JP3219184B2 - 有機金属供給装置および有機金属気相成長装置 - Google Patents

有機金属供給装置および有機金属気相成長装置

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JP3219184B2 JP21591095A JP21591095A JP3219184B2 JP 3219184 B2 JP3219184 B2 JP 3219184B2 JP 21591095 A JP21591095 A JP 21591095A JP 21591095 A JP21591095 A JP 21591095A JP 3219184 B2 JP3219184 B2 JP 3219184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はIII-V 族化合物半導
体の結晶成長に利用される有機金属供給装置および有機
金属気相成長装置に関する。特に原料である有機金属ガ
スの安定な供給を確保するための有機金属供給装置、ま
た複数の原料の供給比を安定に保つことができる有機金
属気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機金属(有機金属化合物)を原料とす
る有機金属気相成長法(MOVPE)は、III-V 族化合
物半導体結晶の成長法として広く用いられている。有機
金属気相成長法においては、III 族原料であるIn,G
a,Alを有機金属ガスの形態で反応管に供給する。そ
の有機金属を供給するものが、有機金属供給装置であ
る。また、V族原料は水素化物ガスの形態で供給する。
【0003】図7を参照して従来の有機金属供給装置1
について説明する。有機金属原料2を充填したバブラー
3を恒温槽4に浸けて、バブラーの温度を一定に保つこ
とにより有機金属の蒸気圧を一定値に保つようにしてい
る。多くの有機金属は、室温付近で液体であるため、マ
スフローコントローラ5で所定の流量のキャリアガス
(主に水素を用いる)をバブラー内に供給し、バブリン
グさせることによりキャリアガス中に有機金属の蒸気を
混合する。この混合したガスを反応管に供給する。実際
の操作では、反応管に原料を供給しない時、例えばパー
ジの時、はエアバルブ9aを開いてエアバルブ9b,9
cを閉じ、原料を供給する時は逆にエアバルブ9aを閉
じ、9b,9cを開く。バブラー内の圧力は隔膜式の圧
力計6により検出され、コントロールバルブ7により所
定の圧力に保たれるように圧力制御装置8により制御さ
れている。単位時間あたりの有機金属ガスの供給量は、
恒温槽の温度により決まる有機金属の蒸気圧と、バブラ
ー内の圧力、およびバブラーに流入するキャリアガスの
量により決まる。現在市販されているマスフローコント
ローラの流量は、環境変化に対し非常に安定性が良いた
め、有機金属ガスの安定供給を妨げる要因は、主にバブ
ラー内の有機金属ガスの蒸気圧変動であると考えられて
いる。実際、バブラー内の有機金属の状態によってはバ
ブラー内における有機金属の分圧が飽和蒸気圧に達しな
い場合もあり、また周囲温度の変化によりバブラーの温
度が変化し飽和蒸気圧の値が変動することもある。
【0004】図8を参照して他の有機金属原料の供給法
および供給装置11について説明する。インジウムリン
(InP)系の成長に用いられるIn原料であるトリメ
チルインジウム(TMI)は、室温付近で固体であるた
め、他の液体の有機金属原料に比べ供給量の変動が大き
く、問題となっていた。それは、最初針状結晶であった
ものが長期の使用により針状結晶同士が融合し、結晶の
表面積が変化し次第に小さくなって行くためである。キ
ャリアガスに接する表面積が充分大きくないと、温度で
決まる蒸気圧分だけ、キャリアガスに混合しなくなるた
め、供給量が低下する。その問題を解決するため、図2
のような、キャリアガスを使用せずに蒸気を直接マスフ
ローコントローラで制御する方法が行われている。恒温
槽4にTMI2Aを収容したバブラー3とマスフローコ
ントローラ4を入れて、80℃付近に保つ。マスフロー
コントローラは、出側に対し入側が所定の値だけ圧力差
がないと流量を制御できない。したがって、反応管の圧
力は、有機金属の蒸気圧以下に制限される。TMIの蒸
