハイブリダイゼーションすることがで
き、そしてストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件は完全に塩基対の二本鎖RNA−RNA雑種の融点よ
りほぼ35℃以上低い(便利にはTm−35℃以上と記載され
る)と定義される。[参照、アンダーソン(Anderso
n)、L.M.ら、核酸のハイブリダイゼーション(Nucleic
Acid Hybridization)、73−111ページ、B.D.ヘイム
ス(Hames)およびS.J.ヒギンス(Higgins)編、I.R.L.
プレス(Press)、オクスフォード、英国およびワシン
トン、D.C.、米国(1985)]。
同一ヌクレオチド配列のDNA−DNA、DNA−RNAおよびRN
A−RNAの融点は、種々の化学的環境において異なること
がありる。これらの種々の雑種の関連する融点への種々
の化合物の作用は、いくつかの試薬について研究され
た。例えば、ホルムアルデヒドの濃度を増加するとDNA
−DNA雑種はDNA−RNAよりも示差的に不安定化されるの
で、ホルムアルデヒドの高い濃度、例えば、80%(v/
v)において、DNA−RNAは同一ヌクレオチド配列のDNA−
DNA雑種より有意に高い融点を有しうることはよく知ら
れている。
前述のように、DNA−DNA雑種の融点は、アンダーソン
(Anderson)、L.M.ら、核酸のハイブリダイゼーション
(Nucleic Acid Hybridization)、73−111ページ、
B.D.ヘイムス(Hames)およびS.J.ヒギンス(Higgins)
編、I.R.L.プレス(Press)、オクスフォード、英国お
よびワシントン、D.C.、米国(1985)に記載されている
Yとうに、予測することができる。さらに、DNA−DNA雑
種の融点は、ホウレイ(Howley)、P.ら、ジャーナル・
オブ・バイオケミストリー(J.Biochem.)、254:4876
(1979)に記載されているように、実験的に決定するこ
とができる。DNA−RNA雑種の融点は、また、この分野に
おいてよく知られた手段によって決定することができ
る。
こうして、組織の試料を、一般にHPV DNAまたはRNA
および/またはとくにHPV DNAまたはRNAのタイプの存
在について、条件、すなわち、ストリンジエントなハイ
ブリダイゼーション条件またはストリンジエントでない
ハイブリダイゼーション条件のどちらをハイブリダイゼ
ーションのために使用するかに依存して、核酸のハイブ
リダイゼーションによって試験することが可能である。
したがって、本発明の1つの目的は、頚の癌および頚
の癌へ進行する可能性を有する性器の病変が「新規な」
HPVのタイプを含有するかどうかを確証し、そして含有
する場合、仮定した「新規な」HPVのタイプをクローニ
ングすることである。
本発明の他の目的は、一般にHPVのタイプに対してお
よびとくに「新規な」HPVのタイプに対して特異的であ
る、核酸のハイブリダイゼーションプローブを提供する
ことである。
本発明のなお他の目的は、DNAまたはRNAの未知の試
料、とくに性器の病変から誘導されたDNAまたはRNAの未
知の試料中の、一般にHPVのDNAまたはRNAおよびとくに
「新規な」HPVのDNAまたはRNAを検出して、頚の癌の発
生の危険を決定する方法を提供することである。
本発明のこれらの目的および他の目的は、以下の本発
明の詳細な説明から明らかであろう。
本発明において、本発明においてクローニングした
「新しい」HPVのタイプは新規なHPVのタイプであること
が発見され、これらをHPV 35、HPV 43、HPV 44およ
びHPV C57と表示する。
こうして、1つの実施態様において、本発明の前述の
目的は、クローニングベクターおよび、それぞれ、HPV
35 DNAまたはその断片の実質的にすべて、HPV 43
DNAまたはその断片の実質的にすべて、HPV 44 DNAま
たはその断片の実質的にすべて、またはHPV C57 DNA
またはその断片の実質的にすべてを含んでなることを特
徴とするHPV 35、HPV 43、HPV 44またはHPV C57の
組換えDNAによって満足された。
他の実施態様において、本発明の前述の目的は、本質
的に純粋なHPV 35 DNAまたはその断片、本質的に純粋
なHPV 43 DNAまたはその断片、本質的に純粋なHPV 4
4 DNAまたはその断片、または本質的に純粋なHPV C57
DNAまたはその断片;および本質的に純粋なHPV 35
RNAまたはその断片、本質的に純粋なHPV 43 RNAまた
はその断片、本質的に純粋なHPV 44 RNAまたはその断
片、または本質的に純粋なHPV C57 RNAまたはその断
片によって満足された。
なお他の実施態様において、本発明の前述の目的は、
工程: (1)ストリンジエントでない条件下に、 (a)(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNAまた
はその断片、マーカーで標識されたHPV 43 DNAまたは
その断片、マーカーで標識されたHPV 44 DNAまたはそ
の断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57 DNA
またはその断片、および (ii)マーカーで標識されたHPV 35 RNAまたはそ
の断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNAまたはその
断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAまたはその断
片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57 RNAまた
はその断片、 から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中のHVPのDNAまたはRNAを検出す
る、 を含んでなることを特徴とするHVPのDNAまたはRNAを検
出する方法によって満足された。
ほかの実施態様において、本発明の前述の目的は、工
程: (1)ストリンジェントな条件下に、 (a)(i)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 3
5 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43
DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV
C57 DNAまたはその断片、および (ii)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 35 R
NAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAま
たはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57
RNAまたはその断片、 から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中の、それぞれ、HPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRN
A、あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する、 を含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する方法によっ
て満足された。
なおほかの実施態様において、本発明の前述の目的
は、工程: (1)ストリンジエントな条件下に、 (a)性器の病変のサンプリングの各性器の病変から
誘導されたDNAまたはRNAの第1分画、前記サンプリング
は頚の癌への疫学的進行を示す、および (b)(i)、それぞれ、マーカーで標識されたHPV
35 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV
43 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識されたH
PV C57 DNAまたはその断片、および (ii)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 35 R
NAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAま
たはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57
RNAまたはその断片、 から成る群より選択される構成員、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)ストリンジエントな条件下に、 (a)性器の病変の前記サンプリングの各性器の病変
から誘導されたDNAまたはRNAの第2分画、および (b)マーカーで標識された性器の病変から誘導され
たDNAまたはRNAの未知の試料、 を使用して、ハイブリダイゼーションを実施し、 (3)工程(1)において得られた交差ハイブリダイ
ゼーションの疫学的分布を工程(2)において得られた
それおよび前記疫学的分布を構成する各病変からのDNA
の交差ハイブリダイゼーションと比較して、前記試料中
の、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNA
またはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、あるいはHPV C57
DNAまたはRNAを検出する、 を含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する方法によっ
て満足された。
従来未知のHPVのタイプが本発明において発見され、
そしてそれらをHPV 35、HPV 43、HPV 44およびHPV
C57と表示する。HPV 35、HPV 43、HPV 44およびHPV
C57は、本発明において最初にクローニングされ、こ
うして、一般にDNAまたはRNAの未知の試料、とくに一般
にHPV DNAまたはRNAおよびとくに性器の病変から誘導
されたDNAまたはRNAの未知の試料において、一般にHPV
DNAまたはRNA、とくに、それぞれ、HPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRN
A、またはHPV C57 DNAまたはRNAの検出のためのハイ
ブリダイゼーションプローブの調製が可能となった。
HPV 35は、ワシントン、D.C.において得られた腺癌
の生検から単離およびクローニングされた。
HPV 43は、組織病理学的検査で角質増殖のみを示
す、ミシガン州から得られた陰門組織の生検から単離お
よびクローニングされた。
HPV 44は、ミシガン州から得られた陰門のコンジロ
ームの生検から単離およびクローニングされた。
HPV C57は、ワシントン、D.C.から得られた陰門のコ
ンジロームの生検から単離およびクローニングされた。
最初にHPV 35、HPV 43、HPV 44およびHPV C57を
クローニングしてHPV 35のクローン1Aおよび1B、HPV
43のクローン1Aおよび1B、HPV 44のクローン1およびH
PV C57のクローン1Aおよび1Bを調製するために、ここ
に提供した実施例において使用した特定のクローニング
ベクターはλ L47であった。
HPV 35のクローン1Aおよび1BからのHPV 35 DNA
は、pBR322(ATCC No.37017)中においてサブクローニ
ングしてHPV 35のクローン2Aおよび2Bを調製した。HPV
35のクローン2Aおよび2Bは、アメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクション(American Type Culture C
ollection)において、それぞれ、ATCC No.40330およ
び40331で受託された。
HPV 43のクローン1Aおよび1BからのHPV 43 DNA
は、pT713[GIBCO/BRL、ガイサースバーグ(Gaithersbu
rg)、マリイランド州]中においてサブクローニングし
てHPV 43のクローン2Aおよび2Bを調製した。HPV 43の
クローン2Aおよび2Bは、アメリカン・タイプ・カルチャ
ー・コレクション(American Type Culture Collect
ion)において、それぞれ、ATCC No.40338および40339
で受託された。
HPV 44のクローン1からのHPV 44 DNAは、pT713
[GIBCO/BRL、ガイサースバーグ(Gaithersburg)、マ
リイランド州]中においてサブクローニングしてHPV 4
4のクローン2を調製した。HPV 44のクローン2は、ア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Americ
an Type Culture Collection)において、ATCC No.
40353で受託された。
HPV C57のクローン1Aおよび1BからのHPV C57 DNA
は、pT713[GIBCO/BRL、ガイサースバーグ(Gaithersbu
rg)、マリイランド州]中においてサブクローニングし
てHPV C57のクローン2Aおよび2Bを調製した。HPV C57
のクローン2Aおよび2Bは、アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(American Type Culture Colle
ction)において、それぞれ、ATCC No.40341および403
79で受託された。
HPV 35 DNAは、その全体において、HPV 35のクロ
ーン2Aおよび2Bから、BamH I制限エンドヌクレアーゼを
使用して切除し、そして任意のよく知られた原核および
真核クローニングベクター中でサブクローニングするこ
とができた。
HPV 43 DNAは、その全体において、HPV 43のクロ
ーン2AからHind III制限エンドヌクレアーゼを使用して
そしてクローン2BからBamH I制限エンドヌクレアーゼを
使用して切除し、そして任意のよく知られた原核および
真核クローニングベクター中でサブクローニングするこ
とができた。
HPV 44 DNAは、その全体において、HPV 44のクロ
ーン2から、BamH I制限エンドヌクレアーゼを使用して
切除し、そして任意のよく知られた原核および真核クロ
ーニングベクター中でサブクローニングすることができ
た。
HPV C57 DNAは、その全体において、HPV C57のク
ローン2AからEcoR I制限エンドヌクレアーゼを使用して
そしてクローン2BからBamH I制限エンドヌクレアーゼを
使用して切除し、そして任意のよく知られた原核および
真核クローニングベクター中でサブクローニングするこ
とができた。
HPV 35、HPV 43、HPV 44またはHPV C57をサブク
ローニングするための使用する特定のクローニングベク
ターは、臨界的でなく、そして任意の既知の原核クロー
ニングベクター、例えば、pUC11、λ誘導ベクター、例
えば、λ シャロンまたはM13誘導バクテリオファージ
[参照、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー
・クローニング(Molecular Cloning):実験室のマニ
ュアル(a laboratory manual)、コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor
Laboratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリ
ング・ハーバー(1982)およびレネン(Loenen)、W.A.
