JP3219319U - 内接型歯車ポンプ - Google Patents

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渡 渕上
隆秀 熊谷
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Abstract

【課題】装置構成の大型化および複雑化を防ぎつつチャンバ内の液密性を確保し易くすることができる内接型歯車ポンプを提供する。
【解決手段】内接型歯車ポンプ100は、ハウジング105内にアウターロータ101およびインナーロータ102を備えている。アウターロータ101は、筒体の内周面に内歯が形成されている。インナーロータ102は、筒体の外周面に外歯が形成されて駆動シャフト120に支持されている。駆動シャフト120は、軸状に形成されて第1摺動部121、ロータ嵌合部122、第2摺動部123および駆動力入力体130を有している。第1摺動部121は、ハウジング105の第1軸受部107に摺動自在に支持される部分であり、駆動力入力体130に隣接した位置に形成されている。第2摺動部123は、クランクケース90の第2軸受部92に支持される部分であり、第1摺動部121よりも小径に形成されている。
【選択図】図3

Description

本考案は、内歯歯車の内側に配置した外歯歯車の噛合い部分に形成されるチャンバの体積を変化させることによって流体を輸送する内接型歯車ポンプに関する。
従来から、内歯歯車の内側に配置した外歯歯車の噛合い部分に形成されるチャンバの体積を変化させることによって流体を輸送する内接型歯車ポンプがある。例えば、下記特許文献1には、内歯歯車が形成されたアウターロータ内で回転駆動する外歯歯車が形成されたインナーロータがエンジンに連結されたポンプシャフトによって回転駆動してオイルを輸送する内接型歯車ポンプが開示されている。この場合、アウターロータとインナーロートとで形成されるチャンバは、ポンプシャフトを回転摺動自在に保持するカバーハウジングによって液密的に塞がれている。
特開平06−323261号公報
しかしながら、上記特許文献1に示された内接型歯車ポンプにおいては、ポンプシャフトは回転駆動力の入力時に受けるラジアル荷重に十分に耐えられる太さに全体が形成されているため、カバーハウジングにおけるポンプシャフトが貫通する部分の外側のリング幅が薄くなって液密性が低下し易いとともに、この液密性の低下を避けるためカバーハウジング延いては内接型歯車ポンプの装置構成全体が大型化および複雑化するという問題がある。
本考案は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、装置構成の大型化および複雑化を防ぎつつチャンバ内の液密性を確保し易くすることができる内接型歯車ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の特徴は、筒体の内周面に内歯が形成されたアウターロータと、アウターロータ内に配置されて前記内歯に噛み合う外歯を有したインナーロータと、アウターロータの一方の端面側に第1軸受部を有して同一方の端面を覆ってアウターロータを回転自在に収容するハウジングと、軸体上に外部の駆動源から回転駆動力を受ける駆動力入力体、同駆動力入力体に隣接して第1軸受部に相対回転自在に支持される第1摺動部、同第1摺動部に隣接してインナーロータに相対回転不能に嵌合するロータ嵌合部および第1軸受部と同軸上に設けられる第2軸受部に相対回転自在に支持される第2摺動部をそれぞれ有して前記ハウジング、前記アウターロータおよび前記インナーロータをそれぞれ貫通する駆動シャフトとを有し、アウターロータの他方の端面側に、ロータ嵌合部より第2摺動部側の駆動シャフトが貫通するシャフト孔および同シャフト孔を介して互いに対向配置される2つの貫通孔からなる吸入ポートおよび排出ポートをそれぞれ有しつつ前記他方の端面を覆うカバー体が配置されて駆動シャフトの回転駆動によって流体を吸入ポートから導入して排出ポートから排出する内接型歯車ポンプであって、駆動シャフトは、ロータ嵌合部より第2摺動部側の外径が第1摺動部の外径より細いことにある。