気圧は80℃において、高々50トールである。多く用
いられている有機金属気相成長装置の反応管内圧力は7
0から100トールの範囲であるから、図8の供給装置
を用いることは困難である。
【0005】次に有機金属気相成長装置について説明す
る。図9のように必要な原料の数だけ図7あるいは図8
の有機金属供給装置と、水素化物ガスのボンベ12a,
12bを持つ有機金属気相成長装置を用いて、配管14
を通して反応管15に原料を供給し、化合物半導体の成
長が行われている。図9には、それぞれバブラー3a,
3b,3c、恒温槽4a,4b,4c、マスフローコン
トローラ5a,5b,5c、圧力計6a,6b,6c、
コントロールバルブ7a,7b,7cおよび圧力制御装
置8a,8b,8cを有する供給装置1a,1b,1c
を示してある。エアバルブは図示を省略してある。水素
化物ガスの供給量は、マスフローコントローラ13a,
13bで行われる。化合物半導体膜の組成を制御するた
めには、各原料の供給量の比を制御する必要がある。従
来行われていた供給比を制御する方法は、各有機金属供
給装置および、水素化物ガスボンベについているマスフ
ローコントローラ5a〜5c,13a,13bの流量を
それぞれ所定の値に保つことである。恒温槽4a〜4c
を一定の温度に保ち、バブラー3a〜3c内の圧力を一
定の圧力に保てば、マスフローコントローラの流量に比
例する原料が供給される。
【0006】しかし、バブラー内の有機金属の状態によ
ってはバブラー内における有機金属の分圧が飽和蒸気圧
に達しない場合もあり、また周囲温度の変化により飽和
蒸気圧の値が変動することもあるため、供給比が変動す
る。また、配管の温度変化により、供給比が変動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、有機金属の供給が安定な、有機金属供給装置を提供
することである。また第2の目的は、有機金属同士の供
給比が安定な有機金属気相成長装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による有機金属供
給装置は、有機金属の入ったバブラー内の圧力を所定の
値に保ちつつ、該バブラー内においてキャリアガスをバ
ブリングすることにより該有機金属ガスを供給するガス
供給手段と、該バブラーの下流にあってキャリアガス中
の有機金属ガスの分圧を検出する分圧検出手段とを有す
る有機金属供給装置において、前記分圧検出手段からの
信号により前記ガス供給手段におけるバブラー内の圧力
を制御して、キャリアガス中の有機金属ガスの分圧を一
定に保つ手段を備えていることを特徴とする。
【0009】さらに、有機金属供給装置は、有機金属の
入ったバブラー内の圧力を所定の値に保ちつつ、該バブ
ラー内においてキャリアガスをバブリングすることによ
り該有機金属ガスを供給するガス供給手段と、該バブラ
ーの下流にあってキャリアガス中の有機金属ガスの分圧
を検出する分圧検出手段とを有する有機金属供給装置に
おいて、前記分圧検出手段からの信号により前記ガス供
給手段におけるバブラー内に流入するキャリアガス流量
を制御して、単位時間あたりに供給される有機金属ガス
の流量を一定に保つ手段を備えていることを特徴とす
る。
【0010】ここで、分圧検出手段は超音波セルであっ
てもよく、分圧検出手段は四重極質量分析器であっても
よい。
【0011】本発明による有機金属気相成長装置は、そ
れぞれ有機金属の入ったバブラー内の圧力を所定の値に
保ちつつ、該バブラー内においてキャリアガスをバブリ
ングすることにより該有機金属ガスを供給する複数のガ
ス供給手段と、前記複数のガス供給手段から供給される
有機金属ガスを合流し反応管まで輸送する配管と、前記
配管に取り付けられて、キャリアガス中に含まれる複数
の有機金属ガスの分圧を検出する分圧検出手段とを有す
る有機金属気相成長装置において、それぞれの有機金属
ガスの分圧に応じて、対応する有機金属の入ったバブラ
ー内の圧力を制御する手段を備えていることを特徴とす
る。
【0012】さらに、有機金属気相成長装置は、それぞ
れ有機金属の入ったバブラー内の圧力を所定の値に保ち
つつ、該バブラー内においてキャリアガスをバブリング
することにより該有機金属ガスを供給する複数のガス供