M.ら、遺伝子(Gene)、20:249(1980)]または任意の
既知の真核クローニングベクター、例えば、pZIP−Neo
SV[X1]またはpBKTK−1[参照、ポウエールス(Pou
eels)、P.H.ら、クローニングベクターズ(Clonig Ve
ctors):実験室のマニュアル(A Laboratory Manua
l)、エルセイヴェール(Elseiver)、アムステルダム
(1985)]であることができる。
HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたはHP
V C57 DNAの断片は、同様に、それぞれ、HPV 35のク
ローン2Aおよび2B、HPV 43のクローン2Aおよび2B、HPV
44のクローン2、またはHPV C57のクローン2Aおよび
2Bから他のよく知られた制限エンドヌクレアーゼを使用
して切除し、そして前述のクローニングベクター中でク
ローニングすることができる。同様に、HPV 35のクロ
ーン2Aおよび2B中のHPV 35 DNA、HPV 43のクローン2
Aおよび2B中のHPV 43 DNA、HPV 44のクローン2中の
HPV 44 DNA、またはHPV C57のクローン2Aおよび2B中
のHPV C57 DNAは、それらから切除し、一緒に結合
し、そして前述のクローニングベクター中でクローニン
グして、それぞれ、HPV 35のゲノム、HPV 43のゲノ
ム、HPV 44のゲノムおよびHPV C57のゲノムの実質的
にすべてを含有するベクターを得ることができる。
HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはそ
の断片、HPV 44 DNAまたはその断片、またはHPV C57
DNAまたはその断片のクローニングは、一般にHPV DN
AまたはRNA、とくに、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
またはHPV C57 DNAまたはRNAのための核酸のハイブリ
ダイゼーションプローブを調製するために、それぞれ、
大量のHPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまた
はその断片、HPV 44 DNAまたはその断片、またはHPV
C57 DNAまたはその断片を比較的簡単に生産すること
を可能とする。
さらに、HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNA
またはその断片、HPV 44 DNAまたはその断片、または
HPV C57 DNAまたはその断片を、他のよく知られたク
ローニングベクター中で、サブクローニングして特定の
クローニングベクターの特別の性質を得るという利点を
使用ることができ、これらの性質は、クローニングベク
ター中に挿入されたHPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV
44 DNA、またはHPV C57 DNAに対して相同性のRNA
の生体外の合成を促進する[参照、マニアチス(Maniat
is)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning):実験室のマニュアル(a laboratory m
anual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト
リー(Cold Spring Harbor Laboratories)、ニュー
ヨーク州、コールド・スプリング・ハーバー(198
2)]。これらのクローニングベクターの例は、pT712お
よびpT713を包含し、それらの各々はGIBCO/BRL、ガイサ
ースバーグ(Gaithersburg)、マリイランド州、から商
業的に入手可能である。HPV 35 DNAまたはその断片、
HPV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはその
断片、またはHPV C57 DNAまたはその断片は、これら
のクローニングベクター中にサブクローニングすること
ができるので、それぞれ、HPV 35 DNAまたはその断
片、HPV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたは
その断片、またはHPV C57 DNAまたはその断片は、フ
ァージエンコーデッド(encoded)RNAポリメラーゼ、例
えば、T7、T3またはSP6のための効率よい鋳型としては
たらくことができる。このようなクローニングベクター
およびこのようなRNAポリメラーゼを使用すると、それ
ぞれ、HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまた
はその断片、HPV 44 DNAまたはその断片、またはHPV
C57 DNAまたはその断片の鎖のいずれかに対して相補
的なHPV 35 RNA、HPV 43 RNA、HPV 44 RNA、また
はHPV C57 RNAを、この分野においてよく知られた方
法を使用する生体外転写によって合成することができ
る。
HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはそ
の断片、HPV 44 DNAまたはその断片、またはHPV C57
DNAまたはその断片を含有するクローニングベクター
を増殖するための特定のバクテリアまたは真核宿主は、
使用するクローニングベクターに依存するであろう。例
えば、λ L47中でクローニングしたHPV 35 DNA、HPV
43 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C57 DNAを増殖す
るための典型的な宿主は、E.coli NM538[フリンシャ
ンフ(Frinschanf)、A.M.ら、ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、170:827(19
83)]を包含する。他の宿主、例えば、E.coli HB101
[ボイアー(Boyer)、H.W.ら、ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、41:459(1
969)]は、クローニングベクターとしてpBR322またはp
UC11を使用するとき、用いることができる。pZIP−Neo
SV[X1]中でクローニングしたHPV 35 DNA、HPV 4
3 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C57 DNAを増殖する
ための典型的な宿主はサルのCos細胞であり、これに対
してpBKTK−1中でクローニングしたHPV DNAを増殖す
るための典型的な宿主はある数のよく知られた哺乳動物
の細胞系のいずれかでらろう[例えば、ポウエールス
(Poueels)、P.H.ら、クローニングベクターズ(Cloni
g Vectors):実験室のマニュアル(A Laboratory
Manual)、エルセイヴェール(Elseiver)、アムステル
ダム(1985)]。
一般にHPV DNAまたはRNAあるいはとくにHPV 35 DN
AまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAま
たはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNAへの本発明の
プローブのハイブリダイゼーションは、使用するハイブ
リダイゼーション条件に依存するであろう。すなわち、
ストリンジエントでないハイブリダイゼーション条件下
で、HPV 35 DNAまたはRNAまたはその断片、HPV 43
DNAまたはRNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはRNA
またはその断片、またはHPV C57 DNAまたはRNAまたは
その断片は、一般にHPV DNAまたはRNAのためのハイブ
リダイゼーションプローブとして使用できる。他方にお
いて、ストリンジエントなハイブリダイゼーション条件
下で、HPV 35 DNAまたはRNAまたはその断片、HPV 43
DNAまたはRNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはRN
Aまたはその断片、またはHPV C57 DNAまたはRNAまた
はその断片は、とくに、それぞれ、HPV 35 DNAまたは
RNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRN
A、またはHPV C57 DNAまたはRNAのためのハイブリダ
イゼーションプローブとして使用できる。
前述のように、HPVの異なるタイプのDNAおよびRNA
は、ストリンジエントでないハイブリダイゼーション条
件下に、すなわち、一般のグループとしてHPV DNAまた
はRNAのそれに等しい塩基組成を有する、完全に塩基対
の二本鎖のDNAの融点よりほぼ35℃以上低い温度におい
て、交差ハイブリダイゼーションすることができる。
さらに、DNAまたはRNAの未知の試料は、ストリンジエ
ントなハイブリダイゼーション条件下、すなわち、一般
のグループとしてHPV DNAまたはRNAのそれに等しい塩
基組成を有する、完全に塩基対の二本鎖のDNAの融点よ
りほぼ10℃低い温度において、交差ハイブリダイゼーシ
ョンを実施することによって、特定のHPVのタイプの存
在について試験し、そしてそのタイプを同定することが
可能である。
本発明の方法において、ストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼーション
は、まず、ストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下でハイブリダイゼーションし、次いでストリ
ンジエントでないハイブリダイゼーション条件下で洗浄
することによって実施する。
さらに、本発明の方法において、ストリンジエントな
ハイブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼーショ
ンは、まず、ストリンジエントでないハイブリダイゼー
ション条件下でハイブリダイゼーションし、次いでスト
リンジエントなハイブリダイゼーション条件下で洗浄す
るか、あるいはストリンジエントなハイブリダイゼーシ
ョン条件下でハイブリダイゼーションし、次いでストリ
ンジエントなハイブリダイゼーション条件下で洗浄する
ことによって実施する。最初の方法、すなわち、ストリ
ンジエントでないハイブリダイゼーション条件下でハイ
ブリダイゼーションし、次いでストリンジエントなハイ
ブリダイゼーション条件下で洗浄する方法において、異
なるタイプのDNAまたはRNAの間で形成する雑種は不安定
であるが、同一タイプのDNAまたはRNAの間で形成する雑
種は安定である。
DNAまたはRNAの未知の試料が使用するハイブリダイゼ
ーションプローブと同一もしくは異なるHPVのタイプを
もつかどうかを決定するために、ハイブリダイゼーショ
ンは、好ましくは、ストリンジエントでないハイブリダ
イゼーション条件下に実施し、次いでストリンジエント
でないハイブリダイゼーション条件下で洗浄する。雑種
の存在をアッセイした後、検出された雑種をストリンジ
エントなハイブリダイゼーション条件下に洗浄する。こ
の方法において、ストリンジエントでないハイブリダイ
ゼーション条件下のハイブリダイゼーション後に残留す
る雑種の量を決定し、そしてストリンジエントなハイブ
リダイゼーション条件下の洗浄後に存在する雑種の量と
比較する。ストリンジエントなハイブリダイゼーション
条件下の洗浄が形成する雑種の量をほとんど減少しない
か、あるいは最少に減少する場合、これは本来形成した
雑種、すなわち、ストリンジエントでないハイブリダイ
ゼーション条件下に形成した雑種が、同一タイプのDNA
またはRNAであったことを示す。逆に、ストリンジエン
トなハイブリダイゼーション条件下の洗浄後に残留する
雑種が壊滅しているか、あるいは雑種の量が非常に減少
している場合、本来形成した雑種、すなわち、厳格でな
いハイブリダイゼーション条件下に形成した雑種は異な
るタイプのDNAまたはRNAの間のものであったことが示さ
れる。
HPV DNAまたはRNAがDNAまたはRNAの未知の試料にス
トリンジエントなハイブリダイゼーション条件下に結合
する能力は、高度のヌクレオチド配列の相同性を指示す
る。他方において、HPV DNAまたはRNAがDNAまたはRNA
の未知の試料にストリンジエントでないハイブリダイゼ
ーション条件下においてのみ結合する能力は、低いか、
あるいは中間の程度のヌクレオチド配列の相同性を指示
する。ヌクレオチド配列の相同性の精確な程度は、未知
のDNAを直接に配列決定し、そしてそRをHPV DNAの未
知の配列と比較することによってのみ決定することがで
きる。
一般にDNAまたはRNAの未知の試料、とくに性器の病変
から誘導したDNAまたはRNAの未知の試料中のHPV DNAま
たはRNAの検出を実施する場合において、実際的事柄と
して、ハイブリダイゼーションプローブの混合物からな
るハイブリダイゼーションプローブ組成物を利用するこ
とは有利である。これらのハイブリダイゼーションプロ
ーブは、DNAまたはRNAの未知の試料中に存在することが
疑われるタイプのすべてまたはほとんどを代表する配列
をもつプローブからなる。HPVのタイプ6、11、16、1
8、31、33、35、43、44およびC57を代表するDNAまたはR
NAの配列のハイブリダイゼーションプローブ混合物は、
これらのHPVのタイプが性器の病変においてもっとも発
見されやすいと思われるので、DNAまたはRNAの未知の試
料を性器の病変から誘導するとき、とくに有利である。
他の既知のHPVのタイプは、性器の病変においてめった
にあるいはけっして見出されない。例えば、HPVのタイ
プ1、2および4は、一般に、他のタイプの病変、すな
わち、皮膚のいぼ[ヘイルマン(Heilman)、C.A.ら、
ウイルス学誌(J.Virol.)、360:395(1980)]におい
て見出され、こうしてHPVのタイプ1、2および4を含
有するDNAまたはRNA配列のハイブリダイゼーションプロ
ーブ混合物は、DNAまたはRNAの未知の試料が皮膚のいぼ
から誘導されるとき有用でありうるが、DNAまたはRNAの
未知の試料が性器の病変から誘導されるとき、有用では
ない。
ハイブリダイゼーションプローブの混合物中に使用で
きるHPVのタイプ6、11、16、18、31および33の配列の
例は、ギッスマン(Gissman)、L.、キャンサー・サー
ベイズ(Cancer Surv.)、:161(1984)、プフィス
ター(Pfister)、H.バイオケルミカル・ファーマコロ
ジー(Biochem.Pharmacol.)、99:111(1983)、ダース
ト(Durst)、M.ら、プロシーディングス・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.
Acad.Sci.)USA、80:3812(1983)、ボシャート(Bosha
rt)、M.ら、EMBO J.、、1151(1984)、ロリンクズ
(Lorincz)、A.T.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、58:
225(1986)およびベウデノン(Beaudenon)、S.、ネイ
チャー(Nature)、321、246(1986)中に記載されてい
る。さらに、ハイブリダイゼーションプローブ混合物中
に使用できるHPVのタイプ1、2および4の配列の例
は、この分野においてよく知られている[参照、ヘイル
マン(Heilman)、C.A.ら、ウイルス学誌(J.Viro
l.)、360:395(1980)]。こうして、HPV 35、HPV 4
3、HPV 44およびHPV C57に関する本明細書における開
示および、HPVのタイプ6、11、16、18、31および33関
しかつ他のHPVのタイプ、例えば、HPVのタイプ、2およ
び4に関する当業者の知識を用いると、ハイブリダイゼ
ーションプローブの混合物は容易に調製することができ
る。
ハイブリダイゼーションプローブの混合物において、
各HPVのタイプのDNAまたはRNAの特定の百分率は本発明
において臨界的ではない。一般に、各HPVのタイプのほ
ぼ等モル量のDNAまたはRNAを混合物中に使用する。
HPVの検出しかつタイプを決定する手段として核酸の
ハイブリダイゼーションは、前述のように溶液中で[参
照、ロギンス(Loggins)、J.R.ら、癌の研究(Cancer
Research)、39:545(1979)]あるいは固体の支持体
上で[参照、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning):実験室の
マニュアル(a laboratory manual)、コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratories)、ニューヨーク州、コールド・スプ
リング・ハーバー(1982)]あるいはその場で[参照、
ブリガチ(Brigati)、D.J.ら、ウイルス学(Viro
l.)、126:32(1983)およびベックマン(Beckman)、
A.M.ら、ジャーナル・オブ・メディカル・バイロロジー
(J.Med.Virol.)、16:265(1985)]実施できる。
固体の支持体上のハイブリダイゼーションは、ある数
の異なる手順を使用して実施できる。1つのこのような
手順は、未知のDNAまたはRNAのすべてを精製し、それら
を固体の支持体に一本鎖の形態で固定化し、次いでHPV
35 DNAまたはRNAまたはその断片、HPV 43 DNAまた
はRNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはRNAまたはそ
の断片、またはHPV C57 DNAまたはRNAまたはその断片
とハイブリダイゼーションすることを包含する。
あるいは、精製した未知のDNAを1または2以上の制
限エンドヌクレアーゼで消化し、そして試料中の生ずる
DNA断片を電気泳動的に分離することができる。次い
で、DNA断片を固体の支持体に移し、そして標識したHPV
35 DNAまたはRNAまたはその断片、て標識したHPV 4
3 DNAまたはRNAまたはその断片、て標識したHPV 44
DNAまたはRNAまたはその断片、またはて標識したHPV C
57 DNAまたはRNAまたはその断片とハイブリダイゼーシ
ョンすることができる。
その場のハイブリダイゼーションはガラスのスライド
上で実施し、そしてこの手順の最終の結果は顕微鏡で見
る。この手順において、DNAまたはRNAは細胞から精製せ
ず、他の細胞成分のすべてと一緒に放置する。
HPV 35 RNAまたはその断片、HPV 43 RNAまたはそ
の断片、HPV 44 RNAまたはその断片、またはHPV C57
RNAまたはその断片は、とくに、精製したDNA、とくに
な性器の病変から精製したDNAよりはむしろ、粗製の抽
出物、とくに粗製の性器の病変の抽出物を使用すると
き、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44
HPV C57 DNAのための核酸のハイブリダイゼーショ
ンプローブとして使用することが好ましい。
それぞれ、HPV 35 RNA、HPV 43 RNA、HPV 44 R
NAまたはHPV C57 RNAを、DNAの未知の試料中のHPV 3
5 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C57
DNAを検出するためのハイブリダイゼーションプローブ
として使用するとき、ストリンジエントなハイブリダイ
ゼーション条件下の最初のハイブリダイゼーション後に
形成したDNA−RNA雑種は、室温において膵臓RNアーゼ
[50ミリモルのNaCl中の約20mg/ml(pH7.0)]で処理
し、次いでストリンジエントなハイブリダイゼーション
条件下で洗浄することが好ましい。
HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはそ
の断片、HPV 44 DNAまたはその断片またはHPV C57
DNAまたはその断片、あるいはHPV 35 RNAまたはその
断片、HPV 43 RNAまたはその断片、HPV 44 RNAまた
はその断片またはHPV C57 RNAまたはその断片は、と
くに放射性マーカー、例えば、32P、14C、3H、125Iまた
35Sで標識するとき、それぞれ、HPV 35 DNAまたはR
NA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
またはHPV C57 DNAまたはRNAのための核酸のハイブリ
ダイゼーションプローブとして有用である。
HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはそ
の断片、HPV 44 DNAまたはその断片またはHPV C57
DNAまたはその断片は、例えば、リグビイ(Rigby)、P.