このように構成した本考案の特徴によれば、内接型歯車ポンプは、駆動シャフトにおいてラジアル荷重が加わる駆動力入力体に隣接する第1摺動部の外径に対してカバー体を貫通するロータ嵌合部より第2摺動部側の部分の外径が細く形成されているため、ラジアル荷重を受け止めることができる十分な太さの第1摺動部を形成しつつ、カバー体における駆動シャフトが貫通するシャフト孔の外側のリング幅を幅広に確保してチャンバ内の流体の液密性を確保することができ装置構成の大型化および複雑化を防止することができる。また、本考案に係る内接型歯車ポンプによれば、ポンプの吐出圧力や吐出量などの仕様を増大させる際における装置構成の大型化および複雑化を防止することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記内接型歯車ポンプにおいて、第2摺動部は、カバー体よりもインナーロータの軸方向の外側に突出して形成されていることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、内接型歯車ポンプは、駆動シャフトがアウターロータ、インナーロータおよびカバー体の各外側にそれぞれ設けられた第1摺動部および第2摺動部の2つの軸部で支持されるためカバー体への振動の伝達を抑えながら駆動シャフトを安定した状態で精度良く回転駆動させることができ、流体を安定的かつ精度良く輸送することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記内接型歯車ポンプにおいて、駆動シャフトは、少なくとも第1摺動部およびロータ嵌合部の各表層に塑性加工による加工硬化層が形成されていることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、内接型歯車ポンプは、駆動シャフトにおける少なくとも第1摺動部およびロータ嵌合部の各表層に鍛造加工や転造加工などの塑性加工による加工硬化層が形成されているため、ベアリングなどの他の機械要素を用いることなく駆動シャフトを支持することができ、装置構成の複雑化および重量化を抑制することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記内接型歯車ポンプにおいて、ロータ嵌合部は、外周面に同一円上の4つの円弧面を有するとともに各4つの円弧面間にそれぞれ形成された4つの直線面を有しており、円弧面のインナーロータの内周面に対するクリアランスは、直線面のインナーロータの内周面に対するクリアランスよりも小さいことにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、内接型歯車ポンプは、ロータ嵌合部に形成した4つの円弧面によって駆動シャフトの軸心とインナーロータの軸心とを簡単に精度良く一致させてこの一致状態を維持することができるとともに、4つの直線面によって大きな回転駆動力を長期間に亘って精度良くインナーロータに伝達することができ、流体の輸送を長期間に亘って安定的かつ精度良く行うことができる。
本考案の一実施形態に係る内接型歯車ポンプの外観構成の概略を示す正面図である。 図1に示した内接型歯車ポンプの外観構成の概略を示す背面図である。 図1に示す3−3線から見た内接型歯車ポンプを被装着機械装置であるクランクケースの一部に取り付けた状態を示す断面図である。 図3に示す4−4線から見た内接型歯車ポンプのアウターロータ、インナーロータおよび駆動シャフトの断面図である。 図1に示す内接型歯車ポンプを構成する駆動シャフトの外観構成の概略を示す斜視図である。 本考案の変形例に係る内接型歯車ポンプを被装着機械装置であるクランクケースの一部に取り付けた状態を示す断面図である。 本考案の別の変形例に係る内接型歯車ポンプを構成するカバー体の形状を説明するためにカバー体に対するアウターロータおよびインナーロータの位置関係を背面側から示した説明図である。
以下、本考案に係る内接型歯車ポンプの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本考案の一実施形態に係る内接型歯車ポンプ100の外観構成の概略を示す正面図である。また、図2は、図1に示した内接型歯車ポンプ100の外観構成の概略を示す背面図である。また、図3は、図1に示す3−3線から見た内接型歯車ポンプ100の内部構造の概略を示す側面断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本考案の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表していることがあるため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この内接型歯車ポンプ100は、エンジン(図示せず)を備えた4輪や二輪の自走式車両(図示せず)におけるクランクケース90に設けられてクランクケース90内のオイル(図示せず)を循環させるための所謂オイルポンプである。