給手段と、前記複数のガス供給手段から供給される有機
金属ガスを合流し反応管まで輸送する配管と、前記配管
に取り付けられ、キャリアガス中に含まれる複数の有機
金属ガスの分圧を検出する分圧検出手段とを有する有機
金属気相成長装置において、それぞれの有機金属ガスの
分圧に応じて、対応する有機金属の入ったバブラー内に
流入するキャリアガス流量を制御する手段を備えている
ことを特徴とする。
【0013】ここで、分圧検出手段は四重極質量分析器
であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記第1の課
題を解決するため、バブラーから供給される有機金属ガ
スを含むキャリアガス内の有機金属ガスの分圧を検出
し、それを一定値に保つようにバブラー内の圧力を制御
する。また、バブラーから単位時間あたり供給される有
機金属ガスの量を一定値に保つように、バブラーに流入
するキャリアガス流量を制御する。
【0015】前記第2の課題を解決するため、各バブラ
ーから供給される原料ガスが合流する配管において各原
料の分圧比を検出し、それに応じて各原料ガス供給手段
を制御する。
【0016】有機金属供給装置から供給される有機金属
ガスの供給量[s](mole/min.)は、次式で
表わされる。
【0017】
【数1】
【0018】ここでPs は有機金属ガスの飽和蒸気圧、
B はバブラー内の圧力、l(sccm)はキャリアガ
スの流量である(ただし、Ps ≪PB の近似を用い
た)。実際には、バブラー内の有機金属の状態によって
はバブラー内における有機金属の分圧が飽和蒸気圧に達
しない場合もあり、また周囲温度の変化により飽和蒸気
圧の値が変動することもある。このような変動があった
としても、バブラー内の圧力PB を調整しPs /PB
一定に保てば、有機金属の供給量[s]を一定に保つこ
とが可能であり、またバブラーに流入するキャリアガス
の流量lを調整してlPs を一定に保っても有機金属の
供給量[s]を一定に保つことが可能である。有機金属
ガスの分圧を測定する方法は、混合ガス中の超音波速度
がガスの混合比で変化する現象を利用した超音波セルを
用いる方法、四重極質量分析装置を用いる方法がある。
【0019】本発明の有機金属気相成長装置において、
反応管に流入するガス中の各原料ガスの分圧を測定し、
分圧の比が一定になるように、各有機金属供給装置の供
給量を制御するため、各有機金属の供給比が安定な有機
金属気相成長装置を提供することができる。有機金属ガ
スの分圧を測定する方法として、四重極質量分析装置を
用いる方法がある。各有機金属に対応する信号強度の比
が一定になるように、各有機金属供給装置の供給量を制
御する。
【0020】
【実施例】実施例1 図1に本発明の第1の実施例を示す。有機金属供給装置
21は有機金属原料2を充填したバブラー3を恒温槽4
に浸けて、バブラーの温度を一定に保つことにより有機
金属の蒸気圧を一定値に保つようにしている。マスフロ
ーコントローラ5で所定の流量のキャリアガスをバブラ
ー内に供給し、バブリングさせることによりキャリアガ
ス中に有機金属の蒸気を混合する。混合したガスを反応
管に供給する。バブラー内の圧力は隔膜式の圧力計6に
より検出され、コントロールバルブ7により所定の圧力
に保たれるように制御装置22により制御されている。
バブラーの下流で、圧力計6とコントロールバルブ7の
間に分圧測定器23がある。混合ガス中の超音波速度が
ガスの混合比で変化する現象を利用して、ガスの分圧を
測定するものである。分圧の情報は制御装置22に送ら
れ、有機金属ガスの分圧が所定の値になるようにコント
ロールバルブ7によりバブラー3内の圧力を制御する。
この制御方法の特徴は、マスフローコントローラ5の流
量を変更せずに有機金属の供給量を制御できるため、反
応管に流入するキャリアガスの量が変化しないというこ
とである。
【0021】次に、原理について説明する。バブラーに
単位時間あたり流入する水素のモル数を[H2 ](mo
le/min.)とし、バブラー内で該水素に混入する
有機金属のモル数を[s](mole/min.)とす
ると、定常状態においては有機金属の蒸気圧とバブラー
内の全圧力との比Ps /PB は[s]/([s]+[H
2 ])と等しいことから、バブラーから供給される有機