J.W.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)に記載されてるよ
うに、よく知られた方法による「ニック翻訳」によっ
て、あるいは、例えば、ディーン(Deen)、K.C.ら、ア
ナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Bioche
m.)、135:456(1983)に記載されているように、T4 D
NAポリメラーゼ置換合成によって放射性標識することが
できる。
HPV 35 RNAまたはその断片、HPV 43 RNAまたはそ
の断片、HPV 44 RNAまたはその断片またはHPV C57
RNAまたはその断片は、例えば、ダバンルー(Davanlo
o)、P.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)USA、81:2035(1984)に記載されているように、生
体外の転写によって放射性マーカーで標識することがで
きる。RNAポリメラーゼは標識された前駆体を利用でき
るので、標識されたRNAをこの方法によって合成して、
一般にHPV DNAまたはRNA、あるいはとくにHPV 35 DN
AまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAま
たはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNAの検出のため
に、それぞれ、HPV 35 RNA プローブ、HPV 43 RNA
プローブ、HPV 44 RNA プローブまたはHPV C57
RNA プローブを調製することが可能である。標識RNAを
合成するために使用できる標識前駆体は、放射性マーカ
ー、例えば、32P、14C、125Iまたは35Sを含有する前駆
体を包含する。
HPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはそ
の断片、HPV 44 DNAまたはその断片またはHPV C57
DNAまたはその断片、あるいはHPV 35 RNAまたはその
断片、HPV 43 RNAまたはその断片、HPV 44 RNAまた
はその断片またはHPV C57 RNAまたはその断片は、ま
た、とくに非放射性マーカー、例えば、ビオチン、酵素
または蛍光性基を使用して標識するとき、それぞれ、HP
V 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 4
4 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNAのた
めの核酸ハイブリダイゼーションプローブとして有用で
ある。ビオチンは、ハプテン様基として作用し、そして
DNAまたはRNAに結合することができ、そしてアビジン接
合酵素またはストレプトアビジン接合酵素をビオチンに
結合し、次いで洗浄して非特異的に接合した酵素を除去
することによって検出することができる。酵素のための
適当な基質を添加すると、基質の着色した生成物への転
化を検出することができる[参照、レアリー(Lear
y)、J.J.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.S
ci.)USA、80:4045(1983)]。このような酵素の例
は、アルカリ性ホスファターゼおよびセイヨウワサビペ
ルオキシダーゼを包含する。さらに、蛍光性分子、例え
ば、フルオレセインおよびローダミンをアビジンまたは
ストレプトアビジンに化学的に結合して、そして非放射
性マーカーとして使用できる。
あるいは、前述の酵素または蛍光性分子は、例えば、
レンズ(Renz)、M.ら、EMBO J.、:817(1983)に記
載されているように、HPV 35 DNAまたはその断片、HP
V 43 DNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはその断
片またはHPV C57 DNAまたはその断片、あるいはHPV
35 RNAまたはその断片、HPV 43 RNAまたはその断
片、HPV 44 RNAまたはその断片またはHPV C57 RNA
またはその断片に直接化学的に接合し、そしてこの方法
でハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。
このように標識したHPV 35 DNAまたはその断片、HP
V 43 DNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたはその断
片またはHPV C57 DNAまたはその断片、あるいはHPV
35 RNAまたはその断片、HPV 43 RNAまたはその断
片、HPV 44 RNAまたはその断片またはHPV C57 RNA
またはその断片は、前述のように、DNAまたはRNAの未知
の試料、とくに性器の病変から誘導したDNAまたはRNAの
未知の試料を使用するハイブリダイゼーションの研究に
おいて使用して、試料が、一般にHPV DNAまたはRNA、
とくに、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV
44 DNAまたはHPV C57 DNAを含有するかどうかを決
定することができる。
DNAの未知の試料は、性器の病変から誘導されること
に加えて、他の病変、例えば、のど、口または皮膚の病
変から誘導することができる。
DNAまたはRNAの未知の試料は、例えば、上皮の病変を
生検すること、頚をこすること、あるいは頚をスワッピ
ング(swabbing)して剥脱した細胞を得ることによって
得ることができる。さらに、DNAまたはRNAの未知の試料
は、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning):実験室のマニュア
ル(a laboratory manual)、コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor La
boratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリング
・ハーバー(1982)およびギッスマン(Gissman)、
L.、キャンサー・サーベイズ(Cancer Surv.)、:16
1−181(1984)に記載されているような、よく知られた
手段によって、その中で病変からのDNAをクローニング
した細胞からDNAまたはRNAの未知の試料を得ることがで
きる。
本発明の方法において、交差ハイブリダイゼーション
のためのアッセイは、前記核酸雑種と関連した放射性ま
たは非放射性マーカーの存在についてアッセイすること
によって実施できる。特定のマーカーが存在するかどう
かを決定するための方法は、使用するマーカーに依存
し、そしてこの分野においてよく知られている。
HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HP
V 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNA
の検出が、性器の病変から誘導したDNAまたはRNAの未知
の試料の交差ハイブリダイゼーションの疫学的分布と、
それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNA
またはHPV C57 DNAのそれとの比較に基づく、本発明
の実施態様において、DNAまたはRNAの未知の試料は、適
度に厳格なハイブリダイゼーション条件下に、すなわ
ち、2つのHPVが共通のタイプの異なる分離物を表わす
かどうか、あるいは異なるタイプの分離物を表わすかど
うかを決定するためにヒドロキシアパタイトのクロマト
グラフィーを使用して、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV
43 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C57 DNAとの50%
より少ない交差ハイブリダイゼーションを示すことがあ
り、しかも、ここにおける定義によって、それぞれ、な
おHPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HP
V 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNA
と考えることができる。結局、また、試料中において、
それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまた
はRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNA
またはRNAを検出するために、疫学的分布を構成する各
病変の交差ハイブリダイゼーションを比較することが必
要である。これは、異なるHPVのタイプが同一のあるい
は同様な疫学的分布を示すことがあるからである。しか
しながら、疫学的分布を構成うる同一の病変が、それぞ
れ、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたは
HPV C57 DNA、および性器の病変から誘導したDNAまた
はRNAの未知の試料の両者と交差ハイブリダイゼーショ
ンすることを立証することによって、性器の病変から誘
導した未知のDNAまたはRNAの試料が、それぞれ、HPV 3
5 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 D
NAまたはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNAであると
明確に結論することが可能である。
下にいっそう詳しく説明するように、HPV 35 DNAま
たはRNAは、穏和な異形成から侵入性の癌までの頚の病
変のほぼ1%〜4%で存在することが発見された。こう
して、HPV 35 DNAまたはRNAは種々の等級の頚の病変
中にむしろ均一に分布している。
HPV 43 DNAまたはRNAは、両性の頚の病変(例え
ば、穏和な異形成)のほぼ1%〜4%で存在することが
発見されたが、侵入性の癌において見出されなかった。
こうして、HPV 43 DNAまたはRNAは低い等級の頚の病
変中にのみ存在するように思われる。
HPV 44 DNAまたはRNAは、両性の頚の病変のほぼ1
%〜4%で存在することが発見されたが、侵入性の癌に
おいて見出されなかった。こうして、HPV 44 DNAまた
はRNAは低い等級の頚の病変中にのみ存在するように思
われる。
HPV C57 DNAまたはRNAは、両性の頚の病変のほぼ1
%〜4%で存在することが発見され、そして侵入性の癌
の4%で見出された。こうして、HPV C57 DNAまたはR
NAは低い等級の頚の病変および癌中に存在するように思
われる。他方において、他のHPVのタイプ、例えば、HPV
のタイプ6、11、16、18および31は、種々の等級の頚の
病変において異なる分布を示す。
こうして、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAま
たはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DN
AまたはRNAの検出が、性器の病変から誘導したDNAまた
はRNAの未知の試料の交差ハイブリダイゼーションの疫
学的分布と、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、
HPV 44 DNAまたはHPV C57 DNAのそれとの比較に基
づく、本発明の実施態様において、性器の病変から誘導
したDNAまたはRNAの未知の試料は頚の病変と交差ハイブ
リダイゼーションするであろう。交差ハイブリダイゼー
ションのこのような疫学的分布が、性器の病変から誘導
したDNAまたはRNAの未知の試料で発見された場合、この
DNAまたはRNAの未知の試料は、それぞれ、HPV 35 DNA
またはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまた
はRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNAであることがあ
る。疫学的分布を構成する同一の病変が、また、性器の
病変から誘導したDNAまたはRNAの未知の試料と交差ハイ
ブリダイゼーションすることを立証することによって、
性器の病変から誘導したDNAまたはRNAの未知の試料は、
それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまた
はRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNA
またはRNAであると結論することができる。
本発明においてハイブリダイゼーションプローブとし
て使用できるHPV 35 DNAまたはHPV 35 RNAの断片、
HPV 43 DNAまたはHPV 43 RNAの断片、HPV 44 DNA
またはHPV 44 RNAの断片、またはHPV C57 DNAまた
はHPV C57 RNAの断片の特定の大きさは、臨界的では
ない。HPV 35 DNAまたはHPV 35 RNAの断片、HPV 4
3 DNAまたはHPV 43 RNAの断片、HPV 44 DNAまたは
HPV 44 RNAの断片、またはHPV C57 DNAまたはHPV
C57 RNAの断片の大きさは、一本鎖または二本鎖のプロ
ーブを使用するかどうかに依存して、約15〜約8000塩基
または塩基対、好ましくは約300〜約800塩基または塩基
対であることができる。ハイブリダイゼーションをその
場で実施するとき、HPV 35 DNAまたはHPV 35 RNAの
断片、HPV 43 DNAまたはHPV 43 RNAの断片、HPV 4
4 DNAまたはHPV 44 RNAの断片、またはHPV C57 DN
AまたはHPV C57 RNAの断片の大きさは、約500塩基ま
たは塩基対より小さいことが好ましい。なぜなら、この
大きさの断片は、約1000塩基または塩基対より大きいHP
V DNAまたはHPV RNAより効率的にその場でハイブリダ
イゼーションするからである。二本鎖のDNAまたはRNAを
使用するとき、DNAまたはRNAはハイブリダイゼーション
の実施前に変性しなくてはならない。
HPV 35 DNAの断片、HPV 43 DNAの断片、HPV 44
DNAの断片またはHPV C57 DNAの断片は、それぞれ、
HPV 35のクローン2Aおよび2B、HPV 43のクローン2Aお
よび2B、HPV 44のクローン2、またはHPV C57のクロ
ーン2Aまたは2Bの制限エンドヌクレアーゼの消化によっ
て、あるいは商業的に入手可能な合成装置を使用してこ
のようなんものを合成的につくことによって、あるいは
よく知られた手段[サンガー(Sanger)、S.ら、プロシ
ーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、74:5363(1
977)]によって決定できるHPV 35 DNAの配列、HPV
43 DNAの配列、HPV 44 DNAの配列またはHPV C57 D
NAの配列を使用して、よく知られた化学的方法によっ
て、得ることができる。
HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HP
V 44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNA
を検出するとき、それぞれ、HPV 35 ゲノム、HPV 43
ゲノム、HPV 44 ゲノムまたはHPV C57 ゲノムの
実質的にすてをハイブリダイゼーションプローブとして
使用することが好ましい。
次の実施例により本発明をさらに説明する。これらの
実施例は本発明の範囲を限定することを意図しない。特
記しないかぎり、すべての部、百分率、比などは重量に
よる。
実施例1 (A)HPV 35 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、
ワシントン、D.C.から得た頚の腺癌の生検物であった。
合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning):実験室
のマニュアル(a laboratory manual)、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、コールド・
スプリング・ハーバー(1982)に記載されているように
して精製した。より詳しくは、組織を細かく分割し、次
いで1.0mlの50ミリモルのトリス−HCl、pH8.0[0.6%
(w/v)のドデシル硫酸ナトリウムおよび50μg/mlのプ
ロイテナーゼKを含有する]中で37℃において1夜消化
した。生ずる消化物を1.0mlのフェノール:クロロホル
ム(1:1(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の90
%(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水性相か
ら沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリス、1.0
ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以後「TE 緩衝液」)
中に約1.0mg/mlの濃度で再溶解した。
DNAをPst Iで完全に消化し、1%(v/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてDNAを、サザーン(Sou
thern)、E.M.、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、98:503(1975)に記載さ
れているように、ニトロセルロースフィルターに移し
た。次いで、フィルターをストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジ
エントなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31からのDNAでプロ
ービングした。ハイブリダイゼーションは、43℃におい
て、1.0モルのNaCl、50ミリモルのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA、2%(w/v)のド
デジル硫酸ナトリウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μ
g/mlのtRNAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜
実施した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC(1×SS
Cは0.15モルのNaCl+0.015モルのクエン酸ナトリウムで
ある)、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、1.0
ミリモルのEDTAおよび0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナト
リウム中で実施した。ハイブリダイゼーションは、HPV
タイプ6、11、16、18および31でストリンジエントでな
い条件下に達成されたが、ストリンジエントなハイブリ
ダイゼーション条件下に達成されなかった。
得られた精製したDNAおよびλ L47をBamH I制限エン
ドヌクレアーゼで消化した。これは3.75kbおよび4.1kb
の断片を生成し、その合計、すなわち、7.85kbは乳頭腫
ウイルスのゲノムについて典型的な大きさであった。こ
れらの断片の各々をλ L47の単一のBamH I部位中にク
ローニングした。より詳しくは、2.0μgの得られた精
製したDNAおよび2.0μgのλ L47 DNAを10単位のBamH
Iで、合計容量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時間切
断した。次いで、生ずる反応混合物を40μlのTE 緩衝
液で希釈し、そして前述のように等体積のフェノール:
クロロホルムでフェノール抽出した。次いで、水性相を
クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1(v/v))
で抽出し、そして水性相からのDNAを80%(v/v)のエタ
ノールで沈殿させ、そして乾燥した。次いで、乾燥した
DNAを10μlの66ミリモルのトリス−HCl、6.6ミリモル
のMgCl2、10ミリモルのDTTおよび1.0ミリモルのATPから
なる1×リガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2
時間インキュベーションしてλアームをアニールした。
次に、0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約1単
位、および0.5μlの10ミリモルのATP、pH7.0、を反応
溶液に添加し、そして結合を12℃で1夜進行させた。
次に、結合生成物をパッケージングして感染性ファー
ジを形成し、そしてE.coli NM538を感染させるために
使用した。より詳しくは、10g/lのトリプトンおよび5.0
g/lのNaClからなるアガロース平板(以後、「TN 培
地」)上で増殖するE.coli NM538の単一のコロニーを
選択し、そして振盪プラットホーム(250rpm)上の20ml
のTN 培地中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖
させた。次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈
し、そして3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorval
l)HB−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.25中に再
懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
パッケージングした感染性ファージを、商業的に入手
可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッケージングシス
テムで調製した[参照、マニアチス(Maniatis)、T.
ら、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、
コールド・スプリング・ハーバー(1982)]。
0.5モルのトリス−HCl(pH8.0)、0.1モルのNaCl、0.
01モルのMgSO4および0.01%(w/v)のゼラチンからなる
ファージ貯蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/
9cm直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたフ
ァージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試験管
中で、前述のように調製したE.coli NM538の100μlに
添加し、おだやかに混合しそして室温において15分間イ
ンキュベーションした。次いで、細胞−ファージ溶液
を、1リットルにつき10gのトリプチカーゼ大豆ブロ
ス、5.0gのNaClおよび15gの寒天を含むトリプチカーゼ
大豆ブロス寒天平板(これは少なくとも1日前に調製さ
れかつ37℃に前もって加温されている)上にプレイティ
ングした。その後、10ミリモルのMgSO4中に溶解した0.5
%のアガロース(超純粋、電気泳動等級)からなるアガ
ロースのオーバーレイ(overlay)(溶液が沸騰するま
でマイクロ波の炉内で加熱し、次いで使用前45℃に冷却
してある)の3〜5mlを、プレイティングした細胞−フ
ァージの上に配置した。アガロースが固化した後、平板
を循環が良好な37℃の通風インキュベーターに移し、こ
こで平板の蓋に割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉
じ、そして平板を倒立させた。8〜12時間後、プラーク
が現われるようになった。
感染は平板上でバクテリアの全面溶菌生じた。HPV D
NAを有する組換えファージは、ベントン(Benton)、W.
D.ら、サイエンス(Science)、196:180(1977)に記載
されるように、「プラークリフト(plaque lifts)」
を実施することによって局在化した。さらに詳しくは、
全面溶菌の平板を4℃に1時間配置してアガロースを固
化させた。次いで、ニトロセルロースフィルターの適当
な大きさの片を、その中央においてたわませることによ
って、平板の中央に接触させ、そして中央の点をへりに
向けて動かせることによって配置した。次いで、4つの
非対称の孔をニトロセルロースフィルターおよび寒天を
通して小さいゲージの針で開け、そして孔の位置を永久
的マーカーで平板の底にしるしをした。これにより、陽
性のシグナルを含有するニトロセルロースフィルターお
よび他の領域を、平板上の対応する位置に関係づけるこ
とができた。10分後、ニトロセルロースフィルターを除
去し、そしてプラークが上方を向くようにして、ニトロ
セルロースフィルターを、200mlの0.5モルのNaOH、2.0
モルのNaClを含有する皿中に1分間配置することによっ
て、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロースフィル
ターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、2.0モルのNaCl、
pH7.5、中に5分間浸漬することによって中和した。次
に、フィルターを0.9モルのNaCl、0.09モルのクエン酸
ナトリウムからなる6×SSC中で1分間すすぎ、ワット
マン3MM紙で乾燥し、次いで80℃において真空下に30分
間ベーキングした。
その後、プローブとして「ニック翻訳」により32Pで
標識したHPV 16 DNAを使用する厳格でないハイブリダ
イゼーションを、リフトしたプラークから分離したDNA
について実施し[参照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.
ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)およびマニアチス
(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratories)、
ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバー(19
82)]、次いで洗浄およびオートラジオグラフィーを実
施した。さらに詳しくは、ハイブリダイゼーションは、
1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、50ミリモ
ルのN−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル−2−ア
ミノエタンスルホン酸(以後「TES」)、10×デンハル
ト溶液、0.1ミリモルのEDTAおよび10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)からなる溶液中で41℃において実
施した。次いで、厳格でないハイブリダイゼーション
は、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、0.1ミリ
モルのEDTA中の1.1×SSC(0.165モルのNaClおよび0.016
5モルのクエン酸ナトリウムからなる)を使用して52℃
において実施した。
放射性露出の部位と対応づけることによって、HPV 1
6 DNAにハイブリダイゼーションしたDNAを含有する、
ファージを含有する平板の領域を切除し、そして前述の
ようにE.coli NM538を再感染させるために使用した。H
PV DNAを含有するファージのプラークの局在化は、上
の手順を反復することによって達成した。スクリーニン
グした2×105のプラークのうちから7つのプラークが
同定され、そして3つのタイプのクローンが見出され
た。2つのクローンは3.75kbのインサートを示し、2つ
のクローンは4.1kbのインサートを示し、そして2つの
クローンは4.3kbのインサートを示した。すべての同様
な大きさのクローンは同一の制限地図を有した。3.75kb
および4.1kbのクローンは交差ハイブリダイゼーション
しなかった。しかしながら、4.3kbのクローンは3.75kb
のクローンと相同性であり、そしてまたヒトゲノムのDN
Aと相同性であることがわかった。これから示唆される
ように、これらのクローンはヒトDNAおよびHPV 35 DN
Aの組込まれたコピーの間の接合断片を含有し、こうし
てそれ以上分析しなかった。3.75kbの断片を含有するク
ローンはHPV 35 クローン1Aと表示し、そして4.1kbの
断片を含有するクローンはHPV 35 クローン1Bと表示
した。
次いで、HPV 35 クローン1Aおよび1BのHPV DNAをB
amH Iで消化し、そしてpBR322の単一のBamH I部位中で
サブクローニングした。得られる組換えDNAをHPV 35
クローン2Aおよび2Bと表示した。HPV 35 クローン2A
および2Bは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ション(American Type Culture Collection)に、
それぞれ、ATCC No.40330およびATCC No.40331で受託
された。
(B)HPV 35 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 35 クロー
ン2Aおよび2B DNAついて実施して、HPV 35 クローン
2Aおよび2Bが新しいHPVのタイプであることを立証し
た。
より詳しくは、HPV 35 クローン2Aおよび2Bから調
製した32P「ニック翻訳した」DNAを、厳格な条件下にサ
ザンブロッティングによって、HPVのタイプ1〜34から
のDNAの5.0ngに対してハイブリダイゼーションした。HP
Vのタイプ1〜34からのDNAは、インスティチュート・パ
スツール(Institut Pasteur)(フランス国パリ)の
ゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HPVのタイプ
の表示の譲渡人、およびパピロマ・レファランス・セン
ター(Pappilloma Reference Center)(西ドイツ国
ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリアース
(Ethel−Michelle de Villiers)博士から、ニトロ
セルロースフィルター上に予備固定化された形態で入手
した。より詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃
において、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミ
ド、50ミリモルのN−トリス TES、10×デンハルト溶
液、0.5ミリモルのEDTAおよび20ミリモルのリン酸ナト
リウム(pH7.4)からなる溶液中で実施した。次いで、
厳格な洗浄を、65℃において、10ミリモルのリン酸ナト
リウム(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×SSC
(0.0045モルのNaClおよび0.00045モルのクエン酸ナト
リウムからなる)を使用して実施した。
有意の相同性はHPV 35 クローン2Aおよび2Bの組換
えDNAとHPVタイプ6、11、16、18および31との間で厳格
でないハイブリダイゼーション条件下に検出されたが、
厳格なハイブリダイゼーション条件下でHPVのタイプ1
〜34のいずれを使用しても相同性は観測されず、こうし
てHPV 35 クローン2Aおよび2Bは新しいHPVのタイプを
表わすことが立証された。
2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 35についての制限エンドヌクレアーゼ地図を第
1図に示す。次の制限エンドヌクレアーゼはHPV 35 D
NAを切断しなかった:Sph I、Xab I、Nco IおよびHpa
I。
3、ゲノムの構成 HPV 35のゲノムがHPV 6への同一または同様なオー
プンリーディングフレームを有することを立証するため
に、次のハイブリダイゼーションの研究を実施した。HP
V 35 クローン2Aおよび2Bから精製したDNAを、前述の
ように、厳格でない条件下および厳格な条件下にプロー
ブとしてHPV 6 DNAの32P「ニック翻訳した」断片を
使用してサザンブロッティングにかけた。より詳しく
は、BamH I直線化HPV 6bクローンの断片を、EcoR Iお
よびPst Iで発生させ、次いでゲル精製し、32Pでニック
翻訳し、そして次のものを含有するサザンブロットをプ
ロービングするために使用した:(a)HPV 35 クロ
ーン2A DNAの精製したBamH I断片のPst I制限消化物ま
たは(b)HPV 35 クローン2B DNAの精製したBamH I
断片のPvu II−Pst I制限消化物。第2図に示す結果が
立証するように、HPV 35 クローン2Aおよび2BのDNAは
HPV 6と同一のゲノムの構成を有する。
4、疫学的分布 HPV 35 クローン2Aおよび2Bから調製したハイブリ
ダイゼーションプローブはストリンジエントな条件下に
HPV 35 DNAのみに対して効率よくハイブリダイゼーシ
ョンすること、およびこれらのハイブリダイゼーション
プローブはHPV 35を含有する性器の病変を検出するた
めにかつ他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、3
1または33のDNAを含有する性器の病変とこのような性器
の病変を区別するために使用できることを立証するため
に、ワシントン、D.C.の首都圏(マリイランド州および
バージニア州を含む)およびミシガン州および周辺の州
からの、剥脱した細胞を含有する頚の生検物および頚の
スワブの収集物のDNAを、ストリンジエントな条件下お
よび厳格でない条件下の核酸のハイブリダイゼーション
によって、HPV 35に対して特異的なプローブを包含す
る、種々のHPVのタイプに対して特異的なプローブを使
用して、特定のHPV DNAの存在について分析した。生検
物を二分し、この試料の半分は普通の光学顕微鏡のため
の処理し、そして他方の半分は凍結し、そして分子の分
析のために−20℃で貯蔵した。サザンブロットのハイブ
リダイゼーションを実施する組織は、低温保持装置上で
区画して、DNAの抽出のための材料を得た。ほぼすべて
の1/18の区画をヘマトキシリンおよびエオシン着色で着
色し、そして顕微鏡的に検査して、この組織の試料が光
学顕微鏡によって分析される試料の一部に匹敵すること
を確証した。剥脱した頚の細胞は、標準の細胞学的方
法、例えば、乳頭の塗布(pap smear)によって、対を
なす試料について分析し、それらの他方をDNAの分析の
ために使用した。
高分子量のDNAを、前述のように試料から調製した。
精製した細胞のDNAの1〜10μgをPst IまたはBamH Iで
消化し、そして消化した試料を1.0%(w/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてニトロセルロースフィ
ルターに移した。その後、ハイブリダイゼーションを、
前述のようにストリンジエントな条件下に、前述のタイ
プからのニック翻訳した32P標識HPV DNAを使用して実
施した。(HPV 35 DNAについて、HPV 35 クローン2
Aおよび2BからのHPV DNAの混合物を使用した。)註:HP
V DNAはpBR322または関連するベクター中で増殖するの
で、組織試料中のpBR322および関係するベクター様配列
との反応の可能性を最小とするために、すべてのプロー
ブは電気泳動的に精製して、関係するベクター配列のほ
とんどを除去した。追加のハイブリダイゼーションを、
また、標識したpBR322および関係するベクターの存在下
に実施して、組織試料中のプラスミド様配列による、潜
在的な誤った陽性の物質を明らかにした。結果を下表1
に示す。表1における結果は第3図にグラフで示されて
いる。
表1および第3図が立証するように、HPV 35を含有
する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブリダイゼーショ
ンの程度に基準および引続くヒドロキシアパタイトのク
ロマトグラフィーによってばかりでなく、かつまた、性
器の病変の明確な集団、すなわち、他のHPVのタイプを
含有するものに比較して、HPV 35 DNAを含有するも
の、を特異的に検出しかつ同定するHPV 35 DNA プロ
ーブの能力によって、他のHPVのタイプ、例えば、6、1
1、16、18、31および33、を含有する生検物と区別する
ことができる。さらに、第1および第3図中の結果が示
すように、頚に生検物の間のHPV 35 DNAの疫学的分布
はいくつかの他のHPVのタイプについて見出されるもの
と区別される。
実施例2 (A)HPV 43 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、
ミシガン州から得た陰門角質増殖症の生検物であった。
合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning):実験室
のマニュアル(a laboratory manual)、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、コールド・
スプリング・ハーバー(1982)に記載されているように
して精製した。より詳しくは、組織を細かく分割し、次
いで1.0mlの50ミリモルのトリス−HCl、pH8.0[0.6%
(w/v)のドデシル硫酸ナトリウムおよび50μg/mlのプ
ロイテナーゼKを含有する]中で37℃において1夜消化
した。生ずる消化物を1.0mlのフェノール:クロロホル
ム(1:1(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の90
%(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水性相か
ら沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリス、1.0
ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以後「TE 緩衝液」)
中に約1.0mg/mlの濃度で再溶解した。
DNAをPst Iで完全に消化し、1%(v/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてDNAを、サザーン(Sou
thern)、E.M.、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、98:503(1975)に記載さ
れているように、ニトロセルロースフィルターに移し
た。次いで、フィルターをストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジ
エントなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31からのDNAでプロ
ービングした。ハイブリダイゼーションは、43℃におい
て、1.0モルのNaCl、50ミリモルのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA、2%(w/v)のド
デジル硫酸ナトリウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μ
g/mlのtRNAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜
実施した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC(1×SS
Cは0.15モルのNaCl+0.015モルのクエン酸ナトリウムで
ある)、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、1.0
ミリモルのEDTAおよび0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナト
リウム中で実施した。ハイブリダイゼーションは、HPV
タイプ6、11、16、18および31でストリンジエントでな
い条件下に達成されたが、ストリンジエントなハイブリ
ダイゼーション条件下に達成されなかった。
得られた精製したDNAおよびλ L47をBamH I制限エン
ドヌクレアーゼで(これは6.3kbの断片を生成した)ま
たはHind III(これは2.85kbの断片を生成した)で消化
した。その合計、すなわち、9.15kbは乳頭腫ウイルスの
ゲノムより大きい。マッピングにより、6.3kbおよび2.8
5kbの断片はそれらの長さの1.55kbについて重複するこ
とを示した。6.3kbおよび2.85kbの断片によって表わさ
れる重複しないHPV配列の量は、7.6kbすなわちHPV ゲ
ノムの典型的な大きさのほぼ96%である。より詳しく
は、2.0μgの得られた精製したDNAおよび2.0μgのλ
L47 DNAを10単位のBamH Iで、合計容量50μlのTE
緩衝液中で37℃で1時間切断した。次いで、生ずる反応
混合物を400μlのTE 緩衝液で希釈し、そして前述の
ように等体積のフェノール:クロロホルムでフェノール
抽出した。次いで、水性相をクロロホルム:イソアミル
アルコール(24:1(v/v))で抽出し、そして水性相か
らのDNAを80%(v/v)のエタノールで沈殿させ、そして
乾燥した。次いで、乾燥したDNAを10μlの66ミリモル
のトリス−HCl、6.6ミリモルのMgCl2、10ミリモルのDTT
および1.0ミリモルのATPからなる1×リガーゼ緩衝液中
に懸濁させ、そして42℃で2時間インキュベーションし
てλアームをアニールした。次に、0.5μlのT4 DNAリ
ガーゼ、すなわち、約1単位、および0.5μlの10ミリ
モルのATP、pH7.0、を各反応溶液に添加し、そして結合
を12℃で1夜進行させた。
次に、結合生成物をパッケージングして感染性ファー
ジを形成し、そしてE.coli NM538を感染させるために
使用した。より詳しくは、10g/lのトリプトンおよび5.0
g/lのNaClからなるアガロース平板(以後、「TN 培
地」)上で増殖するE.coli NM538の単一のコロニーを
選択し、そして振盪プラットホーム(250rpm)上の20ml
のTN 培地中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖
させた。次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈
し、そして3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorval
l)HB−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.25中に再
懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
パッケージングした感染性ファージを、商業的に入手
可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッケージングシス
テムで調製した[参照、マニアチス(Maniatis)、T.
ら、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、
コールド・スプリング・ハーバー(1982)]。
0.5モルのトリス−HCl(pH8.0)、0.1モルのNaCl、0.