(内接型歯車ポンプ100の構成)
内接型歯車ポンプ100は、アウターロータ101を備えている。アウターロータ101は、インナーロータ102と協働して流体(本実施形態においてはオイル)を送り出すための金属製の部品であり、筒体の内周面に内歯歯車を有して構成されている。この場合、アウターロータ101の内周面に形成される内歯歯車は、インナーロータ102に形成される外歯歯車の歯数よりも1枚だけ多く形成されている。このアウターロータ101の内側には、インナーロータ102が設けられている。
インナーロータ102は、前記アウターロータ101と協働して前記流体を送り出すための金属製の部品であり、アウターロータ101よりも小径な筒体の外周面にアウターロータ101の内歯歯車に噛み合う外歯歯車を有して構成されている。この場合、インナーロータ102の外周面に形成される外歯歯車は、トロコイド曲線、サイクロイド曲線またはインボリュート曲線などの各種曲線を用いて形成されている。このインナーロータ102の内部には、嵌合孔103が形成されている。
嵌合孔103は、後述する駆動シャフト120が相対回転不能な状態で嵌合する貫通孔であり、インナーロータ102の軸心に対して偏心した位置に形成されている。この嵌合孔103は、駆動シャフト120におけるロータ嵌合部122に対応する形状、具体的には、同一円上の4つの円弧面を有するとともに各円弧面間に直線状に延びる4つの平面をそれぞれ有して構成されている。このインナーロータ102は、前記アウターロータ101内で偏心した状態で配置されて回転駆動することによってアウターロータ101とインナーロータ102との間に形成される空間であるチャンバ104の容積(体積)が変化することで前記流体を送り出す。そして、このインナーロータ102が設けられたアウターロータ101は、ハウジング105内に保持されている。
ハウジング105は、アウターロータ101を回転摺動自在な状態で収容するとともに内接型歯車ポンプ100を自走式車両のクランクケース90に取り付けるための外筐であり、金属材料を有底筒状に形成して構成されている。このハウジング105は、アウターロータ101およびインナーロータ102の一方の端面(図3において右側の端面)を覆う覆い体106を有するとともに、この覆い体106に第1軸受部107が形成されている。
覆い体106は、アウターロータ101およびインナーロータ102の一方の端面を覆ってアウターロータ101とインナーロータ102との間に流体を輸送するための密閉空間であるチャンバ104を形成する。第1軸受部107は、駆動シャフト120を回転摺動自在な状態で支持するための貫通孔であり、駆動シャフト120における第1摺動部121の外径に対応する外径、具体的には、すきまばめとなる外径に形成されている。また、この第1軸受部107は、覆い体106の厚さよりも厚い厚さで形成されている。
また、ハウジング105には、内接型歯車ポンプ100を自走式車両のクランクケース90に取り付けるための取付ボルト108が貫通する2つの貫通孔がそれぞれ形成されている。ハウジング105の開口部側、換言すれば、アウターロータ101およびインナーロータ102の他方の端面(図3において左側の端面)には、カバー体110が設けられている。
カバー体110は、アウターロータ101およびインナーロータ102の他方の端面を覆ってアウターロータ101とインナーロータ102との間に流体を輸送するためのチャンバ104を形成するための部品であり、金属材をハウジング105の開口部を覆う板状に形成して構成されている。このカバー体110には、中心部にシャフト孔111が形成されるとともに、このシャフト孔111の周囲に吸入ポート112aおよび排出ポート112bがそれぞれ形成されている。
シャフト孔111は、駆動シャフト120が挿入されるとともにこの駆動シャフト120が回転摺動可能な状態で引っ掛かる部分であり、2つの貫通孔が一体的に繋がって形成されている。具体的には、シャフト孔111は、駆動シャフト120における第2摺動部123が挿通可能な大きさの大孔の一部にこの大孔よりも小径で駆動シャフト120における切欠き部124が掛かる大きさの小孔が形成されて構成されている。この場合、シャフト孔111は、後述する仕切部113によってチャンバ104の液密性を確保できる大きさに形成される。なお、図2においては、シャフト孔111の一部を破線で示している。