金属ガスの供給量[s](mole/min.)は、次
式で表わされる。
【0022】
【数2】
【0023】ただし、Ps ≪PB の近似を用いた。上記
の分圧測定器においては、Ps を測定することになる。
キャリアガスの流量はマスフローコントローラで制御さ
れているため、マスフローコントローラの流量を標準状
態の体積で除すと単位時間あたりに流入するモル数が得
られるから、キャリアガスの流量l(mole/mi
n.)に対しては次式が成り立つ。
【0024】
【数3】
【0025】上式から明らかなように、有機金属の蒸気
圧とバブラー内の全圧力との比Ps/PB を一定に保て
ば、有機金属の供給量は一定に保たれる。何らかの原因
で有機金属の蒸気圧Ps が低下しても、バブラーの圧力
B を下げ、Ps /PB を一定に保つようにコントロー
ルバルブのコンダクタンスを制御すれば、有機金属の供
給量は一定に保たれる。実際、バブラー内の有機金属の
状態によってはバブラー内における有機金属の分圧が飽
和蒸気圧に達しない場合もあり、また周囲温度の変化に
よりバブラーの温度が変化し飽和蒸気圧の値が変動する
こともある。しかし、このような変動があったとして
も、有機金属の蒸気圧とバブラー内の全圧力との比Ps
/PB を一定に保てば、有機金属の供給量[s]を一定
に保つことが可能である。
【0026】実施例2 図2に本発明の第2の実施例を示す。有機金属供給装置
31は有機金属原料2を充填したバブラー3を恒温槽4
に浸けて、バブラーの温度を一定に保つことにより有機
金属の蒸気圧を一定値に保つようにしている。マスフロ
ーコントローラ5で所定の流量のキャリアガスをバブラ
ー内に供給し、バブリングさせることによりキャリアガ
ス中に有機金属の蒸気を混合する。混合したガスを反応
管に供給する。バブラー内の圧力は隔膜式の圧力計6に
より検出され、コントロールバルブ7により所定の圧力
に保たれるように圧力制御装置8により制御されてい
る。バブラーの下流で、圧力計6とコントロールバルブ
7の間に分圧測定器23がある。混合ガス中の超音波速
度がガスの混合比で変化する現象を利用して、ガスの分
圧を測定するものである。分圧の情報は制御装置22に
送られ、有機金属ガスの分圧とキャリアガス流量との積
が一定値を保つようにマスフローコントローラの流量を
制御する。この制御方法においては、有機金属ガスの供
給量は一定に保たれるものの、マスフローコントローラ
の流量が変化するため、反応管に流入するキャリアガス
の量が変化する。
【0027】先に説明した式(3)によれば、有機金属
の分圧Ps とバブラーに流入するキャリアガス流量lと
の積Ps lを一定に保てば、有機金属の供給量は一定に
保たれる。何らかの原因で有機金属の蒸気圧Ps が低下
しても、キャリアガス流量lを増加させ、lPs を一定
に保つようにマスフローコントローラの流量を制御すれ
ば、有機金属の供給量は一定に保たれる。実際、バブラ
ー内の有機金属の状態によってはバブラー内における有
機金属の分圧が飽和蒸気圧に達しない場合もあり、また
周囲温度の変化によりバブラーの温度が変化し飽和蒸気
圧の値が変動することもある。しかし、このような変動
があったとしても、有機金属の分圧Psとバブラーに流
入するキャリアガス流量lとの積Ps lを一定に保て
ば、有機金属の供給量[s]を一定に保つことが可能で
ある。
【0028】実施例3 図3に本発明の第3の実施例を示す。有機金属供給装置
41は有機金属原料2を充填したバブラー3を恒温槽4
に浸けて、バブラーの温度を一定に保つことにより有機
金属の蒸気圧を一定値に保つようにしている。マスフロ
ーコントローラ5で所定の流量のキャリアガスをバブラ
ー内に供給し、バブリングさせることによりキャリアガ
ス中に有機金属の蒸気を混合する。混合したガスを反応
管に供給する。バブラー内の圧力は隔膜式の圧力計6に
より検出され、コントロールバルブ7により所定の圧力
に保たれるように制御装置42により制御されている。
バブラー3の下流で、コントロールバルブ7と反応管と
の間に分圧測定器43がある。四重極質量分析を利用し
たもので、水素に対応する信号強度IH2と有機金属に対
応する信号強度IMOの比IMO/IH2を測定する。信号強
度比の情報は制御装置42に送られ、信号強度比IMO