01モルのMgSO4および0.01%(w/v)のゼラチンからなる
ファージ貯蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/
9cm直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたフ
ァージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試験管
中で、前述のように調製したE.coli NM538の100μlに
添加し、おだやかに混合しそして室温において15分間イ
ンキュベーションした。次いで、細胞−ファージ溶液
を、1リットルにつき10gのトリプチカーゼ大豆ブロ
ス、5.0gのNaClおよび15gの寒天を含むトリプチカーゼ
大豆ブロス寒天平板(これは少なくとも1日前に調製さ
れかつ37℃に前もって加温されている)上にプレイティ
ングした。その後、10ミリモルのMgSO4中に溶解した0.5
%のアガロース(超純粋、電気泳動等級)からなるアガ
ロースのオーバーレイ(overlay)(溶液が沸騰するま
でマイクロ波の炉内で加熱し、次いで使用前45℃に冷却
してある)の3〜5mlを、プレイティングした細胞−フ
ァージの上に配置した。アガロースが固化した後、平板
を循環が良好な37℃の通風インキュベーターに移し、こ
こで平板の蓋に割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉
じ、そして平板を倒立させた。8〜12時間後、プラーク
が現われるようになった。
感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生じた。HPV
DNAを有する組換えファージは、ベントン(Bento
n)、W.D.ら、サイエンス(Science)、196:180(197
7)に記載されるように、「プラークリフト(plaque l
ifts)」を実施することによって局在化した。さらに詳
しくは、全面溶菌の平板を4℃に1時間配置してアガロ
ースを固化させた。次いで、ニトロセルロースフィルタ
ーの適当な大きさの片を、その中央においてたわませる
ことによって、平板の中央に接触させ、そして中央の点
をへりに向けて動かせることによって配置した。次い
で、4つの非対称の孔をニトロセルロースフィルターお
よび寒天を通して小さいゲージの針で開け、そして孔の
位置を永久的マーカーで平板の底にしるしをした。これ
により、陽性のシグナルを含有するニトロセルロースフ
ィルターおよび他の領域を、平板上の対応する位置に関
係づけることができた。10分後、ニトロセルロースフィ
ルターを除去し、そしてプラークが上方を向くようにし
て、ニトロセルロースフィルターを、200mlの0.5モルの
NaOH、2.0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置する
ことによって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロ
ースフィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、2.0モ
ルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬することによって中
和した。次に、フィルターを0.9モルのNaCl、0.09モル
のクエン酸ナトリウムからなる6×SSC中で1分間すす
ぎ、ワットマン3MM紙で乾燥し、次いで80℃において真
空下に30分間ベーキングした。
その後、プローブとして「ニック翻訳」により32Pで
標識したHPV 16 DNAを使用するストリンジエントでな
いハイブリダイゼーションを、リフトしたプラークから
分離したDNAについて実施し[参照、リグビイ(Rigb
y)、P.J.W.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)およびマ
ニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborato
ries)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハー
バー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジオグラフ
ィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダイゼーシ
ョンは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、
50ミリモルのN−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル
−2−アミノエタンスルホン酸(以後「TES」)、10×
デンハルト溶液、0.1ミリモルのEDTAおよび10ミリモル
のリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる溶液中で41℃に
おいて実施した。次いで、ストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーションは、10ミリモルのリン酸ナトリウム
(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC(0.165モ
ルのNaClおよび0.0165モルのクエン酸ナトリウムからな
る)を使用して52℃において実施した。
放射性露出の部位と対応づけることによって、HPV 1
6 DNAにハイブリダイゼーションしたDNAを含有する、
ファージを含有する平板の領域を切除し、そして前述の
ようにE.coli NM538を再感染させるために使用した。H
PV DNAを含有するファージのプラークの局在化は、上
の手順を反復することによって達成した。BamH I消化DN
Aを使用するクローニングからスクリーニングした1.65
×105のプラークのうちから1つのプラークが同定され
た。クローニングした断片は6.3kbの大きさを示し、そ
してHPV 43 クローン1Aと表示した。Hind III消化DNA
を使用するクローニングからスクリーニングした9×10
4のプラークのうちから1つのプラークが同定された。
クローニングした断片は2.85kbの大きさを示し、そして
HPV 43 クローン1Bと表示した。
次いで、HPV 43 クローン1Aおよび1BのHPV DNA
を、それぞれ、BamH IまたはHind IIIで消化し、そして
pBR322の単一のBamH IまたはHind III部位中でサブクロ
ーニングした。得られる組換えDNAをHPV 43 クローン
2Aおよび2Bと表示した。HPV 43 クローン2Aおよび2B
は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)に、それぞ
れ、ATCC No.40338およびATCC No.40339で受託され
た。
(B)HPV 43 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 43 クロー
ン2Aおよび2B DNAついて実施して、HPV 43 クローン
2Aおよび2Bが新しいHPVのタイプであることを立証し
た。
より詳しくは、HPV 43 クローン2Aおよび2Bから調
製した32P「ニック翻訳した」DNAを、厳格な条件下にサ
ザンブロッティングによって、HPVのタイプ1〜42から
のDNAの5.0ngに対してハイブリダイゼーションした。HP
Vのタイプ1〜42からのDNAは、インスティチュート・パ
スツール(Institut Pasteur)(フランス国パリ)の
ゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HPVのタイプ
の表示の譲渡人、パピロマ・レファランス・センター
(Pappilloma Reference Center)(西ドイツ国ヘイ
デルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリアース(Et
hel−Michelle de Villiers)博士から、およびライ
フ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Life Te
chnologies,Inc.)から、ニトロセルロースフィルター
上に予備固定化された形態で入手した。より詳しくは、
ハイブリダイゼーションは、41℃において、1.0モルのN
aCl、28%(v/v)のホルムアミド、50ミリモルのN−ト
リス TES、10×デンハルト溶液、0.5ミリモルのEDTAお
よび20ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる
溶液中で実施した。次いで、厳格な洗浄を、65℃におい
て、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、0.1ミリ
モルのEDTA中の0.03×SSC(0.0045モルのNaClおよび0.0
0045モルのクエン酸ナトリウムからなる)を使用して実
施した。
有意の相同性はHPV 43 クローン2Aおよび2Bの組換
えDNAと他のHPVのタイプとの間でストリンジエントでな
いハイブリダイゼーション条件下に検出されたが、スト
リンジエントなハイブリダイゼーション条件下でHPVの
タイプ1〜42のいずれを使用しても相同性は観測され
ず、こうしてHPV 43 クローン2Aおよび2Bは新しいHPV
のタイプを表わすことが立証された。
2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 43 クローン2Aおよび2Bについての制限エンド
ヌクレアーゼ地図を第4図に示す。次の制限エンドヌク
レアーゼはHPV 43 DNAを切断しなかった:EcoR Iおよ
びSph I。
3、ゲノムの構成 HPV 43のゲノムがHPV 6への同一または同様なオー
プンリーディングフレームを有することを立証するため
に、次のハイブリダイゼーションの研究を実施した。HP
V 43 クローン2Aおよび2Bから精製したDNAを、前述の
ように、ストリンジエントでない条件下およびストリン
ジエントな条件下にプローブとしてHPV 6 DNAの32P
「ニック翻訳した」断片を使用してサザンブロッティン
グにかけた。より詳しくは、BamH I直線化HPV 6bクロ
ーンの断片を、EcoR IおよびPst Iで発生させ、次いで
ゲル精製し、32Pでニック翻訳し、そして次のものを含
有するサザンブロットをプロービングするために使用し
た:(a)HPV 43 クローン2A DNAの精製したBamH I
断片のPst I制限消化物またはHPV 43 クローン2B DN
Aの精製したHind III断片のPst I制限消化物。第5図に
示す結果が立証するように、HPV 43 クローン2Aおよ
び2BのDNAはHPV 6と同一のゲノムの構成を有する。
4、疫学的分布 HPV 43 クローン2Aおよび2Bから調製したハイブリ
ダイゼーションプローブは厳格な条件下にHPV 43 DNA
のみに対して効率よくハイブリダイゼーションするこ
と、およびこれらのハイブリダイゼーションプローブは
HPV 43を含有する性器の病変を検出するためにかつ他
のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、31または33
のDNAを含有する性器の病変とこのような性器の病変を
区別するために使用できることを立証するために、ワシ
ントン、D.C.の首都圏(マリイランド州およびバージニ
ア州を含む)およびミシガン州および周辺の州からの、
剥脱した細胞を含有する頚の生検物および頚のスワブの
収集物のDNAを、厳格な条件下および厳格でない条件下
の核酸のハイブリダイゼーションによって、HPV 43に
対して特異的なプローブを包含する、種々のHPVのタイ
プに対して特異的なプローブを使用して、特定のHPV D
NAの存在について分析した。生検物を二分し、この試料
の半分は普通の光学顕微鏡のための処理し、そして他方
の半分は凍結し、そして分子の分析のために−20℃で貯
蔵した。サザンブロットのハイブリダイゼーションを実
施する組織は、低温保持装置上で区画して、DNAの抽出
のための材料を得た。ほぼすべての1/18の区画をヘマト
キシリンおよびエオシン着色で着色し、そして顕微鏡的
に検査して、この組織の試料が光学顕微鏡によって分析
される試料の一部に匹敵することを確証した。剥脱した
頚の細胞は、標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗布
(pap smear)によって、対をなす試料について分析
し、それらの他方をDNAの分析のために使用した。
高分子量のDNAを、前述のように試料から調製した。
精製した細胞のDNAの1〜10μgをPst IまたはBamH Iで
消化し、そして消化した試料を1.0%(w/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてニトロセルロースフィ
ルターに移した。その後、ハイブリダイゼーションを、
前述のようにストリンジエントな条件下に、前述のタイ
プからのニック翻訳した32P標識HPV DNAを使用して実
施した。(HPV 43 DNAについて、HPV 43 クローン2
Aおよび2BからのHPV DNAの混合物を使用した。)註:HP
V DNAは、pT713、pBR322または関連するベクター中で
増殖するので、組織試料中のpT713、pBR322および関係
するベクター様配列との反応の可能性を最小とするため
に、すべてのプローブは電気泳動的に精製して、関係す
るベクター配列のほとんどを除去した。追加のハイブリ
ダイゼーションを、また、標識したpBR322および関係す
るベクターの存在下に実施して、組織試料中のプラスミ
ド様配列による、潜在的な誤った陽性の物質を明らかに
した。結果を下表2に示す。表2における結果は第6図
にグラフで示されている。
表2および第6図が立証するように、HPV 43を含有
する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブリダイゼーショ
ンの程度に基準および引続くヒドロキシアパタイトのク
ロマトグラフィーによってばかりでなく、かつまた、性
器の病変の明確な集団、すなわち、他のHPVのタイプを
含有するものに比較して、HPV 43 DNAを含有するも
の、を特異的に検出しかつ同定するHPV 43 DNA プロ
ーブの能力によって、他のHPVのタイプ、例えば、6、1
1、16、18、31および33、を含有する生検物と区別する
ことができる。さらに、第2および第6図中の結果が示
すように、頚に生検物の間のHPV 43 DNAの疫学的分布
はいくつかの他のHPVのタイプについて見出されるもの
と区別される。
実施例3 (A)HPV 44 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、
ミシガン州から得た陰門コンジロームの生検物であっ
た。合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning):実
験室のマニュアル(a laboratory manual)、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spri
ng Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、コール
ド・スプリング・ハーバー(1982)に記載されているよ
うにして精製した。より詳しくは、組織を細かく分割
し、次いで1.0mlの50ミリモルのトリス−HCl、pH8.0
[0.6%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウムおよび50μg/
mlのプロイテナーゼKを含有する]中で37℃において1
夜消化した。生ずる消化物を1.0mlのフェノール:クロ
ロホルム(1:1(v/v))で2回抽出した。次いで、2容
量の90%(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水
性相から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリ
ス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以後「TE 緩衝
液」)中に約1.0mg/mlの濃度で再溶解した。
DNAをPst Iで完全に消化し、1%(v/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてDNAを、サザーン(Sou
thern)、E.M.、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、98:503(1975)に記載さ
れているように、ニトロセルロースフィルターに移し
た。次いで、フィルターをストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジ
エントなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31からのDNAでプロ
ービングした。ハイブリダイゼーションは、43℃におい
て、1.0モルのNaCl、50ミリモルのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA、2%(w/v)のド
デジル硫酸ナトリウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μ
g/mlのtRNAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜
実施した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC(1×SS
Cは0.15モルのNaCl+0.015モルのクエン酸ナトリウムで
ある)、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、1.0
ミリモルのEDTAおよび0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナト
リウム中で実施した。ハイブリダイゼーションは、HPV
タイプ6、11、16、18および31でストリンジエントでな
い条件下に達成されたが、ストリンジエントなハイブリ
ダイゼーション条件下に達成されなかった。
得られた精製したDNAおよびλ L47をBamH I制限エン
ドヌクレアーゼ(これは7.8kbの断片を生成した)で消
化した。これは乳頭腫ウイルスのゲノムについて典型的
である。この断片をλ L47の単一のBamH I中にクロー
ニングした。より詳しくは、2.0μgの得られた精製し
たDNAおよび2.0μgのλ L47 DNAを10単位のBamH I
で、合計容量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時間切断
した。次いで、生ずる反応混合物を400μlのTE 緩衝
液で希釈し、そして前述のように等体積のフェノール:
クロロホルムでフェノール抽出した。次いで、水性相を
クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1(v/v))
で抽出し、そして水性相からのDNAを80%(v/v)のエタ
ノールで沈殿させ、そして乾燥した。次いで、乾燥した
DNAを10μlの66ミリモルのトリス−HCl、6.6ミリモル
のMgCl2、10ミリモルのDTTおよび1.0ミリモルのATPから
なる1×リガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2
時間インキュベーションしてλアームをアニールした。
次に、0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約1単
位、および0.5μlの10ミリモルのATP、pH7.0、を各反
応溶液に添加し、そして結合を12℃で1夜進行させた。
次に、結合生成物をパッケージングして感染性ファー
ジを形成し、そしてE.coli NM538を感染させるために
使用した。より詳しくは、10g/lのトリプトンおよび5.0
g/lのNaClからなるアガロース平板(以後、「TN 培
地」)上で増殖するE.coli NM538の単一のコロニーを
選択し、そして振盪プラットホーム(250rpm)上の20ml
のTN 培地中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖
させた。次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈
し、そして3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorval
l)HB−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.25中に再
懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
パッケージングした感染性ファージを、商業的に入手
可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッケージングシス
テムで調製した[参照、マニアチス(Maniatis)、T.
ら、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、
コールド・スプリング・ハーバー(1982)]。
0.5モルのトリス−HCl(pH8.0)、0.1モルのNaCl、0.
01モルのMgSO4および0.01%(w/v)のゼラチンからなる
ファージ貯蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/
9cm直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたフ
ァージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試験管
中で、前述のように調製したE.coli NM538の100μlに
添加し、おだやかに混合しそして室温において15分間イ
ンキュベーションした。次いで、細胞−ファージ溶液
を、1リットルにつき10gのトリプチカーゼ大豆ブロ
ス、5.0gのNaClおよび15gの寒天を含むトリプチカーゼ
大豆ブロス寒天平板(これは少なくとも1日前に調製さ
れかつ37℃に前もって加温されている)上にプレイティ
ングした。その後、10ミリモルのMgSO4中に溶解した0.5
%のアガロース(超純粋、電気泳動等級)からなるアガ
ロースのオーバーレイ(overlay)(溶液が沸騰するま
でマイクロ波の炉内で加熱し、次いで使用前45℃に冷却
してある)の3〜5mlを、プレイティングした細胞−フ
ァージの上に配置した。アガロースが固化した後、平板
を循環が良好な37℃の通風インキュベーターに移し、こ
こで平板の蓋に割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉
じ、そして平板を倒立させた。8〜12時間後、プラーク
が現われるようになった。
感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生じた。HPV
DNAを有する組換えファージは、ベントン(Bento
n)、W.D.ら、サイエンス(Science)、196:180(197
7)に記載されるように、「プラークリフト(plaque l
ifts)」を実施することによって局在化した。さらに詳
しくは、全面溶菌の平板を4℃に1時間配置してアガロ
ースを固化させた。次いで、ニトロセルロースフィルタ
ーの適当な大きさの片を、その中央においてたわませる
ことによって、平板の中央に接触させ、そして中央の点
をへりに向けて動かせることによって配置した。次い
で、4つの非対称の孔をニトロセルロースフィルターお
よび寒天を通して小さいゲージの針で開け、そして孔の
位置を永久的マーカーで平板の底にしるしをした。これ
により、陽性のシグナルを含有するニトロセルロースフ
ィルターおよび他の領域を、平板上の対応する位置に関
係づけることができた。10分後、ニトロセルロースフィ
ルターを除去し、そしてプラークが上方を向くようにし
て、ニトロセルロースフィルターを、200mlの0.5モルの
NaOH、2.0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置する
ことによって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロ
ースフィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、2.0モ
ルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬することによって中
和した。次に、フィルターを0.9モルのNaCl、0.09モル
のクエン酸ナトリウムからなる6×SSC中で1分間すす
ぎ、ワットマン3MM紙で乾燥し、次いで80℃において真
空下に30分間ベーキングした。
その後、プローブとして「ニック翻訳」により32Pで
標識したHPV 16 DNAを使用する厳格でないハイブリダ
イゼーションを、リフトしたプラークから分離したDNA
について実施し[参照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.
ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)およびマニアチス
(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratories)、
ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバー(19
82)]、次いで洗浄およびオートラジオグラフィーを実
施した。さらに詳しくは、ハイブリダイゼーションは、
1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、50ミリモ
ルのN−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル−2−ア
ミノエタンスルホン酸(以後「TES」)、10×デンハル
ト溶液、0.1ミリモルのEDTAおよび10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)からなる溶液中で41℃において実
施した。次いで、ストリンジエントでないハイブリダイ
ゼーションは、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC(0.165モルのNaC
lおよび0.0165モルのクエン酸ナトリウムからなる)を
使用して52℃において実施した。
放射性露出の部位と対応づけることによって、HPV 1
6 DNAにハイブリダイゼーションしたDNAを含有する、
ファージを含有する平板の領域を切除し、そして前述の
ようにE.coli NM538を再感染させるために使用した。H
PV DNAを含有するファージのプラークの局在化は、上
の手順を反復することによって達成した。スクリーニン
グした2×105のプラークのうちから6つのプラークが
同定された。すべてのクローンは同一の制限地図を有し
た。クローンの1つをそれ以上の研究のために選択し、
そしてHPV 44 クローン1と表示した。
次いで、HPV 44 クローン1のHPV DNAをBamH Iで
消化し、そしてpT713の単一のBamH I部位中でサブクロ
ーニングした。得られる組換えDNAをHPV 44 クローン
2と表示した。HPV 44 クローン2は、アメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(American Type
Culture Collection)にATCC No.40353で受託され
た。
(B)HPV 44 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 44 クロー
ン2 DNAついて実施して、HPV 44 クローン2が新し
いHPVのタイプであることを立証した。
より詳しくは、HPV 44 クローン2から調製した32P
「ニック翻訳した」DNAを、ストリンジエントな条件下
にサザンブロッティングによって、HPVのタイプ1〜43
からのDNAの5.0ngに対してハイブリダイゼーションし
た。HPVのタイプ1〜43からのDNAは、インスティチュー
ト・パスツール(Institut Pasteur)(フランス国パ
リ)のゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HPVの
タイプの表示の譲渡人、およびパピロマ・レファランス
・センター(Pappilloma Reference Center)(西ド
イツ国ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリ
アース(Ethel−Michelle de Villiers)博士から、
およびライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(Life Technologies,Inc.)から、ニトロセルロース
フィルター上に予備固定化された形態で入手した。より
詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃において、
1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、50ミリモ
ルのN−トリス TES、10×デンハルト溶液、0.5ミリモ
ルのEDTAおよび20ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)からなる溶液中で実施した。次いで、ストリンジエ
ントな洗浄を、65℃において、10ミリモルのリン酸ナト
リウム(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×SSC
(0.0045モルのNaClおよび0.00045モルのクエン酸ナト
リウムからなる)を使用して実施した。
有意の相同性はHPV 44 クローン2の組換えDNAと他
のHPVのタイプとの間でストリンジエントでないハイブ
リダイゼーション条件下に検出されたが、厳格なハイブ
リダイゼーション条件下でHPVのタイプ1〜43のいずれ
を使用しても相同性は観測されず、こうしてHPV 44
クローン2は新しいHPVのタイプを表わすことが立証さ
れた。
2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 44 クローン2についての制限エンドヌクレア
ーゼ地図を第7図に示す。次の制限エンドヌクレアーゼ
はHPV 44 DNAを切断しなかった:Bgl I、Bgl II、Cla
I、EcoR V、Hind III、Nru I、Sal I、Sph I、Sst Iお
よびXho I。
3、ゲノムの構成 HPV 44のゲノムがHPV 6への同一または同様なオー
プンリーディングフレームを有することを立証するため
に、次のハイブリダイゼーションの研究を実施した。HP
V 44 クローン2から精製したDNAを、前述のように、
ストリンジエントでない条件下および厳格な条件下にプ
ローブとしてHPV 6 DNAの32P「ニック翻訳した」断
片を使用してサザンブロッティングにかけた。より詳し
くは、BamH I直線化HPV 6bクローンの断片を、EcoR I
およびPst Iで発生させ、次いでゲル精製し、32Pでニッ
ク翻訳し、そしてHPV 44 クローン2 DNAの精製した
Hpa I断片のNco I制限消化物を含有するサザンブロット
をプロービングするために使用した。第8図に示す結果
が立証するように、HPV 44 クローン2のDNAはHPV
6と同一のゲノムの構成を有する。
4、疫学的分布 HPV 44 クローン2から調製したハイブリダイゼー
ションプローブはストリンジエントな条件下にHPV 44
DNAのみに対して効率よくハイブリダイゼーションす
ること、およびこれらのハイブリダイゼーションプロー
ブはHPV 44を含有する性器の病変を検出するためにか
つ他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、31また
は33のDNAを含有する性器の病変とこのような性器の病
変を区別するために使用できることを立証するために、
ワシントン、D.C.の首都圏(マリイランド州およびバー
ジニア州を含む)およびミシガン州および周辺の州から
の、剥脱した細胞を含有する頚の生検物および頚のスワ
ブの収集物のDNAを、ストリンジエントな条件下および
厳格でない条件下の核酸のハイブリダイゼーションによ
って、HPV 44に対して特異的なプローブを包含する、
種々のHPVのタイプに対して特異的なプローブを使用し
て、特定のHPV DNAの存在について分析した。生検物を
二分し、この試料の半分は普通の光学顕微鏡のための処
理し、そして他方の半分は凍結し、そして分子の分析の
ために−20℃で貯蔵した。サザンブロットのハイブリダ
イゼーションを実施する組織は、低温保持装置上で区画
して、DNAの抽出のための材料を得た。ほぼすべての1/1
8の区画をヘマトキシリンおよびエオシン着色で着色
し、そして顕微鏡的に検査して、この組織の試料が光学
顕微鏡によって分析される試料の一部に匹敵することを
確証した。剥脱した頚の細胞は、標準の細胞学的方法、
例えば、乳頭の塗布(pap smear)によって、対をなす
試料について分析し、それらの他方をDNAの分析のため
に使用した。
高分子量のDNAを、前述のように試料から調製した。
精製した細胞のDNAの1〜10μgをPst IまたはBamH Iで
消化し、そして消化した試料を1.0%(w/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてニトロセルロースフィ
ルターに移した。その後、ハイブリダイゼーションを、
前述のように厳格な条件下に、前述のタイプからのニッ
ク翻訳した32P標識HPV DNAを使用して実施した。註:HP
V DNAは、pT713または関連するベクター中で増殖する
ので、組織試料中のpT713および関係するベクター様配
列との反応の可能性を最小とするために、すべてのプロ
ーブは電気泳動的に精製して、関係するベクター配列の
ほとんどを除去した。追加のハイブリダイゼーション
を、また、標識したpT713またはpBR322および関係する
ベクターの存在下に実施して、組織試料中のプラスミド
様配列による、潜在的な誤った陽性の物質を明らかにし
た。結果を下表3に示す。表3における結果は第9図に
グラフで示されている。
表3および第9図が立証するように、HPV 44を含有
する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブリダイゼーショ
ンの程度に基準および引続くヒドロキシアパタイトのク
ロマトグラフィーによってばかりでなく、かつまた、性
器の病変の明確な集団、すなわち、他のHPVのタイプを
含有するものに比較して、HPV 44 DNAを含有するも
の、を特異的に検出しかつ同定するHPV 44 DNA プロ
ーブの能力によって、他のHPVのタイプ、例えば、6、1
1、16、18、31および33、を含有する生検物と区別する
ことができる。さらに、表3および第9図中の結果が示
すように、頚に生検物の間のHPV 44 DNAの疫学的分布
はいくつかの他のHPVのタイプについて見出されるもの
と区別される。
実施例4 (A)HPV C57 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、
ミシガン州から得た陰門コンジロームの生検物であっ
た。合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning):実
験室のマニュアル(a laboratory manual)、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spri
ng Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、コール
ド・スプリング・ハーバー(1982)に記載されているよ
うにして精製した。より詳しくは、組織を細かく分割
し、次いで1.0mlの50ミリモルのトリス−HCl、pH8.0
[0.6%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウムおよび50μg/
mlのプロイテナーゼKを含有する]中で37℃において1
夜消化した。生ずる消化物を1.0mlのフェノール:クロ
ロホルム(1:1(v/v))で2回抽出した。次いで、2容
量の90%(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水
性相から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリ
ス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以後「TE 緩衝
液」)中に約1.0mg/mlの濃度で再溶解した。
DNAをPst Iで完全に消化し、1%(v/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてDNAを、サザーン(Sou
thern)、E.M.、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、98:503(1975)に記載さ
れているように、ニトロセルロースフィルターに移し
た。次いで、フィルターをストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジ
エントなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31からのDNAでプロ
ービングした。ハイブリダイゼーションは、43℃におい
て、1.0モルのNaCl、50ミリモルのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA、2%(w/v)のド
デジル硫酸ナトリウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μ
g/mlのtRNAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜
実施した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC(1×SS
Cは0.15モルのNaCl+0.015モルのクエン酸ナトリウムで
ある)、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)、1.0
ミリモルのEDTAおよび0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナト
リウム中で実施した。ハイブリダイゼーションは、HPV
タイプ6、11、16、18および31でストリンジエントでな
い条件下に達成されたが、厳格なハイブリダイゼーショ
ン条件下に達成されなかった。
得られた精製したDNAおよびλ L47をEcoR I制限エン
ドヌクレアーゼで消化した。これは5.1kbの断片を生成
した。これは典型的乳頭腫ウイルスのゲノムの大きさの
ほぼ65%を表わす。この断片をλ L47の単一のEcoR I
部位中にクローニングした。他の得られた精製したDNA
の他の部分をBamH I制限エンドヌクレアーゼで消化し
た。これは5.9kbの断片を生成した。これは典型的乳頭
腫ウイルスのゲノムの大きさのほぼ75%を表わす。この
断片をλ L47の単一のEcoR I部位中にクローニングし
た。より詳しくは、2.0μgの得られた精製したDNAおよ
び2.0μgのλ L47 DNAを10単位のBamH Iで、合計容
量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時間切断した。次い
で、生ずる反応混合物を400μlのTE 緩衝液で希釈
し、そして前述のように等体積のフェノール:クロロホ
ルムでフェノール抽出した。次いで、水性相をクロロホ
ルム:イソアミルアルコール(24:1(v/v))で抽出
し、そして水性相からのDNAを80%(v/v)のエタノール
で沈殿させ、そして乾燥した。次いで、乾燥したDNAを1
0μlの66ミリモルのトリス−HCl、6.6ミリモルのMgC
l2、10ミリモルのDTTおよび1.0ミリモルのATPからなる
1×リガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2時間
インキュベーションしてλアームをアニールした。次
に、0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約1単位、
および0.5μlの10ミリモルのATP、pH7.0、を各反応溶
液に添加し、そして結合を12℃で1夜進行させた。
次に、結合生成物をパッケージングして感染性ファー
ジを形成し、そしてE.coli NM538を感染させるために
使用した。より詳しくは、10g/lのトリプトンおよび5.0
g/lのNaClからなるアガロース平板(以後、「TN 培
地」)上で増殖するE.coli NM538の単一のコロニーを
選択し、そして振盪プラットホーム(250rpm)上の20ml
のTN 培地中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖
させた。次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈
し、そして3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorval
l)HB−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.25中に再
懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
パッケージングした感染性ファージを、商業的に入手
可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッケージングシス
テムで調製した[参照、マニアチス(Maniatis)、T.
ら、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、
コールド・スプリング・ハーバー(1982)]。
0.5モルのトリス−HCl(pH8.0)、0.1モルのNaCl、0.