吸入ポート112aは、アウターロータ101とインナーロータ102との間に形成されるチャンバ104内に流体を導入するための長孔状の貫通孔であり、一方(図示下方)から他方(図示上方)に向かって孔の幅が拡大する円弧状に延びて形成されている。すなわち、吸入ポート112aは、チャンバ104の容積が小さい側から大きい側に向けて広がって形成されている。
また、排出ポート112bは、アウターロータ101とインナーロータ102との間に形成されるチャンバ104内に導入した流体を外部に排出するための長孔状の貫通孔であり、一方(図示上方)から他方(図示下方)に向かって孔の幅が縮小する円弧状に延びて形成されている。すなわち、排出ポート112bは、チャンバ104の容積が大きい側から小さい側に向けて狭まって形成されている。
そして、これらの吸入ポート112aと排出ポート112bとの間には、仕切部113が形成されている。仕切部113は、アウターロータ101とインナーロータ102との間に形成されるチャンバ104の容積が増加する側と減少する側とを液密的に仕切るための部分である。したがって、仕切部113は、チャンバ104における容積が最小(図4において最下部)となる部分および最大となる部分(図4において最上部)をそれぞれ覆うアウターロータ101の直径方向に架設される。このカバー体110は、取付ボルト114によってハウジング105に取り付けられる。
駆動シャフト120は、アウターロータ101内のインナーロータ102を回転駆動させるための回転駆動力を伝達する部品であり、金属材の棒状体で構成されている。この駆動シャフト120には、軸体上に第1摺動部121、ロータ嵌合部122、第2摺動部123および切欠き部124がそれぞれ形成されている。
第1摺動部121は、ハウジング105における第1軸受部107に回転摺動自在な状態で嵌合する丸棒状の部分である。この第1摺動部121は、ロータ嵌合部122以降の部分、すなわち、第2摺動部123の外径よりも大きな外径に形成されている。
ロータ嵌合部122は、インナーロータ102の嵌合孔103に相対回転不能な状態で嵌合して回転駆動力を伝達する部分であり、嵌合孔103に対応する形状に形成されている。具体的には、ロータ嵌合部122は、同一円上の4つの円弧面122aを有するとともに各円弧面122a間に直線状に延びる4つの平面からなる直線平面122bをそれぞれ有して構成されている。この場合、嵌合孔103に対するロータ嵌合部122のクリアランス(隙間量)は、円弧面122aでのクリアランスCaは直線面でのクリアランスCbよりも少なくなるように設定されている。
第2摺動部123は、内接型歯車ポンプ100を装着するクランクケース90に形成された第2軸受部91に回転摺動自在な状態で嵌合する丸棒状の部分である。この第2摺動部123は、第1摺動部121の外径よりも小さな外径に形成されている。
切欠き部124は、駆動シャフト120の軸方向の変位を規制するための部分であり、ロータ嵌合部122と第2摺動部123との間に凹状に窪んで形成されている。より具体的には、切欠き部124は、第2摺動部123よりも小径でカバー体110におけるシャフト孔111に引っ掛けることができる外径に形成されている。
この駆動シャフト120は、全体が塑性加工、より具体的には、炭素鋼などの鋼材を鍛造加工や転造加工によって成形されている。このため、駆動シャフト120における第1摺動部121、ロータ嵌合部122および第2摺動部123の各表層には、塑性加工による加工硬化による表面硬化層が形成されている。なお、切欠き部124は、切削加工により成形されている。また、この駆動シャフト120における第2摺動部123とは反対側の端部には、第1摺動部121に隣接して駆動力入力体130が設けられている。
駆動力入力体130は、駆動シャフト120を回転駆動させるための回転駆動力を入力するための部品であり、駆動シャフト120の端部に取り付けられた金属製の平歯車で構成されている。この駆動力入力体130は、エンジン(図示)に連結された駆動歯車(図示せず)に噛み合っており、エンジン(図示せず)からの回転駆動力によって駆動歯車が回転駆動することにより回転駆動する。
(内接型歯車ポンプ100の作動)