H2が所定の値になるようにコントロールバルブ7によ
りバブラー3内の圧力を制御する。この制御方法の特徴
は、マスフローコントローラの流量を変更せずに有機金
属の供給量を制御できるため、反応管に流入するキャリ
アガスの量が変化しないということである。
【0029】次に、原理について説明する。先に説明し
た式(3)によれば、有機金属の蒸気圧とバブラー内の
全圧力との比Ps /PB を一定に保てば、有機金属の供
給量は一定に保たれる。四重極質量分析装置において測
定される信号強度比IMO/I H2は、Ps ≪PB の近似に
おいては、Ps /PB に比例する量である。したがっ
て、IMO/IH2を一定に保つようにコントロールバルブ
のコンダクタンスを制御すれば、Ps /PB が一定に保
たれ、その結果有機金属の供給量は一定に保たれる。何
らかの原因で有機金属の蒸気圧Ps が低下しても、IMO
/IH2を一定に保つようにバブラーの圧力PB を下げ、
s /PB を一定に保つようにコントロールバルブのコ
ンダクタンスを制御すれば、有機金属の供給量は一定に
保たれる。実際、バブラー内の有機金属の状態によって
はバブラー内における有機金属の分圧が飽和蒸気圧に達
しない場合もあり、また周囲温度の変化によりバブラー
の温度が変化し飽和蒸気圧の値が変動することもある。
しかし、このような変動があったとしても、水素に対応
する信号強度IH2と有機金属に対応する信号強度IMO
比IMO/IH2を一定に保つようにすれば、有機金属の供
給量[s]を一定に保つことが可能である。
【0030】実施例4 本発明の第4の実施例として、有機金属気相成長装置の
例について説明する。III 族原料は有機金属ガスを用
い、V族原料は水素化物ガスを用いている。構成を図4
に示す。この図において、実線52はガスの配管を示
し、点線53は制御信号の流れを示す。それぞれマスフ
ローコントローラ5a,5b,5cとバブラー3a,3
b,3c、隔膜式の圧力計6a,6b,6c、コントロ
ールバルブ7a,7b,7cからなる有機金属供給装置
51a,51b,51cを複数個と、水素化物ガスのボ
ンベ12a,12bを備えている。水素化物ガスの供給
量は、マスフローコントローラ13a,13bで行われ
る。各有機金属供給装置51a〜51cおよびボンベ1
2a〜12bからの配管を一つに纏めて反応管54に接
続している。配管を一つにした部分に、分圧測定器55
を配置する。本実施例における分圧測定器55は、四重
極質量分析器である。各供給装置51a〜51cのバブ
ラー3a〜3c内の圧力に関する信号が隔膜式の圧力計
6a〜6cから制御装置56に送られる。一方、各原料
ガスに対応する信号強度から、各原料ガスの分圧を推定
することができる。しかし、実際に必要な量は、原料ガ
スの信号強度比である。例えば、InGaAsPを成長
する場合においては、Inの信号強度IInとGaの信号
強度IGaの比IGa/IIn、およびAsの信号強度IAs
Pの信号強度IP の比IAs/IP が重要となる。この強
度比を一定に保つために、制御装置56を介してIII 族
原料については各有機金属供給装置のバブラー内の圧力
を制御する信号を各コントロールバルブ7a〜7cに送
り、V族原料については、各ボンベについているマスフ
ローコントローラ13a〜13bの流量を制御する信号
を各コントロールバルブ7a〜7cに送り、V族原料に
ついては、各ボンベについているマスフローコントロー
ラ13a〜13bの流量を制御する信号を送る。
【0031】実施例5 本発明の第5の実施例として、有機金属気相成長装置の
他の例について説明する。III 族原料は有機金属ガスを
用い、V族原料は水素化物ガスを用いている。構成を図
5に示す。この図において、実線52はガスの配管を示
し、点線53は制御信号の流れを示す。図1に示した有
機金属供給装置、すなわちそれぞれバブラー3a,3
b,3c、恒温槽4a,4b,4c、マスフローコント
ローラ5a,5b,5c、隔膜式の圧力計6a,6b,
6c、コントロールバルブ7a,7b,7c、制御装置
22a,22b,22cおよび超音波セルを用いた分圧
測定器23a,23b,23cを有する有機金属供給装
置21a,21b,21cを複数個と、水素化物ガスの
ボンベ12a,12bを備えている。水素化物ガスの供