01モルのMgSO4および0.01%(w/v)のゼラチンからなる
ファージ貯蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/
9cm直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたフ
ァージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試験管
中で、前述のように調製したE.coli NM538の100μlに
添加し、おだやかに混合しそして室温において15分間イ
ンキュベーションした。次いで、細胞−ファージ溶液
を、1リットルにつき10gのトリプチカーゼ大豆ブロ
ス、5.0gのNaClおよび15gの寒天を含むトリプチカーゼ
大豆ブロス寒天平板(これは少なくとも1日前に調製さ
れかつ37℃に前もって加温されている)上にプレイティ
ングした。その後、10ミリモルのMgSO4中に溶解した0.5
%のアガロース(超純粋、電気泳動等級)からなるアガ
ロースのオーバーレイ(overlay)(溶液が沸騰するま
でマイクロ波の炉内で加熱し、次いで使用前45℃に冷却
してある)の3〜5mlを、プレイティングした細胞−フ
ァージの上に配置した。アガロースが固化した後、平板
を循環が良好な37℃の通風インキュベーターに移し、こ
こで平板の蓋に割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉
じ、そして平板を倒立させた。8〜12時間後、プラーク
が現われるようになった。
感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生じた。HPV
DNAを有する組換えファージは、ベントン(Bento
n)、W.D.ら、サイエンス(Science)、196:180(197
7)に記載されるように、「プラークリフト(plaque l
ifts)」を実施することによって局在化した。さらに詳
しくは、全面溶菌の平板を4℃に1時間配置してアガロ
ースを固化させた。次いで、ニトロセルロースフィルタ
ーの適当な大きさの片を、その中央においてたわませる
ことによって、平板の中央に接触させ、そして中央の点
をへりに向けて動かせることによって配置した。次い
で、4つの非対称の孔をニトロセルロースフィルターお
よび寒天を通して小さいゲージの針で開け、そして孔の
位置を永久的マーカーで平板の底にしるしをした。これ
により、陽性のシグナルを含有するニトロセルロースフ
ィルターおよび他の領域を、平板上の対応する位置に関
係づけることができた。10分後、ニトロセルロースフィ
ルターを除去し、そしてプラークが上方を向くようにし
て、ニトロセルロースフィルターを、200mlの0.5モルの
NaOH、2.0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置する
ことによって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロ
ースフィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、2.0モ
ルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬することによって中
和した。次に、フィルターを0.9モルのNaCl、0.09モル
のクエン酸ナトリウムからなる6×SSC中で1分間すす
ぎ、ワットマン3MM紙で乾燥し、次いで80℃において真
空下に30分間ベーキングした。
その後、プローブとして「ニック翻訳」により32Pで
標識したHPV 16 DNAを使用するストリンジエントでな
いハイブリダイゼーションを、リフトしたプラークから
分離したDNAについて実施し[参照、リグビイ(Rigb
y)、P.J.W.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)およびマ
ニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborato
ries)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハー
バー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジオグラフ
ィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダイゼーシ
ョンは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、
50ミリモルのN−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル
−2−アミノエタンスルホン酸(以後「TES」)、10×
デンハルト溶液、0.1ミリモルのEDTAおよび10ミリモル
のリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる溶液中で41℃に
おいて実施した。次いで、ストリンジエントでないハイ
ブリダイゼーションは、10ミリモルのリン酸ナトリウム
(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC(0.165モ
ルのNaClおよび0.0165モルのクエン酸ナトリウムからな
る)を使用して52℃において実施した。
放射性露出の部位と対応づけることによって、HPV 1
6 DNAにハイブリダイゼーションしたDNAを含有する、
ファージを含有する平板の領域を切除し、そして前述の
ようにE.coli NM538を再感染させるために使用した。H
PV DNAを含有するファージのプラークの局在化は、上
の手順を反復することによって達成した。EcoR I消化DN
Aを使用するクローニングからスクリーニングした1.5×
105のプラークのうちから2つのプラークが同定され
た。両者のクローンは同一の制限地図を有した。クロー
ンの一方をさらに研究するために選択し、そしてそして
HPV C57 クローン1Aと表示した。1つのクローンはBa
mH I消化DNAを使用するクローニングからスクリーニン
グした5×104のプラークのうちから同定され、そしてH
PV C57 クローン1Bと表示した。同定された。クロー
ニングした断片は2.85kbの大きさを示し、そしてHPV C
57 クローン1Bと表示した。
次いで、HPV C57 クローン1Aおよび1BのHPV DNA
を、それぞれ、EcoR IまたはBamH Iで消化し、そしてpT
713の単一のEcoR IまたはBamH I部位中でサブクローニ
ングした。得られる組換えDNAをHPV C57 クローン2A
および2Bと表示した。HPV C57 クローン2Aおよび2B
は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)に、それぞ
れ、ATCC No.40341およびATCC No.40379で受託され
た。
(B)HPV C57 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV C57 クロー
ン2Aおよび2B DNAついて実施して、HPV C57 クロー
ン2Aおよび2Bが新しいHPVのタイプであることを立証し
た。
より詳しくは、HPV C57 クローン2Aおよび2Bから調
製した32P「ニック翻訳した」DNAを、ストリンジエント
な条件下にサザンブロッティングによって、HPVのタイ
プ1〜45からのDNAの5.0ngに対してハイブリダイゼーシ
ョンした。HPVのタイプ1〜45からのDNAは、インスティ
チュート・パスツール(Institut Pasteur)(フラン
ス国パリ)のゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、
HPVのタイプの表示の譲渡人、パピロマ・レファランス
・センター(Pappilloma Reference Center)(西ド
イツ国ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリ
アース(Ethel−Michelle de Villiers)博士から、
およびライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(Life Technologies,Inc.)から、ニトロセルロース
フィルター上に予備固定化された形態で入手した。より
詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃において、
1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミド、50ミリモ
ルのN−トリス TES、10×デンハルト溶液、0.5ミリモ
ルのEDTAおよび20ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)からなる溶液中で実施した。次いで、ストリンジエ
ントな洗浄を、65℃において、10ミリモルのリン酸ナト
リウム(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×SSC
(0.0045モルのNaClおよび0.00045モルのクエン酸ナト
リウムからなる)を使用して実施した。
有意の相同性はHPV C57 クローン2Aおよび2Bの組換
えDNAと他のHPVのタイプとの間でストリンジエントでな
いハイブリダイゼーション条件下に検出されたが、スト
リンジエントなハイブリダイゼーション条件下でHPVの
タイプ1〜45のいずれを使用しても相同性は観測され
ず、こうしてHPV C57 クローン2Aおよび2Bは新しいHP
Vのタイプを表わすことが立証された。
2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV C57 クローン2Aおよび2Bについての制限エンド
ヌクレアーゼ地図を第10図に示す。次の制限エンドヌク
レアーゼはHPV C57 DNAを切断しなかった:Bgl II、Nc
o I、Hind III、Sal I、Sst IおよびXba I。
3、ゲノムの構成 HPV C57のゲノムがHPV 6への同一または同様なオ
ープンリーディングフレームを有することを立証するた
めに、次のハイブリダイゼーションの研究を実施した。
HPV C57 クローン2Aおよび2Bから精製したDNAを、前
述のように、ストリンジエントでない条件下およびスト
リンジエントな条件下にプローブとしてHPV 6 DNAの
32P「ニック翻訳した」断片を使用してサザンブロッテ
ィングにかけた。より詳しくは、BamH I直線化HPV 6b
クローンの断片を、EcoR IおよびPst Iで発生させ、次
いでゲル精製し、32Pでニック翻訳し、そしてHPV C57
クローン2A DNAの精製したEcoR I断片+EcoR V制限
消化物およびHPV C57 クローン2A DNAの精製したBam
H I断片のEcoR I+EcoR V消化物を含有するサザンブロ
ットをプロービングするために使用した。第11図に示す
結果が立証するように、HPV C57 クローン2Aおよび2B
のDNAはHPV 6と同一のゲノムの構成を有する。
4、疫学的分布 HPV C57 クローン2Aおよび2Bから調製したハイブリ
ダイゼーションプローブはストリンジエントな条件下に
HPV C57 DNAのみに対して効率よくハイブリダイゼー
ションすること、およびこれらのハイブリダイゼーショ
ンプローブはHPV C57を含有する性器の病変を検出する
ためにかつ他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、1
8、31または33のDNAを含有する性器の病変とこのような
性器の病変を区別するために使用できることを立証する
ために、ワシントン、D.C.の首都圏(マリイランド州お
よびバージニア州を含む)およびミシガン州および周辺
の州からの、剥脱した細胞を含有する頚の生検物および
頚のスワブの収集物のDNAを、ストリンジエントな条件
下およびストリンジエントでない条件下の核酸のハイブ
リダイゼーションによって、HPV C57に対して特異的な
プローブを包含する、種々のHPVのタイプに対して特異
的なプローブを使用して、特定のHPV DNAの存在につい
て分析した。生検物を二分し、この試料の半分は普通の
光学顕微鏡のための処理し、そして他方の半分は凍結
し、そして分子の分析のために−20℃で貯蔵した。サザ
ンブロットのハイブリダイゼーションを実施する組織
は、低温保持装置上で区画して、DNAの抽出のための材
料を得た。ほぼすべての1/18の区画をヘマトキシリンお
よびエオシン着色で着色し、そして顕微鏡的に検査し
て、この組織の試料が光学顕微鏡によって分析される試
料の一部に匹敵することを確証した。剥脱した頚の細胞
は、標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗布(pap s
mear)によって、対をなす試料について分析し、それら
の他方をDNAの分析のために使用した。
高分子量のDNAを、前述のように試料から調製した。
精製した細胞のDNAの1〜10μgをPst IまたはBamH Iで
消化し、そして消化した試料を1.0%(w/v)のアガロー
スゲル中で電気泳動させ、そしてニトロセルロースフィ
ルターに移した。その後、ハイブリダイゼーションを、
前述のようにストリンジエントな条件下に、前述のタイ
プからのニック翻訳した32P標識HPV DNAを使用して実
施した。(HPV C57 DNAについて、HPV C57 クロー
ン2Aおよび2BからのHPV DNAの混合物を使用した。)
註:HPV DNAは、pT713または関連するベクター中で増殖
するので、組織試料中のpT713および関係するベクター
様配列との反応の可能性を最小とするために、すべての
プローブは電気泳動的に精製して、関係するベクター配
列のほとんどを除去した。追加のハイブリダイゼーショ
ンを、また、標識したpT713またはpBR322および関係す
るベクターの存在下に実施して、組織試料中のプラスミ
ド様配列による、潜在的な誤った陽性の物質を明らかに
した。結果を下表4に示す。表4における結果は第12図
にグラフで示されている。
表4および第12図が立証するように、HPV C57を含有
する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブリダイゼーショ
ンの程度に基準および引続くヒドロキシアパタイトのク
ロマトグラフィーによってばかりでなく、かつまた、性
器の病変の明確な集団、すなわち、他のHPVのタイプを
含有するものに比較して、HPV C57 DNAを含有するも
の、を特異的に検出しかつ同定するHPV C57 DNA プ
ローブの能力によって、他のHPVのタイプ、例えば、
6、11、16、18、31および33、を含有する生検物と区別
することができる。さらに、表4および第12図中の結果
が示すように、頚に生検物の間のHPV C57 DNAの疫学
的分布はいくつかの他のHPVのタイプについて見出され
るものと区別される。
本発明を詳細にかつ特定の実施態様に関して説明した
が、種々の変更および修正は本発明の精神および範囲を
逸脱しないで可能でることが明らかである。
本発明の主な特徴および態様は以下の通りである。
1、クローニングベクターおよび、それぞれ、HPV 35
DNAまたはその断片の実質的にすべて、HPV 43 DNA
またはその断片の実質的にすべて、HPV 44 DNAまたは
その断片の実質的にすべて、またはHPV C57 DNAまた
はその断片の実質的にすべてを含んでなることを特徴と
するHPV 35、HPV 43、HPV 44またはHPV C57の組換
えDNA。
2、前記クローニングベクターは、pBR322、pUC11、λ
シャロン、λ L47、M13誘導バクテリオファージ、pZIP
−Neo SV[X1]、pBKTK−1、pT712およびpT713から成
る群より選択される上記第1項記載の組換えDNA。
3、前記断片は約15〜約8000塩基対の大きさである上記
第1項記載の組換えDNA。
4、前記断片は約300〜約800塩基対の大きさである上記
第3項記載の組換えDNA。
5、前記組換えDNAはHPV 35 クローン2Aおよび2B(そ
れぞれ、ATCC No.40330およびATCC No.40331)、HPV
43 クローン2Aおよび2B(それぞれ、ATCC No.40338
およびATCC No.40339)、HPV 44 クローン(ATCC N
o.40353)またはHPV C57 クローン2Aおよび2B(それ
ぞれ、ATCC No.40341およびATCC No.40379)の同定特
性を有する上記第1項記載の組換えDNA。
6、前記組換えDNAのHPV DNAはマーカーで標識されて
いる上記第1項記載の組換えDNA。
7、前記マーカーは放射性マーカーである上記第6項記
載の組換えDNA。
8、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第7項記載の組換
えDNA。
9、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
6項記載の組換えDNA。
10、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第9項記載の組換えDNA。
11、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第9項記載の組換えDN
A。
12、本質的に純粋なHPV 35 DNAまたはその断片、本質
的に純粋なHPV 43 DNAまたはその断片、本質的に純粋
なHPV 44 DNAまたはその断片、または本質的に純粋な
HPV C57 DNAまたはその断片。
13、前記HPV DNAまたはその断片は生物学的に産生され
る上記第12項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
14、前記HPV DNAまたはその断片は化学的に産生される
上記第12項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
15、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第12項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
16、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第15項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
17、前記HPV DNAまたはその断片はマーカーで標識され
ている上記第12項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
18、前記マーカーは放射性マーカーである上記第17項記
載の本質的に純粋なHPV DNA。
19、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第18項記載の本質
的に純粋なHPV DNA。
20、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
17項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
21、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第20項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
22、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第20項記載の本質的に純
粋なHPV DNA。
23、本質的に純粋なHPV 35 RNAまたはその断片、本質
的に純粋なHPV 43 RNAまたはその断片、本質的に純粋
なHPV 44 RNAまたはその断片、または本質的に純粋な
HPV C57 RNAまたはその断片。
24、前記HPV RNAまたはその断片は生物学的に産生され
る上記第23項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
25、前記HPV RNAまたはその断片は化学的に産生される
上記第23項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
26、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第23項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
27、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第26項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
28、前記HPV RNAまたはその断片はマーカーで標識され
ている上記第23項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
29、前記マーカーは放射性マーカーである上記第28項記
載の本質的に純粋なHPV RNA。
30、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第29項記載の本質
的に純粋なHPV RNA。
31、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
28項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
32、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第31項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
33、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第31項記載の本質的に純
粋なHPV RNA。
34、(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNAまたはそ
の断片、(ii)マーカーで標識されたHPV 35 RNAまた
はその断片、(iii)マーカーで標識されたHPV 43 DN
Aまたはその断片、(iv)マーカーで標識されたHPV 43
RNAまたはその断片、(v)マーカーで標識されたHPV
44 DNAまたはその断片、(vi)マーカーで標識され
たHPV 44 RNAまたはその断片、(vii)マーカーで標
識されたHPV C57 DNAまたはその断片および(viii)
マーカーで標識されたHPV C57 RNAまたはその断片か
ら成る群より選択されるHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ。
35、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第34項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ。
36、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第35項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ。
37、前記マーカーは放射性マーカーである上記第34項記
載のHPVハイブリダイゼーションプローブ。
38、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第37項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ。
39、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
34項記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ。
40、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第39項記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ。
41、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第39項記載のHPVハイブ
リダイゼーションプローブ。
42、(a)(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNAま
たはその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV 3
5 RNAまたはその断片から成る群より選択される構成
員、および(b)マーカーで標識された少なくとも1つ
の他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたはその断片、ある
いは(a′)(i)マーカーで標識されたHPV 43 DNA
またはその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV
43 RNAまたはその断片から成る群より選択される構
成員、および(b′)マーカーで標識された少なくとも
1つの他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたはその断片、
あるいは(a″)(i)マーカーで標識されたHPV 44
DNAまたはその断片および(ii)マーカーで標識され
たHPV 44 RNAまたはその断片から成る群より選択され
る構成員、および(b″)マーカーで標識された少なく
とも1つの他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたはその断
片、あるいは(a)(i)マーカーで標識されたHPV
C57 DNAまたはその断片および(ii)マーカーで標識
されたHPV C57 RNAまたはその断片から成る群より選
択される構成員、および(b)マーカーで標識された
少なくとも1つの他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたは
その断片から成る群より選択されるHPVハイブリダイゼ
ーションプローブ組成物。
43、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第42項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ組成物。
44、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第43項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ組成物。
45、前記マーカーは放射性マーカーである上記第42項記
載のHPVハイブリダイゼーションプローブ組成物。
46、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第45項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ組成物。
47、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
42項記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ組成
物。
48、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第47項記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ組
成物。
49、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第47項記載のHPVハイブ
リダイゼーションプローブ組成物。
50、前記他のHVPタイプはHVP 6、HVP 11、HVP 16、
HVP 18およびHVP 31から成る群より選択される少なく
とも1種の構成員である上記第42項記載のハイブリダイ
ゼーションプローブ組成物。
51、前記他のHVPタイプはHVP 16、HVP 18およびHVP
31から成る群より選択される少なくとも1種の構成員で
ある上記第50項記載のハイブリダイゼーションプローブ
組成物。
52、前記他のHVPタイプはHVP 16、HVP 18およびHVP
31である上記第51項記載のハイブリダイゼーションプロ
ーブ組成物。
53、工程: (1)ストリンジエントでない条件下に、 (a)(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNAまた
はその断片、マーカーで標識されたHPV 43 DNAまたは
その断片、マーカーで標識されたHPV 44 DNAまたはそ