次に、このように構成した内接型歯車ポンプ100の作動について説明する。この内接型歯車ポンプ100は、流体の輸送が必要な機械装置に取り付けられる。本実施形態においては、内接型歯車ポンプ100は、レシプロエンジンにおけるクランクケース90に壁面に取付ボルト108によって取り付けられる。この場合、内接型歯車ポンプ100は、クランクケース90内からオイルが導かれる吸入流路92に吸入ポート112aが対向するとともにこのクランクケース90内にオイルを戻すための還流流路93に排出ポート112bが対向した状態で設けられる。また、内接型歯車ポンプ100は、クランクケース90に形成された第2軸受部91に第2摺動部123が回転摺動自在な状態で嵌合するとともに、駆動力入力体130にエンジンの回転駆動力が伝達される駆動歯車が噛み合わされる。
この内接型歯車ポンプ100は、エンジンが始動することによりクランクケース90内のオイルを循環させる。具体的には、内接型歯車ポンプ100は、エンジンの回転駆動力によって駆動力入力体130が回転駆動することによりインナーロータ102が回転駆動するとともに、このインナーロータ102に噛み合うアウターロータ101が従動してインナーロータ102と同じ方向に回転駆動する。なお、図2および図4においては、アウターロータ101およびインナーロータ102の回転駆動方向をそれぞれ破線矢印で示している。
この場合、アウターロータ101とインナーロータ102とで形成されるチャンバ104は、アウターロータ101およびインナーロータ102の回転駆動に従って容積が徐々に増大して最大(図4において最上部)となった後、徐々に減少して最小(図4において最下部)となる変化を繰り返す。そして、チャンバ104は、容積が増大する過程において吸入ポート112aからクランクケース90内のオイルを吸入して仕切部113で一旦吸入ポート112aおよび排出ポート112bからそれぞれ遮断された後、容積が減少する過程において排出ポート112bからオイルをクランクケース90内に排出する。これにより、内接型歯車ポンプ100は、オイルポンプとして機能する。なお、図3においては、クランクケース90のオイルの流れを破線矢印で示している。
この内接型歯車ポンプ100の作動状態においては、駆動力入力体130への回転駆動力の入力によって駆動シャフト120に軸方向に直交する方向に向かってラジアル荷重が作用する。しかし、駆動シャフト120は、駆動力入力体130に隣接する位置で第1摺動部121がハウジング105の第1軸受部107で支持されているとともに第1摺動部121がラジアル荷重に対抗する十分な太さで形成されて第1軸受部107に支持されているため、精度良く安定的に回転駆動力をインナーロータ102に伝達することができる。
一方、駆動シャフト120は、第2摺動部123が第1摺動部121と同じ太さではなく第1摺動部121よりも小径に形成されているため、カバー体110におけるシャフト孔111の外側の仕切部113のリング幅RWを広く確保できる。これにより、内接型歯車ポンプ100は、チャンバ104の気密性を確保して精度良くオイルを輸送することができる。
また、駆動シャフト120は、ロータ嵌合部122におけるクリアランスCaがクリアランスCbよりも少なく設定されているため、軸心がインナーロータ102の軸心に精度良く一致するとともに一致状態を維持することができる。これにより、内接型歯車ポンプ100は、効率よくオイルを輸送することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、内接型歯車ポンプ100は、駆動シャフト120においてラジアル荷重が加わる駆動力入力体130に隣接する第1摺動部121の外径に対してカバー体110を貫通するロータ嵌合部122より第2摺動部123側の部分の外径が細く形成されているため、ラジアル荷重を受け止めることができる十分な太さの第1摺動部121を形成しつつ、カバー体110におけるシャフト孔111の外側のリング幅RWを幅広に確保してチャンバ104内の流体の液密性を確保することができ装置構成の大型化および複雑化を防止することができる。また、内接型歯車ポンプ100によれば、ポンプの吐出圧力や吐出量などの仕様を増大させる際における装置構成の大型化および複雑化を防止することができる。
さらに、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例において、上記実施形態と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明を省略する。