給量は、マスフローコントローラ13a,13bで行わ
れる。各有機金属供給装置21a〜21cおよびボンベ
12a〜12bからの配管を一つに纏めて反応管54に
接続している。配管を一つにした部分に、分圧測定器5
5を配置する。本実施例における分圧測定器55は、四
重極質量分析器である。各原料ガスに対応する信号強度
から、各原料ガスの分圧を推定することができる。しか
し、実際に必要な量は、有機金属ガスの信号強度比であ
る。例えば、InGaAsPを成長する場合において
は、Inの信号強度IInとGaの信号強度IGaの比IGa
/IIn、およびAsの信号強度IAsとPの信号強度IP
の比IAs/IP が重要となる。この強度比を一定に保つ
ために、制御装置57を介して各有機金属供給装置およ
びボンベのマスフローコントローラの流量を制御する信
号を各マスフローコントローラ5a〜5c,13a〜1
3bに送る。
【0032】上記の実施例4および実施例5における、
ガス中の各原料ガス分圧を測定する箇所は、反応管入口
に限られるわけではなく、図6に示すように反応管内の
基板付近にキャピラリーを挿入して測定してもよい。図
6は、有機金属気相成長装置の横型反応管61の断面図
(図6(a))と上面図(図6(b))を示したもので
ある。反応管は気密を保持する外管と、その中に納めら
れた原料ガスの流れを規制する内管61との2重管構成
であるが、図6では内管61のみを示してある。内管6
1には切欠き部が設けられ、基板62はその表面が原料
ガスと接するように配置される。基板62は、回転軸6
3Aにより回転するサセプタ63上に乗せられており、
サセプタにより所定の温度に熱せられている。図面左か
ら原料となる、有機金属ガスと水素化物ガスが反応管6
1内に供給される。供給されたガスは基板付近で熱分解
され、基板上に堆積される。基板の上方に石英製のキャ
ピラリー64を挿入し、基板付近のガスを採取し、それ
を四重極質量分析器で分析することによりガス中の各有
機金属ガスの分圧を測定すれば、基板に堆積する直前の
ガス中の各有機金属ガスの分圧を測定できることになる
から、より安定度の高い制御が可能となる。
【0033】図5に示した気相成長装置において、有機
金属供給装置21a〜21cに替えて、図3に示した供
給装置41を使用することも可能である。
【0034】図4および図5の実施例では、三つのIII
族原料(有機金属)供給装置および二つのV族原料(水
素化物ガス)供給用ボンベを示したが、これらは必要と
される原料の種類の数だけ用いればよい。
【0035】上記の説明においては、有機金属の蒸気圧
が、バブラー内の圧力に比べ非常に小さい場合を想定し
て説明した。通常用いられているIII 族の有機金属にお
いては、この近似が十分成り立つ。最近用いられるよう
になった、V族の有機金属、例えばターシャリーブチル
フォスフィン(TBP)やターシャリーブチルアルシン
(TBA)などは、室温付近の蒸気圧が100から20
0トールにも達するため、Ps ≪PB の近似が成り立た
ない場合も出てくる。しかし、近似を用いない正確な有
機金属の供給量を算出する下記の式(4)に従い、バブ
ラーの圧力、あるいはマスフローコントローラの流量を
制御すれば、供給量の安定な有機金属供給装置、およ
び、供給比の安定な有機金属気相成長装置を構成できる
ことは明らかである。
【0036】
【数4】 (4)
【0037】
【発明の効果】本発明の有機金属供給装置においては、
有機金属ガスが混合した混合ガス中の有機金属ガスの分
圧を測定する手段と、それを元にバブラー内の圧力PB
を調整しPs /PB を一定に保つ手段を具備しているた
め、有機金属の供給量[s]を一定に保つことができる
という効果がある。また、有機金属ガスが混合した混合
ガス中の有機金属ガスの分圧を測定する手段と、それを
元にバブラーに流入するキャリアガスの流量lを調整し
てlPs を一定に保つ手段を具備するため、有機金属の
供給量[s]を一定に保つことができるという効果があ
る。
【0038】本発明の有機金属気相成長装置において
は、反応管に流入するガス中の各原料ガスの分圧を測定
し、分圧の比が一定になるように、各有機金属供給装置
の供給量を制御するため、各有機金属の供給比が安定に
なるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図2】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図3】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図4】本発明の第4の実施例を説明する図である。
【図5】本発明の第5の実施例を説明する図である。
【図6】基板付近にキャピラリーを挿入した有機金属気
相成長装置を説明する図である。
【図7】従来の有機金属供給装置を説明する図である。
【図8】従来の他の有機金属供給装置を説明する図であ
る。
【図9】従来の有機金属気相成長装置を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1,11 従来の有機金属供給装置 2 有機金属原料 3 バブラー 4 恒温槽 5 マスフローコントローラ 6 隔膜式の圧力計 7 コントロールバルブ 8 圧力制御装置 9a,9b,9c エアバルブ 12a,12b ボンベ 13a,13b マスフローコントローラ 14 配管 15 反応管 21,31,41 本発明による有機金属供給装置 22,42 制御装置 23,43 分圧測定器 52 配管 54 反応管 55 分圧測定器 56 制御装置 61 反応管(内管) 62 基板 63 サセプタ 64 キャピラリー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−256424(JP,A) 特開 平4−362176(JP,A) 特開 平6−145992(JP,A) 特開 平6−295862(JP,A) 特開 平2−43721(JP,A) 特開 平1−255214(JP,A) 特開 平1−96922(JP,A) 特開 平4−78131(JP,A) 特開 平5−67576(JP,A) 特開 平6−97081(JP,A) 特開 平1−96922(JP,A) 特開 平1−255214(JP,A) 特開 平2−43721(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属の入ったバブラー内の圧力を所
    定の値に保ちつつ該バブラー内においてキャリアガスを
    バブリングすることにより該有機金属ガスを供給する
    機金属含有ガス供給手段と、該バブラーの下流にあって
    有機金属含有ガス中の有機金属ガスの分圧(P を検
    出する分圧検出手段とを有する有機金属供給装置におい
    て、 前記分圧検出手段からの信号により前記有機金属含有ガ
    ス供給手段におけるバブラー内の圧力(P を制御し
    て、有機金属含有ガス中の有機金属ガスの分圧とバブラ
    ー内の圧力との比(P /P を一定に保つ手段を備
    えていることを特徴とする有機金属供給装置。
  2. 【請求項2】 前記分圧検出手段は超音波セルまたは四
    重極質量分析器であることを特徴とする請求項1記載の
    有機金属供給装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ有機金属の入ったバブラー内の
    圧力を所定の値に保ちつつ、該バブラー内においてキャ
    リアガスをバブリングすることにより該有機金属ガスを
    供給する複数の有機金属含有ガス供給手段と、該複数の
    有機金属含有ガス供給手段から供給される有機金属含有
    ガスを合流し反応管まで輸送する配管と、前記配管に取
    り付けられて、混合有機金属含有ガス中に含まれる複数
    の有機金属ガスの分圧を検出する分圧検出手段とを有す
    る有機金属気相成長装置において、混合有機金属含有ガス中の それぞれの有機金属ガスの分
    圧に応じて、対応する有機金属の入ったバブラー内の圧
    を調整することにより、各バブラーからのそれぞれの
    有機金属の供給量を制御する手段を備えていることを特
    徴とする有機金属気相成長装置。
  4. 【請求項4】 前記分圧検出手段は四重極質量分析器で
    あることを特徴とする請求項3記載の有機金属気相成長
    装置。
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