の断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57 DNA
またはその断片、および (ii)マーカーで標識されたHPV 35 RNAまたはそ
の断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNAまたはその
断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAまたはその断
片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57 RNAまた
はその断片、 から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中のHVPのDNAまたはRNAを検出す
る、 を含んでなることを特徴とするHVPのDNAまたはRNAを検
出する方法。
54、DNAまたはRNAの前記未知の試料は性器、のど、口ま
たは皮膚の病変から誘導される上記第53項記載の方法。
55、DNAまたはRNAの前記未知の試料は性器の病変から誘
導される上記第54項記載の方法。
56、性器の病変からのDNAまたはRNAの前記未知の試料
を、上皮の病変の生検、頚のこすり、または頚のスワッ
ビングによって剥脱された細胞を得ることによって得る
か、あるいはクローニングベクター中でクローニングさ
れた性器の病変から誘導されたDNAである上記第55項記
載の方法。
57、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第53項記載の方法。
58、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第57項記載の方法。
59、ハイブリダイゼーションを、また、 (c)(i)マーカーで標識されたHPV 6 DNAまた
はその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV 6
RNAまたはその断片から成る群より選択される構成
員、(i)マーカーで標識されたHPV 11 DNAまたはそ
の断片および(ii)マーカーで標識されたHPV 11 RNA
またはその断片から成る群より選択される構成員、
(i)マーカーで標識されたHPV 16 DNAまたはその断
片および(ii)マーカーで標識されたHPV 16 RNAまた
はその断片から成る群より選択される構成員、および
(i)マーカーで標識されたHPV 18 DNAまたはその断
片および(ii)マーカーで標識されたHPV 18 RNAまた
はその断片から成る群より選択される構成員、の少なく
とも1種を使用して実施する上記第53項記載の方法。
60、前記他のタイプはHVP 16およびHVP 18から成る群
より選択される少なくとも1種の構成員である上記第59
項記載の方法。
61、前記他のHVPタイプはHVP 16およびHVP 18である
上記第60項記載の方法。
62、前記マーカーは放射性マーカーである上記第53項記
載の方法。
63、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第62項記載の方
法。
64、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
53項記載の方法。
65、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第64項記載の方法。
66、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第64項記載の方法。
67、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−DNA雑種を
産生する上記第53項記載の方法。
68、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−RNA雑種を
産生する上記第53項記載の方法。
69、工程: (1)ストリンジエントな条件下に、 (a)(i)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 3
5 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43
DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV
C57 DNAまたはその断片、および (ii)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 35 R
NAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAま
たはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57
RNAまたはその断片、 から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中の、それぞれ、HPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRN
A、あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する、 を含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する方法。
70、DNAまたはRNAの前記未知の試料は性器、のど、口ま
たは皮膚の病変から誘導される上記第69項記載の方法。
71、DNAまたはRNAの前記未知の試料は性器の病変から誘
導される上記第70項記載の方法。
72、性器の病変からのDNAまたはRNAの前記未知の試料
を、上皮の病変の生検、頚のこすり、または頚のスワッ
ビングによって剥脱された細胞を得ることによって得る
か、あるいはクローニングベクター中でクローニングさ
れた性器の病変から誘導されたDNAである上記第71項記
載の方法。
73、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第69項記載の方法。
74、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第73項記載の方法。
75、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたは
HPV C57 DNAは、それぞれ、HPV 35のゲノムの実質的
にすべて、HPV 43のゲノムの実質的にすべて、HPV 44
のゲノムの実質的にすべて、またはHPV C57のゲノムの
実質的にすべてからなる上記第69項記載の方法。
76、前記マーカーは放射性マーカーである上記第69項記
載の方法。
77、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第76項記載の方
法。
78、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
69項記載の方法。
79、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第78項記載の方法。
80、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第78項記載の方法。
81、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−DNA雑種を
産生する上記第69項記載の方法。
82、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−RNA雑種を
産生する上記第69項記載の方法。
83、工程: (1)ストリンジエントな条件下に、 (a)性器の病変のサンプリングの各性器の病変から
誘導されたDNAまたはRNAの第1分画、前記サンプリング
は頚の癌への疫学的進行を示す、および (b)(i)、それぞれ、マーカーで標識されたHPV
35 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV
43 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識されたH
PV C57 DNAまたはその断片、および (ii)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 35 R
NAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 44 RNAま
たはその断片、あるいはマーカーで標識されたHPV C57
RNAまたはその断片、 から成る群より選択される構成員、 を使用してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)ストリンジエントな条件下に、 (a)性器の病変の前記サンプリングの各性器の病変
から誘導されたDNAまたはRNAの第2分画、および (b)マーカーで標識された性器の病変から誘導され
たDNAまたはRNAの未知の試料、 を使用して、ハイブリダイゼーションを実施し、 (3)工程(1)において得られた交差ハイブリダイゼ
ーションの疫学的分布を工程(2)において得られたそ
れおよび前記疫学的分布を構成する各病変からのDNAの
交差ハイブリダイゼーションと比較して、前記試料中
の、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNA
またはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、あるいはHPV C57
DNAまたはRNAを検出する、 を含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
あるいはHPV C57 DNAまたはRNAを検出する方法。
84、前記断片は約15〜約8000塩基または塩基対の大きさ
である上記第83項記載の方法。
85、前記断片は約300〜約800塩基または塩基対の大きさ
である上記第84項記載の方法。
86、HPV 35 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたは
HPV C57 DNAは、それぞれ、HPV 35のゲノムの実質的
にすべて、HPV 43のゲノムの実質的にすべて、HPV 44
のゲノムの実質的にすべて、またはHPV C57のゲノムの
実質的にすべてからなる上記第83項記載の方法。
87、前記マーカーは放射性マーカーである上記第83項記
載の方法。
88、前記マーカーは32P、14C、3H、125Iおよび35Sから
選択される放射性マーカーである上記第87項記載の方
法。
89、前記マーカーはビオチン、酵素および蛍光性分子か
ら成る群より選択される非放射性マーカーである上記第
83項記載の方法。
90、前記酵素はアルカリ性ホスファターゼおよびセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼから成る群より選択される上
記第89項記載の方法。
91、前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミン
から成る群より選択される上記第89項記載の方法。
92、性器の病変からのDNAまたはRNAの前記未知の試料
を、上皮の病変の生検、頚のこすり、または頚のスワッ
ビングによって剥脱された細胞を得ることによって得る
か、あるいはクローニングベクター中でクローニングさ
れた性器の病変から誘導されたDNAである上記第83項記
載の方法。
93、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−DNA雑種を
産生する上記第83項記載の方法。
94、前記交差ハイブリダイゼーションはDNA−RNA雑種を
産生する上記第83項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、HPV 35 DNAの制限ヌクレアーゼ地図を示
す。次のコードを使用して制限酵素部位を表わす:B1、B
amH I;E5、EcoR V;H3、Hind III;P1、Pst I;P2、Pst I
I;およびS1、Sph I。 第2図は、ストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決
定した、HVP 6とHPV 35 DNAとの間の部分的相同性
の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続する。破
線の矢印は、弱い相同性のみを有する領域を示す。HVP
6の最小のBamH I−Pst Iの断片は、HPV 35に対して
ハイブリダイゼーションしなかった。第1図における地
図の各々は、直線の地図の端がHVP 6のHpa I部位の相
対的位置に相当するように配置されている。HVP 6に
ついて推定したオープンフレームの位置は相同性の地図
より上に示されている。 第3図は、第1に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。 第4図は、HPV 43 DNAの制限ヌクレアーゼ地図を示
す。 第5図は、ストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決
定した、HVP 6とHPV 43 DNAとの間の部分的相同性
の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続する。第
5図中の地図の各々は、直線の地図の端がHVP 6のHpa
I部位の相対的位置に相当するように配置されている。
HVP 6について推定したオープンフレームの位置は相
同性の地図より上に示されている。 第6図は、表2に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。 第7図は、HPV 44 DNAの制限ヌクレアーゼ地図を示
す。 第8図は、ストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決
定した、HVP 6とHPV 44 DNAとの間の部分的相同性
の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続する。破
線の矢印は、弱い相同性のみを有する領域を示す。第8
図中の地図の各々は、直線の地図の端がHVP 6のHpa I
部位の相対的位置に相当するように配置されている。HV
P 6について推定したオープンフレームの位置は相同
性の地図より上に示されている。 第9図は、表3に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。 第10図は、HPV C57 DNAの制限ヌクレアーゼ地図を示
す。 第11図は、ストリンジエントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決
定した、HVP 6とHPV C57 DNAとの間の部分的相同性
の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続する。第
11図中の地図の各々は、直線の地図の端がHVP 6のHpa
I部位の相対的位置に相当するように配置されている。
HVP 6について推定したオープンフレームの位置は相
同性の地図より上に示されている。 第12図は、表4に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 060883 (32)優先日 昭和62年6月12日(1987.6.12) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 114985 (32)優先日 昭和62年10月30日(1987.10.30) (33)優先権主張国 米国(US) 微生物の受託番号 ATCC 40330 微生物の受託番号 ATCC 40331 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クローニングベクターおよびHPV 35 DNA
    またはその断片を含んでなり、該HPV 35 DNAはHPV 3
    5 クローン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およ
    びATCC No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 ク
    ローン2Aおよび2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単
    一のBamH I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一
    の塩基配列を有するものであり、そして該断片は少なく
    とも15塩基対の大きさを有し且つストリンジエントな条
    件下にHPV 35 DNAのみにハイブリダイゼーシヨンする
    ものであることを特徴とするHPV 35の組換えDNA。
  2. 【請求項2】HPV 35 クローン2Aおよび2B(それぞれA
    TCC No.40330およびATCC No.40331)のHPV DNA(こ
    こで、HPV 35 クローン2Aおよび2B中のHPV DNAはプ
    ラスミドpBR322の単一のBamH I部位に挿入されたBamH I
    断片である)と同一の塩基配列を有する実質的に純粋な
    HPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対の大きさを有し
    且つストリンジエントな条件下にHPV 35 DNAのみにハ
    イブリダイゼーシヨンするその断片。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のHPV 35 DNAまたはその
    断片に相補的で実質的に純粋なHPV 35 RNAまたはその
    断片。
  4. 【請求項4】(i)マーカーで標識された、HPV 35
    クローン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およびAT
    CC No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 クロー
    ン2Aおよび2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単一の
    BamH I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一の塩
    基配列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対
    の大きさを有し且つストリンジエントな条件下にHPV 3
    5 DNAのみにハイブリダイゼーシヨンするその断片およ
    び(ii)マーカーで標識された、上記HPV 35 DNAまた
    はその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはその断片より
    なる群から選ばれる一員からなるHPVハイブリダイゼー
    シヨンプローブ。
  5. 【請求項5】(a) (i)マーカーで標識された、HP
    V 35 クローン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330
    およびATCC No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35
    クローン2Aおよび2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322
    の単一のBamH I部位に挿入されたBamH I断片である)と
    同一の塩基配列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも
    15塩基対の大きさを有し且つストリンジエントな条件下
    にHPV 35 DNAのみにハイブリダイゼーシヨンするその
    断片および(ii)マーカーで標識された、上記HPV 35
    DNAまたはその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはそ
    の断片よりなる群から選ばれる一員、並びに (b) マーカーで標識された少なくとも1つの他のHP
    VタイプのDNAもしくはRNAまたはその断片 からなるHPVハイブリダイゼーシヨンプローブ組成物。
  6. 【請求項6】(1) ストリンジエントでない条件下
    に、 (a)(i) マーカーで標識された、HPV 35 クロ
    ーン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およびATCC
    No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 クローン2A
    および2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単一のBamH
    I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一の塩基配
    列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対の大
    きさを有し且つストリンジエントな条件下にHPV 35 D
    NAのみにハイブリダイゼーシヨンするその断片、および (ii) マーカーで標識された、上記HPV 35 DNAまた
    はその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはその断片 よりなる群から選ばれる一員と (b) 未知のDNAまたはRNA試料 を用いてハイブリダイゼーシヨンを行ない、 (2) 交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてア
    ツセイして、該試料中のHPV DNAまたはRNAを検出する ことを特徴とするHPV DNAまたはRNAの検出方法。
  7. 【請求項7】(1) ストリンジエントでない条件下
    に、 (a)(i) マーカーで標識された、HPV 35 クロ
    ーン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およびATCC
    No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 クローン2A
    および2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単一のBamH
    I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一の塩基配
    列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対の大
    きさを有し且つストリンジエントな条件下にHPV 35 D
    NAのみにハイブリダイゼーシヨンするその断片、および (ii) マーカーで標識された、上記HPV 35 DNAまた
    はその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはその断片 よりなる群から選ばれる一員と (b) 未知のDNAまたはRNA試料と (c) (i)マーカーで標識されたHPV 6 DNAまた
    はその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV 6
    RNAまたはその断片よりなる群から選ばれる一員;
    (i)マーカーで標識されたHPV 11 DNAまたはその断
    片および(ii)マーカーで標識されたHPV 11 RNAまた
    はその断片よりなる群から選ばれる一員;(i)マーカ
    ーで標識されたHPV 16 DNAまたはその断片および(i
    i)マーカーで標識されたHPV 16 RNAまたはその断片
    よりなる群から選ばれる一員;および(i)マーカーで
    標識されたHPV 18 DNAまたはその断片および(ii)マ
    ーカーで標識されたHPV 18 RNAまたはその断片よりな
    る群から選ばれる一員、 の少なくとも1種 を用いてハイブリダイゼーシヨンを行ない、 (2) 交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてア
    ツセイして、該試料中のHPV DNAまたはRNAを検出する ことを特徴とするHPV DNAまたはRNAの検出方法。
  8. 【請求項8】(1) ストリンジエントな条件下に、 (a)(i) マーカーで標識された、HPV 35 クロ
    ーン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およびATCC
    No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 クローン2A
    および2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単一のBamH
    I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一の塩基配
    列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対の大
    きさを有し且つストリンジエントな条件下にHPV 35 D
    NAのみにハイブリダイゼーシヨンするその断片、および (ii) マーカーで標識された、上記HPV 35 DNAまた
    はその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはその断片 よりなる群から選ばれる一員と (b) 未知のDNAまたはRNA試料 を用いてハイブリダイゼーシヨンを行ない、 (2) 交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてア
    ツセイして、該試料中のHPV 35 DNAまたはRNAを検出
    する ことを特徴とするHPV 35 DNAまたはRNAの検出方法。
  9. 【請求項9】(1) ストリンジエントな条件下に、 (a) 頸部癌への疫学的進行を示す性器病変のサンプ
    リングの各個々の性器病変から誘導されたDNAまたはRNA
    の第1の分画、並びに (b)(i) マーカーで標識された、HPV 35 クロ
    ーン2Aおよび2B(それぞれATCC No.40330およびATCC
    No.40331)のHPV DNA(ここで、HPV 35 クローン2A
    および2B中のHPV DNAはプラスミドpBR322の単一のBamH
    I部位に挿入されたBamH I断片である)と同一の塩基配
    列を有するHPV 35 DNAまたは少なくとも15塩基対の大
    きさを有し且つストリンジエントな条件下にHPV 35 D
    NAのみにハイブリダイゼーシヨンするその断片、および (ii) マーカーで標識された、上記HPV 35 DNAまた
    はその断片と相補的なHPV 35 RNAまたはその断片 よりなる群から選ばれる一員 を用いてハイブリダイゼーシヨンを行ない、 そして性器病変の該サンプリングの各個々の性器病変か
    ら誘導されたDNAまたはRNAとの交差ハイブリダイゼーシ
    ヨンについてアツセイし、 (2) ストリンジエントな条件下に、 (a) 性器病変の該サンプリングの各個々の性器病変
    から誘導されたDNAまたはRNAの第2の分画、および (b) マーカーで標識された性器病変から誘導された
    未知のDNAまたはRNAの試料 を用いてハイブリダイゼーシヨンを行ない、 そして性器病変の該サンプリングの各個々の性器病変か
    ら誘導されたDNAまたはRNAとの交差ハイブリダイゼーシ
    ヨンの存在についてアツセイし、 (3) 段階(1)で得られる性器病変の該サンプリン
    グの交差ハイブリダイゼーシヨンの全パターンを段階
    (2)で得られるものと比較し、 (4) 段階(1)で得られる性器病変の該サンプリン
    グの各個々の性器病変の交差ハイブリダイゼーシヨンを
    段階(2)で得られるものと比較し、 ここで、(i)性器病変の該サンプリングの交差ハイブ
    リダイゼーシヨンの全パターンが本質的に同じであり、
    且つ(ii)性器病変の該サンプリングの各個々の性器病
    変の交差ハイブリダイゼーシヨンが本質的に同じである
    場合に、未知試料中のHPV 35 DNAまたはRNAの存在が
    検出される ことを特徴とするHPV 35 DNAまたはRNAの検出方法。
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