例えば、上記実施形態においては、第2摺動部123は、クランクケース90に形成された第2軸受部91に支持されるようにカバー体110よりもインナーロータ102の軸方向外側に形成した。しかし、第2軸受部91は、内接型歯車ポンプ100が設けられる被装着機械装置ではなく、内接型歯車ポンプ100自身に設けられる場合もある。例えば、第2軸受部91は、内接型歯車ポンプ100におけるカバー体110のシャフト孔111と兼用される場合もある。この場合、第2摺動部123は、内接型歯車ポンプ100におけるカバー体110のシャフト孔111に対応する位置に形成するとよい。
また、上記実施形態においては、駆動シャフト120は、第1摺動部121、ロータ嵌合部122および第2摺動部123をそれぞれ塑性加工で成形することにより各表層に加工硬化層を形成して構成した。しかし、駆動シャフト120は、大きな力が加わる部分、具体的には、少なくとも第1摺動部121およびロータ嵌合部122をそれぞれ塑性加工で成形することにより各表層に加工硬化層を形成してもよい。また、駆動シャフト120は、加工硬化層が不要の場合や他の表面硬化処理(例えば、熱処理、窒化処理または浸炭処理など)を用いる場合には、塑性加工以外の方法、例えば、切削加工により第1摺動部121、ロータ嵌合部122および第2摺動部123をそれぞれ成形してもよい。
また、上記実施形態においては、駆動シャフト120におけるロータ嵌合部122に4つの直線面124bを形成した。しかし、直線面124bは、駆動シャフト120の外表面に少なくとも1つ形成されていればよく、例えば、3つまたは5つ以上形成してもよい。また、ロータ嵌合部122は、直線面124bに代えて駆動シャフト120の外表面に凸状に突出したキーを形成して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、嵌合孔103とロータ嵌合部122との間におけるクリアランスCaをクリアランスCbよりも少なく設定した。しかし、クリアランスCaは、クリアランスCbと同じ、またはクリアランスCbよりも大きく設定することも可能である。
また、上記実施形態においては、内接型歯車ポンプ100は、カバー体110を備えて構成した。しかし、内接型歯車ポンプ100は、カバー体110を省略して構成することもできる。この場合、カバー体110が省略された内接型歯車ポンプ100が取り付けられる被装着機械装置の一部にカバー体110に相当する部品や形状が設けられる。
具体的には、例えば、図6に示すように、クランクケース90における内接型歯車ポンプ100の取付部分には、カバー体110におけるシャフト孔111、吸入ポート112a、排出ポート112bおよび仕切部113がそれぞれ形成される。この場合、シャフト孔111は、第2軸受部91と兼用される。また、仕切部113は、シャフト孔111(第2軸受部91)と吸入ポート112aとの間、およびシャフト孔111(第2軸受部91)と排出ポート112bとの間にそれぞれ形成される。
したがって、例えば、カバー体110が省略された内接型歯車ポンプ100は、クランクケース90の一部に形成されたシャフト孔111、吸入ポート112a、排出ポート112bおよび仕切部113にアウターロータ101およびインナーロータ102の図示左側端面が宛がわれた状態で取り付けられる。また、この内接型歯車ポンプ100は、アウターロータ101がインナーロータ102および駆動入力体130で両側から挟まれており、アウターロータ101の駆動シャフト120上の変位がより確実に規制されている。なお、図6においては、クランクケース90のオイルの流れを破線矢印で示している。
また、上記実施形態においては、仕切部113は、チャンバ104の容積が最大となる位置で同チャンバ104を吸入ポート112aおよび排出ポート112bに対して連通状態を遮断する仕切幅Wで形成した。しかし、仕切部113は、図7に示すように、チャンバ104の容積が最大となる位置から同チャンバ104が排出ポート112bに連通する直後までの範囲で吸入ポート112aへの連通状態が維持される仕切幅Wに形成することもできる。つまり、仕切幅Wは、チャンバ104が最大容積位置において吸入ポート112a側の幅W1が排出ポート112b側の幅W2よりも短く形成されてチャンバ104が吸入ポート112aに連通するように設定される(図7において破線円Aで示した部分)。
これによれば、内接型歯車ポンプ100は、チャンバ104の容積が最大となる位置まで流体の吸入が行なえるとともに、排出ポート112bに連通した際における急激な流体の吐出を抑えて円滑な吐出(換言すれば、脈動を抑えた吐出)を行うことができる。また、この内接型歯車ポンプ100は、チャンバ104の容積が最大となる位置での仕切部113の液密性の確保、換言すれば、仕切部113からの流体の漏れが生じ難くなる。なお、図7においては、アウターロータ101およびインナーロータ102の回転駆動方向を破線矢印で示している。また、図7においては、カバー体110の形状を分かり易くするためにカバー体110にハッチングを付している。
また、上記実施形態においては、内接型歯車ポンプ100をクランクケース90に取り付けた例について説明した。しかし、内接型歯車ポンプ100は、クランクケース以外の被装着機械装置、例えば、変速機、燃料供給装置または潤滑液供給装置など流体の供給が必要な機械装置に広く取り付けて使用することができる。
Ca…円弧面のクリアランス、Cb…直線面のクリアランス、RW…仕切部のリング幅、W…仕切部において吸入ポートと排出ポートとを仕切る部分の仕切幅、
90…クランクケース、91…第2軸受部、92…吸入流路、93…還流流路、
100…内接型歯車ポンプ、101…アウターロータ、102…インナーロータ、103…嵌合孔、104…チャンバ、105…ハウジング、106…覆い体、107…第1軸受部、108…取付ボルト、
110…カバー体、111…シャフト孔、112a…吸入ポート、112b…排出ポート、113…仕切部、114…取付ボルト、
120…駆動シャフト、121…第1摺動部、122…ロータ嵌合部、124a…円弧面、124b…直線面、123…第2摺動部、124…切欠き部、
130…駆動入力体。

Claims (4)

  1. 筒体の内周面に内歯が形成されたアウターロータと、
    前記アウターロータ内に配置されて前記内歯に噛み合う外歯を有したインナーロータと、
    前記アウターロータの一方の端面側に第1軸受部を有して同一方の端面を覆って前記アウターロータを回転自在に収容するハウジングと、
    軸体上に外部の駆動源から回転駆動力を受ける駆動力入力体、同駆動力入力体に隣接して前記第1軸受部に相対回転自在に支持される第1摺動部、同第1摺動部に隣接して前記インナーロータに相対回転不能に嵌合するロータ嵌合部および前記第1軸受部と同軸上に設けられる第2軸受部に相対回転自在に支持される第2摺動部をそれぞれ有して前記ハウジング、前記アウターロータおよび前記インナーロータをそれぞれ貫通する駆動シャフトとを有し、
    前記アウターロータの他方の端面側に、前記ロータ嵌合部より前記第2摺動部側の前記駆動シャフトが貫通するシャフト孔および同シャフト孔を介して互いに対向配置される2つの貫通孔からなる吸入ポートおよび排出ポートをそれぞれ有しつつ前記他方の端面を覆うカバー体が配置されて前記駆動シャフトの回転駆動によって流体を前記吸入ポートから導入して前記排出ポートから排出する内接型歯車ポンプであって、
    前記駆動シャフトは、
    前記ロータ嵌合部より前記第2摺動部側の外径が前記第1摺動部の外径より細いことを特徴とする内接型歯車ポンプ。
  2. 請求項1に記載した内接型歯車ポンプにおいて、
    前記第2摺動部は、
    前記カバー体よりも前記インナーロータの軸方向の外側に突出して形成されていることを特徴とする内接型歯車ポンプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載した内接型歯車ポンプにおいて、
    前記駆動シャフトは、
    少なくとも第1摺動部およびロータ嵌合部の各表層に塑性加工による加工硬化層が形成されていることを特徴とする内接型歯車ポンプ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した内接型歯車ポンプにおいて、
    前記ロータ嵌合部は、
    外周面に同一円上の4つの円弧面を有するとともに各4つの前記円弧面間にそれぞれ形成された4つの直線面を有しており、
    前記円弧面の前記インナーロータの内周面に対するクリアランスは、前記直線面の前記インナーロータの内周面に対するクリアランスよりも小さいことを特徴とする内接型歯車ポンプ。
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